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「風立ちぬ(アニメ映画)」

総合得点
71.7
感想・評価
811
棚に入れた
4276
ランキング
1248
★★★★☆ 3.8 (811)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.3
音楽
4.0
キャラ
3.7

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風立ちぬの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「愛」よりも「大義」を選んだ男

罪深い話だと思う。

宮崎駿は身近にある「愛」よりも「大義」や「夢」を選んだ。

すごく正直な物語だと思うと同時に、余りにも身勝手な主人公堀越二郎に普通の人は感情移入しづらいだろう。

普通は「夢」よりも「恋人」や「家族」を守ろうとするからである。

しかし、 菜穂子は「そういう人」だからということで、死んでもなお堀越二郎を擁護する。

でももしかすると、 菜穂子にとって「夢」や「大義」を追いかける堀越二郎だからこそ愛せたのかもしれない。

それがないと堀越は逆に魅力がなくなってしまうのかも。。。

「愛」の形は人それぞれであり、これこそが究極の「愛」というものは存在しない。

他人や世間にどう言われようと、要は双方が満足していればそれで十分なのである。

投稿 : 2023/07/16
閲覧 : 451
サンキュー:

18

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

男の美学や生き様の話なのでしょうね。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
2013年7月20日に公開された126分間の劇場版アニメ。
原作は、『モデルグラフィックス』に連載されていた宮崎駿による漫画作品。

監督は、宮崎駿。

【あらすじ】

話は大正末期。主人公の堀越二郎の少年期から始まる。
二郎少年は夢の中で、大空をプロペラ機で飛んでいたが、
近眼のためにパイロットを諦めざるをえなかった。
それが、尊敬するイタリアの航空技師のカプローニ伯爵が夢に出てきて、
飛行機の素晴らしさについて滾滾と説かれたことで、
自分も飛行機の設計者を目指すことになる。

長じて、東京帝国大学で飛行機の設計のために工学を学んでいた二郎は、
1923年に汽車に乗車していたときに関東大震災が発生して、
のちの妻である里見菜穂子と女中の絹と出会い、彼女らを助ける。

大学を卒業して三菱内燃機製造に入社して念願の飛行機の設計技師となった二郎。
新人時代から優れていた二郎はドイツへの企業留学を経て、
入社5年で大日本帝国海軍の戦闘機開発の主任に抜擢される。
これは、後にゼロ戦を作った実在の人物をモチーフとした、昭和初期の物語である。

【感想】

引退商法が恒例となっている宮崎駿氏が今度こそ本気だ!と、
自分の作りたいように作った作品。後の2017年にまた新作アニメの制作を公表して、
「君たちはどう生きるか」の完成は2023年らしいですけどね。

要はあれです。彼自身が好きな堀辰雄氏の小説の「風立ちぬ」「菜穂子」を、
実在の堀越二郎のエピソードにくっつけて脚色したフィクション性の強い話。
二郎の史実での妻の堀越須磨子は、架空の妻の菜穂子と違って、
結核を患ってませんし、6人の子宝に恵まれています。

これは、宮﨑駿が堀越二郎の名前と経歴を拝借した、モノづくりには子供のように熱中して、
その他のことには疎くて、一見優しくて紳士的な物腰でありながら、
無自覚に約束を破ったり人の気持ちがわからなくて全く気が利かない創作上の主人公に、
生涯をアニメーターや演出家として仕事をしてきた昭和の男の自分の姿を重ねて作った作品。

『自分の作った映画で泣いたのは初めてです。』

と、ドキュメンタリー番組で宮崎駿監督本人が言ってるように、
自分が楽しむために作ったアニメであり、彼のアニメ人生の総決算的なモノ。

このアニメの堀越二郎は、
見た目は実在人物とは似てないジブリ顔の好青年でありますし、
菜穂子はクラリスとかハドソン夫人とかを作ってきた自身の理想の女性像。

主演に声優ど素人のアニメ演出家の庵野秀明氏を起用したのも、
庵野氏を自分と同類の人種だと思っているからこそ、自分の代理として二郎に適役との判断。
演技せずとも、自己投影の対象の二郎の内面を声と調子で再現できるはずだとの思い。

しかしながら、その庵野氏のボソボソした棒読み声が本業の役者たちの間で浮いてますし、
声優嫌い?からこんなことまでやっちゃうのは理解の外ですね。

関東大震災時の生き物のようにうねる地面とか絵巻物のように描かられた群衆の動き。
空を覆い尽くす黒煙とか、レイアウト職人としての宮崎駿監督とジブリのアニメーターの実力。
5年もかけて作った映像のクオリティは流石としか言いようがないですが、

このアニメを十全に楽しむのには、そっちじゃなくて宮崎駿監督の人生や価値観を理解して、
更には堀辰雄氏の小説を嗜んでおく必要があるかな。

いちいち監督に忖度して評価するのも自分としては好きでないので、
純粋に楽しめなかったですかね。

昭和初期の雰囲気を楽しむ文学的な空気は悪くなかったですが、
軍部をうるさく吠えるブルドッグみたいに描いていたりで、
戦後の史観が入っていたり、やっぱり昭和の古い価値観から抜け出すことは、
この人には不可能かなと。やはりこれよりかは「この世界の片隅に」のほうが、
ノンポリであるがゆえに素朴かつ戦争の怖さを思い知らされたりで、
時代を切り取った話としては優れていると思いました。

これは、個人の感性の違いでしょうけどね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/10/13
閲覧 : 601
サンキュー:

59

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

自伝ですよね

それが戦争で人を殺す武器であろうが関係なく、病気で美しくなくなった妻にも興味がなく、ただ自分の興味の求める、美しいものだけを追求するまさにひどい男の話だと思ったのですが、これは宮崎駿氏の自伝なのでは、と感じました。
ジブリ作品なのでもっとちゃんと細かく視聴すれば違う見方もできるかもしれません。
各方面から怒られないようにうまく宣伝活動した鈴木Pの意図ぼかしもあり、難解になっている部分もあると思います。

2022.9.1追記
堀辰雄には多分意味はありません。風立ちぬ、のワードと結核のエピソードを使いたかっただけでしょう。アンノモヨコが試写会で号泣したとのことで、見方としては間違ってなかったんだなと思いました。

投稿 : 2022/09/01
閲覧 : 256
サンキュー:

5

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

風は何処へと立つだろう。

堀辰雄×堀越二郎×宮崎駿のミキシングムービー。

リスペクトであり、モンタージュであり、オマージュでもあります。

誰への視点に寄せて視聴するかでレヴューが定まるでしょう。


~    ~    ~


通底するのは、美しさへのアタッチメント。

ロジックの検証であり、デザインへの探究であり、レコードの達成であるのでしょう。

一方で、両の肩に圧し当てられるのは時代の要請。

でも、二郎の心が開襟できるのはカプローニへの羨望なのです。


飛行機が叶える美しい世界への兆しを、手放すことはできないのです。


~    ~    ~


1920年の様相は、どこか現代に通じています。

病気が蔓延し、(核)戦争さえ想起されます。

経済は行き詰まりを見せているし、社会不穏はニュースに事欠きません。

これで大震災が起きようものなら・・・。


菜穂子の息苦しさは、いつか私の胸のつかえとオーバーラップするのです。


~    ~    ~


生きねば。

先人は、平和主義を掲げ、戦争を放棄すると憲法に誓ったのです。

敗戦は、戦力は持たない。交戦権は認めないと9条に宣ったのです。

過ちは繰り返しませぬと、広島、長崎、沖縄の礎に刻み付けたのです。


美しくありたいとふるさとを愛するプライド。

自由と平和を求めたいと、世を謳うフィロソフィー。

朝な夕なに技能を磨き、日夜に勤しんでいるバイタリティー。

私たちは、そうして、どうしても生きねばなりません。


~    ~    ~


すばらしい技術は戦争に供与され、平和に活用され、人の暮らしに還元されます。

世相には停滞もあれば、風が立つときもあります。

ひとり一人の意思の力が、今もこれからも、未来の子どもたちから望まれるでしょう。


{netabare} 「政治家たちは子供たちのことにはまったく無関心です。でもいずれの日にか人道支援の政治問題化ではなく、政治が人道化する日がやってくるでしょう」
『オードリー・ヘップバーン物語』集英社、1998年5月4日。{/netabare}


私も、そう受け止めたいと思っています。

投稿 : 2022/07/05
閲覧 : 199
サンキュー:

12

横比較無用ノ介 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

君たちはどう老いるか

堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて作られたアニメ映画。
だが、実在した「堀越二郎」のドキュメンタリーではない。
空に憧れた少年の、戦闘機制作と恋愛の物語。

恋愛パートは、堀辰雄の小説「風立ちぬ」がベースになっているらしい。
当時は死の病だった、結核に侵されている菜穂子と恋に落ちる。そして、結婚。
だが戦闘機の制作に没頭している二郎と、常に一緒にいることはできない。

菜穂子とのストーリーは、二郎が「仕事ばかの冷たい男」という結末に。
本当に訴えたかったイメージとは、異なるものになってしまったようだ。
2つの物語を混ぜた作品なので、こういう事も起こるのだろう。

宮崎監督が70を超えて作り上げた力作。
だがこれまでの、子供たちに楽しんでもらう作品とは言えない。
飛行機が大好きな宮崎監督(少年)が、自らの関心事を描いた作品なのだろう。
主人公と宮崎監督を、重ね合わせてしまうのは無理もないことだと思う。


人は年齢を重ねると、新しい物事への関心が薄らいでいく。
古い物事の記憶はしっかりしているのに、最近の事柄は忘れてしまう。
それでもなお、新作を作ろうとする監督の姿勢には頭が下がる思いです。

投稿 : 2022/05/24
閲覧 : 196
サンキュー:

5

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.0 声優 : 1.5 音楽 : 2.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

地味すぎる。

おそらく最後にハウルの動く城を見て以降、ハウル以降のジブリ作品って見てないはずです。しかし、久しぶりにレンタルショップに行きジブリコーナーを見ていたら何故か「風立ちぬ」が気になってしまい約18年ぶりにジブリ作品を見ました。
今までジブリ作品で見た映画といえば「魔女の宅急便」「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」「平成たぬき合戦ぽんぽこ」「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「もののけ姫」と、元からそんなにジブリアニメを見てなかった自分ですが、久しぶりに見て見て思ったのがスケールが地味だなぁと思いました。
自分の中でジブリというのは壮大なスケールで描かれる、流血模写あり、戦火だけでなく、映像美の極みともいえる風景美が描かれる物であるという印象があり、今回の作品もストーリーがストーリーなだけに、男女二人の模写の中に、激しい戦争のシーンがあるのではないかと予想しておりました。
しかし、今回はその様なシーンはなく、結局最後まで戦闘シーンはありませんでした。

もちろんこの作品はファンタジーでも、強烈な反戦映画でもなく、一人の技術者の人生を描いた「自伝映画」であると思います。
ですので、期待した様な模写が無くても別に良いのですが、明らかに詰まらなくて退屈なシーンが前半多く、また変なドイツ人が出てきたり、警察が何かヤバいことをする事もなく、平然と進んでいくので睡魔に襲われました。
また、恋人となる女性との模写があまり無くて主人公の10年間の別にどうでも良いシーンを増やしてしまった事から、いまいちあの二人の関係に共感や共鳴出来なくて苦しみました。

しかし、最後の健気な二人の姿を見ていて正直かなりグッときました。
そこら辺はさすがジブリだなと感心しました。
それと終わり方は完璧だったと思います。あのような模写はさすがだと感心いたしました。

ですが全体的に見てバランスの悪い映画であり、別に見なくても良かったとさえ思います。

それと、宮崎監督はそれなりの考え方があるからこそ庵野監督を起用したのでしょうが、他の声優陣と比べるとあまりに素人の演技で気になりすぎて作品に集中できませんでした。
僕は芸能人を声優に起用するのは賛成派ですが、今回はあまりに個人的な感情を優先しすぎて観客の事を何も考えていないなと思いました。

どちらにせよ、開始1時間以上経っても面白くならず、少しグッと来させる程度では良い映画とは言えないと思います。

投稿 : 2021/09/09
閲覧 : 185

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

今をただ生きる。

高校生の時見てて、すごい大人な作品だなと思って見ていたが、その中でも色々と感じるものは多かった。素敵な作品。

と当時は思っていたようですが、
人間とは根本的には変わらないのかもしれませんね。

年収1000万稼いでいても、お金がない。老後が心配だと嘆くのが私の父です。
何より死を恐れていて、わたしには哀れに思えてしまいます。

自分は死の淵に何度か立ったことがあり、その時から死を恐れるというより、受け入れたのだと思います。

いつ死んでも良い。と

投げやりになったわけではなく、その時からただ一日一日を必死に生きることで精一杯なのです。

だからこそ、小さな幸せを感じることができ、日々感謝しながら過ごせているのかもしれません。

人それぞれ幸せの基準は違うとは思いますが、何かが欠けていたり、不足しているからこそ、幸せというのは体感できるものなのだとこの作品を見て改めて思わされました。

投稿 : 2021/08/30
閲覧 : 202
ネタバレ

たつや さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「飛行機は美しくも呪われた夢だ」

風立ちぬ
昔見た時は子供すぎて意味がよくわからなかったけど、今見返してみたら宮崎駿監督の伝えたかったことが、少し分かった気がする。暴走する祖国と歪んでゆく世界、理想と現実の間で苦悩するエンジニアの二郎、結核に侵されながらも、二郎のすぐそばで懸命に生きる菜穂子、他にも多様なキャラクター、場面があり面白かった。「美しいところだけ、好きな人に見てもらったのね」というかお母さんの言葉には、涙が出た。「飛行機は美しくも呪われた夢だ」と語るカプローニさん、「あなた、生きて」と言い、風に乗って美しく消える菜穂子、「ありがとう、本当にありがとう」と言う二郎、本当に感動のラストだった。

「戦争を糾弾するものではない。ゼロ戦の優秀さを表したいものでもない。本当は民間機を作りたかったと庇うわけでもない。」

「自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである」

宮崎駿監督作品の最も好きな作品の一つとなった。少し言いたいことがあるとすれば、声優が少し棒読みだったかな(特に二郎)。あと少し盛り上がりにかけてたかな。でも2時間見ごたえのある作品でした。音楽も最高でした。

投稿 : 2021/08/28
閲覧 : 286
サンキュー:

4

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

宮崎駿の芸術

これはいつかもう一度見なければいけない、そう思わせるような作品でした。
今の私には二郎が良い人間に思えませんでした。最愛である奥さんをほっといて仕事に打ち込み、あろうことかこの男は結核の彼女の前でタバコを吸い始めます。でも、終わってみればいい作品だったと思うし、奥さんを愛していたんだなと思わされます。
多分この話を噛み砕くには私の経験値が足りないんだろうなと思いました。自分と重ね合わせる部分が非常に少なかったです。ただひとつ言えることは、間違いなく名作であるということです。
宮崎駿監督が今までのジブリの一種の様式美のようなものを捨て、全く新しい芸術作品に近いものを作ったなとかんじました。音の表現や風の表現、シーンの切り替わりなどは見ていて楽しかったですし、菜穂子さんの健気で一途な愛も見ていて心に刺さりました。
多分私はこの作品の全然深くまで見られてないんでしょうね。また10年後20年後に見たいと思わせるような作品でした。

89/100点

投稿 : 2021/08/21
閲覧 : 179
サンキュー:

3

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

遺書、遺作、自伝。最後で宮崎駿は宮崎アニメを捨てました。

 宮崎駿はおそらく自分のクリエーターとしての死を意識したのでしょう。カプロニはイタリアの航空機メーカーですが、ディズニーなんでしょう。イタリア、ドイツの高度な工業技術に憧れ、ただそれに追いつき追いつくことにまい進した人生は、つまりディズニーに憧れてアニメを作り続けた人生ということです。
 愛する人と最期の時すら一緒にいられなかった。現実ではまだ奥さんは亡くなってはいないでしょうが、家族を省みなかった人生だった。
 
 ただ、第2次世界大戦の終戦を迎えて、荒廃した風景にすべてが虚しくなります。何のための技術だったのか。ひょっとしたら今のアニメ業界に対する嘆きなのかもしれません。彼の目指すアニメとはまったく違った方向に進化あるいは退化してしまった現状。恐らく死を意識したことがあるのかもしれません。クリエータとしてでしょうけど。

 ここで宮崎駿はアニメを作れなくなったのでしょう。年齢なのか時代なのかわかりません。自分のクリエーターとして情熱を失いかけていることを悟って、最後の力を振り絞って遺作を作ったように見えます。
 声優に庵野秀明を使ったのは、後継者の指名なのか彼もまた、自分と同じ人種だということなのかわかりませんが、やはり、遺書的な匂いがする起用でした。

 本作は、愛するものに対する贖罪あるいは後悔もあったのでしょうか。それでも、菜穂子は生きろといいます。カプロー二も同様です。それは一生アニメからは逃れられない呪縛でもあります。

 さて、アニメです。関東大震災のところ、鳥肌が立ちました。地震をああいう風に表現したのを初めて見ました。世界大恐慌もですが歴史が宮崎アニメで初めて描かれたのではないでしょうか。堀越二郎をモデルにしたこともあわせて、宮崎駿が初めてリアルを作品に持ち込みました。

 当時の上流階級、サナトリウム、日本家屋、航空機と工場や現場。どれも素晴らしい演出、演技、描写でした。また、夢の空間と現実が混沌としています。これは技術者=クリエーターは常に夢想していることを象徴しているのだと思います。
声優の起用の仕方も、この時代のどこかよそよそしいしゃべり方(小津安二郎的な感じ?)を出すのに、声優では駄目だと思ったのではないでしょうか。

 菜穂子との愛情。切なかったですね。技術者の冷たいところではなく、なんとか菜穂子に何かをしてやりたいというジレンマが良かったです。簡単に書きましたが言葉にならないからです。宮崎駿作品では一番愛情が伝わってきました。
 風立ちぬの題名からラストは当初からわかります。最後の菜穂子の笑顔。無垢とみるか作り物みたいとみるか。今も考えている部分です。

 これは見る人に夢を与えるための宮崎アニメではありません。宮崎駿は、先ほどは遺書といいましたが、リアルな歴史や人物と組み合わせることで、おそらくは自分が生きた証として、自分の見てきた夢を、自伝を残したかったのでしょう。そうするためには、宮崎アニメを捨てなければならなかったのだと思います。

 

投稿 : 2021/08/08
閲覧 : 248
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ベターエンド

自分的には100%純愛映画。
飛行機設計・戦争云々はギミックであり気にしなくて結構。

それよりも軽井沢編以降の二郎と菜穂子に意識を集中。
心持ち・互いへの熱量・空気感が絵を通して語りかけてくる。
視聴後は寂寥感に捉われるが、悪い気はしない。

ベターエンドなのだから。

{netabare}
============================
以下戯言なので無視して宜し
【(恋愛映画も)やれば出来る子じゃんパヤオ】
1.菜穂子すごい力(りき)入れて描いてるじゃん
 -モデリング(細いけど胸があって肉感的でエロい)
 -キスシーンあんなに艶っぽく描くこと出来たんだ
2.兎に角オシャレなファッション
 -菜穂子(軽井沢でのワンピース・寝間着・ロングコート・
      サナトリウムでのニット帽・打掛その他諸々)
 -二郎 (仕事用のスーツと軽井沢での麻スーツ使い分け・
      山高帽・ロングコートその他諸々)
3.赤色のはっとする使い方
 -喀血と打掛の赤の艶めかしさよ
4.祝言の名シーン
 -1連の5分ほどのシーンをロングテイクで撮影しているよ
  うな錯覚に陥る、本作屈指シーンの空気感を感じよ!
  (昔の名作邦画の様、アニメでこれはマジ凄い!!!)
※ 結果パヤオ映画で一番好きな作品と女性キャラとなった
{/netabare}








でも庵野は駄目だろう!!!!

2021年8月3日 追記

投稿 : 2021/08/04
閲覧 : 128
ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

眼鏡をかけている事の呪い

このジブリ映画は劇場まで見に行きました。かなり期待して行ったのです、宮崎監督の漫画本も当時購入していたと思います。しかし今はほとんど関連書籍は売り払いましたし、DVDも残していません。その理由はこの映画の不気味さにあります。

まず見ていて驚いたのは、本気でゼロ戦礼賛の映画をあの宮崎さんが作ったという事です。もちろん氏が航空機を熱愛している事は、「死の翼アルバトロス」の頃から熟知はしていました。その中で、国産の名機であるゼロ戦が大好きなのは、別に日本人の男性なら不思議なことではないのです。しかしそれまで氏が共産主義を理想としている話をさんざん聞かされていましたから、いまさら最後にゼロ戦映画なのかという思いがありました。言うまでもなく、右翼主義者の好きなもののひとつがゼロ戦だからです。要するに、宮崎監督もいわゆる中庸の人になったのかという気持ちで映画館には行きました。

それで映画冒頭に気になる箇所がありました。主人公の二郎は航空機が大好きで、パイロットになる事に憧れています。寝ていてそのような夢を見る描写があります。しかしその後、適正検査で近眼なので航空機兵の道からははねられてしまいます。妹に比べて目が悪いことを、残酷に描く描写があります。その後その話は忘れ去られ、二郎は勉学にまい進し、自分が操縦できなかったゼロ戦を設計する事になります。そのあたりは「プロジェクトX」ばりの展開で、その手のものが好きな人はうれしかっただろうと思います。しかしラスト部分で、二郎の設計したゼロ戦に乗って、たくさんの航空志願兵が戦死したという結論が出てくるのです。彼らはもちろん視力はよかったのです。つまり視力の悪い二郎が、視力のいいパイロットたちを死に追いやったと言う事実が、逆説的に描かれている、これはそういう映画なのでした。

もちろんそれは戦争があったからという理由でしょう。しかしそういう題材が見え隠れするものを、あえて映画にしたのです。不気味だと思いませんか、私はそう思いました。戦争がなければ堀越二郎はただの旅客機を設計し続けたと思われます。しかしそうではなくて、それだからこそ映画にした。違うと言う人もいるかもしれません。二郎はそんな事を考えていたのではないと。しかしそのあやういやじろべえのような正義の均衡が、この「風立ちぬ」という映画なのだと思います。二郎は自らの眼鏡をかけている劣等感を克服し、ゼロ戦を作り、結局死人の数を増やしてしまいました。反語的にこれは反右翼的作品だったのかもしれません。そしてそれを、ただの庶民の恋愛映画に見せかけて作ったのが、宮崎監督のやさしさなのかもしれません。

投稿 : 2021/07/08
閲覧 : 171
サンキュー:

5

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジブリ宮崎監督アニメ。堀越二郎という男の波乱万丈の人生。

ジブリの宮崎監督のアニメです。
堀越二郎という飛行機の設計技師の男の人の人生を2時間弱で描き切っています。美しい物語をジブリの作画で描いています。
また、大正時代の当時の文化を描いており、飛行機などの描写もとても精密に描かれております。とても、見てよかったと思える映画です。

投稿 : 2020/12/12
閲覧 : 192
サンキュー:

14

ペガサス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

日本アニメが到達し得た極限

零式戦闘機を設計した堀越二郎の半生に堀辰雄の小説「風立ちぬ」を重ね合わせ描かれた漫画を原作とする、宮崎駿監督、脚本のオリジナルアニメ。
2013年劇場公開、子供向けアニメを作り続けてきた宮崎が大人に向けて制作した作品である。

ダンテがベアトリーチェのために引用したホメロスの言葉。

「彼女は人間の男のためにではなく、まさに神のためにつくられた娘なのだ。」

地獄から煉獄を遍歴するダンテは詩人ウェルギリウスによって導かれる。
人間の愚行を地獄に見て、煉獄の頂上に辿り着いたダンテの前に、遂にべアトリーチェが現れる。
ベアトリーチェとは超越的な愛の具現者である。
煉獄からさらに上昇するのは、詩人の言葉の力ではなく、愛の力でしか叶わないということ。
ダンテはベアトリーチェにより天国へと導かれるのである。

このアニメには慈悲がある。
それは大東亜戦争により散っていった御魂たちが救済を求めているかのようでもある。
敗戦により負った日本人の精神のトラウマは相当なものだったのだろう。
だからこそ人間の愚行を許して導こうとする、あの奇跡のようなラストは儚くも美しく感動的なのである。

主人公の二郎はどこへと導かれたのか。
人間は無知で愚かであるがゆえに、煉獄で生き続けなければならない。
それでも救済というものが確かにあることを、ここに見るのである。

日本人の精神が宮崎駿を依代として、このアニメを作らせたと言っても過言ではない。
ここにアニメという表現方法の一つの極限を見た思いがする。
宮崎駿という天才が辿り着いた成果として最後の作品に相応しい。

追記

主人公の二郎の声優を庵野秀明がやっているが、もしかしたらこのアニメはエヴァへのアンサーでもあるのかもしれない。
エヴァでは魂の救済を人類補完計画として壮大なビジョンで描くのだが、宮崎はそれを「飛行機が飛び立つ」というワンシーンだけで表現する。
これは魂が昇天するシーンとして見ることができる。
そこは昇天する者と地上に留まる者の分水嶺でもあるのだろう。
戦後が終わり時代が変わろうとしているこの時期に、日本人の集合無意識を代弁するかのようなこのアニメが作られたのは偶然ではあるまい。

投稿 : 2020/09/22
閲覧 : 287
サンキュー:

7

ネタバレ

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

駿かっけえ

人によってすごく評価が分かれる作品なのは間違いない。なので自分もすごく個人的な評価をしようと思う。
まずこの主人公の堀越という男をどう見るか?だけど、俺はかっこいいと思う。ただ観てるときはなんとも思わなかった。こいつ何考えてんのか全然分かんねえなとか、ああ俺も金がない時はシケモク吸ってたなとか、それくらい。
たしかに、全く家庭を顧みないうえ、奥さんのことはあまり大事にしてないように見えるかもしれない。でも彼が奥さんのことを大事に思っているのは確かだし、一家の大黒柱としての働きはきちんとしている。
俺の頑固親父と重なる部分がたくさんあって嫌いになれないキャラだった。
しかし俺ならどうしただろう?と思う。もし自分が戦時中の飛行機製作に従事していたならば、お国のためという大義名分のもと、嬉々として仕事をこなしていたのではないか。下衆な言い方になるが、自分が必要とされたいという社会的欲求を満たせるのはもちろん、なにより徴兵に行かなくて済むのはラッキーだ。だが堀越はそんなことを考えすらしていなかった。そこがかっこいいのだ。
何か一つのことをやり続ける。たとえそれが他の人にとってどんなにつまらなくて、どんなに下らないことだとしても。
『生きねば』というキャッチコピーだったが、『人間の生きる理由なんて、それくらいでいい』というのが自分の解釈。生に対して楽観的で前向きな眼差しを湛えている。良い映画だと思う。

投稿 : 2020/09/21
閲覧 : 185
サンキュー:

1

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

飛行機好きの,宮崎駿監督のこだわり

飛行機好きの宮崎駿監督のこだわり
が現れている作品だと思います。

当然,子ども向きではなく,大人が見る映画に仕上がってます。

「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」
というキャッチコピーでもわかるように,子どもに
知られている人物を取り上げてはいないということからも
伺えます。

映画を見ないで,主人公のモデルになった「堀越二郎」を
どんな人か知っていたら,相当の歴史(戦史)マニアか
飛行機マニアだと思います。

飛行機は私も好きです。特に太平洋戦争中の
戦闘機のプラモなどを,小さいころ作った世代です。

ガンプラではありません( ^ω^)・・・

飛行機の歴史なんて,たかだか110年ちょっとの乗り物です。

その発展のもとになったのは,ほとんどが戦争の道具として
だったことは残念ですが,堀越氏は,それに応えなければならない
立場だったのです。

映画では,ゼロ戦の開発までは描かれていません。そのもとになる
九試単座戦闘機まで,の開発で話は終わっています。

連れ合いと映画館へ足を運んだのですが「生きろ」という
メッセセージや,映画の流れが,男性向きで

女性の立場からすると,結核なのに半ば放っておかれる
ヒロインに同情できないということで
あまりいい映画には思えなかったといっていたことを
付け加えておきます。

投稿 : 2019/11/20
閲覧 : 335
サンキュー:

8

ネタバレ

jboy さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分の人生に影響を与えられた映画

物語終盤の主人公がヒロインに感謝の意を述べるシーンで嗚咽を出して泣いてしまいました。私は作品で泣いてしまった時はなぜ泣いたか理由を考えるようにしていて、過去泣いた作品では全て理由を自分なりに見つけられたのですが、この作品は数年経ってもなぜ泣いたか理由が明確になっていません。

この作品はストーリーや世界観を意識的に追うような作品ではなく、自分の琴線に触れるシーンに無意識的に出会う作品だと思います。おそらく自分の感性に合わない人は「なにこれ?」というような感想を持つのではないでしょうか。

一般性は過去のジブリ作品に比べて低いと思いますが私にとっては今まで見た映画で一番の作品です。

投稿 : 2019/08/23
閲覧 : 248
サンキュー:

5

ネタバレ

ちゃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

劇場で一度、自宅で何度も。

これはいかん。
ものづくりをしている人間にとって、爆弾のような映画だと初めに見た時は感じた。
当時劇場で見た際は、ただただ涙が止まらなかった。隠すことすら出来なかった。
実際に、自分の作り出した物に依存する人々や、今現在アニメを作っている人たちに、宮崎駿監督はある程度、ないし、かなり頭を悩ませていたように思う。

自分の作り出したもので、誰かを幸せにしたいなんてことは本当に出来るのか。
むしろ、多くの人を不幸にしてしまう事の方が多いのではないか。
そもそもそんな事を考えるのは、偽善的で、ただのエゴなんじゃあないのか。

宮崎駿監督は、自然の素晴らしさを伝えたくてトトロを描いた。
だが、たくさんの子供がトトロにハマり、家で何度も繰り返し見ているという話を聞き、ひどく悲しんだことがあるという。

もうその時から、日本だけでなく世界の最前線で、ずっとずっと、苦しんできたのだろう。
これはものづくり…エンタメだけではなくすべてのものに通じる広い意味でのものづくりをする人たちへだけ向けた、非常にどストレートな作品だ。

インターネットが発達した今、いわゆる作り手というものはものすごい勢いで増えている。
全ての提供者にその意味を一度考えてほしい。
実際にそれを体現してきた宮崎駿監督だからこそ、このテーマが許されるのだろう。



ちなみに…当初最後は「生きて」というセリフではなかったという。
それでも、鈴木さんに言われ「生きて」というセリフを選んだ。
それはもう、とんでもないことだ。
当初の予定のセリフであれば、幾人かの作り手は、筆を折っていたかもしれない。
私はこのラストは、日本の映画史上屈指のものだと思う。
まさに、生きねば。





ただ、頭すっからかんにして見る娯楽映画としてはかなり失敗だと思います(◞‸◟;)

投稿 : 2019/04/26
閲覧 : 174
サンキュー:

4

ネタバレ

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

宮崎駿の趣味映画、押し付けがましいよね

予備知識なく金曜ロードSHOWでたまたま視聴…

見終わった最初の感想が
これ公開当時はお金払って映画館に足を運んだ人で
合わない人は怒りそうw


視聴注意の注意書き必要な映画
※「僕の趣味です、ファミリー向け違います」

零戦の設計に関わった堀越二郎の半生を描いた「零戦誕生日秘話」的なお話。

リアルとファンタジーが混在するし

結末もハッピーエンドかバッドエンドか受け取る人によって変わるし…

挿入歌は荒井由美時代の「ひこうき雲」だったり情緒的でアニメ全体のクオリティは高いけど主人公は棒読みで映画館だと寝る可能が高いw
(主人公、堀越二郎さんの声は庵野秀明氏)

メッセージもいくつかあって結局何が言いたいの?
になる
最後の堀越二郎が愛した人から告げられる「生きて」が「風に立ち向かって生きろ」がメッセージなんだろうけど。
宮崎駿さんの飛行機好きと反戦思想で分かりにくくしている。

合う人に高評価、世界観や主人公の棒読みが合わない人には低評価、許容出来る人には微妙な評価になりそう。

宮崎駿さん最後にワガママで人の評価気にしないで自分の好きな趣味映画作った感じ。


宮崎駿氏の生れた戦後まもない世代が垣間見れる
アメリカGHQ誘導でもたらされた反戦教育とアメリカに立ち向かった強い日本への憧れ
両立しないメッセージなので、結局何が言いたいか分かりにくくしてる。

この世代の人って強い日本への憧れから「零戦」「戦艦大和」好き何だよね。
それが「宇宙戦艦ヤマト」なり「風立ちぬ」産み出しただろうけど。

投稿 : 2019/04/13
閲覧 : 396
サンキュー:

23

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリキャラは幼少期擦込済みだから

どのシーンも二次元への愛が画面から溢れ出している。キャラを一目見るだけで、純粋でまっすぐなジブリ世界にとらわれてしまう。過去の作品も含めて自分の中によみがえるよう。

ただこの話、男も女もかつてこういう価値観で幸せに生きていたのかしら?ノスタルジー?放映時の数年前にはこういう生き様に感銘する男女がいたのか。いつの世も風にのって生きるのは難しいということかな。

投稿 : 2019/01/12
閲覧 : 273
サンキュー:

7

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

動いていた、時代が。 動かそう、夢を。

映画館で視聴しました。

ジブリ作品の魅力は様々ですが、この作品もなかなかいいと思います。

いろいろな評価もあって、というか、いろいろな評価を引き出すことが目的のような作品です。
宮崎監督からの問いかけのように思えます。
私は、そこが一番面白く感じます。

宮崎氏、「もう引退するよ」って宣言していましたが、今後、映画つくりができなくなってしまうと評価も評判も生まれてこなくなりますよね。
それは、淋しいですよ。
なんで、あれだけの数の作品を世に生み出し、供給し続けてきた人が、この作品で打ち止めにできますかね。

およそ、モノづくりに携わる人(特にクリエイターといわれる人たち)は、自分の作品が、まずは自分に納得ができるかという関心があります。
 では、納得ができたら、それで次の作品を手掛けようかって思わないかといえば、それは素人でもわかることです。きっと思わないです。

自分のやりたいことがあって、それがやれてきていて、それなりに(というかハイレベルな)足跡を残せて、これからもやれる環境や条件があって、まだ、体力も残っている・・。
となれば、あとは、宮崎氏の創作意欲だけです。
きっと、またぞろよろしく宮崎氏の無限の宝庫から、新しい作品のエッセンスが湧き出してくるはずです。(現にそうなっていますが)

映像技術がどんどん進化・拡大し、それを引き継ぐ若い技術者集団も育ってきている。視聴者側の目も肥えてきている。
インターネットという技術によって、世界はどんどん狭くなり、文化は国境を越えやすくなってきている。
クリエイターが、自分自身を発露できる機会も場所も増えてきている。

現に、昨年大ヒットをはたした新海誠氏の初期作品「ほしのこえ」のような個人製作作品が、このタイミングで世に出てきたことも、その証明になっていると思います。


さて・・前振りはこの程度にして、この作品について述べてみたいと思います。

まず、多くの方が指摘されているように、私も、宮崎氏のクリエイターとしての長年の生きざまがこの作品に込められていると思います。ですから、当然、この作品は、宮崎氏のフィクションです。
宮崎氏の生きざまを、「堀越二郎という人となり」にかぶせて表現するのが、宮崎氏の感性に一番近かった。そう思います。

堀越二郎は、たまたま、あの時代の人だった。
でも、宮崎氏は、反戦の立場も持っていらっしゃるので、その立場をアピールするにも都合よかったのではないかと思います。

宮崎氏のメッセージは、

1、好きなこと(自分を活かす道)を見つけること。
2、好きなことを後押ししてくれるのは「夢」。
3、それが、手に届くと信じて、すべてに優先して、突き進むことが最上。
4、その価値は、生きる喜びを与え、分かち合うことにある。

そう、感じます。

そういう視点で、この作品を観ると面白いんじゃないかな。

ただ、さすがに最後の作品ということで、入れ込みようは半端ないと思います。今までのどの作品の水準の「上の上」を狙っています。
特に、絵コンテの書き込みようが圧巻です。もちろんトータルに凄いです。
何度でも、微に入り細に入り、観てほしいです。

そうですね、例えて言えば・・。

鍼灸師さんの技っていうのかな。
熟練した鍼灸師さんは、鍼を身体に打つ時に、物理的には1ミリなんですが、そのたった1ミリを1000ミリに引き伸ばして、患者さんに一番効果のあがるポイントに止めることができるといいます。(神技ですね。)

この作品にもそんな感じで、ちょっと深めに観て、感じて、受け止めてもらえると、とっても面白く観られると思います。

そういうわけで、観る側の人に、そういった審美眼が必要です。知覚力って言ってもいいし、観賞眼っていってもいいしね。
それくらい、映像美が練り込まれている作品だと思います。本当に作画が半端ないです。


さて、堀越が追及してやまないのは、「彼の眼に能う飛行機」です。
たまたま時代が求めたのは「戦闘機」でしたが、その戦闘機の中にも、堀越は「美しさ」を求めました。
堀越にとって「美しさ」は、「速さ」であり、「軽さ」であり、「強さ」であり、「丈夫さ」であり、何よりも、「理屈にかなった最上の造形美」であったと思います。

堀越の技術者魂は、すべてが「美しさ」に昇華し、結実されなければならなかったはずです。
堀越の夢は、それを具体化するアイディア、アイディアを具現化する設計と製造技術、そしてパイロットの腕がそろって叶います。

堀越は、「美と技術」の結晶が、その目的が戦闘に使われ、そして、人の生き死にに直接関与するだろうことがわかっていたとしても、その領域に触れることは、堀越の「夢の範疇の外」だったと思います。
スクリーンからは、彼の悲しみは伝わってはこないのですが、その感情を押し殺していたのではないかと想像できます。
堀越は、自分のやるべきことを、ただひたすらに追い求めた。そうすることしかできなかった。そう思います。

また、菜穂子も、そのことを十分に理解したうえで、みずからの美しさを精一杯堀越に示していました。
自分の命の限りが近づいていることは、わかっていたはずです。
だから、今できることのすべてが菜穂子の生き方だったと思います。
それは、スクリーンで確かめることができます。

先に旅立つうえで、最も美しい自分を堀越に見せることは、菜穂子の儚くとも最大限の乙女心なのでしょう。
また、堀越の愛を一身に受け止めたいと思う心情も、きっと、堀越の「美の領域」のスキマにも入れないであろうことも覚悟したうえでの思いであったと思います。

菜穂子の最後の言葉は、 {netabare}「生きて。」 {/netabare}でした。

世の中も、自分自身も、「死」に向かう世相の中で、堀越の夢である美しい飛行機作りが、やがては「生」きることの喜びを産み出してほしいという彼女の願望と、やがてはたくさんの人々の幸せにつなげていきたいという堀越の夢を知っていたからでしょう。

そうはいっても、菜穂子の存在と生き様が、堀越の夢の下支えになっている背景があることが表現されていることで、彼の人物像に様々な評価が与えられることは、避けることはできないことでしょう。(とくに、女性目線からですが。)


ただ、私が感じるのは、もしも、堀越があの時代に生きていなければ、そして、まったく別の世界に生まれていれば、と考える時、「美と技術」のすべてを打ち込み作り上げた作品の一つに「メーヴェ」があったと思うのです。

叶うなことなら、戦争という時代の必然から生み出される飛行機ではなく、平和な世界で、ひとびとの幸せに寄与していく飛行機を作ることができていれば、もしそうであれば、彼の生きざまはもっと違うものになっていたかもしれません。


宮崎氏が、反戦を基としていながら、しかし、戦争に加担するかの如くの立場の堀越を用いる作品に、自分の生きざまを投影するのは、一見、矛盾しているかのようにも見えます。
でも、宮崎氏の示すこの矛盾こそが、この作品の狙いであると思います。
そういう矛盾のある世界は、宮崎氏の作品の通奏低音でもあるからです。

多くのジブリ作品が、幼児、女児、少女、そして大人の女性から老女(失礼!)、異形の者まで登場させてきたのは、彼らが、さまざまな社会と歴史の中で、その身において、最も多くの矛盾を抱えさせられてきているからだと思います。
そして、今なお現在においても、弱者を巡る環境はそれほど変わってはいません。
ただ、彼らの周りには、お父さん、お母さんがいました。お婆ちゃん、お爺ちゃんがいました。友人、知人、近所のおじさん、おばさんがいました。
彼らは孤独ではありませんでした。そこに安心と救いがありました。

ところが、この作品は、菜穂子は途中で退席、加代はあまり関与しません。
そこは、新しいアプローチのように感じます。
しかし、宮崎氏にとって、切るに切れない存在、この世で最も美しいに値するのは、女性であることは間違いようのないことなのです。
でも、この作品の主人公が堀越である以上、美への追及は、宮崎氏のこだわる女性で進めることはできません。そこで、「美しい飛行機づくり」というモチーフに置き換えられたのだと思います。

男は、せいぜい、美しくある造形物を呻吟しながら作り出すしか能がないのです。
どんなに頑張っても、命というこの世に唯一無二のものは産み出せないのです。(医療技術で、少しお手伝いできるところまでは来ましたが。)


そこで、一つ考えてみました。
男性、女性という枠を外した時、そこに見出だされるのは、ただの人間です。
 人間、おおかたの運命は避けられません。受け入れるしかないことも多々あります。
 女であり男であること、日本人であること、この親の子どもであること、この子どもの親であること、この年齢であること、この身長であること、
まぁ、8割がたは変えようはないですね。

でも、あと2割ほどは変えられます。

住む場所、仕事先、生活様式、体重・・・はぁ、あんまりなさそうですねぇ。

しかし、この作品から感じ取るべき「変えられるエッセンス」は、そういった外見ではなくて、内面を変えることです。

「こころざし=志」です。

志は、自由に変えることができます。 
夢、と言い換えてもいいかもしれません。
目標、といってもあながちはずれてはいないでしょう。

なんなん、そんなこと? 何言ってるのぉこのヒト、阿保?って思われても仕方ありません。汗。

ただ、宮崎氏が堀越の生き方に重ねてアピールしているのは、人生は一度きりで、何をおいても、その命を、時間を、お金を、労力を、好きなことにとことんかけてみることはどうですか?っていうことだと思うのです。



私は、個人的に思うことは、好きなことにチャレンジするとき、けっこう障壁になるのが、親の考え方だと思います。

親は、親の思考の範囲でしか判断できませんから、子が好きなことに進むときに、最初に不安が立つのが自然です。

子どもは、普通は親よりは世間を知りません。ここがミソです。親よりはってこと。
でも、親よりも知識があり、実績があって、人脈があって、影響力のある社会人もまた、世の中にはゴマンといます。
そういった人たちとつながるためには、親の影響力から脱すべきタイミングは考えておくことも大事なんじゃないかなって思います。

それは、直接は、家から出ることだと思ってもらってもいいです。
が、根本的には、親から知らず知らずに受け継いできた「概念」からの脱却です。もちろん、全部捨てる必要はありません。温故知新ですね。

言い方を変えれば、「因縁」からの脱却ともいえるかもしれません。良い因縁も、悪い因縁も、一旦はひっくるめて横において、自分の生き方とその選択、そして覚悟をとことん見つめることだと思います。

宮崎氏も、堀越も、言ってみれば「超然」とした存在です。換言すれば「本物」です。
その宮崎氏が、堀越という人物を通じて「私はこういう生き方をしてきました。こういう生き方はどうですか?この作品を通じてあなたは何を感じ、どう思いましたか?」と問うているのが、私は、正しい受け止め方だと思っています。


「千里の馬も伯楽に逢わず」という故事があります。

意味はつぎのようです。

一日に千里を走るような名馬はたくさんいるが、その才能を見抜き充分に能力を発揮させる伯楽のような人は、いつもいるとは限らないこと。

転じて、
いつの時代にも有能な人はいるものだが、その才能を見抜き、発揮させてくれる人と出会えることは滅多にないということのたとえになります。

「伯楽」とは、今の中国の春秋時代の名馬を見分ける鑑定名人。
(故事ことわざ辞典より抜粋しました。)

この作品では、伯楽は、宮崎氏と堀越二郎になります。

夢は持つもの。叶えるもの。

日本には、それを実践してきた伯楽がいる。それを今、実践している伯楽があまたいる国です。

そういう時代にいる私たち。
さぁ、手を伸ばそう。チャレンジしない手はないだろう?

そう、語りかけてくる作品のような気がします。



長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品が、皆に愛されますように。

投稿 : 2018/03/09
閲覧 : 499
サンキュー:

20

藤乃 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

風立ちぬ

宮崎駿監督・スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。
作画はやはりキレイですが、主人公の声が人物と乖離していて違和感を感じるし、演技が酷すぎて目も当てられない。
さすがに庵野監督を主役に抜擢したのは理解できなかったです…

ストーリーは起伏がない上に主題が見えてこないので退屈。
飛行機の設計をメインテーマにするとしたら、主人公の苦悩の描写がほとんどないので物足りない。
恋愛だとしても、主人公は病気の奥さんの前で喫煙したり、見舞いにも行かず全然大切にしないので好きになれない。
結局、この作品が何を伝えたかったのか良くわかりませんでした。
唯一良かったのは、ED:松任谷由実さんの「ひこうき雲」ぐらいかなぁ

投稿 : 2018/02/18
閲覧 : 265
サンキュー:

3

ネタバレ

M.out さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリすごい

私はそれほど、ジブリを観てこなかった。しかし、それは日本人としてどうなのか? ということで視聴。

これは、子ども向きではない。更に、大戦がどういう運びで行われたか、などある程度の教養、がないと観れないかもしれない。
それでも、これは凄い。

基本的には、ただ一心に「飛行機を作る」という、ジャンプ的な話だ。風に背を押されて、ただひたすらに作ることだけを夢見る。それが心底美しく写る。しかし、物事はそうそう順調にいくものではない。愛人の病や、社会の情勢の中、それでも作り続ける。
{netabare}
そこまでして、完成させた戦闘機は大戦という嵐の中で、全てが地に落ちる。何事にも負けずに、ひたすら進んできた先に報われない結末を遂げるのだ。

しかし「生きねば」だ。こんな社会であるが、生きねばならない。
報われない結末に、ほんの僅かの救いがもたらされる。その儚さと美しさに、心を持っていかれる。
{/netabare}

投稿 : 2017/11/01
閲覧 : 228
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画館でみた

公開当時、映画館で鑑賞。

正直、宮崎駿監督嫌いでした。
ナウシカの漫画は好きですが。(自分的最高傑作)
この風立ちぬもどうせまた、千尋みたいに最低だろ?
と、たかをくくっていいたため、2回映画館で見る羽目になりました。

押井守監督も評価していたのですが、
青年であり、宮崎駿監督そのものを投影しなければならないキャラクター、
逃げも隠れもできない、宮崎監督自身が主人公です。
しかもそれを自分の愛弟子、自分の子供の結婚式の司会もやってる
庵野秀明に演じさせる徹底ぶり。

これはある人には不快ですが、
押井守は映画とは欲望の発露、監督のエゴを押し付けることを
大変に評価しました。
私も同感です。

逆に主人公がリアルすぎて、ヒロインに話しかけてるシーンで
こいつ空想の女に話しかけてる、とちょっと引くほど感情移入しました。
好きなエピソードは庵野秀明の嫁さんが試写会で号泣したそうで、
あぁ私はこういう仕事人間に恋をし結婚したんだと。

今のところ映画館で観た映画で一番と評価している映画のひとつです。

投稿 : 2017/10/15
閲覧 : 215
ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

雑感。

ん~…残念ながら、僕には本作の面白さはさっぱり分からなかった。

本作を制作した時点で駿氏は引退するつもりだったことを考えれば、本作には現代の若者に対する駿氏なりのエールなりメッセージなりが込められている。
カプローニが二郎のことを日本の少年と呼ぶのは、二郎という存在が、一人のキャラクターではなく、二郎=視聴者だからだと思う。
二郎に自分を投影して、感情移入できるかどうか、それが本作を評価するうえで分かれ目になる。

僕にはそこまで本気で夢に、仕事に打ち込むだけの情熱は無い。
何事には一所懸命に打ち込めよ、というメッセージは分かるのだけど、それはそれとして、本作の物語自体にはこれといった面白みは感じられず、ただただ長かったという印象が拭えない…。途中からヒロインとのロマンスが前に出てきたのもなんだか中途半端でマイナス。

投稿 : 2017/10/10
閲覧 : 254
サンキュー:

6

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

某ジャンプアニメのパロディがひどい

友達に誘われて観に行った、この作品以降に大ヒットしたジブリ作品ってない気がする。

基本的にジブリって「子供向け、ただし大人向け裏テーマあり」ってイメージだったけど、この作品はもろ大人向け、子供は寝ちゃうんじゃないか?

ストーリーは実話を基にしている、なので登場人物も実在の人物が多いし最初の転換期として関東大震災が描かれている、ただ火垂るの墓みたいに人の死をリアルに描いてはいないから事象の一つとして観れる。

戦争関連映画に見えるが今までのジブリ映画ほどあからさまな啓蒙はない、むしろ主人公の「夢」的なものがテーマになっていて戦争はあまり描いていない。
そしてもう一つテーマとなっているのがメインヒロインとの恋愛、どうやらこのヒロインはオリジナルキャラらしい、{netabare}まあ持病もちで最後に死んでしまうんだけど。{/netabare}

ジブリだし声優が俳優女優なのはわかるけど、さすがに庵野監督を主役に抜擢したのは理解できなかったな。

余談だけど銀魂の「あれ勃ちぬ」は吹いたwwwww

投稿 : 2017/07/22
閲覧 : 264
サンキュー:

2

みいちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

魅力的に感じなかったのは棒読みのせいなのか?

まずびっくりするのが主人公があまりにも棒読みなところ。
庵野さんでてくるのはいいけど、主人公にするのはやりすぎでしょ・・・

見どころであるはずの恋愛シーンも、帽子を受け取っただけで何故かお互い好きになる超展開。

この作品で伝えたかったことはなんだ?
いつもは面白いと、作り手の伝えたかったことなんて気にしないんだけど、特別面白くもないしジブリってところで裏があるようで考えてみたくもなってしまうね

また金曜ロードショーで見る機会とかあったら改めてこの作品の良さを見つけににらめっこしてみようかな

投稿 : 2017/06/22
閲覧 : 228
サンキュー:

6

ネタバレ

でんどうず さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 1.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

宮崎アニメのレビューはおっさんは書かない予定だった。

初めに凄い長くなるうえ
宮崎アニメやこの作品が好きな方は、不快な表現が含まれると思いますので
見ないことをお勧めします。

宮崎アニメとワンピースと進撃の巨人とジャニーズの酷評は
信者からの攻撃が凄いので控えた方が良いと
じっちゃんが言ってたんで控えてたのですが
今のおっさん勢いだけは凄いので書いちゃいます。

アニメを殆ど見なかったおっさんも
宮崎アニメと名探偵コナンとクレヨンしんちゃんは偶に見てたんです。

この映画は映画館に見に行ったんですよ。
付き合いですが知人と3人で。

見終わった後に一緒に行った奴2人が意見食い違っていて
意見を求められたわけです。

その時のおっさんは疲れがたまっていてレム睡眠を堪能しつつ妖精さんに
視聴を任せていたので殆ど覚えていなかったのです。
おっさんの感想は後日と言う事で
レンタル開始日に借りたわけです。

まず、最初に言うと、おっさんは宮崎駿と言う人を
映画監督とか原作的なクリエイターと言う分野では全く評価していません。
ます、独自性が無い。
アニメ界のキャリア組なので殆ど苦労も無く来たせいか
自分の世界に引き込もうって言う意気込みがない。
動画作家としては凄いと思うのだけど。

さて・・・本題

この映画いわゆる小説の原作者と飛行機に夢をはせた実在の人物を混ぜ
(両方実在した人)半分架空人物のノンフィクション作品的な
位置付けになるのかな?
恐らく宮崎アニメ初チャレンジの
半実在の人物を描写する人物描写が問われる作品になると思うのだが。

肝心の主人公の声を別のアニメを作ってる監督がやっていて


どうしようもない



元々宮崎アニメって「声優使わないんだぜ」って点がある
おっさん元々そこが非常に気に食わない。

例えばリアルな世界で
あれ…今日あいつちょっと不機嫌?とか
特に怒ってない相手に「ねぇ怒ってるの?」って聞いて
「いや、怒ってないよ?」的なシチュエーション
遭遇したことないですか?

リアルな世界だと視点も自分の思うがままに変えられ
色々な情報が3次元で脳に入ってきます。
他に声色などが有ります。
人の動きや相手の瞳孔や声色等総合的に判断して
平坦な言葉のやり取りからでも
「あれ?怒ってるかも?」等の感情を受け取ります。

映画やアニメは2次元に置き換えられてしまいます。
視点は監督が指示するカメラワークになるので
観る側の意思とは無関係です。

実写ですらこのリアルな表現は難しいのです
なので実写の監督は人間を表現するときにカット割りに試行錯誤し
役者ですら足りない情報を演技(過剰)でカバーし
表現したい世界に引き込もうと必死なのです。

アニメの場合もっと情報が少なくなりますので
(リミテッドアニメならなおさら)
声優と言うのは非常に重要な要素であるにも拘らず。

重要な要素を殆ど捨てて
観る側の妄想力に委ねられてしまう。

そんなら初めから小説読むし‥‥

大人向け?と言うのを聞くが
子供向けにステレオタイプ的な正義に見えるように作ってるし
子供向けの表現や表現の無さが多々存在するし
大人向けの娯楽性はない。

かといって子供向け?
子供向けの娯楽性は無い。

ナウシカ、もののけ、ラピュタ、魔女etc
は、オマージュにせよインスパイアにせよ少なからず
宮崎アニメなりの娯楽性があった。

はたして、ブランドイメージ無しにこの作品を
映画と言うカテゴリーで真剣に評価して日本の代表作ですって
世界に送れるだろうか?
そんな受け手の匙加減本位な作品で良いの?

おっさん的に日本のアニメは世界に通用すると思っているし
日本の監督は世界に通用すると思っている。

少なくとも子供、大人向けの娯楽としてのアニメのクオリティーは
凄い高いと思っている。

でも、こんな作品が高評価になり得て
世界の宮崎なんてちやほやして日本の限界はこの辺り
みたいな感じで良いのかなぁ?

少なくともこの作品に何か秀でた価値が有るか?と問われると
おっさんには「ない」としか言えない。

投稿 : 2017/05/26
閲覧 : 224
サンキュー:

4

DB さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

色々な見方のできる作品だと思いますが、楽しく見れました。誇張表現も気持ち悪くなるほどではなく、宗教観やメッセージ性も上手く隠されていたと思う。ただ残念なことにワクワク感や視聴後の清涼感はあまりなかった。・・・う~ん、今の自分には到達できない場所かもww

投稿 : 2017/04/18
閲覧 : 199
サンキュー:

0

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風立ちぬのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
風立ちぬのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

風立ちぬのストーリー・あらすじ

かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く──。堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。生きねば。(アニメ映画『風立ちぬ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2013年7月20日
制作会社
スタジオジブリ
主題歌
≪ED≫荒井由実『ひこうき雲』

声優・キャラクター

庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎

スタッフ

原作:宮崎駿、 監督:宮崎駿、脚本:宮崎駿、音楽:久石譲

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