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「宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)」

総合得点
93.6
感想・評価
2762
棚に入れた
9616
ランキング
11
★★★★★ 4.2 (2762)
物語
4.3
作画
4.1
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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☆の総合評価
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宇宙よりも遠い場所の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

てらし さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:今観てる

確実な前進

04
本番に向けての夏期訓練が実施され、その後12月から休学して南極に行く予定
しかし親にまったく報告してなかったらしいキマリ
そりゃあ親御さんもブチギレでしょう…

報瀬は相変わらず冷たい視線と嘲笑が投げ付けられ
キマリはめぐみからは祝福どころか微妙な塩対応
バイト、赤点回避のテス勉、夏期訓練と試練は山積みだけど、キマリ達にとっては学園祭の前日状態
副隊長から中止は絶対に無いと断言される位置まで進んだ今、彼女等が止まる理由はもうありません
むしろ結束がより固まるってもんです
こういう時、同じ道を歩める同士が1人でもいるというのは本当に心強いでしょう

夏期訓練が始まり、テンションが上がる3人とは対照的に無口になっていく報瀬
藤堂隊長とは共通の大切な人を失くした者同士の複雑な想いがありそうで、モヤモヤはしてるけどどう接していいか分からないんじゃないでしょうか
2人で会話とかほとんどしたこと無さそうだしね

キマリの主人公パワーでも2人の間に入ってお互いの持つ印象を聞き出すのが精一杯の距離感
しかし母、貴子さんの当時を一番知ってそうなのは藤堂隊長なので、この2人の関係性が中盤以降のメインになっていきそう
結局全てを知る為には南極に行くしかない
まだまだ答えは出ないだろうけど、南極に行った後2人の間にはどういう変化があるでしょうか

ラストは何やら不穏な空気が漂う終わり方
たしかに前から伏線っぽい描写はあったけど
これが南極行き最後の試練になりそう?

03
{netabare}今回も新キャラ追加
現役女子高生の有名タレント、民間の観測隊として南極行きに同行する白石結月
話の展開上かなり都合のいい鴨ネギキャラではありますが、都合のいい立場であるが故の業も背負わされていて、それが彼女の人格形成にも繋がっているのは効率的で巧い設定ではないかと思います

冒頭から3人揃ってドタバタ感が更に加速
この辺は日向が加わったシナジー効果と見るべきか
前回今回でコメディ色が強まった感があるのは結月という外客が加わる前に3人のコミュニティを強化しておきたかったというのがあるかもしれません
そこに結月の孤独感を対比させるという演出的にも必要だったという理由はあるでしょう

南極行のチャンスが舞い込んで突っ走ろうとする報瀬を諌める日向、本当に気が利くいいキャラです
洞察力が高く冷静で的確なツッコミ役が入るだけでこうも違うのかと思いますが、裏を返せばそれだけ神経質で繊細な面を持ち合わせているという見方も
4人の中で日向だけバックボーンが一切描かれていないのも後々の伏線とも取れます

結月の自分語りに思わず抱き締めてしまうキマリ
打算無く相手の気持ちに共感しようとするのはキマリだからこそ出来る主人公ムーヴ
結月的に切っ掛けは何でもよく、ただ友達らしいことがしたかっただけ
クラスメートとのラインなんかよりもっと直接的に
だからこそ彼女の心は動いた

その夜結月の見た夢はまさにストレートな願望
彼女は外から風が吹いてくれるのを待っていたんだろうけど、そんな都合よく吹いてくれるわけもなく、所詮はただの夢
でも彼女の心が外に向いていたからこそホテルの窓は開かれていた
そしたら3人が内側から扉を開けに来てくれたということですね
それにより風の通り道が出来、外から風が入ってくるという演出でキレイに締めています

これで全員揃ったことになりますが、同じ方向を向いたというのはスタートラインに立てたということでしかなく、物語は本当にまだまだこれから
船はまだ停まったままです{/netabare}

02
{netabare}南極観測船乗り込み作戦がいよいよ動き始め、期待に胸膨らませる2人…だけど当然ながらそんな都合のいい話があるわけもなく、現実を知れば知るほどネガティブになる2人
特にキマリは1話で覚悟を決めたとはいえ、現状は報瀬の後を付いて来ているに過ぎず、前しか見てない報瀬と気持ちのズレが生じてしまいます

アバンで描写されたグラスの氷は今から話が動き出すようにも取れるし、自分達の狭い世界から出れずに踠いている様を表しているようにも見えます

そんな中、キマリがバイト先で知り合った新キャラ日向がメンバーに加入
ムードメーカー的な立ち位置でありバランサー、報瀬とは違うベクトルで南極行きに高いモチベーションを持っています
サバサバしてて楽観的でポジティブ、だけど何処かリアリストな性格は若干陰キャで天然な報瀬やおっとり天然キャラなキマリとの相性が良く、特にキマリの南極行きに対する気持ちには少なからず影響を与えたのではないかと思います
彼女が加わることで画面に視点の広がりを与え、テンポにリズムが生まれ、明るさと躍動感をもたらしているように感じました

その後、観測隊員の親睦会を狙う作戦(どうやって場所と日時を知った?)が予想通り失敗し、なぜか歌舞伎町で始まる鬼ごっこ
いつも報瀬の傍を付いていくだけだったキマリが自分から報瀬を追い抜き、自分から違う道を進みます
今回は日向の魅力が存分に発揮された回だけど、キマリが報瀬と日向に並ぶ為の通過儀礼的な意味合いもあったのではないかと思います

結局逃げた3人は元の位置に戻ってしまい釈迦の手の上状態、報瀬の直談判も実を結ばず、子供が浅知恵でワチャワチャやってるだけのレベルで終わったわけですが、今はこれでいいと思います
どのみち正攻法で行くのは不可能だし、無茶な作戦があったから4人目のキャラと接点が出来たわけで

日向が加わったことで話が重くならず、全体的にコミカルな雰囲気でまとまったのが印象的な回でした
3人がそれぞれ抱える物や現状も見えてきました
報瀬の母親や日向の過去に新キャラや観測隊員など、今は色々な伏線が撒かれている状態で、まだまだ始まったばかりという感じです{/netabare}

01
{netabare}1話を見た素直な印象としては「脚」
アニメ作品において脚を見せる場面は決して少なくないし、何ならサービスカットとして積極的に多用されることもあります
本作1話でも脚を映す場面が多く、一見そういう意味合いとして使われているようにも見えます

例えば車は運転手が自由に動かせる移動手段、いわば脚(足)の代わりです
車を通してその人の性格や内面がモロに出てしまうことがあるように、自分の脚なら車以上に感情が駄々漏れてしまうこともあるでしょう
目標がある、何処かを目指すというのは同時にそこに向けて動くという行為が必須となります
本作1話は心の動きを脚で表す作りになっており、同時に肉感的な役割も持たせているように見えました

主人公のキマリはよく脚を曲げています
ベッドでも下駄箱の前でも教室でもベンチでも
脚を曲げるというのは感情表現として心が内に向いていることを表しているのかもしれないですし、逆に言えば立って伸ばしたがっている(何か行動を起こしたい)とも言えるんじゃないでしょうか

雨の日の早朝、学校をサボるキマリは駅まで走っていきますが脚はほとんど映されません
結局電車に乗らずホームで立ち尽くすキマリの脚は雨に濡れ、とても重苦しく描かれています
教室でめぐみにサボらなかった言い訳をするキマリは座って脚をモジモジさせています
動くのを諦め(座って脚を曲げ)ながらも未練が残っている(モジモジ)といったところでしょうか

その後帰りの駅で初めて小淵沢報瀬と出会うキマリ
迷いなく走る報瀬の脚がアップで描写されます
報瀬の後を追って走るキマリは小さく弱く描写されます
小渕沢は自分の意志で進むために走っているのであり、キマリは流されて走っていたんだと思います

その後報瀬と学校で顔を合わせたキマリは報瀬の母が書いた南極の本を見せられます
おそらくはここがキマリにとってのトリガーになったんじゃないでしょうか
自転車置場でイジメ役2人が報瀬の自転車を占拠しますが、これは報瀬の進む道を阻む物であり、キマリは機転でその障害を取り除きます
この時点でキマリの心は動き始めていたんでしょう
これでキマリと報瀬の仲がグッと近付き、心を許すように本音で語り合います
報瀬の南極行きを手伝いたいと言うキマリに対して報瀬は一緒に踏み出そうと二択を突き付けます

翌日報瀬に会いに行くキマリ
決意を固め、元気よく走るキマリの脚がアップで写されます
更にダメ押しで港に停泊する南極観測船まで全力で走る2人の脚のアップ
ここでようやく2人揃ってスタートラインに立ったということなんでしょう
導入としてもよく出来た1話だと感じました
次回以降が楽しみです{/netabare}

投稿 : 2024/02/10
閲覧 : 130
サンキュー:

3

ネタバレ

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

リアルタイムで観たかった。2024年1月Eテレ再放送中。

2024年1月

もう何度再放送観たことか・・・でも
EテレGJ!!
ここのところ他に面白いアニメ無いし。

観ていてこんなにワクワクして
胸が熱くなって感涙するアニメは
何度でもおかわりOKです!!



アニメでこんなに泣いたのは「まどマギ」以来です。
良いアニメは何度も繰り返して観れます。
繰り返すほどに、細かなシーンに気付き感動します。

私の好きな回は

第6話で、報瀬が自分優先から4人で行くことが
最優先と熱く語るシーン。

第11話で、これも報瀬が日向を「親友」として
熱く語るシーン。「ざけんな!」は鳥肌です。

そして皆さんが挙げられる第12話。
こういう泣かせ方があるんだと感心しました。
報瀬の声優さんも上手で、何度観ても泣けます。

途中で挿入される音楽もどれも決まってて
完成度の高いアニメだと思いました。

全ての世代が観れる作品です。

投稿 : 2024/01/26
閲覧 : 409
サンキュー:

37

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

また見る

普通に面白かった

投稿 : 2023/12/19
閲覧 : 40
ネタバレ

マサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

【68点】知識なしの初見なら泣けるかもしれない作品。キャラの行動は理解し難い。

オリジナルアニメ。南極に行くことを目指す女子高生たちの物語。

当時は割とガチ泣きしたけど、今思い返すと微妙…的な作品。(昔も前半面白くないな…とは思っていたが)確かに後半は団結力が芽生えたり報瀬の母のメッセージの場面で泣いたりしたが、南極行くまでにうだうだしてる所とかヒステリーを起こしてギスギスさせる場面がひたすら不愉快…というより本編全話通してキャラの描き方が悪い意味で花田十輝らしい。花田脚本はキャラに無意味に不快感を抱かせる行動を取らせて話をこじらせてくるので普通のアニメのギスギスよりよっぽどタチの悪い描写を入れてくる癖があるのか、このアニメも例に漏れず花田十輝の悪い手癖のようなキャラ描写が悪目立ちしていて、当然ダメなタイプだった。

艦これ1期やスパスタ2期でもわりと花田脚本のそういう所は叩かれてる節はあるので花田さんはいい加減キャラの描き方を学んで欲しいと思います…

投稿 : 2023/08/30
閲覧 : 260
サンキュー:

6

ネタバレ

おおかみ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

清々しい面白さ

観て損はないですね。観てから結構経っててリピートしてないので内容は大体しか覚えてないけど人に薦めたいアニメです。
音楽はそんなに良かったかな。。?音楽含めの総合評価だと少し評価下がるんだよな。

投稿 : 2023/08/28
閲覧 : 87
サンキュー:

3

ネタバレ

nbf85jhmW さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

なぜ評価されているのか理解不能

良かったところはメールの件くらいかな
まずいちいちセリフがキモい
「軽く死ねますね」「ざまぁみろ!!」など
単純にウザイ、気持ち悪い、イライラします
アクションがオーバー過ぎるので逆に泣けない
キャラクターデザインも酷い、正直言って不細工、ストーリー重視だから敢えてなのか知らないけど

南極要素もほぼゼロ、せいぜい氷が割れるくらい
そもそも南極でなくても一工夫で完結できてしまう
んだよね。完全にPVとOPと表紙詐欺。見る前は南極行ってあの手この手のドタバタ展開(メイド・イン・アビス的)なの期待してたのですが、その様なワクワクする描写は何一つなかった。大事件がない。

「南極いけるのかなぁ~?」「行ける!私達なら行ける!!」
こんなんばっか。凄い眠くなる。退屈
さっさと行けよって思いましたね
結局南極に着いたのは物語の超後半っていう笑
シュタインズゲートやコードギアスのような
続きが気になるような超展開がなく睡眠導入剤にもってこいの作品。

ただの女子高校生が、南極いきたくなって、仲間つくって、南極ついて、母の死を確認して、帰ってくるだけのアニメ。

なんでこんな評価されてるんだろう。最近のアニメに盲目な学生達が評価してるんだろうなぁ...w
そんなに面白いか?これ
ここ最近のアニメなら『マシ』なレベル
流石に駄作とまでは言わないが、トップクラスの完成度かと言われると疑問しか湧かない

あにこれは割と正当な評価をされているかと思ったが最近は明らかにおかしい
上位100作品を視聴した人のみ評価可能にしてほしい。思い出補正や世代のおかげで正当な評価をされないダメなサイトになってしまいますよ
ていうか2位がこのすばの時点で失笑もの
もうメチャクチャですね
この作品もせいぜい20位~30位くらいが妥当

このアニメを称賛してる人は詐欺に引っ掛かるほどの真性のバカか、ただのJK好きの萌え豚のオッサンのどちらかです。
あーつまんなかった。時間返してほしい。

投稿 : 2023/08/26
閲覧 : 3105
サンキュー:

31

ネタバレ

カール さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

君たちはJKが好きか

3年前、消息を絶った母親がいる南極へ。
堅牢な決意で南極を目指す少女と、

賑やかしの友人たちによる、
JK4人組の南極体験ツアー。
みたいな感じ。

物語は2部構成で、
1部は、南極行くのって大変よ。
2部は、南極にやっと着いたよ。
と、なっています。

正直な感想ですが、
1部は面白いです。

南極にJKが行くことがいかに難しいか。
金銭面や学校生活、初めての海外に、
トラブルが続出。

いざ観測船に乗り込めば、
慣れない船内生活に、
襲いかかる津波の脅威。
未だに引きずる敗戦国の憂鬱。

さまざまな経験と学びから、
JKたちはようやく南極に辿り着く。

そして2部が始まった途端、
南極を舞台にした、
のんびりJKの
日常アニメへと変貌してしまう。

1部において、
ルート工作の訓練模様があり、
少女たちの特性を見せるシーンは、
後半での伏線なのかと思いきや、

南極に着いてからは、
遭難するような危険もなく、
終始穏やかな生活が続きます。

その原因となっているのが、
彼女たちJKは、
観測隊にとってはゲストキャラであり、
専門的な仕事は任せられない点です。

JKたちの仕事は、
あくまで雑用であり、
当然ながら命の危険はありません。

その結果、
南極がもたらす
大自然の脅威に悩まされるのではなく、

「友達って何?」
といった、
人間関係に悩む始末。

そんなことは日本で悩みなよ。
って思うわけですが、

ごみ処理や荷物運びなどが
主な仕事のJKにとっては、
そっちの方が重要なのかもしれません。

最終的に母親の死を乗り越え、
少女は成長を遂げますが、
ここで時間切れ。

日本に帰りますよ。
っとなり、涙の辞別となります。

他3人は、南極に何しに来たの?
と、ツッコミたくもなりますが、
彼女たちもいろいろと働いていたので、
無意味とはいいません。

ただ、せっかく南極に来たのだから、
雄大な自然に立ち向かう姿や、
ゆるくないキャンプ生活などを、
見せてほしかったわけですよ。

救える可能性があるにも関わらず、
二次災害を防ぐために、
仲間を見捨てなくてはならない非情な決断。
あの南極での苛酷なシーンを見せておいて、

いざ南極に着けば、
「ペンギン可愛いー! 臭いー!」
と、ほんわかシーンの連続だと、
犠牲になった人も浮かばれないでしょう。

できることなら、
主人公を成人女性にして、
正式な観測隊員とすれば、
厳しい南極の生活も描けるので、

立派なお仕事アニメとして
差別化できたと思うのですが。

やっぱり見てもらうには、
主人公はJKじゃないと駄目なんですかね。


ありがとうございました。

投稿 : 2023/07/31
閲覧 : 97
サンキュー:

3

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

エモさ以外を捨てたアニメ。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
2018年1月 - 3月に放映された全13話のTVアニメ。
監督は、いしづかあつこ。

【あらすじ】

群馬県に住む高校2年生の玉木マリ(キマリ)は、高校生になったらしたいことが色々あったはずが、
何も出来ないままだった。高校に入学したらやりたいことを書いた手帳を自室で見つけ、
「青春する」という文字を見て号泣。友人にアリバイ作りを手伝って貰って、
学校をズル休みを一人旅を目論むも、踏み出せずに諦めて結局は登校してしまう。

その日の帰宅途中、駅のホームで駆け込み乗車をしていた同じ学校の女子生徒が、
スポーツバッグから落とした封筒をキマリは拾ってしまう。中身は100万円の札束だった。
持ち主である女子生徒は小淵沢報瀬。南極観測隊員で行方不明の母親がいた場所に行くために、
高校生が行けるわけないとバカにされながらも日々のアルバイトで貯めたという。

バカにされながらも頑張っている報瀬を応援するとキマリは言うが報瀬は素直に受け取らない。
更には、南極に同行する気があって広島県呉市にやってくる南極観測船の下見に行くのなら、
応援が本気だと信じると言う。後日、広島行きの新幹線の中でキマリは報瀬と再会。
それは、一緒に南極を目指す少女たちの第一歩だった。

【感想】

アルゴリズムの変更に伴い、総合ランキング1位に躍り出た作品。

ALL5を付ける人が多い一方で、

『数々の名作を差し置いて、これが1位はおかしい!』

という意見も多く、画像無しのアカウントでALL1を付ける人もちらほら。
それはさておき、実際に観てみた感想ですが、かなり作為的なアニメに見えます。

このアニメで伝えたいことは、4人組の南極行きを通じた様々な出来事で、
何を思い何を感じたか?の一点に絞られて4人組の主観・視点で構成されています。

なので、彼女らの感情に反する人たちは、
原則的に徹底的に負の存在&雑音として扱われています。

南極に行きたいという話にしても、
身内として反対してたはずの保護者(説得シーンカット)
&許可できないとしていた民間南極観測隊(芸能人レポーター参加の交換条件で承諾)
ですら簡単に折れる“物分りの良い存在”ですし、
未成年者に対して責任を持って対応しているはずの大人の言い分すらオミットしている。

明確に自分の考えを持って南極行きに対してアンチ工作していた例の人も、
結局はマイナスの感情で卑怯なことをしていたとの話ですし、
夢みたいな主人公らの気持ちに歯向かう存在には、正しい行動がないという作為。

これが、P.A.WORKS作品であるならば、ババーン!と年長者が若者のふわふわに対して、
丁寧に諭して導いたり厳しく躾けて鼻っ柱を折るところでしょうが、

大人キャラの視点からの常識的で冷静な指摘や提案などは、
それらが作品で伝えたい主題に背反して、展開に収拾がつかなくなる要素であるからこそ、
スポイルされまくった物語と言えるでしょうね。

“肯定されたいティーンズの欲求を代弁するアニメ”から不必要な要素を伐採し、
その要素を敵視しまくった作品。このアニメには、こんなイメージを持ってしまいますね。

『やりたいからやる!』
『夢を否定しないで!』
『今までと違う自分になりたい!』

未成年時にありがちな感情なのですが、夢を叶えるのは一筋縄では行かず、
夢に向かう者は“気持ち”だけでは不十分。目指すステージへの参加資格を得ようと、
知識・経験・技術を得る鍛錬と努力をしていますよね。
受験に合格するにも学力が、スポーツ選手がプロ入りするにも実績やスカウト評価が、
必要なのと同じです。

振り返ってみれば、「南極少女」と陰口を叩かれていた報瀬が『ざまあみろ』と見返すために、
とった手段は、専門的知識・経験を持った技術者として観測隊の公募に応募することではなく、
本人が手回しをしていないにせよ、コネで芸能人にくっついて観測隊に参加という裏技。

母親を南極で失った報瀬以外には南極に行かなければならない切実な理由がなく、
4人組のやりとりは気分的には観光旅行と大差がない。あと自分探し。

南極観測隊員の仕事がメインではなく、
あくまでも南極行きを肴に友情を育んだり観測船などで日常をする話でありますので、
4人組の感情を理解して共感して、彼女らの視点で物語を楽しめないと、
ただ単に毎回泣かせに来ているだけのアニメとして充足感が中途半端に終ってしまいます。

このアニメに否定的なニュアンスを持つ人は物語の作り方が気に入らないし、
肯定的な人は、『良いんだよ!アニメで表現したい部分は4人の気持ちだから!』
評価を分けるポイントは、そこだと思います。

個人的には、
・日常コメディが笑えるほどに面白くはなかった。
・南極観測隊員の大人キャラ(特に男性)にプロとしても人格面でも魅力が薄かった。
・4人が南極行きに苦労をしてないし、遊んで帰ったという印象が強い。
・↑報瀬の母親の死と12話後半の感動ドラマに比してあっさりしすぎて軽いという印象。

大人の職業人や老成した人格が描かれているアニメ作品が他社に存在していて、
作品で伝えたい主点が全く違うこともありますが、比較すると意図的に狭い視野で作られてて、
主人公たちの友情や泣かせ以外の描写がイマイチに見える。

友情や自分の知らない世界に接する感動で少女たちが心を動かされる話にせよ、
彼女らは特別な景色・特別な友達で無いと決定打にならない人たち。
どことなく、4人の少女たちの心のなかで序列と区別を作ってしまっている。
それが周囲にも見透かされていて、心の溝を作っているのは彼女たち自身ではないか?
とも思えてしまいます。本質的には少女たちの“好き”と“嫌い”で、
彼女らの眼鏡にかなわなかったものが、毀損されている部分があるのではないか?

と、純粋に物語を楽しむには脳内に雑音が多すぎたので、
ちと点数が微妙になってしまいました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/05/23
閲覧 : 808
サンキュー:

77

ネタバレ

鹿羽 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

挑戦することへの勇気をくれる良作

いろんな人におすすめされていたので、観ようと思い続けながら先延ばしにし続けてきた作品。

評価について
物語:脚本が非常に秀逸。さすがノゲノラスタッフだなと感じた。
作画:綺麗な絵で場面切り替えも一切違和感なしで文句0
声優:文句なし。特に、白瀬(花澤香菜)の12話は素晴らしかった。
音楽とキャラ:アニメを普段見ない人にも支持される最も重要な役割を果たしていた。
(正直、個人的には最初のOPとキマリが絶妙に好みじゃないなぁと思った。OPとキャラクターはあえて萌え要素少なめにし、ストーリで魅力が増していく形にしたのだろうと感じた。終盤には最高の音楽とキャラだなと思えたので、文句なし。)

総括
テンポ、コメディ要素、ストーリー全体の展開文句なし。
登場キャラクターに励まされるいい作品だった。進級や受験、就活などのタイミングで定期的に見返したくなる作品だったと思う。

投稿 : 2023/02/24
閲覧 : 152
サンキュー:

14

ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

1話目から惹き込まれました。

女子高生たちが南極へ行く
という予備知識しか持たずに鑑賞。
有名でもあり高評価作品でもあるので
少し天邪鬼な見方をしてしまうかなと思ってましたが
そんなの1話目からぶっ飛んでいく惹き込まれ方でした!

キャラの表情や動きが繊細に描かれていて
とても感情豊かなキャラが出来上がってました。
それもあってか一人一人の性格が分かりやすく
とても感情移入のしやすい作品です。

色々なアニメを見ているとよくあるのが
悲しみや辛いシーンでのもらい泣きですが、
この作品では珍しくそれ以外の涙を流すこと多々あり。
{netabare}最初にうるっときたのは南極へ向けて家を出発する
マリちゃん家族と同じ気持ちになって涙。
その次は4人で行きたいんだと飛行機の便を
変更しようとする報瀬ちゃんと日向ちゃんの
相手を思いやる気持ちがぶつかり合うやり取り。
{/netabare}
きっと他のアニメならここでは泣かないと思うので
キャラクターが生きてるんだな〜と感動しました( T꒳​T)‬

また女の子たちがメインのお話で
1人も苦手な子がいなくて心地よかったです。
最後まで何も引っかかることなく観続けられました。

女子高生が南極へわちゃわちゃ行けるなんてこと
現実じゃ有り得なさそうですが、、
これはアニメだからこそ実現させられる
とても楽しい素敵な世界観ですね‪。
私はこういうアニメならではの感じ好きです(*ˊᵕˋ* )

{netabare}女の子同士の友達の定義についても、
私も過去にこれって友達?などと悩んでいた時に
親友と思ってくれていた友達のことを
私は親友というにはおこがましいかなという気持ちから
親友だとは思ってなかったというすれ違いから
その子を泣かせてしまったことがあったので
とても激しく共感できるシーンでした(*-ω-)ウンウン
{/netabare}

この話を見終えてから南極に、
行きたくはないけど行ってみたいとは思いました!
そして人間関係にほっこりする作品でした(*´ `*)

投稿 : 2023/02/20
閲覧 : 238
サンキュー:

20

ネタバレ

白毛和牛 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 1.0 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 2.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

ストーリーもキャラも全く共感できない

この作品に付いて女子高生が南極に行くって時点でかなり無茶だよなと思ってしまう上に
しかも大人達の一緒に南極観測という重要な任務に参加してるにも関わらず
キマリ達のノリって何だか学生サークルの遊び気分程度の感覚で参加してるだけなので
この時点でキマリ達に対して全く共感が出来ないんですよ
それに1話でしらせが百万円を落としたりとか8話で荒波の甲板に平然と出たりとか
12話で3年も極寒の地で放置されたノートパソコンが起動したりとか他にも色々な場面で疑問符が付きまくるシーンばかりだけど
この作品ってストーリー展開の運び方やウケの良さそうなシチュエーションを見せたい為に幾ら何でもそれは無いでしょってシーンが多すぎるし
そして狙い過ぎた感動演出も白けてしまうんですよね
世間的にはメチャクチャ評価が高いけど個人的にはストーリーもキャラも全く共感できませんでした。

【評価】

10点・E級

投稿 : 2023/02/09
閲覧 : 174
サンキュー:

6

ネタバレ

yut さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

報瀬がかわいい

何回見ても泣く。傑作。光と影、空間の使い方がうまい。報瀬がかわいい。

投稿 : 2022/12/16
閲覧 : 181
サンキュー:

5

ネタバレ

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2期は望みません。ふとした時に何度でも見返そうと思います

『かわいい女の子+α』も遂に宇宙よりも遠い場所────即ち「南極」まで来てしまった!と言ってもこの作品、きらら系発ではなく完全オリジナルアニメですがね。
『ノーゲーム・ノーライフ』の制作チームが再集結。好奇心旺盛な女子高生たちの冒険を通し、若かりし頃の青春の煌めきを思い出させてくれる、そんな作品。

【ココがすごい!:「かわいい」と「野暮ったい」の間(あいだ)】
この作品が5年経とうとする現在でも熱烈な支持を受け、数々のサイトのオススメアニメとしてその名が挙がる理由は濃密な青春・冒険活劇の前にキャラクターデザインが要因だとも考えられる。
メインキャラクターは女子高生4人なのだが、画のタッチは所謂「萌えアニメ」の雰囲気をあまり感じない。淡い色彩と現実的な髪色・身体のラインで描かれたキャラクターはオタクよりも一般層に向けたアニメ映画のようであり、普段アニメを見ない人でも違和感や嫌悪感を感じさせないデザインとなっている。ただ、そういった硬派を気取る作品は逆にキャラクターに野暮ったい印象も与えがちであり、私のような萌え豚には食指の動かない作品になることも多い。
本作はその「野暮ったい」印象と女子キャラ中心作品に抱く「かわいい・萌える」といった感情のちょうど中間にあるような絶妙な作画をしており、表情の幅が広い。泣き・笑い・驚き・怒り・照れといった表情は現実的な範疇に収まりつつもコロコロと変わり、その表情の変化できちんと萌えを狙っている。1枚画では微妙に感じてもアニメとして動いている彼女らはしっかり可愛いのだ。
あと少しの魅力があれば萌え豚でも「視聴してみようか」という気にさせてくれる。その一押しが「声優」である。
メインの4人は水瀬いのり、花澤香菜、井口裕香、早見沙織と人気の女性声優で完全に固めてある。彼女らが人気である理由は声質に演技力、それら引っくるめて沢山の作品に出演し評価に貢献してきたというオタクからの“絶対的な信頼”。新人声優にはできない、可愛いだけではない演技力を制作陣が求めていたことがよくわかる配役だ。
しっかりと演技のできる声優と一般層も受け入れやすいキャラデザ。だからこそ幅広い層がメインキャラクターの印象とストーリーに変な先入観をつけずに入り込める。

【ココが面白い:100万円から始まる南極物語】
脚本はノンフィクション物として第1話から面白い。突拍子のない展開は時として「リアリティがない」という酷評も受けるが、リアリティを追求し過ぎた結果、刺激の少ないつまらない作品になってしまうのは本末転倒である。本作はそのバランスもまた絶妙だと言えるだろう。
本作は主人公・キマリが100万円を拾う所から、冒頭の砂城が壊され水が流れるが如く物語が動き始める。普通そんな大金は銀行に預けるなりするのが筋で、ましてや持ち歩くなんて不用心にも程がある。しかしそんなツッコミどころを敢えて“残しておく”からこそ最初の掴みとしてとても印象的であり、その金額が分厚い札束として形になっているからこそ、拾ったキマリは落とし主・小淵沢報瀬の努力を肌で感じ取り応援────そして共に南極を目指す同志になるという納得感の強いストーリー運びとなっている。周りの有象無象が南極を目指す娘を「南極娘」とイジる現実的な世界観だからこそ、それらとキマリを差別化する重要なフィクションだと言えるのだ。

【ココも面白い:青春は向こう見ず】
とは言え、やはり普通の高校生でしかない彼女らがその内に南極へ行くというハードルはそれなりに高く設定されている。南極をテーマとしながらも前半は先ず「南極へ行くにはどうすればいいのか」を模索・準備する段階をひたすら描いており、とくに第3話までの彼女らの作戦の杜撰さ・無鉄砲具合や大人に絞られる際のわちゃわちゃとした姿でキャラクターへの愛着が湯水のように湧いてくる。
中でも報瀬は回を追うごとにメッキが剥がれて残念美人になっていくため、ちょっとイラッ☆としつつもツッコミで愛を注げる魅力的な存在になる。周囲の嘲笑にずっと負けなかった反骨精神とのギャップでより一層、愛おしく感じるのである。
一言で言えば「青春」。若さという勢いだけで彼女らは突き進む。後先考えているのか考えていないのかわからない行動は、結果的に彼女らが「民間観測隊」に入るきっかけにもなる。見方を変えれば運が良かっただけ────ご都合主義にも見えてしまうだろう。
だが、キマリたちは行動した。行動したからこそチャンスが巡り、彼女らなりに頑張ったからこそ結果がついてきた。他作品で「運は捕まえる準備をしなきゃ、決して捕まえることはできない」という名言があるが、正にそれだ。がむしゃらでも行動した者には何も思い至らず動かない者よりも“因果”という形で神様の思し召しが与えられる。
そう納得できるだけのキャラクターの若さ・力強さが本作にあり、視聴者もその勢いに思わず乗せられてしまうのである。

【ココも面白い:本格的に描かれた南極への道のり】
序盤を乗り越えると訓練を経て、いよいよ南極への渡航と観測隊の業務・生活を描いていく。
この作品の制作には文部科学省、国立極地研究所、海上自衛隊などの協力も仰いでおり、高校生4人が観測隊に一時入隊するというフィクションを織り交ぜながらも描写の数々は常に本格的で信頼に値するものばかりである。
とくに砕氷船での生活模様が面白い。入浴、洗濯、トイレなどのちょっとした要素が然り気無く描写されており、全て説明するのではなく背景に細かく描写することで観る側の興味・関心を刺激してくれる。南半球特有の強い高潮による「揺れ」などもカメラワークを振り子の様に揺らしまくることで再現しており、三半規管が弱い人は観ている内に船酔いが伝染ってしまうのではないだろうか。
南極観測における日本の実情や方法など知らないことも多く、それを彼女らと同じように観ている側も知れる。アニメを通して南極への道のりの険しさ、南極観測の難しさ、そして「南極での生活」までしっかりと伝わることで、視聴者はキマリたちと一緒に南極へ行っている気分にもなれるのだ。

【そしてココに感動:目頭の熱くなる友情の描写】
そして本作は南極への渡航とその生活を描くだけに留まらない。飽くまでも南極は主人公の旅立ちの契機、目指す場所を等しくする主要人物たちの友情を描くツールである。
単に仲睦まじいシーンを描くのでもない。キマリに出会うまで仲間がおらず孤軍奮闘で南極を目指してきた報瀬。理由あって高校を中退し、明るくも他者とは一線を引いて接するヒナタ。幼少の頃から芸能界にいて普通の学生生活を送れない結月。そして何かとだらしなく、これまで幼なじみ・めぐみにも頼って生きてきたキマリに各々スポットを当ててエピソードを作り、感動と共に「友だちとは何か?」を考えさせるストーリーを組み立てている。
とくに5・11・12話が涙なしでは語れない。6・10話も中々だ。友達の「定義」や友達への「貢献・気遣い」、「依存」と「自立」、そして友達に裏切られた時の「容赦・対応」などをテーマとしてシリアスに、そして良い塩梅でコミカルな演出も差し込んで視聴が苦しくならないようお送りする。思わず自身の交友関係を洗い直し、向き合い方を改めてみたくなるエピソードが満載だ。
観測隊の大人たちも4人の女子高生を子供扱いせず厳しく、然れどスパルタ教育のような不快な描写は見せず自主性を重んじた接し方が図られ、悪目立ちしない。そんな大人たちの情熱も第7話などで描写しており、やはり南極渡航の厳しさとその魅力────そして世間の不安視に気圧されないぞという“負けん気”が観る者に同じ情熱と活力を与えてくれる。

【キャラクター評価】
玉木マリ(たまき - )
冒頭の優柔不断な様、そして眼鏡の友達にサポートを受けている点が『けいおん!』の平沢唯に似てなくもない。ただその実、何かに挑戦すること自体にとても臆病だった性格に強く共感し個性を感じ取ることができる。
そんな彼女が後半では他の3人をグイッと引っ張りチームとして正しい方向に導くのが良い。4話ではコンパスによる方向計測が得意で自らを「コンパサー」を名乗っていたが、そういったお調子者な面も含めて自身の殻を内側から破ってみせ、名乗った通り女子高生チームの迷いや不安を率先して取り除き、指針を指し続けた名キャラクターだと言える。
1歩踏み出す「勇気」を経て輝かしい青春を魅せてくれる主人公。王道で素敵です。

小淵沢報瀬(こぶちざわ しらせ)
キマリが唯ならこの娘は秋山澪かな?明るい主人公に対するクールな相棒枠かな?って第一印象を抱いていたのだけれど、直ぐにそんなイメージは裏切られました(笑)
個性的な理由はやはり「南極」という今までアニメではマトモに扱われなかったテーマを下地に作られたキャラクターだからだろう。始めは南極から帰って来れなかった母親の影を只追うだけだったのだろう。待っていても何も変わらない、何もわからないことを思い知ったから。
そんな彼女を世間はずっと嘲笑った。無理だと決めつけた。人に言われて諦めるような想いではないというのに、それもわからず。だから報瀬は想いは真っ直ぐでも人付き合いでは屈折のある“ツンデレ”とも言いがたい珍妙なキャラになってしまっている。そんな彼女の思いきりの良さ、先走るが故のポンコツ具合を観るのが面白く、そして愛おしい。

白石結月(しらいし ゆづき)
人によっては「ご都合装置」と捉えている方もいるようだ。しかし芸能人も人間である以上、誰と交友を持つかはリアル不自由を押しつけられることが多くても本来は自由と選択もあるわけで、同年代の友だちに飢えていた芸能人と南極に行きたい一般人3人とで合致し、かけがえのない仲間になっていく様は比較的自然だと思う。
{netabare}その自然さがわからなくて────友だちになれた3人を繋ぎ止めたくて『友達誓約書』なんて重いものを作るに至るのだが、確かに改めて「友だち」って何なのか考えると説明が難しい。私の交友も単に同じ趣味同士で集まって時間を過ごして────けれどその時間はいつまでも続かなくて疎遠になったかと思えば年単位ぶりに連絡が来たりもする。ほんと何なんでしょうね(笑){/netabare}
一足早く大人の世界にいた彼女特有の悩み・不安が滲み出る一挙手一投足と、普段は妙齢な女性キャラクターを演じる早見沙織さんの演技が上手いこと噛み合い『けいおん!』の中野梓のようでいてまた違う魅力的な年下キャラクターとなっている。

三宅日向(みやけ ひなた)
{netabare}高校生にしては処世術が妙に卓越していた娘なのだけれどその理由が第11話で明かされて思わず涙がポロポロ……私も高校の時部活辞めてるからね、日向とは真逆みたいな理由だけども(笑)
だからそれまでの彼女の「友だち」というのは時に裏切り裏切られる軽薄な関係であり、頼れば危険で不公平も生まれるからこそ互いに気を遣わせないよう努力する存在と定義付けられていたのだと思う。それを見事にぶち壊したのが報瀬とキマリだった。
「あなたたちはそのままモヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ」
結末自体は角が立つけれどもこれほどスカッとする啖呵もない。諍いの後は仲直り。相手が和解を求めたら必ず応じなければならない。赦さなければならない。そんな凡百な倫理に苦しめられるのはいつも被害者側なのだ。そこにいたヒナタを救い出す啖呵は言葉尻では汚くとも本質はとても美しい友情の描写である。苦楽を共にし、ピンチのときこそ頼れる存在になる。そういう友だちとして報瀬たちはヒナタに記憶されたに違いない。{/netabare}

高橋めぐみ
序盤は『けいおん!』の和ちゃんの印象。そんな彼女の掘り下げの有無こそ、よくある女子主役の作品とは一線を画す決定的な部分でもある。
{netabare}優秀な娘がドジッ娘を気にかけて友だちとなる。その理由を歯に衣着せずドロドロと明かしてしまったね。そう、これが友情の「真実」なんだと納得してしまった。人は誰かを下にみたい。優越感に浸りたいと思う生き物なのだ。
第5話で明かされためぐみの妨害工作。彼女はキマリを「下の人間=従者」として繋ぎ止めるために彼女の南極を遠回しに否定していた。そんな自分の行動を恥じてキマリに自ら絶交を宣言する辺りにまだ情状酌量の余地がある。キマリがめぐみに依存した生活を送ってきたように、めぐみもまたキマリに依存していたのだ。{/netabare}
{netabare}彼女もまた人の夢や挑戦を嘲笑う位置にいたという結論が着いたかと思われたまま最終話ラスト。キマリは日本に帰ってきた一報をLINEでめぐみに送る。
「帰ったよー」
「残念だったな」
何が?と思うとすかさず1枚の写真と返信が。
「私は今、北極だ」
1人ではどこにも行けないと思われていた彼女は、この物語がキマリたちにスポットを当てている間にもう1つの『宇宙よりも遠い場所』に旅立っていたのだ。
本作の全体のオチとしてこれほど秀逸なものもない。そして悪役として感情移入が半端なかった(私も修学旅行でしか海外に出たことないからね笑)めぐっちゃんが旅立っているラストには一抹の寂しさを覚えると共に「次はあなたの番だよ」というエールのようなメッセージ性も感じ取れた。{/netabare}

【総評】
2022年現在のあにこれ総合ランキングでトップ3に迫らんとする勢いの衰えない作品だが、それに納得するばかりでなく「どうしてこれが1位じゃないんだ」という異議すらも唱えられる素晴らしい名作だ。
女子高生が南極を目指し貴重な体験をする冒険譚、その中で志を共にした仲間がかけがえのない友情を築き前へ────未来へ向いていくという青春物語を1クール(13話)で起承転結を成立させて構成しており、1話1話にとても大きな意味を持たせた高いクオリティを誇る。シリアスな展開を秀逸なオチで強烈なギャグに転換したり、日常アニメのようなほのぼの感を描写1つで引き締めたりなど、様々な要素をブレなく詰め込んで観る側の感情が良い意味で忙しい、中弛みというものを一切、感じさせない作りとなっていた。
主役4人のキャラクターバランスも素晴らしい。少しだらしがないキマリやポンコツな報瀬で笑いを取りつつも、いざという時は良い決め台詞で感動を与えてくれる。2人を諌めるしっかり者なヒナタや結月にも実は欠点や暗い過去があり、それらをあらゆる手法で補っていく中にやはりキマリと報瀬がいる。4人の関係性が歯車のように合致していく様は本場のきらら系でもなかなかお目にかかれず、それ故に万人受けを狙った少し野暮ったさを感じるキャラデザでも十二分に「尊い」と感じることができるのだ。
南極という舞台も非常に面白く、そして美しい。観測隊の活動や南極へ行くまでの過程はきちんと描かれており、アニメではおそらく初めて描かれる要素の数々は新鮮に受け止めることができる。南極ならではの自然現象──太陽柱(サンピラー)やオーロラ──の美しさは恐らく現実の風景に勝るとも劣らない美術だろう。
主題歌・挿入歌も良曲揃い。とくにヒゲドライバー作曲の『ここから、ここから』は懐メロ風でありながら妙に胸を熱くさせてくれる
、本編との相性がバッチリ合っている名曲である。
南極を目指して終わるのでなく南極という特異な環境での日常をお送りするのでもない。この2つを合わせ「女子高生たちが南極へ行って帰ってくるまで」を1クールでまとめ上げたのが素晴らしい反面、余計なシーンもないために「もう少し後日談などを観たい私」と「完璧な終幕に感無量となる私」が混在してしまい、なんとも言えない作品となった。

投稿 : 2022/11/10
閲覧 : 257
サンキュー:

15

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ももたろす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

見て100%損しない アニメ初心者でもおすすめ

女子高生4人が南極を目指す物語
最初に結論書くけど、非の打ち所がほとんどない素晴らしいアニメ
メインの登場人物が4人もいるのに、一人一人の設定、テーマをちゃんと解決してくれて全然モヤモヤしない
人気声優さんも登用してるから作品、キャラにも没入出来る
南極に行くという難しそうな話なのに綺麗に終わってた
もっと若い時にこのアニメが出てて出会いたかったなぁて思った笑

投稿 : 2022/10/16
閲覧 : 98
サンキュー:

3

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

よかった

とてもよかった

投稿 : 2022/10/07
閲覧 : 78
サンキュー:

1

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くまごろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

本気で泣きました

視聴完了
全12話

ジャンル
壮大な青春もの

あらすじ
普通の女子高生だった主人公が本気で南極に行くことを目指す同級生と出会い、旅に出るため一歩を生み出す。
訓練などの様々な試練を4人で乗り越え、実際南極に到着した後は・・・

感想
総評100点
自分の世界を変えるため、できることからやってみる感じが初代ラブライブを彷彿とさせる。

よかった点
まず映像。綺麗な生なのだが、細かいところまでしっかり作り込まれている。例えば1話で主人公が100万円を拾ったとこに写っていた駅の広告やコンビニの広告で季節感など。
次に音楽がいい。主題歌も挿入曲もイメージにぴったりで心に残る。
なによりストーリーが素晴らしい。女子高生4人組のドタバタが主ではあるが、その中で感動シーンや青春シーンが盛りだくさん。
また、同級生の南極に行きたい理由である母親についての最後の展開・演出が素晴らしく、あまりアニメで泣くことはないのだがつい涙がこぼれてしまった。

悪かった点
なし。

投稿 : 2022/09/23
閲覧 : 136
サンキュー:

6

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

【更新】青春!それは壮大な夢に爆進が許される人生最良の時!

2018年 マッドハウス制作のオリジナルアニメ作品。全13話。視聴済。同年12月、ニューヨーク・タイムズ紙が「2018年最も優れたテレビ番組(The Best TV Shows of 2018)」の海外番組部門の10作品のひとつに選出、第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦の秀作。作画、声優陣共に強力。他のどの作品にも似ていない「人生って旅なんだ」と思い起こせる逸品。

【前書き】
皆さんは、どんな夢や憧れ・希望を抱いてましたか?無茶・無理・無謀と言われてもチャレンジした事って有りますよね。私は沢山の魅力に惹かれ、爆進しては爆死!を繰り返して来ましたw。
この作品は、そんな猪突猛進が許される青春という限られた時間を謳歌する中で、友情・仲間・家族・成長…そして愛・人生・時代が描かれます。諦めない!きっと叶えてみせる!私達は花より団子系!そんな素敵で個性豊かな乙女達が夢を叶える物語。

視聴のきっかけは…。タイトル。宇宙より遠い場所「うちゅう」より遠いって何処だろう?とPVを覗いたら「そら」と読むと知り、表現力良いなぁと。作画のタッチも流行りのパッキリ系で無く絵画タッチ(好みが別れますが)で物語性にも好感を持った。又、メディアで日本人宇宙飛行士レジェンド、毛利 衛さんが「宇宙には数分でたどり着くのに、昭和基地には何日もかかる。遠いですね」とコメントしており、面白いかも!と。本音は…。
メインキャラのCVが大好きな水瀬いのりさん、早見沙織さん、井口裕香さん、花澤香菜さん…だから…。果たして作品やいかに?!わくわくっ!

これはけっしてギャグ・コメディアニメではありません!ストーリー展開がジェットコースター的なノリなのも否定しません。でも!良いです!OP、ED、各話導入・終話部分も凝っていて飽きさせません。友達・友情・仲間、各キャラの背景や心情を描く場面もスっと入り込めて好感が持てます。

物語は民間団体による観測隊への同行なので、本隊の組織力・資金面・人材不足など現実的な問題も描写されます。そして、あえて民間観測隊として強行する意味も柱となっています。その真の目的とは…。大人にも諦めない志があるのです…。これは時代が築かれる物語でもあります。貴方の心に旅立ちの鐘が鳴り響きます!

【本編内容・見所など】
玉木 マリ(キマリ)は行動する事にとても臆病。失敗するのが怖く、それを気にする自分も嫌い…。でも好奇心は旺盛でやりたい事は沢山。前髪はパッツン。そんな普通のJK2。学校の帰り道、電車に向かうキマリは他のJK(同じ学校)と接触した拍子に封筒を拾う。中身は何と現金100万円!幼なじみのクラスメートに「何故直ぐに警察に届けなかった?!」と揶揄され、何とか髪の香りを手掛かりに本人を探し当て、トイレに入るシーンでキマリが持っているのが「倫理」の教科書なのにクスッと。そして、本作主役?だと思う… 小淵沢報瀬(こぶちざわしらせ)との出会いとなる。
報瀬の母(貴子)は元南極観測隊員で書物も執筆している(作中で本作のタイトルが貴子の著作だと表現される)が、報瀬が中3の時、南極観測中に遭難し未帰還となった。彼女は母の遺品を探す事を目的に南極に行く決心をしているとキマリに告げる。報瀬は容姿端麗、頭脳明晰で南極に行く事をバカにされても動じない芯の強さがある。決めゼリフは「ざまぁみろ!」。少しお間抜けで、めっちゃ恥ずかしがり屋で天然系な面も。そんな彼女が、優柔不断的出来心から「応援するよ」と口にしたキマリに「南極行きを本気で応援してくれるなら…」と砕氷艦しらせの一般公開、広島(多分 呉市)に同行することを条件に出す…。1話終盤のこのシーン。心情に合わせた楽曲も良く、心臓がドクンっとなった…。そして本気で夢に爆進する物語は始まる!はぅわっ!

{netabare}
次なるは三宅日向(みやけひなた)。集団に馴染めず、高校行かずにコンビニでバイトっす。でも勉強は嫌いじゃなくて「高校行かなくたって大学入れるぜ!ざまぁみろ!」が目標のポジティブっ娘。高2時点で既に高卒認定取得済の出来る娘で、以後チームのリーダー的存在感を。随所で名言?を発する。キマリ、報瀬を見つけた視点も面白い。電車の行先表示が久喜の描写があるので、舞台は埼玉かぁ…と見てたら…地元は群馬ってか!繋がらねぇ…。作戦決行!?良い娘のJK2は歌舞伎町ダメだよぉ!
でも、ここから作画の威力ずげぇ~っ!てなる。
そして、4人目の仲間は白石結月(しらいしゆづき)。キマリ達より歳下のJK1。芸能界(新 どさん娘プロモーション所属。どさん娘かよっ!w)で生きていることから、物事の機微を察する大人びた面がある。実は毒舌系。母、民子がマネージャー。観測隊の親睦会(新宿 歌舞伎町)に民子と共に仕事で出席しており、報瀬の事を聞いていた。北海道出身で寒いのは飽きたから…と、観測隊に同行する事を拒んで居るが…。
一方、南極行くぜ隊!(勝手に付けました)の報瀬は、相変わらず手段を問わず観測隊に入る方法を画策中、ネットで高校生、南極のキーワード検索に結月がヒットした事から、結月に頼んで同行させて貰う作戦決行。結月に「私は行きたくない。代わりに行っていい」と言われ目を輝かせるが、マネージャー兼母に「喋れないならNG」私喋れます!発言の日向には「ルックスがNG」とダメ出しされ敢え無く撃沈…。でも、日向は思う…。「南極行きたくないのは他に理由があるんじゃないか?…」と…。
結月は「あなた達にはきっと解らない」と前置きし、幼少期から、ずっと芸能界で生きてきた…。だから…。これまで1人の友達が居ない事を明かすシリアスなシーン…。しかし…それにキマリが反応!
そのリアクションに心を動かされた結月は、彼女達と一緒ならと南極に行く事を決意。南極行くぜ隊の夢は前進する。ここで、彼女達の主な役割が、観測隊の模様をレポート・中継する事となる。
報瀬は即断し学校にも報告するも、キマリは生来の性格的に、親には了解されておらず…母に「マリちゃん…入浴剤買ってきたから、お風呂場に置いといて…」と言われ、ブツを手にしたキマリは…「南極の湯!」ってか!w。包丁で人参チョキチョキ…鍋は地獄鍋の様相…母…怖ぇ…。父、娘助けろよ!!頑張れキマリ!!(注︰大爆笑シーンですが、ギャグ・コメディアニメではありません)…赤点阻止って…キマリってお馬鹿だったのか…。可哀想な娘だぁ…。
しかし何とか南極観測隊の訓練合宿を受けられ事に「ほっ…」とするのもつかの間!観測隊 隊長 藤堂 吟(とうどうぎん)…怖ぇ…まぁ良く考えれば、命の危険を伴うんだから、半端な覚悟で挑めるはずはなく厳しくて当然。ここからが夢と現実の厳しさ、ギャップを埋めるマジ描写が始まる。JKの夢で「南極行こう!」ってノリは通用するはずも無く…。報瀬ですら本土の陸地の訓練で、殆ど知識がない事が明らかになる。命を掛けた試練を体現し挑んでゆく展開が幕を開ける。でも…同時に夢を諦めない強く美しい物語の始まりだ。

乗り物酔いする方は、ちっと辛いシーンもあるよぉ…映像で酔えるかも…にひひひっ!
人間だって…JKだって夢を叶えるには生命力的パワーが必要なのです!自分達が選んだ夢への道!ゲロゲーロw。

そして…見えたっ!そこにあるのは「宇宙を思わせる圧倒的な地球の世界」!感動です!
しかぁしっ…大自然に挑む更なる過酷!乙女達は乗り越えられるのか?!
ここで一息。艦上長縄跳び大会の優勝賞品が「肉」…ビリは「魚肉」萌えますw。そんなストーリーの強弱感も見所。観測隊員キャラも個性豊かに描かれます。

南極圏に入り、隊長 吟と報瀬の関係…吟の想いが語られ、報瀬が「母は帰って来ない…私の毎日は変わらないのに…帰ってくるのを待っているような毎日…それを変えるためには…」と明かす…グッと来ます…。
砕氷船の能力、パワーの描写も素晴らしい。日本は大戦で敗戦した国で、世界に認めて貰う経済力・技術力など国としての在り方を背景描写と共に、何かを成すために挑み続ける…繰り返し…繰り返し…何度でも。脚本の力量が現れており胸が熱くなる…。

そして、乙女達は人生初となる南極の地に1歩を踏み出し叫ぶ!諦めず歩んで来たぞ!「ざまぁみろ!ざまぁみろ!ざまぁみろ!」それを見る隊員たちも合わせて「ざまぁみろ!」キラ☆彡.。ホロ…。
南極って12月が夏なんかぁ…。ネコ(一輪車の通称)に足ついてると楽だよなぁ…友達って「友達になろう!」って告げるのかぁ?…とか…昭和基地での生活描写も色々楽しい。パーシャル丼って…w
キマリは南極に行くと決めた事を幼なじみのクラスメートに告げた時、彼女から「絶交だ!」と告げられた事から、結月の友達の意味への拘に応じるシーンも何気に良いなぁ…。誕生日のお祝いを初めてされる結月…おめでとう♡♡良かったね!友達ってさ…「ねっ!」って同意出来たらそれで結ばれちゃうんだよ…。うん!そうだね!

終盤。日向が何故高校を辞めた理由が明かされるのだが…って!報瀬!麻雀強っ!役満かい!!w。こう言う流れの変え方が良いわぁ…。
日向は高校で陸上部に所属しており、3年生の先輩を退け、大会への出場メンバーに選ばれた。それは同級生がプッシュしたから…。だが…。同級生に裏切られ…ディスられた…人生あるある話ではある…。でも日向にとても感情移入できる場面だ。当時ディスった友人達が、日向が南極に行って有名になったので、中継先に割り込んでくるとか!そりゃね~だろっ!って…。それを知った皆も心配するが…日向が「何のしがらみも無い人と、私達が知っているものは何も無い場所に…」の言葉に良い娘だなぁ…。でも…報瀬だけは…。

観測隊が定点を作って、それを衛星からも観測するのかぁ…とか南極の事、知らないを知るのって楽しい!キャラの心情と同じになれる。

報瀬はずっと考えていた…。
日向と、その友達がしたことへの怒りを日向に明かす…それに対する日向のリアクション…このシーンでホロっと…。更に、レポート中継を使って報瀬が画面の向こうの日向の元友人達に吠える!「~私の友達を傷つけた代償を抱えて生きろよ!今更何よ!ざけんなよっ!」爆泣き…。の後に笑いを持ってくるって…本当にずるいわぁ…。
そして…いよいよラスト2話…。報瀬の母への想いは…展開や如何に?!知らぬ間に両手を握りしめる自分に驚きつつ…。

隊長 吟は「~人は思い込みでしか行動できない。思い込みだけが現実の理不尽を突破し、不可能を可能にし自分を前に進める~」と報瀬に語る。本作に込められたメッセージであり、挑戦することの意味・原動力を強く表現した場面。ズンっと心にの響く…。そして、報瀬が母の想いを知るため…母の死を受け入れられない自分を現実に引き戻すために…どれだけ努力し、JKがそこまで…と思える莫大なエネルギーをつぎ込んで来た意味とは…。日本から14000km…。彼方に思えたその場所に…母が至ったその場所に向かうのである。



{/netabare}

最終話。南極は夏の平均気温氷点下1℃。冬は平均、氷点下20℃。それを画面から味わえます。マジ冷凍庫生活なんです!ブリザード(猛吹雪)は半端ないっす!方向間違えたらマジ〇にます(冬山登ってたので解ります。北海道、東北の寒冷地をご存知の方は普通かも…ですが)。迫力満点の描写です。

Dear お母さん…「友達が出来ました。ずっと1人でいいって思ってた私に…」。此処まで一緒に来た友達…仲間と…。
見つけるのです。報瀬の母 貴子の想い…報瀬が、ずっと知りたかった母への想い…。1100件を超える「未読」のメールを…お母さん…。爆泣き…。隣に座っていた娘…「ママ~!パパ、アニメ観てまた泣いてるよぉ」…。ってね。感動すれば泣くんだよ…。

【後書き】
観終わった満足感から1クールで締めたのは正解だと思います。本作全般を通して各話、様々な描写から、知らぬ間にキャラに同調し物語の中に入り込んでいる自分に気がつく…。こんな作品そうそう無いです。メジャーな作品では無い?ですが、たくさんの知りたい!を教えてくれる、心に残る名作です。出会えた事に感謝…。

投稿 : 2022/08/28
閲覧 : 217
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ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

難局物語

高校2年生の玉木マリは何かしたいと思うのだが、目標が無かった。
玉木と同じ学校の小淵沢報瀬の落とし物の100万円を拾い知り合いとなる。
小淵沢の南極へ行きたい!という信念に感化されて、玉木も一緒に南極を目指すのであった。

高校生の未来は明るい。
失敗したとしても、やり直す機会が十分あります。
本作品の目的地は南極。
地球の中でも自然が厳しい土地です。
簡単で身近な目標を達成して満足感を得るか、途方もない大きな目標を立てて努力するか、
選択は人それぞれです。

本作品は若者の友情物語でもあります。
玉木は小淵沢に感化されて、小淵沢は母親の面影を求めて、三宅は大学進学前の思い出に、
白石は本当の友達を作るために、各々の目的は違いますが、一緒に南極を目指します。
同世代の4人娘。
共通の話題が南極というのが珍しい事。
しかし、お互い励ましあい、欠かせない友達となります。
仲良し4人娘の大きな目標。
若者の青春らしいですね。
そして、本当の友達というのはこういう存在だと再認識させられます。

作画について。
作画、特に背景(風景)に関しては、素晴らしい出来です。
一番、目立つのはシンガポール滞在時。
シンガポールは観光地でもあるので、見どころは沢山。
そのシンガポールを描いている作画が凄い。
本物の写真からアニメのような画を作るソフトがある事は噂に聞いています。
でも、それを鑑みてもいい出来ですね。
最近のアニメの技術の進歩を感じさせられました。

内容は、日本での仲間探し・南極への道中・南極での活動に分けられます。
1クール13話と短い作品ですが、バランスはいいですね。
見どころは南極での活動になると思いますが、それ以前の過程でも飽きる事は無いです。
中々見る事ができない船内での出来事は新しい発見でした。
計画や準備段階での厳しさも、しっかりと描かれています。
夢や希望などの甘い内容だけを描いているのではなく、キビシイ現実もあります。

『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』には10話という神回があります。
本作品だったら12話ですね。
小淵沢の母親が消息を絶った地点へと向かいます。
メンバーは小淵沢の母親の遺品を捜索。
ノートパソコンが見つかります。
パスワードを解いて、メールソフトを起動。
そこには……ネタバレレビューでも書けませんね。
1話から順番に視聴してきたのであれば、キチンと12話に向き合って下さい。

あにこれでは本作品に対して、極端な評価があります。
私は自分の中で楽しい作品を探しているので、酷評レビューは気になりませんでした。
自分に合わない作品は確かにあります。
でも、本当に嫌いだったらレビューを書かないで無視したらいいのですが、
あにこれユーザーは優しいね。
本来のアニメの視聴目的は楽しむ事。
女子高生達の果敢なチャレンジという貴重な作品を楽しむことが出来ました。

投稿 : 2022/08/27
閲覧 : 237
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51

ネタバレ

をぬ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

頑張る人を応援しない。

南極を目指す女子高生の話。

嫌なヤツのリアル感。
自分はこうはなるまいと固く誓いました。
頑張る人を応援したい!

未読メールの描写は凄かったです。
あとメガネはシラセに謝れ。

投稿 : 2022/07/10
閲覧 : 164
サンキュー:

4

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

まずうちさぁ、船・・・あんだけど・・・南極行かない?

 ジャンルは青春群像劇。全13話。

 最初は女子高生の主人公・玉木マリがなんか青春っぽいことしたいな~ってところから始まります。そこで南極に行くことを目指す少女・小淵沢報瀬と出会ったことをきっかけに、明朗快活な同い年のフリーター・三宅日向、観測隊のリポートを担う現役女子高生アイドル・白石結月も加わり、彼女たちの青春が動き出す、という物語。

 う~ん(-_-;)、個人的には合わなかったですね。単なる感性の違いだと思いますけど、とりあえずこの感性に理屈をつけてみようと思います。

 良いところを挙げるなら、{netabare}4人ともそれぞれ悩みを抱えており、それに対して向き合って仲間と共に支えあって乗り越えていく、{/netabare}ところでしょうか?

 次に、強いて欠点を挙げるとすれば、{netabare}南極に着いたとき、「ざまあみろ」っていうところで、その感想はなんか違う気がする、、、と思いました。あと、日向のかつての陸上部の仲間に対して報瀬が「私の友達を傷付けた代償だよ」っていうシーンでも、なんか違くないか?という感想を抱きました。{/netabare}う~ん、モヤモヤする、、、

 まあ、評価がとても高い作品なので、視聴前のハードルを上げすぎた、それでちょっと肩透かしをくらってしまったんでしょうね。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/05/22
閲覧 : 1073
サンキュー:

60

ネタバレ

これ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

The青春

女子高生4人が南極へ行く
ただそれだけの物語なのにめちゃくちゃしっかり作り込まれていて青春だなあ俺も高校の時にこんなことしてみたかったなあ
と思わせてくれるあつーい青春物語
南極は寒いけどw
話こそ重たい話がいっぱいあるがそれこそ若さなどでおもたさを感じなくさせた作りになっていて
1話1話神回以外が見当たらない
とくに5話の出発してからの話がとくに熱い
何もしてこないでなにか始めるのが怖くなるどこにでもいそうな主人公
そしてその友人の話
見下して安心して一緒にいて価値観を生み出してたみたいなのって凄くわかるんよね、、、
でもあの子も成長しててよかったなあっておもったなあ
日向の話もしらせのはなしも話こそ重たいが友情でマイルドな仕上がりになってるのがよくて
毎話泣ける展開
なんか好きな作品すぎてなにがいいたいかわからなくなってきたけど
これを超える神作品が今後出るか心配ですW

投稿 : 2022/02/14
閲覧 : 179
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15

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天地人Ⅱ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

私的アニメ感想簿21

キマリ
「(食後)お茶いります?」
「あんまりあにこれに染まると社会復帰できなくなるよ。あんな風に(その先にはネタばかり考えている天地人の姿が・・・)」

・・・いや、シャレになんないから(汗)

女子高生4人が南極を目指すという、今までにない展開の作品でしたが、見終わった後の素直な気持ちとしては
「観て良かった」
につきますね。
アムンセンやスコットの時代と違い、現在の南極でそんなに危険な展開は(まったくではないですけど)無いので、大きな事件が起きる事もなく物語りは進みます。
では、つまらないかと言うと、全然そんな事はなく、女子高生4人のテンポのよい会話や美しい風景に引き込まれました。
しかし、まさかアニメで砕氷船の活躍を見れるとは思いませんでしたね。
最終回も淡々と南極を後にして、あっと言う間に日本へ(まるでヤマトみたいに)
でも北極って・・・続きはあるのかっ(無いでしょうね 涙)

おまけ(帰還式典にて)
「通常であれば2期スタートというところですが今回は新作決定もありませんので1クールの感想といたします。では隊長」
隊長
「皆さんお疲れ様です(中略)特に今回は日本で初めて女子高生の南極物でした。それは大きな試みでした。(スポンサーも)不安だったと思います。(視聴者である)私達も大変大変不安でした。」
「でも彼女達は立派に1クールをやり切ってくれました。あらゆる男性視聴者のエロシーン(ん?)をという心の声がうるさいくらいに聞こえます」
「でもこのアニメは終了します。諦めてください(が~ん)」

そういえば女子高生が4人もメインキャラなのに、ポンコツ(おいっ)はいてもツンデレやロリ、恋愛展開は無かったですね。

おまけ2
皆とはぐれて寒さに震えるキマリと報瀬
キマリ
「ね、眠いよ・・・」
報瀬
「寝るな、死んでしまうぞ。起きろ(バシッ)起きるんだ(バシ、バシッ、ボカッ、ドスッ)」
「ああっ、こんなに酷くなって、一体誰が(あんたのせいだよ・・・)」

※2018/04/20続々私的アニメ感想簿82として天地人で投稿したものを転記しました。

投稿 : 2022/02/01
閲覧 : 211
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15

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へも さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

キャラの深掘り・モノが語るシーン考察オススメ

間違いない、2018年最高峰のアニメでした。
2018年冬アニメを見ているときには「ゆるキャン△」とツートップだな~と思ってましたが、終わってからの余韻は「よりもい」の圧勝ですww

語りたいことはたくさんあるので箇条書きに。

☆1話2話からして勢いあって面白いな~と思ってましたが、3話で完全に引き込まれました。
南極行きの切り札として結月を利用しようという話ですが、最終的には“利用”じゃなくて結月がキマリ報瀬日向を切望したという形でした。
このとき自分が思いめぐらせていたこと:
平安時代では、寝ているときに見た夢に想い人が出てきたなら“その相手の想いが強すぎて、夢にまで現れた”という認識だったらしい。実際にはもちろん夢を見た人の想いの強さゆえではあるが、3話で結月が見た夢は、そのどちらの解釈も可能そうなのが面白い(・∀・

キャラ深掘り
☆間違わない女、キマリ
彼女はコンパサーなんてあだ名をつけられていましたが、そのとおり彼女のアニメ中の選択はどれも間違いのないものでした。それを本能でやっているのがキマリのすごいところです。

☆実はいちばん家族に愛されている表現が多い、結月
結月は友達に恵まれませんでした。しかしそのぶん、家族(アニメ中では母のみでしたが)に愛されてるなあと感じるシーンが多かったです。
旅立ちのとき、帰還のとき、母親の愛情あふれる抱擁シーンが印象的でした。
そもそも出来るステージママでしたが、娘が輝けるよう仕事をキッチリ取ってくる、それが嫌味なく伝わりました。それがあったから友達はできなくとも芸能の仕事を続けられたのでは・・・母に文句言うのも信頼の裏返しかと。

☆逆に家族シーンがまったく無い日向
家族シーンはまったくなく、友達にも裏切られた苦い経験を持つ日向。
明るく賑やかなキャラに見えて、自分を押し殺していました。
だからこそ率直激情な報瀬とのやりとりがまぶしい。6話のしゃくまんえんで何とかする展開も、11話の日向旧友への啖呵も。(「手だけでいい」には悶絶しましたww)
最後にはコンビニ店長からの気遣いも見えて、ああ愛されてる良かったなぁって思いました。

☆そして全てを持っていく、南極女たる報瀬
彼女は推進役、爆発的なエンジンです。彼女が燃えていたからキマリも日向も引き込まれていった。
でも彼女は実は不完全燃焼だった。完全燃焼するために南極に来た。
南極に到着してもくすぶりは続いてましたが、12話で燃えて燃えて、火の鳥のように生まれ変わりました。ショートカット報瀬はその象徴に思えます。

まだまだ語れる気はしますが、とりあえずこんなところで。

<2019.03.28追記>
タイトルにも付け足しましたが、このアニメでは人間も語るけれど、無生物が雄弁に語るシーンも印象的です。

その最たるものが12話の「メール洪水」でしょう・・・ 感情を載せていないメール受信のシーンが何故あれほど心を揺さぶってくるのか;; 本当に花田先生の演出力の真骨頂をみたシーンでした。

しかし12話では前半にあった「玉ねぎ」のシーンも忘れられない。単純に“泣けなくなっている報瀬は、玉ねぎをむいても泣けない”ということも表していますが、「むき続ける玉ねぎの皮=送り続けるメール」であり、「玉ねぎもむき続ければ終いには無になるだけ=母を追い続けても無しかない??」という葛藤を表していて、多重的な意味合いを持っていて実に味わい深いです。

あとは一瞬だけのシーンですが、5話に出てきた「いまいる/いまいない」プレートも深読みできるアイテムです。
出発の朝に、キマリは自分の部屋のプレートをひっくり返しますが、これって「日常」から「非日常」に移っていくことを表していると思うんですよね。そして最終話を見てからこのシーンを見返すと、「ああそうか、非日常に旅立っていっても、いずれはこのプレートが『いまいる』にひっくり返されて日常に戻るんだ・・・」と思うと、とても意味のあるものに感じられます。
よく旅行から帰ってきた人が言う、「旅先は楽しかったなあ。でも我が家がやっぱり落ち着くわ♪」の心境ですかね~


<2022.01.30追記>
すでに本放送から4年も経過しているのに、ジワジワと人気を伸ばし続けているのはスゴイですよね! よりもい制作チームでの新作映画「グッバイ、ドン・グリーズ」のCM担当として、今もJK4人の掛け合いを視聴できること嬉しいかぎりです♪
ちなみに今さらな話ですが、よりもい序盤でキマリたちが茂林寺でタヌキの置物にあわせて声ハメされたり、南極行って日焼けしたキマリがタヌキのようになってたり(タヌキマリw)してました。
これ、とあるブログで「いずれ彼女たちが化ける」ことを暗喩してるんじゃないか?との感想を拝見し、目からウロコがまたボロボロ落ちました!!w

投稿 : 2022/01/30
閲覧 : 615
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78

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菊門ミルク大臣 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ね。

ただ感動させる為だけの内容じゃないのが良かったです。
でもだからこそ深みが出て更に感動出来る良い作品になり得たのだと思います。
観ていればある程度検討のつく展開だけど要所要所でそれをいい意味で裏切られたって人も多いんじゃないかな。
シンガポールの回は本当にこの作品らしい回。
良い回もそれだけでは終わらない酷いオチ(褒め言葉)
あとはまぁ良い事言ってるのにご飯粒つけてたりだとかなんかそういう所で愛着みたいなものが事ある毎に増して作品全体がより良く見えたのだと思います。

良い話というだけでも笑いだけでもなくその両方を作品の色を損なわずにバランスよく最後まで捨て回なく。

素晴らしいとしか言いようがないです

投稿 : 2022/01/27
閲覧 : 529
サンキュー:

62

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梨の妖精 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

全てが高水準な傑作

BSで再放送されていたので視聴しました。自分はいしづかあつこ監督のハナヤマタがとても好きで(あちらは原作付きですが)、同じ監督という事で前から気になっていた作品でした。

同じいしづかあつこ監督の作品で、ちょうど青春アニメにハマっていたのもありかなり期待して観始めたのですが、最後まで観終わった感想としては非常に面白かったです。

南極に行くっていうのが観ていてワクワクしますし、メインキャラ4人も魅力的で、各キャラそれぞれが抱えた問題があり、そのエピソード1つ1つがどれも良いのです。

中でも1番印象に残っているのは11話の日向のエピソードで、報瀬ちゃんが言った言葉が特に印象に残っています。

以下「」内が台詞の全文です
「あなた達はそのままモヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ。人を傷つけて苦しめたんだよ。そのくらい抱えて生きていきなよ。それが人を傷つけた代償だよ。私の友達を傷つけた代償だよ。」

この言葉を聞いた時、人を許さないっていうと許さない方が心狭いみたいに思われそうだけど、むしろ謝ればなんでも許して貰えるって思っている事の方が虫が良すぎるのかもしれないって事を考えさせられたりしました。

友達思いな報瀬ちゃんが熱くて良いなとも思いましたし、よりもいで泣けるシーンの1つですね。

12話で報瀬ちゃんのお母さんのパソコンが見つかって、今まで送ったメールがちゃんと全部届いていた時もめちゃくちゃ泣けました。

最終話の「きっとまた旅に出る」ってタイトルも大好きですし、オーロラの景色も美しくて感動しました。

挿入歌の使い方も上手だと思いますし、声優さんの演技も花澤香菜さんの演技がいつもと違った雰囲気でとても新鮮でした。

あと日向ちゃんは名言製造機でしたね。

「人には悪意があるんだ。悪意に悪意で向き合うな。胸を張れ」って台詞が特に印象に残ってます。

物語も5でも良いくらいなのですが、自分の中で物語だけは簡単に星5は出さないようにと決めているため4.5にしました。

ついでに余談ですが軽く死ねるってよりもいが発祥だったんですね。言葉だけ知ってたのであとから知ってびっくりしました。

ハナヤマタとよりもいでいしづかあつこ監督の作品をもっと観てみたいと思うようになりました。近いうちにノーゲームノーライフも観てみようと思ってますし、今年公開のグッバイ、ドン・グリーズ!も観に行こうと思ってます。

正直自分の語彙力では伝えきれませんが色々なものが詰まった傑作です。万人受けする内容だと思いますし、色んな人に観て貰いたい作品です。

投稿 : 2022/01/26
閲覧 : 190
サンキュー:

15

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一度は見てほしい

南極に行く話とか、正直興味が湧かないけど、観たらとても良かった。
個人的に12話は、あの花やヴァイオレット・エヴァーガーデンより泣けたかな🥲

投稿 : 2022/01/05
閲覧 : 125
ネタバレ

御宅 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

完璧なスタッフ陣で制作されている完璧な作品

脚本。作画。声優。音楽。全てが完璧な作品だと思います。しかもびっくりするくらい声優がハマりまくってます。声優だけで釣ってるアニメではないです。

行方不明の母親を探すため、同級生の報瀬に一緒に南極へ行こうと誘われるヒロインの玉木マリ。

初めから結末は分かっている(報瀬の母親既に死亡)のにも関わらずここまで完璧に描けるのは驚かされた。

op ed共に完璧であり、作品を引き立てている挿入歌。全てが完璧です。

12話の母親に送ったメールを報瀬自身が受け取る所の演出なんて、もう、、、平成最強じゃないですか?これ

また12話で終わらせてもいいんですけど、あえて13話で4人の今後を描いてくれたのが素晴らしかったです。

投稿 : 2022/01/05
閲覧 : 939
サンキュー:

39

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

感動のあまり、軽く死ねますね・・・。

とても感動しました。
まず、何と言っても観終わると、とてもスケールが大きい旅をした気分になれます。
そして、自分が行ったわけでもないのに、なんとも言えない充実感も味わえます。

とにかくこの作品は、脚本がすごいなと思います。
女子高生が南極に行くなんて、だれもが無理だと思うのは当然のことです。
しかし、そんな難しい話をよくまとめたなって感心します。
当然、フィクションですが、こんなにもリアリティがあるなんて。
なんだか、自分もチャンスさえあれば、南極に行けるんじゃないか?
視聴者にそう思わせた時点で、この脚本は勝ちです。

女子高生たちのドタバタギャグやノリも優秀です。
まるでコントかって感じで、旅中ずっと楽しいです。
しかも、このお年頃に大切な友情や絆と言うお題もしっかり構築してきています。

キャラも優秀です。
キャラデザは、のっぺりした顔なのに、こんなにも表情が豊かだなんてすごいです。
もちろん声優さんも上手いし、みんなキャラに声がよくあっていました。

演出も上手です。
特に盛り上げる場面での挿入歌の入れ方が絶妙です。
なんだかこちらまで一緒に青春を謳歌している気分になってきます。

OP曲やED曲のイントロも最高です。
OP曲は、これから旅に出るぞ感、いざ行くぞ感がすごく出ていると思います。
ED曲は、まるで旅の途中で4人が友情をしみじみ確かめ合っているかのようです。
物語の後半では、イントロを聞くだけでウルウルしてきます。


この物語は、主人公が手帳に書いてあったリストを見たところから始まります。
それは、書いたことすら忘れていた「高校に入ったらしたいこと」です。

・あてのない旅に出る。
・青春、する。

もし、今、自分の昔の手帳を開いて同じことが書いてあったら・・・。
たぶん、死にたくなります。
なぜなら、これは、もはやTODOリストレベルではないからです。
バケットリスト、すなわち、人生でしたいことリストです。
はたして、私は、今まで、人生でしたいことがいくつできてきただろうかと・・・。

これから先の人生でも、それができる可能性があるなら、まだ、救いがあります。
しかし、「青春」は・・・、もう、無理ですよね。
この作品を子供のころに観ておきたかった。
そしたらもっと変わっていたのでしょうか・・・。
いや、実は、今、観るからささるのでしょうか・・・。
その判断はとても難しいですね。
なぜなら、もう確認することはできないからです。
もう、青春は、やり直せないからです。
実は、青春だけではなく、本当は他にも手遅れなものがもっとあるかもしれません。


この物語では、主人公は、最初、「あてのない旅に出たい」と言っていました。
しかし、結局、それでは、踏み出すことはできませんでした。
人生もある意味あてのない旅と言えます。
でも、本当にあてのない状態だと、どこへも行けないし、なにものにもなれません。
主人公は、たまたま運よく「南極」に行けたわけではありません。
ちゃんと「南極」に行きたいとゴールを決めたから結果的に行くことができました。
人生も同じじゃないか?
この作品は、そんなどぎついことを、さらっと言ってきました。

「やりたいこと"手遅れ"リスト」がこれ以上増える前に気づかせてくれたのでした。

軽く死ねますね・・・。


さぁ、お正月あけたら、また頑張るぞ!充電完了です。
そう思わせてくれる、そんな作品だったと思います。

投稿 : 2022/01/04
閲覧 : 313
サンキュー:

55

ネタバレ

カモミール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

寒さの表現がちょっと足りない気も

顔を覆うくらいの防寒着じゃないとって感じもします。

投稿 : 2021/12/01
閲覧 : 195
サンキュー:

5

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

レビューの数すごい

それだけみんなの心に刺さったのでしょう。
最初は少しクサいかなと思いましたが、丁寧な心象描写や演出、劇伴音楽、声優さんのすばらしい演技にどんどんハマっていきました。パソコン回はまさにザーさん無双状態でした。こういうアニメがちゃんと評価されるって、まだまだ捨てたもんじゃないなという感想です。

館林に何度か聖地巡礼行きましたが、例のコンビニは昔からよりもいにあまり興味なかったようです。対面の古い喫茶店?も建替えでなくなってしまったんですね。

投稿 : 2021/11/22
閲覧 : 403
サンキュー:

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宇宙よりも遠い場所のストーリー・あらすじ

いつだってボクらの一歩は好奇心から始まった。
見たことのない風景を、
聞いたことのない音を、
嗅いだことのない香りを、
触れたことのない質感を、
味わったことのない食物を、
そして感じたことのない胸の高鳴りを、
いつの間にか忘れてしまった欠片を、
置き去りにしてきた感動を拾い集める旅。
そこにたどり着いたとき、
ボクたちは何を思うのだろう。
吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度、
荒れる海原を超えた先にある原生地域。
地球の天辺にある文明を遠く離れた遥か南の果て。
これは《南極》[宇宙よりも遠い場所]に向かう
4人の女の子たちの旅の物語。
ボクらは彼女たちを通して、
明日を生きるキラメキを思い出す。(TVアニメ動画『宇宙よりも遠い場所』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2018年冬アニメ
制作会社
マッドハウス
公式サイト
yorimoi.com/
主題歌
≪OP≫saya『The Girls Are Alright!』
≪ED≫玉木マリ(CV.水瀬いのり)小淵沢報瀬(CV.花澤香菜)三宅日向(CV.井口裕香)白石結月(CV.早見沙織)『ここから、ここから』

声優・キャラクター

水瀬いのり、花澤香菜、井口裕香、早見沙織、能登麻美子、日笠陽子、Lynn、金元寿子、本渡楓、大原さやか

スタッフ

原作:よりもい、監督:いしづかあつこ、シリーズ構成・脚本:花田十輝、キャラクターデザイン・総作画監督:吉松孝博、美術設定:平澤晃弘、美術監督:山根左帆、色彩設計:大野春恵、撮影監督:川下裕樹、3D監督:日下大輔、編集:木村佳史子、音響監督:明田川仁、音響効果:上野励、音楽:藤澤慶昌、音楽制作:KADOKAWA、協力:文部科学省/国立極地研究所/海上自衛隊

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