イジメおすすめアニメランキング 17

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのイジメ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番のイジメおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.7 1 イジメアニメランキング1位
聲の形(アニメ映画)

2016年9月17日
★★★★★ 4.1 (1496)
7399人が棚に入れました
聲の形」は、聴覚の障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の物語で、2人の衝突や再会を通して、孤独や絶望、愛などが描かれている。

声優・キャラクター
入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

障がい、いじめ、生と死、そして母の愛

原作未読。
劇場でも視聴しましたが、いろいろと考えさせられることの多い作品だったため、繰り返し視聴してからレビューしたいと思い、BD購入後のこのタイミングでレビューします。

【初めに】
この作品は多くの方に見て欲しい作品です。
高校生の恋愛物語なんかじゃありません。
障がい、いじめ、生と死、母の愛・・・。重いテーマを次々と投げかけてくる作品です。
そして、見終わった後、色々と考えさせられる作品です。

様々な思いの中で、少しずつ成長していく石田将也、西宮硝子、西宮結絃、そして植野直花が見どころです。

【物語】
これだけ重いテーマをよくも2時間の枠に収めたな!と感心するくらい良くできていると思います。
時間の都合上、少々強引な展開もありましたが、それをマイナス要素とするのは酷でしょう。

【作画】
京アニですからね、全く問題無いでしょう!(笑)
特に花火のシーンは鳥肌ものでした。

【声優】
なんといっても早見沙織さんでしょう。
硝子が言葉を発する度に鳥肌が立つほどの怪演。
{netabare}小学生のころ、将也と取っ組み合いの喧嘩をした硝子が発した言葉が、最初に劇場で視聴した時には理解できませんでした。
BDで繰り返し視聴をして、『頑張って!』と聞こえた時には感動しました。{/netabare}

将也の少年時代を演じた松岡茉優さんに賛否があるようですが、私はとても良かったと思いました。

【音楽】
THE WHOの「MY GENERATION」は良かった。
aikoの主題歌は好みが分かれるかも・・・。

【キャラ】
「植野直花」
一見、理に適っているようなことを言ってはいるが、実は一番自分勝手・・・に見えるキャラ。
高校生になった硝子の立場から見れば一番の敵キャラだし、『嫌い』って人が多いだろうな?
実は私もそうだったし・・・。
それだけに、最後の{netabare}手話{/netabare}には感動した。
良かった。ちゃんと成長してるじゃん!

「将也の母」
私の印象は、子供には甘いけど、責任感の強い母親。
{netabare}硝子いじめの謝罪の際、片耳から流血しながら、声も荒げずに「明日からいい子にするんだよ、ね」は衝撃的だった。
硝子の母と植野の喧嘩を止めたシーンも良かった。{/netabare}

「硝子の母」
私の印象は、子供に厳しく、だけど誰よりも子供を愛する母親。
{netabare}重度の聴覚障害のある硝子を普通学級に通わせるとか、小学生には酷なんじゃないかと思った。
しかし、硝子は聴覚に障害があるだけで、知能に障害がある訳ではない。
愛娘の将来の事を考え抜いて出した、苦渋の決断だったんだと思った。

それは、後半のシーンからもうかがえる。
高校生になった将也が硝子を一緒にいるところを見かけると問答用無用にビンタ。
そして、硝子を責める植野にも問答用無用にビンタ。
愛娘を守るためには手段を選ばずに全力で立ち向かっていく母親の姿だと思った。{/netabare}

【最後に】
極力ネタバレ無しでと思っていたんですけど、結局ネタバレだらけになってしまいました。スミマセン。
ネタバレついでに、最後に少しだけ付け加えたいと思います。

{netabare}この作品を視聴して、本当に色々なことを考えさせられました。

【障がいを持つ人とどう接するのが正解なのか?】
本作の硝子のように聴覚障害を持つ人との接し方。
将也や佐原のように手話を覚える?
  それができれば一番いいんだろうけど・・・。
  現実には、手話を知らない人が多いんじゃないかな?
  もちろん私もその一人。
「大きな声でゆっくり話せば分かるんだから」と言った植野。
  これも決して間違いではないと思っている自分がいる。

大事なことは相手の立場に立つことだと思う。
ただ、優しく接すればいいというわけでもないのだと思う。

【これって「いじめ」ですか?】
いじめがダメなんてことは、誰しも理解していることだと思う。
だけど、どうだろう?
『私の職場(学校)ではいじめなんてありません!」
そう断言できる人は少なくないと思う。だけど、
『誰かを無視したり、悪口言ったりとかありません!』 
そう断言できる人がどれだけいるだろう?
悪口・陰口くらいなら、恐らく多くの人が身に覚えがあるのでは?
『悪口・陰口くらい誰でもやってるよね?このくらいなら”いじめ”じゃないよ』

それではなぜ、佐原は不登校になったのだろう?

【母親の愛ってすごい】
将也の母、硝子の母。
タイプは全く違うけど、子供に対する愛情と責任感の強さは計り知れない。
謝罪のためにピアスを引きちぎった将也の母親。
同じく謝罪のために、公衆の面前で土下座をした硝子の母親。
どちらも本当に立派だと思った。

そして、何より、自分の身の回りの人に同じようなことをさせてはならないと思った。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 140
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

美しい人

60年代のロックアンセム、
THE WHOの「MY GENERATION」が、
オープニングを告げる。

小学校時代回想。
退屈な毎日を単なる好奇心や面白半分で、
耳の聞こえない少女を虐める主人公。
あまりにも度がすぎて学級裁判となり、
自分がクラスから断罪され孤立する。
{netabare}保身の為、主人公を売るクラスメイトたち。
罪人の烙印、どこにでもある無自覚な悪意。
正当化される弱さ、悪意の同調圧力。{/netabare}
ヒロイン硝子の心は何度死んだのだろうか。

心を掴まれたシーンがあります。
それは硝子が持つ筆談ノートでの何気ない日常。
{netabare}そのノートに言葉を綴り、必死に周りと、
コミュニケートしようとするその少女の姿に。
拒絶され、からかわれても、
けなげに笑おうとする少女の姿に心が震える。{/netabare}

高校生現在、再会。
償うこと、許すこと。
{netabare}自分のせいでバラバラに、
壊れてしまったものと向き合う硝子。
自己嫌悪と後悔の狭間で揺れ、
他人から目を伏せて生きる主人公。{/netabare}
これは現代の罪と罰なのか。

犯した罪はいつ許されるのでしょうか。
そもそも許されるものなのでしょうか。
どうか幸せになって下さい。

心の美しい人になりたい。

今はただそう願います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 115
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

硝子の少年時代の破片が胸へと突き刺さったまま成長した高校生のお話

原作未読

アニメ映画豊作の2016年。TOP3『君の名は。』『この世界の片隅に』『聾の形』唯一劇場で視聴しなかった作品。他意は無いです。アニメにそれほど関心がなく当時は、映画をやってたことも京アニという会社も当然山田尚子監督も、それどころか早見沙織・悠木碧・入野自由とかまーったく知らない私、一般人。

そちらはさておき、正直なところ一回目の視聴ではぐさりとくることはなく、すこし経ってなぜかまた観たくなり徐々にハマった作品。

1.主人公を中心として、なんとなく違和感を感じるキャラ設定
2.なんとなく物語の進行に違和感を感じる

この違和感ってなんだろう? 私、気になります!

主人公石田将也、ヒロイン西宮硝子を中心に主要キャラの多くがアニメ的に記号化されたキャラ設定にちょっとずらしが加わっております。
将也も硝子もあとは小学校時代の担任と永束あたりはわかりやすい感じでコミュニケーションの取り方に難がある人達です。また、植野・佐原・川井・島田も普通そうに見えてコミュニケーションの取り方で今一歩しっくりこない、きっとこう反応するだろうという予想とはちょっとずれのある言動をします。そもそも主人公二人の自己肯定感のなさは救い難いほどです。

要は気持ちよくないんですね。けなしてるわけではありません。前向きな意思みたいなのが汲み取りづらいのと、表に出てくる負のオーラ。
前向きじゃないと視聴者はストレスを感じるだろうし、言動行動に納得感がないと「ありえねー」とそりゃなるわけです。
ただしよくよく見ると、登場人物の思っていることはきちんとわかる作りになっていて、一見整合性の取れない行動のようでも根拠は必ず見つかります。
{netabare}
例えばこんなとこでしょうか。
・なんで自殺しようとする奴が死ぬ前にいじめた子のとこに行くの?
・なんで硝子死のうとするの?
・いじめた相手を好きになるとかありえん
{/netabare}


巡り巡ってこれって現実と一緒じゃん、という結論になりました。
ただ単にアニメ的テンプレキャラでないだけ。(硝子が美少女だってところはアニメ的ではありますがね)

登場人物に対しては「拒否感」しか抱かない方もいるでしょう。
その反対で、現実の自分や知人に重ね「共感」を覚えるかもしれません。
すーっと入って感動できるか、ただただ胸糞悪くなるか。
取扱うテーマが重いこともあり、娯楽作品としてはだいぶ博打だったと思います。
俗に言う『観る人を選ぶ作品』の範疇に入りそうですが、そもそも劇場版でそれを実践した勇気に拍手を送りたいものです。京都アニメーションという会社も、体力のある会社ということなのでしょう。

その京アニの稼ぎ頭、山田尚子監督の他の作品『たまこラブストーリー』『リズと青い鳥』を観て思ったのですが、作家性が高く、登場人物の心情描写においてはセリフ外の暗喩表現に秀でている監督だという印象を持ちました。
本作でもその作家性はいかんなく発揮されております。そしてその暗喩表現の多い作風がコミュニケーションを扱った作品のテーマと相性が良く、ヒットに繋がったものと考えられます。


キャラ、その他に関する前置きが長くなりました。物語にも触れときます。


冒頭からの陰鬱な展開とは対照的に空や川、背景はため息が出るほど綺麗でした。早見さん・悠木さん・入野さんは難しい役どころをしっかり理解されたうえでの好演たっだと思います。牛尾憲輔さんの劇半は作品世界にめちゃくちゃ合っておりました。

先天性の聴覚障害を持った少女と健常者たちとのコミュニケーションロス。これが主題かと思いきや、同じくらい健常者同士のコミュニケーションロスも描かれてます。
伝える手段としての言葉。「言葉に出して言ってくんないとわかんなーい」実はそうでもありません。普段私たちがとるコミュニケーションの70%は表情・しぐさなどの非言語が占めております。雰囲気でわかる、空気を読む、拳で語り合う、想いは全部ピアノに込めたんだから(これは違うかもw)、といったところが例で、各々思い当たる節があるのではないでしょうか。
言語はもともと非言語で得た情報を明確化するくらいの価値しかなかったものが、ご存じの通り残りの30%が極めて重要な世の中、それが現代社会です。
その言葉でさえも、例えば短文のSNSでこちらも向こうも意図が誤解無く伝わっているかと言ったらそうではありません。
そのような確かなものと思われている反面あやふやでもある「言葉」「声」のうち、『声』を失った少女を媒介にして、想いを伝えること伝わらないこととは何ぞや、を提起した良作です。

普段の王道的な、悪く言えば予定調和的なものから一歩外れた位置にあるからこその作品の価値であり、未視聴の方はぜひ目を通していただきたいと思ってます。テーマも含めあとは好き好きなので合わない時は合わないっす。

そして随所に見られる「セリフで表現されてない描写」を感じてみたいところです。
{netabare}
一例だけ挙げます。
■小学生時代。将也と硝子の取っ組み合い
意外と硝子が激しい感情を持ち合せた子だなと驚いたのと同時に、普段は押し殺していた、押し殺さざるを得なかったこれまでの人生を想像し胸が痛みました。
初見ではわかんなかったのが、硝子の声にならない声。「私だって頑張ってる」的なことを言ってるのだと繰り返し聴くとわかってきます。早見さんすごい。
硝子にとって後にも先にも家族以外で感情をぶつけ合ったのは将也だけだったかどうかは作品内では描かれてませんが、将也とのぶつかり合いは貴重な思い出だったと思われ、高校での再会後の硝子の行動に繋がっていきます。
{/netabare}



以下、オマケ
■川井と僕らは一緒だよ
{netabare}作品中屈指のdisられキャラの川井嬢です。徹底した傍観者タイプ。
ただ彼女って自分たちが向かい合いたくない負の部分をよく表した鏡みたいなキャラだと思うんです。
こんな話があります。
耳の聞こえない母を10年以上介護した経験のある近しい親族がいる身としては、通常の介護以上に耳が聞こえず意思疎通が取りづらい環境ではそうとう憔悴します。ちなみに介護した親族以外の親族はほぼ関わってきませんでした。
当たり前のことですが、耳が聞こえない人とは普段自分らがしているような会話はできません。このストレスってけっこう馬鹿に出来ないんです。何をして欲しいかがわからない、これが一番きついのです。
普通だったら距離置きませんか?
作品ではずっぷり関わる結弦、なんとかしようとする佐原がいます。
硝子と関係のある当事者から見れば、関わってこないけど綺麗事並び立てる者がちらほら視界に入るポジションにいると邪魔でしかありません。じゃあ視界から消えてくれ!そんな役回りが川井が本作で担っているポジションです。うーん報われる要素が見当たらない ww
いじめたいじめないはひとまず置いといて、我が身かわいさに保身に走ってしまう人間の弱さみたいなものがよく表れたキャラです。
{/netabare}


■決定!!早見沙織の足パタパタTOP3!
どうでもいいので閉じてきます
{netabare}
「足パタパタ」とは作中の女性キャラにとってなんか嬉しい出来事が起こった時や照れてどうしようもない時などに、ベッドにうつ伏せになり時には枕を抱え、足をパタパタさせる仕草を指す。人前では見せない行為のため、実際やっているかは男子諸君にとっては永遠の謎である。なお、変態と思われる可能性があるため直接女性に聞く時は、自身のキャラと聞いてもいい相手かを見極めて質問するようにしましょう。〈以上、言語の解説〉

第一位 聾の形 西宮硝子
そもそもセリフ少ないので、こんなわかりやすい反応をされるとこちらがほっとする
第二位 宇宙よりも遠い場所 白石結月
たしか第三話あたり。そういうことしなさそうなのにそのギャップが良い
第三位 風夏 氷無小雪
何話か覚えてない。そういうことしそうなキャラだが良いものは良い
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 78

74.0 2 イジメアニメランキング2位
かがみの孤城(アニメ映画)

2022年12月23日
★★★★☆ 3.8 (108)
312人が棚に入れました
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。

ある日突然部屋の鏡が光り出し、

吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。

さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、

「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。

期限は約1年間。

戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。

互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。

そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――

果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?

それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

大人はわかってくれない。

むかし、絶対音感のあるアメリカのジャズメンと飲んでいて、
  ワタシ、日本のブンカは尊重してるんですが、
  カラオケにはまず行きません。
  音酔いというか、
  機械のオンテイが不安定なので気持ち悪くなってしまうんですよ。
  いまは世界中どこにでもカラオケがあって困ったものです。
なんてグチっぽい話を聞かせてもらいました。

拙にはゼッタイオンカンなんて大層なものはなく、
そういうご苦労ははかりかねるのですが、
そいじゃま次は女の子のいる店にしましょうかと言うと、えらく喜んでいました。
(おかげで死ぬほど払わされましたが)

もちろんプロミュージシャンにもカラオケ好きはいますし、
そこんところは人それぞれかと。

ただ、むかしザ・バンドとボブ・ディランがセッションしてた時、
ディランのギターがあまりにも気に障るので、
アンプからプラグをロビー・ロバートソンが引っこ抜いた、
なんて話もありましたよね。
気になる方はやっぱどうしようもなく気になるようであります。

なんでこんなこと書いているかというと、
僕はオンガクに関してはけっこう許容できるんですが、
お芝居に関してはダメだからなのであります。

  ただ『それっぽく』演っているだけのお芝居
  ジブンだったらと考え『役ではなく自分』で演ってるお芝居
  気持ちばかり先行して『技術が追いついていない』お芝居

そういう『予選も通らない演劇部』レベルのお芝居って、
学園祭なんかだと微笑ましく見ていられるんですが、
商業作品になるとマジでダメで、ココロがささくれ立ってしまうんです。


で、本作『かがみの孤城』は、
辻村深月さんの同名小説を原作とした長編劇場アニメですね。
原作は未読なんですが脚本がかなりよく、
すぐれた脚本をつたない芝居でブチ壊している『よくある作品』のひとつです。
(少なくとも僕の耳にはそう聞こえます)

制作はみんな大好きA-1ピクチャーズ。
2022年12月の公開で、
興行収入10億円を突破していますから、
日本語でいうところの『スマッシュヒット』作にあたるのかしら。
{netabare}
  ちなみに『スマッシュヒット』というのが、
  いわゆる『そこそこのヒット』を意味するのはニッポンだけですね。
  英語の『smash hit』は『大ヒット』という意味になります。
  そこそこのヒットは『moderate hit』。
  いわゆる『マンション』と『mansion』の違いみたいなものであります。
{/netabare}
お話は、明確なメッセージ性のあるファンタジーかと。
さまざまな理由で不登校になっている(ひとり違うけど)7人の中学生が、
鏡の向こうにある孤城に集められ、
なんでも願いをかなえてくれる『願いの鍵』を探すという物語です。

少年少女たちは現実世界と鏡の世界をいったりきたりしながら、
ちょっとずつ、お互いに心を通わせていきます。
けっこうリアルで残酷なそれぞれの事情が少しずつ語られ、
無慈悲で理不尽な現実世界に対峙するための『心や勇気』みたいなものが、
そうした交流を通じて芽生えていく。
そんな感じの組み立てが大きな流れになっております。

そう書いてしまうとなにやらセッキョ-くさい作品っぽいですが、
エンタメらしいギミックがあちこちに施されており、
山あり谷ありで飽きさせないまま、ラストまで突っ走っていきます。

  丸尾みほさんによる脚本は、
  原作の良さ(しつこいですが未読です)もあるのだろうけれど、
  秀逸そのもの。

  不登校になった原因の『いじめ』の書き方もそうなのですが、
  そのことによってトラウマを植えつけられてしまった少年少女たちの、
   ・正論を絵空事にしか感じられなくなっている心の歪み
   ・自責・他責にすっぱり線を引けない未成熟さ
   ・自己憐憫と自己批判が渦巻き、極端に狭くなっている視野
  みたいなものが飾らない言葉で切々と描かれています。

  そこがきちんと描けているからこそ、
  彼らの抱えている問題が
    こういうファンタジーが存在しないと解決できなかった
  ということに得心できるわけでありまして。
  (もちろんそれ自体が
   いまの社会に対する強烈なメッセージになっております)

このあたり、さすが辻村深月さんがOK出した脚本だなあ、と。
ほんとこの方から承認とるのは大変なんですが、
それは本筋と外れてくるのでネタバレで。
{netabare}

辻村さんって、NHKから損害賠償の提訴をされたことがあるんですよね。

ことの経緯はこうです。
彼女の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』という長編をドラマ化しようという話になり、
講談社がNHKに対して2011年11月、制作許諾をしました。
ところが、あがってきた脚本に辻村さんからNGが出ちゃったんですよね。
修正協議を繰り返したのですが、
NHKの『部分修正』案と辻村さんが望む『抜本的な検討』が折り合わず、
ついに2012年2月、撮影開始直前に許諾を取り消すことになったのです。

撮影直前ということでNHKは、
役者の手配はもとより美術制作まで終わっちゃっていたわけで、
キャンセル料だの実費だので大損がでました。
で「いくらなんでもきついっスよ」ということで、
NHKが損害賠償請求をしたわけです。その額、なんと約5980万円。

結論は辻村さん(講談社)側の勝訴。
というか、東京地裁でNHKの訴えが棄却されました。

  これ、拙が何度か言ってる著作権のおハナシ、
  『映像化の許諾』と『お話に手を加えることの許諾』はべつのもの、
  ということの典型事例ですよね。
  いくら「映画化してもいいですよ」と言っていたとしても、
  脚本や映像に著作権者からの承認がおりなければ公開できないんです。

  そういうのって版権ビジネスのイロハの『イ』でありまして、
  はっきり言って、NHKの大チョンボかと。
  この損失補填はコクミンから徴収した視聴料で賄われております。
  
でもまあ、法的に担保されている権利とはいえ、
天下のNHK相手に作家ダマシイを貫き通した辻村さんがリッパかと。
なんせこのときは直木賞もとっておらず、
メフィスト賞と吉川の新人賞を取っていただけ、
文壇では『期待の若手作家のひとり』に過ぎなかったわけなんですもの。
(だから「押し切れる」とNHKも思ったんでしょうね)
{/netabare}

というわけで、この『かがみの孤城』は辻村さんのお墨付き、
ふつうに作っていたらたぶん『名作』になっていた作品だと思います。

ところが、ぜんぜん『ふつう』に作ってないんです。
キャスティングがめっちゃくちゃ。
学芸会とまではいいませんが、そのへんの市民劇団レベルではあるまいかと。

実はこの原作、先にオーディオブックが発売されているんですが、
そこからのキャラ替えがハンパありません。
メインどころでいうと、以下みたいな感じですね。
(『声優』という言葉好きくないんですが、あえて使ってます)

 こころ 元:花守ゆみりさん 声優歴9年。主演アニメ30本以上。
        ↓
     當真あみさん。女優。
     (16歳。演劇経験なし。金ドラでちょい出演しただけ)

 アキ  元:伊藤かな恵さん 声優歴16年。主演アニメ30本以上。
        ↓
     吉柳咲良さん。女優。
     (18歳。子役出身。アニメは『天気の子』ヒロインの弟役だけ)

 スバル 元:西山宏太朗さん 声優歴10年。主演アニメ20本以上。
        ↓
     板垣李光人さん。
     (20歳。俳優・モデル。子役出身。アニメ・吹替経験なし)

 マサムネ 元:小林裕介さん 声優歴9年。主演アニメ40本以上。
        ↓
     ◎高山みなみさん。
     (59歳。いわずもがな、アニメ界の大御所)

 フウカ 元:大和田仁美さん 声優歴9年。主演アニメ10本以上。
        ↓
     横溝菜帆さん。
     (14歳。女優・モデル。子役出身。アニメ経験3本)

 リオン 元:島﨑信長さん 声優歴13年。主演アニメ60本以上。
        ↓
     北村匠海さん。
     (25歳。俳優・歌手・モデル。子役出身。ドラマ出演多数。アニメ経験3本)

 ウレシノ 元:堀江瞬さん 声優歴7年。主演アニメ20本以上。
        ↓
     ◎梶裕貴さん。
     (37歳。声優歴16年。主演アニメ90本以上)

 オオカミ 元:東山奈央さん 声優歴12年。主演アニメ60本以上。
        ↓
     芦田愛菜さん。
     (18歳。女優・歌手。子役出身。ドラマ出演多数。アニメ・吹替経験そこそこ)

 東条萌元:千本木彩花さん 声優歴9年。主演アニメ20本以上。
        ↓
     池端杏慈さん。
     (15歳。モデル。演劇経験なし。テレビドラマに一回出ただけ)


高山みなみさん、梶裕貴さんというスゲー方もまじってますが、
基本的には『経験豊富なプロフェッショナル』から、
10代中心で経験値の乏しいキャスティングへと変更されてるんですね。

もちろん『若いから』『経験がないから』ダメというわけではありません。

瀬戸麻沙美さんが『ちはやふる』を演ったのは高校生のときですし、
楠木ともりさんが『GGO』演ったのも18歳。
天才・沢城みゆきさんに至っては、
14歳・演劇経験ほぼゼロで新人オ-ディションに登場し、
僕の知り合いの音監が「いまだに当時のテープを聴いたら鳥肌が立つ」
というぐらい、全ての年代を完璧に演じわけてみせました。

ましてやほとんどのキャストさんが『子役出身』ということで、
花澤香菜さんや悠木碧さんを連想する方も多いかと。

  ただ、子役や舞台・実写演劇に求められる表現技術スキルと
  アフレコのそれは『似てるようでチガウ』んですよね。
  バスケットボールとハンドボールぐらい違う。
  球技大会ぐらいなら無双できても、
  インタ-ハイレベルになるとごまかせなくなっちゃうんです。
  (ここんとこ、一番うしろで『オマケ解説』しておきます)

  そこをアジャストするには、
  やっぱり『相当真剣な練習』をするしかありません。
  基礎があるので習熟は早いですが、
  そこんところもやっぱり人それぞれ違いが出てきます。

  舞台・実写俳優さんで『アジャストするのがうまい』方はおられます。
  アフレコ専業役者さんに遜色ないぐらい仕上げちゃう。
  そういう『おそろしく耳・アタマ・心がまえがいい』方ってほんと尊敬いたします。

で、本作の演技品質の話に戻りますが、
正直言って『学生さんが演劇部に頼んでアフレコした自主制作アニメ』
ぐらいの評価が妥当なところかと思います。

決して棒読みではなく、
それなりに『痛みやつらみ』的なものも伝わってきますから、
あの『竜とそばかすの姫』よりは数段マシです。

オンガクで言うなら『カラオケ上手さんの歌』ぐらいのレベルでして、
こだわりのない方ならば、
  いちいち目くじら立てなくてもよくなくない?
ぐらいに聴こえると思うんですよね。

  ただ……拙にはちょっとキビしかったです。
  元の役者さんが演っていたらどういうお芝居・音源になるのか、
  おおむねイメージできちゃうんですよね。

    そこ違う。もっとはって、背中まで鳴るように大きく。
    いまのセリフ、語尾はもっと消え入るように。
    長いセリフは『立てる』言葉、もっとはっきりメリハリつけて。

  なんてことを視聴中ずっと考えてしまっていて、
  モノガタリに集中しきれなく。
  ああ、脚本がすごくいいのにスゲーもったいない、
  大御所に「真実はいつも一つ」なんて言わせてる場合じゃね~だろこら、
  なんてぷんすか怒りながら視聴していました。

  なんでこんなキャスティングするかなあ。
  オトナってやだわ。


作品としてのおすすめ度は、それでもB+。
声優と音楽、いわゆる『音響系』の評価がひくいので平均点が3.4なんですが、
見る価値のある映画ではあるまいかと。

見る角度や足の置き場によって感じ方が変わってくる作品なんですが、
脚本にしっかりした背骨がとおっているので、
どんな方でもココロに石を投げ込まれるような気持ちになると思います。

  もちろん『いじめ』だの『大人の無理解』だのに、
  明確な解決策なんかあるはずがありません。

  あるはずがないからこそ、
  たまにこういう作品を見ることによって、
  一人一人が一歩ずつでも足を前にはこぶことがダイジなんじゃないかな。

  そんなことを拙は拙なりに愚考いたしました次第です(←日本語おかしい)。


映像は、まあ、きれいかなぐらい。
A-1ピクチャーズだからといって何でもかんでもスゲーわけではありません。
カット割りやアングルは、けっこう実写よりですね。
いいカットは間違いなくいいんだけれど、
クライマックス、言っちゃ悪いけれど、演出がふるくさいかもです。


音楽は、劇伴うるさいです。
かと思えは無伴のシ-ンもけっこうあって、バランス悪すぎ。
ちなみに、
エンディングのクレジットにすら音響監督が明記されてないんだけど、
キャスティング改悪の件といい、なんかあったのかしら?

  あと、エンディング主題歌、狙い過ぎて逆にあざといかも。
  しっかりしろ、アニプレ。


というわけで、音響系はアイタタなんですが、
何度も言うように物語・脚本がすごくよく練られているので、
作品としての価値はけっこうあるんじゃないかと愚考いたします。

ラスト、人によっては『予定調和』みたく感じるかもですが、
すでに述べたように『ファンタジー』だからこそ、
それなりの調和にもちこめたんですよね。

  じゃあ、このファンタジーがなかったら彼らはどうなっていたのか、
  それこそがこの作品のウラ主題みたいなものでありまして、
  政府だのキョーイク機関だのに押しつけてシャンシャンなテ-マじゃないわけであります。

ただまあ、アニメに『いやし』や『もえ』を求める方には不向きな作品ですし、
人によっては虎馬えぐられるかもです。
ココロに余裕があるときに、チャレンジしてみておくんなまし。

  なお、拙と同じくキャスティングにモンダイを感じる方には、
  オーディオブックという選択肢もございます。
  ただ……全部で19時間越えちゃってるんですよね、マジで。

  拙は時間もおカネも集中力もないので、
  すっごく興味あるんですが、サンプルのみ試聴しております。
  評判そのものはイイので、よろしかったら、ぜひど~ぞ♪


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ここからは純然たる『オマケ』です。

拙がおのれを顧みずエラそうに言っている
  『実写』『舞台』『アフレコ』
のお芝居は、具体的にどう違うのか、というおハナシですね。

本編にはほとんど関係ないので、
いつもどおりまるっとネタバレで隠しておきます。
ご興味のある方だけ、どうぞ。
(はっきり言って、スゲー『長い』です。心して読んでね♪)
{netabare}

[設定]
男子Aと女子Bは、文芸部に所属する高校二年生。
わりとなんでも言い合える仲だけれど、付き合ってはいない。
男子Aは草食系、女子Bはやや勝ち気ではっきりモノをいうタイプ。

部活の買い出しで制服のまま商店街にいってベンチで休んでいたとき、
まえを横切った女子大生風のふたりが以下のような会話をしているのが耳に入った。
 「あたし、またムネおおきくなっちゃってさ~。Cだときっついんだよね」
 「わかる~。あたしもこないだDにしたし」
それを聞いて、なにげなく女子Bの胸元に目をやる男子A。
その視線に気づいた女子Bが次のセリフを言う。

「そうよ、Aカップよ。笑えば? あたしが代わりに笑ってあげようか?
 あは、あはあはあは」

[解説]
このセリフ、特に難しいお芝居ではありませんが、
ウケをとるためには『実写』『舞台』『アフレコ』それぞれで、
ハイリョすべきポイントが変わってきます。

まず『実写』ですが、
これは(たいてい)カメラがバストアップ以上に寄ってくるので、
おおむね『顔芸』がダイジになってきます。

  露骨にいかりを顔に出して目をむくのか、
  いわゆる『ジト目』で、冷ややかに言い放つのか、
  自虐・やけくそ気味に、視線を外し正面を向いて言うのか。

セリフそのものは、自分が選んだ芝居に合致していればよし、です。
感情が自然と言葉に乗るので、
発声自体に特別な技術をほどこす必要はキホン的にありません。
(感情の乗っていない『口だけ芝居』は論外です)


次に『舞台』ですが、
これは観客との距離が遠くて細かな『顔芸』が伝わりにくいため、
カラダ全体を使って感情を表現する必要があります。
いくつかパターンをご紹介いたしますと、

  ・自分の胸に手を当てる(役者によっては立ち上がる)。
  ・セリフのまえに、ドン、と足を踏み鳴らす。
  ・「あは、あはあはあは」に合わせて肩や首をリズミカルに動かす。
  ・笑い終わったあと、ストップモーションみたく相手をにらみつける。

こういうお芝居って、
実写で演ると『オ-バ-アクション』に見えることが多いですよね。
セリフの発声には『いきおい』がダイジになってきます。
早口にならないようテンポに気をつけがら、大きく、元気よく、そして強く。
(*同じ発声を実写で演ると『うるさい』です)


最後に『アフレコ』ですが、
これは役者が顔やカラダで関与できる余地がないため、
言葉の立て方や発声に細心の注意をはらいます。

  コトバの立て方というのは、以下のような感じですね。
   「『そうよ』、Aカップよ。笑えば?」
   「そうよ、『Aカップ』よ。笑えば?」
   「そうよ、Aカップよ。『笑えば?』」
  これ、どこにセリフの『山』をもってくるかで印象がガラっと変わります。
  最初のは『ふつう』、二番目は『コミカル』、最後のは『ケンカ腰』。

  続く「あたしが代わりに笑ってあげようか?」でも、
    さいごの「か」の『a音』をはっきりと発声するかしないか、
    語尾を『スパッときる』のか『尻をあげる』のか、
    全体を『フラットにいう』のか『嚙んで含めるように』いうのか、
  そんなところで耳に届く印象がガラリと変わってきます。

  そして最後の「あは、あはあはあは」が個性の出しどころです。
    a.発声練習みたく、腹筋だけで、何の感情もこめない。
    b.「あは、アハあはAHA」みたく『音をバラけさせる』。
    c.最初かわいく、だんだん怒気をふくめる。
  もちろん『発声のスピード』によっても印象が変わりますし、
  役者さんによっては、
  最初の「あは」に小さな「っ」をつけ、間を多くとったりもします。
  
    動画などで役者(声優)さんの台本が映されたとき、
    独自のマークなどが色ペンなどでびっしり書き込まれている、
    というのを見たことがある方がおられると思います。
    それは、そういう自分で考えた指示(実際はもっと細かい)を、
    楽譜みたいに書き込んでいるからなんです。


総じて『役を読み解き、気持ちをつくる』というまでのプロセスは、
実写も舞台もアフレコも、大きく違いません。
ただ『作った気持ちを表現する』ときの力点が違うんですよね。

じゃあ、アフレコ役者さんの芝居が一番いいのか、というと、
それは一概に言えません。
アフレコ役者さんのお芝居をそのまんま実写にあてはめてしまうと、
どこかしら『作った』感じになっちゃうんですよね。
舞台のお芝居を実写でやるみたく『オ-バ-アクト』に聴こえてしまうんです。

  それってやっぱり『視覚効果』の問題なんですよね。

  舞台では、すでに述べたように、
  リアルではありえないような『大きな動きや声』の方が、しっくりきます。
  生身の人間が演じていますから、
  まあ『リアル』っちゃリアルなんですが、
  視覚・聴覚的には『セミリアル』なお芝居が求められることになるんです。
  (逆に、舞台で実写ふうにやると『芝居が小さい』と怒られます)

  これに対し、アニメは視覚的に『リアル』なものじゃないんですよね。

    顔の四分の一とか三分の一が目なんて人間はいませんし、
    ピンクとか緑色の髪の毛なんて、コスプレ以外の何なんだというハナシです。
    背景が闇になったりカミナリが走ったりするエフェクトも独自のもの。
    キャラの顔に斜線入ったり、いきなりポンチ画になったり、
    とにかく『アニメ独自の表現手法』というものがカクリツしているんです。

  そういう『非リアルな映像』だからこそ、
  アフレコ役者さん独特のお芝居が生きるというのがあります。
  ディ〇ニーランドの中を歩いていると、
  おなかの出たおじさんが大きなミミつけて歩いてても違和感ないですよね。
  あれ、区役所のカウンターに座ってたらタイヘンじゃないですか。


それじゃあ、アニメの演出やキャラデを限りなく実写に寄せたらどうなの、
というと、やっぱり『大丈夫』じゃないんですよね。
なぜかというと、
多くの人は『視覚体験』と『聴覚体験』がアタマの中で結びついている、
いわば『パブロフのわんこ』みたいな状態にあるからです。

  たとえば、グランドピアノそっくりのシンセサイザーを作ったとして、
  それでパイプオルガンの音色で演奏したら、
  見ていてめっちゃ違和感を覚える人が少なくないと思うんです。

  それって『グランドピアノ』という視覚から想起される音色が、
  体験的にアタマの中にインプットされているからなんですよね。

  同じように『実写』でアニメ声・お芝居というのも、
  または『アニメ』で実写の声・お芝居というのも、
  視覚と聴覚のギャップに違和感を覚えてしまう現象が生じてしまうんです。


つまるところ結論としては、
実写・舞台・アニメそれぞれ『求められるお芝居』が違っているため、
そこにアジャストしていく必要がある、ということになります。

もちろん作品によってその『求められ方』は違いますし、
実写の『演出』として舞台風・アニメ風のお芝居を取り入れることもあります。
僕が述べていることは、あくまでも『原則・基本論』にすぎません。

ですが『セイユウの芝居は作った感じがする』なんていって、
アニメに実写系の俳優を起用するぐらいなら、
最初っから実写で撮れよ、というおハナシにはなると思います。
視覚情報がコンポン的に違うんだもの。


  テレビ俳優さんも舞台俳優さんもアテレコ役者さんも、
  みんなお芝居の『プロ』に違いありません。
  それぞれが、それぞれのフィールドで、
  視聴・観劇者に『届ける・伝える』ためのお芝居というものを、
  日々、身を削るような精進を繰り返して追及しています。

  まず、そこにリスペクトがないと、おハナシになりません。

  少なくとも『話題作り・マーケティングのため』などと称して、
    Jリーグの選手をプロ野球の公式戦に出したり、
    アイドル歌手をまともなオペラの舞台に上げたり、
    小説家に連載マンガ描かせたり、
  そんなおバカなこと、ふつうはしないじゃないですか。

  それを『鉄火場』であるべき制作現場で実際にやっている、
  バラエティやスポットじゃなく主演級にキャスティングしてるのって、
  ほんとアニメだけなんですよね。


  こういうのって『いじめ』と同じようなもので、
  正論はなんぼでも言えるんですが、
  すべてが丸く収まる解決策なんてファンタジーでしかありえません。

    キホン『大人はわかってくれない』ので、
    いっぽいっぽ、
    地道に声をあげていくしかないんですよね。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 24
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

彼女が願ったもの

ある出来事から学校に行けなくなった中1のこころ。
ある日部屋の鏡が光り、その向こうにお城とオオカミの面をつけた不思議な少女がいて・・で始まる物語。

原作は辻村深月さんの小説で、2018年の本屋大賞も受賞しているみたいですが未読です。
ちなみにコミカライズ版も全5巻で発刊されているみたいです。

お城にはこころの他にも同じように鏡から来た中学生が6人。
オオカミ様は7人に城に隠されている鍵を見つけられた人は願いが叶うと話します。

こころにとって鏡の城で友達とも仲間とも言える子たちと過ごした時間は、{netabare}鍵を探して自分の願いを叶えてもらうよりももっと{/netabare}大事なものをもらえたのかなって思います。

そして3月。
{netabare}鍵の部屋で彼女が見たもの、そして願ったことは・・{/netabare}

アキが{netabare}喜多嶋先生だったのは驚きましたけど、考えてみるとストロベリーティー好きだったりと色々伏線ありましたね。
アキも同じような経験をして悩んだからこそ、あんないい先生になれたんですよね。{/netabare}

みんなの別れのシーンも、{netabare}それぞれ記憶がなくなってしまうことを考えたら、{/netabare}せつない気持ちに。。

あの孤城での一年は、{netabare}病気で中学に通えず、亡くなってしまったミオの願いが起こした奇跡だったのかなと思いました。
彼女と同じような、学校に行きたくても行けない子たちを自分の城に招いてその子たちに思いを託したのかなって。
なぜ7人だったのかは昔病室で弟に読んで聞かせた童話からなんですね。{/netabare}

{netabare}病室で{/netabare}おもちゃのオルゴールから流れるトロイメライを聞いてたらちょっと泣いちゃいました。

そして、ラスト。
{netabare}こころが冒頭で願ったことも、リオンとの再会で叶いましたよね。
こころはリオンのことを覚えていないかもしれないけど・・{/netabare}

エンドロールを眺めながら、あの子たちはあの後どうなったんだろう・・ってぼーっと考えちゃいました。

みなさんの評価が高いだけあって、かなり良かったしおすすめしたい作品です☆

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

虐めは学校だけではない。社会に出たってついてくる

この映画は虐(いじ)めの問題を描いています。
本屋大賞に選ばれたので原作は大変すばらしいのでしょう。
但し2時間という映画の枠で原作の魅力を十分に描ききれてはいないように感じました。

虐めはよくありません。
ただこの映画では、虐められる苦しみは結構描かれていましたが、
虐めを克服しようと地道に努力する姿があまり見れませんでした。

仮にあなたが虐められているとして、
あなたを守ってくれる親や学校の先生は、24時間365日あなたを守れるわけではありません。
最終的に、虐めを克服するか、虐める人に従順になるか、全く別の世界に行くか しかありません。
全く別の世界に行ったとしても、別の人があなたを虐めるかもしれません。

虐めは学校だけではなく、社会に出たってついてきます。
ロシアがウクライナへ侵攻するのも、虐めの一つです。
だからゼレンスキー大統領みたいに、たとえ相手がどんなに強くとも屈服しないという強い意志を持つ必要があります。

虐めにあっている人は、毎日走ることをしてみてはいかがでしょうか?
最初は100mでかまいません、少しずつ少しずつ距離を伸ばしていき
2Kmを毎日走れるようになったとき、あなたの心は以前よりも強く逞しくなっているはずです。
運動が苦手な人は漢検でも英検でもなんでも良いので、毎日努力して、特技を身につけてください。

一朝一夕に虐めは克服できません。昨日の自分に負けないでください。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

72.6 3 イジメアニメランキング3位
好きっていいなよ。(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (1134)
5552人が棚に入れました
16年間、彼氏も友達も作らずに生きてきて、周りからは暗いやつと思われている、橘(たちばな)めい。ある日、ひょんな誤解から学校一のモテ男・黒沢大和(くろさわやまと)にケガをさせてしまうが、なぜか大和はめいを気に入って一方的に友達宣言、むりやりケータイ番号を押しつける。めいがストーカーにつきまとわれた時、呼んだらすぐにきてくれた大和は、めいを守るためとキスまでしてきて……!?

声優・キャラクター
茅野愛衣、種田梨沙、櫻井孝宏、島﨑信長、内山夕実、寿美菜子、前野智昭
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

<最終回まで視聴完了> なんだんねんw

いろんな意味で、少女マンガの王道だったかもだね。
誰かの嫉妬から嫌がらせを受けたりして傷ついたり、
ありもしない噂流されたら本人に確認する前に信じちゃったり、
そういう人間くさい愚かな部分を描きつつ、恋を実らせ育んでいく2人。

やきもきしたり、じれったかったり、イラッときたりしながら
最後まで観たわけだけれど、う~ん・・笑っちゃったな。

期待しすぎてしまったのかな。もう少し感動が欲しかったんだと思う。
なぜそこでそう思う・・?ってことがあまりに多くて
それは、めいにも大和にもすごく感じた。
{netabare}
しかも、めいと大和の間に会話はあまりないようで、
お互いがもっといろんなことを何でも話し合ってる仲だったら
こんなことにならないのに、ってことが多かった気がする。
付き合いが浅いからこそ、たくさん話をすべきだし
それがないから、すごく好きなのに信頼関係が浅いってことに
なってしまうんだろうね。
{/netabare}
でも、愛子やあさみっち達のようにいろんなカップルがいるわけで
その2人だけのカラーみたいなものは確かにあるし、
めいと大和も、これまでの経験と教訓を生かしながら
今後はもっともっと会話に花を咲かせたり、信頼関係を深めていくのかも。
そう思わせてくれる可愛く初々しいい話ではあった。

ちなみに、愛子やカイがいてくれたから成り立ってたし
この2人がとても魅力ある人物で、けっこうお気に入りだった。

展開的には前回(12話)のほうがよほど最終回にふさわしい内容で
盛り上がれたような気がするなぁ・・

リアルだなとは思うのだけれど、せっかくのアニメ作品だし
もう少し見せ場が欲しかったのは正直なところ。
それでも、作画は毎回美しかった。
背景がきめ細かく、隅々まできれいに描かれていて
つい見落としそうな小道具や部屋のインテリアや
置いてあるものなんかで、キャラ設定もわかりやすかったし、
そういう行き届いた想いが伝わってくるのは嬉しかった。

それに表情の微妙な変化なんかも細かくて。
あと、OPに岡崎律子の歌が起用されていたことも嬉しかった!
彼女のやさしい歌声とメロディーはとてもピッタリだったと思う。

一応、原作が手元にあるのでこれから読んでみるつもり。
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<8話の感想>

モテるからって恋愛上手なわけじゃない。
大和は確かに八方美人なところ、あるよね。
誰にでも優しくしてしまうのは、中学時代・・苛められないよう
表面を取り繕ってた時から変わってないんだなぁ。
嫌われたくない思いと、女の子は大事にしたいって思いは
わかるけれど、目先だけで動いてしまうんだろうなぁ。
あとは実際、恋愛経験が少ないから気が付かなさ過ぎてるだけ。
でも本気で好きな子がいるなら、その子を不安にさせちゃダメだよね。
めいみたいな子と出逢ったことで、これから彼もわかっていくんじゃないかな。
めいも大和と出逢って、自分の気持ちを表現するにはって悩みながら
どんどん変わっていってるしね。
新キャラの男の子、大和を昔から知ってるような感じだったし
今後どう絡んでくるのか楽しみ。
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<7話の感想>

読モのめぐちゃんは、自分に正直な子。
しっかりしたところもあって決して悪い女の子ではない。
愛子はけっこう冷静に観察しているけど、情に厚い姉御肌。
{netabare}
デリカシーないのか?と思ったあさみっちも、実はちゃんと気づいてた。
大和は、心変わりや裏切りなどしてないし、
めいには誠実なんだけど彼女の本音までは見抜けなかったかもだね。
ずっとメールを待っていためいが、大和からのメールに
「遅かったね」と打ちそうになったのを「おつかれさま」に
変えた気持ちが痛いほどわかる。
{/netabare}
でも、やっぱり気持ちは伝えないと伝わらない。
お互いが本音に気づいてあげられるほどの関係じゃないから、なおさら。
嫌な噂を耳にして、不安が疑惑に変わってしまったり
理解してるつもりで本音を隠し、いい子ちゃんぶってしまう・・
誰にでもよくあることかもしれない。
でもそのままにしておくと、気づかないうちにどんどん歯車がズレていく。
いつのまにか離れてしまってた、なんてことがないように
大切なその自分の想いをまずは信じて、勇気出すしかないのだよね。
{netabare}
愛子やあさみっちに気持ちを打ち明けためい、一歩前進できて良かった。
大和を想う気持ちの分だけ、少しずつ髪が伸びていっているめい。
気持ちをわかってくれる友達もできて、ますます変化が楽しみ。
{/netabare}

------------------------------------
<6話の感想>

ふたりで下校中の夕焼け空を一直線に横切る飛行機雲が、
一途な思いを揶揄しているように見えた。
でも、めいが久しぶりに1人で下校したときの夕焼け空は
どこか淋しげに映った。
だけど彼女は、今まで恋をした経験も友人もいなかったわけで
大和に対しても好意は持ちつつ、まだ自分を見失うほどの情熱には
発展していない段階なのだよね。
大和や他の登場人物の言動によって、自分の気持ちに少しずつ気づいたり
相手のことを信じれるようになったり、全部まだこれからって状態。
そんな中、大和の気持ちが今のところ揺らがずにいてくれてるのが
せめてもの救いだし、安心して観ていられる。
1クールなのかな?だとしたらそんなに話も入り組めないから
めいが今後、心乱されながらも大和と信頼関係を築いて
ほんとうに「好き」って言えるまでを描くのかもしれないね。
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<5話の感想>

猫を通してさらに距離が縮まっていく流れがいい感じ。
生真面目で優しい、めいのキャラがとてもよく表現された回だった。
そして、大和のちょっとだけ生意気な妹の繊細な気持ちが
いろいろな言動に表れていて、思わず抱きしめたくなった。
オーブン電子レンジからケーキを出すあの後姿が、めちゃ可愛い!
子供の頃の自分と重なる想いやエピソードもあって切なくなったけど
彼女には めいがいてくれて良かった。
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<4話の感想>

大和の友だちである早川君、音立てて汚い食べ方(苦笑)
イヤ~な奴の描き方がすごくわかりやすいよね。
それぞれの人物の細かな表情の変化、しぐさ、目線、指先。
そういう演出がとても良いと思う。
場面によっては、こっぱずかしくて赤面しそうなんだけど
それは、そのピュアさが今の僕に無くなりつつあるからなのかな。
大和とめいの信頼関係が少しずつ少しずつ深まっていくのは
心地良いし、素直に応援したくなる。
毎回OP聴いてるだけで泣きそうになるんでホント反則だぁw
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<3話の感想>

この作品、OPがものすごく好きだけれどEDもいいな♪
歌だけでなく、あの紫陽花色のイラストの数々がすごく好きだ。

人には多少なりとも心の傷があったり
罪悪感や劣等感を持ちながら前へ進んでいるよね。
そんな自分の心のうちを大切な人に打ち明けることで
お互いの距離を縮めたり、理解したり、しようとしたり。
大人ならさらっと流してしまうことでも、彼らは高校生。
ひたむきさ、みたいなものが伝わってきて
大和やめいはもちろんだけれど、波乱因子になりそうな愛子のことも、
ちょっと憎めないものを感じた。
それにしても、大和モテすぎだろww
まぁ、実際ああいう人いたけどね(笑)
{netabare}
チャラいようで実は、めいを好きになった理由がちゃんとあったってことが
今回は言いたかったみたいだね。
{/netabare}
-------------------------------------
<2話の感想>
{netabare}
中西くんが意外にいい奴で、初々しくも想いをはっきり伝えてるところ
なんかけっこう好感持てた。
あさみっち、ライバルになるのかと思ったら、
いいお友達になれそうだしホッとした~
にしても、あのチュー攻めは観ててニヤケながら複雑というかw
思わず顔がほてったww いったいどんな展開が待ってるやら。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 63

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

やっぱ青春いいねぇ~(* ̄▽ ̄*)ノ"

~あらすじ~
高校生の橘めい(ヒロイン)は、人を信じることができず、
いつも高校生活を1人で過ごしていた。
そんな時、黒沢大和に出会いそこから恋が始まる。

~感想~
キスがめっちゃ多いですねぇ~(*´∇`*)

「最初は少女漫画なんてこんなもんか!」

途中から共感できて面白かったです。

でも、キスが多すぎてトキメくシーンが薄れていまいました。。。

しかし、話としては面白いので、是非、見てくださいm( ̄ー ̄)m

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

悩み傷つき、愛しくて切なくて、後ろ向きになったり、前向きになったり

原作未読。全13話

ずーと友達がいない主人公 橘 めいにモテモテでカッコいい 黒沢 大和と出会いつきあうところからお話がはじまります。

みんなそれぞれ心の傷が追っているシーンがあって、キャラに感情移入しますね。

どう人に接していいか分からないめいが可愛いですね。

携帯のメールを打ち変えているところなんか、心情が出ていて細かいです。

愛子ちゃんカッコいいですね~同学年とは思えない言動ですw

となりの怪物くんと同じクールにあったんですね~
怪物くんも面白かったですが、どこか浮世離れした感じがしました。
こちらの方が心情がよく表現されていて、等身大に近い感じがしましたね。
{netabare}(もちろん、すごいイケメンやアイドルなどはなかなかいませんがw){/netabare}

キャラの動きやしぐさの描写が好きでしたね^^

めいが少しずつ言葉や雰囲気が可愛くなってくるところもとっても素敵でした。

心がキューとなり心が暖まるいい作品でした。学園もの恋愛ものが好きな方、オススメです。

OP 儚くてやわらかい感じの曲です。
ED スネオヘアーが歌ってます。やさしい曲ですね。12話の曲もお話と合っていて良い曲でした。

12話がどう考えても最終話のような感じでした。それだけ完成度が高いお話でしたね。13話はどちらかというとDVD特典みたいな感じです^^

次回予告のめいとねこが可愛かったですね~

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36

86.7 4 イジメアニメランキング4位
3月のライオン 第2期(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (752)
4051人が棚に入れました
羽海野チカさんが「ヤングアニマル」(白泉社)で連載中のマンガを原作としたTVアニメの第2シリーズ。前作は2016年10月~2017年3月に放送され、東京の下町に暮らす孤独な高校生プロ棋士・桐山零と彼を取り巻く人々との交流を描き、幅広い層に好評を博した。監督は新房昭之さん、キャラクターデザインは杉山延寛さん、アニメーション制作はシャフト。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏、石田彰、玄田哲章、阪口大助、中村悠一、東地宏樹、大塚明夫、岩田光央、大塚芳忠、悠木碧、西明日香
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人の心を深く深く掘り下げて

<2020/9/22 追記」
羽生九段が公式戦6戦目にして藤井二冠にようやく勝ちました!
しかも相当に強い勝ち方!
さすが鬼畜眼鏡!
ちなみに羽生九段は谷川九段と共に本作の将棋界第一人者・宗谷冬司名人のモデルとなっています。

<2018/5/14初投稿>
全話観終えました。

二期はひなの中学でのいじめ問題に焦点が当たってました。
一筋縄ではいかない問題。
重苦しい展開が続きました。
{netabare} スッキリ解決というわけにはいきませんでしたがなんとか収まって、ひなはまた前を向いて。
この話がひと段落した時は正直ホッとしました。{/netabare}

ひなだけではなく零も成長したようで何より。

なんとかひなの役に立ちたい
そうした思いに駆られて行動する様はカッコ良かった。
本人としては全く上手くいってないと情けない気持ちでしょうが、ひなから見たらヒーローでしょう。

そんな零にとって川本家はもう「帰る場所」なのかもしれません。
あんな「あったかい場所」羨ましすぎる 笑

零とひなは三つ違いぐらいですか。
互いに異性としての感情持ってもおかしくない関係ですがどうなんでしょうね。
{netabare} 四国の高校に進学するという高橋くんを見つめるひな。
そんなひなを少し悲しい目で追う零はやはり少しはそういう気持ちありそう。
ひなの方は全くそういう感じしませんけど 笑{/netabare}

まあ零には香子がいるしいっか。


将棋の方は島田八段がいい。
挑戦してタイトルに惜しくも届かず。
が続く。
相当な実力者。
さあ今回の挑戦ではどうなるか!
見た目のモデルは佐々木蔵之介でしょうが、将棋は木村九段っぽい。
木村九段はこれまで6回タイトル挑戦して惜しくも手が届かない。
悲劇のおじさんです(解説名人で将棋ファンからの人気も非常に高いです)
三木眞一郎さんの演技がまたいい。

あと今期では柳原棋匠。
かっこよかったですね。
還暦大幅に超えてタイトルホルダーでA級って化け物ですよ化け物
諦めたくても諦めるわけにはいかない。
業のようなものを感じてしまいました。

他にも書きたいこと沢山ありますけど。

本当に良かったです。


<おまけ>
辻井武史九段。
モデルは将棋ファンならみんな大好き藤井猛九段。
(さらに豊川七段のダジャレを追加した感じ)
どうも羽海野チカさんがファンのようです。
藤井聡太六段が出てくるまではマニアックなボケで将棋界では羽生さんに継ぐ人気者でした。
藤井猛九段の面白さがわかればあなたも将棋通です。

<2018/5/15追記>
柳原棋匠のバケモノっぷりを補足です。
実際の将棋界では中学生棋士はこれまで五人誕生してますが60代のタイトルホルダーはゼロ。過去に一人もいませんでした。
ちなみに最年長タイトルホルダーは大山15世永世名人の59歳です。
さらにwikiを調べたら柳原棋匠の通算タイトル獲得数はたったの14期!
これは少ない。
66歳でタイトルホルダーでA級としてはもう少し多くてもおかしくない。
永世名人でもないようです。
かなり変わった棋歴。
つまり過去になかなか超えられないとてつもなく高い壁、強力なライバルとかその時代の第一人者とかにぶつかってたのではないでしょうか。
原作では柳原棋匠の昔を描いた外伝があるそうで是非読んでみたいものです。

<2019/9/23 追記>
↑の方でご紹介した木村一基九段(46歳 ニックネーム「おじおじ」)がただ今覚醒してます。
現在、王位戦というタイトルの番勝負で豊島王位・名人に挑戦していて3-3のフルセット!
最終局は9/25、26
ちなみにこの豊島二冠、歳は29歳とお若く、羽生さんや藤井さんに比べると知名度は劣りますが、渡辺明三冠と並ぶ現在の最強棋士。
木村九段は悲願のタイトル奪取なるか!
大注目しています。

<2019/9/26 追記>
木村九段が王位奪取しました。
7回目の挑戦で初タイトルは最多記録!
46歳での初戴冠も最年長記録!
23歳での四段昇段者がタイトルを獲得するのも最年長記録!
まさに「百折不撓」
こんな嬉しいことはないです。

島田八段を超えてしまいましたね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51

ISSA さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

春が来てぼくら…木洩れ日の中で

4話まで視聴。
けっしてスーパースターも能力者も出てこない、今期も等身大の人間ドラマ。

しかし引き付けられる、作画も演出も見事だけど今期、4話目の桐山零役の河西健吾さんと川本ひなた役の花澤香菜さんが凄かった。

楽しい展開は少なそうだけど、見いってしまう展開に期待です。

6話の川本ひなたちゃん泣いてるシーン
涙の音を水の落ちた音で表現してるのが凄く良かったです。
最後の黒板に落書きされてるシーン、ひなちゃんの「知りません」とキッパリした態度に強大な敵に立ち向かう戦士の様な物を感じます。

演出の良さからくる時間を感じさせない引き込まれが素晴らしい。

ここでは余り評価されてませんが、グサグサ心に刺さる様な描写凄いと演出の良さは他に無い感じ。
使うの嫌いだけど9話は神回か。

12話
川本ひなた役の花澤香菜さんの光演技には触れてきましたが。
脇を固める人の声優さんの演技も光ってた12話でした。
ひなたちゃんの学校担任教師役…大原さやか
いじめ子母親役…新井里美(ジャッチメント黒子)
ひなたちゃん学校主任…立木文彦(長谷川さん~マダオ)
特に大原さんと新井さんの演技は怖いw


視聴完了
最終話の冒頭、育ての母親役の島本須美さん(しょくぱんまん、ナウシカ、クラリス)の独り語り凄かった。
まるでNHKラジオ文芸小説聴いてる…
TV見てるじゃなくて聞き入ってしまうぐらいの演技。

本気の声優さんの演技が楽しめるのも3月のライオンならでは。
相変わらずの人間ドラマとそれぞれの成長を感じられる二期、年齢で成長スピードと時間の過ぎ方って違うだよね。



あまり紹介されてませんが、エンドカードの作者が超豪華です、一期から抜粋。
・三浦健太郎(ベルセルク)
・コンドウアキ(リラックマ)
・能條純一(月下の棋士、哭きの竜)
・氷川へきる
・ヒグチヨウコ(絵本作家、ふたりねこ)
・柴田ヨクサル(エアーマスター、ハチワンダイバー)
・ちばてつや(あしたのジョー)
・寺田克也(ゲームキャラクターデザナー)
・克 亜樹(ふたりエッチ)
・安野モヨコ(働きマン)
・VOFAN(台湾出身の漫画家&イラストレーター)
・あずまきよひこ(あずまんが大王、よつばと)
・森恒二(ホーリーランド、自殺島)
・ヤマザキマリ(テルマエ ロマエ)
・工藤ノリコ(絵本作家)
・末次由紀(ちはやふる)
・蒼樹うめ(ひだまりスケッチ)
・中村光(荒川アンダーブリッジ、聖☆おにいさん)
・原哲夫(北斗の拳)
・島本和彦
・萩尾望都(11人いる、少女漫画の神様と呼ばれて少女漫画家で初めて紫綬褒章授賞)

2期より
・岡崎マリ(イラストレーター)
・米津玄師(歌手)
・海野つなみ(逃げるが恥だが役に立つ)
・大川ぶくぶ(ポプテピピック)
・天野こずえ(ARIA・あまんちゅ!)
・西原恵理子(毎日かあさん)
・ウエダハジメ(フリクリ)
・魔夜峰央(パタリロ…パタリロ風二階堂可愛すぎて笑った)
・岩明均(漫画家・寄生獣)
・ヒョーゴノスケ(イラストレーター・映画ドラえもん他)
・西川秀明
・渡辺明夫(アニメーター・物語シリーズ)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「いったいぼくは いつのまに出ていたんだ?――こんなに明るい所に……」

原作コミックは未読。

序盤、主人公たちやその周囲に将棋以外でも、大きな試練が訪れたものの、
少年棋士がヘコみまくっている印象が強かった1stシーズンに比べて、
差し込む光の眩しさが印象的な2ndシーズンだったと思います。
仲間の存在、誰かのためを思って奮闘することで得られるエネルギーって
やっぱり大きいなと感じました。

そして、シリーズ全体を振り返って何より感じたのは、
日々、しっかりと地に足をつけて生き続けることの大切さ。

暗闇の中で無意味と感じた日常を投げ出したくなったり、
闘うことから逃げ出したくなっても、腐らず続けていたからこそ、
トンネルを抜けた後、光に照らされて輝くこともあるかもしれないし、
嵐のように救われることもあるかもしれない。

私にとっては、先が見えない日々に心が崩れそうになった時、
思い出して毎日しっかり歩んでいく際に、
杖として支えとなる、貴重な一作となりそうです。


その他、特に心がざわついたのは、

{netabare} いじめ加害者の心情描写。

良い学校、良い会社……。
そんなことばかり言われて嫌になったから。
との主旨の供述は言い訳と感じられた方も多いとは思いますし、
勿論いじめが許されるわけでは全くありませんが、
私はその心理描写に真に迫るものを感じました。

思うに、世の中、夢を持たなきゃ生きてる価値ないとか、ビジョンを持てとか、
先のことばかりで、今がスッポリ抜け落ちている心が多すぎなんですよ……。

大体、数手先まで見通して勝負手を指し合う棋士ですら、
10年先どころか明日の自分のことすら読み切れてないわけですし、
ある棋士に至っては、自身の人生の意義を見失いかけたり、最後の力も底をつきかけたりして、
海の底に水没したり、焼野が原で火だるまになったりしているわけです。

そこで、まず5年、10年先のこと考えて頑張れとか正気の沙汰じゃありません。
今の日常が充実して光を得ていく主人公や川本家とは対照的な心を眺めていて、
私はいたたまれない気持ちになりました。

そんな心の損壊と向き合い続けた学年主任には
もっと労いの言葉をかけてあげたいです。

さらには、最終話、主人公の圧倒的才能と努力に敗れ去り、
荒れ続けた幸田家の義姉と義弟の描写とか……。{/netabare}

光が差した心だけじゃなく、闇に包まれた心もしっかりと見つめていくことで、
本作の人間描写は厚みが増していたと思います。


シャフトの作画は相変わらず独特の風味。
天下一武道会でも始まるのかwと言うくらい派手に
比喩表現が飛躍した棋戦の白熱もさることながら、
日常の価値を体現すべく、著しく美化された川本家の食卓、料理も引き続き強烈。
個人的に微妙な食べ物だと思っていた白玉があんなに美味しそうに見えるとは……。
リアルでも記憶にない貴重な経験をさせて頂きました。

豊富な心情表現の引き出しで、珍獣揃いの棋界とその周辺を描いた、
人間ドラマが光る秀作でした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

73.2 5 イジメアニメランキング5位
ようこそ実力至上主義の教室へ 2期(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (362)
1342人が棚に入れました
2017年7~9月に放送されたTVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』の続きを描く、TVアニメ2期および3期の制作が決定!なんと1年生編をすべてアニメ化。2期は2022年7月に放送、3期は2023年に放送されると発表されています。

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

軽井沢恵の憂鬱

アニメーション制作:Lerche、
キャラクター原案:トモセシュンサク、
総監督:岸誠二×橋本裕之、監督:仁昌寺義人、
シリーズ構成:風埜隼人、キャラクターデザイン:森田和明、
音楽:横山 克、橋口佳奈、原作:衣笠彰梧

2017年に放映された1期から
5年もの歳月を経て制作された2期。
当時、リアルタイムで1期を視聴していたが、
1期の話数では、物語の全貌もほとんど掴めないまま、
多くの登場人物が顔見せ程度の状況で終わってしまった。
しかも、円盤の売上も1500枚程度。
まず続編は期待薄だということで、
忘れ去っていた作品だった。

しかし、1期のアニメ終了から原作は売れ続け、
今やラノベ部門ではトップクラスの売上を誇る
人気タイトルになった。
それが、この作品が5年ものスパンがありながら、
2期の制作にまで辿り着けた理由なのだろう。
その人気に大きな影響を与えたのが、
軽井沢恵というキャラクター。

今回の2期での軽井沢恵のポジションは、
1期での中心人物、堀北鈴音や櫛田桔梗の影を
すっかり薄くさせるほどクローズアップされている。
作画についてもほかのキャラクターの質が落ちていても
明らかに軽井沢恵には力を入れて描いているのが分かるほど。
2期の構成は、軽井沢恵を中心に組み立てられている。

実際、2期は1期に比べると、
格段に面白くなっている。
それは、やはり軽井沢恵という中心人物が登場し、
物語を回しているためだ。
裏で人を動かし、密かに策を弄するだけの
綾小路の存在がようやく面白くなってくる。

軽井沢恵は、強さと弱さを兼ね備えており、
内面も手抜かりなく描かれたことが、
今回の2期の成功につながっている。
まさに制作側からすると、
軽井沢恵をどれだけ注目させられるのかに
かかっていたのだろう。
そして、それは見事に成功した。
予約などから想定できる円盤の売上予測は、
1万枚に迫っているらしく、1期とは大きな違いだ。

全体の物語としても、学園ものとして
ようやく成立してきたといえる。
2期は堀北鈴音の成長と、
櫛田桔梗の裏の顔の部分にも
スポットが当たっている。
1期からの流れがようやく結実したが、
このふたりの話は、それほど面白くない。
特に櫛田桔梗の話は、理屈としては分かるが、
全くリアリティや深みを感じなかった。

それに対して、堀北鈴音の話は成長も見られて、
興味深い部分もいくつかあった。
堀北鈴音は、ひとりでは自分の目標に辿り着けないことに
ようやく気づき、仲間たちを勇気づけ、力を借り、
クラス全員で上に行くことを目指していく。
そのため、裏で暗躍していた綾小路清隆の
仕事が減るのだが、2期ではそこが肝になっている。

つまり、隙間にちょっとした恋愛話が差し込まれ、
物語全体に良いアクセントをつけている。
そこで登場するのが軽井沢恵だ。
といってもきっかけは、綾小路が便利な手駒として、
堀北鈴音以外に目を付けただけなのだが。
2期の序盤からきっかけがあり、
徐々に関係性が構築されていくところは面白い。
軽井沢恵は自分の過去から逃れるために葛藤し、
何かを掴もうとしていた。そこに綾小路が手を差し伸べる、
もしくは罠にはめることになる。
また、運動会で綾小路が活躍したことで、
佐藤麻耶が綾小路のことを好きになるという展開も。
その様子を見て、軽井沢恵がやきもきするところもいい。

クライマックスは、やはり12話。
ここは作画や動きにもほかの回とは違い、
かなり力が入っていた。
Lercheというアニメ会社は、そもそもの作画が怪しい。
キャラの顔の形がよく変わるし、書き込みも甘い。
しかし、12話はそういう部分も含め、
動きの重要な部分についても上々な仕事ぶりだった。
詳しくはないが、もしかするとロトスコープを
使用していたのだろう。リアルな動きを表現できていた。
この12話によって綾小路清隆と軽井沢恵の関係性が
劇的に変化する。納得できる流れで、
目を瞠る展開ではあった。

ところで、本編とは全く関係ないのだが、
ひとつ気になったのは
Cクラスの椎名ひよりと絡む
小説の話が出てくるところ。

おそらく作者は、チャンドラーの小説では、
『長いお別れ』よりも『さらば愛しき人よ』のほうが
好きなのだろう。
人気では『長いお別れ』に軍配が上がるが、
私はどちらかというと『さらば愛しき人よ』のほうが
深く印象に残っている。
そんなところで作者に親近感を持った。

2期は「軽井沢恵の憂鬱」がテーマ。
そこに綾小路や堀北鈴音、櫛田桔梗が絡んでくる。
もちろん、龍園翔も。
ということで、2期は、1期では影の薄かった
軽井沢恵を中心に物語を追っていけば、十分に楽しめる。

軽井沢恵が憂鬱になって、ようやく物語が動いてきた。
(2022年10月15日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋は学園征服の後で

【感想】
作画の悪さが結構気になったけど期待通りとても面白かった

一期から変わらず話はとても面白くて先が気になる展開の連続でした
試験とかキャラクターの動きにはよくよく考えると不自然なことやご都合主義なところもあるんですが、興味の引き方が秀逸で細かいことを気にしている暇を与えない面白さがありました、オススメの作品です!

{netabare}
綾小路君の能力の高さが常軌を逸しすぎていてラスボス感があるけど、他クラスの主要人物もそこが知れなくて綾小路君とどんな勝負をするのかとても楽しみです

最終話で3期に続くみたいな言葉が出ていたので3期も決定しているみたいで、とても楽しみです!

好きなシーンは龍園君とのバトルシーンで作画も動きもとても良かったです、綾小路君のさらに底知れない化け物な一面が判明したシーンですし、2期の一番の見せ場でしょう
それから底が知れて牙を抜かれた猛獣みたいになった龍園君は敵ながらあれだけ自信満々な暴君がプライド打ち砕かれてなんかかわいそうで見てられなかったけど、
Cクラスのみんなを巻き込まないように自分一人だけ静かに退場する引き際の良さがカッコ良くて、負けてなお強者といった印象でとても魅力的にうつりました
こういうキャラクターはどれだけ性格が悪くて凶悪でも魅力があっていいですね

軽井沢さんにした拷問は絶対に許せないけど!

2期で大幅に株を上げたのは軽井沢さんでめっちゃ可愛かったですね! 女子力が高そうだし恋する乙女の表情やしぐさがとても可愛かったです
そして綾小路君に恋することさえ全部綾小路君の計算通りという気持ち悪さ・・・

さすがに「軽井沢は完全に俺に依存している」は引いた・・・ 恋する乙女の気持ちを踏みにじるサイテーなコメントです、ホント最低
最低だけど、綾小路君の底知れない不気味さ魔王感は全然ブレなくてさすがですね
たしかに現状では恋におぼれる綾小路君は見たくないかも、恋はAクラス昇格のあとでってことでどうかな?

でも軽井沢ちゃん負けないで!!
このドライモンスターをラブコメの沼に引きずり込んじゃいましょう

ちょっと残念なことは、謎が多いときは底知れない不気味さがあったのに目的や真相がわかってしまうと思ってたよりしょうもないってことが結構あることかな?
龍園君は1期後半~2期後半まで長い間宿敵ポジションを保ち続けて「倒さなきゃならない敵役」を見事にこなしていましたので良かったけど
櫛田さんは一期からなんか隠してる感じはあって底知れない怖さがあったけど、2期でやっと出てきたかと思ったらすぐそこが知れてしまって、目的もしょうもないうえに心象だけはとても悪くて
なんかとても残念な子ですね・・・

綾小路君が強すぎるから相手の底が知れてくるまでが華で、1期では堀北さん平田君、葛城君、伊吹さんあたりが優等生止まりってわかって2期で便利に動かしやすくなったように
龍園君も茶柱先生も櫛田さんも2期で底が知れて旬が終わった感じがするので3期では思わぬ活躍が増えていいキャラになるかもしれませんね

ただ、今後どれだけ強い動きをしても、いいライバルっていう印象以上にはなりそうになくて寂しさを感じます
特に櫛田さんは動機もしょうもなかったし印象も最悪で、3期ではケリをつけるようだけど龍園君ほどの魅力も力もないのであまり引っ張らないほうがいいような気がしますね
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

微笑みの櫛田爆弾

引き続き原作未読で視聴。

【物語 3.5点】
学園運営側から下された、課題の意義から考えさせるクラス間競争が継続。
主人公・綾小路清隆が取り巻く人物に様々な角度から迫られることで、
隠れた一面が少しずつ明らかになるも、底知れなさもさらに深まる構成。

ペースは飛ばし気味か。
競技の模様があまり描かれない体育祭などは、原作未読組の私でも色々端折っているだろうなぁ~と苦笑しました。
が、あくまで綾小路とその周辺のドラマを重視するという意図は伝わって来ました。
ただようやく体育会系の出番だというのに、空回りしてキレる姿ばかりピックアップされた須藤くん等は不憫だったなとw

綾小路が何者か?高度育成高等学校の教育方針とは?
核心部分については一挙に明かしたらシリーズが終わってしまうのでwネタは小出しでお預け感。
そんな中、終盤にヒントは提示。
すなわち{netabare}綾小路とその父(“ホワイトルーム”主宰)、学園理事長・坂柳の三者面談。
この高校の入学可否は基本的に推薦で決まり、入試試験が全くのお飾りだったというのは想像以上でした。{/netabare}
普通の学校では教えてくれない、大人社会の駆け引き、根回しを良しとする。
意図的に監視カメラの死角を作り、ダーティな一手を誘い出す。
元々、いけ好かない学校だなぁ~と思っていましたが、ますます不信感が募りましたw

このままだと手前勝手な運営側への疑問から作品自体への興味を失う、
競争ゲーム系シナリオで挫折する私のパターンにハマる所ですが、
『よう実』の場合は、或いはこの先、実力至上主義そのものがひっくり返る痛快もあるかもしれない?
との期待もあってか、不快感すら何故か興味に変換されて持続するんですよね……。

『よう実』と私の不思議な相性の良さの謎もまた深まるばかりですw


【作画 3.0点】
アニメーション制作・Lerche

スタミナ不足。

ヤマ場ではソースを集めて盛り上げる。
クライマックスの{netabare}綾小路VS龍園一味のバトル{/netabare}映像はキレキレ。
相変わらずデレる女の子の表情描写は可愛いし、巨乳ばかりで発育が良すぎるし、
各キャラの二面性描写は怖いw
が、それ以外では息切れが目立つ。
最終話、{netabare}腑抜けて受け身も取れない龍園がフワーっと倒れ込む{/netabare}シーン。
作画も彼も燃え尽きた?って感じで失礼ながら笑ってしまいましたw


【キャラ 3.5点】
D組の“黒幕”を策を弄して嗅ぎ回るC組の“独裁者”龍園。
D組の裏切り者・{netabare}櫛田{/netabare}も駆使しながらキービジュアルでも綾小路と対峙。

龍園の暴力崇拝の異常性が{netabare}軽井沢拷問{/netabare}という不快感を伴いながら明らかになって尚、
龍園は嫌いにはなれないキャラです。
学園システムの穴を付いてゲームとして茶化してやろうという視点に共感を覚えるからかもしれません。

原作未読組の私にとっては堀北→ヒロイン交代?との風評の答え合わせともなった軽井沢恵。
全てを道具として利用する綾小路の前ではヒロイン枠に収まること自体が危険。
私は堀北さんにはヒーローとして頑張って欲しいので、
今は脇に追いやられた感のあるこのポジションのままでいいですw

その他、綾小路とグループを形成する佐藤さんらクラスメイトの面々が、
綾小路はまだまだ皆と青春する段階ではない事を浮き彫りにする。


一方で、綾小路周辺から遠ざかるにつれ、これ誰だっけ?キャラも多発。
軽井沢とぶつかった因縁があるというC組・諸藤リカもこんな娘いたのねといった感じ。
で、{netabare}軽井沢往復ビンタして、{/netabare}にわかに笑い出して、あらヤダこの娘、怖いw


【声優 4.0点】
主人公・綾小路清隆役の千葉 翔也さん。
{netabare}軽井沢に「股を開け」
堀北に「いつまで役立たずでいるつもりだ?」
龍園にマウントからボコ殴りにして「こんなつまらない作業で、心は動かない。感情がのぞくはずがない」{/netabare}
声色を変えずにゲス発言を重ねる辺りはもはや怪演。

櫛田桔梗役の久保 ユリカさん。
この役やり始めてから、二面性キャラの仕事が多くなったとのことですがw
2期では裏の顔より、微笑みをたたえた表の顔の演技の方が怖かったです。
{netabare}承認欲求モンスター{/netabare}というキャラの核心も納得なヤバい外面でした。

総じて1期から5年経て経験を積んだキャストがさらにキャラクターを物にしている好印象。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はZAQが「Dance In The Game」で続投。
激しいアコースティックギターのメロディに乗せ、天才↔馬鹿、嘘↔真実などの対義語をぶつけ合う情熱的な一曲。
パンチ力のある歌詞はOPアニメでテロップとしても乱打されインパクトを残す。

ED主題歌は声優・渕上 舞さんの「人芝居」
平坦なボーカルで猿芝居だの、狸寝入りだの、
礫(ぐー)、蟹(ちょき)、葉(ぱー)だの、
掴みどころのない歌詞で煙に巻く珍品。
極端な外面を演じるキャラが多数生息する、動物園の如きこの学園の校風とも混ざり合い、独特の苦味を醸し出す。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

69.7 6 イジメアニメランキング6位
事情を知らない転校生がグイグイくる。(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (158)
468人が棚に入れました
Twitterで話題となり、月刊「ガンガンJOKER」で連載開始。これまでの累計PV数は2億以上。 転校生の高田くんは知らない。 クラスメイトの西村さんが、何故かクラスの皆から「死神」と呼ばれていることを。 「死神」だなんて……なんてかっこいいあだななんだ! からかわれてる女の子。クスクス笑うクラスメイト。 転校生の高田くんは、そんなクラスの事情は知らない。 無知で、素直は、最強だ。 だからまっすぐ、彼女に届く。 そんな小学校の教室から始まる物語は、誰もがあの頃を思い出し、心にまっすぐ届いてくる。
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ともだち(最終話見ました)

[見終わって・・]※各話の感想は下にあります。
基本的にはコメディアニメなんでしょうね。
イジメられてる女の子に転校生がイジメのあだ名をかっこいいと思ってグイグイくるところをいじめっ子とのやりとりも交えながら面白く描いてて、確かにマジメにイジメ問題を描くと重くなりがちで、こういうアプローチもアリだとは思うけど、毎回あんな感じのやりとりが続くとちょっとくどく感じちゃいます。
4話がいい転機で、{netabare}高田くんが自分が言ってた言葉の意味に気づいてしまうんだけど、{/netabare}ここからもう少し関係が変わっても良かったのかなって思いました。
最終話の感想にも色々と書いたので、良かったら下の感想も見ていただけたら嬉しいです。
とはいえ、日野くんや安達さんや笠原さんなど、周りのキャラたちも魅力的で最後まで面白く見ることができました♪

[初回感想]
小学5年の西村茜(にしむらあかね)は「死神」となぜかみんなから呼ばれている。
転校生の高田太陽(たかだたいよう)はかっこいいあだ名だと思って西村さんと仲良くなりたいとグイグイくるお話。
原作はガンガンJOKER連載中みたいですが未読です。

自分の置かれた環境にどこか諦めた感じでいつも独りでいた西村さん。
そこに明るくて天然でとても元気な高田くんが現れて西村さんの生活が一変しちゃいます。

これ、普通に小学生でも見れる内容だと思うし日曜朝とかにやったらいいのになって。

高田くんのグイグイぶりが半端ないし、西村さんに臆面なくかわいいとか素敵だよとか仲良くなりたいとか普通に手をつないだり・・高田くんの天然ジゴロっぷりがすごいです。。
高田くんには「無邪気な暴君」という二つ名を与えたいw
でも高田くんも思春期に入ったら過去の言動思い出して恥ずかしさに身もだえしちゃうのかな。。

高田くんの親友の日野くんがさっぱりした男の子って感じで西村さんとも普通に接してるしいい子ですね♡
こういう子は普通にモテると思う。
あと北川くんの西村さんへのイジリの執着ぶり見てて、実はこの子西村さんが気になるのかなとかw

3話までは、いい話なんだけど高田くんのグイグイぶりがちょっとくどいかなぁと思いながら見てたんですけど、4話が良かったので、感想ちょっと書きたくなりました☀

以下、各話の印象に残ったシーンです。

1話「死神と転校生」
{netabare}ずっと感情を胸にしまい込んで淡々と過ごしてきた西村さんが、西村だって人間じゃないかと言われて思わず感情が表に出て泣いてしまったシーン。
学校で笑ったのも久しぶりだったんじゃないかな。{/netabare}

2話「給食当番と心霊写真とラブレター」
{netabare}西村さん「高田くんは無敵だもん。。」私もそう思うw
高田くん、西村さんと2時間も長電話もすごいけど、ずっとあんな感じで天然ジゴロな会話してたのかなw西村さんの心臓が破裂してないか心配ですw{/netabare}

3話「夏休みがはじまる」
{netabare}夏休みの予定が全然埋まらない西村さんに予定を一緒に合わせようと声をかける高田くん。
プールに行く水着を買いに行ったり、日野くんたちとラムネ一緒に飲んだり・・
普通に夏休みを楽しんでる西村さんにニマニマ。。{/netabare}

4話「おばあちゃんち」
{netabare}セミの鳴き声、涼しげな山の空気、冷やした大きなスイカ、畑でとれたトウモロコシを食べたり・・
いいなぁこの空気感。夏休みのおばあちゃんちって感じ。。
ヒグラシが鳴く中の夕暮れの雰囲気も好き。
西村さんのお母さんが亡くなったことを知って「死神」と呼んでたことを後悔して泣いてしまう高田くん。
蛍が舞う夜の中、二人で手をつないで帰るシーンが絵本の1シーンみたいで素敵でした。{/netabare}

5話「死神って呼んで」
{netabare}西村さんにとって死神って呼ぶ呼ばないってよりも以前みたいに高田くんと楽しく一緒にいたいから、だからいつもと同じように笑顔で死神って呼んでほしいんだよね。
遊ぶ約束すっぽかされたのに何事もなくお祭りに二人を誘う日野くん男前だわ。。
指輪を左手の薬指にはめたり、僕のとなりで笑ってほしいと言ったり、高田くんの天然っぷりは異世界おじさんも負けちゃうかも(-ω-){/netabare}

6話「席替えとクラス委員と新しいともだち」
{netabare}日野くんを好きな安達さんがあるきっかけに西村さんと友達になる話でした。
高田くんの西村さん専属ホストぶりも面白いけど、そろそろ違う展開もあるといいなぁと思ってたので、こういう展開は話が広がっていいですね。
なにより、西村さんに同性の友達ができたことが私も見てて西村さんと一緒に嬉しくなりました♡
もひとつ。笠原さんと西村さんが色々あってクラス委員になったのをきっかけに、二人がこれからどんな感じになっていくかも気になります。{/netabare}

7話「遠足と味玉の魔法」
{netabare}遠足からちょっと脱線して二人で買い食いする話、良かったです♡
友達がいなかった西村さんに仲のいい友達が出来て、一緒に写真をとったり、お父さんの味玉を交換したりしてる姿を見てるとじんわりきますね。
西村さんの、たぶんもう大丈夫だよって言葉とすごく楽しそうな笑顔が印象に残りました。{/netabare}

8話「浴衣とジャングルジムとギプス」
{netabare}遊具に登って二人で夕焼けの街を眺めながらプロポーズしてる高田くんw
もう結婚しなよって思いながら見てましたw
なによりかっこいいのは、自分が犠牲になって落ちた西村さんをかばって助けたことですね♡
高田くんのお母さんも息子に似てさっぱりしてて西村さんとも仲良くやれそう。{/netabare}

9話「走れ!叫べ!運動会」
{netabare}クラスの人たちから死神って呼ばれてイジメられてた西村さん。
高田くんたちのおかげで学校が楽しくなってきたのがきっかけではあるけど、クラスのために何かしたいって思って頑張れるってすごい。
イジメられてたのに、そんな風に考えて悪口言われてた笠原さんにお願いするとか高田くんじゃないけど西村さんマジ天使かも。。
今回のことで笠原さんも西村さんのイメージが変わったみたいで、今後の展開が楽しみです。{/netabare}

10話「初めてのおもてなし」
{netabare}北川くんたちにからかわれる→高田くんが来て天然パワーで撃退
これ毎回あるんだけど、そろそろ無くても大丈夫かな。
もっと安達さんや笠原さんとのやりとりみたいのを増やしてくれると嬉しいです。
初めて友達を家に招待した西村さんのとても嬉しい気持ちが伝わってきてほっこり☀
風邪を引いてお見舞いに来てくれたのを夢と思いこんじゃったのも、元々夢みたいって思ってたから余計そう思っちゃったのかな。{/netabare}

11話「風神同盟と呪いの歌とクリスマス」
{netabare}西村さんと笠原さんのやりとり、なんかいいな。
この作品で好きなキャラ1位は日野くんだけど、笠原さんも好きです。根はいい子だし。
クリスマス。恋人たちのキスを見てしまいドキドキする二人。
いつもとちょっと違う感じで西村さんを意識しちゃう高田くんだけど・・
次回のタイトルが気になりますw{/netabare}

12話「クリスマスパーティーの告白」
{netabare}パーティーに笠原さんも参加しててなんだか嬉しい。
シャンメリーぐいぐい飲んで赤くなる笠原さんwいいキャラしてる。
あんな真剣な目で「キスしていいのかな」って迫られたら。。天然なだけに困っちゃうよね。
高田くんのいつものような言葉になんとなく意味を探してしまう西村さん。
次回で最終話だけど、どんな形で物語が終わるのかちょっと気になります。{/netabare}

13話「10年後も、今日も」
{netabare}今回もいつもと変わらない高田くんだったけど、好意だとしても死神とか呪いとか天然に言える時間はもうあまりないと思うし、もう少し大きくなった時、高田くんは過去の自分にどう向き合うんだろう、って最終話見ながらそんなことを考えてしまいました。
最終話のタイトルがこれなら、「死神でもない呪いパワーもなくても僕は西村さんが大好きだよ、きっと10年後もね」くらいのことを言って欲しかったかな。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 29

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

鋼メンタルと受け流し

いじめシーン以外は可愛くてとても良かった
ラブコメのネタにするにしてはいじめが悪質すぎて不快感のほうが大きかった
茜ちゃんと高田君はいいキャラですごく好き

茜ちゃんが鋼メンタルで耐えて高田君がずれた反応で受け流すのは爽快だけど
浴びせられる数々の酷い仕打ちはなかったことにはならなくて
茜ちゃんが鋼のメンタルしてるからハートフルになってるだけで、髙田君の発言はいじめられてる子から見たら煽っているようにも見えます
死神かっけー!!って言われて喜ぶ女子は茜ちゃんと六花だけです

髙田君が自分の発言を反省するのは良かったけど、茜ちゃんの受け取り方が違っていたらたいへんなことになっていたかも
それと女子への男子の集団いじめは放置したら性的ないじめになりますよ、私が中学の時に実際に起きたことです
茜ちゃんが救われて本当に良かった

小学生のいじめはストレートな悪意が残酷ですよね
ほとんどクラス全員からいじめられているのに先生は何をしているの?

EDのココロネはいい曲ですね

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

西村さんが幸せそうならそれでいいけど、私の心にはチクリとした痛みが・・・。

レビュータイトルのとおり・・・。

アニメ作品でそこまで真に受ける必要もないかもなんだろうけど、最後まで「これ、高田君が来なかったら・・・西村さんはどうなっていたのか・・・」との思いが消えなかった。

私は・・・後悔と反省と謝罪の思い込めて言うならば、ガキの頃は北川君タイプ・・・。
昭和なガキは「強い=カッコいい」と勘違いし、イキって乱暴ぶったり、暴言を吐いたり、要は「バカ!!」だった。

今となっては、なんともしようもなく、お恥ずかしい限りで、不快な思いをした皆さんには、ホント謝罪行脚をしたいくらいです。


ってな記憶もあり、西村さんを「死神」呼ばわりをしているキャラを見ると本当に「バカな自分」を見るようで心が痛みました。


さて、恥をさらしたところで、作品のレビューを、と思いましたが、結局は西村さんが幸せそうな方向へ進んだのががせめてもの救い。

高田君は非常に前向きで、誉め上手、プラス思考、Iメッセージをズバット言い切ることができる、相手を承認し、エンカレッジできる素晴らしい才能と性格を持ったキャラだとは思いますが、傍観者(私)としては最後まで西村さん=死神というフォーマットを外さずにいたことが、個人的にはもやもやしました。
ただ、これは西村さんがそれでいいと思っているなら、それまでです。

意外と日野君がいいキャラでしたね。
周囲でも、西村さんと高田君を「夫婦じゃん」と見抜く安達さんや、西村さんのライバル的な笠原さんなどが登場し、もう少し賑やかな方向へ展開もできそうでしたが、物語自体は、割と抑えた状態で終わってしまいました。

今後、もう少し(色恋面で)カラフルになった西村さんや高田君、日野君や安達さん、笠原さんも観てみたいと思ったりもしましたが、これはちょっと野暮でしょうかね。


少し、考えさせられるシーンもいくつかあったりした作品でした。

OPはそうですね、作品の陽の部分を表現していたように思います。
EDは画像についてですが、西村さん苦悩を表現していたような・・・。
私はそういった見方をしてしまったもので、本当に西村さんの悩みや迷い、「どうしたら、この状況から抜け出せるのか、抜け出すルートはどこなのか」を探し回っているように感じてちょっと辛かったですね。
救いの手を差し伸べ、それを手に取ることができて・・・。







「いじめダメ、絶対!!」
「いじめ」なんて言うごまかした表現はやめた方がいい、侮辱罪であり、傷害罪、暴行罪であり、人権の侵害だという事を理解させた方がいい。
我が身の反省を込めて、言わせていただく。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

56.0 7 イジメアニメランキング7位
クリオネの灯り(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (96)
334人が棚に入れました
ずっとイジメられっ子のレッテルを貼られていた実(ミノリ)。

そんな彼女の笑顔を見たいと願う方(タカシ)と杏子(キョウコ)は、ある雨の日の午後、思い切って声をかける。

けれど結局、本当の笑顔は見られないまま、彼女は体調を崩し学校に来なくなってしまう。

それから二ヶ月・・・方と杏子の元へ一通の不思議なメールが届いた。

送り主の名前もなく返信すら出来ないそのメールは、隣町の夏祭りを知らせるものだった――

声優・キャラクター
松村沙友理、大平峻也、原奈津子、佐々木李子、飯田里穂、鈴木愛奈、影山灯、藤田勇紀、大橋岬、月野もあ、葵井歌菜

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

イジメを題材とした、あまりアニメっぽくない雰囲気のショートアニメ

イジメを題材とした10分枠ショートアニメ。全12話。
序盤から特に面白い内容でもなかったのですが、予備知識ゼロで観始めたので、この作品はいったいどういう系統の作品なのだろう?(鬱系なのか、それとも感動系なのか)という疑問というか興味は少し湧いて、ずるずると最後まで観てしまいました。で、観終わった結果どうだったかというと、いちおう感動系だったのだろうけど、特に心は動かされず、といったところ。(でもまあ悪い話でもなかったとは思います)
声は、本職の声優ではない人が主要キャラを演じていて、決して上手ではないです。ただ、個人的にはなんとなく中学生が朗読してるみたいな素朴さを感じたりして、それほど嫌いではなかったです。
全体的に、あまりアニメっぽくない雰囲気でした。特にお勧めするようなポイントは思い浮かびませんが、短い作品ですし、題材に興味があるならば観てみてもいいんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

全部見た!俺頑張ったよ!

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:なんかグッとダークな感じだな。。。ショートアニメ
期待度:★★★

これもショートじゃなかったら絶対切ってる。

泣かせようとして笑いを取る高等テクニック。
全てがペラッペラで滑稽。

その上声が棒。

なんじゃこりゃ。。。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12
ネタバレ

まりす さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

(部分考察)タカシとキョウコは…

近い将来死亡するのではないでしょうか?
{netabare}
11話のミノリちゃんの回想(独白?)シーン。
夏祭りや灯台のシーンは色付きで描写されていたものが
突然白黒に変わります。

そのシーン。
ミノリは「自分が呼ばれたような気がして」振り返ってみると、
そこにはフグのぬいぐるみを手にした少女と、
大人になったタカシ、キョウコがいました。

この少女は誰なんでしょうか。何故ミノリは呼ばれたような気がした?
普通に捉えると、少女はタカシとキョウコの子です。
大人になった二人が結婚し、子供に「ミノリ」と名付けたのかもしれません。

しかし、単純に未来の姿を描くだけなら白黒にする必要があるんだろうか。
更に言うと、物語のあの流れで「タカシとキョウコが結婚する」
ことを暗示するシーンを差し挟む必要があったのか。
違和感があります。


そこで気になるのが、ミノリの両親が既に亡くなっているという点です。
セリフで少女とミノリの関係性が示唆されているということは、
二人が近い将来死ぬことを暗示しているのではないでしょうか。
白黒は葬式の配色です。

※12話でタカシは、「あるはずのない未来、ミノリちゃんを見た気がする」
 とも言っています。 ここでミノリと未来が結び付きます。

もしこの解釈が合ってるなら誰一人救われない胸糞アニメになってしまいます。
合ってようが いまいがどちらでも良いですが、
私は前者のほうがしっくりきます。

何故なら、本作はいじめを物語の中心に据えながらも話の方向性が
四方八方に行っていて 作者が何を伝えたいのかまるでわからないからです。

いじめっ子達もいじめを止められなかった子も。
皆最終話で心に闇を抱えました。
彼らに救いはなく、教訓じみた話もオカルト的な話でボカされました。
「それと気付かせず 全員を不幸にする」創作としての挑戦が込められて
いると想像したほうが面白いかなと思うのです。
{/netabare}
妄想か推理かわかりませんが… お目汚し失礼致しました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

88.3 8 イジメアニメランキング8位
ココロコネクト(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (4672)
22221人が棚に入れました
私立山星高校文化研究部内で次々と起こる実際ではあり得ない不思議な現象、<ふうせんかずら>による謎の企み、それにより主人公八重樫太一をはじめ永瀬、稲葉、桐山、青木の友情が成長していく。

声優・キャラクター
水島大宙、沢城みゆき、豊崎愛生、金元寿子、寺島拓篤、伊藤静、藤原啓治、大亀あすか、佐倉綾音、田中敦子、小野友樹、石原夏織、上坂すみれ、内田真礼、戸松遥
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

<17話まで視聴完了> ミチランダムに見たむき出しの感情

<14話~17話 ミチランダム>

心の声というものは、他人には聞こえない。
表情でなんとなく本音がわかる場合もあるけれど
大抵は皆、表には出さない部分があるもので。
それは嘘というものばかりじゃなく、思いやりからだったり
気遣いから来るものなわけだけれど、度が過ぎるとキャラを
演じてるようになってしまう人も出てきたりする。

見せたい自分、相手に求められてる自分を演じきる。
それは時に必要な場面もあるけれど、実際疲れる。
理想と現実、表の自分と裏の自分の距離があればあるほど苦しむ。
もっと、自分の思うままに行動できて、ものが言えたら・・
「ミチランダム」の今回の4話はなかなか濃くて良かったと思う。
登場人物それぞれの心理描写、心の変化、本音むき出しの激しい感情が
ものすごく伝わってきて、リアルだった。

人の本質なんて、本当は自分でさえ気づけてない部分が
あったりするのだよね。
あけすけに何でも言っていいわけじゃないし、時には気遣いも必要。
それでも、できるだけ本音で何でも話し合える友達がいたら
それはとても幸せなことだと思うし、そういう相手は大切にしたい。

伊織中心の今回の話だったが、デレ稲葉も相変わらず可愛かったし
太一の小悪魔風味な妹なんかも面白かった。

ところで・・この作品、まだ続くの?
最終回なのか、なんなのか・・・
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<13話の感想>

14話からはミチランダムが配信という形で始まるようだが
TV版の最終回は観終えたので、一旦区切ろうと思う。
っていうかさ、なんでこのカコランダムを最後に持ってきたかな。
これ、順序変えたほうがもっと爽やかに感動して終われたんじゃないかなぁ?
例えば、カコランダムは「ヒトランダム」のあとに持ってきて
{netabare}
「キズランダム」の稲葉の告白で終わらせたほうが最終回らしく
また、次の「ミチランダム」に繋げやすかったんじゃないの?
まぁでも、伊織の家庭の問題解決が5人の絆を深めることにもなるし
フウセンカズラとの兼ね合いもあるから仕方ないのだろうけれどね。
{/netabare}
でも今回のカコランダムの後にどうせまたミチランダムがくるなら
って、正直思ってしまった。

それだけ、出だしが良くて期待していたからね。
毎回、いろいろ感じさせてくれるストーリーだったし、
彼らのフレッシュな魅力と、さまざまな経験を経て培われていく友情が
観ていてとても好感持てたので。

今回、すごく共感できたのは「どんな過去であっても否定しない」ってこと。
いろいろな過去が人それぞれあって、時には辛かったとしても
それらがあって今現在の自分があるわけで。
過去を否定してしまったら、自分を否定してしまうし
過去をないものにしてしまったら、自分を消去してしまうことになる。
もし、やり直しができる能力をもらったとしても、それでは
せっかくの経験と学習が泡になってしまう。
{netabare}
だから今のままでいい、って決心した伊織は清々しかった。
{/netabare}

そこには、仲間達との強い絆で結ばれた自信が伺えた。

喜び、哀しみ、愛しさ、せつなさ・・それらを経験して
時には激しく衝突し、時にはやさしく労わりながら
お互いを理解しあってきた彼らは、1人1人がすごく成長できたと思う。

辛い部分もあるけれど、100%目をそむけて逃げるのじゃなく
立ち向かうことも必要で、だけどそこで大事なのは・・・
一人だけで何でも背負って解決しようとしないこと。
仲間を頼りにしたっていいのだ、困った時は甘えたっていいのだ。
そんなことを考えながら観て、自分にも言い聞かせていた最終回だった。
-------------------------------------
<12話の感想>

今回は青木と唯がメインのお話。
時間退行している間の過去をリアルに見ることで
部員たちそれぞれが理解を深めていくとともに
本人もまた、内面的に成長があるようで。
過去にさかのぼって、その時の自分に会えたら忠告したいと
思うことが時々あるけれど、なんとなくそれに近い感覚。

誰にでもターニングポイントとなった時期が過去にいくつも
あって、でもそれを乗り越えることで強くなったり
今の自分に自信を持てるようになるのだよね。
今回のカコランダムはそれをみんなで共有して
記憶していくことに意義があるのだろうな。

さて太一は次週どうなるか?最終回だったかな?
見逃せません。
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<11話の感想>

今回からは時間退行が始まってしまったようで。
太一以外のメンバーはそれぞれ11歳の頃だったり6歳の頃だったりと
さまざまな何らかの意味がある時期に一定の時間帯だけ退行する。
彼らはその頃の想いや出来事を思い出し、高校生の今とは違う何かに
気づいていっている様子。
しかし太一だけは「ナイト」としての役目があるということで
時間退行体験はない模様。さてこの「ナイト」とは?
当然、彼の今までを見ればわかるけれど、自己犠牲的な性格を
最大限に利用することで、また利用せざるを得ない中で
太一自身にとっても何らかの気づきになるのかも。
それにしても、幼くなった稲葉や伊織たちが可愛かったーw
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<10話の感想>

観ていた日の個人的な気​分と稲葉が重なってしまって、
彼女と同じくらい泣いてしまった。
タイミングよく伊織に欲望開放が起きたからというのもあるけれど、
稲葉に叫ぶようにして言い放った言葉の数々は、自分の心にも突き刺さって。
だけどそれは不愉快じゃなく、むしろすごく嬉しい言葉で。

人には長所も短所もある、大好きな部分もあれば嫌いな部分もある。
でも、ひとまず全部通してその人を受け止め、受け入れる。
それは「ほんとうの友達」として認めるということ。
たとえ恋敵になったとしたって正々堂々と取り合う。
どちらが勝とうが、そんなことで自分達の友情は壊れない。
そう言い切ってくれる鮮やかで熱い友情は、見ていて心地良いし
とても共感できる。

言いたいことを友達に言う以上に、
相手が言いたいことをこの胸に受け止めることのほうが
ずっと深く友情を感じるものなのだなと、あらためて感動した。
幼い子どものように泣きじゃくったり、嬉しそうに笑ったり
そんな稲葉の表情豊かな部分が初めて観れたのも良かった。

伊織もすごくいい子だけれど、さて・・今後の展開はどうなるのかな?
すごく気になる~
---------------------------------------
<9話の感想>

そっかーイナバーンの大事な話は次週に持ち越しかー
まぁ観ているこちらは、もう薄々気づいているのだけど。
彼女の葛藤、視線が痛いほどよくわかる。
次週が今からとても楽しみ。

人は誰もみな、望んでいなくとも傷つけあってしまうことが多くて。
そこで亀裂が深く入ったままなら、友情もそこまで。
でも、傷つけられたり傷つけてしまった経験は、人を学習させ成長させる。
それまでどんなに長いこと閉じこもっていたとしても、
ひとりだけではどうにもならない問題もあるからね・・

この作品は、高校生達のフレッシュな日々と暗鬱とした想いとの
ギャップをリアルに見せながら、心開くとはどういうことか、
真の友情とはなんなのかを伝えているような気がしている。
-----------------------------------
<8話の感想>

人は誰しも、誰かを傷つけてしまうもの・・なのかも。
傷つけあうことを恐れていては前に進めない。
傷つけられた時以上に、相手を傷つけてしまった時のほうが
ほんとうは絶望感って大きかったりするよね。
そんなことを想いながらの今回のお話。
まずは視野を広げようじゃないかと。
一番大切なものは何か、自分はどうしたいのか?
目先のことに惑わされずに、見極めることが肝心。
{netabare}
一旦、5人はバラバラになってしまったかに見えるけれど
それは今後の結束を高めるための第一歩になるんじゃないかな?
{/netabare}

今回は特に学級委員がいい仕事してた(笑)
--------------------------------------
<7話の感想>

相変わらずテーマがブレることなく、深い。
精神医学的な分野からじっくり考察してみたくなるけれど
それは最終回が終了して、私に余裕があったらにしようと思う。
今回は欲望開放というより、衝動開放って感じだったかな。
抑えきれない衝動を吐き出す、普段は理性で抑えることが
できている言葉を、言い換えることなく素のままぶつけてしまう。

{netabare}
結果的に本人は、心が開放されるからスッと落ち着けるものの、
一度口に出した言葉は新たな傷を生み出すし、記憶はそう簡単に
消えてくれはしないから。
でも、彼らにとって唯一の救いは、これが「ふうせんかずら」の仕業である
ってことがわかりあえていること。
責任の所在がハッキリしているから、彼らは結束していられる。
でも、そろそろ大きなシャッフルが出てきてもいい頃かもね、物語的には。
{/netabare}
------------------------------------------
<6話の感想>

おぉ・・やっぱり再び登場したか、ふうせんかずら。
今度の現象もなかなか厄介ながら深いところを突いてくるよね。
人の心には必ずといっていいほど、何らかの傷や劣等感があるわけで。
表面では取り繕っているものの、一人になった時
それらはある日突然芽を出し始める。
特に表と内側の差が激しい稲葉や永瀬は危なそう。
ますます次回が見逃せなくなってきたわ。
--------------------------------------
<5話の感想>

今回は、いろんな意味でとにかく必見。
後半、うるうるきてしまったけれど、ふうせんかずら・・
アンタ何者なんだ!?
{netabare}
どうやら1話から続いていた人格入れ替わり現象はこれで一段落?
{/netabare}
でも、まだまだ別の現象が起きて、彼らの心をかき乱したりするのかな。
けど、悪いことばかりじゃなく、何かしらそういった体験で
得るものがあるってことに気づいていく彼らなのかもね。
-----------------------------------------
<1話~4話までの感想>

横浜を舞台に、私立高校文化研究部の部員5人に次々と起こる不思議な現象。
例えば、AさんとBさんの人格が入れ替わって大騒ぎしているとすぐ戻ったり。
今度はCさんとBさんDさん、3人の人格が入れ替わったり。
外見だけは変わらないまま中身が変わるというと、だいぶ昔に
大林監督が撮った小林聡美、尾美としのり主演の映画『同級生』を
思い出さずにいられなかった。

まだ思春期を卒業していない年頃の男女が入れ替わってしまうって
もうそれだけでセンセーショナルなわけで。
まずは膨らんだ胸を触ってみたり、トイレに駆け込もうと、
女子生徒の姿のまま男子トイレに蟹股で飛び込んでみたりと
描写もなかなかリアル。

そしてどうやら、この物語の見どころは、
1人1人中身を入れ替わってみることで、相手の家庭の事情を知ったり、
トラウマに気づかされたり、今まで表面には見せずにいたそれぞれの
悩みが暴露されていくことにより、それらを部員たちが知って
以前よりいっそう理解を深め合おうとする姿なのかもしれない。

テーマとしてはサイコサスペンスっぽくも演出できる内容だけれど、
OP曲からして朗らかに明るいのも、深く考えれば考えるほど
どっちなんだろう?と気になってくるし、まだもう少し観ないと先が読めない。
そして当然、それが楽しみでもある。

とにかく、5人の人物背景がとても興味深い。

【八重樫太一】
{netabare}
プロレス好きの理由は「受け身の美学」と言う主人公=八重樫太一。
天然で、正直で、生真面目で、困っている人や苦しんでいる人を
助けずにいられない性格で、しかも代わりに自分がその痛みを
背負おえばいいと思ってしまうような面がある。
観ていてこの太一が自分と性格が被る部分があるので
女の子から「自己犠牲野郎」などと呼ばれるとズキンっときてしまう(苦笑)
彼の今後の課題は、「自分」の本音をさらけ出すことかもしれない。
{/netabare}


【永瀬伊織】
{netabare}
なんと母親が次々に夫を代えるものだから、父親になった人が何人もいるという。
さまざまな父親という他人と接する間に、相手に求められているものを即座に
察知する能力が備わり、演技してしまう癖が抜けずにいる。
そのため「自分」がなくなってしまっていることが悩みの種。
学校でもハイテンションな振る舞いをしているが、自宅で1人の時の彼女を
観た感じ、太一ととても似たもの同士な雰囲気がある。
{/netabare}


【稲葉姫子】
{netabare}
歯に衣着せぬ物言いで、ズバズバなのは観てて楽しいけれど、
こういう人間こそ、本当は深い闇があったりするもので。
メンバーの中で一番クールで大人びた印象。言葉遣いは男っぽく、
やや乱暴な感じもするが、感受性は人一倍強いように感じる。
そう思っていたら案の定、4話で「人間不信」が発覚した。
それでも、彼女みたいな人は周囲の人間との交流次第で大きく化けるはず。
付き合い方は難しいが、じっくり腰をすえて縺れた糸をほぐしていきつつ、
ある程度の距離感は必要なんだろうな。。と思う。
{/netabare}


【桐山 唯】
{netabare}
メンバーの女子の中では、一番女子力が強そうでいて、実は男性恐怖症。
空手を習っていたりもしたが、やめた原因も男性恐怖症になった原因も
同じところにあるというが、太一のおかげで徐々に立ち直りつつある感じ。
{/netabare}


【青木義文】
{netabare}
今で言う少しチャらい感じの印象を持つ男子だが、実際は心優しい人であり。
こういう男子ってけっこう純粋で繊細で、一途だったりするのだよね。
ただ、表現方法的に不器用なだけ(笑)
一昔前だと体育会系もこんな感じだよね。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 129
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

これからの人生にヒントをくれるテーマ

原作未読。

文化研究部の5人の元に、「ふうせんかずら」と名乗る人物が現れる。
ふうせんかずらの力で、5人の感情を混乱させる不可解な現象が発生。

・人格入れ替わり
・欲望解放
・時間退行
・感情伝導

どうやってそれに対処していくかが描かれる。


人間の心理を扱った珍しい作品。
かなり挑戦的な内容で、人間の心に詳しくないと描けません。
もちろん、細かく見れば穴はたくさんあったと思います。
しかし、ざっくりと表現されつつも、メッセージは十分に伝わってきました。


テーマは読んで字のごとく、「心」と「つながり」。

・本来持っている自分を知る
・感情の変化へ対処する
・時と場所で性格を使い分ける
・自分が本当に望んでいることを見つける

どれも成長していくうえで大事な要素です。
そのあたりのポイントをしっかり押さえています。


このアニメには、ユニークな5人のキャラが登場します。
私にはそれぞれが「人が持っている性格の一部分」に感じられました。
「性格」というのはどの部分が強く出ているかの違いでしかないのかもしれません。


「その場をうまくやりすごすために、自分を演じる」というセリフがあります。
いわゆる仮面です。

こうやって仮面を被って生きていくことは、社会生活を営むうえで必要不可欠です。
その切り替えが多く発生するほど、本来の自分を見失ってしまいます。
本当の自分を見つけるというのは並大抵のことはありません。
探すだけでも相当なエネルギーを消費します。
{netabare}
ただでさえ仮面をかぶり続けてきた永瀬伊織。
14~17話で、永瀬伊織はエネルギーを完全に使い果たしました。
それを支えてくれたのが周りの仲間たち。
{/netabare}
ですから、自分を客観視してくれる人を見つけるのが理想的です。
そうすれば、自分を見失ってしまったときに助けになります。

まあ、実際には人間の心は簡単に変化しません。
周りの力を借りながら、ゆっくりと変化していくものです。

……ですが、そんな悠長に描いていたら一生かかります。
コンパクトにせざるを得ないのは仕方がないところです。

そこでふうせんかずらの出番というわけです。

ふうせんかずらの学名は「Cardiospermum halicacabum」です。
ギリシャ語の「cardia(心臓)」と「sperma(種子)」からきています。
種がハート型をしているためです。
英語では「heart seed」とも。

ふうせんかずらは、人の心に介入して成長を強引にうながす。
そんなココロの種の役割を果たしているんですね。


17話まで見終わって私の性格をキャラで分析してみました。
{netabare}
八重樫太一:6
青木義文:3
桐山唯:3
永瀬伊織:10
稲葉姫子:2
ふうせんかずら:8

伊織の「仮面をかぶり続けてきた」「ためにためまくっていきなりぶちきれる」。
これ、少し前の私にそっくりなんです。
しかも、「今までの自分があるからこそ、今の自分、そして今の仲間がいる」「過去に戻ってやりなおせるとしても、戻るつもりはない」という信念まで一緒です。
ミチランダムでは、伊織に感情移入しっぱなしでした。
人間観察や感情のコントロールが好きなところは、ふうせんかずらに似ています。
自己犠牲野郎な部分は、太一に似ていますね。
{/netabare}
こんな私ですが、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

投稿 : 2024/04/13
♥ : 118
ネタバレ

逢駆 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

~異路同帰~

平穏が崩れたその時、五人の関係は形を変える―――――


八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文の5人に起こる不思議な現象の数々。
異常現象によって文研部メンバーが抱える様々なトラウマや苦悩が浮き彫りになっていく…。
文研部5人の心の傷を、ときにコミカルに、ときにシリアスに描いた『愛と青春の五角形コメディ』

この作品で最も感心し驚かされたのが、主要キャラ5人を演じる声優陣の力です。
なぜならヒトランダムでは自分が演じるべきキャラクターはもちろんのこと、
他に4人分の役柄を演じ分けなければなりません。
それは人物ごとの話し方の癖であったり語尾のニュアンスであったり…。
視聴者に誰と誰が入れ替わったかを認識させることはとても難しいことです。
と同時に本作のような入れ替わりものが成功する大きなファクターでもあると思います。
そこを見事に表現していた職人芸には舌を巻きました。
キズランダムやカコランダムにおいても素晴らしい演技の数々に魅せられました。

◆ヒトランダム
{netabare}
『視点の転換が、悩みを解決へと導く』

文研部のメンバーが最初に体験した現象、それは「人格入れ替わり」
これによって自分の秘密を知られたり、また相手の秘密を知ってしまう危険が出てきます。
実際、唯、稲葉、伊織の3人は自らのトラウマを他人に知られてしまいました。
しかしこの現象のおかげで結果的にトラウマは解決する方向へ。
なぜなら3人とも悩みを一人で抱え込んでいたからです。
自分にとっては深刻なことのように思えても、周りからすれば案外大したことないかもしれません。
別の視点から見ることによって逆転の発想で悩みは解決できるかもしれない。
ひとりで悩まずに周りの仲間を信頼して相談することの大切さが描かれていました。
「人格入れ替わり」を体験したことによって、文研部の5人はより絆を深めていきます。
{/netabare}


◆キズランダム
{netabare}
 『相手を本当に理解したければ、傷つくことを怖れず真正面からぶつかり合え』

次に文研部メンバーを襲ったのは「欲望解放」
普段は自制している感情が抑えきれなくなるというまたやっかいな現象です。
それぞれが別の方法で文研部の関係性を維持しようとし、余計に亀裂が深まっていきます。
しかし今回は文研部という小さな枠の外にいる人達の意見によって解決への糸口が見えました。
他人の気持ちを完全に理解することなんてできない。
それでも私たちは他人の気持ちを自分の理解に当てはめようとする。
だから人は傷つき、傷つけ合ってしまう。
でもそれを恐れていては何も始まらないし何も進まない。
「ぶつかり合わないと、なかなか本当の友達にはなれないもんだしな」
キズランダムのMVPは間違いなく、藤島さんとごっさんです!
{/netabare}


◆カコランダム
{netabare}
 『昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう』

今回は、12時から17時までのあいだ太一以外の4人がランダムに年齢が退行するという「時間退行」
この現象のポイントは、退行時は記憶も当時のものとなり
さらに退行が終わっても変化していた当時の記憶が鮮明に思い出されるということ。
それは心に閉まっていたはずのトラウマや後悔が再び蘇ってくるということでもあります。
昔好きだった人と唯を重ねて見てたのではないかと悩んでいた青木でしたが、
持ち前の行動力のおかげで自分の気持ちを整理することができました。
今を変えれば過去も変わる。
失敗した自分や後悔した自分、その全ての過去の自分を肯定して今を生きる。
今ある悩みの原因は決して過去にはありません。
一歩一歩しっかりと前に進むことによって、きっと未来も変わってくると思います。
{/netabare}


◆ミチランダム
{netabare}
 『自分らしくある必要なんてない、“らしさ”は後からついてくる』

感情が口に出さなくても他の人に伝わってしまう現象、「感情伝導」
想いが伝わらなくて苦悩することが一般的には多いですが、
この現象では想いが伝わってしまうからこそ生じる苦悩が伊織を中心として描かれていました。
伊織は周りに期待される自分と本当の自分とのギャップに悩み心を閉ざしてしまいます。
周囲に望まれる自分を演じ続けることはとても辛いことです。
ありのままの自分では自信がなくて、他人の目が気になって…
でもそうしないと彼女は自分の居場所を見出すことができませんでした。
しかし本当の伊織を知ってもなお、彼女を受けとめてくれた文研部メンバー。
彼女を信じ、肯定してくれる仲間がいた。
これから伊織は少しずつ自分自身と向き合い、認めてあげる勇気を持つことだと思います。
ありのままの自分を肯定してくれる場所がある、それはとっても幸せなことですね。
{/netabare}



本作のテーマとしてどのエピソードにも共通して言えることは、
「悩みは一人で抱え込まないで、勇気を持って周りに相談することが大切だ」ということ。
その部分はしっかりと伝わってきました。しかしワンパターンな展開だったことは否めないです。
他の作品では徐々に登場人物のトラウマや葛藤が明らかになっていくのに対し、
本作はその部分が〈ふうせんかずら〉によって無理やり引っ張り出されます。
これにより物語をコンパクトに収めることができた反面、主題が全面に押し出されすぎた感じが…。
とは言いつつも、全体的には楽しく観ることができました。
〈ふうせんかずら〉という存在に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、
そこを許容できれば意外と深いテーマに考えさせられ、入り込めるのではないでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 85

88.2 9 イジメアニメランキング9位
エルフェンリート(TVアニメ動画)

2004年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2894)
13755人が棚に入れました
側頭部の対となる二本の角とベクターと呼ばれる特殊な能力を持つ女性型ミュータント、二角奇人(ディクロニウス)。彼女らは人類を淘汰する可能性を持つとされ、離島の国立生態科学研究所に国家レベルでの極秘機密として隔離、研究されている。
ある日、偶発的な事故によって、研究所に隔離されていたディクロニウスの少女ルーシーは拘束を破り、研究所からの脱走を試みる。海に飛び込む直前に頭部に銃撃を受けるものの幸い軽症で済み、彼女はそのまま海へ投げ出される。
一方、大学に通うため親戚を頼りに鎌倉にやってきた青年コウタは、いとこのユカと由比ヶ浜でルーシーに出会ってしまう。頭部に受けたショックでルーシー以外の人格に入れ替わり、「にゅうにゅう」としか喋ることの出来ない彼女をにゅうと名付け、コウタが住むことになる楓荘に居候することになる…。

声優・キャラクター
鈴木千尋、小林沙苗、能登麻美子、萩原えみこ、松岡由貴、細井治、中田譲治

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

海外最高評価も、日本では知る人ぞ知る名作扱い。

すべてが衝撃的すぎてインパクト大!!
知らない人は是非とも見て欲しいとオススメする作品!

海外ではアメリカを中心に数多くの賞を受賞している。
初開催のAmerican Anime Awards 2007では、
Best Short Seriesに5作品のノミネートを果たすほど!
また、フランスでもJAPAN EXPO AWARDS 2009のベストオリジナルアニメ賞を受賞という快挙を成し遂げた。

今、紹介したように海外では熱烈な人気を誇るこのアニメも日本では知る人ぞ知る名作。
その理由としては、主人公の圧倒的強さとグロテスクさにあると思う。
個人差はありますが、日本人は外人よりもグロさに抵抗がある人が多い。
そのため、一般大衆が好むアニメとは言い難いのは事実である。

しかしながら、アニメの質としては郡を抜いている作品だと言える!!
作品のシナリオ、作画、キャラの構成から全てにおいて素晴らしいクオリティを誇ってるのである!!

もし、この作品を知らない方がこのレビューを読んだら、是非一度観てほしい!!
作品の性質上、グロテスクな場面も含まれ個人差で合う合わないはあると思いますが…
とても感動できる、素晴らしい作品だと断言します!!

エルフェンリートは日本発祥のアニメです!
海外で評価を受けることは有り難いですが、我々日本人がもっと評価すべきなのではないでしょうか?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 110
ネタバレ

メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

一見てんこ盛り、破綻しているピースが、見事に収束していく。その先にあるのは感動だ。

俯瞰で記述しなおします。個別キャラとストーリーには触れません。

★どうしてもこの「絵」から好き嫌いがはっきり出やすいようなの難しい面もありますが)もっと評価されていい作品だと思います。わたしも絵は好みではありません。作品は絶賛ですが。

つまり、作画やキャラデザで、印象をもってしまうと、この作品のもつ深みに気づかずにおわってしまうかもしれません。それが問題だということです。

おそらくじっくり鑑賞するタイプの人向け。一級の「SFアイデアとミステリー要素」の融合が産んだ作品だとわたしは思います。

出会いです。また「萌」かよと思ったら違いました。(^0^;)

○悲しい物語です。(なぜか書くとはネタバレですね)
○いろいろな要素が盛り込まれています。ミスリードも同時に誘ってくれます。
○きちんと破綻なく物語が収束していきます。とてもそれが快感です。

さて、

放映年の関係もあって、映像・作画に関しては、たしかにちゃちな気がします。それでも評価は高くしたい。 花まるなのです。破綻しているかのストーリー展開だったのもが見事に収束していく様に、設定だけのアニメではない本作の魅力が凝縮されているのではないでしょうか。
{netabare}
「スラン」のような超能力新人類の迫害を想起(日本のアニメは50年遅れてパクっています)し、ラストの一部(原作のほう)では、「ファウンデーション」のぱくりかぁ(すべからくぱくりです)と思いつつ、実際のところ、シリアルキラー要素もありーの、記憶喪失ありーの、おさななじみありーの、ネコミミにみえなくもない「角少女」ありーのです。てんこ盛り。
{/netabare}
そのてんこ盛りで破綻しているようで、実は物語としては前半はミステリーでもあって、とてもすばらしい作品に仕上がっています。

――(という具合に、カオスに表現したいし、実際、だんだんピースがはまっていく感覚が快感です)

素直に感心しました。めずらしくコミックスの方も合わせて読みました。本来のコミックスの作画ほうもあまりうまい人とはいえない気もしましたが、それはそれ。それとアニメ化の兼ね合いというのもあるんでしょう。

アニコレ評価システムではどうしても高評価にはならないのが残念ですね。(僕は全体的評価は、4.5クラスなんだけど、アニコレだと無理)。無理にあげてみました。※

投稿 : 2024/04/13
♥ : 80

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ハマれば何度も観たくなります。

約8年前、中学生のときに、人生で初めて観た深夜アニメです。不意に見返したくなり改めて鑑賞しました。なので、この作品を観るのは二回目です。このアニメはグロテスクな場面が山ほどありますが、その一つ一つの場面がヒロインの心の痛みを表しているかの様で、なくてはならない表現だと思いました。ちょっとエッチな場面も多々ありますが、最初は抵抗がありましたが、テーマが重いため、途中から気にならなくなりました(笑)また、2回観ることによりテーマの深さが実感できたため、個人的に最低2回は観てほしい作品です。いづれ、また観たくなるんだろうな…。ハマれば何度も観たくなります。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 75

74.9 10 イジメアニメランキング10位
クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1023)
5121人が棚に入れました
サンライズ×キングレコードによる本格オリジナルTVアニメーションシリーズ。クリエイティブプロデューサーに福田己津央、監督に芦野芳晴を迎え、濃度の高いドラマを送り出す。

主人公アンジュ(CV水樹奈々)を軸に描かれる、戦う少女たちの群像劇。

高度に進化した情報技術「マナ」を手にした人類は、その魔法のごとき力で、戦争、飢餓、汚染など地球上のあらゆる問題を克服。ついに平和で何不自由ない理想郷を手に入れた。「ミスルギ皇国」の第一皇女・アンジュリーゼ。彼女もまた、何不自由なく、民から祝福を受け、冠を戴くはずだった。しかし、彼女は己が「ノーマ」であるという事実を突きつけられる。「ノーマ」――それはマナが使えないイレギュラー、反社会的な人ならざる「モノ」。全てを奪われた彼女は、僻地の離島に隔離される。そこで待ち受けていたのは、戦いしか知らないノーマの少女たちとの出会い。変形人型兵器「パラメイル」のライダーとして、次元を超えて侵攻してくる巨大攻性生物「ドラゴン」を狩る日々だった。名前を奪われ、兵士となった「アンジュ」が、戦いの果てに見るものとは。信じられるものは、何か。手にするものは、何か。一人の少女の不屈の物語がいま、始まる。

声優・キャラクター
水樹奈々、喜多村英梨、田村ゆかり、桑島法子、石原夏織、小清水亜美、小倉唯、上坂すみれ、宮野真守、堀江由衣、本田貴子、ゆかな、渕上舞、豊口めぐみ、玉川砂記子、根谷美智子、鳥海浩輔、東山奈央、伊瀬茉莉也、山寺宏一、林原めぐみ、辻あゆみ、茅原実里

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

やりきりました!スタンディングオベーションです‼︎

皆さん、闇鍋をご存知でしょうか?
或いは経験された方もいるかと思います。
この作品まさに「闇鍋」です。
何が入っているかわかりません。
取ったものは食べないといけません。
でも、完食した後の充実感…素晴らしいです。
美味しければ尚更。
ここまでお下品な作品に最後私は涙が出ました。
何の涙なのか、何の為に泣いてるのかわからない位に…

ブレる事なく最後まで貫いた製作者サイド、特に福田Pの
毎週懺悔を込めたTweetなど本当に闇鍋に対する愛を
感じました。
最初の数話で切った方も多いと思います。
もう一度我慢して最後まで見て欲しいです。
それでもダメなら私が闇鍋をご馳走します。
鹿児島に近い方なら…

世界中で蔓延っている差別、虐殺、異人種間または性別感
の偏見。
全てを打ち砕いて新しい世界を作り上げようとする1人の
ゲスで有りながら美しい姫がいます。
極限の状況で這い上がろうとする1人の強い女性がいます。

感じ方は人それぞれだけど私は世の男性を象徴してる
かのような鰤男にも同情します。
皆んながみんなそうではないと思いますけれど
あれだけ強大な力を持ちながら結局、男ってそこ?
みたいな…なんだか可愛いくも見えました。

とにかく製作者サイドの社会風刺を取り入れた遊び心
満載のストーリーを最後までやりきって頂いた心意気に
私は最終話で、本当に拍手が出ました。

この作品を最後まで見届けた自分と届けてくれたサンライズさんに…
スタンディングオベーションです(★´∀`ノノ ‘`゚チ’`゚チ

投稿 : 2024/04/13
♥ : 86

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

子供には見せられないけど面白かったです。

アニメーション制作:サンライズ
2014年10月 - 2015年3月に放映された全25話のTVアニメ。

 概要
マナと呼ばれる力の恩恵で、戦争や貧富の差を克服し平和と繁栄を手に入れた人類。
しかし、この一見美しく見える世界にも暗部が存在しています。
この世界の人間はマナを扱う能力を先天的に持って生まれてくることが当然であり、
マナを扱うことのできない者(全て女性)はノーマと呼ばれ忌み嫌われる存在であり、
人間として扱われず社会から迫害をされ、それどころか社会から隔離をされて、
いつ死んでもおかしくないような戦いの日々を強いられます。

そこでは女だけの軍隊が可変式ロボット兵器で天空を駆け抜けて、ドラゴンと戦います。

 感想
主人公は伝統あるミスルギ皇国の第一皇女アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ。
尊き血族に生まれ選民意識に凝り固まった最低な主人公アンジュが国民の見守る前で“忌むべき”ノーマだと発覚し、
母皇妃の生命も皇族としての身分も財産も権利も全て奪われて対ドラゴン用軍事基地に送られるまでの第1話。
そして、衝撃のラストシーンに絶句。これだけでも凄かったのですが、
2話、3話、4話と作品世界に漂うピンクな雰囲気とか女同士のイジメとか人が簡単に死にまくるところとか、
なかなかに見逃せない作りでした。

物語を通じて、嫉妬や裏切りなど人間の負の感情が描かれていて、
でも、愛と友情もしっかり描かれていて、
人間の喜怒哀楽の表現を好む人には嗜好がマッチするのではないか?と思いました。

本物のクズだったアンジュが様々な出会いと凄惨な戦いから成長をする。
これは、お飾りの薄っぺらい皇女だったアンジュが現実を受け入れて、
自分の足で立って戦って本物の気高さを手に入れる物語と言えるでしょう。

最初は、フライトシューティングゲームとエロゲを融合したような世界感のアニメというイメージだったのですが、
中盤でドラゴンの正体と世界の秘密が暴かれて話は二転三転、結末へと向かっていきます。
私がこのアニメで面白いと思ったのは、男性のキャラが立ってた事でしょうか?

 タスク
アンジュと出会う度にラッキースケベ発動で○○に顔を埋めては暴力で報復される青年。
アンジュを相手にするとコミカルで情けないシーンが目立つ彼ですが、
凄腕だったり決めるときは決めるかっこいい男だったりして、素直に応援したくなりました。
実はアンジュに影響を与えた物語の重要なキャラであり、勇敢さも優しさも持ち合わせていますしね。

 ラスボスの彼
この作品は彼なくしてはイマイチになってたでしょう。
どことなく、魔界塔士サガのシルクハットの男みたい。
黙ってれば知的なイケメンなのでしょうが、
OPでアンジュの服がビリビリに破けて全裸になっていく後ろでニヤける彼に大爆笑。
ついでに、作中で彼が歌い出すことにも笑いました!

登場人物がゲスいと評されることの多いこの作品ですが、
一番の邪悪とも言える彼の存在そのものが女の敵であり、
アンジュに対しての行動が直結厨?もしくは粘着ストーカー過ぎてて、
やることなすこと最悪なのに何故か彼を見てると笑えてきて、
彼の一挙手一投足にワクワクしてしまいました。

 結論
このアニメはハードさとエロスと、おバカ成分と群像劇を楽しむB級な作りですが、
笑いあり感動ありで娯楽作品として充分に面白いと思いました。

アンジュ(フェイト)やヒルダ(なのは)などなど、声優の名前を見ると二重に楽しめたりです。
石原夏織や小倉唯など女性の声優さんたちに普段と違う演技をさせていたのが、
とても印象深かったです。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 68
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Sexy系ファンタジー!!

アクションあり、ロマンスあり、謎解きあり、そして最後に・・セクシーありです!!
・・面白くないわけがない!!

今まで信じていた現実が、事実ではなかったとしたら…
謎が謎を呼ぶ、敵も味方も分からない…そんなダークでシリアスなストーリーに沢山のセクシーがプラスされています。冒頭から一気に引き込まれました。

この物語の主人公 アンジュリーゼ(アンジュ)は国の民から慕われている 第一皇女
ゆるやかに巻いたブロンドは上品でエレガント。そして優雅で品のある仕草が育ちのよさを物語っています。
身の回りの世話には侍女がいて何不自由ない生活を送っています。
そんなある日、アンジュは人間にとって忌むべき存在だということを知らされるのです。
第一皇女の立場から一転、地位も名誉も全てを失います。
運命に導かれるまま…
すべての謎を解き明かす戦いがはじまるのです。
{netabare}
彼女が運命を受け入れたとき
自らの足で今までと違う道へと歩き出す...

彼女の何者にも屈しない強い意志は、難に打ち勝つ度に、より確かなものになっていきます。
それは強い信念、穢れることのない心

キャラクターのビジュアルも印象的です。色とりどりのヘアカラーやヘアスタイルが画面を華やかに彩ります。

一番お気に入りキャラクターは「ヒルダ」
赤髪ツインテールでつり目、最初は口が悪く暴力的な部分しか見えませんでしたが、中盤からは違う一面が垣間見えます。強い意志を持っていて信頼した仲間を裏切ることは決してしない情に厚い女の子なんです。

二番目にお気に入りは「サラマンディーネ」
とても心優しい性格で民を一番に思っています。そして民は姫を誇りに思っています。「想えば想われる」そんな理想の国の姫。聡明、勇敢で情に厚くとても魅力的です。

三番目は「ジル」
総司令官、その言動などから一見すると非情で冷酷な性格に見えますが内に秘めた思いはそうではない。そんなところが…

映像、アクションシーンの見せ方はスピーディー、戦闘シーンは時に敵か味方か判別出来ない程速いです。残酷なシーンが多いのはマイナス点です。

また、セクシーが物語に沢山ちりばめられています。命をかけたバトルでの戦闘スーツも、ここぞとばかりにセクシーで露出度が高かったり、女性同士の夜の行為まで描かれています。

物語終盤のシーン…
アンジュとタスクのプラトニックな関係こそ精神的な繋がりを強くしていたはずです。
しかし、ついにお互いの愛を確かめ合う日が訪れます…
触りたい…
触れていたい…
繋がりたい…
二人が求める気持ちは止めることなどできない…
愛しあって 求めて与える…
アンジュはタスクが必要だったのでしょう…
いいえ、必要とされたかったのかもしれない…

男勝りのアンジュが愛する人にだけ見せる本来の女の子らしい部分はとてもかわいい。その気持ちは表情、指と指を絡めてつなぐ手から伝わってきます。
…指を絡ませる描写はとても好きです。

序盤から中盤にかけて評価は5点が見えていました。しかし終盤にかけては作品に関しての質やストーリーの粗、説明不足による強引さが気になりました。種族の存亡と、戦士の誇りを賭けた最終局面での戦いの際に発する性表現を伴う会話、残念さは否めません。
しかし最後までこの狂喜な世界観にハラハラドキドキ手に汗握りました。

絶望の中にあっても希望を見出すために戦う勇敢さは素晴らしく、どんな世界に生きようと諦めない気持ちが再生へと繋がっていていく。
この作品からそんな光が見えました!!
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62

69.5 11 イジメアニメランキング11位
魔法少女サイト(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (390)
1477人が棚に入れました
学校でクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々を送る中学生の朝霧 彩(あさぎり あや)。いつも死ぬことばかり考えていた彼女は、ある日、不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃(やつむら つゆの)、そして他の“魔法少女”とともに苛烈な運命に巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
大野柚布子、茜屋日海夏、鈴木愛奈、芹澤優、山崎はるか、岡本信彦、鈴木達央、中尾隆聖、安里勇哉
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

過酷な運命に翻弄される魔法少女たちの行き着く先

アニメーション製作:production dóA、
監督:松林唯人、シリーズ構成:伊神貴世、
キャラクターデザイン:渋谷秀、
音楽:井内啓二、原作:佐藤健太郎

魔法少女まどかマギカから広がったダーク系・魔法少女ものの作品。
設定としては魔法少女育成計画に近い印象。
不幸を背負って生きてきた少女が、ある日サイトによって
ステッキによる魔法少女の力を手に入れ、
様々な争いに巻き込まれ、翻弄されるという物語。

4話まで視聴した感想だが、物語の端々から陰惨なシーンを喜んで描写する
というような気持ち悪さが滲み出ている。
そして、最初の設定やステッキの能力などが、もう使い古されたネタばかりで
面白味がないため、より惨たらしくインパクトのある方向に
持っていくような気がする。
WEB連載から週刊少年チャンピオンに移籍したということで、
本流から大きく外れたところにある作品というのは理解できるが、
この後、よほど上手くやらないと、ただの趣味の悪い、
物語として成立しないような作品になりかねない危うさを孕んでいる。

ただ、こういう「バトルロワイヤル」のようなストーリーの能力モノは
案外、継続して視聴できてしまえるというのはある。
今後の展開にもよるが、おそらく最後まで見てしまうだろう。

5話~12話レビュー
{netabare}結論から言うと、危惧していた通りの展開になってしまった。
まどマギの形をとっただけで、より陰惨でインパクトのある
ストーリーにしようと考えているだけなのが透けて見えてしまう。
何を目指しているのか、よく分からない。

いちばん良くないのが登場人物の気持ちや心情が
致命的に描けていないということ。
これは私が物語を鑑賞するときの大前提なのだが、
どんな世界の人間であっても、その背景をしっかりと考えて、
「人間」を描いてさえくれれば、物語に入っていくことができる。
しかし、この作品においては、そういうことを
最初から放棄しているようにしか見えないのがとても残念。
多くのキャラの行動原理が分からない。
テンペストを防いだり、サイト管理人を打倒するという
最終目標は共通しているものの、
それ以外の面で一緒に戦うなんてとても無理だと思えてしまう。

例えば、私がいちばん引っかかるのは、魔法少女を殺しまくった
潮井梨ナが簡単に仲間になってしまうこと。
こんな自分のことしか考えない奴と共闘なんてできるわけがない。
もし共闘させるのだとしても、それなりの過程が必要。
それをすっ飛ばして、軽いお調子者の潮井梨ナが仲間になるのを
簡単に受け入れる展開は、どう考えても無理だと思う。
また、にじみんが簡単に彩の兄にだまされてしまう展開にも
首をひねった。復讐に燃えている人間が、
あまりにも簡単に秘密を打ち明けてしまう。
もう少し、それらしいストーリーがないと納得できない。

結局、この作品がやりたかったのは、兄のような強烈なキャラを出して、
インパクトを与えたいだけなのだ。
全話を通して、計算しつくして構成されたまどマギとは比べるまでもない。
露乃が自分の身を挺して仲間を助けるところも、
あまりにもとんでもない展開だった。これでは感動することはできない。
{/netabare}

全話を通してのレビュー
まどマギという魔法少女ものとしては飛び抜けた作品があるので、
同じ方向性のものはやり方が難しいと思う。
より陰惨で過酷な運命を描くのは構わないのだが、
キャラの行動や考え方の描き方が浅すぎるため、
色々なところで引っかかってしまうのが残念な部分だった。

ステッキやソウルジェムのような手法は、
まどマギはもちろん、ハンターハンターのクラピカの
エンペラータイムの能力も思い出した。

良かった点は、あまりにもダメな主人公の朝霧彩が
少しずつ成長して強くなっていくところ。
ステッキの使用すらためらっていたが、{netabare} 最後には仲間を助けたり{/netabare}
(ここの描き方も突っ込みどころ満載なのだが)、
強い決意が見えた点は面白かった。
また奴村露乃との友情関係の描写も悪くはなかったのではないだろうか。
酷評になってしまったが、2期がもしあったなら観てしまうかも。
何となく観てしまえる作風なのだ。
こういう方向性のアニメがいくつも企画されるのは、
製作側の考え方としては、分かる気がする。
(2018年6月18日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

診断は軽めの鬱系!ということで (-.-)

2018.06.24記


原作未読

魔法少女の冠がついたものを観るのは2作目。普段は食指が動きません。
1作目はおのずと知れたまどかマギカさんです。
二匹目のどじょうを狙っての視聴でございます。

けっこう身も蓋もない不幸を背負ってしまった少女のみに開かれる「魔法少女サイト」経由で魔法少女になってしまった女の子たちの不幸の物語。
第一話から陰湿ないじめ描写が展開されて、同時にサイコな連中がわんさか出てきます。第二話で魔法少女の仕組みと世界観設定の簡易説明があってわりと親切なので、そこで合わなさそうだったら切っても良いと思います。

当初私は乗り切れなかったのですが、最終二話分くらいで巻き返した感があり、一概にダメとは言い切れません。

「不幸だね~不幸だね~」のキラーフレーズ、嫌いじゃないんですよね。



-----
2018.11.16追記
《配点を修正》


穴沢虹海役の芹澤優さんが、同クールでの3D彼女ヒロイン五十嵐色葉役もされていたのが印象的。天と地みたいなテンションの差を堪能してました。

観る側(私)が終始ローテンションだったのは作品の鬱描写が「とりあえず凄惨なの見しとけや」みたいな製作陣の意図を感じたため。もしかすると原作の問題なのかもしれませんが、私には軽く見えてノリきれませんでした。
{netabare}一方で、管理人とは実は?の終盤展開は好印象です。どっかで観た気もするが。。。{/netabare}


朝霧彩、奴村露乃、潮井梨ナ、にじみんあたりを中心に展開していました。一応仲間として同じくらいの数の魔法少女が出てきてパーティを組んでたものの、こちらはほぼモブ扱い。
代わりにヒロインの兄を思い切り取り上げて印象的なキャラに仕立てたのか、視聴者にはこの変態お兄ちゃんのインパクトが強く残る結果になりました。これはこれで成功だったのかも。


あと作品のキーワード“テンペスト”も謎が残ったまま。
2期あっても観るかどうかは微妙なところ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

胸糞注意

原作:漫画(週刊少年チャンピオン)/魔法少女、ダーク・ファンタジー/全12話/アニメーション制作:production dóA

原作は未読。あらすじにもあるように序盤はイジメ描写から物語がはじまるので胸糞注意。

大きな声で言うべきことではないが、こういったダークな要素の強い作品は好物とあって全12話をぶっ続けで一気に完走。{netabare}登場するキャラクターもざっくばらんでそれぞれに個性があり、なかでも彩は主人公らしく応援したくなるようなキャラだったし、その兄貴はクソっぷりがイカしていました。(デスノ・月を極悪にした感じで)

ただ、作中では不可解なシーン・演出面で雑に感じてしまった箇所が幾つかあり、見せ場と思われる場面が陳腐なものに。最初に感じたのは、第2話中盤で潮井梨ナとの戦闘シーン。ここで彩は、相手を殺したくないとステッキを使う事を躊躇しながらも、あっさりとステッキ使用。全体を通して演出おかしくね?と突っ込んでしまったシーンが多々見られたのが残念だった。

制作会社を軽く調べたところ、「production dóA」は、Wikipediaにはまだ登録されていない新規? のアニメ会社の模様。

かなり辛らつ気味になってしまうが、物語としてもどこかで観た事があるような展開や設定も多かった印象。似ているなんていう作品なんて星の数ほどあるのでさして問題とは思わないが、同じジャンル・魔法少女系の作品と似通っているというのはあまり美味しくは頂けない。

ちなみにラストでのクソ兄貴がウホッされる結末は良かったw プライドの高い彼にとってはこの上ない制裁となったことでしょう。

原作を読んでいないので、あくまでこのアニメに関しての評価になるが、色々と残念な部分が多かった一作でした。ただ、一気に完走してしまったという事実からも結局は楽しんで観ていたことも間違いないので、もし続編が制作されたらきっと視聴している自分がいると思います。


▼キャスト
朝霧彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤優
雫芽さりな:山崎はるか
雨谷小雨:原由実
燐賀紗雪:M・A・O
泉ヶ峰みかり:本渡楓
水蓮寺清春:松井恵理子
滝口あさひ:Lynn
朝霧要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
サイト管理人漆:中尾隆聖
サイト管理人弐:悠木碧
サイト管理人捌:キズナアイ
直戸圭介:安里勇哉{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

67.7 12 イジメアニメランキング12位
ViVid Strike!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (240)
1279人が棚に入れました
孤児院で暮らす少女、フーカとリンネは、貧しい暮らしの中でも明るい未来を夢見て暮らしていた。
しかし数年後、リンネと離別して孤児院を出たフーカは苦しい生活の中で荒んだ暮らしを送っていた。
そんなある日、不良との喧嘩で負傷したフーカを救った少女がいた。
少女の名はアインハルト・ストラトス。挌闘競技選手である彼女との出会いが、フーカの運命を変えてゆく。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小倉唯、水橋かおり、能登麻美子、上坂すみれ、喜多村英梨、福圓美里、伊藤かな恵、斎藤千和、佐倉綾音、阿澄佳奈

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

何ていうか、普通に面白くて次回が気になる。

作中の競技、ストライクアーツで少女たちがガチで殴り合ってます。
とりあえず、経験上わかることは頭を蹴られると痛いです。(痛いだけじゃない、脳震盪で意識飛んだ人も実際に知っています。)

2016年12月19日時点で、特番が残っているようですが一応本編終了のようなので「観終わった」ということにしてレビューを書いています。

まず最初に断っておくと、私はリリカルなのはの他のシリーズ作品を観ておらず本作が最初の視聴となります。

で、まあ本作ですが過去のシリーズの登場人物がたくさん出てきているようではありますが、「本作のメインストーリーを理解する」という上ではそれは特に障害ではなかったと思います。

作中オリジナル競技のストライクアーツについても魔法力的なもので打撃効果を高めたり、謎の安全システムによって危険度が下げられたりはしているようですが基本的には「打撃中心の総合格闘技」という理解で良さそうです。

で、本作なんですがストーリーの作り方は基本的に格闘技系の少年マンガのそれですね。ライバルとの因縁、ちょっとした行きがかりで入門、同門の仲間との練習、師匠の導き、etc.

女の子ばかり出てくるという点を除けば、普通に王道の熱血スポ根ものと言えます。わりと手堅く作られていますが熱めのストーリーでそこそこ楽しめる良作と言えます。本作が魔法少女ものかって聞かれると、違うと思います(笑)。

私的にはブラジルの格闘技であるカポエイラ(蹴りおよび回避が中心)を約10年、ロシアの格闘技であるシステマ(攻撃はなんでもあり+呼吸による早期回復など)を若干経験しているので、彼女たちほどガチガチに痛い思いをする機会はほぼないにしてもなんとなく共感できる部分もあり毎回楽しんで視聴していました。

シリーズの他作品も観ると、また別の楽しみ方もあるのかもしれません。が、とりあえず本作だけでも過去のシリーズ作品でのエピソードの片鱗などもうかがわれてわりと面白かったです。

最後に、作中での「いじめへの報復」について:
行使できる実力があって周囲に止める人間もいなければ、むしろ本作の描写がリアルに近いんじゃないかと思う(やって良いとは言ってない)。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 41

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

悲しみの記憶は勇気の種になる 希望の光 貫いて

2016年放送のテレビアニメ 全12話 OVA3話

原作 都築真紀 監督 西村純二 制作 セブン・アークス・ピクチャーズ

なのはシリーズの第五弾となるようですが、
タイトルからは「魔法少女なのは」は消えて続編ではありますが主人公は変わりました。
シリーズで中心人物だった「なのは」と「フェイト」は登場せず、
前作「魔法少女なのはViVid」の主人公「高町ヴィヴィオ」は準主役級または脇役止まりです。

フーカ・レヴィントン CV水瀬いのり 
リンネ・ベルリネッタ CV小倉唯 

孤児院出身の二人の少女が主人公となる格闘アスリートストーリー。

タイトルから魔法少女が外され、所属も「ナカジマジム」と言うことで、
ほぼ、美少女格闘スポコンアニメになっています。
総合格闘技つまりキックボクシングの進化系ですが、
寝技や投げは少なく、パンチ偏重のようです。
格闘系にはあまり詳しくないので分かりませんが。

孤児院と言うことで虐げられた過去から這い上がる努力と根性物で、
梶原一騎の作品へのリスペクトがこの作品の真髄かとも思います。

「タイガーマスク」「あしたのジョー」「キックの鬼」「空手バカ一代」などですが、
その後のK-1などの総合格闘技とストリートファイターなどの格闘ゲームも、
視野に入り、ネタは十分だと思います。

それを魔法少女風ファッションの10代美少女に行わせるというアイディアは、
そのうちやるだろうと予測していた人も多かったと思います。

この作品は四角いリング内のファイトという選択で、70年代スポコンものの流れです。
少女と言うことでコメディ、お色気、ゆとり、などの可能性があったと思いますが、
梶原一騎風一本に絞ったようで、個人的にはちょっと微妙かなという感じです。

可能性があるジャンルなので、エロゲキャラではなく、現代少女キャラで見たいと言う希望です。

なのは系を期待すると肩透かし、スポコン系として観るとキャラデがかみ合わない、
やっぱり、なのはのスピンアウトとして楽しめればと思いましたが、
「魔法少女なのはViVid」と同様にイマイチ合いませんでした。
レビューを見ると比較的好評のようなので、魔法少女と思わずスポコンと思って観れば楽しめそうです。
ただ、リングの上での魔法少女ファッションは心震わせるものがありました。

わたし個人としては「劇場版魔法少女なのは」に期待と言うことで。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残された時間を燃焼しろ! そこにお前の命の輝きがあるんだ! ……今から、お前を殴る!!

「魔法少女リリカルなのは」シリーズの外伝?みたいなことかな? シリーズを観てないので、よくわからないです(汗)

[2016秋 個人内ランキング 9位]

《以下ネタバレ》

【各話感想】
{netabare}
第1話
なかなかシビアな冒頭。格闘技系のスポ根もの? やたらとオッドアイの人物多いけど、何の意味もなくオッドアイのキャラを出すアニメはあんまり好きくないな。ヴィヴィオの「アクセルスマッシュダブル」は、「はじめの一歩」「ヴォルグ・ザンギエフ」の「ホワイトファング」にしか見えないw

第2話
絵柄があれだけど、微エロには少し萌えたw 腹とかw フーカの1日を淡々と紹介しつつ、各キャラクターに触れていく感じはなかなか良かった。

第3話
リンネのトレーニングシーンは、しっかりと筋肉を見せたいって感じでしたね。第2話の寝ているフーカの腹の描写もそうだけど、制作にはなんらかの特殊なフェチを感じる(笑)

第4話
リンネ過去編。たまたま、「いじめ~いけにえの教室~」を観てレビューを書いた直後の視聴で、不思議とリンクした。ラストのリンネの暴行リベンジで胸がスッとしてしまった私は、いけない人間なのだろうか?

第5話
大分バイオレンスな回でした。魔法少女の要素、必要ですか?

第6話
ミウラに、分かりやすい死亡(負け)フラグがぁ……。バトルシーンの手抜きがヤバイ(笑)

第7話
アインハルトの1回戦、鳩尾への肘打ちからの延髄蹴りとか、リンネよりエグいんじゃ(苦笑) フリッカージャブって、やっぱり「はじめの一歩」に似ている気が(笑)

第8話
今井VS板垣 戦を観ているようだな。二人ともスマッシュ撃ってたな。ヴィヴィオのスイッチスタイルも、ランディー・ボーイ・ジュニアがやってたな。カウンター狙わず、判定勝ち狙えばヴィヴィオは普通に勝てたんじゃ? でもここでヴィヴィオを勝たせるとか、良い展開ですね!

第9話
やはりここでリンネを負けさせるとは、凡百の格闘アニメとは違いますね。もしかしたらリンネは、「格闘技を辞めるために、格闘技を続けていた」のかな? やたら熱血展開だ(笑)

第10話
殴り合いながらの過去を回想。どこの熱血バトルやねん(笑) 熱く、熱く、熱く!

第11話
意識が無くなりかけ、トレーナーの言葉とミットの位置だけが見えるって、やっぱり「はじめの一歩」じゃんw 怪我と才能の無さを努力と理論でカバーしてきたジルが、才能のあるリンネと出会い、新たな夢をみる。「あなたの強靭な体に、私の技術と理論の全てが乗って、あなたの全身の筋肉が完璧に連動した一撃を討てたのなら、その打撃に耐えられる人間なんていません。きっと神様だって倒せます。」という言葉は、胸熱だった。神様=運命、なんだと思う。私もたまに道場で子供の指導をするので、どうしてもジルに感情移入してしまうw 才能ある若者との出会いは、それだけで幸せだよね。

第12話
殴り合って、仲よくなった後の平和な世界。百合百合してたw 太腿のアップとか、やっぱり制作の妙なフェチを感じるw キャラとか知らない人も出てきてるし、前作(シリーズ)ファンへのサービスも兼ねてるのかな? 決勝は、観たい気もするけど、ここまできたらもう蛇足ですよね。コーチ二人の会話とか、深いこと言ってた。
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
愛は奇跡を信じる力よ~♪ 孤独が心~閉じ込めても~♪

……ハッ! 仲良くして頂いている(と思ってる)天地人さんのレビューの入りに似ている(しかも平成生まれの方には伝わらない)w

絵柄と違い、ガチのバトルアニメでした。実はリリカルなのはシリーズは観たことがなく、これが初の視聴ですw 結論としては、かなり面白かったです。ストーリーにも重厚さがあり、意表をつく展開もあり、熱さもあり、悲しさもあり。

個人的には第4話が印象に残っています。人としてどうかとは思いますが、正直に言って、スカッとしてしまいました(汗)

4話以降は、ナカジマジムの面々とリンネを中心した話が多く、サブキャラもよく掘り下げられていると感じました。

一方、フーカは途中から空気になっていましたが、リンネとのラストバトルで面目躍如。この作品の主人公であることを証明してくれました。リンネの目の、心の曇りを晴らすために殴り合う姿は胸熱。ところどころ完璧に「はじめの一歩」だったのはまあ、ご愛敬ということでw

ただ私は、リンネとジルのコンビに一番心を奪われました。才能という壁に夢を阻まれたジルと、才能溢れるリンネとの出会い。ジルの「私の理論とあなたの才能が合えば、神様も倒せる」という言葉、じ~んときました。この場合、神様=運命(人生)、だと思います。ジルは自分の不甲斐ない格闘技人生を、リンネは大好きな祖父の死とその後に起こしていまった事件を、それぞれが呪っています。そんな自分の人生を吹き飛ばすような、強烈なアッパー。第4話以上に胸がスッキリしました。

リンネは強くなりたかったのではない。強くなったと思いたかっただけ。だから、形(ベルト)を欲した、というのは納得の出来る心情です。

リンネはこれまで誰とも試合をしてなかったのですね。だから、勝っても冷たい目をしていました。それは、リンネの戦う相手は常に弱い自分自身、弱い自分自身が起こしてしまった過去の出来事だから。そういう、いつまでも過去に立ち止まっている姿、誰のことも見ていないリンネを、フーカは許せませんでした。だから殴ったのです。涙を流しながら。ジャジャジャン、愛は奇跡を信じる力よ~♪(って、もう良いってw)

そんなリンネが、フーカとの殴り合いを通し、過去を払拭し、自分がどれだけ格闘技が好きなのかを自覚し、最後は青空の中で二人揃って倒れるシーンは、正に名シーン。フーカに勝てなかったからもうベルトには手は届かないのだけど、そんなのどうでも良いんですよね。リンネは自分が本当に欲しかったものを手に入れられたのだから。

最終回は、本当に色んなことに結末をつける、温かいものになっていました。ちょい役のキャラにもちゃんと後日談を用意しているとか、芸が細かい。

リリルカなのはシリーズ(というより外伝的な扱い?)は本作が初めての視聴でしたが、予想以上に楽しめました! 時間ができたら、一作目から全部観てみたいと思えました♪
{/netabare}

【総括】
絵柄とは違う、ガチの格闘アニメ。格闘技を観る、というより、そこに至るまでの経緯や、バトル中の心情の変化を楽しむアニメか。シリーズ未視聴だが、ここから入っても充分に楽しめた。他の作品も観たくなった♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

64.2 13 イジメアニメランキング13位
AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜(アニメ映画)

2013年4月13日
★★★★☆ 3.7 (223)
1083人が棚に入れました
佐藤一郎は「普通」の男子生徒として、高校デビューに成功したはずだった……。
ある晩、忘れ物を取りに行った学校で不可思議な女の子“青の魔女”と出会い、彼の教室での立場は大きく変わってしまう。
魔女の正体は、一郎のクラスメート・佐藤良子だったのだ。
彼女は本物の魔女なのか? それともただのコスプレ女子なのか?
さらに良子に触発されて、クラスに潜伏していた<妄想戦士(ドリームソルジャー)>たちも次々と名乗りを上げ、一郎を巻き込んでいく……。

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

リアルな中二病でも恋したいって感じかな?感動しました♪

まず最初予告だけ見ててバトル物だと思いましたが
全然違いました!良い意味で裏切られましたw

原作のストーリーを田中ロミオさんが書いていると訊き
田中ロミオさんのストーリーは好きだから観に行こうと
思い観に行きました!
そしたらまさかの学園ラブストーリーでした!

最初に思った感想は結構リアルな話だと思ったことです
あと中二病でも恋したいに似てるな~ということです!
でも中二病でも恋したいよりリアルな感じで描かれていて
シリアスな感じの話ばかり続きます!

簡単にあらすじを書くと
中二病のヒロインの女の子がおり
主人公は普通の少年なんですが
先生にその子の面倒をみるよういわれ
渋々一緒に行動するようになります!

そのクラスのリア充っぽいグループは
中二病的なグループを虐めていて
その子が虐められるのを庇っているうちに
その子のことが好きになっていくというのが主な話です

庇っているうちに主人公が虐められたり
面倒みる前の友達と疎遠になっていったり
中二病の人が抱える問題と向き合っていたりと
意外と深いストーリーとなっています!

映画としてはストーリーも良くまとまっていたし
音楽も良く、声優の演技も良かったので
特に不満はなかったです

ただリアルな話だと思っていたので最後の方で
明らかに不可能と思われるくらい机でダンジョンが
組み立てられてましたからそれが違和感ありましたが
まぁ物語ですしそのくらいは許容範囲でしょう!

ストーリーも最後の方では感動してしまいました!
他にも関係無いと思っていた最初の話が納得できるように
できていたりちゃんとハッピーエンドで
皆の問題が解決していて良かったです♪

僕はこの映画を見て良かったと思ったので
興味ある人は観に行ってください♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 57
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

只の中二ラブコメじゃない! (`・ω・´)キリ   「生きる事は戦う事」(By 真紅)

原作:田中ロミオ氏によるラノベ  未読

本編:83分

ジャンル:イジメを題材にした中二病の学園青春ラブコメ

2013/10月初旬、レンタルされ始め、前知識なしに視聴しました。

TVのCMを見た感じでは、バトルファンタジー系かな~って思っていたら、全然違ってましたw

序盤の印象とか設定が『中二病でも恋がしたい!』と同じでした。
でも、中盤からは結構シリアスで重たい内容です。

調べたら、この作品は『中二病でも恋がしたい!』より以前の2008年7月に刊行されているので、真似した訳ではなく、むしろ「中二病でも~」の方が 面白おかしくライトに作られた感じ。


主人公は、元中二病で、高校デビューに成功した
佐藤 一郎 (声 - 島崎信長)

ヒロインは、常に無表情を貫いて、人目を気にずコスプレする完璧な中二病
佐藤 良子 (声 - 花澤香菜)

ホント、設定は「中二病でも~」とそっくりです。

内容は、クラスの中で オタク達 ドリームソルジャーと、そうでない一般リア充達と派閥ができ、
中二の佐藤 良子がリア充たちにイジメられる・・・と云うもの。



感想としては、面白かったです。

ここからは視聴後の感想
{netabare}
 一郎が良子に、突然キスされて戸惑い、それ以降意識して恋心に変わって行く所は、見てて良かったです。
高一の一般男子が、ちょっと可愛い女の子に突然キスされれば、
「惚れてまうヤロー」です^^(BY チャンカワイ)

途中、一郎が山本に暴力を振るわれてる腐女子を庇ったシーンは カッコよかったですね!^^


学生のうちは中二病でも構わないけど、良子のような重度な中二では、社会に出た時、通用しない。
きっと一人 寂しく 引きこもりになってしまうかも。
だから、学生の内に整理し、少しでも更生しなくてはいけない・・・
そんなメッセージが入っている作品に感じました。

あと、終盤の屋上に机を積み上げた神殿だけど、ありえなかったですね。
あんなの一人で何日かかるんだ?ってな大きさで、せっかくここまでリアルっぽかったのに、ちょっとファンタジーが入った感じで残念でした。

この神殿で、自殺しようとした良子を助けるために、吹っ切って殻を破った一郎の姿はカッコよかったです。

その後のクラスが、ドリームソルジャー大半に染まったのには、フィクションだな~っと・・・^^;

ラストの良子の制服姿は可愛かったですね~^^

最後になって、サブタイトルの〜魔竜院光牙最後の闘い〜の意味が分かりましたw ^^;

{/netabare}


ここからは、いじめに関する個人的な意見です
{netabare}
自分は 中学1年の時、軽い いじめる側、される側の両方経験済みです。

もういい歳した社会人なので思う事ですが・・・

作品中、イジメする人達を見てると、当時を思い出し、イライラして頭に血が登ってくる。
こういうの見てると、イジメする奴等は なんて弱くて情けない人間なんだろう・・・って、自分も含めいつも思う。

集団で、周りに順応できない人や、気に入らない人、自分より弱い人を見つけ、傷つけてストレス発散とか

参加しなくても、それ見て笑って楽しめる人も同罪です。

される方の気持ちを考えたら・・・
自分がその立場だったら・・・
そう考えたら絶対できない筈なのに。

「仲良しこよしをしろ」とは言わないけど、
せめて「こう言う人もいるんだ~」って云う寛大な気持ちで見守ってあげて欲しい。

だから、今の教育に
大らかに、心の広い人間に育つよう、小学校低学年から・・・いや、幼稚園からでも教育して欲しい。

相手を思いやる気持ち等
学校には、もっと道徳心を養う授業に力を入れて欲しい って思います。

「やられたら やり返す 倍返しだ!」
これは やっちゃ駄目 悪循環です。
やっていいのはスポーツの世界だけにして欲しいです。
{/netabare}


「生きる事は戦う事」
ローゼンの真紅の言葉を思い出しました。

この作品は、中二からの更生や、いじめを扱ってるので、今の中高生にリアルで見易くなっているので、
多くの中高生に見て、議題にして欲しいですね。
(年頃の子供がいる自分には、ゆとり教育するより、中学、高校にも道徳の授業を取り入れて欲しいと考えます)

勿論、社会人になった人にもオススメです。

あにこれの評価が、59,6点で、低いんですが、
個人的には もっと評価されていいと思いました。

自分、3回繰り返し見ちゃいました!(=´ω`)ノシ 



主題歌「僕らのセカイ」 歌 - CooRie



最後に。。。

EDテロップ中は飛ばさないでね!
あと、ED終わった後も ちょいありますw


それと
花澤さん活躍し過ぎw

ちっちゃい子鳩ちゃん 可愛いw

ドリームソルジャー クラスにそんなにいないよね?^^;

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

イジメについて考えさせられた厨二病の話。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

~あらすじ~
高校1年生になった佐藤一郎(主人公)は、ある日の夜に忘れ物をとりに校舎に忍び込んだところ、青いローブを身にまとい、金属製の杖を持った少女、佐藤良子(ヒロイン)と出くわした。彼の望んでいた平穏な学生生活は彼女に振り回されることで次第に遠ざかり、絶望の淵に落とされる。

※あらすじはウィキペディアを参考にしました。

この話は「中二病でも恋がしたい」に似てました。

でも、「中二病でも恋がしたい」は
どちらかというと明るい感じの話で、
この作品は、ダークな感じがします。

ダークな感じなのは、この作品のヒロインが
「厨二病」で周りとは浮いていていじめられてるからです。

「中二病でも恋がしたい」はヒロインは「厨二病」で、
周りとは浮いていたがいじめなどはありませんでした。

この作品は、主人公は元々「厨二病」で、
そのせいで中学校ではいじめを受け、家族ともうまくいってなかった。

だから、高校では普通の生徒になるために「厨二病」を
克服しようとがんばっていた。

そこで、「厨二病」の少女が現れて、
その子が受けていたいじめをほっとけなくて主人公はその子を
助けていく流れで話は進んでいきます。

この作品は、ファンタジーのように思えるかもしれませんが
ファンタジーではありません。

説明が分かりにくくてすみません。

最後はほんとに感動しました。

「中二病でも恋がしたい」が好きな人にはオススメです。

是非観てください(m。_。)m オネガイシマス

投稿 : 2024/04/13
♥ : 37

59.1 14 イジメアニメランキング14位
骸なる星 珠たる子 なるたる(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (207)
865人が棚に入れました
『なるたる』は、鬼頭莫宏による漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。タイトルは「骸なる星、珠たる子(むくろなるほし、たまたるこ)」の意味。
【ストーリー】小学6年生の玉依シイナは小学校最後の夏休みに祖父母の住む島に行き、海でおぼれかけて、星の形をした変わった生き物『ホシ丸』に助けられ出会う。
ホシ丸は少年少女の意識とリンクし、変幻自在の能力を発揮する「竜の子」の一体であった。他の「竜の子」の持ち主(リンク者)との出会いのエピソードを挟みながら、シイナは「竜の子」を用いて世界をリセットしようとするリンク者たちの一派との戦いに巻き込まれて行く。

ミミック さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

え?え?、あれぇー?

結局何が言いたいアニメだったんでしょうね。
自分にはサッパリわからなかったです。

2期作るための戦略だとしたら仕方ないが張った
伏線がそのまま回収されず、後味がかなり悪いです。(要は原作読めということですね)

序盤からミステリアスないい流れを作り出して
結構のめり込んでいた自分が恥ずかしいです。


味がないけど噛み続ければ出そうなガムを噛み続けたけど
出ずに最終回を迎えてしまった感じです(笑)


*良かった所*
・なんか見続けてしまう魅力がある。
・ホシ丸が可愛い。

*不満だった所*
・1クール向きではないです。
・話がカット&飛躍しすぎで理解に苦しむ。
・上記2つの影響もあり話がペラッペラです。


以上読んでいただきありがとうございます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 17

alpine さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

終わり方がやっつけすぎる・・・。

物語の評価は3ですが、部分的には4あげてもいいと思います。
(終わり方がちょっとあれなので、3としておきます。)
とりあえず、原作は悪くないんです!
と、原作の事書いてもアニメのレビューにはなりませんね…。

良い点は…さすが鬼頭莫宏先生(ぼくらの)の作品と言った所でしょうか。
アニメでの再現率はかなり良い方だと思います。

この作品の一番悪い点は、ものすごく中途半端に完結させてしまっている点
B級ホラー映画のように続かせる素振りをしておけばまだ良かったものの
最終話で伏線を回収せずに無理矢理完結させてしまっている所といったところでしょうか。

その辺りも相まって、ボロクソ叩かれたり
部分的に見た人が、そのシーンだけをクローズアップして変に貶めている傾向も強いです。
なので、その辺の事しか書いてない人のレビューは参考にしない方がいいでしょう。

私から見れば他の方がレビューしている程偏った内容の作品とは思いませんでした。
中途半端に終わる所以外、ほぼ原作に則った流れになっていますし
原作の方が残酷描写は多いですから。

ただ、アニメでも残酷描写はやはりあるので
見たい人は、それを了承の上見ていただければと思います。
あと、上記しましたが、中途半端に終わるので
そこも覚悟してください…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

いぶちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

二周してみた

なるたるは、最初その絵の可愛さと
OPのほのぼのした雰囲気で見始めました。
まんまとやられましたが。。。
だいぶ前に一周して、最近また一話から
十三話まで見直しました。

ほしまるはとても可愛い^^

イジメとか、闇(病み)とか、
途中心が痛くなるんですが
観てしまいますね。

ほしまるの秘密や、成長した主人公と
その背景の人々、
原作はもっとエゲツナイみたいですが
ちゃんと完結しているらしいので、
時間がある時に、原作もしっかりと
観たいと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

72.2 15 イジメアニメランキング15位
BRIGADOON[ブリガドーン] まりんとメラン(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (160)
813人が棚に入れました
時は1970年。大阪万博の開催まで一年をきったある日、東京下町の長屋に住む平凡な少女浅葱まりんは突如空に現われた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の生体兵器(モノマキア)に襲われる。その時、根津神社に御神体として祭られていたアンプルの中から別のモノマキアが現れ、まりんを救う。彼の名はメラン・ブルー。まりんを守るのが任務だという。二つの世界の運命をかけた戦いが始まる。
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もっと認知されるべき

東京下町の長屋に住む13歳の少女まりんと
まりんを守る任務を負った謎の生体兵器(モノアキア)メランとの交流がメインのお話。


タイトルからほのぼのとした内容がイメージされるけど、実際は非常に重苦しい鬱展開が多い。
主人公まりんが肉体的にも精神的にも追い詰められる展開が続きます。
13歳の少女に対する仕打ちとしては、ちょっと脚本家の悪意を感じるレベルですが
ちゃんと救いは与えられてるし、どん底から這い上がる展開にカタルシスも感じられます。

{netabare}ただ、終盤のまりん失明→チートアイテムによりあっさり回復、更には新能力まで身につける・・
という展開に関しては、ご都合主義にも程があって正直擁護不能w{/netabare}

アクションシーンも満載で、やたらと流血表現が多いです。(グロって程じゃないけど)

また、伏線が多く張られていて、ラスト数話でドドーッと一気に回収する感じ。
肝心な部分はボカされていて、色々と想像の余地が膨らみます。考察好きにはたまらないかも。


主人公まりんはちょっとテンションがおかしな娘(笑)なので
最初は受け入れ難いものがあるかもしれません。
基本は明るく前向きな性格で、最終的には物語の主役に相応しいと思えるようになります。

そんなまりんの強さの源になってるのが、まりんの周辺の人物達。
長屋に住む人達は、血の繋がり、国籍、そして種族の垣根すら超えた深い絆で結ばれていて
まりんにとっての支えであり、家族であり、帰るべき場所です。
1969年という時代設定が良いんですよね。
地域間の繋がりが希薄になりつつある現代ではどうしても嘘臭さが出てしまうでしょうから。


最初に述べた通り、メインはまりんとメランの心の交流。互いの心を通わせていく過程です。
その点に関しては見事としか言い様がなく、ラストシーンの2人のやり取りは本当に感動的。

それにしても、本作はマイナーにも程がありますね。
放送年が2000年で古めってのもありますが、当時WOWOWで一度放送されたきりで
地上波での放送が一度もないというのが一番の理由だと思います。
もっと評価されるべき、というよりも、まずもっと認知されるべきです。本当に。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢の中の熱き純情。9話から観ちゃイカン。

原作監督・米たにヨシトモ、構成脚本・倉田英之

オープニングのフォルクローレな民族調歌声、すごく物語にあっていて伝承性が増して気持ちが惹きつけられますね。何度も飽きずに聴けてしまった。

ある日空からの謎の落下物とともに、頭上にはブリガドーンなる空中都市が浮かぶようになっていた。地上の下町に住むまりんは、神社の祠でロボットのような生き物を目覚めさせる。「生体兵器メランブルー」と名乗る彼が付き従うようになり、まりんは二つの世界のひずみに巻き込まれてゆく…。

ぐりんぐりんの目玉、13才には見えない眼鏡っ娘まりんのあんまりありがたくないパンチラネタ、設定の1960年代風味な駄洒落、アハーン?って口癖に閉口しつつも、何だか気になる勢いで始まりました。
メランブルーは全身タイツ姿の肢体の端々にメカがくっついたようなデザインで、ハイヒールのような脚の耽美さに反してストイックな堅い奴です。(´・_・`)お腹と尻は出しといていいのか。

まりんを囲む長屋の憎めない面々のキャラクターも、芸が細かく和ませられます。その手厚さに、てっきりまりんはこの世界における愛されキャラなのかと思いきや、次第に「みなしご+謎の武器用心棒持ちの貧乏少女」として学校で迫害を受け始める。
しかし登校拒否になったまりんに、まっすぐな優しい言葉を向ける長屋の婆さんのセリフ、ちょい百合入ってそうだったモエちゃんとの熱い友情、かっこいい先輩のセリフ…4話にて、これは善いアニメだ!!と断定しました。なんていうか…それぞれのキャラクター、脇役に底力を感じます。


しかし、9話のヤーラシサってばどう〜なんですか。
この回から見たら絶対、違う目的のアニメだと思われるでしょう…~_~;
{netabare}
( 銭湯でまっ裸 + 泡と縛りの攻撃 + 味方メカ「ポイクン」の運転方法…。
乗り物になる亀型生体兵器ポイ君、内部に生えてる
弾力のありそうな有機的突起ブツをギュッて握って運転するんすよ。子供が考えそうなデザインでしょ?って見た目で、ああいうことする…。意味わかる方がやらしいとでも言いたいんかーオイッ!){/netabare}


そして10話以降の不幸の連鎖には、すべての中心点にまりんがいるのは物語だから仕方ないのか?、虚構が時に冗談のように束になって襲ってくる、ユメウツツ。

それでも先が気になるのは、主人公たちの主張や心情が吐露される時の、本気の純情さにグッとさせられるからです。ここは冗談にしないで頂きたい、と見守るしかない。もっとも、一話ごとに展開が早いのでひとつの苦しみが解決されるのも手早く、次への引きも上手いのですが。宵越しの銭はもたねェぜ( ´Д`)y━・~~的な感じで、話をまたぐ鬱はもたねェぜ(T ^ T)という甲斐性(解消)ありです。

{netabare} そして16話での、メランの理性的な説得の中に想いが滲んでいる様子にはジワジワ泣かされましたよ…。またメラン、いい声なんす。定められたと思われた絆を一旦不確定なものとして揺さぶるところがシビアなドラマでした。

そんでもって17話以降のさらに怒涛の、世界の崩壊の連鎖と逆恨みにあてこすられるまりん。やりすぎなような、ここまでやらないとみなしご様式美として意味ないのか。
救っては落とし救っては落とし救っては落としの夜店の金魚状態。生き抜くのに必死な昭和の時代の苦労ドラマ成分を目一杯盛り込んであるのか?、避難した人達の生活や群像心理など、いやに生々しく執拗な描写もあるし。
けれど、まりんを助けた先輩はカッコ良く善い人だったし、逆恨みしたり差別した人の後の扱いもきちんと考えてあったと納得。あと、崩壊後の世界だからこそ自分のあり方に立ち返ったキャラもチラホラいて、悪くなるばかりじゃないな、とも。
先に書いたように、苦難にぶつかってもまりんは脱出する糸口に恵まれていたと思います。だからやっぱり夢のあるお話。{/netabare}

面白いのがトリックスターのように現れる、猫のようなブリガドーンの奴ら。全てを知って誘導しているかのようで、翻弄されつつ、どこか憎めない。こいつらのおかしみで、重い展開もどこか安心して観られました。


20話を越えると、まりんは顔身体つきは変わってないちんちくりんなのに、妙に女性っぽく見えるのが不思議です。苦労は女を磨くんでしょうか。
メランの同期で女性型のエリュンにも「あの女のために強くなったのか」って、あのオンナ呼ばわりされてましたが。全体的に飛ぶ戦闘の切れ味がよく、とくにエリュンとメランの戦闘シーンがカッコ良かったです。

最終話まで行って特別意外な結末でもなかったのですか、壮大のちに全てを大事にして終わった、熱く優しい話でした。
まりんとメランのラブストーリーがロマンチックに締められるなか、私が感動していたのは、登場人物たちのその後を描く中で、子供を失って逆恨みした人を最後まで忘れずに一瞬ですが描いていたところ…。(;_;)こういうところがとても響きます。



物語の舞台となっている1969年(昭和44年)はどんな年か
{netabare} テレビでは「サインはV」「8時だョ!全員集合」「ひみつのアッコちゃん」「サザエさん」放映開始、リストに「海底少年マリン」なんてタイトルもありましたがまりんとマリン?
漫画はドラえもん連載開始。
学生運動で安田講堂でブイブイ、アポロ11号で初月面着陸、高度経済成長の盛りで地方の過疎化と公害問題がいろいろ。そろそろカラーテレビが一般に出回る時代、作中に出てきたテレビはまだ白黒でしたね。
原作者の方は、人情味溢れるまりんたちの暮らしの時代から先を分岐点と表現したのでしょうか。 {/netabare}


この作品を知り観てみたいと思っていたきっかけは、 {netabare} ちょっと古いアニメ好きな人なら結構名作扱いしていることと、以前「ノエイン」感想サイトさんで地味に推されていたからなのです。

そう言われれば、異世界から来た訓練された大人型の守護者と、世界の鍵を握る子供の組み合わせってところ、共通ですね。守護者が感情表現が下手なところも。エリュンとコサギ姐さん似てるし。あと真面目な顔で全身タイツなところも。


端々のデザインの冗談みたいなぬくぬくした垢抜けない感じや、まりんの目玉のデカさのおかげで、オススメされていなかったら観なかったと思います。観て良かったよ、もちろん。観返すと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

愛と絆のハートフル(?)SFラブロマンス

主人公「まりん」は空に現れた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の物体に次々と襲われる。
神社に祭られていたアンプルから出現した生体兵器「メラン」が「まりん」を守り続ける・・・
というサンライズらしい激しいバトルも多い作品ですが、
基本的には少女と生体兵器という種を越えた愛と絆を描いた物語です。
1969年の東京を舞台にしているので、昭和ネタが満載。

子供向けらしくほのぼのかつフリーダムな展開に思えるのですが
主人公のまりんをいじめ抜いているのが特徴的で、鬱成分がちょっと強めなので要注意。
理不尽にしか思えない雑な鬱展開には、あまり良い印象はないですが
まりんがかなりハイテンションで前向きな女の子なので、そこまでは気にならないでしょうか・・・
まりんとメランやその家族の絆が、際だって魅力的に見えるという意味では良いのかなと。

波乱ばかりのストーリーですが、伏線が張り巡らされていて終盤まで明らかになりません。
とくにワケの分からない前半はほぼ全部伏線で、後半から尻上がりで面白くなる類のアニメ。
唐突すぎる超展開が多く、終盤で一気に伏線を回収する点も良いか悪いか微妙なところですが、
まりんとメランの絆の深さで全てが素晴らしく思えます。

主人公のまりんは「あっはーん」とか変な妄想を度々するので、あまり好きじゃなかったのですが(笑)
そんな彼女をボロボロになりながらも、必死で守り続けようとするメランは本当に良いキャラでした。
メランがまりんを通して徐々に人間の心を理解していき、終盤ではもう人間より人間らしくなる。
一番の見所はやはり最終回にある屈指の感動の名シーン。
それを見るためだけでも見る価値はあると思いますw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

67.9 16 イジメアニメランキング16位
小公女プリンセスセーラ(TVアニメ動画)

1985年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (108)
444人が棚に入れました
バーネットの『小公女』が原作の「世界名作劇場」シリーズ第16作。“いじめ”が問題となる世相を反映し、本作では大富豪の令嬢から使用人へと転落した主人公セーラの受難の日々を描いた。ロンドンのミンチン女学院に入学した資産家の娘セーラ。だが突然の父の死のため身寄りも財産も無くなった彼女に対し学院側は今までの態度を一変させて、セーラを使用人として扱うのだった。使用人仲間のベッキーたち一部の人々に支えられつつ、セーラは必死に生きる。

声優・キャラクター
島本須美、山田栄子、一龍斎貞友、中西妙子、八百坂万紀

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

世界名作劇場

かなり前の作品ですが再放送とかで何度も見て今でも心に残っています

ある日突然、お嬢様から使用人に転落して、けなげに強く生きていく物語り
ラストも感動できるいい作品です

時代設定もあるんだろうけど、手のひら返しってほんと怖い。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

胸の奥にこの花あるかぎり…その6 (完)

観てたなぁ。子供の頃。
〜お金持ちのお嬢さんが没落して、陰鬱な目にあいながらも健気に耐えて、最後は逆転倍返しハッピーエンド〜 だったよなぁ確か、と、何回目かの再放送をしているのを見かけたので見た。

暗い話だから、色彩設定だけは明るくしたかったのか、すっとんきょうなビビッドカラーがあちらこちらに。目が痛いよセーラ。
こちらも今回は顔文字多めでお送りします。ネタバレ開くとそれぞれ長いです。


*召使いなるかそるかのお話
{netabare} すでに没落化しているセーラ。
寄宿舎でお手伝いさんになっている、元特別室の生徒、セーラ。
お手伝いさん仲間は優しい。かつて親しかった友達や、町で出会うなじみの子達やお店屋さんの大人達も、セーラの行く末を心配げに見守り、応援している。

高飛車なお嬢様キャラが、セーラを目の敵に。かつてのみんなの憧れの的がこき使われるだけでなく、彼女が持っていたもの全てを自分のものにしなくちゃ、気が済まない!!幸い、セーラんとこと違ってお父様のお仕事は順風満帆。アタシの時代がきたんだわ!攻めていくわ!o(`ω´ )o

ある休日、特別なお客様のための準備や掃除にセーラは奔走する。「特別室に入る生徒」がやってくるらしい。かつて自分の過ごした優雅な特別室に、自らの足で買いに出たお花を美しく飾るセーラ。
やがて、例のお嬢様とそのお父様、スネ夫のママンみたいな「ざあます」お母様もノリノリでやって来た。

(`ω´ )「今日からわたくし、ここで暮らすことになりましたの。それでね、お父様、お願いがありますの。わたくし専用のメイドを付けてくれませんこと?そこにいる…セーラがいいわ。」

宿舎のセンセイ
(゚o゚;「そ、それは…その…、モゴモゴ、聞いてみませんと…」
頼りにならないセンセーイ( ;´Д`)
(゚o゚;;「セーラ、あなたの、気持ち次第なんですよ。嫌なら、断わっても構わないんですよ…」

お嬢様のパパ
(^ω^)「そうだな!本人に聞かなくてはな。どうかな?うちの娘のメイドになってはくれないかな?」
そんな〜目の前で迫られたら断わりづらいよ〜ヽ(´o`;

ああ、憐れセーラ、こうして芋づる式に、苛烈な奉公が始まるんだ…あんな事やこんな事を…(/ _ ; )


ときっと誰もが思った時。セーラの放った言葉は。
さあ、あなたなら何と答える?!

(´-`)「 {netabare} お引き受けします。


もしも、もしもお嬢様が…
かつての級友を召し使いにと、そうお望みと、仰られるのならば…。 {/netabare} 」

ハッと言葉に窮したパパ。
身を翻すと、お嬢様のもとへツカツカ…パッシーン!!

えーーーΣ(・□・;)

( *`ω´)「知らなかったとはいえ、なんと恥知らずなことをする所だったんだ。おまえに召し使いはまだ早い‼」
「そんなァ、おとーさま〜(つД`)」

あれ?いじめ一直線じゃないの?
なんという機転のきく堂々とした回避でしょう。セーラの誇り高さに軍配が上がった!

しかも夜半に皿洗いしながら
(´-`).。oO「わたし、気が回らなくて、あんなきつい言い方しか考えられなかったの…ダメね…」と内省する素振りすら見せる。すごいよセーラ…。

記憶の中の小公女セーラって、かなり受け身な印象になってしまっていたけれど、結構やるもんだなあと見直した回でした。

しかししかし!
意地悪小娘ごときに運命の歯車は回させやしないとばかりの、怒涛の不運攻撃はこれからだったのだ…。 {/netabare}



*空腹の空想のお話
{netabare}

厨房にいるコックと下女が、顔つきもゴテっとしているんだが話し方も言う事も素っ気なく、セーラに対して優しくないんだ。
ある日のセーラ、お使いに行って帰ってきたらお小言を喰らう。

(♯`∧´)「どこで道草食ってたんだい!今から使ったんじゃ間にあいやしないよ!」

(._.)「ごめんなさい…あの、靴が壊れて歩けなくなってしまって、直してもらっていたものだから…」

(♯`∧´)「言い訳するじゃないよ!まったく、夕飯は抜きだよっ!」

メイド仲間(゚O゚)
「そ、そんな…セーラ様は、お昼ごはんも抜きだったんですよ…」飯抜きは日常茶飯事なんでしょうか。飯だけに。

コソッ(( (^_-)「セーラ様、残りパンがあります。紅茶に浸して食べてください。」(´-`)「ありがとう…」

地獄耳→(♯`∧´)「そこの残ったパン!始末しちまいなー!」

Σ(゚д゚lll)(´-`)「そんな…っ!」

夜半。皿洗いで夜は更けて。くたくたになって屋根裏部屋へと上るセーラには、暗い階段が長い長い急坂のよう。
やがて抜き足差し足、廊下を忍ぶメイド仲間の姿があった。
(^_-)ウフフ「セーラ様への差し入れのミートパイを作って差し上げたわ。きっと、お腹が空いて眠れないでいらっしゃるでしょう。コッソリお届けしよう…」

ガチャッ(`_´)ゞ院長
「何をやっているんです?それは何ですか!」

Σ(゚д゚lll)「はわわわ…これはソノ…アメリア先生が、いつもお夜食をと、今夜も頼まれているのですぅ〜。」

W(`0`)W「うそをおっしゃい!!アメリアは今夜は親戚の家で留守です!誰に頼まれてそんなもの作ったんです!さ、言うんです!」

(>_<)ヒィェー「あのっ、わたしが、食べようと。お腹がすいて…本当ですぅ〜」

W(`0`)W「んまーっあきれた!おまえのようないじきたない子は許す訳にはいきません!」

→ミートパイは寮長が没収、寝床で食べてむせる!ムゴッ(◎×◎;)

セーラの元へ来たメイド。
そこには、かつて仲良く過した級友2人もベッドを抜け出し、談笑しにきていた。
(´・_・`)ぶたれた頬をおさえ、何も差し入れられない非力さを謝るメイド。
級友は、セーラたちが腹ペコだと、彼らの無下な扱われ方を想像だにしてこなかったことに気づいた。その配慮の無さを詫び、クッキーを取りに部屋へと戻った。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( >人<)┘そーっと!
ここはミンチン学院伏魔殿。クッキーを手に再び部屋を後にした姿を見守る、禍々しい影 |-| があった…。

屋根裏部屋の女子会はじまる。
皆で食べるせっかくのクッキー♡
テーブルを飾って、心ばかりのお食事会を開きましょうよ。
セーラのテーブルセッティングにみんなもノッてきて、いろいろ工夫をほどこします。
(=´∀`)人(´∀`=)人(=´∀`)人(´∀`=)
ストールをひいて、華やかなナプキンの代わりに紙を並べて、ハンカチを織り込んでかざって、ほら花束のようじゃなくて?まぁ素敵ー!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
おままごとしてないでさっさと食っちまえば良かったんだ。そんなことはみじんも考えず、ただこの親しい者たちと善意に満ちた夜を分かち合い、味わい尽くしたくて、終わってしまうなんて考えたくもなくて、セーラの楽しい妄想は暴走。

*・゜゚・*:.。..。.:*・(´-`).。oOよくって?ここはヴェルサイユ宮殿の大広間よ。間も無く招かれた貴族たちがやってくるわ。

(宮廷の侍女になりきろうと慣れない想像をするメイド友(~_~;)、プルプル具合に笑いがおこる。みんなすっかり宮廷気分、画面描写も宮廷風味に埋没。)

テーブルの上にはたくさんのお皿、温かなお料理が盛り沢山よ。
お料理を載せてあるお皿は、全て金でできてるの。床にはフカフカの絨毯。天井にはシャンデリア。私達は美しい侍女なのよ。さあ、大広間のほうへ。上は丸天井、吟遊詩人の歌う舞台があって〜、美しいろうそくのあかり…かしの木の燃えている大きな炉もある…
おつきのものたちが分厚い扉をひらくと、さあ、国王とマリーアントワネットが現れるわ…!
*・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・*

ギギギギギィ…

バターー[ \(♯`∧´)/ ]ーーン!!

「なーにをしているんです!!あなたたちィ!!」
強烈な後光とともに登場したのは、ある意味この宿舎の王女、ミンチン院長。

Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(´-`)光速でユメから醒める四人

ψ(`∇´)ψ背後でほくそ笑むのは、セーラを敵視するお嬢様。リークしてやったり!あたくし、寝たふり得意でしてよ!

阿鼻叫喚、言い訳も聞き入れられず、部屋へと連れ帰られる親友たち。全てはセーラのそそのかしと問答無用の判決。
(♯`∧´)「あなたへのお仕置きは追って考えます。今まで優しくし過ぎたようですね。いいですね、おまえは明日の朝も昼も夜も、食事抜きです!」
捨て台詞とともに全ては去った。クッキーの欠片も残さず片付けられ、一転していつもより暗さの増した屋根裏部屋に取り残されたセーラ。独り、ユメの残り火をすくいあげてみる。

_| ̄|○…ブツブツ…「炉は赤々と燃えていることにする…テーブルの上には…温かい、温かい、食事。美しい柔らかいベッド…触り心地のよいクッション…それから…それから…」
もう、眠りましょう…
眠ってしまえば…お腹がすいていることも、気にならないわ…ねえ、エミリー?

お人形を抱いて眠りにつくセーラ。
。・゜・(ノД`)・゜・。

妄想をこれでもかと華やかに盛りに盛り、バターン!!で落とす、オーソドックスとわかっていても、徹底してやられると清々しく逆に快感。ミンチン院長…。ミンチンて名前も怖い。 {/netabare}



*お人形をおよこし、のお話
{netabare} ある夜、途中から見たセーラは
どうも例のワガママお嬢様に
(¬_¬)「アンタの人形をよこしなさいよ。その人形、召使いにはもったいないわよ。アタイがかわいがってやんよ。」
と、カツアゲされそうになっていた。

このお人形、セーラにとって大切なパパママとの思い出。つらいとき、部屋に戻って誰にも言えない気持ちを打ち明けられる、たったひとりの家族。ジュモーのビスクドールだから高価でもある。

どうするの、セーラ。
メイド仲間にも心配され、しかし、人形を抱いて部屋から出るセーラ。
きゅっと結んだ口、沈んだ瞳、小さく固い背中。思いつめた表情で、ドアを開ける。
(´-`)
お人形をしっかりと、赤子のように抱きしめて廊下を進む。
階段を一段一段、降りる。

どこへ行くの?セーラ。
考え込んでいる。考えがあるの?
誰かに預けるとか…
隠すとか…
売ってしまうとか…
わーたしの かーわいい にーんぎょお〜♪
十二国記の祥瓊さんの歌声が頭の中で回るよ。

踊り場で、外を見やると、学院の少女たちが遊んでいる。
中心にいるのは、例のお嬢様。
でっかい車輪の自転車にまたがって、取り巻きにブイブイ言っている。じぃっと見下ろすセーラ。
(´-`)
なに考えてるの。

再び足を進めるセーラ。
お人形と一緒に体を固くしたまま、外へ出てきた。
めざとく目をつりあげるお嬢様。
o(`ω´ )o「あ〜ら、ついにソレをあたくしに渡す気になったってわけね。いいわよ。もらってあげるわよ。」≡3≡3
うつむいたまま、何も言わないセーラ。
(´-`)
イラつくお嬢様、お人形を取り上げる。o(`ω´ )o高々と、戦利品を手に。
まだ何も言わないセーラ。
(´-`)

その時、少女たちの中から、セーラを「ママ」と慕うちびっ子が猛烈な勢いで駆け寄って来る。

∑(゚Д゚)「ダメよーーーっ!!その子はセーラママの、たいせつなおともだちよぉーー!!」

o(`ω´ )o「なによアンタ。うるっさいわね。セーラがあたくしにどうしてもって、言ってるのよ?」

騒ぎに振り返る少女たち。

その中から、おとなしいセーラの親友も、勇気を出して身を乗り出した。

(´・Д・)」「うそよ!そんなはずないわ。セーラにとって、たったひとつの宝物のはずよ。それを取り上げるなんて、ひどいじゃないの!!やめなさいよ!!セーラに返してあげて!ひどいことしないで!!」

o(`ω´ )o「なっ…雑魚が…あんた、あたしにそんなこと言って、ただで済むと思ってんの…」


しかし、遠まきに聞いていた少女たちから、さざめきのように同調の声が上がり出していた。
「そうよそうよ!かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ

ウッ…Σ( ̄。 ̄;ノ)ノ
かわいそコールに、さすがにたじたじのお嬢様。うつむくセーラの前にちびっ子がかばい、お嬢様が人形を高くあげ、親友が止め、もう決定的に悪役の構図。

小公女「プリンセス」セーラ、大勢の目の前でこれを繰り広げたのがポイントね。民意を試して沙汰を待ったのか!!
公共の場でなければ、この結果にはならなかったはず。
すごいよ、セーラ…。

(`_´)ゞ「な、なによ!!こんなキッタナイ人形、そもそもそんなに欲しくなかったわよ!フンッ!!かえせばいーんでしょかえせば。ホラッ!」
ポイッと投げられた人形…ビスクドールだから割れちゃうよ〜(゚o゚;;

セーラとちびっ子がナイスキャッチ、最悪の事態は避けられた。

ササーっと逃げるお嬢様
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
追いかける数名の取り巻きヽ(´o`;ヽ(´o`;

ここで面白いのが、
「よかったねー」ってセーラに抱きついているちびっ子や親友の暖かいゾーンを、ゾロゾロと通り過ぎて院へと戻る、その他の小女たち。
もう何事もなかったかのように、別の談笑をしながら、セーラたちを気にもとめない。
民意のとりとめのなさを表しているのか、妙な真実味のある光景だった。

うん、途中からみてもこんなに面白いんですよ!
起承転結と間がとても劇的でわかりやすいし。 {/netabare}



*セーラも私も泣けた(ノ_<)のお話

{netabare} 第35話

嵐で屋根裏部屋の窓の掛け金が壊れ、枯葉と雨水の入り込んでくる中、濡れた床をふくセーラ。バタンバタンバタンバタン開く窓を、もう閉めることもせず、雨が降り注ぐ中、床を拭き続けるセーラ。どこか行動がおかしいような。大丈夫なの?服が濡れ、傍らのベッドも毛布もビショビショ。悪い夢みたい。
メイド仲間が「おはようございます」と入って来て、惨状に驚く。
朝なのコレ?寝てないのでは…セーラ。

しかも(´-`)「寒気がするの」
なのに働かなくてはならない。ゾッとする。

学院の外に石炭運びの馬車が止まって、業者の人が道路より地下になっている勝手口付近の通路に樋のようなものを下ろす。もう一本樋を下ろして継ぎ足す。これを滑り台のようにして、道路からガラガラ〜〜と石炭を流し込んでお届けする。「ほほー、そうやって運ぶのか!」と面白く見ていたのも束の間。
(゚Д゚)「早くしねぇと石炭がぬれちまうぞ!」調理場のコックが山盛りの石炭にスコップ投げて去る。
学院の石炭置き場へと、バケツとスコップで手動で運ぶのは、セーラひとりの仕事…斜めの雨風が吹きすさぶ中。
石炭なんかもう濡らしときなよ。板でも上に置いとくとか。風邪で雨なんだし休ませなよ。子供だぞ。

石炭で学院のストーブに火を入れておくように言われたセーラ。
少しは濡れそぼった身体を暖められるかな…?
心地よい炎を前に、猫とともにウトウトするセーラ…(_ _).。o○
悪いことに、このお部屋は意地悪お嬢様のお部屋。
案の定、やってきたよ奴さん。いつものお供を連れて。
眠りこけているセーラをみて(−_−#)
セーラが寄りかかっているバケツを力一杯蹴り上げる。衝撃に驚いて目を覚ましフラフラ謝るセーラを、罵倒しだす。
お嬢様よ…暖房つけるくらいの季節なのになんでひとりだけ半袖なんだよ!小学生か!「ママに買ってもらったパリ仕立ての新作」だとか。そしてコレが、今回のワンポイント☆アンラッキーアイテム☆

セーラと寝ていた猫にまで、お嬢様たちの虐待の手が伸びる。(ノ_<)ひどすぎる。追いかけ回しているうちに…猫の蹴り上げたインク壺がお嬢様にビシリ。
(♯`∧´)「〜〜〜!?セーラ‼あんたのせいよ‼」
さすがのセーラも(; ̄ェ ̄)みたいな顔でとばっちりを受け止める。「シミ抜いとけよコラ!元通りにしないと、許さないんだから!」とまたご無体な。え〜〜。インクシミって消しにくいよね…(´・_・`)

横風の雨の中、カゴをもって買い出しに出るセーラ。傘が役に立たない。また服も身体も濡れていく…歩きにくい。嵐だよ。そんな日は家にいたらいいんだよ。体調悪いんだし。みんな残り物でも食べてしのげばいいんだよ。
案の定、市場すらお休みで途方に暮れるセーラ。屋根のある商店街の通りに入って行くと…

(抗えない天候の激しさと身体的なキツさ辛さが伝わって来て、見ていてセーラの今までで一番つらかったよ。うう、自然と涙がでた…なんでこんなんで泣いてんだろ私(/ _ ; )
心理的な意地悪より、空腹ネタよりもくるのはなんでだろう。)

しかしここで今回のアンラッキーアイテムが★ラッキーアイテム★に変わる出来事があったんだ。そこでセーラは、つらさをつらいままに涙を流すことができている。学院で涙を見せた事はないのに。

裕福だった頃、お父様と買い物に入った洋服店。ショーウィンドウにうつるセーラの姿は、今や襟も裾もほつれ、着どおしの汚れた質素な服になってしまっているけれど…。
店のご主人は、セーラのことを覚えていた。セーラの様子を見ると、邪険にすることなく
(´・ω・`)「一口では言えない事が、起こったようですね?」
気をほぐすような優しい声かけ。
セーラが身なりを顧みず入って来た訳を…「お友達」の服の染み抜きについて相談すると、
(^ω^)「大丈夫、わたしが直してさしあげますよ」。安心して涙が流れるセーラ。(;_;)
やがて曇りなくきれいに直された服。(^ω^)「これで、文句なんか言われやしませんよ?」
状況を察し、これまでの事情を聞かれ、心配してくれる紳士を前にさらに涙が止まらないセーラ( i _ i )ドドドド

しかし院に戻らねばならないセーラ。紳士は直した服を丁寧に油紙で包み、せめて十字を切りながら小さな背中を見送ることしかできないのであった…。


戻った先ではお嬢様によるミンチン先生への告げ口。
( ̄Д ̄)ノ「セーラさんがぁ、ワタシに嫉妬してインクを投げつけたんですぅ。それで染み抜きさせて欲しいって、言い出したんですぅ。」
W(`0`)W…ワナワナ… ←ミンチン院長

「たっぷりお仕置きしておやんなさい!!」といつものセリフを吐きかけられ、下女に調理場へ投げ込まれるが…体調の悪かったセーラ、もう腰が立たない。ついに倒れる…? {/netabare}
つづく


*セーラ流魔法の受け取り方。セーラの秘密を暴け!のお話
{netabare}第38話
ややあって隣人からの「魔法」の差し入れが始まる。
35話から病に倒れ、生死の境をさまよった間、姿の見えない「屋根裏の少女」を隣のお屋敷の主人と召使いたちが気にかけていたのだ。そして密かに贈り物をすることに。夜明け前が一番暗かったのだ。
いまや、夜半に疲れ果てた少女達が屋根裏部屋へ帰ると、暖かくしつらえられた食卓が待っており、美しいマクラや毛布も用意してあるのだ。空腹の時にセーラが夢想したみたいに。
(背景素材の都合上なのか、食後の皿の上のチキンが毎回ぜんぜん減っていないのが気になる…いじきたないアタイであった。)
これが朝になると仕事にでている間に、お隣の有能なインド人ハウスキーパー達がテキパキお片付けしておいてくれる。おかげで昼間のミンチン院長の抜き打ち検査にも【魔法 : 非検出】で事なきを得た。

魔法に慣れたようなセーラと、まだソワソワ感が止まらないメイド仲間。
(≧∇≦)「ああ〜、私達がこんなにありがたがっていることを、魔法使いさんにお伝えしたいですぅっ!!」
と興奮やまないメイド仲間に対し
(^ν^)「大丈夫よ。私達がどれだけ感謝しているかは、きっとわかってくれているはずよ。だってそれが魔法使いさんですもの?」
さすが、プリンセスセーラ。与えられた幸運を享受する時も優雅に動じない。

しかし滲み出る幸せオーラ。「あの娘なんだか綺麗になったみたい。恋してる…?!」的な鋭さで、セーラの異常を感知する院の魔物たち。

(¬_¬)( ̄3 ̄)「いやに血色がいい。きっと盗み食いでもしてるんだよ」と残り物チェックをする下女とコック。

(*`へ´*)「あんなに顔色がよく元気だなんて、おかしい。」
と訝しむミンチン院長…子供がはつらつとしてたら怪しむ学院って、教育機関として相当終わっています。

どこまでもセーラの屈強な面の皮を引っぺがしたいと夢欲する鬼どもの追っ手は止まらない。
プリンセスセーラ。アイドルとは人に夢を魅せるもの。汚れた奴らの見たい歪んだ夢すら映してしまうのか…。
いじめられても、(´-`)「はい、ミンチン先生」(´-`)「おはようございます、○○さん」(´-`)「わかりました。○○さん」と、爽やかな挨拶の後ろに名前をつけることを忘れないねセーラは。コレちょっとイライラする。

しかしついに、魔法発動中の夜間のガサイレが入ってしまうのだ…
魔法が暴かれた時も、食卓でセーラお得意の「こんな時こそ余裕で夢想享受」が披露されていた。ナプキンとフォークで人形を作ってダンスさせ( ´ ▽ ` )ノ「ランランランランランラーン♪」
そこへバターン!悪鬼どもの蹂躙…

メイド仲間の土下座も虚しく(´Д` )
ミンチン院長は(◎_◎;)「オトコ(街の少年ピーターのこと)に盗みをさせて貢がせたんですね!」とあさってな勘違いにワナワナ震え、
コックはしつらえを横取りに片しながらご馳走の匂いを(@ ̄ρ ̄@)クンカクンカ嗅ぎ、
下女は(♯`∧´)(´-`)セーラを引っつかんで馬小屋へ連れて行く。

こうしてセーラの馬小屋生活が幕を開けた…(´-`){/netabare}


*馬小屋生活始まる、のお話
{netabare}
ここは小公女だった時代に、セーラのお馬さんが繋がれてた小屋。今はからっぽの、藁だけが残る隙間風ふく小屋。そこに主人が暮らすとは。そしてその事をいじわるお嬢様にグリグリいじられる。本当に十二国記の姫様並にトコトンいくよどこまでも。
そして、一番暗い夜が明けたあともまだ次が。甘ーいもの食べさせた後でしょっぱいのがくるよ〜。
展開が早くて激しいので、文章にしても何だか伝わらない。こんないかがわしいまとめよりも観ていただきたいものだ。

学院でハロウィンパーティが開かれる。アメリア先生が子供達と色んな遊びをするんですが、この様子が楽しい。遊びの中で一手間かけてまでセーラを陥れようと頑張ってた、いじわるお嬢様( *`ω´)。しかしちょっとしたラッキーがセーラのもとへ。あらっ(^ν^)☆彡って感じに対して、キリキリキリ…( *`ω´)
アメリア先生は生徒達にも自然に親しまれてるし、この前の話あたりでセーラに申し訳ない心中を吐露してたし、妹さんのポスト院長色がひたひた濃くなってますぜ、ミンチン姉さん。そうとは知らなミンチン先生は基本コドモキライなので自室でくつろいでいた。( ´Д`)y旦~~

やがて夜が更け、パーティ気分が終わらない少女たちのちょっとしたイタズラが、馬小屋で火をおこしてしまう。燃え上がる小屋の中で人形を抱いて立ちすくむセーラ。
助かったものの、勿論とばっちりはセーラに…。

\(♯`Д´)/=3=3=3「おまえという子は…!身よりも家もないおまえを親切心からここへ置いてやったものをつけあがって…」云々のミンチン先生のお小言に、今回ばかりは毅然として言い切るセーラがいた。
(´-`)「ミンチン先生は、私に親切だったことはありません。そして、私はこの学院を家だと思ったことはありません。」
ミン(;゜0゜)チーン
「ンナッ、おまっ……でておいきー!!」 {/netabare}


*逆転倍返しはじまる、のお話
{netabare} すんなり意に従い出て行く訳ですが、ここから見ていられないのはセーラよりもミンチン先生。
出て行ったセーラを、(本当は心配なのか?院の評判が落ちるのを懸念しただけなのか?)呼び戻すよう妹に言いつけたり。
セーラに贈り物が届いたことで、実は金持ちのパトロンが居るのでは?という臆測に今度はすがりついて、o(;`ω´ )o「セーラさんっ」と丁寧に呼び出したり。
セーラの姿が見えずお隣へ行ったと聞いたときのムカッ腹から、学院にいる猫を生徒達の目の前で足で蹴り上げたり。(>_<)

そしてやっと、「おお、この子だ!」の回。隣の屋敷の主人が探していた「友人のダイヤモンド鉱山の遺産を相続する娘」が実はセーラだと判明した時の、ミンチン先生の脱力錯乱ぶりはもう穏やかじゃないね。
((((;゚Д゚)))))))は…はわ…はわわわ…っ
胸にダイヤモンドを飾り、厳かに階段上に登場した小公女セーラに、
( ゚д゚)「セーラ…さん…」
(´-`)「はい、ミンチン先生。」
膝叩いちゃうね。こんな時までセーラは丁寧な応答+名前呼びの「はい、○○さん」徹底してる。むしろこの時のためだったのかとさえ。

昔のモノクロ映画だったらここで失意の先生はミンチン学院じゃないナントカ院にドナドナ送られちゃうんじゃないのかという不穏さが漂う。妹アメリアから鬱屈されていた怒りにまかせて責められるだけで済んだのだけども、子供むけアニメにしてはかなり怖いと思う。しかしそれだけの事はしてきた、ミンチン院長。それだけの事を面白く見てきた私も、彼女が腰も立たず雪の中這いずって院に戻る姿を見届けるしかない。 {/netabare}


*最終話 小公女ラビニアに関する考察
{netabare}
いじわるお嬢様ラビニアとの握手が見もの。
セーラとお隣のご主人が弁護士を連れて学院へ乗り込んでくる。
意気消沈していた院長、更に訴えられるのかとガタガタ震えながら((((;゚Д゚)))))))出迎える。
一体何事かと見守る少女らに、ラビニアが( *`ω´)「たぶんこの院を買占めにやってきたのよ。ありあまるダイヤモンドで復讐のために、ね?」
こんな混乱も面白くてたまらないって端的な口調。

やがて学院への寄付にミンチン院長の声色は高く弾んで復活。セーラは懇意にしていたメイド仲間を自分に召し上げるとも公表し、涙の再会。
これを見守るラビニアの瞳がどこか寂しそうに見える。
小公女復帰を祝う少女たちに取り巻かれるセーラを、真っ直ぐな瞳でぐっと遠巻きに見守るラビニア。
鋭く小賢しく若々しい顔つき、シュッと通ったまつげ。見ていると似顔絵描きたくなる。嫌な子なのに、なんとも美しいんですよね。よく「性格の悪さは顔に出る」っていうけど…どこか魅力があるのは何ででしょう。ミンチンにはない、高い気位があり、劇的な面白さ(残酷であっても)を見抜く貪欲なところがあるからでしょうか。物事や人間同士の表面のみは見ていない。
胸の握り拳にどんな感情を押し殺したのか、やがてセーラへと踏み出し、友情締結を申し出る。

( ̄+ー ̄)「おめでとうセーラ。私、あなたさえよければ仲良しになってもよくってよ?」
(´-`)「ありがとう。私、本当を言うと、この学院にきたときから、あなたと仲良しになりたいと思っていたのよ。」←この子本心よーめーなーいーわー~_~;

この時ラビニアが何を飲み込んだのかは謎だけど、セーラの幸運大逆転の姿を見て「今はこれはセーラのターンだ」と悟ったのかもしれない。これまで何度か、好機はお互いの間を行ったり来たりしてきた。人生なんてこの先知れないのは誰も同じ。「だとしたら今は私は私の役を演じ切る。ミンチン先生のような醜態を晒したりしない!ぶれない!」という決意で踏み出したのかもしれない。オープニングで唄われる「胸の奥にこの花あるかぎり」の花の矜持は、ラビニアの中にも咲いていた…のかも?!

やがてセーラはインドへ、このお嬢様もアメリカへ旅立つことになる。
( *`ω´)「もう二度と会えないわね。」
(´-`)「きっといつかまた、会えるわ?」
( *`ω´)「フフン。何十年後かには会えるかもね…その頃あなたはダイヤモンドプリンセスからダイヤモンドクィーンになっているんでしょうけど?そしたら私は…、アメリカ大統領夫人になっているかもしれないわよ!」
同じ土俵では戦えなくなるけれど、この娘が私のライヴァルであることには変わらない。セーラが掴み取った幸せと競いあえるくらい、自分もきっと輝いてみせる、そういう「面白くなってきたわ。」っていう諦めの悪さがお嬢様の心の中では根強く育っていて、それを育てたのは、天性もあるだろうけど、打っても打ってもちっとも懲りた顔を見せなかったセーラのおかげではないかな。うらやましい、この2人の懲りなさ。もー自分、競うとか耐えるとかあらゆる面において面倒に生きてるので、どんな土俵にもチンとしとられんのでうらやましい。
セーラの言うとおり、お互い影響を与えあえる(セーラは影響受け取ってるのか微妙だが)関係になれるのかもしれない。

ミンチン先生は反面教師過ぎたね。ミンチンの中には花は咲いていなかったのだろうか。かつては咲いていたけれど、いつの間にかなくなっていたのだろうか。あんな大人になりたくないって、子供たち皆心に刻んだことでしょう。妹さんがいいアドバイス訳として腕を振るうようになるのかな。 {/netabare}

あなたの心の中に花は咲いていますか?

(¬_¬)( ̄3 ̄) (´・Д・)」(♯`∧´) ( *`ω´)(´-`)(´・_・`)
悪ノリな長文に、お付き合いいただきありがとうございました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ハッピーエンドの最高峰。

この作品はレンタルで観ました。(遥か昔)
まあ原作からして有名ですからねぇ。(でも読んでなかったりして)

簡単に言うとどえらいイイとこのお嬢様がある日突然、家族の消息が
わからなくなり、お金も無くなりで学園(住み込み)の生徒から
使用人へドーンと落ちる訳です。

そんでもって生徒には仲間がいるものの(いじわる娘もね)
学園長や他の使用人からこれでもかっていう位つらい目にあわされる
ことになるんです。

毎話こういうの観る訳ですからそりゃあつらいです。
でも観はじめちゃったもんだから止める訳にもいかない。

なんとか最後に幸せになってもらいたい。

そんな思いでレンタルのVHSを観ていたんですが、なんと!その店の
最後の巻、最後の1つ前じゃん!!

いやあ、何件他のレンタル店まわったことか、、、、、
当時はまだツタヤ無いし、今ほど店舗無かったですからねぇ。
インターネット?何それ?っていう時代。
一週間かけてあっちこっち探し回ったんですわ。
そんでぇ、5件目位だったと思う。
 
「あったぁ!!!!!」

なんかその時にもう泣いてた気がする。

ええ、もちろん最終話、感動のエンディングでしたよ。
(涙腺崩壊しまくり)


という訳で、レビューと言うより思い出話になってしまいました。
すいません。

自信もって言える良い作品です。(とくにお子様にはオススメ!)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

52.7 17 イジメアニメランキング17位
いじめ 〜いけにえの教室〜(OAD)

2012年2月3日
★★★☆☆ 2.9 (32)
64人が棚に入れました
2012年『ちゃお』3月号・付録DVD「ちゃおちゃおTV!」に収録された。

私立星華女子学園に通う古城世良は、大会社の社長である父親の多額の寄付を背景に、生徒も先生も逆らえない女王様気取りで、ちょっと気に入らないだけで他の生徒を「生贄」と称し、全校生徒を巻き込む集団いじめを行っていた。

後輩の君島文香へのいじめを楽しんでいる最中に父親の会社が倒産したことで立場が一転。

世良はそれまでの恨みを全校生徒から買う形でいじめる側からいじめられる側へと転落してしまう。

てけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

内容ではなく存在が問題提起になっている気がする

YouTubeで公開されているアニメ。12分ほど。

学校の女王様に目をつけられた生徒がいじめられる。
しかし、その女王様はある事情で立場が変わり、いじめられる側になる。
最初にいじめられていた生徒は……。


作品そのものは低年齢層向け。

いじめが発生する場合、人物関係は、

①いじめの中心人物
②いじめを面白がる人
③見て見ぬふりをする人
④いじめの被害者(の味方)

と分けられます。

周囲の人物は、一般的には成長とともに②→③と基本スタンスが移行していきます。
しかし、この作品では大多数が②に属していています。

また、いじめの動機・形態がリアルとは言えません。
現実の類型を気にせず、「いじめのイメージ」を描いています。
経験や知識に訴えるのではなく、雰囲気に訴えているというわけです。

なので、よっぽど幼くなければ、作品から直接学ぶことは何もないでしょう。
この内容で登場人物が中学3年というのはあんまりです。
ましてや、その歳でアニメから教訓を受けるようでは遅すぎます。


ただ、ざっくりして短いがゆえに、意識が作品の外に向きやすくなります。
また、上記の①~④と立場の移行はフォローされています。
そのおかげで、「こういういじめ、こういうシチュエーションについてどう思うか」ではなく、
「いじめそのもの、そして立場についてどう思うか」という根本的な問いに結びつきやすいと思います。


突っ込みどころの多さで話題になった側面もあるかもしれません。
しかし、100万再生を超える、多くの人の目に止まっています。
宣伝文にある問題提起の役割は果たせているのではないでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

いじめについて、考える。

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
昔、あにこれでこのアニメのレビューを書くのが、局地的に流行ったんですよね。

んで私も、あにこれで仲良くして頂いている(と私が勝手ながら思っている)方々がレビューしてたんで、続きたいな~と思って、視聴しました。

「いじめがダメだ」ということは大前提ながら、そこにどういう思いがあるか。今でもレビューを覗けば、各レビュアーさんの考えが見られると思いますよ。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず私が言いたいのは、「今の子供達は、ここまでバカでもないし、タチが悪くもない」ということです。

このような事案が0だとは言いません。もっと酷いこともあるでしょう。でも、それは本当に一部のことであり、総体として、今の子供達が昔の子供に達に比べ、明らかに人間性が低いとは思ってほしくないです。私感ですが、いじめは昔の方が酷かったように思います(本当に私感です)。

今は、いじめが多いんですか? 酷いんですか?

これは、少年犯罪にも言えます。今の子供達がダメ? 本当にそうですか? それは、マスコミに作られたイメージではないですか? 懐古主義ではないですか? 警視庁の統計を見ると、少年犯罪の件数は勿論、犯罪率も基本的には過去から右肩下がりです。

高度経済成長期の日本はどうだったのでしょうか。ゴミは捨てっぱなし、川の水は汚い、街角で殴り合いの喧嘩はする……例えばそんなこともあったのではないでしょうか。私、個人の見解ですが、日本人の「モラル」は、特に子供世代においては、むしろ高まってきているんじゃないかと思います。

また、本作では、教師が超無能に描かれています。

本当に今の先生が無能かと言えば、正直、疑問です。生徒は勿論、先生方(学校)も頑張っていると思っています。確かにダメな教師もいます。でも、この国の教育は先生方の献身と良心で成り立っている部分もあるように思うのです。

OECDの調査でも、日本の教員は世界の教員の中でぶっちぎりで一番働いていることは明白になっています。給料も特段に高いわけではありません。学力に関しては、GDPにおける公的教育費の割合と学力は基本的に比例していますが、日本だけが異質。日本のGDPに占める公的教育費の支出額の割合は3.2%と、OECD加盟国で最下位(2014年)なのに、学力は大体ベスト10以内で頑張っているのが日本の教育です(とはいえ、このような劣悪な環境で、しかも世間から尊敬されず、アニメでまでバカにされるような魅力のなさでは、よい人材が集まらず、先生の質は下がっていくでしょうね。学力世界一のフィンランドは、博士号をとらないと先生になれず、給料や待遇もよく、子供がなりたい職業1位が教師らしいです)。

このアニメは、現代の子供たちや教師の悪い部分や一部の例を、これでもかと誇張して描いているアニメに感じるんですよね。

と、なんか、ちょっといじめの描写が極端で、(私は基本的に、近頃の若者は的な考え方には反感をいだきがちで)やるせない気持ちになったので、感情的になってしまいました(苦笑)

とはいえ、教育アニメとして、一定の役割はあろうかと思います。ただ、そのメッセージのひとつが「あなたも誰かをいじめたら、いじめ返されるかもよ」では、ちょっと寂しい(決して教育的ではない)。まあ、痛烈ではありますが。

このアニメがうすら怖くて、胸くそ悪くなることには激しく同意なので、このアニメをみて、一人でもいじめに対しての嫌悪や恐怖を抱き、ひとつでもいじめがなくなることを切に願います。

あと、学校現場から、表面的にでもいじめがなくなるためには、以下の言葉が指針となると思います。

『いじめを無くすには、いじめ、という軽い言葉をなくせば良いと思う。いじめ、ではなく、「暴行」「虐待」「恐喝」「殺人」という言葉を使う。いじめは立派な犯罪なのだから、いじめっ子は犯罪者と言う。犯罪という言葉を使い、罪の意識を重くすれば、いじめは減ると思う。』

by 美輪明宏

……激しく同意ですな。さらに言えば、もしいじめられたら、とっとと被害届出して、警察が動く仕組みにすれば良いと思います。「いじめをしない人間に育てる」のは教育の役割ですが、「行ったこと(いじめ)に責任をとらせる」のは司法の役割です。

もしいじめで自ら命を断ってしまうくらいなら、警察の力や裁判所の力を借り、いじめっ子の人生に痛恨の一撃を加えてやればいい。遺書でリベンジなんかしなくても、十分に勝てる。今はボイスレコーダーでも隠しカメラでも何でもある。したたかに証拠を集め、出るとこ出てやればいい。

(私はあまり思わないが)もし、いじめっ子の将来まで考えたい(前科をつけたくない)なら、義務教育の間は親に責任をとらせても良い(罰金とか)。いじめを助長、隠蔽する動きがあるなら、教師や学校を訴えても良い。

勿論、いじめられている子どもが精神的に追い詰められ、そんなことが思い付けない情況もわかる。だから、親でも教師でも、周りの大人が遠慮なく訴える。また、訴えるぞと警告できる。訴えがあったら事件性の有無に関わらず警察が動いてくれる。そういうシステムを、雰囲気づくりを、国が率先して行えばやってやれないことではない。学校現場に警察が介入することをタブー視する、教師の努力放棄だとする論調を捨て、むしろ英断だと評価する世論があれば良い。

勿論、それがいきすぎれば、「弱者の強迫」や「国家統制」など、別種の問題を引き起こすかもしれない。でも、いじめによって心に深い傷を受けたり、命を失ってしまうことを考えれば、まだマシかと思う。

そのぐらい、私はいじめが嫌いです。まあ、過激な意見なので、賛否はあるだろうけれど。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 24
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いじめおとぎ話

本編12分くらい、いじめをテーマに据えたアニメ。YouTubeにて公式動画が無料で公開中です。

原作は五十嵐かおるさんの漫画。「ちゃおデラックス」および「ちゃお」にて不定期掲載している様です。

コミックスは既刊13巻(2016年10月現在)。以下にリストを載せておきます。(サブタイトルのみ記載)
{netabare}
1.ひとりぼっちの戦い
2.生き地獄からの脱出
3.見えない悪意
4.勇気をください
5.静かな監獄
6.叶わない望み
7.凍りついた教室
8.光と影
9.タカラサガシ
10.いびつな心
11.かりそめの教室
12.心の傷跡
13.願い叶う日まで
{/netabare}

設定や描写をそのまま受け止めると、現実味が感じられなかったり、悪くすると荒唐無稽と取られかねなかったりする物語ですが、昔話やおとぎ話の様なファンタジーとして受け止めれば、じわじわと心に這い寄る寓話性を見出せる事と思います。

作中のいじめ描写は表面的なものに限られていますが、現実のいじめがこれよりも酷いものなのか否かは私には判断しかねます。人の心を痛めつける類の陰険ないじめはあるし、暴力のレベルについても、このアニメで描かれているよりも、もっと酷いものもありますから‥。ただ、それによって受ける苦しみは当事者でなければ知りようも無い事ですので、どちらがどれだけ酷いという事など、第三者が口にして良いものではないと私は考えます。キャラの心理描写についても表情や台詞に篭った情感などから判断するしかないので、この様な描き方も含めて、本作品が寓話的あるいは暗喩的作品となっていると言えるのでは無いでしょうか?

登場人物の名前も古城世良とか‥殆どそのままだけど"小公女セーラ"をもじっているものと思われ、設定も学園の女王としてちやほやされていた立場からの、父親の会社の倒産、転落という流れがそっくりで、例え話としての印象を強めます。(原作では投資の失敗ですけど)

「小公女」に登場する主人公のセーラはお嬢様ですが、終始良い子なので、本作中の世良との人物描写に共通点はありません。ですが、ちょっと視点を外して、同じ物語に登場する、取り巻きの二人の少女を引き連れた、イジワル少女ラヴィニアに目を向けると、何でも持っているセーラを嫉み、その友人のアーメンガードとメイドのベッキーを蔑む姿が、本作の悪役である古城世良と重ならないでもないのです。なれば、最初のいじめられっ子の文香は零落したセーラ、あるいは最初から弱い立場にあったアーメンガードかメイドのベッキーという事になります。

モチーフとなった物語の話はともかく、傍観者役である文香の友人のエミというキャラは古典的な物語の範疇では珍しい立場のキャラであり、それだけに私には、作者の五十嵐さんが、このキャラにこそ多くの注意を注いで欲しいと願っている様に感ぜられました。

友人同士が結束して困難に立ち向かう姿は美しいものとして描かれる事が多いものですが、これは転じて加害者側の立場に変わり、醜くもなりかねない危うさも秘めています。この作品ではその両方が描かれている様に見受けられました。そしてそれを担うのはもちろん、私たち視聴者の分身、エミなのです。

一つ例えを用いれば、自分の家族や友人が他者から何らかの攻撃(言葉とか暴力)を受けたとします。その時無条件で庇いたくなるのが人情というものですが、事情も知らずに身内に加勢する場合、間違いを冒す危険も少なからず生じます。もしかしたら、自分の贔屓にしている家族や友人の方が悪くて、争いの原因を作ったという可能性もあり得るからです。

もう一つ例えを出すと、子供同士の喧嘩があった場合、どんな親でも自分の子供を擁護したい気持ちになるものですが、なるべくなら(出来れば徹底して)喧嘩の原因を問いただして、事情を知ってから、どちらかか、両者に謝らせるべきでしょう。もし自分の子供に非がある場合には、親としては苦渋の決断となりますが、公正さを子供に見せる為には必要な教育だと思います。

踏まえ、人を守るという事は尊い行為である一方で、人を責める危険を多く含んでいるという事を、傍観者の立場にいる者は常に意識すべきだと思います。このアニメを見て今更ながらそれを痛感させられました。

好きな人を守りたい。そんな感情は誰しも持ち合わせているものですが、それはその人の事を深く知った上で初めて輝きを持つ言葉です。一方で、力に迎合する時、弱者を守る時、敵を見る時、人の魅力に心奪われる時、私たちの心はひどく曇ります。そんな時にこそ、私たちはいじめの加害者になるのではないでしょうか?

私も学生時代にいじめを受けた事があります。いじめを受けている、あるいは受けていた人に対する慰めになるかは分かりませんが、遠い日のいじめの記憶など、大人の私にとってはもう昔話。いい思い出とは言えずとも、すでに苦痛は無く、むしろ自分の血肉になっているという感謝すら覚えます。今いじめに遭って苦しんでいる人の上にも、いつかはそんな風に思える日がやって来る事を願ってやみません。

耐える事、考える事、憎悪する事、悲観する事、抵抗する事、心を殺す事。偉そうな事‥(コレ違う)を言っておきながら、実際の所は軟弱者で感傷的なブリキ男を名乗る私が言うのもなんですが、こういった事は必ず皆さんの将来の糧になります。

心を折らず挫けず、逃げる時は逃げ、戦う時は戦う、そうして死ななければ人生は大勝利です。強くあろうとする必要は無いし、勝つ必要も無い。のらりくらり飄々と、水の様に変幻自在に生きていけば、それがその人にしか体験し得ない貴重な人生の一部となっているはず‥。

楽観や諦めを否定的な感情と捉えずに、むしろ盛んに肯定して、ねこの様にしなやかに、ねずみの様にしぶとく生きていけば、きっと楽しい事だっていくらかあるはず‥いつかは自分にしか出来ない事だって見つかるはず‥。それはとってもうれしい事だと私は思います。

願わくば、いじめを受けている者たちに祝福を、虐げられている者たちに幸あれ!



って説得力ないですね‥わたし、叩けば凹むブリキ男だし‥(笑)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20
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