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「カイバ(TVアニメ動画)」

総合得点
67.8
感想・評価
218
棚に入れた
1018
ランキング
2238
★★★★☆ 3.9 (218)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.9

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カイバの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

昭和風なSFアニメ。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
2008年4月10日 - 7月24日に放映された全12話のTVアニメ。

監督は、湯浅政明。

【あらすじ】

記憶がデータ化され、古い身体から記憶を取り出し新しい身体に記憶を移し替えたり、
嫌な記憶を削除して、本人が経験してない別の誰かの楽しい記憶をダウンロードできたりする世界。
身体や記憶は高額なので買えるのは上流階級に限られていて、
貧しい者は生きていくために逆に自分や家族の身体や記憶を売って金銭に換えていた。
社会がそうなっているので、違法な売買、身体や記憶の盗難などの犯罪が横行し、
この世界は荒んで停滞していた。

ある時、上半身が胸に物理的に穴の空いた少年のカイバが目を覚ますと、
そこは壁が破壊された部屋で、彼は記憶を失っていた。
自分の首にかかっているロケットを開くと、そこには一人の少女の写真があった。

戦闘機械に襲われたのを二本足で走る鳥に助けられたカイバは、
ポポという少年の助言でパームとう女性に身体を売却し、
自身は簡易型ボディの「カバ」に記憶を移し替えて、宇宙船に密航をした。

カイバは記憶を失ったまま、身体を乗り換えながら宇宙を旅して、
いろんな人々に出会って、自分の記憶を取り戻そうとするのだった。

【感想】

クリエイターの理想ってなんでしょうね。

「今のアニメ業界はオタクのいうことを聞きすぎた過剰品質・演出過剰。
クリエイターは自分の好きなものを誰からも縛られずに自由に作って一流だ!」

みたいなことがtwitterで目に入ったのですが、実際にそう主張する人が作ったアニメを見てると、
昔のギャルゲーのバストアップ会話シーンみたいなのがずっと続いているCGアニメでして、
単に素材を口パク中心に動かしているだけで、まともにアニメーションしてない。
よそでは、アイドルアニメのライブシーンやロボットアニメのアクションシーンや、
背景の素材作りなどでCGで実績を出している作品もあり、CGアニメも使う人次第です。

かたや、主張している人は単純に楽をするためにCGを使っていて、
作画にせよ演出にせよ人に評価されるだけの努力をしていない。
自分が持たないものを人が持ってて世の中に評価されていることへの妬ましさでしょうか?

具体的に言うと『ファンタスティック・プリズン』て2022年のアニメなんですけどね。

他にも、
「今アニメは『絵』の綺麗さばかりを追いかけ、『演出』の力を軽んじる方向にあります。」
と主張してアニメ演出塾の生徒を募集した6年前まで業界にいたアニメ演出家がいるのですが、
希望者が一人も来ませんでした。実際にその人の演出が評価されていないという事でしょう。

これらの話は、クリエイターを名乗りながら声高に主張する人ほど手より先に口を動かす人たち。
御託を並べるのは良いですが、実績や見本を見せて自説の正しさをで証明する前に、
自分の理想と違うものを言葉で脱価値化しても、その人の地位があがるわけではないということです。

視聴者も、理屈や能書きに賛同するためにアニメを見てるのではなく、
どんな技法であれ見てて実力が感じられて面白いかどうかが重要でして、
ギミックの効いた紙芝居もあれば、映像や美術の表現力で人の心を伝える方法もあるわけで、
その正解にたどり着くルートがいくらでもあって良いわけでして、
あとは受け手である視聴者の好みの問題でしょう。
また、時代とともに視聴者の好みも変わり続けます。
90年代の美少女アニメが今見れば巨眼であるように、
今あるアニメだって何十年も経てば後年の人々に違った受け取られ方をするかもしれません。

その時代の流れの中で、自分のやりかたを通し続けている湯浅政明氏は、
クリエイター志望・クリエイターに幻想を持つ人たちの理想を叶えたヒーローかもしれませんね。
若手時には亜細亜堂に独特のセンスが認められたのか、湯浅氏は個性を矯正しない方向で起用されて、
そのまま今どきでは珍しく作品に自分の色を強烈に出す、尖ったままのアニメ監督になってしまった。
マッドハウスの元代表で名プロデューサーの丸山正雄氏の眼鏡にかなったこともあって、
自由にアニメを作ることが出来たのも幸運だったかもしれませんね。

そんな湯浅氏は時代時代の流行を取り入れること無く、独自のアニメーションを作っているのが、
異才であるようにみえるのですが、その根本にあるのは徹底した懐古趣味ではないでしょうか?
『ケモノヅメ』では昭和のプロレスアニメや妖怪アニメらの影響が見られるように、
『カイバ』では作画に手塚っぽさや赤塚っぽさが、
そして、ストーリーの流れとしては『銀河鉄道999』のオマージュ的なものが見られます。

湯浅氏の個性や感性は、彼の少年時代の楽しかった漫画やアニメの記憶の集合体をベースに、
自分なりに咀嚼して昇華したものであり、
彼の好みには今どきのアニメ好きが喜ぶ要素が含まれていないでしょう。

アニメ作りでも、原作サイドからの縛りが機能していた『ピンポン』以外は、
多くが自分の好みだけで作っているくせに、やたら他人からの評価を気にしていますよね、
小松左京さんの『日本沈没』を読んで原作のテーマ性を理解せずに、
パニック災害モノとして映像化した『日本沈没2020』が大不評に終わったことへの憤慨。
見るひとの気持ちを理解したり自分の作品を客観視することが不可能なのでしょう。
その気質だからこそ異質なアニメを作り続けて評価されることもあればコケることもある。

この『カイバ』もSF作品としてはそれなりには面白かったものの、
登場人物の感情面では特に良いところのない作品でした。

作中で美少女キャラ設定のクロニコという健気な女の子がいて、
業者に騙されて記憶を抜き取られて捨てられて、
本来の中身を失って抜け殻となったクロニコの身体にカイバの記憶を入れて、
カイバinクロニコが太っちょの悪徳保安官のバニラと旅をするわけですよ。
バニラにも悪徳保安官をやってる切実な理由あるのですが、
中身が男のカイバであるクロニコに一目惚れして別人のように猫なで声でデレデレして、
塩対応されているのにつきまとい続けて、外面しかみてないわけね。
最後は追い詰めされて逃げられない大ピンチにバニラが自分の生命を捨てて、
中身がカイバであることをしらずにクロニコ(カイバ)の身体から記憶だけ抜き出して転送して、
抜け殻となったクロニコの身体と心中みたいな最後でして、

夢や未来、自分の身を捨てて愛に殉じた男のいい話風に感動的な音楽と演出で盛り上げてるのですが、
魂と記憶を騙されて捨てられた挙げ句に残った身体も、知らないオッサンに熱いキスさせられて、
最後は爆散したクロニコの扱いがストーリーの小道具に過ぎなかったのが凄く残酷で可哀想過ぎて、
おじさん目線の主観的なこういう話なんだなと思うと、ドン引きで感動なんて全然なくて、
これが素晴らしい物語と思えず、最後までそれが抜けきれませんでしたね。


自分がこの作品に対する読解力があるとは思いませんし、
ただ感じたことを書いただけですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/06/01
閲覧 : 232
サンキュー:

14

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

記憶のランドスケープ

我々は五感の全てを駆使して記憶を獲得する。
特に経験値の乏しい幼児期におけるそれは、喜怒哀楽に直結したものであり、正にその人の人格を形成する基礎、すなわち根源的な記憶となるのである。

カイバ、この物語が映す世界、その存在の在処を問うことには、大した意味は無いのだろう。

はるか未来の、朽ち果てた地球の姿かもしれないし、「はたらく細胞」よろしく、脳内を擬人化した寓話かもしれない。

ただ一つ言えることは、人間の記憶という存在は、個の中に内包された全体であり、一つの生命が役目を終えたなら、全体の中に吸収されていくという“連理的なもの”に違いないということだ。
さらに、種が持つ世代を超えた記憶が広がるその先には、宇宙を満たし、その存在を担保する生命の記憶ともいうべきものを思い描くのである。
手塚治虫の“火の鳥”の世界、コスモゾーンという訳だ。

人という存在が、感情の中枢である偏桃体を司令塔に、短期記憶と長期記憶を振り分ける海馬の機能を辺縁にして、大脳皮質という人格を形成しているとするなら、その機能不全である心の病やサバン症候群と言った、人格のゆらぎとでもいうべき、心の神秘に仮託されたキャラたちに共感を覚えることは自然で、この物語が、善悪といった単純な問題を扱っているわけではないことは確かなはずだ。

若干チープなお話は脇に置き、その映像スタイルは、海馬の形状そのままにバンド・デシネ、“描かれた帯”そのものである。
伊東伸高氏が描き出す個性的なキャラクターは、まさに流れるように、そして世界を俯瞰しながらクライマックスへ導かれてゆくのである。

OPとEDを歌う加賀美セイラさん。
とても良い声をされた方だ。
調べてみたら、結婚情報誌ゼ〇シィのCM、パパパパ~ン♪のモデルさんでありました。

投稿 : 2021/06/07
閲覧 : 335
サンキュー:

7

カカオ副担任 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アニメーション表現の素晴らしさ

かなり難解なストーリーで構成されたアニメオリジナル作品でした
監督は四畳半・ピンポンなどを手掛けた湯浅政明

記憶喪失した主人公が周りに流されながら様々な星を旅するストーリーとなっています。

本作の特徴は緩い作風とのギャップです。
絵で誤魔化してはいますがかなりむごい内容になっています。
前半は鬱々とした雰囲気が続いているもの後半は世界観の説明+αで構成されています。
ただ、説明としては不十分であり、理解しながら見ている間に
感動シーンなどを入れるのは個人的にあまり良いとは思いませんでした。

前から思っていたのですが、湯浅監督は当たり外れありますが
独自の表現力を持っている気がします。
ピンポンを例に挙げれば、原作漫画のコマ割りをそのまま
アニメ化することでまるで読んでいた漫画がより動いて見える所ですね。

本作ではそのオンパレードでした。キャラデザは手塚作品のような緩い作風なのですが
なぜかキャラが死んだときはグロく感じてしまうんですよ。
武器は丸い形状でできているはずなのに恐ろしく感じてしまう。

それは監督自身の魅せ方にあると思っています。
このような表現を作画が良い状態のまま再現できるのは素晴らしいと思いました。
自身の表現力をいかに上手く周りに伝えられることができるのか、
本作を見終わって監督はそういうことも上手な人なのかなと思ってしまった。

投稿 : 2020/12/15
閲覧 : 383
サンキュー:

3

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

湯浅政明版「天使の卵」

続・湯浅政明はアーティストである。

しかも押井守や故今敏と同じくバリバリの「現代アーティスト」である。

なので、このドラッグやマリファナを服用した時のような倒錯した感覚を享受できるか、否かで評価がまっぷたつに分かれる。

声優はかなり豪華です。

今さんや押井さんと同じように、ベテランを連れてくるのが非常にうまいですね。

投稿 : 2020/08/08
閲覧 : 557
サンキュー:

8

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

判定不能

ちょっとわからなかった
後でまた観てみます

湯浅監督にハマったので観てみる
手塚治虫さんのようなキャラで
話は意外と壮大だしアイディアは面白いなと

観ていてプロトタイプな気もしました
いつか同じ筋でリニューアルしてもらったら面白いかな
そんな感じがしました

ピアノの話とデザイナー?の話は好きです

投稿 : 2020/08/05
閲覧 : 265
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

表現の可能性を高めた作品(470)

物語  291/300点
記憶を失った主人公が、自分の存在を知るお話。そのため、様々な人との出会いや別れ(1話完結型)と自分の正体を追う話(大筋型)が掛け合わさったような構成になっている。記憶チップの移動が可能な設定上、キャラの把握がかなり困難だが、1周すれば大抵のことは分かるように上手く作られている。2周するとさらに分かる。

キャラ 44/50点
二巡すると意外とバニラが良い奴に見えてくる。

作画  48/50点
時代を遡行したかのような作画。若干手塚治虫の作風とも似ている。この作画とキャラの外見でコミカルっぽく見えるが、悲哀の心情描写にも支障がない、良い作風である。

声優  42/50点

音楽  45/50点
挿入歌の全てが神がかっている。特にplanet,the tree songは伝説級。流れるタイミングが良いのも要因だと思う。


総評  470/500点
アニメにおける表現の可能性を広げてくれた作品。様々なテーマを取り扱い、それでいて大筋も立っている。テーマ性が深いため視聴者に与えてくる影響が大きく、最早娯楽の域を超えている。万人受けこそしないが、刺さる人にはぶっ刺さる作品だろう。

p.s. 二巡目後。一巡目は世界観や、バラバラの時系列を組み立てるのに時間がかかる。視聴後はあたかも全て理解しきったかのように感じるが、全くそんなことは無かった。
特に本作は、二巡目だからこそ気付くことが多々ある。多くのアニメは視聴者へのメタ的な説明が入るが、カイバにはそれが無い。どちらの方式が面白いかはともかく、カイバはメタ的説明がなかったことで、二巡目により理解が深まる。二巡目にしてようやく伏線の巧妙さに感服し、緻密な設定の下で作られたことが分かる。
テーマ性、伏線、テンポ、どれを取っても非常に完成度の高い名作。

投稿 : 2020/06/17
閲覧 : 288
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

生命讃歌

湯浅政明監督作品、マッドハウス制作。

記憶はデータ化され蓄積できる世界。
肉体は滅んでもより良い体へ移し不死となる。
貧富の差はますます広がり社会は混迷している。

{netabare}壊れた部屋で目覚めたカイバは記憶を失くし、
自分が何者か分からないまま突如襲われる。
ワープと名乗り宇宙への逃避行が始まる。{/netabare}

現代の「火の鳥」「銀河鉄道999」である。
星を巡り旅を続け少年は記憶を取り戻していく。
人の持つ欲望や貧困の悲哀がよく描けていて、
クロニコのながぐつ・ばあさんの記憶の部屋は、
心に響く珠玉のエピソードでしょう。
絵本のような世界観に魅了されますね。

個である事の本質と社会風刺、
哲学性と娯楽性が見事に調和されている。
奇抜なフォルムと鮮やかな色彩に溢れ、
全編を通じユーモアにも溢れた優しい物語。
生と死を考察しやがてその意味を知る。
僕たちはいずれ懺悔せねばならない。

美しく儚い生命讃歌である。

投稿 : 2020/04/30
閲覧 : 912
サンキュー:

39

モーリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

実は殺伐とした世界なんだけど柔和な作画で不思議な雰囲気でアニメの可能性を感じた作品

たぶん、これはわりとディストピアなんだよね。
だけど、画風がなんていうか、手塚治虫的というか、デフォルメされたキャラたち。
結果として、殺伐した世界がやわらかくなり、雰囲気が不思議になっている。
その不思議な雰囲気を評価したい。でも、雰囲気ってどの項目で評価していいかわからないので、物語と作画を★を高くしている。

物語自体は、ひろがっているようで、結局、閉じているような感じで、全部みおわってしまうと、それほど大したこと無いように感じる。

作画は、本当にものすごい不思議な雰囲気。例えば、銃で人を殺すときも、体が欠けるといった感じで、あたっても、痛くないような。血がでない、というか。

アニメの可能性を感じた。
こういうアニメもあるんだ、っていう感じ。

投稿 : 2019/11/07
閲覧 : 315
サンキュー:

1

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

メランコリー親和型

もう10年も前の作品なのですね…


私が『カイバ』を初めて観た時は

メッセージ性の強さに、
『解ったから、少し黙って』と、思ったなぁ。
『奇をてらいすぎてる!』とか…

トランス状態に陥る様な淫靡さ、はとても好きでした



年月を経て、ようやくこの作品に追い付け…た?事が
とても嬉しい。



「難解だ」と言われがちな このお話

1部、2部に わかれていると思って観ると
わかりやすいと思います

記憶を無くした『ワープ、もしくはカイバ、クロニコ』が
色々な『星』を巡るお話、と

『ワープもしくはカイバ』が
記憶を取り戻していくお話。


なんとなく…
伝えたい事、大切な事が
もう、しっかりと、オープニングで描かれているような



この作品に出てくるのは

『悲しい感情を持つ人間』ばかりです。
(悲しい、の中に、優しい、ひとつまみ)

それを

綺麗と思うか
醜いと思うか
馬鹿だと思うか
哀れと思うか
尊いと思うか

性(さが)と思うか。


記憶も身体も自由に入れ替えできる、となると
人間はこうなるものなのかな、と、色々考えさせられました。


今、現在も
ある意味、何もかも『使い捨て』


悲しいかな、人は人や情報に踊らされる生き物です。

『私利私欲のため』に行動しがちです。

『他を下に』して優位に立とうとする人もいます。

『甘い毒』で心を支配したりされたり。



…嫌だなぁ。


だから
何が大事か、何が正しいのか、冷静に考えて、
常に自分と向き合わなきゃ、

簡単に棄てられ、惨めに消えてしまうよ?


なんて言って…私 消えそうなんだけども



好きなシーンは数多くありますが、
特に
『排泄』のシーン。

セッチンの登場!セッチンですよ!
超未来型の排泄器具(?)です。


(もしこの作品を観られる時は、注意して見てみてください(笑)素晴らしいですよ。)


ほかにも
面白い発見が沢山ありました。


今の時代にこそ、ぜひ観てもらいたい作品です。
エロティックで、エロティックです(笑)



『映画』も『アニメ』も『小説』も…
人が一生懸命つくった物は、

色褪せる事なく存在し続ける。


大切にしなくてはいけません。

投稿 : 2019/10/03
閲覧 : 790

ペガサス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

魂の記憶

湯浅政明監督、原作によるテレビアニメ2作目。
第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作。

身体性を失った世界では記憶だけが自己のアイデンティティの証となり、その記憶さえも書き換えられ操作される。
その世界の頂点に君臨する主人公がアイデンティティを喪失して再び取り戻すまでの物語である。
途中ではマルキドサドに接近しつつも童話の挿絵のような作画がファンタジックな世界観となり残酷性を回避して無常観や叙情性を表現している。

凡百のアニメを軽くぶっ飛ばす、実験性と芸術性を備えた鬼才湯浅監督の傑作アニメである。

投稿 : 2019/06/16
閲覧 : 262
サンキュー:

3

どどる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

バニラ

とにかく、私がこの作品のすべてだと感じたのは保安官バニラです。
キャラクター評価の星5は全て彼に捧げるものです。

かわいい女の子に舞い上がった、1人の愚かな、主人公ではない男。
それを7話のあいだ主人公の1人として追い続けたことが、私にとってこの作品を愛する理由です。


正直、統一された12話のアニメ作品としては微妙で、7話構成の「世界観編」と5話構成の「本筋編」で分断されすぎです。
前半も良かったけど後半はもっと良くなった、と感じられればベストなのでしょうが、それほど後半に魅力があったかは疑問です。

音楽がとても良いので、ちょっと疑問を持ちつつも雰囲気にのって最後まで見れたのはあるかな。

投稿 : 2019/01/07
閲覧 : 376
サンキュー:

2

ネタバレ

エコエコ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

難解

最初と最後は難解で辛抱強く見る必要がある。
その分、内容は充実しており考えさせられることが多い。
深い作品。
この絵柄だからこそ、エロさやグロさを表現しうるのかと思う。

投稿 : 2018/08/16
閲覧 : 340
サンキュー:

1

ネタバレ

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

自己開発をされたい人向け

視聴回数 全話3-5回くらい

海馬は動物によって記憶能力はさまざまですが、「新しい記憶の一時保存」「一時保存された記憶から長期保存するための橋渡し」「新しい情報が過去の記憶と照合して、覚えているかどうか判断する」といった能力があります。

仮に機能しなくなると「新しいことはすぐに忘れ、昔のことは覚えている」という状態になると言われています。

本作ではチップと呼ばれるデータメモリが海馬の役目をしています。
体は性別や種類を問わず、チップ連結させれば乗り換えることが可能。

この作品は視点次第でさまざまなメッセージを感じることができると思っています。

まずこの作品で一番感じたのは「個人の冒涜」。
チップで生き長らえても羨ましいとも何とも思いません。
メッセージとしては反面教師に感じることを描いています。

{netabare}最期まで視聴された方はご存知かと思いますが、チップ内のデータバンクを他人が覗いたり、改ざんしたりなど人道的に疑わしい行為があります。
こういう行為を行った結果として、行き着く結末は原点回帰(データを集約して1つに補完)に至ってしまいます。{/netabare}

次に感じたことは「人の欲望と本質」
欲を出して得ようとしたことは、欲によって自滅するようになっている警告。

これらの内容は素直に視聴しても、自然に感じられる人道的なメッセージです。

そこで視点を変えたメッセージを私なりに書いてみます。

以下は視聴済みの方向けに書いています。

{netabare}・どうして肉体を変える必要がある?
・記憶は必ず必要なものなのか?
・どうして性別を気にする必要がある?
・人の記憶は本当に正しいのか?{/netabare}

このように自分自身に疑問を多く提示することで、この作品はリピートして自分の答えがいくつも出せる内容になっているのではないかと感じています。
個人が出す答えなので正解は無いと思います。そこで多くの人の意見が出て、作品が成長する深さがあります。

作画や音楽は、私の意見になりますが、問題提示になっている物語を理解しようとする思考に対して鈍らせようと、わざと仕込まれている感じがしています。
なんとなく考えさせられているような気分になって、視覚として気分がいいものではないです。

メッセージ性が強い作品ですが、未来にこのような事が起こらないとも限らないので、この作品のような事は起こしてほしくない願いはあります。

娯楽や面白さで視聴する内容ではありませんので、自己開発する目的で視聴されることをオススメします。

(余談)

この作品は自己啓発セミナーのような洗脳などと違うと認識しています。(そのような作品が文化庁メディア芸術祭で受賞しません)
過度な感情移入をしてしまうと誤認されやすいので、感情に余裕がある時に視聴されるのがいいと思います。
体調が悪いときなどに視聴されると逆効果です。

投稿 : 2018/06/03
閲覧 : 489
サンキュー:

10

kabaj31 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

タイトルなし

3話途中で断念。
絵柄とコメディっぽい動きが受け付けなくて、見てて苦痛。

投稿 : 2018/05/11
閲覧 : 406
サンキュー:

1

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

海馬

斜陽君に勧められて視聴
好み分かってる( ´艸`)

記憶を司る海馬
湯浅ワールド全開です
多分、わかりかけてくるのは5話あたりかな
絵柄で舐めてちゃいかんです
湯浅監督って、ペラいの作らないから好き。

曲も美しくて良かった。
ただ、切ないのね。
宗教風味あり洗脳風味あり
でも、記憶だけって生きてると言えるのかな
断片的であったり、改ざんされていれば
個人と言えるのだろうか
合理的といえば合理的なんだけどw

自分が思ってる記憶は果たして正しいのか
多分色々改ざんされてるところがあるはず

恋の描き方も好き。
思わず涙腺が緩みそうになったり
親からの愛や恋や思いがつまってる

世界観が大きくて驚きましたw

投稿 : 2018/04/21
閲覧 : 386
サンキュー:

11

ミンミン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

THE アート&アニメーション。

可愛くポップで優しいキャラデザとは裏腹に、なんて、なんて、残酷で、悲しく、儚く、美しく、深いお話なんでしょう。

ストーリーはやや難解で、1度見ただけでは理解できない部分がありましたが、非常に考えさせられる作品です。

生々しい表現も多少あり、手塚治虫氏の作品(この作品と似た雰囲気)が苦手な方や、子供にはオススメできません。

個人的には、DVDを購入するほど好きな作品です。

投稿 : 2017/07/15
閲覧 : 291
サンキュー:

3

ネタバレ

静御前 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

7話までは良いです

鬱アニメとして挙げられる本作
スレとかでは3話(クロニコのながぐつ)がキツイと言われていますが、個人的には4話(ばあさんの記憶の部屋)の方がグッときました。3話は、叔母さんがクロニコを愛していたことが読み取れるので、そこが救いなのかなと。(逆に愛していたからこそ、姪を身売りした葛藤が心痛くもありますが)
4話は、ばあさんが結局あの世に行ってしまう、孫も密航中に息絶えるとけっこう手ひどい。
あの映像美と民衆の鬱展開のギャップがなかなか良かったのですが、それ以降は失速していきます。
まず、映像で説明していくような感じなので内容が理解しづらい。序盤では心地よかった曲線の作画が、だんだん苛々してきます。
内容に関しては、ネイロの台詞から解釈すると、命は記憶ではなく気持ちであるってのがこの作品の核なんですかね。あと、全体を通して親子愛みたいなのも感じたけど。
気になったのが、最終話のラストシーンの、ワープがネイロに笑いかけるシーンは劇場版エ○ァンゲリオンのラストシーンと似てるし、全人類がカイバと一つになるという設定だって同作品で見たことある。
難解さを醸し出したかったのかもしれないが、それが不愉快に感じられた。
湯浅監督にSFは合わないかもしれない。
しかし、本監督が唯一無二のポジションにいるのは事実で、マインドゲームやケモノヅメは良作なのでそちらを観ましょう。
鬱アニメに興味のある人は、7話まで視聴することをお勧めします。


最後に、バニラってただのロリコンやん。感動はしなかったよ。

投稿 : 2017/02/27
閲覧 : 662
サンキュー:

4

オブ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

脳をチップに

可愛らしいキャラクターとシリアスなストーリーのギャップや世界観、物語に不思議な気分になれます。
小説でも漫画でもなくアニメが合う世界観だなぁと思えました。

記憶を大事にします。

投稿 : 2017/02/13
閲覧 : 306
サンキュー:

3

py さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

独特の絵柄

記憶だけが個人の特定に繋がる未来の話

金持ちは雲の上に住み、記憶を買ったり体を買ったり、、

なかなかディストピアな作品でした。

最初はわけがわからないまま進んでいきますが、物語が進むにつれ全容がつかめていきますので最後まで観るのをおすすめします。

投稿 : 2016/04/20
閲覧 : 351
サンキュー:

2

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

感性で観るアニメ

 実は前に1話観て??だったため断念しました。なんでこのアニメがいいのだう。不思議でした。評価が高いのには、訳がある。謎を探るため こんな時いつもたよりにしているウィキさんと共に また観はじめました。
 
 絵柄が手塚さんぽいのですが これは手塚さんへのオマージュなんだろうな。観終って この作品の世界観を表すには この絵柄だからこそ良かったんだとあらためて思いました。内容は理解できたようなできなかったような…。 でも観て良かった作品でした。クロニコとバニラのシーンは切なかったです。

 作品の解説については すでにいいレビューが出ておりますので 他の方のレビューをご覧くださいませ。(ハハ‥丸投げですね。)

 観て感じて 感性で受け取ってください。

投稿 : 2016/02/16
閲覧 : 320
サンキュー:

10

ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「記憶」が「個性」になった、せつない未来のお話

「我々は遺伝子を運ぶ箱舟に過ぎない」というコトバもある今の時代の中で、
自分の「記憶」が未来に引き継がれることは、ある意味人類の「夢」なのかもしれない。
「記憶」がデータ化され、肉体は意味を持たず、記憶こそが「個性」になった、
そんな人類の「夢」がかなった時代の、悲しいお話。
テーマ性もあるアニメなので、SF好きには是非見てほしいアニメ。

■ストーリー
序盤は、色々な星を巡り渡る、一話完結型のストーリー。
 「記憶」を巡る、ちょっぴり重く、せつないお話。どれもとても面白かった。
 『銀河鉄道999』や『キノの旅』のようなイメージを彷彿とさせた。
終盤からは、「いつまでも旅をし続けてほしい」という私の願いも虚しく、話は一変する。
 今までの登場人物が錯綜し、様々な「謎」が解き明かされ、物語は一つになっていく。

全12話ということでテンポは凄い良かった、が、当然説明や情報の描写は少なかった。
特に終盤の時系列や、展開の速さは、私には難解だった。
二回見て、分からなかったことが分かり、登場人物の行動の意味がようやく繋がった。
とてもせつない物語だった。
また、オープニングの、様々なキャラクターが手を握り合うシーンがとても印象的だった。
肉体が軽視された時代の中で、肌で触れあうことの大切さを、主張しているのだと思った。

■作画について
手塚治虫のような昔風のレトロな作画なので、
「萌え」*1や「今風の作画」を要諦にしている人には合わない作品かもしれない。
SF好きなら、作画に拘らずに一度は見てほしい。
私個人としては、このアニメの作画は大好きだ。
まず、童話や絵本のような作風故の、「独特の世界観」がある。
次に、シンプルな画風故の、型にはまらない「表現の自由」がある。
顔の表情や、人物や背景の動き、奇妙な世界やキャラクターに至るまで、
本当に「自由」だなって思ったし、「アニメ」だなって思った。
こういうアニメがもっと増えて欲しいと心から思う。
(*1レトロな画風だったけど、クロニコは十分「萌え」に該当するキャラだと思う)

監督・湯浅政明氏の作品は初めて見たので「四畳半神話大系」などの作品や、今後の活躍に期待。


■せつないアニメ(※物語の核心を含むネタバレ)
{netabare}せつないストーリーや人物は多々存在したけど、個人的にピックアップしたいのは「ひょーひょー」
旅の初めからずっと主人公・カイバに付き添い、彼を守ってきた「ひょーひょー」の記憶は、ヒロイン・ネイロの過去の記憶だったこと。そして、今いる「現ネイロ」が過去の記憶を持っている「ひょーひょー」の記憶を拒絶し、「現ネイロ」として生きていくことを決めたこと。
「過去に拘らない」、「今を生きる」、「私は私」。そんな「現ネイロ」の気持ちもわかるけど、
「過去ネイロ」(ひょーひょー)の今までの事を思うと、この事実がとてもせつなかった。
第2話で、ある女の子の着替えのシーンを、カイバに必死に見せまいとする「ひょーひょー」だったり、
その女の子が、カイバが下げているペンダントに入ったネイロの写真を見て、「彼女?」と聞いた時、ウンウンと頷く「ひょーひょー」だったり。
これらのシーンは、視聴1回目では分かり辛い(いじわるな)シーンだ。「ひょーひょー」は、本当にカイバが好きだったんだなーと思った。
「現ネイロ」と「過去ネイロ」の記憶の「融合」は出来ないのだろうか?
それだと、「別の誰か」になってしまうのだろうか。

カイバも、最終的には保存された過去の「記憶を捨て」、ネイロと新しい人生を歩み始める。
身体ではなく「記憶」が「個性」になった世界で、それを否定したシーンだと思う。

最後の最後のエンドロールで、「ひょーひょー」が記憶屋・キチの元へ飛んで行く描写が、せめてもの「救い」だった。
記憶屋・キチは「ひょーひょー」を生み出してしまった張本人だけど、責任を感じていたし、それと当時に実はネイロを愛していた。
「ネイロ」になれない「過去ネイロ」は、「過去の記憶を乗り越え」、これからキチと新しい人生を歩むのだろうか。
どうかお幸せに。{/netabare}

投稿 : 2016/01/19
閲覧 : 812
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15

ねねねねの さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

誰か解説を…!陰鬱とした雰囲気

ざっくりと個人的な感想。
世界観が難しい&テンポや表現も独特!ながら見だったのもあって理解出来ず仕舞いです(笑)

前衛的で独特で、視聴者に媚びるなんてことは一切ない。
”欲”の表現がエグくそしてエロい。
トリップ表現もある終始陰鬱としたアンダーグラウンドな雰囲気でしたねぇ。

最後は鬱展開ではないハズなのに、見終わっても陰鬱のイメージが抜けない。
正直なところ思い出すと気持ちが悪い…w

独特な言い回しを理解するので考察しながらの視聴になりそうです。
解説があると本当に助かります。

私個人としては手塚絵である事で余計に気分が落ちてしまってます。
世界観とビジュアルのミスマッチさはタマラって映画を思い出しました。
タマラもカイバも独特さがクセになるけど、反面すごくドロッドロで宗教染みた世界が恐く感じます。

ポップ×エロ×グロ、キャッチーでキュートなビジュアル。
中身は容赦なくこっちを切り裂いていく作品。

投稿 : 2015/12/04
閲覧 : 410
サンキュー:

1

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

そこは、記憶を操作できる世界

記憶を売り買いし、身体を入れ替えられる
金さえあれば死ぬことのない世界


監督・脚本は天才・湯浅政明さんです、制作はマッドハウス。
出ました、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品です。
よく分からない賞ですが、本作なら表彰されるのも納得の出来です。
まず世界観が素晴らしいですね、タイトルも"海馬"なんて、いかにも質アニメっぽい名前ですよ。
記憶が操作できる世界ということで、金持ち達は貧しいから若い身体を買い取り、自分の記憶を植え付け半永久的に生き続けることが出来るわけです。
貧民の若い身体は高く売れます、その代わり、金持ちの記憶が植え付けられた場合自分の記憶は失われてしまいます。
そうした貧民の記憶は大量に溢れ空中に漂っています、こうなるともう記憶を取り戻すことは出来ません。
主人公は記憶を失ったカイバという少年、ここがどこかも、自分が誰かも分らない中から始まり、様々な人と記憶との出会いから自分を見出していく、というような話です。

まぁ湯浅監督作品という事で伏線などの考察のし甲斐に満ち足りてるんですが、それに加えて物語がまず面白いんですよね。
「銀河鉄道999」的なオムニバスで進んでいく前半は重い話もありますが基本楽しく見れるんですよね、7話から一気に話が変わって自分の謎、世界の謎に迫っていく話になると、畳み掛けるような怒涛の展開といいますか、とにかく凄いです。
湯浅さんの前作「ケモノヅメ」の世界観はかなり風呂敷を広げてそのままだった感じもありますが、これは着地点もしっかりしていたように思います。

湯浅監督作品って、声優はきちんとしてる気がします。
このタイプの監督さんって拘りありそうでよく声優が本業じゃない方起用するんで・・・某パヤオや某禿など・・・

音楽はしっとりとしていて癒される楽曲となってます。

バニラとクロニコの結末が悲しすぎる・・・
クロニコの唇を噛んだ表情、今でも鮮明に記憶に残ってます。


何しろ絵が特徴的で人を選ぶとは思いますが、ハマる人は結構ハマるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2015/11/26
閲覧 : 346
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3

Cat_See さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

見た目に騙された

満足度は適当につけています。

ひたすら内面世界を見た目を犠牲にして
これでもかというくらい描いています。

自分はこれを見たあと、しばらく毒素が
抜けなかったので上級者向けです。
小中学生はまず見ないほうが良いかと思います。

記憶や見た目、精神をテーマに
1人の男か女かわからないような見た目の子を
中心に話が進みますが、少々えっちな部分もありますというか
エッチが本業に近いので芸術性が非常に高いかと思います。

毒性が強いですが、その分得るものも大きい、
というわけでもないので、自分は大丈夫という
覚悟が相当数ある人だけにおすすめです。

アニメってここまでできるんだと思わせてくれた反面
ここまで出来ちゃダメだろという面もあった
難しい作品でした。

投稿 : 2015/07/15
閲覧 : 277
サンキュー:

8

ノンリニア さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

わからない・・・・・・でも、いいや!

最近、久しぶりに四畳半神話体系を観なおしたので、その流れで同じ湯浅監督作品のカイバをみました。

テーマは「命=記憶(思い出)」と捉えた際の「社会の在り方」と「アイデンティティの保ち方」なのだろうと思います。

うーん、文章にしたとたんに間違っているような気になりますが、あえて言葉にするとそんなところだと。
たぶん。

大まかな話の流れは、あにこれのあらすじのとおりです。
しかし、自分にはとても難しい話だと感じました。

全11話の物語はいくつかのエピソードで構成されていいるのですが、それらが語らんとするメッセージが、わかったような、わからないような……

感覚的にはわりと腑に落ちるのですが、言葉としては整理できない。
冒頭からその消化不良のような印象が続き、最終話まで一気に観終わったとき、ふと思いました。

あぁ、このアニメーションは無理に言葉に変換しちゃだめだな、って。

メッセージは感覚的に伝わります。
独特の切なさと共に。

湯浅監督独特の世界観(画のトーンが好みで音楽もイイ!)に浸っていると、このレビューのタイトルのような心境になります。
「わからない……でも、(伝わるから)いいや!」って。

最後に一つ。
お酒を飲みながら「カイバ」の話をするとおもしろそうですね。
語る人の心の中が覗けそうな気がしますww

投稿 : 2015/05/01
閲覧 : 399
サンキュー:

6

tsunacan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

大人向け童話

可愛いキャラクター達とは裏腹に非常にシリアスなアニメです。

欲望のために身を滅ぼし、生活のために大切なものを捨て、地位を得るため他者を蹴落とす…
無知な行動を取り、裏切り、過去を暴露され、誰かを犠牲にし、犠牲にされ…
それは彼らが悪なのではなく、愚かで悲しい選択をしてしまっているだけなんだと、そういう物語になっています。

彼らが可愛くデフォルメされた童話のようなキャラクターでなければ重すぎていたと思います。
一話観る度に彼らが何をどこで間違えてしまったのか、意識せず思い巡らせてしまいます。
その為、体力がない時に見るのはお勧めしません。

何もかも失った後、愚かでも善らしいものが残る事だけが唯一の救いになっているのかもしれません。

投稿 : 2015/02/09
閲覧 : 281
サンキュー:

1

サブアカウント01 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

内容は良いのだが・・・・個性が強い

キャラデザは手塚治虫風で絵本を見てるような作品
この独特の雰囲気が合わない方は見るのがしんどいだろう。


また優しさを感じる絵からは反対に比較的、暗い表現が多い
家族の為に体を売る少女、SEX描写、売春、浮気、など
特に3話~7話の哀しくも優しい物語は個人的にはかなり好きです。


非常に面白いのだが、個性が強い為オススメしずらい作品。
作風に合う方は、かなりハマるでしょう。

投稿 : 2014/11/09
閲覧 : 357
サンキュー:

0

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

湯浅監督によるSFラブストーリー

記憶のデータ化により、体の売買を行うことで富裕層は永遠に生きることができる世界の話。

絵柄が手塚治虫の可愛いキャラクターみたいな絵柄で、動きとか演出の面白さは流石湯浅監督作品といったところ

内容的に結構残酷で気持ち悪さもあるんですが、絵柄が可愛いからこそ許容できる範囲なんでは無いでしょうか

前半は世界観を構築するような切ないショートストーリーで構成されていて、後半で数多くある謎を少しずつ解きつつ、恋愛的にも展開していきます

SFものとしてもそれなりに複雑で見応えがあるし、絵の動きだけみても十分面白い

恋愛模様のパターンも多岐にわたっているし、人間の感情の動きがリアルで引き込まれました

投稿 : 2014/06/10
閲覧 : 377
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

記憶の海  【ねこ's満足度:92pts】

どこまでも醜くどこまでも温かい、そんな人間の感情を見事に描ききった傑作。
『マインドゲーム』の湯浅政明監督による、美しくも儚いSFドラマです。

まず特徴として挙げられるのが、手塚治虫を思わせるレトロなキャラクターデザイン。
その優しく柔らかいタッチのおかげで、なんとか完走できたと言っても過言ではありません。
そのくらい重くて哀しい。これが普通のデザインならおそらく精神が持たなかったはずです(笑)。

”記憶”をデータ化し、自由に持ち運びすることができるようになった世界。
記憶を失ったまま目覚めた主人公・カイバが、その記憶を取り戻していくというお話です。
いくつもの星、いくつもの出会い。それらを経てカイバは真実を知ることになるのですが……。

記憶を操作する。使い方次第では医療などにも使えそうな、素晴らしい発明です。
しかし、それを使うのは欲深き人類。生み出されるのはエゴが吐き出す醜い世界。
キャラクターのコミカルな動きや一見軽く見えるノリが、その不気味さを増幅させています。
そしてそれらは、視聴者に残酷で不条理な現実をこれでもかというくらい突きつけてくるのです。

そんな哀しい物語を形作っているのは、数々のやるせない”愛の詩(ラブストーリー)”。
人はどうしようもなく愚かだけれど、同時に愛の素晴らしさを知っている。そこに微かな光がある。
切なくて胸が張り裂けそうな話の連続ながら、最終話では少しだけ希望を感じることができました。

とにかく切ない!切ない!切なすぎる!!それでもなお惹き付けて離さない構成も見事でした。
いまや湯浅作品には不可欠なチェ・ウニョンの独特な演出にも注目です。この人の世界観大好き。

挿入歌も効果的で何度も何度も感情を揺さぶられました。こんな作品滅多にないです。
かなりクセが強いので万人受けするとは思えませんが、傑作であることに間違いありません。

投稿 : 2014/03/14
閲覧 : 710

zunzun さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

曲線とエロティシズム

鬼才、湯浅政明監督作品。当時WOWOWのみの放送だったので少しマイナーな作品かもしれません。

見た目の印象は手塚治虫へのオマージュが随所にみられる曲線を主とした柔らかい画作りで、色使いは暖かいです。

反面、ストーリーは記憶のデータ化により生じた問題で混沌とした宇宙を描くシリアスなサイエンス・ファンタジー。生理的に訴えてくる描写もかなりあるので、可愛い見た目だけで視聴した人は面食らうかもしれません。

ですが、手塚治虫の画風には可愛さの中に、そこはかとない強さとエロティシズムが同居しています。そこをもっと深く突っ込んだ作品がこの「カイバ」なのであれば、それはこの作品の狙いとしては極めて効果的と言えます。

内容は胸を締め付けられるような切ない話も多いです。

ピュアでプリミティブな感情に訴えてくる音楽やキャラを含めたデザインとノスタルジックな雰囲気。ビターで切ない大人のサイエンス・ファンタジー傑作と言えるでしょう。

投稿 : 2014/02/18
閲覧 : 334
サンキュー:

4

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カイバのストーリー・あらすじ

記憶のデータ化ができるようになり、肉体の死がもはや死と呼べなくなった世界。記憶はデータバンクに保存され、新しい身体への「乗り換え」や、記憶の売買といったことが可能になり、違法に記憶を改ざん、記憶を盗むことも行われていた。社会は混沌とし、力を失い停滞化していた。そんな世界を主人公カイバは記憶を失ったまま宇宙の星々をめぐり、たくさんの人々と出会い、記憶を取り戻してゆく。(TVアニメ動画『カイバ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2008年春アニメ
制作会社
マッドハウス
公式サイト
www.wowow.co.jp/anime/kaiba/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%90
主題歌
≪OP≫Seira『Never』≪ED≫Seira『Carry Me Away』

声優・キャラクター

桑島法子、能登麻美子、朴璐美

スタッフ

原作:湯浅政明・マッドハウス、 監督:湯浅政明、シリーズ構成:湯浅政明、キャラクターデザイン:伊東伸高、音響監督:百瀬慶一、音楽:吉田潔

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