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「薄暮(アニメ映画)」

総合得点
62.3
感想・評価
53
棚に入れた
160
ランキング
4849
★★★★☆ 3.1 (53)
物語
3.0
作画
3.2
声優
3.1
音楽
3.3
キャラ
3.0

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薄暮の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

薄暮は特別な景色だった。だけど、あなたがいる景色のほうがもっと特別になった。

福島県いわき市を舞台とした、
山本寛監督による「東北三部作」の最終章。

東日本大震災によって、
心に負うものがある二人の高校生が主要人物です。

といっても東日本大震災のことが深く描かれるわけではなく、
「体験した」と語る程度のものですが。

50分程度の作品です。


● ストーリー
小山佐智(こやま さち)は高校1年生になった。

高校では音楽部に入り、
小さなころから続けているヴァイオリンを続けることにした。

高校生活の楽しみは、帰り道。
一人で田舎道の夕暮れを味わうことだった。

ある日、いつも帰り道のバスで一緒になる少年から声をかけられる。
美しい夕焼けを描くのにいい場所を探しているのだという。

彼の名は雉子波祐介(きじなみ ゆうすけ)。

彼は震災で帰宅困難区域からいわきに避難してきており、
今生きてるこの場所を書き留めておくために絵を描きはじめたという。

そうして二人はバス停で待ち合せたりLINEをしたり、
距離を縮めていく。


物語に大きな起伏はなく、
薄暮の景色が好きな女子高生の、恋愛と青春を混ぜ合わせたお話。

こういう恋愛したかった、なストーリーでした。笑

なんとなく気になって、
ふとしたきっかけで話すようになって、
どんどん好きになって、
そして…

という展開。

すべてが順調だったわけではないけれど、
恋の一番楽しいところを切り取った感じです。

佐智が主人公なので佐智目線のお話ですが、
雉子波くんのほうが積極的にアプローチしているので、

彼の方に焦点を当てるとより恋愛色強めのストーリーになりそう。
たぶん相当悶えていたと思うよ、彼。笑


≪ 自然の風景 ≫

自然には不思議な力がある。

眺めて、包まれているだけで心を癒してくれる。

佐智は文化祭に向けて四重奏を練習するも、
先輩にできていないところを指摘されてばかりでうまくいかない。

そんなふうにもやもやしたときには、
このバス停の風景に癒されるのです。

私もまさに高校生の時に同じようなことをしていたなあ。

吹奏楽部で、演奏がうまくいかないことなんてよくあることで、
もやもやしたときには河原へ寄り道。

わざと川沿いに帰って遠回りして。
でもそうすると不思議と家に着くころにはすっきりしてるんですよね。

そうして何度心を救われたか。

だから佐智の気持ちはすごくわかる。
残念ながら胸キュンな出会いはなかったですけれど。笑

薄暮って意識して見たことがないけれど、
夕暮れにゆったり眺めてみると心癒されそう。


● キャラ&声優
佐智を演じるのは桜田ひよりさん、
雉子波くんを演じるのは加藤清史郎さん。

二人ともどちらかというと淡々とした話し方でした。

そういうキャラクターでもあるから、
合っていると言えば合っているのだけど、
どうもセリフがすっと心に残りませんでした。

周りのキャラは安定の声優さんたちだったため、
食われがちだったな…。笑

特に佐智の友だちのひいちゃん。

キャラが面白いのもあったけれど、
演じる佐倉綾音さんが力入ってて好きでしたw

演技としてもキャラとしても、
完全に持っていってたよ。笑


● 音楽
【 主題歌「とおく」/ AZUMA HITOMI 】

美しい曲と歌声でした。
「薄暮」というテーマにぴったり。

だけど良くも悪くも普通で、
こちらもあまり印象に残らなくて…。

なんだかもったいなかったです。


● まとめ
全体的に大きな起伏はなく。

がっつり本気に部活しているわけじゃないけれど、
目標に向かってまっすぐで、
本番を終えた達成感というのはいいものですね。

演奏が終わって、
立ち上がってふらつくのとかリアル。
(私もよくやった。笑)

恋愛に関しては、
振り返ってみると佐智は特に何も頑張ってないのよね。笑

{netabare}
気になった相手からアプローチ受けて、
相手に別に思っている人がいるんだと知ってショックを受けて、
でも最後にはあなたが好きだと告げてもらって嬉し泣き。
{/netabare}

恋愛慣れしていない感じの雉子波くん、
頑張りました。

目線が合わなかったり震えていたり、
そういう描写がわざとらしくも見えたけど、
初々しくてなんだか微笑ましくもありました。

障害もなく流れる恋愛ものが好きなら、
この作品は合うと思います。

逆に、困難を乗り越える描写が欲しい人には、
かなり物足りなく感じるでしょうね。
時間も短いですし。

私は嫌いじゃなかったです^^

投稿 : 2022/11/20
閲覧 : 139
サンキュー:

12

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

薄暮れの情緒あふれる世界と少女の青春の一コマを描いた短編映画

『かんなぎ』や『Wake Up, Girls!』などで知られる山本寛監督作品。上映時間52分の短編映画。

~あらすじ~
東日本大震災後の福島県いわき市を舞台とし、震災で心のどこかに穴が空いてしまった少女が、他人や自分の心と向き合えるようになるまでの日常と青春を描いた作品。

作品の題名にそぐわぬ薄暮れを感じる空気感、舞台となるいわき市の自然豊かで穏やかな美しい背景、感情を表すかのような力強いヴァイオリンの演奏、この3点においてはとても素晴らしい作品でした。作画も音楽も雰囲気もかなり良かった。

残念なのはストーリー。
震災で傷ついた少女に焦点あてたいなら、もう少し震災エピソード入れなきゃ伝わってこない。おまけ程度すぎて残念だった。
せっかく雰囲気のあるゆったりとした舞台なのに、モノローグが多くてサクサク進むからせっかくの良さが台無し。
友達関係はいっそ省いて、少年との話だけに集中して描けばもう少し物語がクリアになった気がする。

声優に関しても少し残念。メイン2人決して下手な訳じゃないけど、固くていまいちキャラの魅力に欠ける作品になってしまったと思います。

物語とキャラクター以外の部分は、作品としてかなり好きだったのでなんとも惜しい気持ちになりました。
サクッと見終われるので、ちょっとしっとりとした青春もの味わいたい時には程よく楽しめるのではないかなと思います。物足りなさもありますが、雰囲気は花丸作品でした。

投稿 : 2022/07/29
閲覧 : 152
サンキュー:

10

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

普段見慣れた風景 でも、それは大切なもの

この物語は、福島県での放射能汚染により、普段見慣れた風景が二度と見れなくなった若者たちの物語です。
その体験をしたからこそ、当たり前だと思っている今のこの瞬間を大切にしたいと願う若者たちの心を描いています。


私達が日頃暮らしている場所の何気ない風景。
何度も何度も見慣れている当たり前の風景。山や川、田畑、空や海。
でも、それが見られなくなる時が来るかもしれません。

そのときになって、もう一度見たいと思っても、それは無理なことだと気づきます。

普段見慣れた風景には、自然だけでなく、人も含まれます。
仲の良い友人や恋人、家族など。

特に時間が経てば、人とは必ず離れ離れになるときが来ます。
当たり前だと思っていた風景は、もう無くなっていることに気づくのです。

だから、今のこの瞬間を大切にして、
写真または絵に残しておいた方が良いと思います。
この映画は、きっとそれを皆さんに願っています。

投稿 : 2021/11/28
閲覧 : 338
サンキュー:

13

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もう少し震災に触れた作品かと思ってたけど・・・・・・

東北の震災で人との関わりに興味を失ったJKが、バス停で男子と出会って恋や友達との付き合いを取り戻していく話。


主人公がクラシック音楽をやるから、作曲家とか音楽関連の話題が出てくるけど、知識がないからサッパリ分からなかった。

震災関連ってことを除けばどこにでもありそうな高校生の純愛物語で、個人的には嫌いじゃないけど、震災で変わった後の出来事なのにあまり震災には触れられていなかった。主人公たちが仮設住宅暮らしだったり、男子の初恋の相手が震災で亡くなってたりするのかと思ってたから少し拍子抜け。
まあそこまですると本格的に震災を描かないといけなくなって、客足が遠のくっていうのは理解できたけど、せめて震災直後の主人公が「泣いてばっかだった」っていう様子をしっかり描いて欲しかった。


本来こういう作品にパロディってないんだけど、学祭の時にハルヒのキャラっぽいのが出てくる。監督(ヤマカン)がハルヒの演出だったから問題はないんだろうけど、少し驚いた。他にもヤマカン関係のパロあったのかな?


後、どうでもいいけど、途中で主人公が全裸で寝た意味はなんなの?

投稿 : 2021/11/26
閲覧 : 149
サンキュー:

3

にゃんちゃこ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

何か物足りない

短いせいかあんまり観た気が
しなかったです。

投稿 : 2021/10/05
閲覧 : 156
サンキュー:

2

ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ほざけ

視聴前 どうせ

視聴後 ははは

この話は弦楽部に所属する女子高生の話
ジャンルは部活・恋愛・学園

純粋にキャラたちが気持ちが悪い。
正確に言うなら主人公と男の子。
あの二人はなんか見ててイライラする。

内容としてはそこら辺の三流恋愛ものです。
唐突に始まる恋。訳わからない思い上がりと馬鹿馬鹿しい葛藤。そして少女の恋の行方は!?
あ ほ く さ
{netabare}これで男の子がフれば面白かったのかもしれませんが、会ったときからもうその可能性はありませんでしたね。

「なんでフラれた娘をひきずってんの!?」「それでもずっと好きだったんだ」「私も好きよ!」「僕は…君を好きじゃない」
ここに文豪爆誕ですね((まぁこういう感情の不合理さを前面に出す作品だったら良かったんですがね

もしくは、部活の方をメインにして青春の一部として恋愛をする。実際は部活なんて恋愛の二の次でしたので、もう本作は救えません。{/netabare}

別に恋愛ものが嫌いなわけではないのですが、恋愛ものの展開は大抵決められています。現代で新しいものを出そうとするならまず、恋愛主体はやめるべきだとおもうのですが、それでもどんどん恋愛主体の作品が増えていくのは、私の感覚がおかしいからでしょうか。

監督・脚本・原作は山本寛さん。wake up girlsなどの方ですね
キャラデザは近岡直さん。wugの方ですね
劇伴は鹿野草平さん
アニメ制作はTwilight Studioさん。わざわざこのために設立したらしいです

作画は普通でした
主題歌は辛矢凡さん作詞、AZUMA HITOMIさん作編曲、AZUMA HITOMIさん歌唱の「とおく」
声優は微妙

総合評価 いらないなぁ

投稿 : 2021/07/27
閲覧 : 312
サンキュー:

8

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

被災地の今・・・という青春もの

福島県いわき市が舞台ということで、出だし15分間ぐらいは、すわ大地震が今にも起こるかと思って見ていました。すいません。しかしヒロインの母親のセリフで東日本大震災後の話だと判明。そして、ヒロインと仲良くなる少年が、どうやら「海側」って言うんでしょうか、あの事故の原発のあるあたりに故郷があって、被災して仮設住宅で暮らした事があるという事が、ラスト10分間ぐらいでわかります。いわき市は確か内陸部だから、それほど被災していなかったと言う事か・・・・?と、私など離れたところからでは、そんな感じで見るしかなかったアニメです。内容はふつうの青春もので、特に福島でなくても成立する物語で、あえて言うなら福島県で見える夕暮れが特に美しかったからという感じ。それで「薄暮」というタイトルなんだと思った。原発とか被災状況に触れたくても触れられない、そんな感じのドラマです。歯がゆいとか言ったらだめなんだろう、現地ではタブーなのかもしれないと思った。クラウドファウンティングで、地元の人たちから資金調達して作られたアニメらしいですから。

うーん、あけすけに書いてしまいましたが、こういうあえて政治よりにできなかったみたいな被災地ものを見たら、なんとも言えない気分になります。はるか昔実写で「13番目の人格イゾラ」という邦画を間違ってレンタルして見たことがあるんですが、あの映画も阪神大震災の仮設体育館の様子が長々と映し出されていました。しかし話の内容としては、なぜそれが映っていたか、理由はまったくわからない映画だった。なんかそういうものを見ると、もやもやしてしまうのは私だけなのか?

あ、話の内容としては、「耳をすませば」みたいな話で、地方の奥手の高校生?ぐらいならこんなのがリアルみたいな話でした。ただ男子学生のがぶりよりが、かなり強引な感じで、ちょっとあれでしたけど。いや態度は紳士的なんですがね・・・。あるなあこういうのという事で拝見させていただきました。ただセリフがヒロインの女友達たちのかしましいセリフ回しが入って、よく理解できませんでしたが。ああいうの解読するのに慣れている最近のアニメファンの方たちは、すごいと思いますね。あと、テレビテロップに出ていた話題の「アニメプロデューサー」はセルフパロかもしれませんが、あの庵野秀明監督のアナグラム的名前で、気になりました。では。

投稿 : 2021/06/13
閲覧 : 257
サンキュー:

3

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

作品が人を表す。

【概要】

アニメーション制作:Twilight Studio
2019年6月21日に公開されたオリジナル劇場アニメ。
監督は、山本寛。

【あらすじ】

小山佐智は、福島県いわき市に住む高1の女子高校生。
ブレザーの制服が気に入った私学に入学して、電車とバスを乗り継いで通っている。
4歳からヴァイオリンをずっと続けていて、高校では少人数の音楽部に所属。
彼女には震災のトラウマがあって、恋愛に興味が沸かず他人へ人より冷たいと感じていた。
通学路の田舎道が好きで、ひとりで景色を味わい尽くすのが彼女の一番の楽しみだった。

ある日の夕方に佐智がバス停で待っていると、スケッチブックを持った、
この辺では見かけない制服の男子高校生に話しかけられる。
彼の名前は雉子波祐介。震災で帰宅困難区域になった地元から、いわきに避難していて、
『この世界を描きとめておけたい』との思いで風景画を描いていて、
絵画のコンクールに出すための良い景色を探しているという。

祐介の思いに共感した佐智は、その日から彼を待ち合わせをして、
度々一緒の時を過ごして、心の距離を縮めていくのだった。


↓↓ファンの方は気分を害する可能性が高いですので閲覧は自己責任でお願いします。

【感想】

西暦2000年4月に、『再就職しました。』と本人のブログ日記に書いていて、
2007年6月に退職するまでの7年間、大阪にあるアニメーションDo所属であった監督さん。
9年間、一貫して京都の親会社の正社員で社内でも傑出した異才であったとの作り話など、
後付で改竄された情報を信じている人がいますので、改めて記しておきます。

その彼のかつての御託に、こんなのがあります。↓

・アニメーションに過度の情報量は要らない。
↑情報量の多さで人物の細やかな感情表現を得意とする近年の京アニ作画と真逆。
 師匠だということにしている、名アニメーターの木上益治さんの弟子という設定と矛盾。
 そもそも京都アニメーションの演出方法はアニメーターの基本を重視した教育がベースなのに、
 彼の場合は、あきらかにイラスト能力が描き慣れてないド素人レベルであり、
 絵の才能以前に作画の基本などアニメーションを真剣に学んだ形跡が見られないですね。

・アニメーションとは「線」そのものが語りかける表象である。
↑そのわりには「Wake Up, Girls! 」の線がガタガタし過ぎでしたね。

・「アニメの品格を決定するのは背景」などと逃げの発言を続けていた、
 宮崎駿のような改竄された歴史観に終止符を。
↑「薄暮」の売りである、いわきの美しい風景と相反。

ふわふわした理念を持つ山本氏による作品とは、如何なるものでしょうか?

『それにしても、アニメーションにパースは必要なのか?
 せっかく二次元なのに?
 悪あがきに見えるんだけどなぁ。』
↑こんなで、技術職であるアニメーターとの意思疎通が出来るとは思えません。
 アイレベル(目線の高さ)を指定していないのか、
「Wake Up, Girls!」で背景と人物の縮尺が噛み合わないことが、少なくありませんでしたし。

他にも、パン(カメラを固定したまま、フレーミングを移動させる技術。)を、
スクロールと呼んでバカにするなど、演出家としての基本知識が怪しく、
コンテを見ると正面と横90度が殆ど全てで立体を把握する能力に乏しいです。

そんな彼が世の中の数々のアニメを否定して求めているリアリズムとは何ぞや?という疑問。

有料配信が開始されていましたので、その監督作品である「薄暮」を見てみました。

物語の最初から最後まで朗読劇のごとく主人公である佐智のモノローグが続きます。
視覚情報では伝わりにくいキャラ設定などを解説するだけならばともかく、
映像を見れば解ることを含めて状況をイチイチ、モノローグで説明する過剰さ。
本来ならアニメーションのみで表現可能なことからすら演出家として逃げているように見えますね。

また、おきれいな話にしたらつまらないと山本氏が挟み込んだノイズがあります。

・ヤ●チン発言。
・食事中に口を開けてクチャクチャ口の中を見せながらお喋りをする。
・箸で人を指す。
・生●というナレーション。
・教室用椅子の上にスカートで胡座(あぐら)をかく。

これら全部、作中の女子高生キャラにやらせたことであります。
作品のテーマ性に沿った野放図な世界観の形成に必要があるとか、
食べ方に差をつけることで家庭環境が垣間見られる躾(しつけ)の個人差を見せる演出として、
理由があってあえて汚い食べ方をキャラにさせるといった意図があるならば、
アニメの表現方法として、これらは一概に否定しうるものではないですが、

揃いも揃ってクチャラーであったり、このアニメ世界に存在する人物は総じて品が無いです。
山本氏は作品でリアルを描くと言っているものの、
下品なのがリアルで熱くて、この世の真理なんだ!と思い込んでいて、
それらをさらけ出さない者には、

『熱さもゲスさもないように感じる。
 自分と同じ、血の通った人間に見えないのだ。』

とも発言していて、自分を基準にした理想化された世界を「薄暮」で表現して、
これがリアルで、世にあるアニメの世界は媚びた作り物でリアルじゃない!
とマウントを取りたがっているという前提から、歪(いびつ)なものを作品から感じます。

その根拠に、youtubeでヤマライブを配信中に政権批判と近況への愚痴と共に、
缶ビールをあおり、鼻をほじり服に付け、ボリボリ顔を掻く。そして、金銭を強請る(ねだる)。

その不潔な姿は京大出のインテリ監督として売り出した幻想を木っ端微塵にすること間違いなく、
その脳内にある彼好みの性癖の世界を表現することで、その外にあるものを一切合切否定する。
不潔で不摂生でだらしない自分を省みることなく、おかしいのは世界なんだ!
むしろ世界が自分に合わせろ!という観念の押し付けこそが、
彼の作品に存在する違和感の正体であると思いました。

違和感と言えば他にも、

PVでも見られるバス停で二人が初めて会話するシーン。
首だけが90度曲がったまま目線を合わせずに、祐介が延々と喋っているというホラー。
人間は首を動かすと上半身をひねりますよね?
誰もおかしいと思わなかったの?作画のチェック機能が壊れていた現場の状況を窺い知る一例です。

なお、この山本氏は数々の自分の指示のまずさを棚上げして、

絵コンテの話ですが描けるアニメーターがいないから、
コンテの質を下げるだけ下げただのと苦し紛れの言い訳をして更には、

湖川友謙(こがわとものり)氏…アニメ業界の大御所アニメーターであり、
              著書である人物デッサンとパースの教本は、
              一定の年代のアニメーター必須の参考書であったと言える。

↑19年5月26日の「薄暮」の試写会のほぼ3週間前の同年5月4日に依頼をして、
 困ってるからと福島のためだと説得されて、すんなりと引き受けてくれた湖川氏を、
 20年3月20日にnoteで発表した有料記事「アニメーターの質」で、
 「ただの手抜きの落書き」「恥知らず」「老害」だの散々に誹謗中傷をして、
 クオリティの低さの責任を押し付けて業界中のアニメーターを敵に回すという、
 いかに自分の言動が自らを貶めているのか無自覚な部分が多々ありますね。 

『弱き犬は吠えるもの 私は、野良犬 今でも、福島のために動いています』

人づてに知らされた湖川氏はこうコメントして、以後は一切この山本氏に触れていません。
こうして自分と関わった人脈を枯らし続けているのが、山本寛であります。

作画技術的なことはさておいてもシナリオや演出面でも思うところがあります。

佐智が祐介に名前を尋ねるのに、佐智自身は名乗らないコミュニケーション機能の問題。
付き合いが長くて気兼ねしない関係とか、既に親密な相思相愛な状態ならいざしらず、
その初めて会話を交わした日で、まだぎこちない間柄でしかないのに、
彼女らふたりしか乗客がいないバスの中で二つ横並びの座席に、
キャバクラ嬢と男性客のように密着して座る距離感のおかしさ。

ガラガラの状態だったら一番うしろの横長い席に、ゆったりと座るでしょ!
と思春期の男女がこれで大丈夫かな?とかなり不安な気持ちになってきます。

人と一線引いているキャラ設定であるはずの、
佐智のパーソナリティスペースが壊れているという矛盾。
物理的な距離を徐々に縮めることで、二人の親密さの変遷を表現するという発想への至らなさ。

ガールズアニメを美少女動物園と呼ぶ山本氏が表現しているリアリティとは一体何ぞや?

山本氏の頭の中にある前提が展開に組み込まれていて、その前提が進む過程を省略しているのがこれ。
表現のあり方に客観性や丁寧さが欠けていますね。

口先だけで美術論を語るが下手くそな風景画を描く祐介は、プライドばかりが高くストーカー気質。
また、佐智は家族や友人らへの思いやりに欠けていて自分の攻撃性に無自覚であり、
自分自身に向き合っていないのを無味乾燥なモノローグの羅列でごまかし続けています。

キャラの一人一人が山本氏の分身であり、彼の性癖のままにコマとして動かしているのが正体。
山本氏自身が女子高生キャラの皮を被っているのをリアリティであると勘違いしているだけですよね。
本当に現実味を求めるなら、人間観察眼を磨いて自分と他人の違いを認識しなければならないです。

例えば、佐智がベッドで悶え声とともに脈絡もなく全裸になり、
奇妙な夢を見て朝目覚めると、ひどくやつれた顔をして洗面台でぺっぺと痰を吐く。

『女子高生はそんなことをしない!』との女性スタッフの意見を山本氏は却下したと聞きます。
それは老化が進行して痰が絡む中年のおじさんに上っ面だけ女子高生の皮をかぶせただけの生態。
作り手の想像力の欠如と唯我独尊的な思考がもたらした象徴的なシーンだと言えるでしょう。

ただ平坦なだけの薄い恋愛話に、山本氏自身のいうノイズとして散りばめた演出方針。
それが先述の下品さの数々であったり、他には下半身を映す盗撮目線のカメラワーク。

・少女の下半身はあまりにも雄弁なのだ。
・顔を撮る以上に、あらゆる情感を語り尽くす力を持っている。
・僕らは少女の子宮から出る匂い立つ強烈な誘惑に圧倒され、
 知らず知らずに胎児の時の記憶を呼び覚まされるのかもしれない。
 「胎内回帰」の発想だ。

↑ローアングルの盗撮目線を取り入れた山本氏の弁ではありますが、その一方で、

・なんかもう、やる気がないというか、ちょっと、病んでるんじゃないの?と思うぐらいだ。
 映画で愚痴を聞かされているように感じた。
・表現である以上、そしてそれでお金をもらう以上、観客に何かを「伝え」なければならないのだ。
 持ち帰ってもらわないとならないのだ。
・この作品は、それすらを諦めた、それを拒絶した映画と言えるだろう。
 どうせ解ってくれないんだ、私の趣味は理解してくれないんだ、
 そんな愚痴ばかりがカットの端々から聞こえてきた。
・そんなにアニメが嫌なら辞めてしまえ。それと、作品で愚痴るのだけは止めろ。
 それだけ言っておきたい。
・そして困ったらまた足ばかり映していた。あれだけは止めたほうがいい。
 ずっと下を向いて、俯いて生きていてはいけない。
 それを共感させようなんてもってのほかだ。 
 
↑これが何かと言えば、「リズと青い鳥」を山本氏が観に行った後にブログに記した批評文。
 感想は人それぞれといえど、実際に該当作品を視聴した、あにこれレビュアーとの認識の乖離。
 それは、他の人が感じ取れるものが一切受信できないのではないだろうか?とのアンテナの低さ。

『アニメとは静と動の組み合わせであり、そこにある映画的表現は非常に高い。
 例えば京アニの「リズと青い鳥」ですが、あの作品のメッセージ性はかなり優れています。
 女子高生のポニーテールが揺れているだけで「フフッ」ってなってきますから。
 こういう感覚は実写ではできないところです。
 京アニの作品はそれを見る驚きがありますね。
 リアリズムで見せるからいいのではなく伝えられるものがいいのです。
 映画としての物語を作る時、京アニは今の時点では最強と言っていいでしょう。』

↑と、評した富野由悠季監督との理解力の違い。

『作画がいい』とは単なる見た目の美しさの話ではなくて映像で伝える能力。
伝わる人と伝わらない人といますが、木上氏の直弟子でエースであったという自称を覆す根拠に、
この山本氏の映像に対するアンテナの感度の低さが挙げられると思いますね。

古巣と「リズと青い鳥」の山田尚子監督への嫉妬と怨念が塒を巻いて露出しているからこその発言。
そもそも、山田尚子と高雄統子と吉岡忍の師匠だったという他の誰も肯定していない自慢話。
なお、山田監督の評判を下げようとするネット情報のソースは、山本氏の私怨の作り話ですね。

『弟子が出来ることを師匠を名乗るアンタがどうして出来ないのですか?』

山本氏が人間関係を捏造する虚言癖の持ち主である根拠になり得ると思います。

上記の「少女の下半身~」の下りと重ねて読むと、山本監督の心の内にある歪んだ女性観と、
人間としての本質がなんとなく察することが可能ですね。

また、湖川友謙氏への誹謗中傷と併せて考えると、人を貶めることで自分を偉く見せたい。
自分の責任を人になすりつけて回避したい。この二つが基本姿勢であり、

自覚があるのか無いのか楽して他人の功績に便乗して称賛が欲しいのが様々な言動の意図であり、
そのためには多くのスタッフの尽力の結果である「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒットメーカーを装ったり、
「らきすた」では武本監督の仕事を自分の手柄として盗む癖があるなど、
手を動かさずに嘘や作り話のために舌だけが滑らかに回るという、
プロの世界にあるまじき姿が見えてきますね。

口では偉そうにも、山田監督や新海監督など、あちこちに噛みつきまくっているものの、
肝心の山本氏自身の成果物であるアニメーションがこれでは説得力が乏しすぎます。

映像作品として一見綺麗に取り繕おうとしても隠しきれない山本氏の性癖と情念を目の当たりにして、
どう解釈するかで、作品に対する評価が決定すると思いました。

さて、「東北三部作」と称して、いわき市や立命館大学などあらゆるところで公開された作品。
視聴者の反応が上がってこないのは何故でしょうか?

抑揚に乏しいことがナチュラルであると思い込んでいる恋愛話に上記の性癖を盛り込んだアニメが、
作品の舞台となった福島となんの関係がある?というのが正直なところでしょう。

・山本氏では恒例の『臭いよねー』『ほんと、たまんないよねー』の台詞。
・かつての親会社である、ウルトラスーパーピクチャーズからの制裁で、
 自ら判子を押して権利を失った「Wake Up, Girls! 」のキャラのスターシステム出演。
・黒板に“どんぐり”と書かれている「涼宮ハルヒの憂鬱」の学園祭描写の丸写し。
 ハルヒと長門とキョンたちとみくると鶴屋さんのカメオ出演。
・「響け!ユーフォニアム」の北宇治高校の制服を着せて夏紀先輩っぽくした女生徒の姿。
・ジブリ映画の名作「耳をすませば」の自転車二人乗りシーンの反転トレス。

↑最近は版権関係で予め許可をとってないとそういうことも出来なくなってるのに、
自分だけは特別な存在のつもりなのでしょうね?

許諾を得た形跡がエンドクレジットに無く権利関係の意識が実にいい加減である上に、
私物化した過去に未練たらしくしがみつく愛憎の現れ。プロとしての矜持の欠落。

過去のいきさつを知っていると、『またかよ!』と呆れますし、
何も知らない人から見ても、違和感を植え付けるものでしょう。

視聴者に対する想像力がないですよね。アニメオタクはこの際無視するとしても、
東北の被災者のために作ったと綺麗事を口にしながら、
全く中身が伴っていない独りよがりな内容。
行政の補助金を当てにした震災ビジネスとの声も一部にありますし。

これで作品の地元の人達が喜んでいるのならともかく、
実際の反響が寂しいものとなっているあたり、救いようが無いアニメだと思いました。

あと、クライマックスの四重奏のシーンが凄いですよね。
演奏序盤に入り込む孔子像の止め絵で尺稼ぎ。
頑張って動かそうとしてると途中で楽譜のスクロールで尺稼ぎ。
何故かベートーヴェンの肖像画で尺稼ぎ。動かない観客で尺稼ぎ。
いわきの田園風景の静止画。ついに力尽きて演奏中も静止画になる。
演奏終盤で10秒間だけ再び動き出すも校舎の静止画でフィニッシュ。

2分半の演奏シーンで尺稼ぎをカットすれば残るのは、たったの50秒。
しかも挿入した部分が演出として全く機能していない、何一つ感慨とは無縁の手抜き。

「響け!ユーフォニアム」を超える歴史に残る演奏シーンにすると豪語しての、この結果。
そもそも楽器の音と演奏のアニメーションが同期してないのに、一体何と戦おうとしてたんだ?
との疑問。これを褒める人がいたら、きちんとした音楽アニメと比較したほうが良いと思います。
もっとも、ここは2年半で14分しか出来なかった山本監督にまかせていればいつまでも完成しないので、
プロデューサーで製作総指揮の和田浩司がイーストフィッシュスタジオに丸投げして、
作画カロリーの高い演奏パートを尺埋めした感がありますが。

しまいには告白シーン。「君の名は。」を意識したかのようなアオリフカン。
ボロクソにけなした「リズと青い鳥」の真似をしたくなったのか風に揺れまくる佐智の後ろ髪。
他人の作品にマウントをとろうとしながらも剽窃せずにはいられない。
そんな山本氏自身の性(さが)が集約されているように見えます。

52分間の作品で、エンドロールだけでも9分間を占める、TVアニメ2回分の限られた本編時間の中で、
テーマ性を持ってストーリーの終着点に向かって、
佐智の内面を深堀りして、その上で心の動きを丁寧に追うなどの描写が不十分。
説明しなくてもメタファーで想像させるという手法も用いられていないです。

視聴者に何を伝えたいのか?ふわっふわしたうえに性癖や剽窃など無駄な部分が多すぎですよね。

贅肉だらけの尺の使い方で、きちんと伝えないといけない情報の取捨選択もされていない。
業界で約20年間の履歴がある演出家の割にプロらしからぬ構成力の低さ。

例えば、ストーカー気質で他人の迷惑を省みることが出来ない祐介とアスペの傾向が見られる佐智。

言動を観察すれば人の思いを汲み取った行動が出来ずに自己中心的であることが分かる、
二人の精神的な歪みが仮に意図的な設定であり、そこにフォーカスして物語を作っていれば、
衝突しながらも恋愛を通じて自らの欠陥を見つめ直す精神的成長の青春の物語になっていたものの、
作者の山本氏が無自覚なのか、これを天然で純愛アニメとして作ったところが救いようが無いですね。

告白してから、わずか6秒後のキスシーンで一見はハッピーエンドっぽくしておきながらも、
精神的な問題を放置したままにくっついた二人が祐介のプライドの高さと佐智の不寛容さから、
些細なことから口喧嘩を繰り返して、破局を迎える可能性は低くないでしょう。

『僕らが作っている商業アニメでは作れない、インディペンデント故の作家性を強く感じましたよ。』

と、観に行った水島精二監督からプロの域に達していないと皮肉られるのも当たり前。

先述の「リズと青い鳥」に対する八つ当たりめいた山本氏による批評文は、
自分の趣味と性癖に走って伝えることを放棄した、正しくは山本監督自身のことであり、
冷静になって自分の人生を振り返ってみるべきではないか?と忠告したくなります。

失敗をするたびにアニメーターやプロデューサーやスポンサーなどに責任転嫁をして逃げ続けてきた、
山本氏の過去の言動や経歴と重ねて作品を視聴してみますと、
彼のビッグマウスに惑わされない本当の姿が見えてきます。

「薄暮」とは山本氏が今までやってきたことの集大成であり、『作品は嘘をつかない』の見本。

京アニに便乗と寄生をして作り上げた虚像が剥ぎ取られて誰も仕事を回さなくなった今、
これほど作り手の人格が浮き彫りになる参考資料作品は存在しないのではなかろうか?と思いました。


と言いたい放題ですが、実際に見た感想をこれにて終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

【以前に書いた感想ではない何か】

「Wake Up, Girls!」での数々の問題行動でアニメ業界全体から殆ど相手にされなくなった、
山●寛監督の劇場アニメです。静岡県にある和菓子屋がアニメで一山当てようとスポンサーになって、
自分たちで会社を立ち上げてフリーランスの人たちを集めて既存のアニメの団体を通さずに作られた、
インディーズ映画に近い性質の作品らしいです。

クラウドファンディングで2500万円近い出資を得て、和菓子屋資金や助成金と合わせて、
およそ1億円近くを費やしたそうです。

上映館が非常に少なくて実際に作品を観ていないので、
敢えて作品内容についての個人的な評価はしません。
youtubeにて公開されている、

6/21(金)公開 映画『薄暮』予告45秒VER

を視聴することで、人物のアニメーションや台詞のつながりなどを実際に目にして、
作品の完成度については概ねの想像が可能ではありますが。

さて、「薄暮」の制作のために創立して今は事実上解散で住所不明状態のトワイライトスタジオが、
背景美術を担当したベトナムのアニメ制作会社PEEC Animationからされた、
日本円にして33万円の賃金の支払い請求を7月に行ったのが未だに振り込まれていないと、
2019年11月18日に督促を再度されていますね。

補足の予備知識。
・ベトナム人の平均年収は30万円。
・PEEC Animation の下請け制作は「鬼滅の刃」「盾の勇者の成り上がり」など。

登記簿に記載されている小金井本町のスタジオは既に退去済みで電話もメールも通じない状況で、
不払いで困っているベトナムの会社の方がfacebookで会社のアカウントに督促の投稿をしたところ、
不都合な事実の隠蔽目的なのか、facebookにある会社のアカウントを削除してしまったという、
行動が途轍もなく無責任で甚だしく幼稚に見えてしまいますね。

ネット上のレビューを読む限り、恋愛作品なのに女性ファンが壊滅的に少なかったり、
全部を説明台詞でストーリーの処理をしてしまう演出の評価が芳しくない中、
視聴者がまっさきに褒めるポイントで唯一最大の長所である、
いわきの背景美術を手掛けた海外の会社に不払いで何ヶ月も放置はどうなんでしょうね?

制作費が1億円で33万円をケチるというのも意味不明ですね。
2年間かけて試写会で14分の未完成フィルムしか出せなかった仕事しない例の監督氏が、
自分の給料とか言ってアニメ制作費から真っ先に前払いで1000万円を抜いているのと、
合わせて見ると、この不義理は本当にスッキリしない話ですね。
(延期した公開日に間に合うようEDロールを抜いた残り30分の制作と試写会の14分の補完を、
イーストフィッシュスタジオに丸投げして1ヶ月で完成)
監督氏曰く、完成品を富川国際アニメーション映画祭の上映で初めて視聴したそうです。
(結果は落選)

支払いに対して不透明なままに舞台挨拶に頻繁に顔出しをしているなど、
金銭と名誉に対する欲望が強いこともあり、能力的にも道義的にも監督の域に達していませんね。

とりあえずは責任の所在を明らかにして、延滞料金を含めて適切な処理をしないと、
まずいんじゃないでしょうかね?
2019年内に33万円を三分割して払うという話が後に出ましたが、
ベトナムの会社が黙ったままであれば踏み倒されていたのは間違いなく、
実際に支払われる保証もありません。

薄暮のBDや生原画など出資者への返礼品も11月発送のはずが20年3月に延期。
本当に実施されるのかも危ぶまれています。

監督氏が全く信用されて無くて業界に居場所が無いというのは、
アニメ制作能力や対人関係の問題の他にも、
契約や金銭面での杜撰さが積み重なっているのではないか?と思ってしまいました。

投稿 : 2021/05/05
閲覧 : 3216
サンキュー:

53

ナルセッチ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

深く考えず素直に感じればありです

時間的な問題で福島の被災に関する掘り下げは出来なかったのでしょう。
本当にオーソドックスな高校生の恋愛ストーリーです。

加藤清四郎君は声優としては初心者という感じですが、
声の雰囲気などは合っていた気がします。

ヒロインを演じた松田さんは、
上手とまでは言えなくても気持ちが伝わる演技でした。

これで終わりなんだ
と感じるようなアッサリ感がありますが、
全体のバランスを考えれば悪くは無いかと思います。

お腹いっぱいになりたい方には物足りないと思います。

投稿 : 2021/04/17
閲覧 : 178
サンキュー:

4

ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

そんなファンタージは幻です。

約52分の映画です。
震災といわき市に惹かれて視聴しました。

{netabare}いわき市は、昔仕事でよく行った街です。
福島市に住んでいた私は、浜通り経由で通っていました。
あの沿線の人たちは・・・今でも心を痛めています。

震災直後、仕事で一週間ほど福島市に泊まりました。
旅館には浜通りから避難した家族も。
あの人たちは今どうしているんだろう。
節電により暗かった福島市の夜とともに、今でも時々思い出します。{/netabare}

この作品は、震災を前面に押し出していません。
しかし、震災によっても連綿と時は流れ、確実に日常は続いている。
人は過去の縛りを解き放ち、未来を見据え今を生きなければならない。
ということを暗に示していると感じました。

晩夏の薄暮のエメラルドグリーンの空。
美しい風景をバックに繋がる男女高校生の恋慕。
その想いを面映ゆくまた頼もしい気持ちで観ていました。

話は変わって、{netabare}主人公さっちんの友人たちがつわものです。
さっちんは、自分の世界を持つ静かな女の子です。
その対極はひいちゃん。
騒々しいの権化です。
それをなだめるリナ。
オタク気質ですが、包容力があり観察眼は鋭いです。

ひーちゃんとリナのテンポの良いやり取りが楽しい。
それに、今時の女子高生って感じが自然でした。
エンドロールを見て納得。
声優さんはあやねると天ちゃん。
そりゃ、巧いはずだ。
ついでに、先輩は花澤さん。
豪華さに得した気分です。

ラストは幻想的な星空と気恥ずかしい行為。
ピュアに当てられ、私はしばらく立ち直れませんでした。
ただし、薄暮には美しい星空は見えません。
だから、ファンタジーを観たってことにしておきましょう。{/netabare}

投稿 : 2021/03/26
閲覧 : 585
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12

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

東北三部作の締めとなる作品

宣伝などで震災復興などを前面に出したのがひとつのミスではないでしょうか、

東北地方を題材にした青春群像劇なれば、もうちょっと掘り下げは欲しい所かも知れないがそんなに悪くない。

背景美術は実写混在、予算的なものだろうか思いの外嫌味に見えず、ある種効果的な作品色として捉えられたかもしれない。

人物描写は今三歩、

声優は良かったと思う。

三部作其々は単体だとややアラも目立つ、しかしながら纏めると相乗感じ、ちょっと甘いが三本纏めての高評価。

時間と、お金と、監督にもう少しの忍耐力があれば、もっと名作と言われる作品になったでしょう。

投稿 : 2020/04/06
閲覧 : 470
サンキュー:

10

ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

★物語
・原案 : 山本 寛
・脚本 : 山本 寛
・監督 : 山本 寛

震災復興プロジェクト「東北三部作」の最終章を飾る作品。発表当初は
2018年の公開予定も紆余曲折?し、翌年6月に漸くお披露目となる。

作品のモチーフは仏の恋愛映画「緑の光線」。メリル氏の美しい背景画
と併せ、芸実的価値を目指したもの。しかし、その意欲は認めるものの
様々なシーンで詰めの甘さが目立ち、完成度は今ひとつ。しかもその後、
監督のオフィシャルブログでの心無い発言に多くの人が憤慨し、火に油
を注ぐ騒動が発生する。「プロジェクトは欺瞞」というコメントが出る
など、純粋な評価が難しくなってしまった残念な作品でもある。


★作画
・作画監督 : 近岡 直
・美術監督 : Merrill Macnaut

メリル・マックナウトさんが描く深みのある美しい背景はとても印象的。
ただキャラクターの彩色が淡白で、画が重なった時のマッチングやほぼ
動かない背景には非常に違和感がある。そして自慢の「弦楽四重奏」の
演奏シーンも悪くはないが、ライバル視されていた劇場アニメには到底
及ばないクオリティ。選曲も名曲ではあるが少々マニアック過ぎる。


★声優
・小山 佐智 : 桜田 ひより   ・リナ   : 雨宮 天
・雉子波 祐介: 加藤 清史郎   ・松本先輩 : 花澤 香菜
・ひいちゃん : 佐倉 綾音

声優は初挑戦というふたりの主人公。佐智役の桜田ひよりさんは拙いな
がらも若々しさや初々しさが感じられ、キャラの性格との違和感は無い。
ただ清史郎君の声質と演技は生理的に全く合わず、バス内での台詞など
は正直鳥肌が立った。基本俳優の起用に対しては必ずしも批判的では無
いが、今作品に於いては幾ら宣伝の為とは言え、やはり彼の起用は完全
なミスキャストだと言わざるを得ない。


★音楽
・主題歌:「とおく」 / AZUMA HITOMI
・音楽 : 鹿野 草平

ピアノやヴァイオリンなどクラシック主体の明るくて落ち着いた曲調の
劇伴は好印象。また主題歌の「とおく」。物語にしっかり同期した歌詞
とAZUMA HITOMIさんの歌声も魅力的。


★キャラ
・キャラクターデザイン : 近岡直

決して悪くはないキャラ設定とデザイン。ただあまりにも平凡過ぎて特
別な魅力を感じないそれは、盛り上がりの少ない物語と相まって視聴後
の余韻が殆んど残らない。福島の今を残そうとする祐介の志には共感す
るものもあったのだが・・・。



[感想]

薄暮に一瞬だけ現れる緑閃光を密に愛する音楽部所属の高校生小山佐智。
そして帰還困難区域からこの街に避難して来た雉子波祐介。未だ震災に
よって心に傷を負う福島県いわき市に住む若い二人の出会いを描く。

グリーンフラッシュ。水平線に太陽が沈む瞬間に発する緑の光線を目撃
すると自分と他人の心の中が見えるようになり、それを見た者には幸福
が訪れるのだという。仏のジュール・ヴェルヌの恋愛小説をモチーフに
した映画「緑の光線」。パリに住む独身女性を突如襲った孤独。次第に
興味索然となっていく彼女にやがて素敵な出逢いと奇跡の日没が訪れる。
悲しみの涙が希望の涙に変わる素晴らしいラストシーンの映画です。

そしてこの「薄暮」。作中で語られた「緑の光線」を被災地の高校生に
置き換え、若年層向けにアレンジされた一作となっています。

しかし「緑の光線」が持つヒロインがシリアスになっていく描写が薄く、
また作中の盛り上がりもあまり感じられなかった為に、本来感動するは
ずのラストシーンもそこまでには至りませんでした。約一時間足らずの
中編故に無難な演出での纏め方や拘りの緩さは中途半端感がこの上なく、
不自然な描写から来る違和感も手伝い何となくスッキリしない。

例えば、
{netabare}
①動いたり動かなかったりする雲。風をあまり感じない風景。
②キャラクターの作画も同様にチグハグな部分がある。
③作品には関係なく、全く不要に思えた下ネタやヒロインの裸寝シーン。
④奇妙に感じた祐介の行動・台詞と残念なCV。
⑤物語の深みを削ぐヒロインの長すぎるモノローグ。
⑥突然静止画を挟んだ文化祭での演奏シーン。
⑦古い小説をそのまま引用した様な古風な台詞を高校生が使う不自然さ。

など物語よりも先ず、次々と現れる突っ込み所に意識が割かれてしまう。
{/netabare}

とは言え、未だ癒えぬトラウマを抱えながら、この地域で明るく前向き
に生きようとする被災者の日常が感じられたのは唯一良かった点でした。

一言居士の性格故、とかく他の作品を非難したり過去をひけらかす発言
が多い山本寛監督。今作品を機に廃業を宣言され久しいですが、本当に
これでお辞めになるのでしょうか。まあ前科も在ることですし、再び引
退を撤回し何食わぬ顔でひょっこり表舞台に現れる気もします。(笑)

口は禍の門。今後活動される際には先ずは驕心を捨て、意匠をこらした
価値ある作品で我々を唸らして欲しいものです。




以上、拙い感想をお読み頂きありがとうございました。

投稿 : 2020/03/30
閲覧 : 375
サンキュー:

16

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

簡単には言い表せない福島の空模様と青春の心模様と

ショートアニメ『blossom』(岩手県 未見)
『Wake Up,Girls!』(宮城県仙台市 全作視聴済)
に続いて福島県いわき市を舞台した山本 寛監督・東北三部作の中編劇場アニメ。

形容し難い青春の諸々(幼少期の被災体験も含む)を抱えた
バイオリン少女と絵描き少年が夕暮れ時の福島の空の下、
互いの芸術表現も通じて曝した心を触れ合わせて交流を深めていく。


【物語 4.0点】
詩的で文芸的。かつ、こっぱずかしいくらい古風。
主人公少女のモノローグが主導するシンプルな構成。

同じ風景を共有した少女と少年の恋慕への発展など、
青春アニメはおろか、実写映画でも絶滅危惧種ではないかと思うほど、
失われた王道を驀進する。


被災地が舞台ではあるが、真実を暴いてやろう等という、ゴシップ趣味は希薄。
聖地巡礼効果も目論み、“明るい”福島を描いたという本作においては、
震災も少女と少年のトラウマも表面上は克服されたように見え、
被災者もこの世界に価値と居場所を再発見しようとする心の復興の段階。

帰還困難区域からの避難者であるという少年の過去についても
言葉でハッキリと説明されることはない。


バイオリンの音色や絵画、空模様に反映された心模様を読み解くことが求められる。
多分に感性に訴えかける内容。


【作画 4.0点】
人物作画はソースは潤沢じゃないけど、伝えたい心情を表情に込めることは出来ている。
けど、やっぱり十分な制作体制で作画安定度を高めた登場人物を見てみたかった……となる。
お馴染みの山本 寛監督&キャラクターデザイン・総作画監督・近岡 直氏のタッグ。

特筆すべきは美術監督に起用されたMerrill Macnaut氏。
仙台市出身の日本人でショートアニメ動画の自主制作経験もあり。
薄暮の空に色付いた“緑色の光線”まで描写した絵画的な背景美術は、
この世界にまだ残された価値を再認識させるのに十二分な説得力を持つ。


私はAmazonプライムで100円増しのHDレンタルで視聴しましたが、
それに見合うだけの物はありました。


【キャラ 4.0点】
ちゃんと生理も来る主人公のバイオリン少女。自身の置かれた青春の状況を、
かじった文学等も元にして自問自答するだけの感受性を持つ。

言葉じゃ吐き出せない諸々を少女は音楽で、少年は絵画で表現する。
こんな芸術的アウトプット回路を保有する高校一年生……。


記号化された萌えキャラやイケメンとは真逆のベクトルでの非実在感。
だが、だからこそ本作には現実では心に引っ掛かってなかなか出て来ない物を
具現化する夢があるのだと思います。


深夜アニメの形式美が恋しい方の拠り所として?
一応、主人公と同じ部活の女友達“ひいちゃん”(CV.佐藤 綾音さん)が、
非モテ・アイドルオタクの現実逃避等を放言してくれたりはしますw


【声優 3.5点】
ヒロイン役に桜田 ひよりさん。相手少年役に加藤 清史郎さん。
共に子役としてキャリアを積んできた俳優をメインに据え、
脇を“ちゃんとした声優”(しかもかなり豪華)で固める布陣。

メインの演技はたどたどしいが、確立された“ちゃんとした声優”の好演の中で、
初心な少年少女像を浮かび上がらせるという狙いは成就しており、
“ちゃんとした声優”以外のアニメは認めん
という風潮に対するカウンターにはなっている。

でも、やっぱりメインの演技は拙いけれども。


【音楽 4.5点】
バイオリン演奏が特徴の本作。
心が荒れ模様の時にはしっかり乱れる演奏シーンで青春の機微を好表現。
劇伴もバイオリンをふんだんに取り込み追随する。

ED主題歌はAZUMA HITOMIさんの「とおく」。ピアノベースの静謐なバラード。
“辛矢 凡"氏の歌詞世界で淋しさの中にも、しっかりと希望の花が咲く。


【感想】
夕焼け空をいつまでも眺めていたくなる……。
そんな、すっかり忘れ去ってしまっていた大切な気持ちを思い出させてくれる、
心地よい余韻が残る作品でした。

あとは心の損壊防止のためにも、
何でもいいから感性は磨いておいた方がよいとも思いました。

正気に戻りたい時に、心の片隅に確保して置きたい一作です。

投稿 : 2020/03/11
閲覧 : 683
サンキュー:

23

てっけん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

電話応対最悪

>登記簿に記載されている小金井本町のスタジオは既に退去済みで電話もメールも通じない状況で、

と書いた方がおりましたので補足。

まずトワイライトスタジオ社のホームページ上に記された電話番号は
ずっと留守電状態です。
いつか復活することを願って罵詈雑言を録音させておきました。

そしていわき商工会議所会報『ふろんてぃあ』に掲載された電話番号は
なかなかつながりませんが、いざ出ても第一声で
「トワイライトスタジオです」
「はい、××(個人名)です」
と名乗りはしません。

一方でガイナ社にかけたら実に丁寧な対応で感心しました。
・・・の割には今度いわきで合同イベントを行うというのは
どういうことか。

多くのアニメ作品と商品展開を成功させてきたガイナ社と同等の立場に立ち
『薄暮』に対し同じかそれ以上に思ってほしいというイベントに監督が登場するのが絶対に納得できません。

いわき市民の方々は反動としてガイナ社の応援に力を入れてください。

投稿 : 2020/01/17
閲覧 : 281
サンキュー:

1

ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

年頃??の高校生、淡い・・・何だろなぁ。

 一人学校から帰宅し田舎の景色、夕暮れなどに「ステキ」と黄昏る女子高生がいたです。名は、小山佐智です。
 その帰り道のバスで、気になる男子高校生を見る日々だったです。ある日いつものバス停に多々づんでいると、と話は進むのです。
 まぁ、これは出会い??からの交流、そして・・・といったらしい恋愛を描いていたです。
 あと、田舎の景色の背景などが、美しく描かれていたと思うです。

{netabare} 出会いというのか?バス停近くで、気になる男子高校生、雉子派波祐介の登場?は、偶然とは思えない気がしたです。あの下から、待ち構えていたとしか考えられなかったです。{/netabare}

 そんなこんなで、意気投合しての交流が始まるです。考えてみるとこの年頃の少年少女は、こいうことに期待するものなのかなぁです。近くにいるようで、どこか距離感があるようなです。
 佐智サイドで、部活に取り込む姿、部活仲間のトークを聞いてよくあるかもしれない光景と思ったです。

 思春期とでもいうのか?智佐特有の不安だか、もやもやした気持ちも後半近くまで描かれてたです。

 最後の最後この作品の名シーン?となる場面、祐介のぎこちなく、カッコ悪く勇気とでもいうのでしょうか?そんな祐介に答える、智佐は互いに純情?みたいで、年頃の高校生を見た気がするです。
 ここで、あの景色があったらもっと良かった気がしたけど、「これでいいのだ!」です。

{netabare} 追伸、WUGの追っかけの兄さんだか?おっさんだかが、佐智を挟んで座る姿は面白かったです。何故ここに!でしたです。{/netabare}

投稿 : 2019/07/04
閲覧 : 408
サンキュー:

10

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニヲタよ騙されるな!上品な青春映画に隠されたヲタク要素!!これぞヤマカンの集大成!!!

『blossom』、『Wake Up,Girls!』と東日本大震災以後、東北を舞台とした作品を手掛けてきたヤマカンこと山本寛監督の東北3部作と位置付けられたシリーズの3作目
福島県いわき市が舞台の52分の中篇映画です


福島県いわき市の女子高生、小山佐智は音楽部の所属
文化祭で披露される弦楽四重奏の発表に向けてヴァイオリンの練習に励む日々
高校の帰り道、通学路から少し外れた田園に囲まれた田舎道での夕刻時、佐智はよく一人になりたいと思ってその場所に訪れる
茜色の夕景と、深藍の夜空の間に生まれる緑色の空、薄暮を楽しむ為だ
ある日のこと、自分しかいないと思っていたいつもの帰り道のその場所で、いつも帰路のバスを共にする他校の男子生徒と遭遇する
男の子の名前は雉子波(きじなみ)祐介
美術部の彼は展覧会用の風景画を描いているのだという
その日から誰もいない田園風景で、2人の若者のだけの逢瀬が始まったのだ…


企画立ち上げ当初からクラウドファンディングや仮想通貨での制作費回収を謳い流石ヤマカン、挑戦的だなと思いました
が、出資者向け試写会で完成が大幅に遅れていることが露見すると、正直ちゃんと公開するのか?という不安の方が大きくなり、半信半疑のまま鑑賞することになったのがヤマカンを評価してる身でありつつもオイラの正直な気持ちでした


ですが実際に本編を観てみるとあまりにも完璧な作品だったので暫し唖然


そもそも近岡直さんキャラデザ総作監の美少女が画面一杯に出てくる、というだけで十分価値のある作品なのに!
原画には湖川友謙さんや平松禎史さんや足立慎吾さんや追崎史敏さんもいる!
もはや奇跡ですね、オイラの心配など吹き飛ばすクオリティです
確かに本来アニメートされるべきであろうカットが止め絵になっていた箇所が1,2点ほど観受けられましたが、演出上は気にならないレベルです
もし円盤化のチャンスがあればリテイクされる可能性もあります
今作を機にヤマカンはアニメ制作を廃業する、というのですが正直「辞める辞める詐欺」であって欲しいと思います
だってこれは“アニメが好きな人にしか作れない映画”だからです


ヤマカンは「アニヲタは観に来るな」と煽ったそうですが、とんでもない!
アニヲタであればあるほど気付くであろうヤマカンのアニメへの、そしてヤマカン自身の作品への愛、そんなものが今作には詰まっているのが受け取れます


まず一番の目玉となる弦楽四重奏の演奏シーンが特に目に付きますよね
ライブシーンというのはヤマカンの十八番ですからもちろん観応えがあります
それに文化祭のモブの中にはどこかで見覚えのあるキャラ達の面影がw
音楽部の部員は某アイドルとそっくりの姿も観受けれるw
主演には子役出身の桜田ひより、加藤清史郎を配して等身大の高校生感を出しつつも、脇を固める声優陣はヤマカン作品の常連ばかりw


アニメが好きでなければこんな映画は作れませんって
ヤマカンは今作の構想を20年前から温めていたそうですが、「いわきを舞台にアニメを」という話が持ち上がった時にふとこの構想を思い出したそうです
いわきは美しい、これは事実です
そしてその形を、アニメ映画という形に残す意味が、震災後だからこそあるのだと今作は教えてくれます
アニメ、というのは時として目で観る現実の風景以上の印象を視聴者に与えることが出来てしまいます
震災後の、今のいわきの姿を、いつか変わってしまうかもしれないこの風景を、アニメとして残すことの意義を感じ取れる映像だと思いましたね


そして何より、今作はどんな人が観ても良い話だ、と感じ取ることが出来る上品な青春映画に仕上がっています
これを最も評価したいと思います
当のいわきの人達が不快に感じるような作品であっては駄目ですからね
オイラも池袋シネリーブルで今作を観ましたが、びっくりするぐらい客がいないんですよw
今作はもっと評価されるべき!と強く感じました

投稿 : 2019/06/26
閲覧 : 800
サンキュー:

9

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/05/28
閲覧 : 11

た~ちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/03/06
閲覧 : 11

weoikoiji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/01/08
閲覧 : 36

終了 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2021/09/09
閲覧 : 140

まかろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/08/28
閲覧 : 46

貴方が私のマスターか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/08/14
閲覧 : 43

Hotate さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/06/13
閲覧 : 48

ムラマサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2021/05/24
閲覧 : 54

3mei さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/05/08
閲覧 : 51

ぱせり さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/05/05
閲覧 : 49

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/04/09
閲覧 : 45

lostman6 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/04/05
閲覧 : 49

ルカ☆ルカ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/03/28
閲覧 : 44

70366 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2021/03/25
閲覧 : 42
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薄暮のストーリー・あらすじ

福島の女子高生―ヴァイオリンだけが取り柄の、どこにでもいる少女。福島の男子高校生―絵を描くだけ、それで生きてきた。震災の影も彼に宿っているのだろう。とある田園風景の中で、そんな二人は出会った。ぎこちない邂逅、それがやがて「恋」へと発展する。それがどんな奇跡を生むかはわからない。儚く散るひとときの夢物語なのかもしれない。でも、彼らは出会った。この土地で、この場所で、世界の息吹を感じながら、彼らは人として生き、価値観を共有し、恋をする。(アニメ映画『薄暮』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2019年6月21日
制作会社
Twilight Studio
公式サイト
www.hakubo-movie.jp/
主題歌
AZUMA HITOMI『とおく』

声優・キャラクター

桜田ひより、加藤清史郎、下野紘、島本須美、福原香織、雨宮天、佐倉綾音、花澤香菜

スタッフ

原作:山本寛
監督:山本寛、脚本・音響監督:山本寛、キャラクターデザイン・総作画監督:近岡直、美術監督:Merrill Macnaut、色彩設計:村口冬仁、音響演出:山田陽、音楽:鹿野草平

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