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「君の名は。(アニメ映画)」

総合得点
91.0
感想・評価
2498
棚に入れた
11406
ランキング
42
★★★★★ 4.1 (2498)
物語
4.1
作画
4.5
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.0

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君の名は。の感想・評価はどうでしたか?

Huître さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:----

It standed out.

It's been completely completed for the first time, free from the trapping nonsenses.

投稿 : 2018/07/29
閲覧 : 143
サンキュー:

3

ネタバレ

wpKzC27928 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

作画はとてつもなく良いが、なぜあそこまで流行ったのか…

劇場で視聴したのですが、今更書きます

まずこの作品は作画が素晴らしかった。が、それだけだと思う。肝心な部分の心理描写がほとんどなくていつの間にか感動的な雰囲気になってたし、キャラ設定もブレブレだったし、物語の設定もごちゃごちゃしてよく分からなかったし、後半が色々展開が急すぎてついていけなかった。一番許せないのは、瀧くんが最初、先輩(名前忘れた)に思いを寄せてたのに、いつの間にかみつはの事が時空を超えるほど好きになってたところ。そしてその描写がないところ。物語の展開的にそうなるのは予想できてたけど、なぜ好きになったかを描写しないと、「体が入れ替わっただけの、直接顔合わせてるわけじゃないから性格もよく分からない、遠くに住んでいる、ほぼ見ず知らずの人」を好きになった、という事になっちゃうので、そこの好きになった描写をしっかりして欲しかった。今のところ滝くんがみつはのことを好きになった理由が、おっぱい揉んだからくらいしか思い当たらない。あと顔とか。
…とここまで批判したけど、自分が細かいところを気にしすぎるタイプではあるので、そうじゃない人、特に普段アニメを見ない人は楽しめるんじゃないかと思う。
RADWIMPSが好きだったし、評価がとても高かった分、期待はずれだった。
最後に、おばあちゃんがすごく重大な伏線のような発言ばっかりしてたくせに、実は意外とそうでもなかった。

投稿 : 2018/07/14
閲覧 : 138
サンキュー:

5

lll1 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

オープニングについて

 この映画には色々と思うところがありますが、この場を借りて、オープニングについて書きたいと思います。


 "映画との距離"と勝手に呼んでいるんだけど、映画との距離が近ければ近いほど、私はその映画にハマっているし、遠かったら、その映画にはあまり関心が無い。
「君の名は。」は、最初の"オープニング"で、距離を離され、そこからなかなか近付くことが出来なかった。


テレビアニメのオープニングについて、たびたび感じているのは、あれはオープニングではなくて、"オープニング曲のPV"なのではということ。


 正直、作風や雰囲気に全く合っていない曲が使用されている作品はたくさんあると思う。先の感想でも取り上げたけど、「神撃のバハムート バージンソウル」の第1話のエンディング曲は、作風を意識したものになっていたけど、2話以降は違った。まぁ、レコード会社も製作委員会に関わっているから使用せざるをえないのかも知れないけど。


 ちょっと良い例をみていただきたいので、「Stranger Things」とか「Black Sails」、「Game of Thrones」とかのオープニングを観てみてください。
 「Stranger Things」は、80年代が舞台なので80年代らしい、電子音等を起用し、ジャンルはホラーなので、不気味な要素を混ぜている。
 「Black Sails」は海賊ふうに。
 「Game of Thrones」はなるべく、時代に合わせ現代の楽器を使わないようにして、作曲されています。サントラにピアノを使った曲はシーズン6の1曲のみ。
 歌ねぇじゃねぇかと思われた方は「Ann With An E」と「True Detective」のオープニング観てみてください。


 テレビアニメだと、「アルスラーン戦記」のようなファンタジー作品でも作品の時代を無視し、人気のUVERworldを起用。映像も、登場人物紹介と本編のダイジェストのような映像で、ますますPVっぽくなってしまっている。
 「ARIA」なんかは、落ち着いた雰囲気の作品なので、オープニング曲も作風に合うように工夫されていた。
 「暁のヨナ」は曲そのものは、作品の時代に合わせている。映像はクソだけど。

 「攻殻機動隊(1995)」なんかは近未来なのに、古風な曲を川井憲次は作ってきた。正直、あの曲はジャンル分けが出来ない、というか分からない。本当、天才だと思ってる。


 ようやく話を本題に。「君の名は。」のオープニングは個人的には最低だった。そもそも、映画のオープニングっぽくない。明らかにテレビアニメでよくあるオープニング。
 「前前前世」は合っているんだろうか。「君の名は。」の映像のみを重視したのであれば、ゆったりとした曲に、新海誠が得意とする綺麗な映像を映し、そこにメインキャスト・スタッフの名前を載せる。私だったら、このオープニングでス~っと作品に入っていける…と思う。まぁ後半も、RADWINPSの音楽をばんばん使っていたので、逆にこんなオープニングにしたら、かえって浮くような気がするけど。演出レベルが全体的に低い。


 序盤で、距離が離れてしまうと、なかなか近付けない。同年に公開した「ちはやふる 上の句」なんかは、広瀬すずのイメージショットで、気持ちが一気に萎えて、そこから戻ることが一切なかった。


 逆に序盤、オープニングがしっかりしていると、後半そんな面白くなくても、それだけの演出レベルが備わっているからずっと観れる。
 「ディストピア パンドラの少女」という映画は、最初の圧迫感のある映像と不気味な音楽で、一瞬で魅入った。アクションシーンは長回しを多く取り入れたりしてて、そんなにストーリーは面白くないんだけど、ずっと近い距離で観れた。
 2017年に公開した「ノクターナル・アニマルズ」は、私が観てきた映画の中でも最も衝撃的なオープニングだった。太った白人の40~50代ぐらいかな?の女性が裸でずっとダンスしている。この衝撃的なオープニングで、"何だこれは!?"と、この映画に強い興味を持った。引いちゃう人もいるだろうけど(笑)。
 

 映画の序盤やオープニング。漫才でいうところの"掴み"に相当するわけだけど、これの重要性について書きたかった。
 オープニングがない映画もある。あってないような映画もある。それもそれで良い。ただ、使うのであれば効果的に使うべき。個人的に「君の名は。」のオープニングは、何も秀でていなかった。「前前前世」自体はめちゃくちゃヒットした音楽だけど、良い曲使えばそれでいいのか。


オープニングのURL貼っときます。
「Stranger Things」    http://www.artofthetitle.com/title/stranger-things/
「Black Sails」      http://www.artofthetitle.com/title/black-sails/
「Game of Thrones」    http://www.artofthetitle.com/title/game-of-thrones/
「Anne with an E」     http://www.artofthetitle.com/title/anne/
「True Detective」     http://www.artofthetitle.com/title/true-detective/


↓他にもたくさんこのサイトに上がっているのでよかったら観てみてください。
http://www.artofthetitle.com/titles/

「DareDevil」とか「The Night Of」とか「Westworld」も凄く良い。日本のアニメも何本かあります。

投稿 : 2018/06/29
閲覧 : 323
サンキュー:

7

ネルソン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

タイトルなし

キャラの特徴は?と聞かれて天然でもないしツンデレでもないしまじ一般人、アニメ映画ですよねこれ?って聞きたくなる
そもそもアニメで大事なのは俺なりにキャラの個性の面白さ 登場人物の顔だけではなく性格や行動によって好意が持てる、キャラが濃い、内容が深い、伏線が凄い、ギャグが面白い
だと思うがなにか有名な名言でも出来ましたか?CLANNADやったら、それと便座カバー
境界の彼方やったら、不愉快です
そんな感じにパラパラとギャグが残るでしょ?
何も無い
伏線もくそもない糸が時間を結ぶみたいな事言ってたけどそれはそっちの世界の話であってそれを前半をよく見たらわかるとかそんなふうも無し
内容深いかと言われると時間を主人公が回ってましたがシュタインズ・ゲートのようにそれは意味がありましたか?僕だけがいない街のように収穫はありましたか?ないでしょw時間稼ぎかよと思いました。アニメの途中で時間確認したのは初めてです
あえていうなら作画は良かったですね
今回評価されたのはアニメ全く知らない一般人の頭の中幸せな人が見たからすげーと勘違いしただけ
普段アニメ見ないくせに何評論家ぶってんだよw
感動ものなら
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない
CLANNAD
CLANNADアフターストーリー
Charlotte
Angel Beats!
AIR
カノン
一週間フレンズ「原作」
planetarian小さなほしのゆめ
とらドラ!終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?
とかの方がオススメですよ?w

投稿 : 2018/06/25
閲覧 : 153
サンキュー:

5

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

物語の背景への一考察。

いつしか結ばれた絆で惹かれ合い、突と千切られた契りに彷徨うラブストーリー。

★ この物語は、「星に宿る神々の別離と再会、その祝福の物語。」

「神懸かり」というテーマにレビューしています。神、星、神話など、スピリチャルな話題を盛り込みました。なお、『 』はウイキペディアより引用しました。(2018年6月24日、少し編集しました)

★ 新海氏のなかの「すれ違いとムスビ」
{netabare}
人類は数千年の時をかけて真理を探求し、知性の及ぶ領域を大きく広げてきました。ホーキング博士は、「一般相対性理論は、1億×1億×1億マイル(1マイルは約1.6㎞)の観測可能な宇宙全体の大きさにわたる尺度の構造を扱う。量子力学は、1インチの1兆分の1(1インチは約2.5㎝)といった極度に小さな尺度の現象を扱うレベルまで到達した。」と述べ、パラレルワールドの存在にまで言及されています。

科学の恩恵によって今では誰もが宇宙が膨張していることを知っています。地球は宇宙の極点(ビッグバン)からどんどん離れていますが、130億光年前の光を捉える目(望遠鏡)を持ち、あと10億光年ちょっとで極点に届かん勢いです。
地球から極点へと貫く直線を引けば、その極点から先には逆方向に遠ざかっていく星雲や恒星もあるはずで、地球と同じだけの距離にあるのが「もうひとつの地球」だとしたら・・・。それをパラレルワールドというのでしょうか?
極小から永遠無窮までの時空間で、取り持つ「ムスビ」と取り持たない「すれ違い」。私たちの身近にも起きている不思議さを思うと、実はどこかの異世界と繋がっていて未知の誰かさんの意志が介入しているのかもしれません。

さて、新海氏にインスピレーションを閃めかせたのは、そうした非物理的・非日常の次元界からの「ムスビ」の働きではないのか。であれば、その"意志と意図と目的を発信した人格的存在"がいるはず。私はあえて"神(≒宇宙意識)"と形容してみたいと思います。

また、「下流から源流へと遡っていくやり方で真理(理論・法則)を見出すスタイル」を科学技術の手法、「源流のひとしずく(真理)を下流に広く流布(済度救済・教導育成)するスタイル」を宗教的方法論と例えてみます。
両者に共通するのは真理への探究と修行の姿です。真理への「ムスビ」を求める意志の力です。科学者や宗教家が尽力する姿を、神が見定めて懸かり、時宜に応じて必要な叡智を賦与されるとしたら・・。


新海氏が時宜を得た理由を3つ考えてみました。

一つは、アニメーターとしての卓越した画力です。
これは過去作で多くが語られているので今更ですよね。源氏物語絵巻のように品格のある美しい"気"を感じます。
二つは、シナリオライターとしての才覚です。
兎角、男女の仲は上手くいかないのが世の慣わし。神代のゼウスとヘラ、アダムとイブ、イザナギとイザナミ(伊邪那岐/伊耶那美)。共通するのは「情愛、横恋慕、愛憎」。色と恋の愛すべき側面が語られます。
氏も、過去作で、夢、時間、距離、宇宙というキーワードを用いて、男女の気持ちの"すれ違い"のさまを、精緻で繊細、情感豊かな筆致(絵)で表現なさっていますね。新海氏の"意"ですね。
三つは、クリエイターとしての大きな台(うてな=台座、転じて霊的な受皿)がありました。熱烈なファンが氏を支持した結果、市場にシェアを、業界に影響力をもたらしました。社会的な"理"ですね。
氏を社会的に押し上げた意味で、初発からのファンの存在と功績はとてつもなく大きいと言えます。

こうした条件が備わっていた氏だからこそ、「すれ違い」の対としての「ムスビ」のインスピレーションを、神が懸かって「霊的に賦与した」のではないかと思うのです。
神懸かりとは、神と氏が「ムスビ」つくこと。ムスビは「はたらき」に、はたらきは「創作活動」に、創作活動は「作品」に、作品は「ファンと共有・共感」され、込められたメッセージは「展開・流布」されます。点から線へ、そして面へ。日本から世界へです。

本作は過去作のすべてを伏線にしたかのような王道のラブストーリーでもありますが、神秘的で不可思議な宇宙的シンクロニシティが幾重にもムスビ組み込まれています。(九つめの物語を参照してね。)

私は、本作が宮崎監督の「千と千尋の神隠し」に比肩するほどの「認知度を得た」という意味を考えています。つまり、社会(と個人)への影響度ということなのですが。
「千と千尋の神隠し」は、八百万(やほよろず)の神々の世界を舞台にした物語でした。彼岸と此岸という宗教的な世界観を持ちながらも、「湯屋」で得た印象は、勤行と労働の逞しさに垣間見える人情の温かさでした。それはとても身近なもので、だからなのか、千尋の体験が自分の生活の一部に「ムスビ」つけられてしまうかのような感覚を持ちました。
日本特有の神仏がもつ「八百万の多種多様な価値観とはたらき」をベースにしながら、宮崎氏のふくよかな想像力の賜物(たまもの)として、湯屋を切り盛りする勤労・労働の尊さと、神々からの労(いたわ)りと労(ねぎら)いを強烈に印象づけ、人と神を近しくムスビつけるのは「働きそれ自体」であることを明確に感じさせた作品でした。
また、千尋が、饒速日(ニギハヤヒ)~とハクの名前を呼ぶシーンがありましたが、これも「君の名は。」に通じていますね。
「名前」には歴史と未来が価値づけられているのと同時に、呪術的に縛り付けられる危ういものでもあり、名主の人格を支配する「言霊のちから」が含まれているようにも思えます。

日本のアニメを席巻した「千と千尋」と「君の名は。」に共通しているファクターは何でしょうか。果たして宇宙の意志(未知の神)は、この作品を通じて、どのようなメッセージを伝えたいのでしょうか。そのメッセージを探してみたいと思います。
{/netabare}

★ さて、この物語。
舞台に登壇する演者は、太陽、地球、彗星たちです。
その星々が織りなすのは、壮大なシンフォニー(交響曲)。
三葉と瀧はソナタ(奏鳴曲)です。
コンダクター(指揮者)は、宮水神社の「お山のご神体(主祭神)」。
最終楽章まで、ティアマトと三葉と瀧をエスコートします。

奏でられるテーマは、星の神々の奥深く秘められたラブストーリー。
三葉と瀧のガールミーツボーイ。そしてボーイミーツガールのストーリー。本作は・・・どちらともいえそうですね。

★ 一つめの物語。ティアマトへの"祝福"。
{netabare}
1200年前、ティアマト彗星は、ある日突然に、意図せず地球の引力に捕らえられ、砕かれ、力ずくで引き裂かれ、168億㎞というはるか遠くに分かたれてしまう。離れ離れになってしまった、いや、されてしまった彗星。
 
神話ではこうです。『ティアマト(tiamat)は、メソポタミア神話(シュメール、アッシリア、アッカド、バビロニア)における原初の海の女神。 淡水の神アプスーと交わり、より若い神々を生み出した。彼女は原初の創造における混沌の象徴であり、女性として描写され、女性の象徴であり、きらきら輝くものとして描写される。』 
推測すると、ティアマトの名を持つ彗星は女神。糸守湖を作った彗星は淡水の象意を持つアプスー。男神でしょう。遥かに離れ、思い焦がれ、招きあう二柱の神です。

つまり、この日は、ティアマトとアプスーの1200年越しの逢瀬だったのです。それは主祭神から「二柱の神への祝福」のシナリオでもありました。

もし、後日に本作をご覧になる時、このような見方で観ていただけると、まったく違う感覚で鑑賞していただけると思います。

アプスーに視点を当てたブログがネットにいくつか見られます。恥ずかしながら私もつい最近に読む機会がありました。何れも素晴らしい考察でした。もしよければご覧になってみてください。「ティアマト アプスー」で検索をどうぞ。
{/netabare}

★ 二つめの物語。人への"祝福"。
{netabare}
人の立場からみれば彗星の落下はおそるべき災禍厄難です。では人への祝福とは何でしょうか。
それは、主祭神が「宮水家を見出したこと」です。

宮水神社の祭祀に込められている意図は三つあります。
一つめは、宮水家と糸守町の人々の千年にもわたる御祭神に対する敬神の祭祀祭礼のお取り次ぎ。(人から神へのお取り次ぎ)
二つめは、糸守町の人々に功徳と恵みを与え、救い導こうとするもの。(神から人へのお取り次ぎ)
三つめは、三葉と瀧のすれ違う魂を救い、邂逅に導こうとするもの。(神から2人へ)
です。

まず、神社祭祀(さいし)について。
祭祀とは「まつり」。(六つめの物語を参照してね)
ひとつは、顕祭(けんさい。目に見える祭礼様式)。
人が神に奉る赤誠の表現です。宮水神社の場合は、伝統としての"組紐、巫女舞い、口噛み酒などの奉納・奉斎"がこれにあたります。
もうひとつは、幽祭(ゆうさい、目に見えない祭礼様式)。
神と宮水家の乙女との霊的な交流です。(ウケヒとも言います。誓約と書きます。約束ごとの意味です。)神が人に降臨し一体となり、取り交わされる不思議な約束ごと。乙女のわずかな時期にのみ許された 限られた能力こそが神からの"祝福"です。 

次に、神懸かりについてです。
宮水家の女性がいてこその神懸かりです。三葉の先祖、宮水家は糸守町の守り人であり、1200年の歴史のなかで、連綿と後継者(救済者、またはメシア)を見出す役割を密かに担ってきたシャーマンの系譜と考えると自然です。

彗星落下の前日、三葉はふいに、東京行きを思いつきます。 ふいにとは、ふと思いつくことですが、"ふと"とは、太占(ふとまに)のことです。一般的には卜占(ぼくせん)の一種を意味しますが、言霊でいえば、「ふと思いつくもの、その感覚のまにまに」です。自分の意思ではない誰かからの意志。大仰に言えば「天啓」、一般的には「第6感」ですね。
 
三葉にいきなり湧き上がってきた感覚。それは疑いようのない確信、揺るぎない信念でした。この直情的で衝動的な感覚がどうして起きてきたのか三葉は語っていないし、物語でもその根拠も理由も明かされてはいません。
ただ、彗星の到来の時、いえ、ティアマトとアプスーの「逢瀬」のとき。
それに連動するかのように、三葉も瀧との「逢瀬」を思い立ったということです。
 
私は、この時、主祭神が三葉に神懸かったのだと思いました。この「天の時」を逃してしまえば、主祭神の二つめの意図が途切れてしまう。糸守の人々の救済がもう間に合わなくなってしまう。主祭神からみてもこの瞬間しかムスビのチャンスは残されていなかった。
 
三葉は迷いもせず行動に移していました。そうはいっても瀧に会えるなんて何の保証もないのに・・。三葉の不安は大きい。でも同時に、絶対の確信もありました。夢のような東京での夢ではない瀧との入れ替わりの日々。魂と身体が「ムスビ」ついていたからでしょう。 
2人が四ツ谷で出会ったのは、主祭神の「幽のムスビ」の設(しつら)えがあったとしか言いようがありません。
次は三葉が瀧に「顕のムスビ」をつなぐ番です。主祭神は三葉の行動と言葉にすべてを託したのですが、「・・誰? お前」、「あなたは瀧くんなのに・・」。
この三葉と瀧のやりとりは、主祭神にはハラハラドキドキの展開だったでしょうね。

電車が揺れて2人は身体が触れ合いました。その瞬間。ふいに瀧は不思議な感情が湧き上がり、言葉に置き換えます。
「このおかしな女の子は、もしかしたら、俺が"知るべき人"なのかもしれない。(アナザーサイド版)」。
それは説明のつかない強烈な衝動。主祭神が三葉の霊線を瀧の霊体に直接ムスビつけた神懸かりの瞬間でした。

「あのさ、あんたの名前!?」
三葉は思わず髪に結った組紐を瀧に渡します。組紐の謂れを知っていたからでしょう。同じ時間、同じ場所で、三葉と瀧が出会った。触れ合った。三葉は瀧に名前を告げたのだし、瀧は三葉から組紐を受け取ったのです。とてつもなく大きなムスビの働きが成された瞬間です。

でも、三葉にとっては「忘れたい出来事」でした。その傷心ゆえに髪を切ってしまう。瀧にも「ささやかな出来事」にすぎず、いつしか忘れてしまうのです。でも、主祭神からは、幽から顕のムスビ、5次元世界から3次元世界へ、確かにムスビつながった瞬間でした。
とはいえ、そのムスビは2人には気づけない。主祭神にもその先はまだ関与できません。でも確かに2人への祝福も密やかに与えられていたのです。
{/netabare}

★ 三つめの物語。三葉から瀧へ。
{netabare}
ハイ!四葉です。こっから主祭神の三つめの意図のことを話すわ。この物語で最も大事なことやに。それはお姉ちゃんと瀧くんの救済のことやわ。
神さまは、1200年間もかけてティアマトとアプスーを導いて祝福したんやけど・・そのときはお姉ちゃんも糸守の人たちも救えへんかったし、しやへんかった・・。これが現実。神さまっていっても万能やないんよ。全てを"同時に"大団円にもっていくことはできへんのやわ。 
でもな、うちの神様の神力のほんまに凄んいのは5次元のはたらき。えっと、人の魂と時間を自由自在にあつかえるっていうもの?入れ替わりとタイムループってことやね。うん、きっとそうやわ。

でも。いくら神さまの後押しがあったとはいえ・・。
お姉ちゃんには同世代の恋人がおらへんかったやろ。(ああっ、もう!! なんてハンディなん!! アホなの!!)それに、直に会ったときの瀧くんは中学生やったし。(年下っ!?)う~ん、こりゃ難題やに。2人とも「恋人はいないんじゃなくて作らないの!」だなんて・・まぁ、張り合ったり己惚れてたりするんは仕方ないわ。そやけどタイムループって荒技?を使ってもそうなんやから2人をくっつけるんは難しいわ。2人とも恋はシロウト、恋を分からせるなんて凹むわ、きっと。

この難題に挑んだ神さまもさぞかししんどい思いをされたはずやに。同情するわ。それになけっこう焦ったはずやわ。ティアマトはどんどん近づいてくるし。タイムループを仕掛けるにも、瀧くんがお姉ちゃんと同じ年になるまで待たなきゃあかへんかったし、瀧くんの画力が上がってくるまでもね。(絵心のある瀧くんでよかった!!)

2人の気持ちをムスんでくれたのは奥寺先輩がいてくれたからやわ。瀧くんは先輩に憧れがあったし、お姉ちゃんにしても同性の頼もしい先輩だったでしょ? 同じヒトを好きになるなんてちょっと微妙なところもあるけど、2人をムスビつけるために神様が連れてきてくれたヒトやわ、きっと。奥寺さんがいたから2人は心を通じ合わせる機会がたくさんできたんやもんな。

先輩は自分から身を引いたやろ。瀧くんに「別の好きな子がいるでしょ?」ってすごいメッセージを残してな。瀧くんも返事に困っとったわ! そやけどなんでお姉ちゃんみたいに髪を触るんやろ?わからんわ。
瀧くんは先輩の言葉で気づいたんやわ。お姉ちゃんに通じへん電話をかけるなんて瀧くんってば、かわいい!
あの場所ってお姉ちゃんが前に瀧くんに会いに来て電話をかけとったとこやろ? 先輩って、お姉ちゃんの残像を、心のどこかで感じ取ってたんやろかな? それで先輩のあのひと言が瀧くんの背中を押したんやわ。だからお姉ちゃんに会うことを決心できたんやよね!
奥寺先輩が2人の気持ちを括ってくれた。素敵すぎるわ!
 
主祭神もなかなかスパルタやったわ。乙女心?につけ込んで、というか追い込んで「来世は東京のイケメン男子にして~」って絶叫までさせたやろ。実は、それってちゃんとした「願立て」なんよ。
「願立て」っていうのはれっきとしたお作法にのっとったお願いの仕方やに。巫女の私が言うんやから間違いないわ。神様ってそうやって追い立てるんよ。やっぱり願立てがないと神様も動けへんからね。でもアプスーに向かって願立てするなんてお姉ちゃん、ちょっとずれとるわ。
けどな、神さまにとってはそんなお姉ちゃんでもかわいくてしょうがないんさ。だって1200年もかけて準備した救済の演出がやっと叶うんやから。なんや神さまっていうても、うちらと変わらんな。

お姉ちゃんはね、瀧くんの名前を失って「あの人」って呼ぶようになった時すごく慄(おのの)いとった。「あの人」との記憶はすっかり抜け落ちてまったけど、その約束を受け取ることがどれだけ大事なことかってことは残ったんやよ。「あの人」から直に聞いたから町の人たちを救うことができる。「あの人」が糸守のみんなを救う梯(かけはし)になってる。お姉ちゃんがやろうとしていることは「あの人」がやろうとしたこと。お取次ぎなんやってわかったん。あの手の文字は反則! でもそれやから余計に使命感と恋心がお姉ちゃんを満たしたんやわ。きっとそうやわ。
お姉ちゃんは「あの人」から「名前忘れないように」って言われたのに忘れちゃったやろ。あれはカタワレ時が終わったせいや。うちの神さまのせいやない。神さまもお姉ちゃんとウケヒはしてたから忘れさせへんわ。きっと。

神さまにとってもリベンジやわ。三つめの願立ては1200年間あたためてきたもんやし。だから最上のシナリオを作るわ。何年かけてでもお姉ちゃんをエスコートするはず。お姉ちゃんも忘れるはずあらへん。「あの人」に出会うまで頑張る。お姉ちゃんには宮水の血が流れとるんやから諦めへんはずやよ。

私な、お姉ちゃんと瀧くんがじかに喋ったこととか、組紐を渡したこととかは、神様のねらいとしてはこれ以上ないスマッシュヒットやったと思うわ。神懸かり冥利に尽きるっていうことやん、それ。
やっぱり、直に会って名前を明かして組紐も渡してっていうんは、はずせへんプロセスって思うんよ。

本当にすごいなぁと思うのは、2人がその感覚に素直だったからだと思うわ。(ちょっとお姉ちゃんを尊敬してる!正直、そんな2人がすっごく羨ましいわ! 内緒やに!)
気遣いのお姉ちゃんが東京に行く⁈ デートやって⁈ 瀧くんに話しかける⁈ こんなことは5次元の神様でもできへんことやに。だって神様は3次元の肉体を持ってへんやろ。 あくまでも"顕のムズビ"は3次元の世界に生きている人間にしかできへんことなんよ。そやからもうびっくりやわ!!

お姉ちゃんはティアマトにそっくり。糸守から東京へ彗星のように現れて、あっという間に瀧くんの目の前から去っていく・・。でも、それでええんよ。だってここから主祭神がもうひとつのシナリオを仕込んでいくわけでしょ。
それは、入れ替わる夢から入れ替わらない確かな現実。大団円に向けてのハッピーエンドのストーリーやに。でもなシナリオっていっても、5次元の世界を3次元のうちらの世界(時間は後戻りはしないし、魂の入れ替わりなんてのもない世界)に転写して、微に入り細に入り十分に機が熟するまでの仕込みに3年もかかるっていうんは・・・仕方あらへんわ。そんだけの時間をかけへんと口噛み酒も飲めへんし、瀧くんもお姉ちゃんと同い年にならへんもんな。

すれ違ってる時間の束をぎゅっと括って組み上げて、ドンピシャにムスビ目を持っていくには神様もご苦労がいろいろあったんやろなって思うんやさ。でも、そうしてティアマトとアプスーの逢瀬と、糸守の人たちを救う大団円のストーリーのシナリオが書けたってことやと思っとるんよ。

これが「君の名は」の第1のハイライト。お姉ちゃんと瀧くんに託された「顕のムスビ」なんよ。ね?やっぱりガールミーツボーイでしょ!
{/netabare}

★ 四つめの物語。そして瀧から三葉へ。
{netabare}
瀧の手元には、"組紐と、口噛み酒と、三葉の名前"があって。それはもうこれ以上は望むべくもない3種の神器みたいなもので。
瀧は、口噛み酒を飲み、三葉の死と生のストーリーを知り、彗星と糸守町の因果律を知ります。主祭神が瀧の「天眼を開かせて見せた」のです。
このシーンが第2のハイライト。

瀧が見たシーンは主祭神から負託された「天啓」です。彗星を見せ、三葉の生い立ち、入れ替わりの日々、髪を切った(失恋した)姿も見せました。そうしてついに瀧も、すべてが一つの時間軸に繋がっていたことを知るのです。不思議な入れ替わりが、宮水家と彗星との因果律によって生じていたことを感じ、三葉の未来に責任を負う者としての強い情愛の決意が生まれるのです。三葉のことを"失いたくない人"だと気づくのです。
ようやくようやく・・ようやく瀧の願立てが聞かれます。「三葉、そこにいちゃいけない。逃げろ!」と。
その瞬間、主祭神の神力も全力展開で発動するのです。瀧の魂が時空を超えて生きている三葉に入ることになるのです。ティアマトとアプスーの逢瀬の日の朝、瀧は三葉の身体をいとしく思って抱きしめ涙します。

瀧の目的ははっきりしました。三葉に会わなければ・・。伝えなければ・・。 まるでティアマトがアプスーに向かうように、瀧はご神体のある山に向かいます。太陽の光線はまだ強すぎて2人の間に光の壁を作ります。しかしそのとき、地球の神と太陽の神から、ドンピシャのタイミングで祝福が与えられるのです。糸守の人々に語り継がれてきた「カタワレ時」です。
大気は柔らかな桜色に染まり2人の心に沁み込んでいく。
それは忘れられない恋の色。忘れてはいけない戀の彩です。(須賀神社で三葉が同じ色の上着を着ていましたね)
このシーンが第3のハイライト。

カタワレ時は、惜しむべきほんのわずかな時間だったけれど、未来を作り出すとてつもない大きな意味を持つ時間として三葉と瀧に与えられます。
主祭神は、太陽と地球の神ともタッグを組んで、三葉には未来を見せ、瀧には過去へといざないました。町の救済は、主祭神の「願立て」でしたが、3次元世界では三葉と瀧が「始めたこと」、テッシーやサヤちんたちの協力と三葉の父の決断によってようやく成就します。
主祭神の願った二つめの意図、糸守町の人々の救済は確かに叶ったのです。それは主祭神から糸守の人々へのこの上ない大きな祝福となりました。

でも、三つめの意図を成就するためにの時間は、儚くも潰(つい)えてしまいます。主祭神が三葉と瀧の糸をムスビつけようとした祝福も、2人が「忘れないように」とペンを持った時間も、唐突に終わってしまいます。5次元の主祭神にも太陽と地球の運行までは変えることはできなかったのです。
カタワレ時の終幕とともに、祝福の余韻も2人の記憶も、薄闇のなかに溶け込み、かき消されていきました。それぞれの名前は「君」に置き換えられ、やがて「誰か・何か」となっていきます。
三葉と瀧は、大きな大きな代償を払うことになってしまうのです。
{/netabare}

★ 五つめの物語。逢いたい。
{netabare}
あとちょっとだけ、もうちょっとだけでした。
三葉と瀧の大切な時間は強引に分かたれ、別々の流れのなかに引き戻されていきます。 
でも、ともかく2人は生きているのです。それが尊いのです。天上天下唯我独尊。天の上にも天の下にも、ただ私がこうして生きていることが何よりも尊いこと・・。三葉と瀧、テッシーとサヤちん、四葉と一葉ばあちゃん、町のみんな。みなが生きていることが尊い。生きているから「あとちょっとだけ」「もうちょっとだけ」だと感じられる。その感覚こそが生きている証です。記憶の糸は途切れましたが感覚の糸が残っています。お互いの身体の中に残された感覚、言葉に置き換えられない「名の知れぬ何か」です。

主祭神が三葉と瀧に残してくれたもの。
三葉には、瀧が書いた3文字。・・三葉は気づきます。「あの人」への恋心を。それは5年間、見ることのない夢の目覚めに燻(くすぶ)り続けました。 
瀧には「赤い組紐」の残像と皮膚に残るわずかな感覚だけでした。まるで糸守湖の湖底深くに沈んだアプスーのように朧気です。
そして「カタワレ時」の空の色。奥宮から見渡した光景。
2人にとってはそれらが唯一の、そして絶対の拠り所です。もう一度、絆をつなぎ合せるための思いの強さが、三葉と瀧に試されます。
ティアマトとアプスーには取次ぐ巫女がいましたが、2人には頼りになる依代はありません。

三葉も瀧も、"夢の醒めどき"に感じる魂に刻まれた"名の知れぬ"記憶のかけらの扱いに戸惑いながら、それが「何か」と自問し、実感を埋められない思いを抱えて過ごさなければなりませんでした。そう、168億kmを旅してきたティアマトをアプスーが呼び続けたようにです。いったん切れてしまった糸をムスビなおすのはとても難しい。それに1200年も人間は待てませんしね。 
2人にとっては出口の見えない年月です。思い出せない夢に悶々とするやるせなさ。まんじりとともせず時間だけが過ぎていく。ただ募るのは寂しさ、侘しさ、もどかしさ・・。あたかもノクターン(夢想曲)の調べに漂うようです。

繰り返される夢は、ロンドのようにも感じます。交響曲や奏鳴曲の終楽章にはロンド(輪舞曲)があるものですが、あたかも、2人のためのだけに主祭神が指揮しているようです。しかし2人は名前を取り交わせなかったことで、五線譜はまっさら・・・。

冒頭、「あの日、星が降った日、"まるで"夢の景色のように、ただひたすらに"美しい眺めだった"」と、2人はティアマトへの称賛と感嘆を見せました。天空のティアマトを寿ぎ称えることは、主祭神にとっても我が子を褒められるようで気持ちのいいこと。
"まるで"という言葉は、瀧から三葉にリレーされ、"美しい眺め"に同時に結ばれます。三葉の言葉に瀧のそれを重ねてつぶだてていましたからとても印象的なシーンでした。

主祭神が交響曲を指揮するさなか、ソリストだった三葉に、"唯一共鳴するメロディ(調べ≒言霊)"を発したのは瀧だった。糸守と東京で交わされたその微かなハーモニー(音楽的調和)は、主祭神の耳にも届いたのではないか。だから、交響曲に共時性(シンクロニシティ)を持つ演奏者として瀧に白羽の矢が立った。同時に三葉とソナタを奏じ合うパートナーともなった。と同時に三葉はティアマトに、瀧はアプスーに"シンクロナイズして結びついた"。そう感じます。

こうしたことから、三つめの救済のシナリオの成就には、ティアマトを寿いでから、三葉には5年、瀧には8年にもわたる"演奏の時間"が必要だったということでしょう。
{/netabare}

★ 六つめの物語。宮水神社のこと。
{netabare}
宮水神社は、二柱(ふたはしら)の神を祀(まつ)っているようです。お山(奥宮)の主祭神と、糸守湖の神様です。主祭神のご神名は焼失し明らかにはされていません。糸守湖には男神が坐(い)ます。アプスーがモチーフでしょうが、作品内では秘められた神です。二柱とも「名の知れぬ」神なのです。(アナザーサイド版には主祭神名のみ記されています。)

一葉ばあちゃんによれば、宮水神社の成り立ちは千年余前に創建されているようです。宮水家にとっての「ハレ」のお役目(三葉にとっては最悪のようですが)は、年に一度のお祭りです。
本来、祭りとは、「間、釣り」であり、神と人との関係性のことです。
顕・幽の2面性があることは前述しましたが、具体的にはご神魂をご神前に招き、舞と鈴と音曲でもって、厳かに、賑々(にぎにぎ)しく魂振(たまふ)りし、神に感謝と敬神の誠をささげるとともに、そのご神威をますます高めていただきコミュニティーの繁栄とご守護をいただくこと。また、地域の氏子らも社殿に参集して、神とともに祭りを楽しみ賑やかに直会(なおらい。宴会・食事など)を行ない、神と人とが仲良く近しく過ごすことを指します。

顕と幽の祭りに込められたものが、人から神にむけては"敬神"であり、神から人にむけては"祝福"です。
敬神は、初詣、月参り、お百度、お礼参りなど、日本人がごく自然に無意識にやっていることです。それらはぜんぶ、人が神に感謝し、寿ぎ、称えるという敬愛の思いが出発点になっています。祝福をいただくためには、まず人のほうから居ずまいを正し、誠の「心と、行ないと、言葉」でもって示す行為が先に立つのです。

神の祝福(神徳)は、残念ながら目には見えませんから、その代わりに例えば、お札だったりお守りだったり撤饌(おさがり)だったり、神前に御供えし神様の力が宿ったもの。"神籬(ひもろぎ)"や"依代(よりしろ)"ともいいますが、それを手元にいただいて、ご神霊からの霊線を近しくムスビ、祝福(ご加護といったほうが耳慣れていますね)をいただくのですね。

宮水神社の神楽は巫女神楽です。これは「女性による男性への魂鎮め」の意味がありますから、男神に向けて奉納されていると考えても良いかと思います。
また、二人舞いであり、その所作・仕草などの舞い方や装束などからは、彗星の分割と落下(彗星に宿る神々の離別)を暗喩するような表現になっています。三葉と四葉の舞う巫女神楽は、主祭神とアプスー神に向けて奉斎されるものとして理解できます。

神楽(かぐら)については、『一般に、「かぐら」の語源は「神座」(かむくら・かみくら)が転じたとされる。神座は「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を意味し、神座に神々を降ろし、巫・巫女が人々の穢れを祓ったり、神懸かりして人々と交流するなど神人一体の宴の場。』、『日本の神道の神事において神に奉納するため奏される歌舞。』、『巫女神楽は、神懸かり系・早乙女系』、『早乙女とは、苗を田に植える女性』とあります。
{/netabare}

★ 七つめの物語。神話の始まりと終わり?
{netabare}
紀元前4000年のメソポタミア神話に登場する神々が21世紀の三葉と瀧の関係に関わっている・・。とても神秘的ですね。
糸守湖を作ったのが1200年前のアプスーだとしたら、奥宮のクレーターは6000年前に作られていた?・・ということは・・メソポタミア神話の原典は、超古代の飛騨に落下した彗星が由縁なの?って、ええっ??

原典の一つは、「とりかえばや物語」。この作品は1180年以前に成立されたと言われています。(ウィキぺディア参照。ぜひご覧ください)
しかも、ティアマト彗星は、1200年周期で地球にやってくる・・。
とりかえばや物語の成立と、彗星の落下は、ともに約1200年前・・。
「君の名は。」のストーリーはどうやらこのあたりがスタートのようです。
宮水神社の主祭神は、三葉と瀧の 「心と体をとりかえばやと誘(いざな)うかのようにはたらく」この物語の核心をなすものです。

主祭神は、地球から宇宙の深淵にいるティアマトに呼びかけます。それはあまりにも密やかで微かな声。1年に1度だけ巫女に懸かり、舞い、鈴を鳴らしながら空に向かって呼び続けるのです。「貴女を恋しく想うアプスーは、ここにいます。忘れないでください。きっと、きっと、また逢いに来てください。」と。やがてティアマトは呼び寄せられるようにして、糸守に再来します。 私のもとに来てほしい・・「来い」と「戀」。いにしえの「通い婚」に通じる逢瀬の言霊です。

主祭神は、長い時間をかけて、そして寸分の狂いもなく、ティアマトとアプスーとの巡り会いを準備し実現させました。と同時に、宮水家にも三葉、四葉を誕生させました。しかも、タイムループと、入れ替わりという荒技?を使って三葉と瀧を結ばせたのです。なんという神の御技(みわざ)でしょう!!

2人の関係は、唐突に繋がり、そして切れました。しかも繋がったのはタイムループです。実はこの物語、始まりはボンヤリしてよく分からないのです。理屈をつかっては説明のしようがありません。でも、ここにも原典があります。それは古事記です。なんとなくですが予感はありました。 古事記に顕われる八百万の神々の息吹とはたらきをこの作品にも感じてしまいます。(拙述レビュー、レクリエイターズ、感想その1参照。)

紀元前4000年の神話ではしかし、文献は遺せるものなのでしょうか。壊れやすい粘土板に刻まれた文字よりも永く遺るのは、神話であり、口伝であり、舞であり、作法であります。そして純度の高さを保つには、秘伝として一子相伝にするか、後世に残すのであれば「名の知れぬ神、解きようのないご神名」と置き換えて謎の神として秘めおくことしか術はありません。
映画では明らかにされていませんが、アナザーサイド版で少し触れています。でも、なぜそこまでして秘め置くのかまでは解説されていません。(秘め置かなければならない理由は「千と千尋」で語られています。少しですが)

彗星は再び糸守に落ち、神社を、町を消失させました。「ティアマト彗星に呪われた町」ということは簡単です。でも、私は「そうなった」意図もまた主祭神に尋ねてみたい・・。
そこで一つの仮説を立ててみました。宮水神社が失われるということは、その祭祀の役割も終わるということです。確か糸守湖は一つから二つになり、それは「つながって」いました。ティアマトとアプスーはつながった。ムスビついたのであるのならばもう呼び合うことはないのかも知れません。糸守湖は無限のループを示す形(∞)に姿を変えていました。(よく見ると、ティアマトの作った新しい湖の方が大きいですね。いかにティアマトのアプスーへの思いが強かったのかを示しているようです。) さて、新糸守湖は二柱の神の二人舞いの姿として理解すれば、逢瀬の喜びがいつまでも永遠に続いていくという証としてみていいのではないかと考えました。なるほど、それならば主祭神の願立ては、正真正銘、完成成就ともいえるでしょう。となれば宮水家が祭祀を奉斎する理由も役割もその必要がなくなった・・。そんなふうに思いました。
これは6000年越しの神話の一つの終わりではないか。幕は下りたのです。
ところが、アナザーサイド版では四葉のストーリーもあって、実に興味深くて・・。
{/netabare}

★ 八つ目の物語。観終わったあとにのこる不思議な余韻。
{netabare}
新海監督の作品には、いずれにも主人公の"一途さ"が見受けられます。それはちょっと独特な味わいと、シュールな世界観を感じさせるものでもあるのですが、三葉と瀧の"一途さ"には、それまでの作品には見られない違った印象を持つのです。 
全体をとおして、明るくて、軽やかで、温かいのです。動と静のリズミカルな展開もパワフルに伝わってきます。三葉は洗練された都会のビジュアルにしっかり溶け込みながらどんどんお出かけの予定を入れてしまうし、瀧も糸守の町や高校でなんだかんだで対応し、馴染みながら家族ともうまくやれてしまう。それぞれが夢のなかのことじゃなくて、入れ替わっていることだとわかったあとでも、全部ひっくるめて両足はしっかりと地につけている2人。お互いのためにと作ったルールもなんのその。ついつい脱線しがちになって、果ては開き直りあう2人は豪(えら)い!
 
このふわついたファンタジー感と、きつきつのリアリティー感が、ベタで鮮烈に表現されています。入れ替わりは非現実なのですが、それを現実のものとして受け入れ楽しめている2人を見ていると、カタワレ時のわずかな時間のはかなさにも似た危うさを感じながら、一瞬の今を生きている命の尊さにふと引き込まれてしまうのです。 
新海監督の作品のなかには、いつも「すれ違い」が表現されています。三葉と瀧の大団円も、電車のすれ違い、神社の階段のすれ違いなどのシーンがありました。私は三葉が瀧を見おろす姿にティアマトの心情を、瀧が見上げる姿にアプスーの心情を思わず重ねていました。特に三葉が一瞬、戸惑いと期待を秘めた表情が好きです。主祭神は1200年越しの愛は成就させたのに2人の戀は結ばないのかなってドキドキして胸が詰まる思いでした。

私は、「君の名は」と問うべき対象は、生きている今に限られるものではなく日本人の精神性の中に見え隠れしている、忘れてはいけないもの、大切なものへの呼びかけのように思えます。
ムスばれたい人とムスビつきたいと願う気持ち。それを助けたいと願う氏神様のムスビの働き。「ムスビ」という言霊は血脈に溶け込みDNAに組み込まれ、お互いを寄せ合い結びつきあおうとする不思議な働きを持っています。なぜなら「魂の歓喜と安心の気」を生み出すからです。
それを感じさせ、呼び起させ、湧き上がらせてくれる源泉がこの作品の中に秘められていると思います。愛を生み出すチャクラは胸にありますから、観るたびごとに胸を撫で下ろして「ああ、よかった~」って思うのは、魂が愛の歓喜を胸に感じるからでしょう。
新海作品の通奏低音である「すれ違い」の歴史から、ついに新しい「ムスビ」のステージに移った、そう感じます。

心の交流も出会いも、みな神様が望む「ムスビ」。
自分も、親も、その親も、みな辿れば氏神様に行き着く。誰一人として欠けてしまっていたら今の自分はないですね。子や孫は・・「ムスビ」方しだいですね。
人の歴史が、今この瞬間から未来に紡がれてこそ、この国(コミュニティ)が賑々しく繁栄する大元であるし、それが神々の願いです。だって崇敬する人がいなくなれば、願立ても、祭りも、直会もなくなってしまうし、神社も廃れていくのですから。本来、人と神はとても近しくて、お互い様な存在なのですから。

前々前世からムスビ組み込まれた密やかな愛の祝福の象徴。それが「名前」。「君の名前は?」と三葉と瀧が呼びかけ合うことが、それぞれの氏神様からの愛おしさの表明であり祝福そのものです。
ムスビあう働きから生み出される幸せ。そのありがたみや、未来への希望の予感を、もう一度思い起こさせてくれるのが本作です。
毎日、毎回、初めて出会ったように、気持ちを込めて、名前を呼びあおう。そうして、友と語ろう。恋と愛を紡ぎあおう。人生を組紐のように組み上げていこう。それは奇跡の出逢いなのだから。

彗星が落ちる日、三葉と瀧がお互いに涙するのは、その名前をもう二度と呼び合うことができなくなる予感を魂が感じ取ったことが理由なのでしょうね。
{/netabare}

★ 九つめの物語。おまけ。
{netabare}
「暗喩・象意」について。

☆ 三葉
密葉(人に知られないように秘められた祈りの言葉≒願立て)。ラピュタの主人公シータの発する「リーテ・ラトバリタ・ウルス・・のような言霊の力です。
また、三の意味する象意は、「青春、若々しさ、躍動感、進歩性、発展性、活発」です。 
” みつはめの神 ”(火を鎮める水神にして豊穣をもたらす農耕神のはたらき)の意もありますね。(有名ですね)
三葉は、3(みつ)と8(はち)。足し算で11になりますね。(数霊の項を参照してね)

☆ 立花
「橘」に読み替えると花言葉では「追憶」になります。橘は柑橘系の果実の一般名称(古語)。落日する太陽のようにも見えるでしょ?

☆ 宮水家。
水(密、秘密、密意)の秘め置かれている宮(尊い場所)の意ですね。

☆ 二葉の存在。
半月の明と暗。月を2つに横切る電線。扉の開閉。2に割れる彗星。2つに繋がった湖。さやかとたそがれ。極めつけは2本の茶柱。
このような「ふたつ」の象意ですが、「ふ」は「ふえる、生産する、育てる」の意味合いを持ちます。それが転じて「女性」の意味となります。
また、「ふた」は三葉の母である「二葉」の言霊の響きにも通じます。つまり、全編を通して亡き母の存在が影に日向に感じられるのです。
三葉が父親のいる役場に来て消防団の出動を要請するのは町長室でした。そこに掲示されていたポスターの「陰、陽」の文字は、まるで三葉の背後に二葉が見守っていて、三葉に寄り添って後押ししているかのように感じたのですが、いかがでしょうか?
魂の救済は、女性の感性と役割が主役だという意味なのでしょう。

☆ 三葉と四葉。
三+四で「七」。7は変化の数霊です。「葉の並び」は転じて「母」。二葉の母性のはたらきが感じられます。母のような情と愛を以っての救済がこの姉妹に託され動き出すという暗喩でしょう。

☆ 三葉の父
町政「≒まつりごと」に転身したのも、糸守町を守り発展させるという宮水の主祭神の願いでもある「町の救済」の一部を担っている縁だとも言えそうです。父は宮水の姓を名のっているので霊線がムスバれていますね。

☆ 糸守町。
彗星が「糸を引いて再来したとき守られる場所」。神社と祭りと敬神を「守り続ける意図の定着している場所」。また、神の「意図が洩れる」場所でしょうか。

☆ 組紐。
宮水家の系譜と伝統、DNAと血脈が幾世代にもわたって組まれること。また、地元住民とのムスビ・結び・産霊(産霊は生産・生成を意味する言葉)の証。「糸の声をよおく聞き。」とは撚り合わせることで人と人との思いや願いに耳を傾けること。組むことはお互いの意見や主張をしっかりと聞くこと。コニュニティーのなかに平和や調和、規律や信頼を効かせ、結びつけていきましょうという意味があると思います。そして主祭神と人との共同という働きの暗喩でもあるかもしれません。

☆ 女性の暗喩。
糸守湖も池塘のあるご神体のクレーターの風景も、ともに円形です。宮水、三葉という呼称、早乙女系、田植えなど、水に関わるのはいずれも女性の暗喩でしょう。また、組紐は女性の家内作業にも適していますね。

☆ 男性の暗喩。
巫女舞の装束にある前天冠(まえてんかん、頭につけるティアラ様の冠)と神楽鈴(かぐらすず、稲穂を象(かたど)り、鈴は米を表す)の龍のデザイン。煌(きら)びやかで美しい中にも凄まじい音を鳴らして落下する彗星の暗喩で、力=男性的ですね。また、言霊で解釈すると、龍(リュウ)は「立」、瀧(タキ)「立つ」に転じます。新宿の屹立するビル群も含めて・・男性の暗喩でしょう。艮(うしとら)の金神、国常立(クニトコタチ)ですね。

☆ 須賀神社。
神紋が「左三つ巴」です。巴は「ともえ」と読みますが、音読みすると「は」なので「みつは」の語呂合わせ?ちなみに三葉と瀧が出会った四ツ谷の総鎮守でもあります。

☆ カタワレ時。
古文のユキちゃん先生が、「黄昏時はたそ彼時」「誰そ彼時、彼は誰時」と述べ、生徒が「カタワレ時は」と揶揄する場面。「追憶の愛しいあの人との赤い糸伝説」の悲哀悲恋を彷彿とさせます。
カタい彗星がワレて糸守町に到来するトキの暗喩も。だからこの糸守町だけに伝わる方言ですね。
また、現実世界(現世・うつしよ)と夢世界(幽世・かくりよ)のふたつの別々の空間と時が存在している暗喩であり、僅かに生み出される時空の軛( くびき)を超えて、人ならざる者、つまり「救済者=メッセンジャー」が現れるという暗喩です。
また、女性(宮水家、サヤちん、ユキちゃん先生、奥寺先輩、太陽=アマテラスオオミカミ)と、男性(瀧、テッシー、司、町長、地球=クニトコタチオオカミ)のそれぞれのはたらきと、合一するはたらきの暗喩ですね。

☆ 飛騨。
文字どおり「飛行する馬」。つまり「天馬」であり「ペガサス=ペガスス」です。天翔けり国翔ける(あまかけりくにかける)白い馬でもあることから神様の遣いであり、その象意は「水、泉」です。(星座の項も参照してね)

☆ ⦿。
宮水神社の奥宮は、クレーターの辺縁の中心に巨石で形作られています。デザイン的には⦿です。
また、東京を象徴する新宿区は東京23区のほぼ中心で、新宿駅は新宿区のほぼ中心。⦿です。
また、2人がクレーターですれ違ったとき、見えない相手に恐るおそる手を伸ばしたとき⦿がほんの一瞬だけ表現されていました。この自然現象は太陽の神と地球の神の働きがあって初めて創れるものです。このシーンは時間軸が3年を隔てているにも関わらず2人に同時に表現されていました。神様が2人を守り導いたという証ですね。

☆ 2013年10月4日。 
この日は天文学上で見ると、太陽、地球、天王星が一直線になる「衝(しょう)」という現象が見られました。
衝の学問上の概念では、一本の線に3つの天体が貫かれるのです。
また、『衝の位置にある天体は地球との距離が最も近』くにあることと、太陽の影響を受けないため、『視直径が最も大きく光度も最も明るくなります。』
つまり、一番明るくなり観測されやすい=人々の目にとまり意識に上がってくる=象意が強く表れる時です。

天王星は、『西洋占星術では、宝瓶宮(みずがめ)の支配星で、凶星である。変化を示し、改革、離別、不安定、電撃に当てはまる』という意味・象意がありますから、これらが一番強く表れてくる時なのですね。
なんだか糸守湖がみずがめ座を転写したかのようにも感じられませんか?アプスー、つまり瀧にとって強く作用する暗喩ですね。

☆ 星座の位置。
この日の天王星の遥か彼方の背景には「うお座」が位置していました。うお座は、『星図では「紐で結ばれた2匹の魚」として描かれます。うお座は古代メソポタミア文明に由来する星座とされ、恒星のα星:アルレシャ(Alrescha、「ひも」の意)は2匹の魚を結びつけるリボンの結び目にあります。この星は4.2等と5.1等の連星であり、それぞれはさらに分光連星となっています。』
さらに、『うお座はぺガスス座の南にあります。日本でも秋になると「ペガススの大四辺形」と呼ばれ月明かりがなければ比較的よく見えます。ギリシア神話ではこの四辺形を「神が地上を覗く窓」に「四辺形の中にある星は神の目」に喩(たと)えています。』
これらをつなげると、「遠い宇宙に坐す神の目(意図=糸)がペガサス座の窓を通じて飛騨の地に現れる。水にまつわる名を持つ2人をひもで括る。離別という大きな変化が生じるが救済へといざなう働きも運んでくる。それはやがて括られることになる。」という象意になります。(白山比咩神社の項を参照)
また、太陽の背景には「おとめ座」が位置していました。おとめ座の象意は「少女のような瑞々しさ、初々しさ、ピュアな気持ち」。太陽の象意は「数年かけて現実の世界にあまねく降り注ぎ、しっかりと根づき実現していく」。両者の働きが重ねられて三葉と瀧に現れる意味になるのです。

図式化すると、次のようになります。
おとめ座→太陽→ 地球 ←天王星←うお座←ペガスス座。
これらの星々が、カタワレ時に、衝として、一直線に並んでいるのです。

また、4.2+5.1=9.3となり、この数霊を言霊で解義すると、「キュウ、サン。=救済」という象意を含んでいます。

このように西洋占星術を参照し、数霊・言霊解釈をしてみると、「君の名は。」という作品は、「深宇宙から幾重にも重ねられた要素が、組紐のような複雑さをみせながらも美しく組み上げられ、三葉と瀧に大きな変革をもたらす。2人はピュアな気持ちを保ちながら、その願いは数年のうちに必ず実現して幸せを手にする」という奇跡のようなストーリーが、おのずと組み立てられるかのように思えます。
そう考えると、指揮者は主祭神ですが、プロデューサーはどなたなのか興味がわいてきます。その神様が新海氏に神懸かった?そんな思いに駆られてしまいます。誠に不思議ですね。

☆ 数霊。
2013.10.4を足し算すると合計は「11」になります。
『1は、一白水星。象意は水、流動性、始まり、忍耐、交わり等』、ぞろ目ですから意味合いが強調されます
「11」は・・十一面観音といえそうです。『伝承では、奈良時代の修験道僧である泰澄(たいちょう)は、幼少より十一面観音を念じて苦修練行に励み、霊場として名高い白山(はくさん)を開山、十一面観音を本地とする妙理権現を感得した。』 白山は、長野、岐阜、石川各県にまたがる霊峰。その一宮は白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)。

☆ 白山比咩神社の奥宮。
2013年10月4日の日没。宮水神社の奥宮から夕日が沈んでいった方向には、白山比咩神社の奥宮があり、先ほどの「衝」の一直線上に、同じく並ぶのです。
三葉と瀧を隔てていた光の壁を消滅させ、一瞬にして2人の魂と身体を入れ替え括ったのが白山比咩神社の主祭神、菊理媛神(くくりひめのかみ)です。この神の本地仏は十一面観音なのです。数霊と言霊の不思議な符号ですね。

☆ メソポタミア文字(紀元前8000年~)。
楔形(くさびがた)文字とも呼ばれています。象形文字、つまり形を見たまま写し取るという技法です。いわばスケッチですね。 漢字(紀元前1300年~)やヒエログリフ(古代エジプト、紀元前3200年~)もその仲間と言われています。
メソポタミア文字の『米』(すみません環境依存文字で表現できません。ネットで「ユニコード、12020、D」で検索してみてください)。星の形をそのまま使っています。この楔形文字の「米」の意味は「神・天・宇宙」なのです。ホントだよ。
そして、私たちに身近な漢字の『米(こめ)』。
是非メソポタミア文字と比較してみて下さい。「星」「米」「神」にまつわる不思議なシンクロニシティですね。
「口噛み酒」は、「米=神」を「噛み=体内に取り入れ」、「大地と宇宙エネルギー」と巫女のDNAとをムスビつけて、星の神に奉納するという大切な「依り代」だったのです。言うなれば「天、地、人」が統合した供物なのです。
御神酒(おみき)もお米から作りますし、軽く飲んでほど良いトランス状態に入れば、神様とのムスビがいっちょ上がり、ですね。
一葉ばあちゃんが丁寧に解説してくれていました。私はばあちゃんの説に賛成です。お米やお酒をいただくことは星のパワーと神様の神力を取り入れることなのです。事実、玄米(5~7分づき)はデンプン、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6大栄養素をバランスよく含んでいるんです。食べるとき小声で「ムスビ」って呟いてみて。元気が出ますよ。

☆ アポフィス。
2004年に発見された小惑星です。
NASAの評価によれば・・・2029年4月13日に地球に最接近します。どれくらい接近するかというと、32500㎞。地球約2.5個分、近いです。
大きさは325m程度(イメージとしては東京スカイツリーの半分くらい)。重さは7200万トン。明るさは3.3等級(北極星が2等級ですから少し暗いですね。)
その影響は、NTN火薬で510メガトン。被害範囲は数千㎢。(広島は15キロトン、長崎は22キロトン。凡そですが広島型原爆の34000倍。私の街なら愛知県ごと消えてなくなります。)
地球に衝突する可能性は、100万分の1以下(あくまでも現在の評価)。
そして「君の名は。」のシナリオで語られていた「科学者が想定していなかった現象としてのティアマトの核分裂」という言葉がアポフィスにダブります。
最接近まであと11年。
{/netabare}

★ 十でとうとうお終いです。ホントだよ。
{netabare}
不思議なデジャヴを感じていました。三葉や四葉の姿に、「君の名は」と問うシーンに、神社に、お祭りに、代々木駅に・・。ブラックラグーンのThe Second Barrage(2006年作品)の東京編に登場する鷲峰雪緒がそれでした。
{/netabare}

長文をお読みいただきありがとうございました。
この作品が皆に愛されますように。

投稿 : 2018/06/25
閲覧 : 1022
サンキュー:

70

ネタバレ

気ままに さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

最後のあのセリフだけで満足

「ずっと何かを、誰かを、探している」の最初のセリフが最後に
「ずっと誰かを誰かを、探していた...!」変わったところが良かったです。

投稿 : 2018/06/12
閲覧 : 156
サンキュー:

5

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

細かい突っ込みどころを除けば

凄く良いアニメですね

アニメの良いとこ取りなアニメではありますが

見てる人の気持ちを引き付けると言う意味では良作です

絵に関しては綺麗ですが賛否が分かれるところです

評価基準は自分がどれだけ集中して見れたかなので

この評価です

まあこのアニメも大多数の人が見てるので

お勧めでしょう

投稿 : 2018/06/08
閲覧 : 101
ネタバレ

s__masa__ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通に面白かったです。

現代、現実世界が舞台のファンタジーラブストーリー。

鑑賞後の率直な感想
「面白かった。絵がきれい。おっぱい揉み過ぎ(でも共感)」

個人的には新海作品で最も良かった。

本当に良かったです。
ただ、みんなに愛された大ヒット作品だから、少しひねくれたコメントもさせて頂きます。(愛情があるゆえのひねデレコメントです。)

・いろいろな他作品からの面白要素の寄せ集め感はある。
 (しかし、うまく構成されている)
・結末は本当は「秒速5センチメートル」と同じ、というのが現実的で新海作品ぽい {netabare} けど、そうではなくしている。
 (ハッピーエンドの方が気持ちいいけど、何故この結末なるかという理由付けが「フワッ」としてる。忘れるんじゃなかったの?  伝統工芸の紐に作り手にしかわからない特徴があって、主人公の腕にミサンガのようにしていた紐にヒロインが気付き、自分が完成させた唯一の作品であると分かり、それきっかけで記憶を取り戻していく、みたいな話だともっと納得できたのかなー、と思いました。)
・何故入れ替え時に自分に電話しないの?実際には電話しても分かり合う事はできないし、一方からはつながりもしないのだけれど、この描写は必要な気がする。
・入れ替え時のノートにもっと書き込む内容はあったと思うし、スマホ駆使してるなら、現在の年月日も見るだろうに。
 (あれっ、いかんいかん批判的になってる。) {/netabare}

まぁ、細かい所を大目に見れば、本当に絵がきれいで動きも良く、音楽もストーリー展開も良い、大ヒットしたのも納得な作品です。

個人的には特にキャラデザとストーリーのポップ化という変化が新海作品ヒットの要因のような気がします。

投稿 : 2018/05/31
閲覧 : 179
サンキュー:

12

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

TSFで引き付けてからの良く分からん理屈の怪奇現象

TSFパートは面白かった。

その後の謎の超展開いらねぇ、普通に作れ。
重厚でもなんでもねぇから。

なんでここまで騒がれたのか正直よく分からない。
謎の超展開のおかげか。
ならば焼き土下座。

投稿 : 2018/05/23
閲覧 : 210
サンキュー:

7

ネタバレ

へも さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

小説「Another Side:Earthbound」も読んでね

かたわれ時のシーンももちろん大好きですが、瀧くんが口噛み酒を飲んだあとコケて三葉の過去をフラッシュバックのようにたどっていくシーンが何度見ても涙あふれます。
そうそう、言及してる人多いでしょうが是非とも小説「Another Side:Earthbound」も読んでみてください。あれを読むとクライマックスのシーンの深みがさらに増しますので・・・

投稿 : 2018/05/15
閲覧 : 229
サンキュー:

14

hatake さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

新海作品随一の「デート用」作品

2回ほど上映中に見にいきましたが、その中で真っ先に感じたことは「売れるな」ということでした。起承転結がわかりやすく誰もが望むハッピーエンドで終わるストーリーと綺麗な背景とキャラ作画。BGMに明快なサウンドで若人に絶賛大人気のRADWIMPSの起用。

恐らくこの作品を見る前に新海誠の他の作品さえ見ていなければもっと違った感想があったのかもれません。

ただ、「秒速5センチメートル」や「雲の向こう、約束の場所」などを見てしまったいち新海誠ファンとしては、あの、男の女々しさとか何か恥ずかしくなるような青臭いストーリーやら、大きい男の子の心をくすぐる粘着質な要素が無く、例えるならメンソールのような清涼感の塊と成ってしまったのこの作品は、名作とは言えないと感じます。

結論として、あまり記憶に残らないような作品でした。

恐らくあの頃の新海の作風は戻ってこないように感じます。

P.S. 女の子をデートに誘う口実としては新海作品随一なのでそこは評価しています。

投稿 : 2018/05/08
閲覧 : 177
サンキュー:

11

せくしい軍曹 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

ようやく視聴中

絵は確かに美麗。
同様に今までさけてきた「打ち上げ花火」の後に合わせて視聴中。
どこかで見たことある絵だとおもったら
あの花、ここさけ、ダリフラの田中将賀氏がキャラデザ。
この3作で裏切られた経緯があるのでキャラデザ的に
「かまえてしまいました」

引き続き視聴。

投稿 : 2018/05/04
閲覧 : 216
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5

ペガサス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

彼岸から此岸へ

前作「言の葉の庭」から3年ぶりとなる、新海誠監督の6作目の作品。
この監督の作品は初めて観たが、神話をトレースした構成は見事であり、新たな才能の発見と言ったところか。

これも男女の融合したアンドロギュヌスの話だが、これがヒットする背景には分離したものの再統合という回帰への希求が無意識に働いているからだろう。
産霊(むすひ)という日本人の古い教えは、人間の意識の根底にある普遍的なテーマなのである。

近年稀にみる傑作である。

投稿 : 2018/05/03
閲覧 : 269
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10

designing さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 1.5 キャラ : 3.0 状態:----

ちょくちょく入る挿入歌が。。。

内容は可もなく不可もなく。
万人受けするだろうなぁ、という作品。
映画だけを見るとちょっと疑問に思う部分があったが、
小説を読んで補完したら、ひとつの物語として自分の中で完結できた。
ただ理解できなかったのは、ちょくちょく入る挿入歌。
単純に声が生理的に無理なのか、映画館で見たときに、
気持ち悪くて鳥肌が立った記憶がある。
それさえなければいい映画だったのに。。。

投稿 : 2018/05/02
閲覧 : 170
サンキュー:

5

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

目がくらむほどの体いれかわりロマンス(英)類い稀なすれ違いの物語(仏)

太平洋戦争中、東京大空襲の夜、避難する人々の中、見知らぬ男女が知り合う。
数寄屋橋までたどり着き、大混乱の中二人は一夜を明かす。
お互いに生きていたら、この橋で会う約束をし、名も知らぬまま別れる。
しかし、会うことはかなわず月日は流れ・・・

1952年~1954年にかけてNHKラジオで放送されたドラマ「君の名は」
1953年~映画化3部作 6時間以上 主演 岸恵子 佐田啓二
その後、4度テレビドラマ化。62年 66年 76年 91年

2016年 「君の名は。」 劇場版アニメ 完全オリジナルストーリー

原作監督脚本 新海誠 制作 コミックス・ウェーブ・フィルム
配給 東宝

東京四谷に暮らす男子高校生立花瀧、岐阜県飛騨に暮らす女子高生宮永三葉
会いたくても会えない、(会ってるけど)二人のすれ違う青春の物語。

新海監督は間違いなく「秒速5センチメートル」の時点でこの作品を構想していたと思われる。
会えなかった二人は、不幸ではなかったけれども、視聴者へのメッセージは確かに届いていた。
問題はどう肉付けするかと言うことになるが、
嬉しいことに彼がこれまでかかわらなかった深夜アニメの研究の成果がここに結実する。

ちょっとエロ、ちょっとBL、ちょっと憧れ、ちょっと恋、ちょっと青春、ちょっと不思議、ちょっとSF、そして東京大空襲ならぬ信じがたい出来事。

二人を引き裂く大事件そして、少女(少年)は走る飛ぶ。
いつか出会ったとき二人はその言葉をかけるだろう。

感動するとか落涙するとか、従来の感動を超えた国家的、いや国境を越えた心を満たすいまだかつてない瞬間を劇場で観たような気がします。
そして、小学生から後期高齢者まで、男女ほぼ半数の観客がおだやかに「もう一度来ようか」と言いながら出ていくのを見ていた。

邦画動員記録第二位(一位は千と千尋の神隠し)海外での邦画としては史上最高のこの作品がアンダーグラウンド芸術から生まれたことはだれの目にも明らかだろう。

手書きで友人が声担当の「ほしのこえ」から深夜アニメと距離を取りつつ、深夜アニメそのもだった新海誠のマイルストーンである。
観た人ならわかるだろう。これが目標ではない。

この作品のエンディングは閉じていないのだ。

追記
設定の破綻、ストーリーの理不尽さ、
それは、原案「君の名は」があるからです。
6時間の映画を観る必要は無いと思いますが、
国民的ストーリーの新しい原型になる作品であるという理解もありだと思います。

投稿 : 2018/04/21
閲覧 : 540
サンキュー:

74

ネタバレ

kochan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不覚にもうるうる

時空を超えての入れ替わり、この設定につきる

投稿 : 2018/04/17
閲覧 : 189
サンキュー:

5

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

心を洗って欲しかった

基本的にアニメは心を洗うために観ようと思っています。新海誠監督の作品ではいつも観ている最中、視聴後に自然と涙が流れ、心を洗ってもらっていました。何度観ても言の葉の庭は新宿御苑の枝葉の描写だけで既に泣きそうになります。
が、この作品では感動がありませんでした。駄作なのかというとそうではなくて世間の評価ほど良いとは思えなかったということです。無駄に歳をとってしまい、目が肥えたというよりは感動しにくくなってしまったのでしょうね。感動できる純粋な方がただただ羨ましいです。

投稿 : 2018/04/07
閲覧 : 188

サタカ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

世間に騒がれていたので当時アニメはあまり興味を持っていなかったのですが観に行った作品です
結果、どハマりし6回も見に行き、聖地巡礼までしてしまいました
上記した通りアニメに興味が無かった私ですが、アニメというコンテンツを見直し様々なアニメを見るようになったきっかけとなった思い出の作品です
あにこれも知らなかったからね

投稿 : 2018/04/04
閲覧 : 147
サンキュー:

9

yEFWc74789 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

新海監督のお馴染みの映像作品

いわゆるボディ・スワップ(入れ替わり)作品ですが
上映当時、大々的な広告が張られて国内外を問わず
高い評価を受けた新海監督の代表作です

冒頭の出会いは駆け足のように感じられましたが
新海監督の他作品と同じように物語の本筋や脚本よりも
日常風景を重視して描いており、例のごとく映像に酔い知れました

しかしこれは、美しい便箋に「好きです」という短い文章をしたためて
手紙にしたようなもので、紙の品質や絵柄には心奪われるものの
肝心な言葉からは強い力を感じませんでした

これは一例ですが、便箋は同じでも「好きです」と書かれた手紙と
「ずっと前から好きでした」と書かれた手紙があれば
私は迷うことなく後者を選ぶでしょう

とはいえ、この作品を鑑賞したあとの清々しさは何物にも代えがたく
アニメではなく映像作品として考えれば紛れもない傑作です

投稿 : 2018/03/28
閲覧 : 140
サンキュー:

8

つきひちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

よくある展開?

アレ?どっかでみたような???

みたいな設定とか…。

絵もとてもキレイでいいなぁとは思うのですが、「アッ!」と、
驚くような展開は無かったよう気がします。

映画はとても好評でしたが、ちょっと踊らされてしまったような気がする私です(´ω`)

投稿 : 2018/03/22
閲覧 : 125
サンキュー:

7

ネタバレ

halru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

140分で

今更ながら視聴。
色々突っ込みどころはある。
飾りを全て取っ払いシナリオだけ見てみると、確かに薄っぺらい。
SFものとしても、恋愛ものとしても。

まずSFものとして見た場合、「何故入れ替わったのか?」の根拠が全く説得力を持っていない上に、描写そのものが弱い。
最後まで自分で自分を説得しながら見ていた。

恋愛ものとして見た場合も「何故、この二人は互いを好きになったのか?」、これについても設定、描写が弱く
自分を説得する必要があった。
全く感情移入出来なかったとは言わないが…。
まあ「恋愛ってそんなもん」とか「運命」とか言われてしまえばそれまでだけど。

良かった点はやはり映像美…ではなく三年という時間を越えて二人が入れ替わっていた点。
空間だけではなく時間も越えていた事により、物語に意外性とラストに向けての推進力を持たせている。
この物語の魅力の8〜9割はここにあると思う。

140分は決して恵まれた時間とは言わないが、もう少し時間を上手く使って欲しかった。

この映画を酷評している方の殆どは感情移入出来なかった人だと思う。
感情移入出来れば細かい矛盾には目を潰れるのに…。

投稿 : 2018/03/22
閲覧 : 187
サンキュー:

12

gazabata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

マイノリティーだと不安になる

世界的に愛されている映画やアニメを見てそこまで好きじゃなかった時の孤独感は嫌なものだ。何かを見逃しているのではないかともう一回見たけどあんまり考えは変わらなかった。好きなことがないアニメではないので好きなところもちゃんと書いておこうと思う。

ストーリー:
散らかっている。前半と後半で完全に違う映画。伏線回収もなし。二つのありきたりなストーリーを無理やり鍋に突っ込んで闇鍋を作ってしまっている。合わない二つのパズルピースを変形させて無理やりくっつけている。感情ばっかで繊細さも独創性もない。

キャラ:
薄っぺらい。別に誰もかもが闇を抱えてなければいけない訳ではないのだがこれは少しひどい。キャラ全員のキャラ発展が脇役ほどしかない。あとストーリーを進めるためとかどんでん返し用にキャラの信憑性を犠牲にしすぎ。もっと自然に行動してくれ…

世界感:
穴だらけ。説明不足。目的がない。考えるだけで憂鬱な気分になってきた。

アニメーション&音楽:
史上トップ15に入る美しいアニメーションとそれを持ち上げる美しい音楽。映像と音楽だけのところは涙が出てきそうなほどの美しさだ。鳥肌がすごい。ストーリーとキャラとは一変して繊細さと独創性が半端ではない。頑張るところは頑張るんだな。

まとめ:
ここまで完成度にばらつきがあるアニメは初めてだ。良いところは良いが悪いところはとにかく悪い。
この映画は一つの感情を伝えるためにありとあらゆるものを犠牲にしている。そしてその感情が観ている人に伝われば映画の勝ちだ。この映画はその面では大成功している。世界中の人にその感情を伝えることに成功している。だからこの映画を悪い映画だと言うことはできない。個人的に好きではない良い映画だと思う。

投稿 : 2018/03/19
閲覧 : 234
サンキュー:

16

ネタバレ

Steel_01 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

全体的にまとまっていてさすがは売れた作品

ストーリーは同じ新海監督の秒速五センチメートルに比べると感情移入できなかったもののギャルゲみたいなタイムリープ物で好感が持てるしハッピーエンドで個人的には悪くないと思います。

キャストは男のほうが女の子の名前を忘れるシーンで演技力のなさが露骨に出た感じで、出そうな涙がソッコーで引っ込みました。

キャラは悪い 大きくなった妹のキャラデザとても好みでした。

音楽は色々悪く言われているのでそんなに悪くないと擁護しておきます。

作画は映画としてはそこそこな感じで秒速五センチメートルのほうが美しいと感じました。

総評はハッピーエンドで大衆向けな感じが目立ちますがテンポよくうまくまとめたなと思います
個人的には秒速五センチメートルのほうが映画を見て多くのことを感じました。

投稿 : 2018/03/13
閲覧 : 191
サンキュー:

7

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

アニメ業界のプレバト。

アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
2016年8月26日に公開された劇場版作品。
監督は新海誠。

【概要/あらすじ】

東京都千代田区で暮らす男子高校生、立花瀧。
岐阜県飛騨市の山奥にある田舎町の女子高生、宮水三葉。

彼と彼女は夢の中で知らない誰かになっていた。
妙にリアルな夢の中で過ごす他人の人生、慣れない男女の違いへの戸惑い。
記憶が曖昧な中で家族や友人から、『昨日のおまえ、おかしかったぞ』
と言われても身に覚えがない。

状況を整理していくうちに二人は認識した。
瀧と三葉は週に何度かお互いに中身が入れ替わっている。

入れ替わっている間に互いにメモを残すことで、連絡を取り合ったりルール作りをしようとするが、
デリカシーに関わる部分で噛み合わず、『人の身体で勝手なことをするな!』と喧嘩をする二人。

入れ替わり生活を繰り返すうちに、ようやく打ち解けて瀧と三葉の関係が変わり始めた矢先に、
ある日“入れ替わり”が途切れてしまう。

互いに何度も入れ替わるうちに、三葉が気になる存在になっていた瀧は、
彼女に会いに行こうと飛騨に向かうのだが、そこで思いもよらない事実を知るのだった。

【感想】

世界中で大ヒット上映されて、日本の映画史上にも残る記録的なアニメ映画。
熱心なフォロワーがいるもののマイナー寄りなポジションだった新海誠監督を一躍時の人にしてしまった。

売れてしまったことは自体は良い。
だが、メディア戦略上のキャッチフレーズに過ぎないのだが、
“新海誠・日本中がこの才能に恋をする。”とか同調圧力っぽくて恥ずかしいなあと思ってしまう。

今回、これまでの新海作品とは比較にならないほど売れてしまったのだが違いはなんだろうか?

モノローグだらけの新海節は健在ではあるものの、

『雲のむこう、約束の場所』
『秒速5センチメートル』

などであった“虚無感”“切なさ”に彩られた新海ポエムが薄れて、“コミカルさ”“ひたむきさ”
が強めに従来の新海ファンより間口を広げて一般層が好むライトさに作品の方向性が変貌している。

田中将賀が原案のキャラクターデザインが与える印象が大きいのだろう。
同氏の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』調ではあるし、
三葉の友人であるテッシーは、『心が叫びたがってるんだ。』で見たことのあるような既視感がある。
今の世代向けのアニメ要素を積極的に吸収して味付けしていったら、
従来の新海誠作品にあった、暗さや硬さが中和されていった感がある。
感情のあるキャラクターとして愛嬌を表現するにはキャラデザは重要なのだ。

序盤の入れ替わりコメディの日常パートにしっかりと尺を割いているのだが、それが作品にプラスに作用している。
アニメ映画というTVシリーズと比較すれば限られた尺の中で、登場人物に興味を持って感情移入してもらう工夫。
そこをおざなりにしてしまえば登場人物は物語の歯車に過ぎず、
作中で泣こうが叫ぼうが、『ふーん、それで?』で終わってしまう。

同監督の『雲のむこう、約束の場所』がセカイ系であり、日常パートが短くて薄味だったのと比較すると濃度が違う。
より多くの人間に楽しんでもらうには観客に解りやすく、じっくり丁寧に伝えるのは大事である。

ヒットメーカーであるプロデューサーなどのアドバイスも大きいのだろう。
それが新海監督をヒット作のテンプレにハメて個性を薄めてしまったのように批判的な人もネットにいるのだが。

実際のところ、ストーリーは矛盾や科学的におかしい部分が結構ある。
{netabare}二人の時間が三年ずれてるのにカレンダーで確認しない、隕石が落ちたら被害があの程度じゃ済まんだろうetc, {/netabare}
(オカルト的な部分は突っ込むこと自体に意味がないので除く)
シナリオ的には特に目新しい部分は無いと思う。

これまでの新海作品との違いは、基本的な構想は新海誠監督のものに違いないが、
監督固有の観点で作られてしまう、いつもの男性視点のナルシシズムが極力薄められていて、
普遍的なラブストーリー要素など幅広く大勢の人間の感情に訴えかけるモノが、
ふんだんに散りばめられていたからだろう。
それが元々高く評価されていた新海作品の美術センスにマッチしていて、
表情のあるキャラと絡まっていた。

人間は観たいものが観れたら称賛の声を浴びせる。
結局は新海監督個人の性癖がギャラリーが望むものと相反していて、
マニア向けになっていたのを今回は方針転換したという話である。
これを進化と見るか迎合と見なすかは個人の判断ではあるが、
迎合しただけでは大人気作品ぶりには説明がつかないので、
元々監督には非凡なセンスが在ったのに歯車が噛み合わなかったのを、
名プロデューサーが上手く矯正したというところか。

個人的な感想を書いてなかったので最後に!
シナリオに欠点を探せば色々あるのだろうけど、今までの新海作品が嘘のように感性に合う部分が多くて、
非常に楽しめたというのが本音。手放しに絶賛はしないのではあるが。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/03/06
閲覧 : 507
サンキュー:

92

ネタバレ

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

その酒を言い値で買おう

 このタイトルだったらネタバレにはなってませんよね?視聴した人だけに分かるネタですよね?

 まあ前評判はアテにしないで、劇場の大スクリーンでパンチラが拝めるというので(割と本気)、懐具合が寂しいのにも関わらず見に行ってきました。

 ……なんと申しましょうか、こう……自分が深夜アニメという劇薬を長い間観続けてきた弊害と申しましょうか、それともそんな自分が少しだけ誇らしいと申しましょうか、どう表現しても上から目線になってしまいそうな気がするので、ここで私が提唱する謎ラーメン理論で説明することにします。

 私はこってり系のラーメンが好きなんですよ。豚の背脂とかああいう、そう二郎系とか家系に代表される、ああいうのをイメージしていただけると良いと思います。例え二郎系を口にしたことがない方でも、ちょこっと検索していただければ、だいたい味が想像出来るような、でも多分その想像は間違っていないと思います。ああいうのじゃないと、割と高い金を出して食った気にならないんですよねえ。

 で、たまには違う感じのラーメンを口にしようと思って、近所の評判のあっさり魚介系を食べたんですよ、でもこれが物足りない。確かに美味しいんですが、濃い系ラーメンになれた自分にはどうしても物足りない。でも確かに美味いのは分かる……こいうのをもどかしいって言うんでしょうかね。

 え?ただ自分の好みに合致してないだけだろって?……そ、そうだった!回りくどい言い方をしなくてもそういう方法があったかっ!

 ……まあ、そんな感じです。
 ファクターごとの寸感なら……

 キャラクターは可愛いです、はい。とうとう日本もこのレベルのキャラデザが一般に受け入れられるようになったかと思うと感無量であります。



 作画……そして風景・景色に関しちゃ言うことは無いっすわ。どっからどー観ても新開作品以外の何物でもないですね。綺麗です。

 
 音楽……例によって素養のないボクには判別出来ませんでした。少なくとも物語の没入を妨げるようなシロモノではありません。


 お話……ここが一番のポイントなんですよね……薄口というか、あともう少しだけ主人公二人の交流があってくれると尚良かった。このままだと空気に流された感がなくもない。若い二人だからそういうものなのかも知れないけど。
 組紐のねじれあい・からまり・という件が重要なキーワードになってるのは良かった……かな?分かりやすかった。ああいう手作りのモノはそれなりの魂が入ってると言われてもおかしくない。
 あと、三葉がオヤジさんと対峙するシーン、説得は成功したんだよね?確か……観てきたすぐ後なのに記憶が曖昧なのがアレですが……やっぱその言葉、三葉の真剣に向き合い人の心を動かす言葉を聞きたかったというのはある。

 声……うーん……あんましこういう事は言いたかないけど、やっぱプロを使ってくれた方がねえ……叫び声の奥底・根っ子の部分がどうも苦しいというか……言い掛かりに近いレベルだと言われればそれも甘んじて受け入れるが、やっぱモチはモチ屋だと思うのは気のせいじゃないと思うんですよね……
 

 それにしても……あの口噛み酒のシーン、あのエロスは一体なんということだろう。舞の時だけ口紅を差しているから唇が際立って、そこからとろとろと白濁した液体がこぼれ落ちるというあの得も言われぬ……そういうところに注目したって良いよね?だってぼく二次元オタだもん! 



 ……とまあ、なんだかんだいってそれなりには楽しめました。やっぱ劇場版アニメは良い!作画気にしないでいいしなあ(過去にはとんでもないのが存在したようだが)……

投稿 : 2018/03/05
閲覧 : 245
サンキュー:

31

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

空前の大ヒットも頷ける完成度を差し置いて劇場で笑い転げるヲタクとはオイラのこと~ぼくらタイムフライヤー_時を駆け上がるクライマー~IMAX観ました

新海誠監督が手掛けた5本目の長篇作品


東京の大都会に住む男子高校生、立花瀧
山深い田舎町に住む女子高校生、宮水三葉
1200年振りに地球を訪れるという巨大彗星の到来を一ヵ月後に控えたある日、瀧が目覚めるとそこには見知らぬ自分と知らない天井、見知らぬ家族と知らない町があった
同じように三葉もまた、想像すら出来ていなかった大都会で朝を迎える
ただ一つ確かなことは、自分の身体が見知らぬ異性のものだということだけ
瀧と三葉は全く原因がわからぬまま不定期にお互いの身体と心が入れ替わってしまうことに気付いた
お互いの生活に干渉しないよう、日記で連絡を取り合うことにした二人
田舎育ちの三葉は憧れの都会に想いを馳せ、自由気ままに過ごす
一方の瀧も他人のそれも異性の身体だということを忘れ好き勝手してしまう
周りからはまるで人が変わったようだ(笑)と思われ少しずつ人間関係に変化も起きる
瀧が好意を抱く先輩との仲を、三葉が瀧に変わって取り持ったことで瀧には良い事尽くめの大団円かに思えたが、次の日の三葉はある決心をしていた
そして彗星到来の10月4日、瀧は記憶から消えていた重大な事実に気付く・・・


『言の葉の庭』が全国東宝系で大きく展開し成功を収めたことから、遂に全国約300館での上映となった新海誠監督にとって最大の大作となった今作
キャラデザはZ会のCMでタッグを組んだ田中将賀
作画監督は元ジブリの安藤雅司
音楽は挿入歌から劇伴に至るまでオイラが中高生の頃に(ごく一部ではあるがw)一世を風靡したバンド、RADWIMPSが担当


声優陣には瀧役に声優経験豊富な若手演技派、神木柳之介
三葉役には『舞妓はレディ』の上白石萌音
その脇を固めるのは長澤まさみ、市原悦子といった豪華俳優
さらに悠木碧、島崎信長、石川界人といった豪華声優
そして『I LOVE スヌーピー』でいい芝居をしてくれた谷花音、とキャスティングにもかなり力が入っているのがわかりますね
身体が入れ替わった時の芝居は聴きどころですb


単純に少しアニメに詳しい人なら、将賀さんのキャラデを見て『あの花。』の絵だ!観に行こう!という気持ちになってくれるでしょうし、本編が始まるとすぐ「夢灯篭」という楽曲に合わせてOPアニメみたいなのも流れる
オイラは初見観た時このOPが「めちゃくちゃダセェ!」と思ってしまったのですがwやはり深夜アニメなどに慣れ親しんだ世代にとっては心を掴む取っ掛かりになっているのでしょう
ああ、ちなみに今は「夢灯篭」もOPも好きですよ?w


そして序盤はそれこそ深夜のラノベアニメのラブコメタッチで物語が進む
キャラの表情もコロコロ変わり、身振り手振りの作画も非常に丁寧
中身が入れ替わった男女の微妙な違いを作画で表現する、言葉にすれば簡単ですがこれを見事にやってのけた作画陣には最大級の賛辞を贈りたい
ジブリが崩壊し、『攻殻機動隊ARISE』と『アニメ(ーター)見本市』が完結した等、作画スタッフの足並みが綺麗に揃ったのが大きかったでしょう
尚且つ、新海作品お得意の美しい光と色と街並みが、このアリエナイ話にリアリティと説得力を醸し出す
制作中は当然完成していなかったバスタ新宿がちゃんと描かれてるのも凄い


後半はミスリードで張ったミステリアスな伏線をスペクタクルと共に回収しつつ、所謂新海節が炸裂する内容なのですが、まあとにかくメジャーかマイナーかで言えばメジャー路線な作品に作ったことです
今日までの大ヒットがソレを裏付けてますね、明らかにこれまで新海のシの字も知らんかった人たちが劇場を訪れているのです
実際オイラが鑑賞オフ会を開いたら半分の参加者は新海作品初体験でした
こうなると昔からのファンは遂に資本主義の犬となったか新海よーとかワケのワカランことを言い出す輩が湧いてくるもんです
まあ、言いたい事はわからんでもない


ただオイラはこう考える
【新海ファンこそ、この映画は10倍楽しく見れる】


そう、今作が初見でもなんも問題無い
でも今作、新海誠がこれまで積み上げてきたものがほぼ全て詰め込まれたいわば集大成なのです


『彼女と彼女の猫』から続くゆっくりとしたモノローグでの幕開け
『ほしのこえ』では恋人達が時間差で引き裂かれていく様を描いていました
『雲の向こう約束の場所』では田舎町と都会に分かれて物語が交錯していましたね
これを同時並行させたのが『クロスロード』
「何も無い」という田舎風景を印象付ける画作りは相変わらず上手い、これは『桜花抄』
2時間に1本しかない電車はまさに『星を追う子ども』
朝食と通学風景から始まるのもそう
真っ二つに裂ける彗星は『コスモナウト』のH2Aロケットの発射ですね、意味合いは逆だけど
挿入歌に合わせて映像を積み上げていくのは『秒速5センチメートル』や『クロスロード』で魅せた技
コミカルなタッチで進む前半は『猫の集会』のお茶目な演出を思い出しました
東京、特に都会の象徴として新宿を描きたがるのは『言の葉の庭』が顕著
同じく、途中での雨描写は秀逸でした
主役二人の生活感の違いを描写する様子は『大成建設』や『だれかのまなざし』の経験が大いに生きてるでしょう
いやしかし瀧くんが面接を受けてるのが大成建設だったのには笑いましたね
宮水神社のご神体がある湿原を見下ろす描写は、さしずめ地下世界アガルタのフィニス・テラですね
瀧くんのお父さんが井上和彦だったのでもしやおまえは森崎なのか?
そもそもファンタジーかSFかと思えば途中からロードムービーになってしまう辺りはまさに『星を追う子ども』のソレ
『ほしのこえ』で膝を抱えるミカコ然り、『雲の向こう、約束の場所』で足の指にてんとう虫がとまるサユリ然り、靴の型取りに足を差し出すユキノ然り、美女の足に拘る新海作品、今作では東京で歩きつかれた三葉に注目したい
思えば新海映画とはずっと男女のすれ違いを描いてきましたが、今作は「顔も名前も身体も私生活すらも知り尽くした二人がまるで会えない」という究極的なすれ違いをしてるのが面白い


ほんとそう、新海映画を知れば知るほどこの作品にのめり込んでいけるのは間違いないでしょう

“花澤香菜が演じる古文の先生”が恐らく別の世界線なんでしょうが「ユキちゃん」という名前だった時、周りが静まり返っている劇場でオイラは一人笑ってましたさーせんw
良い映画か否かという以前に、ある種のネタ映画として最初から最後まで笑いながら(時に笑い泣きしながら)観れましたねb


まあ強いて言うならラストシークエンスはちょっと引っ張りすぎたようにも思いますが、「なんでもないや」という楽曲の持つエピックなキックのリフレインとウィスパーボイスのボーカルに思わず感極まってしまう
なにより『秒速』を知っているとあのすれ違い方は辛いものを思い出させる(笑)
そう、この厨二病全開な内容に対して厨二病をこじらせてしまったバンドの日本代表とも言うべきRADWIMPSの音楽が見事に調和してるのが今作の評価を押し上げてるポイントでもあります
まさにクサイ内容にはクサイ音楽
『ここさけ』でも言いましたが単体では正直目も当てられないような詩の主題歌が、割とすんなり入ってきてしまうまさに映像マジックですねこりゃ


今作を受け入れられない人、良い意味で厨二病を卒業出来たんだと思います
誇らしく思ってください
オイラ?は、駄目ですね
この映画を面白いと思ってしまったのでアラサーになっても心はまだティーンエイジャーのようです(笑)

























~TOHOシネマズ新宿のIMAXデジタル版観ました~
IMAXというのは実にビル三階分ほどの高さと20メートル以上の横幅を持つスクリーンに二台の映写機で投影する現代における最大級規格の映像フィルムです
人間の視覚を上回る大きさのため観る、というより観回す感じになります
さらに劇場によっては12.1chの音響システムもそなえており音の迫力も通常の規格とは異なります


そもそも普通の規格で作られた作品をIMAXにするってことは拡大して引き伸ばす、ってことですからオイラは最初この『君の名は。IMAX版』は反対の立場でした
それにアニメって視覚的情報量が実写より多いので単純に疲れそう、だとも思いましたし


しかし実際鑑賞してみると新海作品特有の美麗背景が大きく引き伸ばされてるにも関わらず全く精細さを欠いてないんですよ
むしろ画面の中に描かれる糸守町や新宿の風景に吸い込まれていくようでした
だから鑑賞、というよりはむしろ体感、に近い感じでした


音響の方ですが意図的に音圧を上げてるようでしたがどちらかと言うと山びことかそういった反響音がクリアに聴こえるようになったという印象です
挿入歌がやたらデカイ音で、それもどっか独立した別chから出てるっぽくてやたら大きく感じたのですが、肝心の挿入歌より手前にいるはずのセリフが少々聴き取り辛くなった気がしましたので、これはちょっと好み分かれそうです


初見の方にはあんまりオススメしません
先にも言ったとおり、情報量に加え目で追う作業が加わるのでストーリーに集中し辛くなります
ただリピーターには一見の価値があることでしょう
アニメにIMAX不要、と言いたいところですが新海作品のIMAX化に関しては歓迎できますねb

投稿 : 2018/03/05
閲覧 : 1099
サンキュー:

42

藤乃 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

君の名は。

東京に暮らす少年と飛騨で暮らす少女が入れ替わる奇妙な現象を描いた、新海誠監督の長編アニメーション映画。

作画は緻密で素晴らしいです!美しい背景画は見ていて惚れ惚れしますね。
RADWIMPSが手がけた音楽はどれも作品とマッチしていて、キャッチーなメロディーにぐっと引きつけられます。
いつも絶妙なタイミングで流れる音楽は、視聴者の高揚感を掻き立てる非常に効果的な演出でした。
キャラクターに関しては、主人公も2人の友達や家族もキャラが立っていて魅力的です。
主人公役の神木隆之介・上白石萌音さんの好演が光っていました。特に入れ替わった時の演技が抜群です。
他にも市原悦子・長澤まさみさんら俳優が数名起用されていますが、卓越した演技で楽しめました。

ストーリー展開はテンポよくメリハリがあって、映像や音楽も相まって勢いがあり、ぐいぐい引きつけられます。
コミカルとシリアスのバランスも良いし、ドラマティックな演出や構成力も巧みです。
一方でご都合主義を感じる展開が多々あり、途中で何度か現実に戻ってしまいました。舞台がリアルなだけ余計に…
娯楽作品としてそのような設定は全然ありですが、そこを感じさせない工夫をして欲しかったですね。
また、主人公が互いに惹かれあっていく描写やその他にも重要なシーンが省かれていたのはちょっと不満です。
作画、音楽、声優の演技、演出、どれも素晴らしかったので、唯一、物語に深みが足りない点が残念でした。

投稿 : 2018/03/04
閲覧 : 190
サンキュー:

7

Tnguc さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

【お気に入り】 ポップミュージック化した新海誠監督のダイアモンドディスク級のヒット作

~
田舎で暮らす少女・三葉(みつは)と、東京で暮らす少年・瀧(たき)の中身が眠りを介して入れ替わってしまう話。
まず、やはりと言うべきか、とくに目を見張ったのが新海誠(しんかい・まこと)監督が創り出す美術背景の美しさでした。日照時間が短く、電車は2時間に1本だけで、歯医者も本屋もないようなド田舎が舞台だけど、新海誠にかかればたちまち耽美的な世界に早変わり。どのカットも息を呑むほどに美しく、特に彗星が絡むシーンは新海誠にしかできない輝きを放っていました。もうこれだけで視聴する価値は十二分にあると思います。
物語は少年少女の中身が入れ替わるところから始まります。性別が入れ替わると色々と困る部分があるかと想像できますが、そういうところをコメディーテイストで描いていたのがすごく面白かったです。あと、住んでいる環境が入れ替わるアイデアもとても良かったです。三葉が東京の街を見て心奪われるシーン、とても共感しました。新海誠の美しい美術背景だからこそ実現できた演出だったと思います。入れ替わりのドタバタパートでひとしきり場が温まった後に流れたRADWIMPSの「前前前世」のタイミングも最適で、かなり盛り上がります。この辺りで、アニメを観ない層も巻き込んで大ヒットした理由が分かったような気がしました。
後半はよりSF要素を絡めたストーリー展開になりますが、この辺から無理が生じてきます。まず時間のロジックの甘さ、あと入れ替わりの設定が明確化されなかった点などは勿体ないと思いました。入れ替わりについては夢や眠りなどを境界としていたので、意外にも違和感なく受け入れられましたが、その他の要素は矛盾が表面化していました。記憶や日記を都合よく操作しすぎている印象で、SF設定を物語の都合に合わせすぎていた気がします。ただ、プロットがスムーズだったので、普通に観ている分にはあまり気にはならないかと思います。
これまではアンダーグラウンドな作風で人気を得ていた新海誠監督が、ここに来て商業ベースな作品を制作したことでコアなファンからは反感を買ってしまった感じですが、こういう流れを観ていると、かつて、メタルバンドのメタリカが、「ブラック・アルバム(メタリカ)」というアルバムを出したときに、従来のスラッシュメタルを捨ててキャッチーなメタルに鞍替えしたことでファンから叩かれていたときのことを思い出しました。皮肉にもブラック・アルバムはメタリカの一番のヒット作になったのですが、なにかそういう背景がこの作品と似ている気がしました。つまり、「君の名は。」は音楽で言うところのポップミュージックなんだと思います。「俺はファンクやプログレしか聴かねぇ!ポップなんてガキ臭い音楽聴けるか!」みたいな人にとっては少し退屈な作品なのかも知れません。
勘違いしてはならないのが、「人気や売上があるからといってそれが作品としてのレベルが高い」とは限らないということです。ワンピースよりも凄い漫画は腐るほどあるし、ハンバーガーよりも美味しい食べ物だってあります。ちょっとニュアンスが違うかも知れませんが、選挙に勝つためにはB層を意識した方が良い、という法則も同じ流れだと思います。
少し話が脱線してしまいましたが、私は凄い好きですよ、この作品。なぜなら、私はポップミュージックが好きだからです。

物語:★★★☆☆
・SF要素が甘く、ラストは少し置いてけぼり。それでもボーイ・ミーツ・ガールは胸がドキドキしますね。
作画:★★★★★
・美術背景だけではなく、有名アニメーター(安藤雅司や沖浦啓之)までも手に入れた新海誠作品は最強の一言。ところどころ宮崎駿や細田守作品を意識したビジュアルがありました。
声優:★★★☆☆
・俳優を起用しているが、わりと聞きとり易い方だと思う。
音楽:★★★☆☆
・RADのポップな音楽はそれまでの新海誠作品と雰囲気が違う印象ですが、作品のマーケティング的には適切だと思います。欲を言えば天門が参加してほしかった…。
人物:★★★☆☆
・恋愛要素を不完全なSFを通して発展させていたので共感は難しかった。そもそもお互いを意識する描写が足りなかったと思う。

個人的評価:★★★★☆(4.5点)

投稿 : 2018/03/01
閲覧 : 276
サンキュー:

23

ネタバレ

こっとん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

無難におもしろいです。

おもしろいですが、個人的には世間では少し過大評価な気がします。しかし、絵の美しさは素晴らしいです!

投稿 : 2018/02/28
閲覧 : 174
サンキュー:

4

ZORRRO さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

感動しました。面白かった。

アニメガチ勢()からは色々言われてるのかもしれませんが、まあ言いたいことはわかりますね。
その辺は尺的にも足りなさあってもしょうがないのかなと。

もちろんもしこのストーリーで1クール尺があったとしてもどうなるかわからないですが。。。

予備知識一切無しで観ましたが、展開がお決まりというわけでもなく最後まで楽しめました。

投稿 : 2018/02/27
閲覧 : 160
サンキュー:

12

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君の名は。のストーリー・あらすじ

新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す(アニメ映画『君の名は。』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年8月26日
制作会社
コミックス・ウェーブ・フィルム

声優・キャラクター

神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音

スタッフ

新海誠、 監督:新海誠、脚本:新海誠、キャラクターデザイン:田中将賀、作画監督:安藤雅司、音楽:RADWIMPS

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