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「秒速5センチメートル(アニメ映画)」

総合得点
87.0
感想・評価
3987
棚に入れた
18428
ランキング
171
★★★★☆ 3.9 (3987)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.1
キャラ
3.6

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秒速5センチメートルの感想・評価はどうでしたか?

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

壁画と空白。

 初見から三年ほど経って、本作への感情の微熱もだいぶ冷めてきたので、全文改正をしてみました。前よりはいろいろ見えてきた、というのもあります。前回のレビューは底の方に隠しています(隠すのやめました、恥ずかしいし)。人は変遷を続けるのに、作品は変わらずそこにあるので、改めてみると、なんか大人になったなという気がします。初めて見たときは感情の拒絶反応が出ましたから。それはおいおい別題で書くとして、散文はここまで。…結局、散文的になったか…。


*監督の狙い。…構想の考察。

 新海誠監督は、自分の作品に一貫するテーマが「喪失」だと言っていますが、その「なくなった」という喪失の光景の前後には、「何かがあった」「なくなったのでまたつくっていこう(生きよう)」が用意されています。一話が、「何かがあった」。二話が「でも、なくなった」。三話が「…なくなったのでまたつくっていこう」と単純に三分割してみました。本作は話しが終わる毎に、次の話に見る側が心を引かれるようになっています。そうして映像にあやかった心が導かれるのは三話です、つまり結論は喪失の後にある心の回復、「秒速五センチメートル」は「回復」の物語です。
 主人公の貴樹は、何を喪失し、何を回復するのか。まず「明里との恋愛」は回復されません、回復されない、それなのに貴樹には救いがある、その点から見て、大切なところが恋愛だけではないことが見て取れます。恋愛は、「秒速」においては象徴的出来事であり、しかし大切な核ではない、それ”だけ”ではないんです。三話で会社を辞めた理由を、「かつての思いが失われていることに気がついて」と貴樹は独白しますが、失っているのは「恋」よりそれ以前にある「純粋さ」です。ただ恋を喪失するのではなく、純粋を喪失してその中で恋まで失うのです。
 年少に見られるような純粋の喪失については、詩で言うと谷川俊太郎の「かなしみ」とか、洋文で言えばカポーティの「遠い声遠い部屋」が私は思い出されます。カポーティについてですが、彼の著作本が劇中に意味ありげにわざわざ描写されています。本作三話の「山崎まさよし+パラパラ」のなかで、高校時代?の明里が駅のプラットフォームで持っているのですが、文庫版の「草と竪琴」という本です。「草の竪琴」は「遠い声遠い部屋」から続く二作目であり、少年から青年への移行期にある主人公の不安を自伝的に活写したものです。監督は、これをオマージュしようとしたのではないか、と考えています。つまり、移行期に失われた純粋の欠乏感と、その回復を。
 一話の各所に、年少期によく見られるような純粋さを表すシーンがあります。たとえば導入にある「桜の花の落ちるスピードってさ」「ひと晩で三十億年分読んじゃった」「アノマロカリス!」などです。それが純粋さの記憶として三話のラストあたりで回帰します。
 かつての明里との恋は貴樹にとって、世俗を離れた、「あの頃の純粋さ」を象徴的に示す出来事でした。あくまで「明里という少女の記憶」=「純粋の象徴」なのです。
 三話で貴樹が、恋人と別れ(それをきっかけに?)、人生を自覚し、過去の「純粋」と対照し、その喪失に気づき、今ある退廃した生活を捨て、仕事を辞め、新生活をスタートさせる。自室での仕事の合間に、 桜を見に過去の思い出の道を散策し(記憶の逍遥)、そのときにこそ「純粋さの象徴」である「明里」とすれ違う(向こうも振り向きかけるわけだから当人とする)。でも彼女は「少女」ではなく「大人」になっていて、時間は経ってしまっている(桜並木道沿いの公園の木々が切られたように、…貴樹はここでも微笑む)。・・・一話で原体験、二話で過去への執着と停滞、三話で現実を容認して回復、貴樹の微笑みは現実容認の表現になります。
 微笑みの意味が、恋愛にあるとすれば、それは皮肉的で、人生はうまく行かないという慰めになるかもしれないが、監督の狙いはそうじゃありません。
それが私の見た流れです。彼女がそこに”いるかいないか”は、救済とは何の関係もないのです。そもそも、貴樹はもう自らの力で救済されてしまっていて(自立的救済)、彼女が現れることで救済になるなんてことはなく(依存的救済)、すでに良い思い出、懐旧の念、延長があろうとなかろうと、よいわけです。自分は自分、彼女は彼女、「純粋さの象徴の”今”」に出会えた、それだけで奇跡だ、そして彼女は彼女の人生を生きている、自分も生きねば、それでいいわけです。
 純粋さについては「花とアリス殺人事件」でも少しだけ書きました。
 以上が、構想と考えます。

    *   *

 構想を見てきました。それには感動します。しかし、この監督の構想(イメージ)に視聴者はしっかりと導かれているのか。難しいところです。それは監督が伝えきれてないのか、観客が読み切れてないのか、どっちなのか。
 跳んだら着地しなくてはなりません。同じように、物語に飛び込んだら、どこかまともなところに着地させられ、物語の幕も閉じられます。「いつもの現実」飛び込む→幻想体験→着地「ちがう現実」、というのが流れです。児童文学や宮崎アニメにはその構造が見やすいです。そういう風に、芸術は「作品の自己化」を行います。影響を与えるのです。
 「秒速」での監督の狙いは、「執着の開放、純粋さの回復→再出発(生きよう)」でした。狙いがその通り伝われば、「作品の自己化」によって、構想が観客に宿る、はずでした。
 しかし現実そうはなっていないのです。「内容がある/内容がない」「感動する/感動しない」と感想は二極化しています。私は、「鬱派(感動した)」少数→「称揚派(感動した)」多数→「けだるい派(内容ない)」少数→現在(感動するけど内容ない)と、本作への感想が変わっています。…そしてどの派にも、多くは監督の狙った通りの「作品の自己化」が内在することなく、多分に「自己の作品化」があるばかりです。
 押し広げて見ていきます。


*鬱派と称揚派とけだるい派を経て。

 ほぼ私の体験談です。初見で感情的な拒絶反応が出ました。三年か二年前のことです。思春期で何かを実行する勇気を挫いてしまった人が、哲学や文学的なところに根差す光景はよくよく見られますが、芸術や学問の幻想体験による「作品の自己化」によって、気力を回復し、勇気を回復しようとする逃避族の意識的試みです。ですから、芸術家には現実逃れをする病みっぽいところがあるわけです。要するに、はじめは鬱屈派でした。私はてっきり、これは「恋愛の回復」の物語で、すなわち結びつきハッピーエンドだと勘違いし、やってきた意味不明なバットエンド(なんか微笑んで去っちゃうし…) によって、宙にあった妄想を地上の現実まで突き落とされた、という流れだったと思います。「純粋の回復」という観点から見ると、微笑みが快いものに見えるのですが、この場合、貴樹の微笑みが人生への皮肉に見えてしまいました。全身が鬱的にだるくなり、細胞が重い砂のように心をひきずります。それこそ、自立や回復というお話なのに、より落されたという残念な話です。
 結論…何かにもたれようとする依存的な人格が、不条理な現実を逃れてアニメや文学といった虚構によって自らを満たそうとし(恒常性の補完)、貴樹のような純粋回帰(自分に立ち返る!)を経験していなかったので、願望の強さも手伝ってか、「秒速」を「純粋回復」ではなく「恋愛回復」である、そうでないと救われない!と思いたがえ、「踏切」にて地上に叩き落された。以上が、鬱派の精神分析です。
 それから、大人な人に参考になるような意見を求め、「明里は自分の人生を生き、それを察した貴樹が微笑む」という意見によって、「貴樹の微笑み」への理解が生まれ、鬱派から称揚派に転身することになります。美しい恋のアニメ、と感動して称賛するのです。私は経験測による共感ではなく、理解による共感をしました。理解した時点で、すでに作品は私に影響していた、内在化していたと言えます(作品の自己化)。監督の狙い通りの内在化、作品の自己化とはちょっと違いますが。監督の狙いは「自分に立ち返って前を向こう(再出発)」でした。
 やがて私に時間の経過によって「内在化された作品の(恋物語としての)印象」に慣れが進行します。飽き始めるのです。感情の微熱も冷めて来て、冷静になります。すると、感情を分離されたので、理性的に見られ始めました。そこで、「ん?」と気が付きます。全体がとても曖昧に見えはじめたのです。考えてみれば、なんでこうなのか、よくわからない部分が多い。ちゃんと作られてないんじゃないか?と感じ始めたのです。そうして見るのも嫌になってきました。こうして、けだるい派に属したわけです。けだるい派は感情を分離できる理性的な性格の人たちです。三通り体験しました。
 願いを裏切られた鬱派、恋愛喪失(誤)や純粋回帰(正)に感動した称揚派、冷めたけだるい派、それらを経てわかったのが「秒速は恋物語だ」と思っている自分の勘違いです。ただを非情な現実を突きつけるものではないのです。‥‥確認すると、純粋さを喪失して恋まで失ったが、いま純粋さを回復して、すると恋の相手が現れ、でも時間までは回復しなかった、それでもいい、歩いていこう‥‥そういう構想だと気づきました。ハッピーエンドを予想した「恋の回復」という内在化は、恋より下位にある「純粋さの回復」として新たに再内在化したのです。つまり、恋としてはハッピーエンドでないが、純粋さとしてはハッピーエンドだ、だから貴樹の微笑みは「前を向こう」だということです。


*余白と空白。

 本作には多くの「うやむや」があるように思えます。曖昧さ、空白とも呼べます。それが監督の意図的に作られたものである、つまり空白ではなく余白であるなら納得できるのですが、どうも余白でもないのです。緻密な表現がなされていると観客はスクリーンに放心します。宮崎アニメなどは、感情的にそうなります。入りこんでしまえるのです。しかし、構造やその表現に抜け目がある、作品を流れる感情の吹き溜まり的な、空白、曖昧さができると、そこに観客は、自らを投影します。表現があると放心し、表現がないと投影して、幻想の現実感を補うのです。物語の整合性、統一性を保持しようとする試みです。文学などでも、言及しないことによって、読者に主観的な想像をさせて、余韻を生む手法がありますが、それにたとえられます。余白と放心、空白と投影の営みは、そのすべてが「自己の作品化」に該当します。
 「秒速」のそれ(一見曖昧に思えてならないところ)は、監督の意識的な余白(技巧によるもの)なのか無意識的な空白(技巧によらないもの)なのか。やはり後者です。ただ、「空白」ではなく、語感としては「うやむや」に近いと思います。
 余白にも空白にも観客は投影する、描かれないものを察して補おうとします。しかし、余白は表現の技巧であり、生まれさせたもの、空白(うやむや)は、生まれてしまったデタラメです。詰まるところ、余白には感情移入し、空白には自己投影するのです。余白には物語の前提がありますが、空白は前提がありません、突発的なもので、ただの作り手の失敗です。前提が用意されていれば、余白があっても、観客は物語の上でその描かれない部分を察することができます。しかし、空白には前提が用意されていないので、観客は主観的に、時に都合的解釈によって、作品に個人的な上書き、色塗りをしてしまいます。
 たとえば、ラストの踏切シーンで、明里が去ってしまうことについて、明里ばかりに共感のまなざしを向ける人がいますが、それはつまり「明里は婚約したのだし自らの幸せを守ろうとして立ち去った、過去の恋より今の愛が大切なのだ」と考えることです。しかしそれは、たしかに真相に近いのかも知れませんが、倦怠期の夫婦が自己肯定するための解釈にも思えます(アイロニカルなユーモア!笑)。あと例えば、ダメな「慰め」になるパターンなどもありますか。
 エヴァは「自己啓発セミナー」と呼ばれますが(大塚英志)、語呂合わせゲームをしてみれば、秒速は「自己投影アルバム」です。
 監督の狙い?であるラストシーンの"希望的着地"に導くには、観客に"希望的観測"を与えるだけの体験をさせなければなりません。体験されるようなつくりになっているのか、それとも物語を読めない視聴者がにぶいのか、それを言論するのに作品構造の欠損を列挙しなくちゃならないわけだ。ああ。なるほど。んー。
 とにかくここで留めておきたいのは、作品構想が「作品の自己化(純粋回帰!)」を目指しているのに、視聴者の多くは「自己の作品化(例、恋愛喪失)」に導いてしまっている。オタクだろうがなかろうが、現実的な人格だろうがなかろうが関係なく、勘違いする人が多いわけです。それも簡潔な、とてもシンプルな結論なのに。その失敗の原因が「うやむや」にあるのではないかということです。


    *    *

>纏め。半分自分用メモで、機会あれば洗錬します。このレビュー、自分の勉強用として
も書いています。その垂れ流しです。
放心=「作品の自己化」→緻密な構想表現 投影=「自己の作品化」→漠然な構想表現。
・秒速は「作品の自己化」を目指した作品であるのに、その多くは「自己の作品化」になっている(のではないか?)。
・・鬱派→人間性未熟(作品構想にある感情の未経験者)→物語を「純粋の回復」(自立的要素)ではなく「恋愛の回復」と勘違い→(明里がそこにいてほしい!)依存的救済を求める(自己投影)→願望に裏切られて鬱にさいなまれる。
・・称揚派→比較的人間性あり(作品構想にある感情の経験者)→構想感情で鑑賞し、構想表現は無視、または自己投影して穴埋め。
・・けだるい派→理性の人(指揮者ムジクスと演奏者カントルの論理で言う前者)→構想表現を鑑賞、構想感情は踏まえても興味なし。或いは、監督の構想に飽きた。「描くほどのことか?」。
ったくなにを書いているんだか。


*構想と表現の上滑り。
 本作は構想が表現を上滑りしている空回りしたものです。作品に流れる感情と、それを支える比喩表現、構造、その組み合わせ、統一性、整合性、それらに長けていて有名なのが宮崎アニメです。「千と千尋の神隠し」が巧みだと思います、だから子どもにも(鋭い感性に)人気が高い。まず構想があり、それの表し方がある。物事は、言葉以前のところにあるから、言葉以前のところで言い表さないと鑑賞側に伝えきれない。感情も言葉以前にある。感情は抽象的、悲しいときに「悲しい」とは言わない。だから、比喩で表現する。文学は文字によって、修飾的な表現になる。映像の比喩は、より具体化が可能。比喩の現象化、物体化されたものが、抽象ではなく(二次元的)、構想の象徴表現(三次元)、である。

・各話の構造。…一時間の物語を三分するのは、構想的に悪かった(ぼやける)。
「一話」…純粋がある、明里に会える(秒速5センチ、身近)、桜の朝、田園。
「二話」…純粋がなくなっていく、明里会えない(時速5キロ、乖離)、黄昏、離島。
「三話前半」‥純粋喪失、会うことを忘れた(1000回メールをして1センチ、喪失)、夜、都市。
「三話後半」‥気づいて純粋回復、明里会えた(秒速5センチ、容認)、桜の朝。
電車(二人を隔てるもの、結びつけるもの)、種子島(電車でいけない、孤独感、隔離された)、ロケット、鳥(?)、弓道(届かない思いの表現) 、ロケット輸送車 (二人を遮るもの)、
二話の海岸に二人がいて朝日を見ている幻想(願望?)、その朝日を的に見立てて弓を放った(?)、ロケットは、もう思いが届かないという意味での宇宙? 三話の「山崎まさよし+パラパラ」は簡略化、要約?あんなのができるのはストーリー構成が甘いからでは?
 色々ありますけど、安易だと思えてしまいます。構想と表現、感情と構造は、一体物として機能します。しかし、目的がわかっているのに、手段がわからないような、構想が率直すぎて、表現が安易である、安易であるのに、目的の手段・構想の表現として機能しない。機能してないから、突発的に不可解的に象徴表現が表面に出てしまう。構想を描くはずの表現が、構想の邪魔をしている、邪魔というか、単にわかりづらい。それに、一時間の物語を三話分割して、「ある」「ない」「もどる」と続き、それほど魅せる劇もなく、やはり構想は率直で、これはしっかりと放心させてほしい作品であるのに、曖昧さが隠せない、不足感が見え見えてしまう。残念な点です。「描くほどのことか?」という、けだるい派もわかります。
 しかしハッピーエンドを掲げずに、前向きな姿勢を描き、それを観客に体験させようとするのは、とても気に入っている構想です。自分に立ち返れない人が多い世の中でこそ機能する、世代的(なのか?)作品ではありますが。


*監督の実在推察。

 監督は作品について「バンドエイドみたいなものでいい」と言われていましたが、要するに「慰めとしての作品」、虚構による現実の欠乏感の補償、観客の自慰に使われていい、ということでしょう?うーん。それを映画監督が言ってしまっていいのだろうか。いやーまあそういう使われ方もあり?酒や鎮痛剤と同じ?
 なぜ、なんども同じようなテーマ、パターンがなされるのだろう。人に見せるよりも自分が見たいものが優先されるのか。一貫されるテーマと言われる「喪失」にしか、深い原体験を見出せなかったのか。しかも喪失というのは、とても世代的で、文学的だ。歴史的で、哲学的なのではない。だから一時代の流行に過ぎない。いや、もしや、私の評価基準が高すぎるのかも知れない。
 最新作「君の名は」の予告を見て思いましたが、「またか」という感じで、表現が変わらないので、「飽き」「けだるさ」を感じてしまいました。見て見ないとわかりませんが、過去作品の前提を以てしても未だうきうきしているのは、性的退行世代の願望を抱えた人なのでは。ここまで批判する権限は私にあるのか?ごめんなさい。
 表現が狭い、狭く、深めていく。深めるので普遍性には構想が触れる。でも、やはり狭いことに変わりはないのです。それが、新海監督が「世代的」であるという理由です。このままでは、ただの流行に過ぎません。
 綺麗な壁画、それは監督の作品が二次元的であることの表れではないでしょうか。そういう意味で、小説の方が読みやすかった。いつか、三次元の奥ゆかしい広々とした作品を期待します。ああ、またこんな終わり方に…。そんなことをつぶやく私は確信犯か?失礼しました。失礼しましたと言いながらデリートしないのだから、確信犯確定だ。許してくれるな。眠いぞちくしょう。2016/05/07

2013/10/3「結局、誰とでも一生同じ場所で生きることは叶わないのだ。人は、こうやって喪失に慣れなくてはいけないのである。」二度目の投稿。→称揚派の時。サンキュー23。
2016/05/07「壁画と空白」改正。

投稿 : 2016/05/17
閲覧 : 737
サンキュー:

33

ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

圧倒的な映像美と切なさ。観たいけど観たくない(おすすめ!)

 圧倒的な映像美と切なさ、そして静謐さです。
 ひとまずそれ以外に言うことはありません。

 甘酸っぱい青春の恋です。会いたいけど会えない、そばに居たいけど居られない、遠いけど近い、近いけど遠い、言いたいけど言えない、変わりたくないけど変わっていく。
 これはもはやアニメじゃないです。映画です。
 いや、映画でもこんなに感動したことない。何なんだこれは(笑)
 涙腺の弱い人は先に眼科の予約を入れておくことをおすすめします。涙腺どころか視覚が崩壊します。つまり何が言いたいかというと超泣けます。

 私は結構アニメに「笑い」を求めるタイプなのですが、このアニメには一瞬たりとも笑うところはありません。それでもこのアニメは私のお気に入りの一つであり、その中でもかなり重要な立ち位置にあります。
 唯一にして最大最強の欠点は「切なすぎて観ていられない」ことです。陽気な時にはDVDに手が伸びません。かといってセンチメンタルなときに手を伸ばすとそのまま海の底に沈みそうな気分になるので観れません。
 いつみればいいのでしょう?
 それは分かりません。しかし一度見てしまえば心に突き刺さって外れません。

 ラストについては{netabare} あれしかないです!絶対にあれしかないんです!悲しいけどあれしかないんです!あそこで再会して婚約破棄して駆け落ち?それともあの後、種子島の女の子と出会うのでしょうか?そんなアニメだったら私はお気に入りにまでしません!この物語はどこにも終着することなくただ二人の少年少女の中に、そして別の物語が一人の少女の中に、なんの解決も解消もされないまま、ただ風化するのを待つように、淡く残るしかないのです!それが青春の恋なのです! {/netabare}

投稿 : 2016/05/16
閲覧 : 379
サンキュー:

39

Serlh11821 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

めちゃくちゃいい

新海誠さんの作品で初めて見た物でした。とにかく絵が美しくて個性がありすぎず無さすぎずの声優、そして何と言っても音楽です。話の雰囲気と音楽がマッチしすぎてて凄いです。先が知りたくてたまらないような物でなく、何回も見て雰囲気に浸るって感じのやつです

投稿 : 2016/05/14
閲覧 : 217
サンキュー:

13

ゆうき さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

絵が綺麗

男性と女性の考え方の違いは日々感じるものですが、
この映画でも顕著に示してくれました。

幼き日々の淡い青春にときめき、緊張感が伝わってきました。

それも作画が素晴らしく綺麗だからだと思います。
丁寧で細かく時間がかかっていると感じます。

今が大事、前に踏み出そうと思わせてくれるアニメ映画でした。

投稿 : 2016/05/11
閲覧 : 177
サンキュー:

9

ネタバレ

自宅警備委員の弟 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おもしろかったです。

とても、面白かった、作品は少しジブリに似ていた、と思う、秒速5センチと言うのはさくらの散るときの速さらしい。

投稿 : 2016/05/10
閲覧 : 188
サンキュー:

9

ネタバレ

※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

この人の作品は心を揺らす♪

第3部の構成となっていて、少し分かりにくいところもあったかもしれないけどこれが恋愛なんだなと思える。
2人の距離はとても近かったようで離れていたんだろうね。
時間がたっていくみつれて、互いの心の距離はたぶん秒速5センチメートルでじわじわと離れていく。それは明里の時間と距離が進んで行き、貴樹が動くことができずに止まっているんじゃないかな?貴樹はそれでも最後振り返って誰もいなかったのを確認して自分も進もうと決心できたんじゃないかな?(明里も振り返ったけどたぶん会わない方がいいと、見ただけで戻りたくなってしまうと思ったんじゃないかな、でももう戻りたくても戻れないからそのまま去ったんだねぇ(涙))

投稿 : 2016/05/06
閲覧 : 216
サンキュー:

20

スカルダ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

辛い

ずっと見たいと思いながら10年ですか(汗

10年前とは思えない絵のクオリティだし、
セリフも切なさが漂い、日本映画独特の間合いがとても良い。
この頃は山崎まさよし好きだったなぁ〜と思いながら見てたのだが、
見ていたら段々辛くなってきた・・・

遠距離恋愛というのはなかなか上手く行かないもので・・・
逢わなければ、忘れている時間が増えるもので・・・
いつか記憶の片隅に追いやられ・・・
忘れていく・・・
・・・ようで忘れてない\(^o^)/

個人的には現実的過ぎて、心をえぐられまくった(悪い意味で
男ってそんな生き物orz


山崎まさよしがちょっと嫌いになった。

投稿 : 2016/05/03
閲覧 : 170
サンキュー:

14

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

あなたの人生はどんな味ですか?新海誠作品のベスト1

アニメに限らず、様々なメディアで視聴者は第3者視点で
観ていることが多いと思います
じぶんたちは物語の登場人物でありませんし、当然ですが
傍観者として物語を見ることより、主人公に深く共感できて
主人公に自分を投影できる作品こそ
本当に深く楽しめる作品であると思います
じぶんが新海誠ベスト1とタイトルに書いたのは
もっとも感情移入ができる作品であることが理由です。


・物語について
起承転結がはっきりとしている、主人公の行動目的がはっきり
伝わるということはありません。あやふやです
しかし、日常描写が非常にリアルであり
主人公の台詞を聞いているうちに
実際じぶんの人生ってこうなんだよなって感情移入していきます

歯がゆく、切ない。
やるせない。
自信も根拠もないけど、あやふやながら頑張って前へ進む

人生そのものがドラマとして表現されています
この作品をみるとじぶんの過去を振り返ったりして
センチメンタルな気分になります。


・美術と演出について
風に揺れる桜や夜の海の水面など背景絵の美しさは
アニメ最高峰でしょう。ブルーレイ買ってよかったと、この作品を
観て初めて感じたように思います。

新海作品らしく生活感あふれる小物のレイアウトも素晴らしい
音声として収録されていない生活音が聞こえてきそうなほどに
リアルな表現がされており、空気感どころか匂いまで
伝わってきそうです


・さいごに
ED曲で、山崎まさよしさんの歌が流れます
曲のインパクトが強いためにグっと感動するのですが
ストーリーより曲が印象的になってしまう感があります
でも人生なんてあやふやなものですし
それで良いのだと思います。
主人公に憧れる名作とは路線が違いますが
自分が登場人物として感じられる、こういった作品も
とても素晴らしいとおもうのです


じぶんの人生は気の抜けたビールの味だな。

投稿 : 2016/04/27
閲覧 : 192
ネタバレ

シン風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自分も同じ境遇だったからこそ、分かる切なさ

タイトルのように、私、シン風も同じく失恋経験をしました。

私の場合は長距離恋愛ではありませんでしたが、失恋の内容は作品と類似するところが多いです。

初めてこの作品を観た時、まるで自分を見ているかのようで、焦燥感といい……消失感といい………過去のこととは言え、今でもふと目を閉じれば、瞼の裏に蘇ってきます。

好きだったあの人。
好きであるからこそ、その想いが募って気持ちに正直になれず。
愛していたからこそ、距離を取ってしまい、連絡を取らない日々が、ふと気づけば続いている。
どこかに想いの人を思い出しては、心の中に感情をしまってしまう日々を送る。

今となっては懐かしく、切ない話ですが、それでもその人を思わせる物を見ると、そこにその人のことを思い出します。

私も作品と同じく失恋を味わった後は、自暴自棄の毎日。
何もやっても、意気消沈しており、ただ生きるだけの生活が始まる。
そして、その想いの人とどこかで会う度に胸にポッカリ空いた穴が疼き始める。

やはり生きる意味を失うのと失恋は同じ重さを持っているのかもしれません。

長々となってしまいましたが、最後に一言を書いて締めくくりとします。

拝啓。

長かった冬の寒さも和らぎ、
今、桜の舞い散る季節となりました。

体の方は大丈夫ですか。
私は体調の優れない日々が続いています。

私たちが離れ離れになり、長い時間が過ぎましたね。
最後に共に交わした言葉が名残惜しくも感じます。

今年も春の季節となりました。
散る桜の花びらを見るたび、秒速5センチメートルの速さで、あなたと過ごした日々が頭で巡ります。

二人で一緒に笑ったときのこと覚えていますか。
二人で過ごした日々を覚えていますか。

私はその都度思い出しているので、忘れていません。

来年、また新たな春の季節に文通を交わせれたらいいですね。
それまで、くれぐれも健康には気をつけて下さい。
私も体調管理には気をつけるようにしたいと思います。

冬の冷たさを心に残しつつ

シン風

投稿 : 2016/04/27
閲覧 : 159
サンキュー:

15

ケンシロウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

美しい

好きなアニメランキングを振り返る。

第4位。
ひと言で感想を表せば「美しい」。
この作品ほど作画のクオリティが高い作品は今のところ自分は出会っていない。
新海監督の作品はどれも綺麗ではあるが自分はこの作品が一番好きである。
それに加えBGMのピアノ曲がなんとも言えない切ない気持ちにさせる。

ストーリーに関しては恋愛ものであり、
鬱アニメと呼ばれることもある原因は主人公の性格のせいだと思われるが、
これを「色々考えさせられる」と思うか
「この男はなぜこんな根暗でネチネチしているのか」と思うかは
観る人間の性格や捉え方次第である。

唯一心残りはこの作品は劇場で観ておきたかった。

投稿 : 2016/04/17
閲覧 : 170
サンキュー:

12

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

秒速5センチ=桜が舞い散る速度

小さい頃に会っていた人に会えなくなったら悲しいよね
それで高校生になって会いに行った
吹雪のせいで電車の時間が遅れてもあの子はずっと弁当を持って待ってくれていたらそりゃあ嬉しいよね

しかし、男の子には嘗て好かれていた子がいた
彼女は惹かれていた。でも...

投稿 : 2016/04/15
閲覧 : 310
サンキュー:

10

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

特別な恋のお話しかなって

誰かを想って、振り切ったつもりで、それでも忘れられなくて。
誰かと恋愛してみても、心の何処かに刺がささってる。
平然な顔してても不意に思い出すあの笑顔。

遠距離という物理的な距離。次第に心も遠ざかる。
秒速5センチメートルくらいの速度でゆっくりゆっくりと。
舞い散る桜の花びらのように。舞い降りる雪の結晶のように。
ふわふわゆるゆる。宙ぶらりんな気持ちのように。
地面に落ちて、染み込んで。次の恋の息吹になれる日を。


このお話しを観た時に感じたのは製作者さん、ロマンチックかなって。
本作で感じたのは初恋の重さみたいな。
初恋限定ではなくても良いんだけれど、忘れられない、何か特別な恋物語。
個人的には心にキました。
何でか知らないけれど、一話の二人でお弁当を食べるシーンで泣いたんですが(-_-;)
自分でも何で?ってなったけど、自然と涙が零れててビックリ。
何かを思い出すストーリーで、大変楽しめた作品でした。

山崎まさよしさんの歌。アレは汚い。何あのリンク率。
心に刺さりまくってクリティカルでした。

投稿 : 2016/04/14
閲覧 : 145
ネタバレ

Pまん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

泣きたい時に観るんだけど、見終わった時には前向きになれてる気がする

視聴:10回以上

この映画は大好きなので、いろんな友達に紹介してまわっているのですが
ある時、初見の友達から指摘されたこと。

{netabare}
「1話であかりが渡せなかった手紙の中身は、友達としてこれからも頑張っていこう
というような事が書いてあったが、キスをした前と後では
意味がまるで違うことになってしまったので渡せなかったのではないか」

{/netabare}

単純だけど、言われて目からウロコだった。

こういう種類の感想のやりとりが出来る映画って、素直に素晴らしいと思う。

更新履歴
2016/04/12 初期投稿

投稿 : 2016/04/12
閲覧 : 170
サンキュー:

12

ネタバレ

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか…。 

もしあの時…あと、ほんの少しの勇気が持てたなら、
その一言が伝えられたなら…

この距離は縮まっていたのかな…? 


桜の花びらが舞い落ちる速度って 
秒速5センチメートルなんですって。



季節はすっかり春ですネ♫
春といえば出会いと別れの季節。

別々の道に進むことになった友との別れや
新しい出会いや新たなことへのチャレンジに期待と不安が入り混じり、

そーいった何ともドキドキしてちょっとふわっとした
不思議な気持ちになるこの季節.*・゚

桜の花びらがヒラリヒラリと.*・゚
そのすべて舞い落ちてしまうその前に!!
まさに今この季節に是非ともご覧になって頂きたい作品なのです♪

ん|д・)? 私の住む地域ではすでにもう…

散ったじぇ…(´~`).*・゚  Σ(ОД○*ノ)ノw


それが願わくばあなたにとっての
また新たな一歩を踏み出すきっかけに
前を向いて歩き出す勇気となれたなら素敵だなと思います☆

というのも本作、個人的にどこか縁深いというか
不思議な魅力を感じずにはいられない作品でありましたので
皆さまにもぜひ感じて頂けたらなって思います(o>ω<o)

内容について少々…
新海誠監督が描く、短編3話構成からなるアニメーション作品

第一部「桜花抄」、
第二部「コスモナウト」
第三部「秒速5センチメートル」

異なる視点、異なる場所、風景から描かれる
この短編3作が繋がり一つの作品として
人と人との繋がり.*・゚ もっとも、心の繋がりの部分について

そこにさすが新海監督と言わんばかりの色彩豊かで丁寧な
画で 淡く、繊細に、そして美しく描かれておりました☆

そして作中歌がまた良い!!
山崎将義さんの「One more time One more chance」
こちらが素晴らしいですし流すタイミングが◎
歌詞がまたリンクしてとっても本作にマッチしていて
私とっても感動してしまいました(´Д⊂


三部に分けられた短編の中でも
第一部の「桜花抄」、は土地柄や境遇しかり
私的によく知った場所や風景が描かれていていたり
私も若い頃一人不安な気持ちを心に抱きながら
遠くはるばるこの地まで鈍行に揺られて~ガタン、ゴトン~
たどり着いてみたものです(o´艸`)


不思議なことに新海監督の作品って私の私生活というか
経験則やらに何かとリンクしていることが多くって

観ていると、自然と自身の青春の面影がフラッシュバックしていて
そーいった思い出たちを頭の中で勝手にめぐらせてしまうのです―


以前の言の葉の庭のレビューの中でも_((Ф(・ω・`)カキカキ
させて頂きましたが、またしても…恐らく誰得でもない
私的なエピソードをまたまたここに書き記してしまいましたφ(・д・。)

もちろんネタバレタグを全面駆使させて頂き(*/ω\*)
ご興味のある方だけチラリと一読頂ければコレ幸いと存じます
…なんだか書いててとっても恥ずかしく″ノдノ)なってきたーーーww




{netabare}私が彼女と初めて出会ったのは…
ある晴れた春の陽気に包まれた穏やかな日―

優しい表情に落ち着いた大人な雰囲気が印象的で
微笑んだ時の目元がとっても可愛くて愛らしい…
そんな素敵な女性でした.*・゚

彼女とは本当にたくさんのことをお話ししてきました―
好きなものや、趣味嗜好、愚痴や悩みに言うなればちょっと
ナイーブなところまで気兼ねなくなんでも話せる、
そんな仲に私は喜びを感じておりました

思えばちょっと重たいような私の私情ネタトークにも
親身になって聞き入ってくれて、理解ってくれて、言葉をかけてくれて…

気づけばいつからか私は、彼女という存在に
大きな安らぎを感じていたと存じます。 

世界中にはたくさんの人がいて
もちろん、人はたくさんの人に出会い時に別れていくものであって

そんな中で彼女に出会い共に過ごせたことに
私は喜びと感謝の気持ちでいっぱいなのでありました。´_ _))ペコ

いっぱい笑って、楽しんで、喜びを共有してきたわけだけれども
やっぱり私ってば、不器用で上手く気持ちを伝えられない人だから

知らず知らずのうちに彼女を困らせたりしてたのかな…


ぁ、さていつものことながら大分前置きが長くなりましたが
私が彼女と過ごした時間の中で1番印象的だったシーン
それが2人で一緒に見上げた夜空に瞬く星空たちの
あの日あの時のあの場面なのであります━。.゚+(ヾ(。・∀<)シ)).:゚+。━

彼女の予てからの願い、希望だったのが「満点の星空が見たい!!」

との事で、夜通し灯りの絶えない都会の中では
見ることのできない、この土地ならではの絶景を私もぜひ!!
彼女に見せてあげたかったという訳なのです…


作中の舞台にもなっていた私の住む○木の街は
ちょっと車を走らせれば大きな道路、大きな建物に

辺は一面田畑がつらなりうっすらと暮れゆく夕映えの景観に
街の灯りはほとんどまばらで…

車を走らせるその道中は
広大に広がる平野部とその先に見える山々まで
遥か遠くまで連なっては見渡すかぎりの開放的な風景.*・゚

そしてその中にぽつりぽつりとまばらに光る一つ一つの
街灯りに…ちょっぴり暖かさ感じつつ
普段は見慣れたはずの景色たちが彼女と一緒に見ることで
なんとも独特な不思議な魅力に包まれた景色たちに感じられる.*・゚

景色はいよいよ山々へと変わり
まるでイニシャルDに出てくる某○○坂を
駆け上っていくような…

真っ暗な山々、森林の中を
彼女に星空を見せたいが為に車を走らせるこの構図はどこか
○物語の名シーンを一人思い起こしてみたり…


たどり着いた山の頂上付近、いわば絶景ポイントに降りたち
まだ少し冷える夜の山路を2人歩きはじめる―

そこに見えてきたのは見渡す限りの満点の星空.*・゚
とまではいかなかったのですが…チラチラと
散らばった星々たち… そしてその下に広がる街灯り―

ちょっとした高台から見下ろしては見上げるその景色は
色んな想いを感じさせてくれる…
空と大地の境目までハッキリと見えて、この世界の
雄大さとその中でひた生きる自分たちの存在が
なんだかちょっぴしちっぽけに感じてしまうような…

それでいてすごく清々しい気持ちになり
色んな悩みとかいった感情…言わば心のモヤモヤが
すーっと洗い流されていくような感覚…

そんな感覚に思わず…気分が高揚する☆

彼女もとっても喜んでくれたみたいで
「ありがとう」と何度も何度も言ってくれた…

ふと、彼女が私に寄り添って…コホンッw
そっと私の肩、腕に近づく彼女の気配を感じたような気がして…

私は思わずギュッと抱きしめたくなる衝動を咬み殺す…

その日は月が満月に近かったようで
田舎にしてはちょっと明るい…そんなことをわざわざ

「月明かりがなければもっと満点の星空が見れたのにネ…」

と私は照れ隠しに思わずそんなセリフをひけらかす!!

だがしかし
その時の彼女と私のその距離はきっと『5㌢メートル』もなかったのは
私の妄想ではなかったのは確かでしょう

素敵なひと時を一緒に過ごせた喜びの想いがつのるのと同時に
急に、なぜだか焦燥感がおそってくる…


朝が来て…始発の電車が走り出すように
種子島のロケットが轟々と打ち上がるかのように…

そして、長い長い急行まちの踏切が再び上がるのと同時に…

また、新しい一日が始まる…
私の傍らには彼女はいない… 


もしあの時…あと、ほんの少しの勇気が持てたなら、
その一言が伝えられたなら…

この距離は縮まっていたのかな…? 


そんなことを思ってはちょっぴり寂寞の思いに駆られる
春の記憶なのでした― {/netabare}




ぁ、さてw
といった感じで私情な経験談をヌメヌメと_((Ф(・ω・`)カキカキ
させて頂きましたが私も本作の主人公のように前を向いて

今見える限りのこの景色を目一杯歩いていければなと思います。。。


人と人の心を繋ぐものってやっぱり
桜の花びらが舞い落ちるようにゆっくりと、ゆっくりと
積み重ねていくものなんだなぁ~と感じる

何とも感慨深い作品でした☆

それでも私はたとえ遠く離れていても…この広くも同じ空の下
どこかで私たちは繋がっていると… そう信じていたいモノですが… ネ!!
男って妙に感傷に浸る節がどーにもありますからネ(*ゝ`ω・)bw


皆さまも、思いを寄せる人々との心の距離…
少しずつ、少しずつ縮めていけたらいいですネ(人>ω・*)♪

投稿 : 2016/04/12
閲覧 : 702
サンキュー:

79

ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

別名or上書き

BSプレミアムで新海誠特集やっていたので、久しぶりに、2度目の視聴。

【2回目見て こんなにスッキリ終わってたんだっけか】
{netabare}久しぶりに、2度目の視聴。
1度目視聴の感想は下。
基本的な感想はあんまり変わらないんだけど、
「ちょい恋愛部分に引きずられ過ぎてた感想だったなぁ」
という感じ。

さて。
改めて見ると、
「手に入れられないものと人はどう向き合うのか」
を描いてるのね。
夢や希望、恋愛含めて。

あと、こんなにスッキリ終わってたんだっけか、と。
山崎まさよしに引きずられて、もっとグダった締めと思い込んでた感。

踏切を渡る主人公。
あの娘と思しき女性とすれ違う。
「あの娘なら同時に振り向くはずだ」
踏切を渡り終えて、振り向く。
鼓動のように鳴り響く降りた遮断機。
彼女と自分を繋ぐものだった電車が2人を別つ。
そんな電車の方向が彼の心の中。
左から右の電車で過去に囚われた彼の心。
途中で右から左の電車に変わることで前を向いて歩く決心。
その決心がついたから、踏切の向こうの彼女は振り向くこと無く、姿も無く。
それを確かめ、微笑むを浮かべた彼は、前を向いて歩き出す。

一つ事にケリが付いた彼はこれからどうするんだろうね。
遥か高い空へ飛び立つことが出来ますやら・・・・{/netabare}


1回目視聴感想
【あの娘は 今 何処で 何をしているのだろう】
{netabare}男の恋愛は名前をつけて保存
女の恋愛は上書き保存
なんて言葉がある。
何処の誰の言葉なのかは知らないが、グーグルで
”男の恋愛は”
と入力した時点で検索候補に出てくるくらいには有名な言葉。
男は別名保存された昔の恋を引きずり思い出し、
女は上書きされてるから今の恋にまっしぐら、
ってことらしい。

その一方、
過去の恋愛や色恋沙汰を振り返って
「あの時ああしとけば良かった」
「あの時こうしてればどうなってただろう」
なんて後悔したりすれば、
”女々しい”
と言われる。

なんと清々しいまでの矛盾。

そんな訳で、
幼き頃の、上手く行かなかった淡い恋愛未満の何かを”男々しく”引きずっちゃった青年の物語。
男は別名保存された思い出を振り返り、
女は別名になる夢を叶え前を向き。

過去の恋愛を振り返るとき、そこに”もしも”や”たられば”の余地が多くあればあるほど、その思い出は思い込み補正というメッキコーティングされて綺麗になっていく。
しかも、正式に付き合ってすらいない本作のような場合、
「もし、付き合ってたらどんなふうに過ごしてたんだろうなぁ・・・」
なんて想像しだしちゃったら、もう、ピッカピカに思い込み補正である。
それに加え、主人公が囚われてしまったのは”初恋”である。
喪黒福造すらも
「初恋は儚く脆いから美しい」
とか言ってるくらいだ。
言いつけ守って月下美人が咲くのところを見るのをちゃんと誘ったのに、フラれるとは何事だ、喪黒福造。

そんな物語なので、はっきり言って、内容は無い。
見どころは、新海誠全開の綺麗な画と、ラストのOne more time,One more chanceくらい。
はっきり言って、1時間3部構成のOne more time,One more chancePVである。
だからと言って、
「なんだ、このクソみたいな男の話はっ!」
と、一笑に付せないのも、男の性。


あの娘は、今、どこでどうしてるだろう。
自分と同い年・・・
いい年のおばちゃん・・・

思い出は 心のなかで 美しく{/netabare}

投稿 : 2016/04/04
閲覧 : 419
サンキュー:

17

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こういうノリなんだね・・・

最後に歌の流れるシーンが唐突に感じる

急にそこで終わりかよ??

やっぱり新海の作品ってこういうノリなのか・・・

作画と音にすごく凝ってるな・・・

時間の残酷さがテーマなのか?

でもこの設定には共感できない

そもそも幼馴染の両想いという設定が・・・理解できない・・・

僕の小学校は男子と女子は確執がありすぎたし女子にはことごとく嫌われていたからな

リア充を活かせないその性格には反発すら覚える

ただね・・・僕にも似たような経験があって、何もできなかった自分のやるせなさを思い出してしまった。長くなるから書きませんが。

<注目ポイント>
お互い「好き」とは言っていない。「好き」という言葉以上に大切な関係である。しかし、やっぱり「好き」と言っていれば、今後の関係は変わったかも・・・

小学校の卒業式で、お互い本当に言いたいことが言えずに、表面的な別れをしてしまう。

最初はお互い手紙をやり取りするが、やがて出さなくなる(これは岩舟でアカリが手紙を渡さないのが皮切り)。そして書かなくなる(アカリが手紙を書きかけて断念してしまうカットが3話にある。タカキもメールを書きかけて消してしまう。)。でも手紙が来てるといいかなと期待してポストを開けてはみるけれど、出すことがないわけだから、そもそも入っているわけがない。で、やがてポストに見向きもしなくなる。アカリは他の男と付き合い始める(この時のアカリの気持ちはどうだったのだろうか?)。

で、ついに「踏切で振り返る」こともなくなるし、「桜の花を一緒に見る」こともなくなる。お互い、本当に大切なものが失われたわけだ。

ああ・・・鬱・・・

ちなみに、大人になったタカキは声優が同じなのに、アカリは変わっている点も注目だろうな。

投稿 : 2016/04/03
閲覧 : 253

benefitbye さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

きれいな作品

このアニメは音楽がとても美しく、作画もすごく綺麗でした。

最後はギュッと心が締め付けられる感じで切なく、余韻を残されます。

とても好きなアニメです。

投稿 : 2016/03/29
閲覧 : 175
サンキュー:

17

hiro0086 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

せつない...

心を締め付けられる思いでした。

投稿 : 2016/03/27
閲覧 : 174
サンキュー:

3

ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

辛気臭いアニメ

こういう毛色のはちょっと僕には合いませんね。
{netabare}
小学生や中学生にしてはませ過ぎだし、主人公が辛気臭すぎて魅力がまったくわかりませんでした。この主人公がモテる理由がわかりません。それにいつまでも引きずってて女々しいので、喝を入れたくなります。

背景・美術は素晴らしかったと思いますが、言ってしまえばそれだけだったかなと。山崎まさよしの音楽が良いだけに、アニメが添え物みたいになってしまってます。山崎まさよしのミュージックビデオとしての価値ならあるかもしれません。
{/netabare}

投稿 : 2016/03/21
閲覧 : 253
サンキュー:

5

mame さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

映像だけで満足

絵がきれい!!

歌が泣ける!!

内容は最後は結局こうなるよなぁ…って

物語は良いけれど…消化不良気味でした

投稿 : 2016/03/11
閲覧 : 185
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ポエムのようなもの

新海作品は作画(というより背景)が凄まじく綺麗です。絵がとにかく綺麗なので止め絵演出が多くても全く気になりません。逆にキャラクターデザインや動画に対してはジブリ作品ほどのこだわり(スタイル)は持っていないようです。

ストーリーというより歯が浮くほど小っ恥ずかしいポエムのようなもので成り立っていて、それは登場人物の演技にも反映されています。僕はその手のものは好みですが、本作はそれでもやり過ぎではないかと感じたので人を選ぶ作品だと思います。ピュアな中高生向けでしょうか。

何にせよ映像が良いのは正義です。監督には次の段階として人物の美学も追及してほしいと個人的に期待します。

投稿 : 2016/03/11
閲覧 : 155

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

桜の花びらが舞い落ちる速度

最近はCMなどでもちらほら見かける
機会が増えた新海誠監督作品ですが
新海誠監督の作品は世界観がいいというか
どれも絵がとても素敵で
写実的なのに心にぐっとくるという
アニメならではの良さが出ていると思います

本作は恋愛、そして失恋したことある人なら
誰しも共感できる内容に
なっていると思います

ある人は過去の恋愛を思い出したり、
ある人は片思いの相手を、
ある人は現在の恋人を想って、
自分の恋愛を振り返ることができる作品だと思います

鬱になりそうなアニメだけど
一見の価値あり!オススメです!

投稿 : 2016/03/09
閲覧 : 140

まごまご さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とても綺麗な作品

とてもとても綺麗な作品です。3話完結で1時間ちょっとで見終わるのでよければ見てみてください。

作画も声も綺麗で素晴らしかったです。物語も最初から最後まで綺麗にまとまっていました。

全く複雑な内容とかもなかったので簡単に感情移入できます。

ちなみに僕は一話が一番好きです。

うまく言葉にできませんがとにかく見て得することはあれど損することはないと思います。

ほんの一時間、というか一話(25分)目で充分感動できます。感動というか、なんか気持ちが落ち着きます。

この作品が嫌いなんて人はいないんじゃないかなって思うくらいです。

口下手ですみません…

投稿 : 2016/03/05
閲覧 : 174
サンキュー:

12

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ダメダメです…

切ない…切なすぎです。

美しい絵に、儚い物語…。桜を扱った作品の中でもこれほど見ていて辛くなる作品は他にないように思います。

名作なんでしょうけど2回は見たくありません…。最後のくだりは…自分の若かった頃に重なりすぎて、鬱になります(苦笑)。自分ってやっぱりダメダメです…。

投稿 : 2016/03/01
閲覧 : 221
サンキュー:

23

WANTED さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6
物語 : 1.0 作画 : 2.0 声優 : 1.5 音楽 : 2.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

アニメ映画ってつくづくレベルが低い

ジブリの有名作品くらいしか
私はいいと思えるアニメ映画がありません(漫画原作除く)

映画では洋画をよく見るのですが
ハックリ言ってクオリティが全く違います

これが87点?
これが泣ける???

ありえません



結局この2人は少し変わっていて
いうなればコミュ障

人はどんな失恋でも時が忘れさせてくれる

それは楽しい日々だったり新しい人との出会いだったり
たとえ楽しいことがなくとも人はちゃんと順応して
生きていけるようにできています

確かに初恋の記憶は思いだすこともある
でもそれがすべてではないはず
みんな前を向いて生きています

この映画ははっきり言って
何が言いたい、したいのか理解しかねる


興味をひくストーリーが何もない
中学生が作ったラノベみたいな作品

高評価してる人の感性を疑う

投稿 : 2016/02/27
閲覧 : 214
サンキュー:

9

もも さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

大好きです

いい作品

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 173
サンキュー:

1

ネタバレ

HATAKE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

皆さんはこの作品をどのように解釈しましたか?

秒速5cmずつ離れて行った…
それがこの話。

女ってこんなもん
男ってこんなもん
そういう話。


と、そんな風に前は思っていた。

まるで文学作品のようで何とも解釈がし難いのですが、これは成長(独り立ち)を描いているんではないかと、ふと頭に浮かんだ。

第一部ではお互い親の転勤により親しい友達も、愛着のある土地もない、そんな生活をしていたため互いに共通する部分も多く、悩みも分かち合える。そんな仲だったんだと思う。

だから互いが互いを拠り所としていた。

そんななか、急な明里(あかり)の引っ越し。やっと友達と呼べるものが出来たのだと思っていたのに、やはり親という縛りからは子供は逃げられない。まだお互いに必要な存在だったので貴樹(たかき)は明里の待つ栃木まで電車で向かう。
そして貴樹は明里へラブレターを渡そうと決めていた、第三部の明里の回想でもわかるが明里もラブレターを渡そうとしていた。

…それでも結局渡せなかった。

第二部では貴樹も親の都合により鹿児島へ。
まだ明里への手紙(メール)を送ろうかと悩んでいるシーンが何度かあったが、これも結局は一度も送れなかった。
これについては、貴樹はまだ明里のことを想っているんだ。と前は解釈していたが、多分これはミスリードで実際は明里という支えから抜けだそう。明里を変に心配することはやめよう。そう思っているんではないかと。だから一度も送れなかった…。

第一部最後にも貴樹が「僕たちはこの先もずっと一緒にいることは出来ないと、はっきりとわかった。僕達の前には未だ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間がどうしようもなく横たわっていた。」

とあることから、駅でのあの別れの会話は、これからは「お互い頑張ろう」と励まし合っていただけなのだ。


第三部では急に社会人となって働いている貴樹に皆さんも驚いたことだろう。そしてまず思うのは「明里とはどうなったんさ?」という疑問。

貴樹は仕事に満足が行かないせいか退職することとなり、数年間付き合っていた彼女とも別れることとなる。一方、明里は一週間後に式を開く模様(指輪をはめてもいた)。そんな対象的な生活を送っている二人がその日、互いに同じ夢を見、同じ線路ですれ違い、そして貴樹は電車が通り過ぎるのを待つが、明里は既にそこにはいない。

明里がいなかったことにより、貴樹はまだ明里のことを思ってはいたが、一方の明里はそうではなかった。と解釈するのもミスリードだと思う。

第一部冒頭の明里と貴樹の線路でのシーンはまだ互いに互いを必要としていた。しかし第三部では社会人となり、もう立派に自分の力で親や環境に左右されることもなく、独り立ち出来るようになっている二人。

電車が通り抜けたあとに明里がいなかったのは、貴樹にとって明里は、自分にとってかけがえのない宝物(思い出)であることは確かなのだろうが、今の貴樹にとっては無くてはならない、必要不可欠な存在ではなくなっていることを意味していたんではなかろうかと。これは明里にも言えることだろう。


こういう結論に至るとなるとやはり、悲しく切ない気持ちになりますね。


言の葉の庭をこの間初めて見て、またこの作品を見たいと思ったのがきっかけでしたが、やはり年齢や経験を重ねるごとに解釈も変わるもんですねぇ…としみじみ。


別の解釈を見かけ、それが大方正解だろうと思いここに追加する。

第一部の最後に明里は「きっと大丈夫だよ」と言ってくれたが貴樹は明里に「明里もきっと大丈夫だよ」と言えなかった。思えなかった…のほうが正しいかな?
そう、明里がいつまでも心配だったのだ。そのためか、高校時代や最後の音楽にのせた回想シーンでも明里がひとりぼっちな姿を想像していた。

そのことがずっと気になっていて。
明里は一人ぼっちでいるんじゃないだろうか。
またいじめられてはいないだろうか。と、高校時代までは心配していたが、再び踏切で再開した時に明里がもうそこにはいないことを見て。
「もう僕が側にいなくても大丈夫なんだね。」
という気持ちから口角を少し上げて歩き出す。

貴樹が笑ったのは淋しさから、という気持ちもあるだろう。しかし実際は、明里がもう一人でも歩いていけるんだとわかったことによる安堵からの笑みだろう。そして、いつまでも心に引っかかっていた「僕がいなくても大丈夫だろうか」という不安も『桜の舞い落ちる速度』のように時間はかかったが、やっと安定した地面へと着地することが出来たのだ。


この解釈ゆえに私はこれからの貴樹と明里の人生は、互いの無意識の縛りから開放されてようやく独り立ちできるのだろうと思えた。

加えてこの解釈に真実味を持たせる描写としてやはり「踏切」が挙がるのではないかと思う。

まだ幼かった第一部では踏切を挟んで互いに向かい合って止まり、棒が上がると互いに駆け寄って一緒に歩き出す。一方第三部では踏切を挟んで背中合わせで立ち止まる。ただそれだけ。
第一部と第三部とではこの踏切を通ることの目的は全く違う。学校への通学路にある踏切と、ただ宛もなく歩いていた中での踏切であるからだ。

しかもこの踏切は第一部と同じ踏切だ。

それに「踏切」という言葉からどことなく過去との決別といったものが伝わってきた。

同じ『踏切』でも、「ふみきり」ではなく「ふんぎり」では「どうすべきかについて、躊躇や迷いを振りきって下した決断」。という意味を持つことから、やはりこの解釈はしっくり来る。


このように疑問点がいくつも挙がりつつもどの解釈でも一見良さげに見える作品というのも珍しいと思う。まだ貴樹が明里のことを引きずっているという解釈でもあっていると思うし、この解釈のようなのでも合っているだろうし…。


高1の頃に見た「秒速5センチメートル」は明里が他の男に寝取られたような感じがして少し胸糞悪い感じの解釈しか出来なかったのに、久しぶりの秒速5センチメートルでこんなにも考察できるとは思いもよらなかったので秒速5センチメートルについての印象が良くなったことと、自分の経験による解釈の違いが生まれたことがとても嬉しい。


小説版が早く読みたくなってきた。


それではまた。

投稿 : 2016/02/11
閲覧 : 260
サンキュー:

16

岬ヶ丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

絵も綺麗ですが、言葉も好きです

作品を通してまず目を奪われるのが、色鮮やかで艶のある繊細な絵ですね。独特な人物の柔らかいタッチと、本物よりも綺麗とも思える風景に圧倒されました。

個人的に絵も素敵なんですが、タイトルの「秒速5センチメートル 」をはじめ、登場人物の言葉や比喩の一つ一つが、確かな重みとなって耳に響きます。アニメでありながら、非常に文学的で、小説を読み進めるかのような印象を受けました。

結末は、大人な展開といったところでしょうか。見る人の年齢・世代によって、この作品の感想が少し変わるのかもしれません。見終わった後に、胸の締め付ける切なさ、と同時になんともいえない暖かさ(桜のせいかも)を感じた一作でした。

投稿 : 2016/02/10
閲覧 : 184
サンキュー:

12

ネタバレ

8ta さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

初めて買ったBD

【好きなところ】
声優、天門BGM、時刻表と消しゴム、コンビニ、光


これをyoutubeで観て衝撃を受け、部屋にホームシアターの導入を決意しました。1枚の画(二次元)はときに本物(写真)をも超える生々しさをもつことを知らされた作品です。
作画だけでなく声優さんの声もそれぞれのキャラクターに良く嵌っていて、2人のやるせない儚げな声が、作品の切なさをぐっと引き立てています。
作画に限って言えば、新海誠さんの作品の中では一番好きです。

【小説】
新海誠 著・・・短めのハードカバー。水野リサのメールとアカリの手紙の内容が載っている。
加納新太 著・・・アカリ、貴樹、水野リサの視点で書かれている。最後にアカリ、貴樹両方の手紙の内容が載っている。
表紙が凝っていて文字の色も物語によって変わる。

小説、漫画など映像以外の作品もそれぞれの楽しみ方が出来る良いものだと思います。

投稿 : 2016/02/05
閲覧 : 254
サンキュー:

7

ネタバレ

m@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

とても綺麗で静かでセンチメンタルになる
で、One more time, One more chanceを使うのはズルイ
エンディングのピアノもとてもいい

{netabare}大人ではない頃に自分にド嵌まりする物や事があると、それを引き摺ってしまうんだよね
割り切って幸せな道へ行けるのは、やっぱり女性は強いのかな{/netabare}

投稿 : 2016/01/23
閲覧 : 146
サンキュー:

7

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秒速5センチメートルのストーリー・あらすじ

東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。(アニメ映画『秒速5センチメートル』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2007年3月3日
制作会社
コミックス・ウェーブ・フィルム
公式サイト
5cm.yahoo.co.jp/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%92%E9%80%9F5%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A1...
主題歌
≪ED≫山崎まさよし『One more time, One more chance』

声優・キャラクター

水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

スタッフ

原作:新海誠、 監督:新海誠、脚本:新海誠、作画監督:西村貴世、美術:丹治匠/馬島亮子、音楽:天門

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