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「未来のミライ(アニメ映画)」

総合得点
65.5
感想・評価
227
棚に入れた
862
ランキング
3212
★★★★☆ 3.2 (227)
物語
2.9
作画
3.8
声優
2.9
音楽
3.3
キャラ
3.0

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未来のミライの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

兄ガチャなんて言ってられない!(妹の沽券に関わるんだもの!)

妹の兄へのフクザツな想いを「時かけ風」に表現してみたらこうなった的な作品。上映時の評価は賛否両論というよりも、かなり否定的なご意見が多かったと記憶しています。具体的に言うと、ホームビデオ的な日常ばかり見せられてつまらないとか、物語の繋がりが感じられなくて支離滅裂な印象だったとか、散々なものでした。

タイムリープという "妙手" は、使い方によっては「時かけ」の青春譜のようなドキドキ感やセツナサ感をブーストしてくれるし、「君の名は。」のセカイ系のような爽快感や全能感でステキな余韻を与えてくれます。
それなのに本作には「恋愛要素がまったくひとつもない」というのが細田さんらしいヒネリ技。それを紐解かずにぶった切るのなら、前述の否定的なコメントが寄せられるのも仕方がないかなと感じます。

ですが本作の "妙手" はそういう麗かなカタルシスを狙っているんじゃないんです。
設定では、未来ちゃんは14才という思春期を翔ける少女。そろそろ恋に焦がれるお年ごろ。そして4つ上の兄との関係にエラク頭を悩ませている・・・。と、そんな背景が伏線に隠されていることに思いを致すなら、本作の面白さがシンソコ楽しめるというものです。

そうでなければ "貴重な妙手" を使ってまで、わざわざ兄なんかにかまう理由など妹にあるわけないのです。
妹には「バカ兄!」って、無視を決め込んだり、悪態をついたりする選択肢が、手の中にあって当然のハズなのですから。
でも、そうとはせずに、お兄ちゃんのために "妙手" を使ってしまうというのが、未来ちゃんの心に、無類の兄妹愛があるっていうことなんです。

「愛は地球を救う」。ひと夏の24時間どころではない「未来ちゃんのバラ色のミライ」を救え!
例えば「お兄ちゃん、なぜにあなたはお兄ちゃんなの!」と、兄妹版「ロミオとジュリエット」ふうに。
あるいは「ほどほどに愛するということを覚えなきゃいけない。(男はつらいよ第44話)」の「寅次郎とさくら」ばりに。
そんな感じで楽しんでみてはいかがでしょう。

ということで本作は「分かる人にだけ分かる」という通好みの手合いになっていて、「時かけ」で魅せたジュブナイル特有のパッションへの期待とは、全く次元が違う情感を抱かせてくれる作品だと思います。
ですので、感受性をどうやって広げるかがキモになります。

~     ~     ~

もしかすると一人っ子さんとか、よくできたお兄さん(お姉さん)がいらっしゃる方には想像するに難いかもしれません。
とはいえ "よくできてない兄" なんてレッテルはきっと片腹痛いことでしょうし、くんちゃんがご自身の4才の姿を写しているという捉え方なら、ひどい嫌悪感を生むことでしょう。
本作への低評価・批判・酷評は、案外そのあたりに理由があるのではないかと感じています。

「いや頭の方じゃ分かっているけどね。 気持ちの方が、そうついてきちゃくれないんだよ、ねえ?(男はつらいよ、第6話)」
"支離滅裂" という評価を見聞するのは、このセリフの真意に気づいていてもあえてそう言うのか(図々しい!)、そもそも全く気づいていないのか(鈍感?)、あるいはハナからそういった経験がないか(・・・。)のいずれかでしょう。もしもそうならストンと落ちようがないのです。

前述のとおり「分かる人には分かる」エピソードばかりですから、自覚や体験がなければ、理解はできないし低評価になるのも無理からぬことです。
「妹にはいろいろ迷惑かけちゃってるなぁ。なにかと心配させちゃってるなぁ。」と、どこか身に覚えがある方でしたらストンと落ちるエピソードばかりなのですから。

~     ~     ~

それなら、どういう視点で観るのが作品理解を深めるヒントになるのかということです。

一つめは「オレは(もう記憶は定かじゃないけれど)くんちゃんのような悪童だった(かもしれない)。」と認めてしまうことです。
だって大人は分別を知るようになると、不都合な真実(自分 ≒ 悪童)にフタを被せる知恵を働かせるからです。下に妹・弟がいらっしゃれば尚更です。

でも本作の面白いところは、くんちゃんが4才、未来ちゃんが0才という設定です。

そもそも4才の自分のエピソードなんて、ほぼほぼ忘れちゃっているでしょう。パパもママも、仕事や赤ちゃんのことで精一杯。てんやわんやで光陰矢の如しなんです。
仮にあなたが悪童であったとしても、家族の立派な一員であることに変わりはありません。そんな時、せめて赤ちゃんに優しくするなら、それは平和をもたらす "勇者" です。

未来ちゃんは14年間を費やして兄を観察・分析し、ついに一つの決意を導き出しました。
愚痴をこぼすより自分から乗り込んでいこう!
私が未来から来たことは誰にも明かさずに、不都合のフタをこじあけて首ねっこを押さえよう!
これが未来ちゃんが導き出した、兄を勇者にする期間限定プラン(誰も覚えていない絶妙のタイミング)なんですね。

~     ~     ~

二つめは、3つのエピソード(ひいお爺ちゃん、お母さん、新幹線)は、実は、未来ちゃんが "仕込んだシナリオ" だと捉えてみることです。
だって彼女は優秀な "タイムトラベラー" なのです。過去や未来のエピソードをくんちゃんのリアルタイムに紐づけることなど "お茶の子さいさい" なのです。
つまり、未来ちゃんの脚本、演出、主演、そして "黒幕" というのが、本作に通底する世界観だと私は思っています。

たぶん未来ちゃんは、最初は自分の思春期を、もうちょっとマシにしたくて練りあげたアイディアだったんだろうと思います。
だけれど、思いもかけず、犬やお母さんやご先祖様が、くんちゃんをどんどん巻き込んでくれて、ファミリーの懐の深さや痛快さ、集団遊びの面白さを、ダイレクトに感じさせていくきっかけを作ってくれるんです。

くんちゃんはまだ4才になったばかりですから、頭でわかることではありません。でもくんちゃんの心と体に、どんどん化学変化が起きて、お母さんのハチャメチャな遊び心とか、ひいおじいちゃんのカッコよさだとかを土台に置きながら、目の前の新しい外界にチャレンジしていく負けん気や勇気(内面の強さ)を、気づかないうちに身につけていくのです。

~     ~     ~

それは未来ちゃんにとっては、はたして狙い通りだったのでしょうか。
いえいえ、それだけではやっぱり不十分なんです。
だって、未来ちゃんを兄の心の真ん中に置く "肝心かなめのプラン" が残っているからです。
というわけで、くんちゃんを、なんと18才のお兄ちゃんにバッティングさせ、"ある言葉" をかけさせるという大バクチを仕掛けるのです。
それはくんちゃんの内面世界に、大きな変化を引き起こすトリガーになるのです。

東京駅で迷子認定されたくんちゃん。自分の出自を証明するために、家族の名前を言わなくてはいけません。
「お父さん、なんだっけ??お母さん、知らない!!」。
くんちゃんが知っている名前は、妹の「ミライチャン」だけ。
くんちゃんが全身で否定していた妹が、実は自分を全肯定するためのキーマンになるという「初めての兄的パラドックス」に陥るのです。

くんちゃんの家族はずう~と3人がリアルです。(犬は別?)
ところが、いきなり4人になってしまうアップグレード。
何かにつけて、くんちゃんよりも妹の方が優先されるというアップデート。
家の中の呼び名は、外の世界ではまったく通じないというオフライン。
妹を受け入れることが、家に戻れる唯一の選択肢というシュールなミスマッチ。

彼は、いよいよ "兄として" 、ファイアーウォールに立ち向かう時を迎えるのですね。
ほんと、「オトコはつらいよ!」

~     ~     ~

兄ガチャなんて、そんな悠長なことは言ってられない!
だって、妹の沽券に関わるんだもの!!

もうちょっと遊び心があって・・・いくらかカッコよい男ぶりで・・・何かとわたしの気持ちを汲み取って・・・と、あれこれお兄ちゃんに願った妹。

そんなお兄ちゃん愛にあふれる?女の子が考えついたのは、ちょいと時間を行き来しては "兄を躾ける妹になる" という "イケてる作戦" 。

"ふたりのミライを夢想のなかに翔けまわった兄と妹の愛らしいお話" でした。

投稿 : 2022/09/21
閲覧 : 341
サンキュー:

14

ネタバレ

祇園 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

タイトルなし

ミライちゃん、すきくないの!!

投稿 : 2021/09/30
閲覧 : 184
サンキュー:

0

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

自治会イベントで隣組の会話に付き合わされてるみたいだった

予告からも、そんなに好きな話じゃないだろうなぁとは思っていましたが、これだけ宣伝されていると、気になっちゃいます。そんな訳で観てきました。
因みに私、評判の良くないタイトルに触れるのも結構好きです。
怖いものみたさ、なのでしょう。

さて、未来のミライの感想ですが、
消してつまらない訳では無いと思います。
子どもの成長は凄い。お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんもみんな凄い!そういうテーマがしっかり伝わってくる内容でしたし、技術的な事は少ししか分かりませんが、普段見ているアニメの何倍も映像的に良かったです。
町の俯瞰の絵が目茶苦茶細かくて大変だったろうなあとか、
走ったり、階段を下りたり、自転車に乗ったり、動きが多いのにとても綺麗だなあとか凄いというシーンがいっぱいあります。
物語も、隣の席からは時折笑いもあり、はまれば面白いのだと思いました。


気に入らなかったのは主にストーリーについてでした。
理由は大きく二つあります。

まず一つ目は説教くさいと感じたことがありました。

作中では何度か主人公のくんちゃんが不思議な世界に入り込んで様々な人と色んな経験をしますが、不思議な世界へ入るきっかけは、常にくんちゃんがわがままになって拗ねたときでした。
そこでの経験は様々ですが、飼い犬の愚痴を聞く、過去に飛んでお母さんの失敗を見てしまう、ブラックシンカリオン…ではなく、黒の新幹線で一人ぼっちの国へ連れていかれそうになる赤ん坊の未来ちゃんを守る等、子供の恐怖心を煽るようなもので、出来るようになるのは根本的な解決になっていなさそうで気分が悪いです。

また、不思議な世界でひいおじいちゃんと一緒に馬やバイクに乗った経験をした後、乗れなかった自転車に乗れるようになった事に関して、もう一度自転車にチャレンジしてみようという気持ちになったくんちゃんはとてもエライと思います。
疑問に思ったのはその後です。お父さんの「子供ってすごいね。突然ぽっと出来るようになるんだからさ」というセリフでした。
まるで子供が努力をしてないみたいな言い方じゃありませんか?また、子供の成長を手助けする大人のことを全く理解していないように感じました。
そのくせ、先人の努力は現実味を帯びて描いちゃうから、気持ち悪さ倍増です。

年上を敬いなさいと遠回しに言われている気がして、説教される為に映画を見に来たんだっけなと変な気分になりました。

二つ目は脈略のない擬人化と犬への擬態化、未来のミライちゃんの登場について、設定が生かし切れていなかったのではないか、と拍子抜けしてしまった事がありました。

擬人化・犬への擬態化を何故やったかなんて、勿論分かります。「おおかみこどもの雨と雪」のオマージュ・ファンサービスなんですよね?
分かるんですけど、不思議な世界の中だけでやっているならともかく、現実世界へ持ってきた事に対して、疑問が生まれました。
何故かというと、それで物語が発展する訳では無く、世界設定もふんわりしてしまったので、マイナスにしか作用されていないと感じたからです。
ファンサービスの他に何か理由があったのならば、教えてほしいです。
他に理由が無いのならば、安直すぎて物語のレベルが低いな。と思ってしまいます。

未来のミライちゃんですが、こちらも活躍の機会があまりなく、いなくても物語が成立したのでは?と思いました。
タイトルになるほどだから、一波乱、二波乱あるかと思ったのですが、くんちゃんのサポートがメインで、最後にくんちゃんが元の世界に戻れるように案内してくれたのが一番の見せ場…でも、不思議な世界は夢の世界だから、大したことないし、放っておけば解決しそうだけど…
世界観の設定が甘いので、未来のミライちゃんの凄みが伝わりづらいのが難点だなと思いました。


話は変わりますが、くんちゃんの家のデザインおしゃれでしたねえ…
調べたら、公式サイトにSUPPOSE DESIGN OFFICEの谷尻誠さん設計と書かれていたので、ちらっと公式サイトを覗いたら、1年くらい前から気になっていた変わった建物がそのオフィスでデザインされたことを知りました。1年越しの疑問がこの映画をきっかけに解決出来るとは思いませんでした。
階段の家って住むと大変そうですが、憧れます。本棚のある家や、中庭も良いですよねえ…
家の内装って写真だけでもわくわくしませんか。
参考にSUPPOSE DESIGN OFFICEのURLです。
http://www.suppose.jp/index.html

投稿 : 2021/08/27
閲覧 : 353
サンキュー:

21

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2021.8.8

2021.8.8

投稿 : 2021/08/08
閲覧 : 126
サンキュー:

0

ネタバレ

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:----

好きくないです。結局...何がしたかったの?

福山雅治さんの声や東京駅の描写は大変素晴らしかったです。逆に良いと感じたのはこれぐらいでしょうか?

イヤイヤ期を長々と見せられます。まぁ実際にあるものなのは承知ですが見てて不快感を感じてしまいました

肝心なストーリーですが、序盤はただのホームビデオ。見てて面白いとは言えないです。その後、せっかく過去や未来を行き来してるのに全く話が面白くならない。くんちゃんが色々な人達と触れ合って成長している様を描きたかったんか?あんまり伝わってこない。

「よく分からない」 これが最終的な感想です。

投稿 : 2021/06/21
閲覧 : 193
サンキュー:

5

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

標準的なタイムトリップもの

出だしは家族ムービーみたいでしたが、ラスト近くでタイムトリップの場面があり、SFではあると思います。また近未来の東京駅の場面は、未来予知できる人が作ったのかという感じで迫力がありました。しかしSF的な仕掛けがある作品ではなくて、ごくふつうの時間旅行的な作品です。それでも、戦時中や戦後の場面には、思わずちょっとうるりとさせられました。ひいじいじの若い頃の姿が、本当にかっこいいんですね。あの時代にはありえないぐらい決まっている人物でした。

お話としては、くんちゃんという男の子の童話的な成長譚と言っていいと思います。少し裕福な家庭には見えましたが、航空写真の間取りの様子では、それほど大きな家に設定されていないようです。そのデザイン住宅の中庭に不思議な空間が出現して、くんちゃんのむずかりと同時に、いろいろな人物の過去や未来が見えるという趣向です。筒井康隆さんが書きそうな感じの話でしたね。電車の場面が数多く出て来て、主題歌も山下達郎さんでしたし、好きな人にはものすごくはまりそうな作品です。特に男性の方には郷愁があるんではないでしょうか。出てくる幼児や乳児の動作や姿態には、子育てした人でないとわからないようなリアル感がありました。よく子供を観察して、アニメートに起こしていると思います。ただ、こういった子育てに実感が湧かない若い人には、アピールは少し難しかったような気がしました。従って見る人を選ぶ作品だと思います。

蛇足ながら東京駅で紛失係のロボットに尋ねる場面では、昔に読んだ「鉄塔武蔵野線」という児童向け小説の中の場面を思い出しました。おそらく参考にされたのではないでしょうか。この本は「千と千尋の神隠し」のどれかのムック本に関連書籍として紹介されていた本で、千尋公開当時に読んだ覚えがあります。

投稿 : 2021/06/05
閲覧 : 184
サンキュー:

4

ネタバレ

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

なんにでも最初はあるさ

なんとも不思議で独特な世界観の作品であると思いました。
主人公のくんちゃんに妹・未来ができ、両親からの愛情を奪われる形になってしまった、そんな状況でストーリーが進んでいきます。
くんちゃんの嫉妬心は理解できますし、子育ての大変さが良く分かる描写なども随所に散りばめられていて、なかなか考えさせられるものがありました。

未来からやってきた少し大人びた妹・未来との邂逅が大きなターニングポイントとなってストーリーが進行していきます。
くんちゃんと未来の会話シーンがテンポが良くて好印象でした。
くんちゃんが現実と別の不思議な世界を行き来し、過去の両親や身近な人々の生活や思いに触れることで少しづつ自分と周囲の状況を見つめ直し、成長していく過程の心情描写が上手く描かれていて良かったと思います。
未来から来た妹・未来の出番をもう少し増やして欲しいとは思いましたが、各キャラクター個別の存在感を高めるような構成となっていて、その点も好感が持てました。
各キャラクターの演技も良く、作画もリアリティーがあって細部まで作り込まれていて世界観に深みを持たせていたと思いました。
ストーリー展開も明快で解りやすかったですし、先が気になる構成も一貫しており、好感が持てました。

不満点は、主人公・くんちゃんの4歳という幼さからくる態度や甘えの描写がやや多いと感じた点です。
すぐに癇癪を起して周囲の人や物に当たり散らしたり、泣き喚く姿は観ていてあまりいいものではありませんでした。
ストーリーに一貫性があり、考えさせられる描写も多く、手堅く纏まった作品であると思いましたが、前述した不満点をマイナス要因として、物語評価はこの点数をつけさせていただきました。

投稿 : 2020/07/14
閲覧 : 251
サンキュー:

2

ネタバレ

redtask さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトル詐欺、PV詐欺にも近いレベル。映画なのに途中で眠くなる話

物語
ある家庭の子供「くんちゃん」の物語

感想
辛辣ですが、この作品はタイトル詐欺、PV詐欺に近いレベルの作品。
この作品はあたかも壮大なストーリーが始まるかのように見えるPV作り、ポスター作りをしていました。
個人的には、時をかける少女、サマーウォーズなど面白かったので、(他の作品はノーコメント)当時映画館で見たのですが。

酷い!!

の一言に尽きます。
ただのアットホーム不思議ビデオをただひたすら見せられるといった内容で、その内容もこのカットいる?みたいな物が随所に出てきます。
スタートのお雛さま片付けイベントの長回しとかから既にス-パー疲れます。
くんちゃんのだだこねイベントもやばいし、もう本当に途中からつまらなさすぎて眠りそうでした。(ガチで)
おじいちゃんの記憶だけはおじいちゃん格好いいなーと思ってみました。
見るべきところはそこぐらいですかね
全然話が面白くならないので、やばかったです。

ただ、これは、結婚していてくんちゃんと同じくらいの子供がいればもしかしたら共感してみれるのかもしれません。
結論 独り身が見る作品ではありませんでした。という点です。

投稿 : 2020/06/28
閲覧 : 241
サンキュー:

2

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

痒いアニメ。

【概要】

アニメーション制作:スタジオ地図
2018年7月20日に公開された劇場版作品。
監督は、細田守。

【あらすじ】

くんちゃんは甘えん坊な4歳の男の子。
出産を終えて退院したお母さんが、赤ちゃんを抱いて家に帰ってきた。

妹の未来(みらい)ちゃんは0歳児なので、
壊れ物を扱うように凄く大切に大切にしないといけない。

お母さんもお父さんも、赤ちゃんである妹にかかっりきりで、
寂しさとイライラで妹にイタズラをしてしまって、
お母さんに鬼のように怒られてしまう。

こんなふうに、くんちゃんは問題行動を度々起こすのであるが、
そのたびに、飼い犬のゆっこが擬人化してくんちゃんに話しかけてくる、
未来から中学生に成長したミライちゃんがやってくて文句を言ってくるなど、
数々の不思議なことが起きて、ひとつひとつの事件が、
くんちゃんの幼い心に何かを残していくのだった。

【感想】

アニメに登場する子供は見た目が非常に可愛らしく、
思わず抱っこしてお小遣いをあげたくなるような性格が良い子が多いですよね。
ワガママを言っても反抗的な態度をとっても、
拗ねてる顔すら可愛いらしく、ワガママさでもニヤニヤ出来る。

でも、二次元の子供は大人によって理想化され、
萌えによってコーティングされたデザイナーチャイルド。
自分もそれで楽しんでいることもありますが。

リアルの幼児って大人に接するのと同じ反応を期待できないですし、
親の言うことをあまり聞いてない。それが成長段階ということですけどね。
好奇心の赴くままにあっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
叩かれて叱かれて泣きぐずっても、言われたことをすぐに忘れる。

一通り説明されたあとで『わかった?』言われても、
なんで自分が酷い目に遭わされているのだろう?と泣き腫らした目で沈黙を続けて、
『返事をしなさい!』『ハイ!は?』と怒られる。
親も叱り終わったら抱っこしてあやしたりするものですけどね。

やたら臭うし鼻をかませないといけなかったり、
そんな子育てストレス要素を持ち込んだのがこのアニメ。

細田守監督は自分の子育て実体験を参照に、
子供の可愛い部分も嫌な部分も隠すこと無く等身大目線で表現したかったみたいですね。

そして子育てあるある話を、ファンタジーで味付けした微笑ましいアニメとして、
親子で楽しんでほしいと思って作った夏休み映画。

ふしぎ展開の積み重ねのオムニバス形式の構成となっているのですが、
エピソードごとにちょっと成長したように見せかけて、
次のエピソードでは毎度毎度癇癪を起こす、くんちゃん。

それを見て楽しめるかは、ちょっと疑問なのですけどね。
もしイラッとすることがあれば、現実でムカつくのと同様に、
登場人物の気持ちがよく表現されている証明でもありますが。

他人事として見れば、ファミレスで大声で泣きわめいて、
周りの客の食事の迷惑になる子供のような煩わしさではあるし、

子育て経験があるものから見れば、なんで他所様のピリピリした家庭内喧嘩を、
何度も見せられなければいけないの?となりがち。

それを笑って見るためには、くんちゃんの数々の小さな狼藉を我が子のことのように、
『子供だからしょうがない!』と寛容の精神で見守るのが重要なのですが、

くんちゃんの声が全く可愛くないがために、私はくんちゃんが“好きくない!”という問題が。

もともと10歳までの子役からオーディションで選ぶつもりだったのが、
妹の中学生ミライ役でオーディションを受けに来た当時高校生だった女優の上白石萌歌を、
細田監督が、犬の鳴き声演技が気に入ったとの理由で主人公の4歳児役に採用。

“下手”“子供の声に聞こえない”と評されている、くんちゃん役のお芝居ですが、
演出として演技として故意にイラッとする声質をやらせたのかな?

そうでなければ、細田守監督の感性がひとより変わってるような?
着目点がひとと違う点が演出家としてのセンスに繋がっているのかもしれませんが。

『ばらかもん』での小学一年生・琴石なるが、放映時には9歳の子役だった原涼子のお芝居で、
とても魅力的だったのと比べて声で不評な当作品をみると、
アニメって理屈だけであーだこーだ言うのだけじゃなくて、
感覚で気に入る気に入らないって本当にあるのだなと思ったり。

くんちゃんだけでなく、両親も両親で子育てに振り回されながらガミガミガミガミ言い争ってる。
そんな不完全で欠点だらけで未熟な一家(細田監督一家がモデルっぽい)だけど、
小さな日常を積み重ねながら少しずつ未来へと進んで元気でやっています!
みたいな自己弁護っぽさを視聴者である他の家庭にも共感してほしいのかな?というアニメでしたね。

個人的には、あまり称賛できる作品ではないのですが、カッコイイ曾祖父さん関連のエピソード。
あとは、高校生になったくんちゃんがマトモに育ってたのだけが良かったかな?

何が表現したかったの?というと監督の自己満足的な要素が強めであったり、
幼児としては不自然な言葉遣いがあったりと、シナリオ面で不足がありながらも、
前作『バケモノの子』より見せたいものがまとまってはいますので、
それなりには見やすく楽しめる作品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/04/17
閲覧 : 310
サンキュー:

36

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ちょっと消化不良でした

海外ではそれなりの評価があるようですが。

妹が生まれた,くんちゃんの横の家族関係は
赤ちゃんと4歳児の両方を世話を
すると赤ちゃんに比重が移り

父母は赤ちゃんの世話を中心に
しなくてはいけないあわただしさです。

くんちゃんが嫉妬するのは当然です。

祖父母の応援より母恋しの心情はよくわかります。

これは,かつての細田監督の家の事情が
モデルになっているようですが,
横のつながりをもっと大切にしていれば
くんちゃんの家出もなかったでしょうし

時間移動の旅へいざなうこともなかったでしょうに。

ただ,反抗期の子どもの心性は分かるように思います。
反抗期,わがままな時期に見えますが
そのわがままこそが,人の生きる源になっているからです。

やがて成長するにつれてわがままを
抑えられるようになります。
いわばそれが未熟ですが「お兄ちゃん」
としての成長物語なのです。

縦の時間軸での冒険物語は,ファンタジー
としてみれば,見れないこともないですね。

曽祖父の登場。この物語で過去から未来へ
家族や命がつながっていることを
見事に表現できています。

未来の?空想世界の東京駅は不気味な感じが
しました。
このあたりの描写は
アニメ特有のご都合主義でしょうか。
同時空間に2人の人間が存在するあたりや
駅や列車の雰囲気と人とのやり取りです。

結局異世界へ行ってしまいそうになるのを
助けたのは成長した,くんちゃん自身と「未来ちゃん」

今はこういう家族がいいという「サザエさん」
的要素は,崩壊していますが

縦と横の人と時間のつながりがあって,自分が生きている
という実感は感じることができました。

自分が成長し続けて,今ここにいることに感謝。

投稿 : 2019/10/22
閲覧 : 215
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

望まざる衝撃と望むべき家族愛

細田守さんの人気作『時をかける少女』に次ぐタイムリープもの。
でも内容はかなり違います。公開当時はそれなりに話題になった
作品。ところが、いざ観ようと思った頃には、何やら怪しい雰囲
気に。という事で、期待よりも怖いもの見たさでの視聴でした。


衝撃―――――――――――――――――――――――――――

それにしても凄い!くんちゃんの怪獣ぶり。突然現れた妹に頼る
母親を奪われたと思うのは至って普通の感情。それは分かる。そ
れに子供の我儘なんて大体こんなもの。それも分かる。だからと
言って何度もこれを見るのは正直キツかった。台詞も微妙ですし。

とは言え、基本的に家庭内の描写なのでその点は救いです。もし
公衆の面前で大暴れしてたら、逃げ出していたかも知れませんが。

我儘の他に真っ先に感じたのは、やはりこの子の声。我儘と併せ
て酷評の対象になっている部分です。それにしても、ここまでの
違和感はあまり記憶に無いし、まるで苦行の様でした、ホント。

所謂お家の事情ってことなんでしょうけど、本人の才能以前の問
題と言うか、何と言うか。確かに適役では無い気は正直しますが、
上白石さん本人が悪いというよりはキャスティングの問題だと思
います、これは。彼女の懸命な演技が返って痛々しく感じました。


視聴を終えて―――――――――――――――――――――――

肝心のストーリーは結構しっかりしているし、伝えたいものは比
較的分かり易い部類だと思います。物語の基本は子供の成長と家
族の成長。親が知らない子供の成長の瞬間とその不思議さを、過
去や未来の家族の繋がりによって映し出すファンタジー作品です。

くんちゃん、ずっと独り占めして来たお母さんを奪った未来ちゃ
んが憎くて仕方ない。それで色々と未来ちゃんに悪戯をしようと
する訳です。すると十数年後の未来ちゃんが突如現れては躾をす
る。そうやって思いやりの大事さや家族の繋がりを教えていく。

そのやり取りを面白おかしく、そして非常に綺麗な景色と独特の
アングルで幻想的に表現しています。終盤登場する未来の東京駅
はすごく近未来的で見応えがありました。

それと幼少のお母さんの実家にあった水槽。一見何気ない小さな
水槽ですが、知る人ぞ知るADAの創設者で写真家でもあった天
野尚氏の水景作品。こんな拘りもちょっと嬉しかったりもします。

それにしても、よちよち歩きの未来ちゃんが可愛らしい。それと
曽祖父。この物語で一番魅力的に映った人物。何よりも福山雅治
さんのとても自然な演技に感心しました。流石の才色兼備です。


他に気になる点――――――――――――――――――――――

彼の声以外で気になった点が一つ。前半犬のゆっこが説明してい
た「同じ空間で同時に二人は存在しない」タイムリープの鉄則。

くんちゃんが未来の自分と駅で口論してたけど、それ大丈夫?

仮想の中の仮想空間だから良しとする?ご都合も一歩間違えれば
整合性の崩壊を招く気がしますが、どうなんでしょうか。(笑)

ファンタジーなんだから、あまり細かいことは気にせず楽しんだ
方が良いのかも知れませんね。何せ国内外で多くのノミネートや
幾つかの賞も取っている訳ですし、観る人によってはとても感じ
るものがある作品なのでしょう。

時代と共に多様性を見せる家族の理想。互いの価値観を認め合い、
常に帰るべき居心地の良い場所を探り続ける。そんな日々繰り返
される破壊と修正の中で、絶対に失ってはいけないもの。それは
家族への愛と優しさなのだと思います。

投稿 : 2019/09/26
閲覧 : 210
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

タイトルなし

不思議な世界観の作品でした。絵は綺麗ですが演出がどこか不気味で怖かったです。一回観れば充分かなと思いました。

投稿 : 2019/09/04
閲覧 : 227
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

これが米アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネート作???

色々な大人の事情が有るにせよタレント使うにしても、
上手い人使おうよ…

結局、日本のダメ家族の日常ってことでいいのかな???

主人公…わがままプーかまってちゃん
父…育児を手伝わない
母…ヒステリック

背景は好きな感じだったけど、それ以外は…

投稿 : 2019/07/13
閲覧 : 229
サンキュー:

4

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筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

疲れず、おもしろかった。

最後まで、気楽に見られる作品でした。
原作がなぜあんなに読みにくいのかと思ったほど。

最近の家庭の日常もの。と書いてしまうと、テレビアニメみたいなイメージになりますが、劇場版ということでしょうか? 日常系ですよね。訓ちゃんの成長を不思議な世界軸で表現したところにテーマがあるように感じました。話はいたって普通なもので、あとは、クリエイターの構成術というか着想というか、そういうものかなぁとおもいましたけど、新しいのは確かだと思いました。作品タイトルのイメージとのギャップは感じるんですけどね。

投稿 : 2019/07/12
閲覧 : 176
サンキュー:

3

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タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

いったい何を伝えたかったのか…

詳細は公式でも。

「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」の
細田守監督作品です。
が、公開前はそこそこ話題になっていたのに、公開
されてからは、まったく評判を聞かなかった作品。

で、地上波初放送ということで観てみましたが、
こりゃ話題にならないのも無理はないという感じ。

まず大前提として、主人公の「くんちゃん」の声が
まったく合わない。だって、成人女性がそのまま
話しているんだもん。違和感しかない。

ストーリーは、妹ができて両親の寵愛が移って
しまい、嫉妬して駄々をこねる4歳児が、過去や
未来にタイムスリップして、小さい出来事の積み
重ねで家族って今があるんだよということを教える
ストーリーのようです。

「のようです」というのは、おそらくそういうことを
伝えたかったのだろうという推測で、実際に2時間
観ても、あんまりストーリーが入ってこなかった
からですね。

つい最近、新海誠監督「君の名は。」を観たばかり
なので、キャラデザの差が歴然。
まあ、どっちが好きかって話ですが、これは一昔前
「秒速五センチメートル」のようなキャラデです。
背景も美しいのですが、じゃあ新海ほどかと
言われると……。

ぶっちゃけ、面白くありませんでした。
劇場に観に行かなくてよかった。

投稿 : 2019/07/12
閲覧 : 277
サンキュー:

7

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ちあき さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 1.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

やはり、声優と俳優は違うと思います。

投稿 : 2019/06/22
閲覧 : 222
サンキュー:

1

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心静 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

よく分からなかった

ひたすらくんちゃんのわがままぶりを
見せられて終わったような話でした。

小さい子供なので言い回しが、〜なの!とか、〜です!とかよく使うけど声が小さい子の声に聞こえなくて、不自然でした。

投稿 : 2019/06/10
閲覧 : 176
サンキュー:

4

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KYY23 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

横浜の雰囲気を忠実に再現  個人的には面白かった

Blu-rayで視聴しました。未来のミライはYouTubeで宣伝が流れ始めたときから視聴を楽しみにしていましたが、酷評レビューを読んでから見ても
十分に期待以上の完成度、家族で楽しめました。


私自身、横浜市に住んでおり、この作品の横浜雰囲気再現度の高さに驚いています。坂が多く、高台から見るとみなとみらいが見える。また、背後にはうっすら新宿副都心が見える・・・この雰囲気は、横浜市南部の特徴的風景ですが、
100%再現できています。

また、この作品は磯子区、金沢区辺りを再現とのこと、作画を見ると新杉田ヨコハマ・シーナリータワーマンションらしきものが描かれ、奥の方には東戸塚高層マンションビル群が山に隠れて上の方だけ見える!
全く、風景が同じです!
(どちらの高層マンションも自宅庭から見えます)
聖地巡礼好きな人は楽しめそう。アニメの世界に入れますよ



くんちゃんの家はオシャレですね。なんかくんちゃんのご近所さんの家の敷地は異様に大きく、かなり裕福な方が多い印象を持ちました。

あと、くんちゃんが自転車の練習をする根岸森林公園の描き方が綺麗でした。実は桜の名所でして、本日に休みを取って花見 兼 聖地巡礼をしたのですが、緩やかな芝生の上で寝ると気持ち良いです。
本当にアニメに出てくる芝生のように綺麗なところなので、未来のミライ聖地巡礼をオススメします。
根岸森林公園のことを知らない横浜市民も多いので、意外と穴場です。ご近所さんに写真を見せて紹介したところ、皆、大岡川桜や三渓園しか知らなかったと言います。

ちなみに自宅からは車で約20分で根岸森林公園まで行けるのですが、知らない人も多いのです。そう思うと知名度の低さに驚きます。



本題のアニメに入りますと、主人公の男の子くんちゃんが可愛くて、未来ちゃんより好きかもしれません(笑)
上白石萌歌さんがくんちゃんを演じており、可愛い声。監督が本物の子供か若い女性を声優に起用するか迷ったと語っていますが、
男の子の可愛さを再現するために女の子を採用したのでは?と思っています。個人的は正解だったと思います。

あと、小さい男の子は電車が好き、家族まで電車の名前を覚えてしまうという観点から、さまざまな電車が作品で見れたのもよかった
どうしても気になって、3月に北陸新幹線で長野へ旅行に行き、上田市の聖地を巡礼、また、長野駅から上諏訪まで特急しなのと 特急 新型あずさ に乗り、くんちゃんが何回も言っていた(スーパーあずさ)と同じ電車に乗りました。
温泉巡りがメインだったのですが、ついでに聖地巡礼できてよかったです。
作品中の子供の頃のお母さんも可愛かったですね。
また、散らかして怒られるときに、友達となったくんちゃんを巻き込まないように、帰らせていた、優しさが伝わるシーンが好印象でした。


あとは、未来ちゃんの蜂ゲーム お尻をふってーのところが可愛かった、お父さんの子育てシーン、
赤ちゃんの未来ちゃんが寝て、お父さんが落ち着くが、疲れて仕事にありつけない・・・
くんちゃんを幼稚園まで連れていくシーン、一瞬出る恋する女子高生が可愛い(笑)
など家族ドラマのシーンを楽しめます。
お父さんを演じる星野源さんはかなりのアニメ好きだったので、配役として適任だった気がします。



良いところが多くて、感想を書ききれません。ぜひ、見ていただきたい作品です。
でも、横浜に来たことない人は楽しめないかもと、感じました。

投稿 : 2019/04/03
閲覧 : 280
サンキュー:

2

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mamiko さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

くんちゃんと

妹のミライちゃんが家族になってから両親の愛情が妹に向けられ不貞腐れるくんちゃん。構ってほしくて声をかけたり遊んでもらおうとしますが。
 くんちゃんが我儘でいたずらっ子で可愛らしい、我儘すぎなのではと思う場面もありましたが、くんちゃんを支えている人たちのおかげで少しずつくんちゃんの心境も変わっていきます。
 豪華声優陣、物語の展開など誰にでもわかる展開ながら、ワクワクさせられました。五歳児の子供視点ならではの心境や発見、あんなこともあったなと懐かしくもなりました。

投稿 : 2019/02/25
閲覧 : 237
サンキュー:

6

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たむけん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

微笑ましい。

印象に残ったところだけ抜粋しています。
子供の一挙手一投足、感情の表現が素敵な作品でした。
見始めは、くんちゃんの声に違和感がありましたが、話が進むにつれて慣れました。
くんちゃんを見ていると幼い頃の自分もこんなことあった気がするなーって何か懐かしい気持ち、自分はどんなだったけと思い出がよみがえります。
くんちゃんがお母さんの子供の頃と出会うシーンで感じたのは誰もが子供だった。色々な経験をしていく中で喜怒哀楽、善悪の区別、人格形成されて親となりそして子へ。
ひいじいじと出会うシーンでは率直にかっこいい!昔の日本男児はかっこいい!今では大きく変わったなと感じますね。まさに漢ですな!
何かしら僕らは過去とつながっていて、未来ともつながっている。ちょっとしたきっかけが繋がって今生きてる。改めて凄いことだと思います。感謝ですね。お墓参りいかないとw

うーん思ったことを文字に起こすには苦手だw

投稿 : 2019/02/05
閲覧 : 162
サンキュー:

2

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runa21 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

兄妹ができるってこんなもん

なぜか酷評されているのですが、
私は結構楽しめました。


おそらくなんですが・・・
くんちゃんを好きになれるかどうかが
大きな評価の分かれ目になるんじゃないかと・・・


まだまだ甘えん坊のくんちゃんに
妹ができた。
でも両親も、じいじもばあばも、未来ちゃんに付きっ切り。
前はくんちゃんの事を
「かわいいね~」
と言っていたのに、そのセリフは全部未来ちゃんに
取られちゃった。

納得できなくて、
こっちを見てほしいと訴えても、誰も見てくれない。
むしろわがままを言うなと怒られちゃう。

このもやもやしたものを
どこにぶつければいいのかわからなくて
どんどん行為はエスカレートしていっちゃう。


自分のものを奪っていく未来ちゃんを
「好きくない」

やりたいことをしている自分を叱りつけるおかあさんも
「好きくない」

子どもとしての立ち位置を未来ちゃんに奪われちゃって
今度は大人になろうと「おにいちゃん」になろうと頑張るけど
それが上手くいかない自分自身に対して
「好きくない」


何もかもが「好きくない」



そんなくんちゃんの姿を、
わがままととらえた人は、
つまらないというよりむしろ、嫌な話だなと思ったと思う。



でも、この姿って、結構リアルな子どもの姿で、
姉の子どもなんか見ていると、まさしくこんな感じだったな~。



ついでに今作のテーマ兼見どころは
くんちゃんの成長物語。
つまり、くんちゃんに否定的な人が見ても
楽しめなかったりしたんじゃないかな~。


人が成長する過程には、
現状に対する不満 → こうなりたいと思う欲求
→おとなになる(成長する)
という段階を踏むそうです。
俗にいう反抗期なんかがこれに当たります。


これを繰り返していくことによって
人は大人になっていくそうです。

今作は、その繰り返す反抗期の
一回分を切り取ったものなので、
あまり成長を感じられないのが残念かな。

例えば、
やたらとズボンの色にこだわったりするのは、
自分の主張をし始めるという
重要な成長過程なのですが
「わがまま」に映ってしまう。


今までの、おおかみ子どもや、バケモノの子なんかは
かなりの年月を通しての成長物語だったので、
目に見えた成長がわかるのですが、

今作のくんちゃんは、
未来ちゃんがやってきてからの、
数か月間を描いているわけですから、
見た目でわかるほどの、大きな変化はないんです。
そのため、くんちゃんが成長しても
それが分かりにくくなっているのが、残念なところ。

いや、制作側も
成長したくんちゃんを出すことで、
こんな風に成長するんだという姿を見せているんですが、
あまりにも変わりすぎているので、
イコールでつながらないのが残念。

でも、あのクールなくんちゃんに
チクチクさしたら、
「もういっかい、やって」
ってもじもじしながら言ってくれるのかな。
それはそれで可愛いかも(笑)


と、話がそれてしまいましたが、
くんちゃんの、
ほんの些細なことなんですが成長している様子を
楽しめるかどうかが、
この映画の評価の分かれ目だったんじゃないかな
と勝手に思ってます。



他に個人的に楽しめたところは、
子どもの描写が本すごいところかな。

階段を下りる姿なんて、
まんま子どもの降りる姿だったから、
「すげ~~~よく再現してる!!!」
って感激でした。
重心の不安定さとか、すごいな~~。


あと、個人的に今作一番の、いい役どころは
なんといっても、ひぃじいじ。
すっごくかっこいいです。

彼の話をむしろ見たい!!(笑)

投稿 : 2018/08/19
閲覧 : 272
サンキュー:

23

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

私には向かない。

レディースデーだったので映画館で観てきました。

子育て中とか、子育て経験ありとか、すんごい子供好きな人には面白いやろうなと思う。
私はどれも当てはまらないので……(⌒-⌒; )
ただ、ひいじいちゃんがめちゃんこカッコよくて、惚れてまうやろ状態。ひいばあちゃんとの馴れ初めが素敵すぎて憧れた。

投稿 : 2018/08/15
閲覧 : 162
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kGnFT20856 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4
物語 : 1.0 作画 : 2.0 声優 : 1.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.0 状態:----

評価に値しない

山下達郎と絵が少しだけ綺麗なだけの作品

ストーリーは深くはなく出来の悪い人の夢を延々見せられている感じ
ストーリーに加え作画や構図についてもどこかで見たようなものばかりでオリジナリティを探す方が苦労するくらい

イヤイヤこれで終わりじゃないでしょ?の意味で駄作にも関わらずエンドロールを最後まで見てしまい何もない事にがっかりというより、あ!騙されたんだと感じた

投稿 : 2018/08/15
閲覧 : 236
サンキュー:

3

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aqua さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ホームビデオから学ぶ相互理解と自己の内包する世界

正直中弛みのある、常にワクワクドキドキするような映画ではありませんでした。
それゆえに光る部分を感じられたことも事実です。

この作品は基本ホームビデオを見ているような錯覚に陥ります。
しかしクンちゃんから見えている世界はちゃんと描写されているので、なぜクンちゃんがこんな行動をしたのかという動機、行動原理はしっかり把握できます。

一番衝撃を受けたのは「子供はいつの間にか…」というセリフです。
非常に多くの苦悩や葛藤を乗り越えたクンちゃんに対して、他人である父親はそこまで見ることができない。本人は称賛のつもりでも、その言葉には相手の葛藤を見ずに判断していることを感じさせた。

親子といえど、夫婦といえど、相手を完全に理解することができない。だからこそ、伝える・言葉にすることの大切さを再認識させてくれる映画ですね。

そして子供には自分の感情を認識させることの大切さ。
子供とはどんなに可愛くても、他人であるということを認識する大切さを教えてくれる映画でした。


そんな感じの映画でしたので、非常に評価が難しいアニメだと思います。
私は見てよかったと思えるものではあったと思います。
ただ何度も見たい映画ではなかったです。

投稿 : 2018/08/09
閲覧 : 213
サンキュー:

7

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fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

3歳でも5歳でもない、4歳のときだけに訪れる、兄と妹との、ちょっとフクザツな第一歩めの物語。

原作は未読。いつものように下準備なしで視聴しました。

冒頭の5分。最初の印象は、くんちゃんのカオスな日常系アニメ?でした。
だとすれば、クレヨンしんちゃんの映画シリーズと同じ土俵~??という視点でしたが・・・いや、全然違っていました。
そのへんは後で述べてみたいと思います。

では、本作のレビューから。の、その前に。

私が視聴したのは、平日の夕方の上映でしたので、お客さんの姿はチラホラでした。すぐ後ろの席に、20歳くらいの男性が5人連れのお友達でしょうか、がやがやとおしゃべりをしていました。もしかして未来ちゃん狙い?と人物観察も楽しみにしていたら、視聴後に「わからんわ~」とか「すごく面白かった~」とか話していましたよ。キャラではなく物語に焦点が当たってた。よかったよかった。

私は、細田監督のシリーズは映画館で鑑賞したことはありませんが、テレビ放送は楽しく視聴していましたから、上映前は、思った以上に閑散としている座席に「もしかしてそんなに人気がないのかしら?」と心配したほどです。
あにこれレビューも評価はいろいろでしたから、「これって面白くないパターン?」と、半分くらい後悔してもいいや~の思いで視聴した次第です。はい。


●未来と、ミライって?
{netabare}
"未来"は、くんちゃんのおうちの赤ちゃんの名前です。ってそれだけじゃないんです。
"未来"。おそらく、くんちゃんが初めて遭遇する 命名の書。
"漢字" は未知との遭遇です。
ああ、そうか。くんちゃん、ここからつまずくわけだよね。

それ以上に、くんちゃんが混乱しただろうことは、赤ちゃんが「赤ちゃん」ではなく「いもうと」と呼ばれていたこと。そして、赤ちゃんに名前が付けられる前から、おかあさんから「おにいちゃん」と呼ばれるようになったことでしょう。
赤ちゃんにも、くんちゃんにも、それだけじゃない「新しい呼び名」が付けられたのです。
それって、4歳にして、まるで15歳で、元服・改名したかのような扱いじゃないですか~。
くんちゃんにしてみれば、意味わかんないでしょう。びっくりです。

くんちゃんにしてみたら、"くんちゃん"という呼称は、おかあさん、おとうさん、ばあばたちと、関係性を担保する "一番大切な言葉" なのです。
いわば絆であり、キーワードであり、くんちゃんワールドの最高にして唯一の記号なのです。
4歳児にして、絶対に譲れないアイデンティティなのですね。笑。

くんちゃんにしてみたら、おもちゃの新幹線だって、一つの車体に一つの名前がついているのが正しい理解です。プラレールの "のぞみ" は、"新幹線のぞみ" であって、"新幹線" と "のぞみ" という別々の呼称で呼ぶものではありません。
のぞみは、くんちゃんにとっては、"ボク" のおもちゃ、ではなく、"くんちゃん" のおもちゃ。
くんちゃんはくんちゃんであって、"ボク" ではない。くんちゃんにとって、大事なのは、"固有名詞"。"ボク" は、"普通名詞" なのです。
たぶん、くんちゃんにしてみれば・・・「格が違う」のでしょうね。

ましてや "おにいちゃん" とは、いかがなものでしょう。

"おにいちゃん" という "普通名詞" は、おかあさんとおとうさんの間に、築き上げてきた "くんちゃん" という "固有名詞" に、泥を塗りつけるような呼び名だったのかも。くんちゃんのかけがえのない4年間を台無しにする言葉になっちゃったのかな。

くんちゃんだけのおかあさんとおとうさんの間に、割って入ってきた "赤ちゃん"。 かわいいはずの "赤ちゃん" が、さらにくんちゃんを追い詰めます。

"赤ちゃん" の呼び名の上に、"いもうと" という呼び名が重なり、さらに "ミライちゃん" も重ねて置かれてしまうなんて!
ましてや、"未来" なんて漢字は、くんちゃんにとっては途方もない強力な "固有名詞" です!!

そりゃあ、地団駄踏むしかないでしょう。くんちゃん踏め踏め~、陣地を取り戻せ~!!!


くんちゃんにしてみたら、身近な大人は、"おかあさん" 、"おとうさん"、"ばあば" という呼称で通じるのが、くんちゃんワールドのルール。
だから、おかあさんは、"固有名詞" は必要なくって、"普通名詞" でいいのですね。


ところが、思わぬところで、くんちゃんは途方に暮れることになります。
ズボンの色に拘ったばかりに、くんちゃんは愛想尽かれ、いきなり迷子になってしまったのですね。
くんちゃんが迷い込んだ駅舎の迷子案内人から、おかあさんとおとうさんの "名前=固有名詞" を問われたとき、彼は、答えられなかったのですね。
そのときのくんちゃんの焦りようったら、それはもうなかった。笑えて仕方ありませんでした。
さぞかし、おかあさんとおとうさんとの関係性において、くんちゃんは "自尊心" を削られたんじゃないでしょうか。

おかあさんとおとうさんの名前を 、知らなかったことのショック。
駅舎の迷子案内人に、親子関係をうまく説明できなかったことのショック。
"迷子" というのっぴきならないレッテルを貼りつけられたことのショック・・・。
こんなにショックを受けてしまって、憧れの新幹線が、トラウマにならなきゃいいけれど・・・。

くんちゃんにとって、もうひとつの青天の霹靂、我慢がならなかったことがあります。
それは、いきなり"おにいちゃん"という普通名詞を押し付けられて、格下げされてしまったこと・・・の上に・・・。
赤ちゃんに "ミライちゃん" という、くんちゃんにもたやすく理解できる名前(=固有名詞)がつけられてしまったことです。
くんちゃんのお家のなかに、固有名詞で呼ばれる存在が、もう一人現われた。
すでに、くんちゃんは "おにいちゃん" と普通名詞で呼ばれてしまう立場になってしまっていたから・・・。
くんちゃん、格下げのうえに格下げをくらってしまった、のか・・・?

どうやら、本作を視聴するにあたって、"固有名詞と、普通名詞の関係性への理解" がキーワードの一つのように感じます。
このキーワードが、本作に登場する人物と、くんちゃんとの関係性において、くんちゃん自身の変化と、未来ちゃんがなぜくんちゃんの前に現われたかを考察する "道しるべ" になる感じです。

この作品のテーマは、くんちゃんの "4歳児の発達" です。
4歳児にとって、妹がうまれるってことは、どんな変化がおきるのかな?
ここが楽しめるかどうかですね。

例えば、"新幹線のぞみ" が、"新幹線" という普通名詞と、"のぞみ" という固有名詞のふたつに要素分解できるように、おかあさん、おとうさん、ばあば、ひいじいじも、"名前=固有名詞=呼び名" が「別にあること」と、でも「同じ人でもあること」を、くんちゃんは、"間もなく" 知るのです。

そして、赤ちゃんには、妹(関係性)、未来(漢字)、ミライ(読み方)、中学生のお姉ちゃん(くんちゃんの知らないことをたくさん知ってる人)・・・といういくつもの名前があることも、"間もなく" 知るのです。

でも、くんちゃんにはまだちょっと難しいことです。だって4歳児ですから。
終幕で、くんちゃんがバナナを割って、ミライちゃんと一緒に食べて、一緒に笑うという関係性こそが、4歳児のくんちゃんの理解できる第一歩なのです。分け合いっこっていいですね~。

そして、おかあさんの子ども時代、おとうさんの子ども時代、ばあばのお母さん時代、そして、亡くなってしまった{netabare} ひいじいじの{/netabare}青年時代、そういう時代があるということ。つまり、何十年もの「過去」があることを見るのです。
(ああ、くんちゃんにはかなり難しい!)

そして、{netabare}くんちゃんの {/netabare} 高校生の姿、ミライと名乗る中学生のお姉ちゃんが「いる」ということ。つまり、10数年後の「未来」が待ち受けていることを垣間見るのです。
(ああ、くんちゃんに理解できるわけない!!)

こうした構成が、巧妙に仕組まれていることが途中で分かりかけてきました。

そうか、これは、4歳児のくんちゃんにとって、とてつもない大事件なんだ。
そう思った瞬間、もう可笑しくてたまらなくなりました。クツクツ笑いっぱなしでした。

私が最初の5分で得た印象は、作品のベクトルがわからなくて、確かに "カオス" な作品だったんです。
そして、ぼんやり観ていたら、クレヨンしんちゃん(5~6歳児)との比較で、ますます "つまんない作品じゃん。二番煎じなの!" というレベルで留まってしまっていたと思います。

でも、本作は、「4歳児の発達の一瞬を切り取り、深堀りした作品」でした。
今までにない「おにいちゃんといもうとの "未来" を予感させる、全く新しいオリジナル作品」。
そう感じました。
{/netabare}


●くんちゃんのお家、お庭
{netabare}
くんちゃんのおうちって、とってもユニークです。
最初、空から俯瞰すると、広めのお庭が見えました。でも、途中でお家を建て増ししたんですね。
中庭があって、木が一本植えられていました。
下手の建屋は、大きな掃き出し窓が連なっていて出入り口にもなっていました。中庭を見上げる開放感溢れるデザインです。
上手の建屋には、ドアがあって、中庭をななめ下に見下ろすこれまた大きな窓。掃き出し窓かな?きっと風のとおりが抜群に良いでしょうね。
そしてこじんまりとした中庭を中心においたダイナミックな上下左右と斜めの動線。
広すぎてくんちゃん一人では持て余してしまいそうな感じです。
そんなふうにお家が三つのパーツに分かれていても、くんちゃんの世界は独り占めです。
散らかし放題、やりたい放題、そしてぐずり放題も・・・。

犬のゆっこがいます。{netabare} くんちゃんが生まれる前までは、王様だったのに、{/netabare}今や、あれやこれやの恨み節。おうちに来たのはくんちゃんのほうが後なのにって、そりゃそうだワン。
尻尾まで取られちゃあ形無しです。くんちゃんの優位性は決定!
ここで面白いのは、くんちゃんの「やっぱり」って独り言。なぜって?くんちゃんはもう4歳。聡い子ですよ。


私は、このお庭がとっても気に入りました。
雪が降っていましたね。草も生えていました。
きっと折々の四季が家族の情緒を深めるのでしょう。

温度が、風が、陽の光が頬を撫でるのでしょう。
雨や雷、雪や青空がアクセントを創るのでしょう。
暗くなればお星さまや天の川のほうにお顔が向くでしょう。

お庭は大きな窓で仕切られているのだろうけれど、引き戸を大きく開け放てば、おうちはおそとにつながっていくでしょう。
まるで、くんちゃんの世界と未来ちゃんの世界とが大きく繋がるかのようにです。
{/netabare}


●くんちゃんの公園、自転車
{netabare}
広々とした公園も、青々とした草地も、自転車に乗った子どもたちも、おとうさんにお願いして補助輪を外して果敢にチャレンジした時間も、みんなくんちゃんの世界ではあるけれど、やっぱりくんちゃんの "心の杖" はおとうさん。
でも、おとうさんはミライちゃんも気にかかり、それがやっぱりくんちゃんには悲しくて悔しくて遣りきれない。
でもね。くんちゃんは "青年" と出会ってしまったのです。
ものすごいエンジン音も、吹き飛ばされるような風圧も、馬上からの高い視線と遠くに見える建物も、疾走する自動二輪が風を切りさく速さも、みんな知ってしまったのです。
くんちゃんは、"青年" と同じ時代を過ごしたし、語ったのです。
ミライちゃんと一緒に、"青年" の生きざまを見おろしていたのです。

くんちゃんは、おかあさんと一緒にアルバムを見て、その "青年" が、{netabare} ひいじいじ {/netabare} だと分かったとき、自転車にどうして乗れたのかに気づきます。くんちゃんは過去に触れ、新しい世界を一つ手に入れたのですね。やったね、4歳児、ブラボー!
{/netabare}


●迷子のくんちゃん
{netabare}
くんちゃんにとっては、プラレールの新幹線は、楽しくて夢のある乗り物です。

プラレールは、スクラップ&ビルドとトレインビューを兼ね備えています。

前と後ろ、先と後、未来と過去。
右と左、橋とトンネル、登りと下り、分岐と結合、進行と停車、連結と切り離し、車内と風景、運転士と乗客、たくさんの車両の造形・・・。
時系列、空間認識、一人語り、場面の多様性など、いろんな "物語" を作り出せるおもちゃなんですよね。
プラレールは、くんちゃんに電車旅のエピソードをインスピレートしていたし、くんちゃんも新しい車窓とストーリーを知らず知らずのうちに創りだす想像力を培っていたのでしょう。

くんちゃんが、ローカル線の車内に踏み込んだのも、広いコンコースも歩けたのも、黒い新幹線の車内からも逃れることができたのも、プラレールのおかげかな?・・・・でも、改札は抱っこされていたのでしょうね、きっと。

これ、心憎いほどの演出だと思うんです。4歳児の発達の実相を上手に表現しているなあと感心しました。

ところが、くんちゃんがたどり着いた新幹線が出入りしている駅舎でのこと。
迷子の案内人さんから、「家族、妹、自分」という関係性の証明を問われたときに、くんちゃんの脳裏に、今までに感じたことのない「別離、放逐、独りぼっち」という "こわさ" が、リアルに浮かび上がってきたのだと思います。
それは、プラレールの一人遊びの中では、一度も感じ得なかったものです。
プラレールシリーズにはない、黒い新幹線は、くんちゃんに、悪夢と恐怖を与えます。

くんちゃんは、おかあさんとおとうさんの名前=固有名詞を知りません。
知っているのは、「赤ちゃん」=「いもうと」=「ミライちゃん」です。

「ミライちゃん」。それは、つまり、くんちゃんが、おかあさんとおとうさんを独り占めしてきた時間と空間のあいだに、ミライちゃんの存在を「是認し、受容」し、ミライちゃんとの関係性を「宣言」しなくてはならないことにつながります。

言い換えれば、くんちゃんは、「ミライちゃん」と "固有名詞" で呼ばなきゃいけないし、「{netabare}ボクは、ミライちゃんのおにいちゃん{/netabare}」と "普通名詞" を使わなければなりません。
それを認めてしまったら、くんちゃんは、未来永劫? {netabare}ボクは、ミライちゃんのおにいちゃん{/netabare} という立ち位置に立たなければなりません。

この二つのハードル、つまり、ミライちゃんを認めることと、{netabare}ボクは、ミライちゃんのおにいちゃん{/netabare} という新しい世界観を受け止め、乗り越えて、それで初めて、くんちゃんは、「恐怖の黒い新幹線」に乗らずに済むのです。

でも、一方で、「くんちゃんは、いつまでもくんちゃんと呼ばれていたい。」という思いがあります。

くんちゃんの頭のなかに渦巻く!可愛らしくも大きな矛盾が、くんちゃんのアイデンティティを揺さぶるのです。

迷子のくんちゃん。
ここからのエピソードが、本作の核心部です。

★ミライちゃんが連れていかれる!
{netabare}

このシーン、ミライちゃんが黒い新幹線に吸い込まれていくのですが、くんちゃん、あれほど嫌いだったミライちゃんのことを {netabare} 「ボクはミライちゃんのおにいちゃん!」{/netabare} って叫んでいました。そして、身を投げ出してまで庇(かば)っていました。
このとき、くんちゃん、ついに新しいステージにあがりましたね。

"ボク"、 "おにいちゃん" は、普通名詞です。
同じく普通名詞の "いもうと" に対して一般的に用いられます。
くんちゃんが、固有名詞に拘っていたのは、"くんちゃん" と呼ばれたい "自我の強さ=世界の中心にいるという自負心" です。
その強さを、折って、曲げて、やわらげて、普通名詞を扱う術を手に入れたのです。
そうして、晴れて "おにいちゃん" の立ち位置を (と同時に、自尊心も) 獲得したシーンでした。

これって、コムズカシク言えば、人間としての "発達" なんですね。
{netabare}
具体的に言えば、ミライちゃんを、家族の一員として受け入れるという "意識の芽生え" ということですね。

その背景には、くんちゃんなりの「家族のコミニティ」への評価(=気づき)があったことは確かでしょう。
言い換えると、くんちゃんという "個" だけの価値観から、"おうちのなかにいるひと=集団" のもつ価値観へのシフト、新しい社会性の獲得なんですね。
保育園でなら、年少~年中さんのクラスで、保母さんが毎日取り組んでいる内容です。


それから、実は、くんちゃんが踏みまくっていた地団駄。
あれは、ミライちゃんが生まれたことによって生じた「軋轢」の証です。
そして、ミライちゃんの存在を "受け止めよう" とした「ならぬ堪忍するが堪忍」の姿。
ミライちゃんとの "距離感をとり図ろう" として、悶えまくっていた「葛藤」の表われでもありました。

それをみんなひっくるめて、さばいて、かわして、乗りこえなきゃいけない、という 4歳児の艱難辛苦よ。(私なら、逃げ出しちゃうか、病気になっちゃうかも。)
{/netabare}

おにいちゃんとして、カッコ良く生きるのってさぁ・・・ああ、男はつらいよ~、だね。
{/netabare}


★★もう一つは、"黒い新幹線" への「恐怖」でしょうね。
{netabare}

そんな葛藤・・・いや地団駄を踏んでいるときに、もうひとつ危急を要する事態が起きてしまう・・・。
なんとミライちゃんが、ホームに現われて、黒い新幹線に吸い込まれていく・・・。

それはマズい。そうなると、くんちゃんは最後のカードを失ってしまいます。(電車のカードじゃないぞ、くんちゃん。)
くんちゃんの手元に、ミライちゃんが「有る」ことが、くんちゃんが黒い新幹線に乗らないで済む「たったひとつの条件」です。
ミライちゃんの存在が、おかあさんとおとうさんとをつなげる "たった一本のレール" なのですね。

矛盾と葛藤に、地団太を踏んでいたくんちゃんの目の前に立ちはだかった、恐ろしい黒い新幹線。
今まで大好きだった新幹線じゃない、真っ黒な新幹線に、全身全霊で向かいあい、違うカタチで乗り越えることで、ようやく新しい別のカタチの新幹線に乗り込むことができる・・・。

このシーンでは、恐怖というキーワードを使って、くんちゃんに、「おにいちゃんで有る」ことを選択し、ミライちゃんを守るという本能的な行動をとらせたのでしょうね。

くんちゃんにしてみれば、初めての決断だったかもしれません。ついに、強い心を持った "おにいちゃん" の誕生だ~。すごい宝物を手に入れられた、かっこいいくんちゃんなのでした。
{/netabare}

★★★天に昇るくんちゃんとミライちゃん。
{netabare}
ところが・・・赤ちゃんのミライちゃんが突然消えてしまい、独りになったくんちゃんに向かって、暗闇から "手" が伸びてきて、くんちゃんの "手" を掴むのです。
その手には、赤い痣(あざ)が付いていました。4歳児のくんちゃんには、とても分かりやすい "記号" だったはず。でも、このシーン、"深い意味" があると感じました。

そして、天に昇る・・・・"兄と妹" という関係性が、ミライちゃんの歓喜を生みだし、彼女の高揚感が、とんでもなくたくましいエネルギーを生みだしたように感じました。
それに、2人とも、つないでいたのは、"右手"だったでしょ?


"いもうとのミライ" と名乗る中学生のお姉ちゃんの "手" につながれて、2人で飛び越えていく過去の時系。
先々に現われるのは、くんちゃんの知らない過去の物語。
未来から来た中学生になっているミライちゃんが一つ一つ解説してくれるのです。どうやらミライちゃんはすでに知っているみたいですね。

その時、くんちゃんとミライちゃんは、手をつないでいませんでしたが、言葉でつながっていたし、心で通じ合えていたように見えました。

ふわふわと漂うかのようにして、同じ時間を共有しているシーンです。
私は、くんちゃんが、中学生のお姉ちゃんを "ミライちゃん" として受け入れ、"いもうと" としても受け止めようとしている心象を表しているかのような不思議な感覚を持ちました。

くんちゃんは、くんちゃんなりにミライちゃんを受け止めたから、"迷(い)子" ではなくなったみたい。ミライちゃんに対して、"おにいちゃん" でいようとする、ほんのすこしの "覚悟" が持てたようですよ。
{/netabare}
{/netabare}


●おとうさん、おかあさん
{netabare}
赤いエステートワゴン車のラゲッジで、おとうさんとおかあさんがお話をしていました。
「僕たち、変わったよね。」「え~そうかなあ」

結婚し、子どもが生まれ、また家族が増え、家庭も変わっていく。
時に劇的に。ときに気づかないほどにささやかに。
それは、やっぱり、くんちゃんの小さなまなざしに、おとうさんとおかあさんが、寄り添っているからなのかしら?

くんちゃんには、"未来" という漢字は読めません。でも、"ミライちゃん"という言霊は、すう~っと体に馴染んでいくでしょう。
そうして、くんちゃんも "くんちゃん" という殻からひとつ脱皮して、"おにいちゃん" という呼ばれ方をひとつ手に入れたようでした。

くんちゃんが "おにいちゃん" になる、その一瞬先の未来の成長を、とても丁寧に描いた作品。
ミライちゃんも、おにいちゃん思いのいい子でした。・・・ん?

でも、本当はね、ミライちゃんにしてみると、くんちゃんとミライちゃんが出会った瞬間から、人間関係が、ほぼほぼ決まってしまうわけです。
だから、わざわざ、未来からやってきた?のでしょうねえ。

これって、ドラミちゃんみたいに思えるんですけど。「もう!お兄ちゃん!」ってね。やれやれ、妹だって大変だなあ・・・。

(それに、最近の兄妹アニメのアンチテーゼかもしれないわね。ああ、怖い話だわ。)

いずれにしても、ミライちゃんも、お疲れさまでした。
おかあさんも、くんちゃんも、お片づけは大の苦手だろうけれど、プラレールはともかく、雛飾りだけでも、くんちゃんにきちんと仕舞ってもらって、早めに家から出られるといいね。がんばってね。

おかあさん、おとうさん。
クレヨンしんちゃん(5歳児説)とひまわりちゃんとは少し違う、くんちゃん(4歳児)とミライちゃんの摩訶不思議な世界観。
いくらか感じ取っていただけましたでしょうか。
たぶん・・・、子どもさんの方が、この作品にシンクロしやすいのかもしれませんよ。
「お兄ちゃんてば!もうっ!!」

そんな感じで、多くの人に観ていただきたい作品だと思いました。
{/netabare}

長文をお読みいただき、ありがとうございました。
本作が、皆に愛されますように。

投稿 : 2018/08/04
閲覧 : 390
サンキュー:

22

ネタバレ

獅苑 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ほのぼの日常系

内容は日々の内容に焦点が当てられておりストーリーらしいストーリはなかったように思えた。
個人的には作画がすごく感動した。内容も個人的には好きであるが人を選ぶような気もした。

投稿 : 2018/07/29
閲覧 : 173
サンキュー:

2

ネタバレ

しゅう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

期待外れ

楽しみにしてたけど…
①主人公くんちゃんの声が合ってない
②ダラダラと山場の無いストーリー
③未来ちゃん出番少なくね
…と作画が綺麗なだけの超ガッカリ作品
。゚(^ω^;)゚。
アニメ映画は俳優さんのキャスティング多いけど
冒頭から違和感有り有り、ホント声って重要だなと再確認でした。
山場&感動の無いストーリーも含め
自分の中では細田守 作品一の駄作かなと思います。
…つまらな過ぎて席を立つのをガマンしちゃいました
。゚(^ω^;)゚。

投稿 : 2018/07/26
閲覧 : 211
サンキュー:

8

ネタバレ

BERG さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

一つ一つの要素はいいけれど

物語の主題であろう”家族が今存在してることの奇跡”や、美術背景に作画、主題歌はそれぞれいいと思いましたし、テレビ俳優の方々の声優業も全く見れないという程までとも思わなかったので、クオリティ的にも劇場に見に行って損だとまでは思いませんでした。

初め予告を見た時は、未来から来た妹と主人公が何かこれから起こる問題に立ち向かっていく話なのかなと想像しましたが、主人公のクンちゃんが幼児特有のわがままや赤ちゃん返りから癇癪を起すと、その都度過去に飛んだり?、未来に飛んだり?して、そこで諭されたりなどして、家族の大切さなどを感じていくという話でした。

何というか、大きな起承転結がなくて、こういったテーマを扱うにしてももっとテンポよく出来たのではないかと思ってしまう。ひな飾りしまう一連のシーンはあんなにいるか?

主人公が4歳なので、そんな幼児に大人の考えで諭したり、駄々を捏ねてちょっと怖い世界に放り込まれたりとか、何とも可哀想とも思いました。

そもそもミライちゃんはなぜ未来から来たの?現代と未来とでミライちゃんは同時に存在出来ない設定ならクンちゃんの妄想の世界ではないのだろうし、明確にタイムスリップしてるならその全編にミライちゃんが出てこれば兄妹の絆は深まりそうなのにそうでもない。最後の駅の場面は未来なの?そういう世界観や設定が曖昧で分かりづらかったです。

駅の場面などこれでもかと映像にこだわったシーンがあるけど、それが意味する話の中身よりその映像の力掛けた感のほうが目立っていたと思います。

何とも微妙。1回観たら良いかなという感じ。

投稿 : 2018/07/24
閲覧 : 187
サンキュー:

8

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ホームビデオ【ネタバレ大量】

なんの情報もなしに映画館に突撃!
上映時間が始まると、延々と続く新作作品のCM攻撃にうんざりしましたが、
内容のほうはしっかり見てきました。
ネタバレが多量に含みますので見てない方には読むことをオススメしません。
{netabare}
作品のテーマがなにかというところは最初のOPムービーのところで「家族かな?」と感じられるあたり中々わかりやすい。(子供が見てわかるかは知りません)

中庭が未来や過去の家族に出会う場所、もしくは繋がる場所である、そういう設定について、
なぜこの場所は別の時間に繋がってしまうのか?という現実的な疑問、リアリスト的な疑問を途中は追い続けていましたが、そうじゃないことに気付きます。
なぜ、繋がるか、は主題ではないのです。
繋がって、クンちゃんがどうなるか、変化もしくは成長したクンちゃんを見て、親がどう動くか。
そこにリアリティの追求、想像の中のリアリティが存在します。
ここで共感できればそこにはリアリティが存在した、という事です。
「子供っていつのまにか成長しているんだね」
父親の言葉ですね、中庭の時間は「いつのまに」であり、
親は子供の成長しか知らない、なのでそこでリアリティが成立しえる仕組みだと思います。

さて、それでも中庭、という不思議な空間には興味が尽きません。
中庭が一体どんな人とクンちゃんを引き合わせているでしょうか?
・イヌッコロの擬人化
・ミライ(妹)ちゃん
・母親の幼少時
・曽祖父
・未来のクンちゃん
イヌが入っているので、血縁者ともまた違うし、
曽祖父は一緒に暮らしていないので、明確には家族とは言いがたいかも知れませんが、
それでも、大きな枠で考えれば家族でしょう。

中庭では、言葉が伝わらない人との理解をし合うように引き合わせているのだと感じました。
犬は人語を解さないし、ミライちゃんは赤ちゃんで言葉がまだわからない。
母親は、これは少し難しいですが、母親とのコミュニケーションの失敗、そこから、言葉が伝わらない、もしくは気持ちが伝わらないから、同じ歳ごろ時代の母親を見せて、母親への理解を深めさせた、そういう仕組みでしょう。
考えれば考えるほど、都合のよい「中庭」ですが、前述したとおり、中庭の存在を疑うような見方は間違っており、中庭のあとどう登場人物が変化したかをみるのが重要です。


中庭で出合った母親については、先ほど少し述べましたが、
クンちゃんが寝ていながら涙の粒があった母親に対して、よしよしと、頭をなでたのが、
母親に対する理解の現われでしょうね。

曽祖父との出会いから、初めて挑戦しようとすることへの取り組み方の変化がありましたが、
曽祖父をカッコイイと思うことから、やはりあのくじけない心が出来たのではないでしょうか。
私はこの曽祖父パートが一番気に入っているのですが、クンちゃんと、
もう出会えない、そんな人がクンちゃんを変化させる。
時代や時間の経過によって希薄になった繋がり、忘れかけられていたモノが
現代のクンちゃん、若い人間に大事なものを伝える、そこに喜びを感じてしまうんですよね。

さて、終盤はクンちゃんとはなにか、ミライにとって自分とは何か、幼稚園生に問いかけることかよっ!?
という結構クンちゃんにとって重いことを問いかけます。
つまり、東京地下駅で忘れ物センターで「忘れ物はあなた自身ですか?」と聞かれたのは、
クンちゃんがクンちゃんの中の心とコミュニケーションを取れていないことを示していたのだと思います。

黒い新幹線に乗ろうとするのは未来のミライではなく、今のミライでした。
つまり、今ここで問われているのはミライに対する態度、
自分をどう振舞うかという自分に対しての選択です。
ここで、「ミライちゃんは貴方にとってなんですか?」という問いに
「ミライちゃんはボクの妹」ではなく、「ボクはミライちゃんのお兄ちゃんだ」と言っていることからも、
ここでクンちゃん自身が何であるかを主題においていたのは明確です。




純粋で無垢、他人に対しての理解というものがまるでなく、
出来ないこと、わからないことに対して嫌だったらいやと理解を拒んでしまうクンちゃんでしたが、
それを一つ一つ拒むことがなくなっていく、他者との断絶が消えていく。
そういった経験から、努力のない理解の断絶に対するメッセージが込められているかもしれません。

私も子供が泣く声は大の苦手ですが(気分が落ち込むので)、それを受け入れた先を見ないと、この作品の伝えたかったことは届かなくなってしまっているかもしれませんね。


{/netabare}

おまけ【タイムトラベル・パスポート】
{netabare}
この作品で安直だなーと感じたのはミライちゃんのあざです。
ミライちゃんのあざが、何か中庭の影響なのかとか、直したいとか、
そういうストーリーにからめて来るのかと思ったらそうではない。
単純に、クンちゃんに未来のミライちゃんを認識させるためだけのキーアイテムとして、
出してしまっているなと。

さて、このような、時間旅行先で、知り合いに旅行者を本人だと証明させる、
肉体的、もしくは知識的証拠、いわばタイムトラベル・パスポートは過去の作品だとどのようなものがあるでしょうか?
上手く表現している作品を探したいと思います。

・「涼宮ハルヒの憂鬱」における朝比奈みくるの、キョンしか知らない首筋のほくろの位置
・「シュタインズゲート」における、岡部倫太郎は、顔パス(跳躍した時間が短いため有効)
等々・・・この例としては、肉体的成長によってより顔から認識できない場合に、
本人の詳細な情報が生きてくるのでしょうね。

また、君の名はでは、時間旅行先ではありませんが、瀧と三葉は、事件収束後に顔でお互いを認識していますね。
(三葉が東京に会いに行き、瀧君に顔で認識されなかったのは、そもそも瀧君が三葉の顔をしらないため)

ドラえもんが未来から来たという証拠として、未来ののび太くんの末路を見せていますね。
これはドラえもんは元々のびた君の知り合いではなく、未来から来たという「証明」のために使用された、
タイムトラベルのパスポートのもう一つの形ですね。
ジョンタイターが未来から来て未来の情報を言うのと同じように、ですね。

このパスポートを上手く活用している作品もあるだけに、この作品は少し安直な気がしました。

{/netabare}

おまけ2【ホームビデオ】

{netabare}
この作品のテーマは「家族」だと思いますが、明らかに変化を迫られているのはクンちゃんのみであり家族の中のクンちゃんを描いているため、「家族」というテーマから離れがちだと感じました。
途中ホームビデオのように成長を見せられていると感じましたが、まさに、
ビデオの主人公はクンちゃんでした。
そのため、テーマの「家族」とどう繋がりがあったか、再考する必要があります。

穿った見方をすれば、くんちゃんばかりが変化を求められてて理不尽と感じるかもしれませんが、
クンちゃんという子供が要求する駄々が理不尽すぎて、それは隠れているように感じます。
クンちゃんは新しい家族の形に収まるように変化を迫られ、適応していきますが、
それは、妹を大事にすることで「家族を大事にする」という、社会常識を学ぶために必要なステップとも取れます。

「ものに対する取り組み方」「家族との接し方」そういうものを学んでいるのです。
駄々をこねながらも家族から学び成長していく、くんちゃんでしたが、
学んだことや、くんちゃんの駄々をこねながら学んでいくスタイルを自分と重ねて、
自分は今、学ぶこと・興味を持つことに対して、臆病になっていないか、
そう戒めることが出来ると思います。

つまり家族とは社会であり、社会に対して自分がどう接しているか、
そういうテーマの提示なんじゃないかと思います。

{/netabare}

投稿 : 2018/07/22
閲覧 : 329
サンキュー:

34

ネタバレ

MLK さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:----

無題

まず第一に、これは「未来」に関する話ではない。

今回出てくるのは、徹底して「過去」の話である。


この映画を要約すると、話のクライマックスは

主人公が妹の「兄」であることを自覚し受け入れるところにある。

しかし、そこに行き着くまでに延々と行われる家族史の振り返りが、全くクライマックスに結びつかない。



少しややこしい話になる。

そもそも、家族というものは結婚や出産がなくとも簡単に拡張可能な存在だ。

極端に言えば、たとえ血縁関係がなくとも相互にそう思うことができれば家族関係は成立する物であり、むしろ映画はそういった形の家族にフォーカスしたものが多かった。

今回で言えば、先祖が多くいるというのは遺伝血縁的な話であり、兄になる、というのは認識の問題だ。

私に多くの先祖がいることと、私が彼女の兄になる、というところに何の関係があろうか。

ところが、本作では血縁性と認識の問題が混同され、中盤と終盤が全く結びつかなくなっている。



これが、過去作でも家族の血縁性をどうしても捨てきれなかった細田監督のせいなのか、歴史的な運命と個人的恋愛感情を短絡させた「君の名は」の弊害なのかは分からないが、とにかくオススメしがたい。

日本の30~60代向けにマーケットを絞ったとすればかなり納得してしまうが。




7/22追記

私のこの作品に対する怒りは、必然性への怒りかもしれない。

家族史の発見により自分をより大きな視点で見れるように成長した主人公。

しかし、それが負のものであったら?

血縁家族との関係が「必然」であるならば、その「必然」へと飲まれるほかないのか?

細田作品はどうもそのあたりが能天気というか、家族に嫌な思い出のある人は私のようにアレルギーでまくりになります。



私があなたの子であることも、親が私を生んだことも、本当はすべて偶然なんです。

あるのは今私がここにいる(かもしれない)ということだけであり、それならば血縁的に妹であるかそうでないかに関わらず、守りたいと思ったら守ればいいんです。

現実でなかなかそれができない私は、映画だからこそそういうものが見たかった。

投稿 : 2018/07/22
閲覧 : 188
サンキュー:

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未来のミライのストーリー・あらすじ

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんが出会ったのは、未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。それは、誰も観たことのない、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―(アニメ映画『未来のミライ』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2018年7月20日
制作会社
スタジオ地図
公式サイト
mirai-no-mirai.jp/
主題歌
≪OP≫山下達郎

声優・キャラクター

上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治

スタッフ

原作:細田守、監督:細田守、脚本:細田守

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