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「映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)」

総合得点
80.0
感想・評価
583
棚に入れた
2214
ランキング
465
★★★★☆ 3.8 (583)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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☆の総合評価
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映像研には手を出すな!の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

SHIROBAKOと双璧なアニメ作りアニメの傑作

湯浅監督作品。超高校級の女子高生たちがアニメを作る、アニメ作りフェチアニメ。
※作品データベース様より転載

【良い点】
アニメーション制作の、設定や映像表現など諸々の拘りに焦点を当て、アニメの魅力やその情熱を描き抜いた作風。
アニメ制作アニメの先例「SHIROBAKO」が社会人の職業的なアニメ作り紹介なのに対し、本作はより趣味に凝る事が許される高校生の同人的な活動なので、差別化出来ている。
舞台設定が2050年という今と地続きながら未来とする事で、女子高生が超本格派の拘り抜いたアニメ制作という「フィクションの嘘」を違和感無く見せてくれる。
外部との折衝を金森氏という超人に集約する事で、気持ち良く趣味活動に邁進出来ていた。
生徒会の妨害などあっても金森氏が無敵なので不快要素も少ない。
主人公たちはどう見ても女子高生らしくはないが、どうせフィクションなら女の子にやらせる方が楽しいのは常道。

浅草氏が空想の翼をはためかせる際に現実から虚構にシームレスに移行していく演出。
(的外れかもだけど)「中二病でも恋がしたい」での中二病バトルごっこシーンと同様の構図。
ここでの浅草氏の設定への浪漫や拘りが凄まじく、空想を広げていく楽しさがビンビン伝わってくる。
設定に拘り抜く浅草氏による、設定と空想だけで物語が形になっていく過程がワクワクする。
後半のサイレントアニメのストーリー性の高さは素晴らしく、この物語なら是非アニメで見たいと思わせた。
アニメーションの、設定、世界観構築という側面からの魅力を存分に伝えてくれた。
湯浅監督得意の映像表現が素晴らしく、一気に浅草氏の空想に惹かれた。

キャラクターの強烈な個性。
職人肌の設定厨浅草氏もさることながら、超高校級のマネージメントの鬼な金森氏のインパクト大。
単に金にがめつい底の浅いキャラにあらず、「利益を創造する」こと自体に強烈な信念を持っている。
幼い頃の商売の天才的エピソードや、学生の商業活動を厭う生徒会など学校側と丁々発止とやり合うシーンは、アニメ制作パート以上に面白かった。
本作の面白味の多くは金森氏の存在が絶大。
生徒会長も底の浅い嫌われ役ではなく、大人社会の代弁者としての凄みがある点も見逃せない。

創作意欲に溢れた学園青春物としても活力がある魅力的な雰囲気。
ロボット研究会の情熱も負けてなかったり、その他モブたちもそれぞれ自分たちがやりたい事を全力で謳歌している。
また、現実の高校生よりも高い教養がある(先生の綽名が世界史の古代の王だったりなど)と思わしきシーン多く、教養の高い会話劇は見ていて面白い。
現実(少なくとも自分の)では無かった、創作世界の理想郷というか、(いいなぁ、こんな風に情熱的な学園活動したかったなぁ)と見せてくれるのは魅力だった。
(本作に限らず、現実よりも活気に溢れた学園という王道の一つ)

浅草氏のべらんめえ調が底の浅いキャラ付けにあらず、金森氏との掛け合い会話劇で軽妙な雰囲気を出せている。
例えば11話の、普通なら歩けない川の道を遡る際のやりとり
「落ちたら三途の川渡る」に対し「三途の川は横に渡るもの」(この時、彼女らは川を縦に歩いてる)という返しが小粋で良かった。
「六文銭は自分で用意しろ」など、いちいちセリフ回しがシャレていて印象に残った。
記憶に残る作品は会話劇が独特で魅力的な作品が多い。

【悪い点】
水崎氏が相対的にあまり目立ってない。

本作ではなく自分の問題として、自分は映像表現の拘り自体はあまり重視しないタイプなので、浅草氏と温度差感じる。
浅草氏が熱弁振るってる時の空想シーンが一番面白かった一方、完成品のサイレントアニメは微妙に思えてしまった。
声優の重要性を再認識。尺の問題で仕方が無いが、演劇部辺りも参加してほしかった。

各キャラの人格や立ち位置が最初から完成・固定されていて、キャラドラマという面では薄味。
(この点は大ヒットしたSHIROBAKOとは大きな格差ある)
ただし、あえてキャラドラマ面を削る事で純粋に設定厨の面白味を見せる作品かも知れない。

ラストが締まらない。こういうラストも本作らしさなのかもしれないけれど
やはりラストは分かり易い盛り上がりがほしかった。ラストがカタルシスに欠けるのは残念。
ここ含めてドラマ性・娯楽性に欠ける。そこはアニメ設定作りの魅力一本槍で押し切る、潔い作品ともいえる。

【総合評価】8~9点
SHIROBAKOとは方向性の異なるアニメ作りアニメの力作。
評価は「とても良い」

面白かったんだけど、良くも悪くもマニアックな作品なので、(アニメ好き層からの)評価が高い割には地味な作品止まりでもあり。
後年、地味な良作の一つ、として残っていきそう。

投稿 : 2023/07/16
閲覧 : 105
サンキュー:

7

ネタバレ

をれ、 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ワタシがアニメに求めていることとはおそらく違うけど、これはこれで楽しかったです。

原作、その他の実写などの派生作品の情報は何も知りません。

公式サイト;
http://eizouken-anime.com/

「ワタシがアニメに求めていることとはおそらく違うけど、これはこれで楽しかったです。」

本作を視て何故か、マンガのビルの描き方で、下から見上げた感を出すために、直線ではなく曲がったビルを描くというのを、小学校の時何かで見て、へぇー、ってなったのを思い出しました。でも、曲がったビルをマンガ内で見た経験は全くないのですがw。
 つまい、キャラの動き方やあるいは構図など、これまで全く気にかけていなかったことの説明が多々あり、アニメを視る上で役立つ情報が沢山あると思います。視聴後何か月も経ちもうほとんど何も覚えていませんがw。
 それはさて置き、ワタシがアニメ作品を視るときに比較的よく気にすることは、キャラの気持ちやお話の流れです。なので、背景の美しさやキャラの身に着けているものに時々見惚れたりしますが、ワタシ的にはあまり動画的な表現には気にしないです。そういった意味で未知のことを知る楽しさはありましたが、振り返って、本作の強調しているであろうことに関心が湧かないので、ワタシ的には、もし尋ねられても、本作を進めていいかどうかわかりません。

投稿 : 2022/08/19
閲覧 : 114
サンキュー:

2

ネタバレ

U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

C. ネタバレ注意 – 友達じゃなく、仲間

大童澄瞳の漫画 「スピリッツ」で」2016年9月号より連載中
制作: サイエンスSARU

高校の映像研が舞台の青春物語


<メモ>
評価が高かったので楽しみにしていましたが、私には刺さりませんでした。
複雑な芝浜の街並みと浅草氏の空想・妄想を映像に変換したシーンは面白かったですが
彼女たちが作ったアニメーションは何が言いたいのかよく分かりませんでした。

アニメの作り方や
アニメーターのこだわりと納期・予算の折り合いの難しさが分かりました。

田村さんは少年のCVが多いですよね
「吸死」のジョンも意外だったのですが、今回の癖のあるJK役はお見事でした。


<主要登場人物>
映像研究同好会
・浅草みどり:伊藤沙莉
・金森さやか:田村睦心
・水崎ツバメ:松岡美里

音響部
・百目鬼:花守ゆみり   アニメにSEを提供


<ストーリー>
高校に入学した浅草みどりは中学からの友人・金森を誘いアニメ研の上映会に行き、
黒服の男に追われている同じく新入生の水崎ツバメと出会う。
読者モデルとして有名な水崎ツバメはアニメーターを目指していたが俳優の両親から女優になるよう言われていてアニ研入部は許されないという。
それならば新規で部を作ろうと浅草・金森・水崎の3人で映像研を立ち上げる。

監督兼設定兼構成の浅草、人物作画担当の水崎、プロデューサーの金森の3人でのアニメーション制作が始まる。

まずは部への昇格と部費確保のため教師と生徒会に向け「予算審議委員会」で上映するためのアニメーションを作成。
→ 圧倒的映像で生徒会を黙らせ予算承認

次にロボット研究部から依頼を受け文化祭で上映するロボットアニメを制作
→ 資金調達のため水崎ツバメを宣伝に使い上映作品のDVD発売
  作品を観た水崎の両親は娘の夢に理解を示す

「コメットA」(自主制作の展示即売会)での販売を目指しアニメを作成
→ “芝浜UFO大戦” というタイトルで芝浜の街おこしも担うことで商店街から資金援助を受けるが、
そのことで学校から目をつけられてしまう


22.3.13

投稿 : 2022/08/05
閲覧 : 136
サンキュー:

7

ネタバレ

くろゆき* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

仕事に責任を持つために金を受け取るんだ

アニメ制作に携わる、「監督」「アニメーター」「プロデューサー」もっと言うと「音響」それぞれの動機、拘りポイントが良く表現されていて感心した。
まぁ「監督」には色々なタイプが居ると思うが、本作の浅草氏が「世界を描きたい」という動機を主軸にリアリティを積み上げていく過程が興味深かった(世界観が先でストーリーは妄想派生という組み立て方も)。
視聴していて「そうそう、「設定世界における」リアリティの追求とセルフツッコミ、虚構とのバランス取りできてない監督と作品は駄目だよね」と思わされた。
最近の若手監督はリアリティ無視が多すぎる。
また、デジタルに頼っても妥協し難いアニメーターの動への拘り、「アニメーション」の魅力、我の強い制作陣と各種マネージメントをまとめるプロデューサーの苦労、地道な活動で蓄えられた膨大なストックから選りすぐられる音響の縁の下の力持ち的活動。
JK自主制作と言いつつ、本格的かつ骨太なアニメ制作の物語で非常に楽しめた。
勿論、物語アニメとしての「ウソ」は山ほどあるが、そこをアニメの力で魅せ、捻じ伏せる力のある。
作品で、今時こんなアニメが作られたのは驚嘆すべきことだ。
作中アニメの動画作画彩色カロリーが高い。
自主製作作品その物もしっかり見せるよう作ってあり、「アニメーション」の質が非常に高い。
唯一の懸念点としてはアニメーションのコアな部分を穿つ内容が魅力という、ややマニアックな作品なので響かない視聴者も居るかもしれない。

投稿 : 2022/07/23
閲覧 : 122
サンキュー:

5

ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

作ること、それを表現することに特化したアニメ制作アニメ

あにこれでの評価が高いので視聴開始。

【作品概要】
高校1年3人の物語。
アニメに関して一長一短の力を持つ3人は
映像研を立ち上げ、協力してアニメーションの作成にかかります。

【作品に対する感想】
アニメーション作成事態を作品とした有名どころして
SHIROBAKOがありますが、あれとはかなり差別化した作品です。

SHIROBAKOの主人公宮森あおいが制作進行ということで、
アニメーション制作全体からの視点が多く
個々の要素は程々に、要素間を繋ぐ苦悩が描かれていました。

で、映像研の方はアニメの設定、映像化の部分を
かなり突っ込んで描いていて、マネジメントの部分は
少し裏方です。

この辺の「この作品ならではの特化」は
私は肯定的に捉えました。

1)物語
 リアリティ凄かったです。

 部活でありながら、学校外に出ることのリスクも
 きちんと描かれており、その辺もポイント高かったです。

2)作画
 正直キャラデザで視聴意欲が減衰してたところが大きく、
 「キャラが全然かわいくない」ってのは私的には
 マイナス(▲2点)なんですよ。
 
 ただリアリティの側面からすると、どこもかしこも
 イケメン&美女なんであり得ないわけで、
 そういう意味では
 「媚びてない」「そこを売ってるわけではない」
 という尖がった意思を感じました。

 また浅草と水崎の妄想…というかイマジネーションの世界の
 わくわく感、すごかったと思います。(+3.5点)
 
3)声優
 イマジネーションの世界で、浅草が矢継ぎ早に設定を
 固めていくシーンが凄く印象深いです。
 もはや固有結界といってもいいんではないでしょうか?

 妄想中のSEがキャストさんの声だったのが
 「私の考えた世界」ということを
 主張していて良かったと思います。

5)キャラ
 ➀浅草みどり
  妄想具現化に特化した主人公。
  現実と嘘を交えて魅力的な世界を
  作り上げる力は半端ないです。
  彼女の力だけではアニメーションは成り立ちませんが、
  彼女無くして良いアニメーションになりえません。
  
 ➁金森さやか
  一番えげつないキャラデザで、しかも金や納期など
  リアリティの面でピリッと作品を引き締めるキャラでした。
  芸術的側面だけを推すクリエイターを纏めて
  仕事として成り立たせる彼女は、他の二人と比べて
  異色ではあるんですけど、金森無くしては
  この作品成り立ちませんでした。

 ➂水崎ツバメ
  アニメーターとして成功したいと思っていますが、
  先にモデルとして成功しているため、
  自分のやりたいことと、世間から求められていることが
  大きくずれている娘。
  この娘が凄いのは、世間から求められていることを
  受け入れたうえで自分のやりたいことを
  やろうとしていること。大人です。


6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀金森 子供の頃のバイトの話
  この娘高校生としてはあまりにリアリストで
  金への執着が強いです。
  ともすれば「金に汚い」ともとられかねない
  ピーキーなキャラなんですけど、
  この話で見方が変わったんですよね。

  「いい物なら売れる」という時代はとっくの昔に
  終わっていて見せ方、売り方ひとつで
  「どんな素晴らしいものも認知すらされずに消えていく」
  ことを知ってるからあのドライな言い草なんですよね。
  
  このエピソード、作中で一番好きでした。

 ➁広告塔に使われた水崎ツバメ
  モノの動きを観察し、トレースして絵で表現することに
  特化した彼女。
  それを描くことに自分の価値を見出してる彼女ですが、
  世間はモデルとしての水崎の価値を評価しています。
  映像研のアニメを認知させる広告塔として
  利用されることを言われるシーンがありましたが、
  意外とあっさりと受け入れているところが
  大人だなと思いました。

{/netabare}

投稿 : 2022/07/16
閲覧 : 174
サンキュー:

29

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

クリエイターとは何か

これは「まだまだ改善の余地ばかりだ」と、主人公のセリフを借りてみます。
それは、最終12話がちょっと拍子抜けな感じがして残念だったからです。
11話までに感じた熱量がすっとしぼんでしまったようでした。
逆に11話までは、非常に面白いと思った作品でした。


この物語の主人公は、映像研の3人の女子高生です。
・浅草みどり…アニメは設定が命が信条の監督・設定・脚本・演出。
・金森さやか…利益を生み出すことが大好きな現実主義のプロデューサー。
・水崎ツバメ…キャラクターの動きを描くことが大好きなアニメーター。

この作品は、この3人を通じてクリエイターとは何かを教えてくれました。
なるほどと思ったところを登場人物のセリフからピックアップしてみます。

{netabare}
■「重ねてみますか」

第1話で、浅草の描いた背景画に水崎の描いたキャラを重ねるシーンのセリフです。
重ねるのは、二人の絵だけではなく、アイデアや想いです。
その想いが重なると次から次へとアイデアが湧いてきて、つながっていきます。
そして、3人の目の前には、壮大なイメージが広がっていきます。
クリエイターが新しいことを始めるときには、このわくわく感が大切です。


■「やってやろうじゃないの」

第3話で、水崎がプレゼン用の作画をやることに覚悟を決めるときのセリフです。
やはりアイデアや妄想ばかりだけではだめです。
想像しているだけでは、創造(クリエイティブ)にはなりません。
創造をするためには、覚悟を決めて行動を起こすのがクリエイターです。


■「こいつら予算なくてもやるタイプじゃん」

第4話で、プレゼン後に生徒会書記が3人を見て言ったセリフです。
普通の人は、予算が無いとできませんと言います。
そうかと言って、予算を付けてもそう言う人に限って、すごいことにはなりません。
逆に、すごいやつは、実は、予算がなくても裏でやれることはやっています。
そう言うやつに予算をつけるともっとすごいことをします。
しかし、ここにも罠があります。
裏で頑張っていても、予算がついた途端しがらみで身動きができないやつもいます。
予算の有無やしがらみに関係なく、熱意と行動があるやつが真のクリエイターです。


■「こいつらめんどくせー」

第5話で、ロボ研が3人に対して言ったセリフです。
普通の人にとってみれば、どちらでもいいことに悩むのがクリエイターです。
妥協とは、一度、悩んだ人が言うセリフです。
なにも悩まずにどちらかに決めるのは、妥協ではなく考えていないだけです。
クリエイターは、妥協はしてもいいですが、考えを放棄してはダメです。
クリエイターから考えることをとったら、それはクリエイターではなくなります。


■「あんたがだめだと思うから、この作品はダメなんですよ」

第6話で、金森が浅草に言ったセリフで、この後こう続けています。
「みんなはあんたが指示したものに近づけるために最善をつくしている
 それは、あんたがいいものを想像(創造)していると期待しているからです」
クリエイターは、自分を信じ、自分を貫いていくしかありません。
また、自分を貫くからには、すべての責任も自分にある、そんな覚悟が必要です。
他人は、自分を信じられない人に対し、信じてついていこうとは思いません。


■「だれも知らない店に客なんか来るわけないんだ」

第9話で、金森が漏らしたセリフです。
いい作品だからと言って、自然と客が観てくれるわけではないことの例えです。
クリエイターが一番無頓着かつ勘違いしているところをバシッと指摘しています。


■映像研には「手を出すな!」

第4話で、金森が「生徒会には手を出すな」と言っています。
この意味は、そのくらいやっかいだから「手を出すな」と言うことです。
これをそのままあてはめると、映像研はやっかいだから「手を出すな」となります。
確かに、個性もこだわりも強いし、詭弁やら屁理屈やらで、まくし立ててきます。
面倒くさいことこの上なく、映像研には手を出さないほうが無難です。

しかし、すごいことを実現し、実績が積みあがってくるとどうでしょうか?
一転して、その意味は「手を出すな!好きにやらせろ。」に変わってきます。
クリエイターとは、最後には、そのくらい人に認められないといけないのです。
また、そうなれば、好きなこともできるようになります。

ここまでくれば、クリエイターとしては、他人から見たらゴールなのでしょう。
しかし・・・、


■「純粋な評価欲しい。この悩みは一生抱えてくんだなぁ」

第12話の水崎のセリフです。
クリエイターにはゴールは無く、一生クリエイターなんだと悟っています。
クリエイターの終わりは、クリエイティブをやめたときだけです。
{/netabare}

■まとめ

この作品は、最後が少し残念でしたが、それを差し引いても面白い作品でした。
特にイマジネーションの広がりと言う抽象的なものの描き方がすばらしかったです。
現実世界からイメージ世界へシームレスにつなぐ演出は、なかなかのものでした。

投稿 : 2022/01/22
閲覧 : 270
サンキュー:

33

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

刺激を受けるがちょいちょい引っかかる笑

こちらも絵が苦手そうで敬遠してたけど視聴

高校生がアニメを作ろうという話
ってあらすじは今更いらんよね


○良い点
三人の三者三様の気持ちが熱い
アニメで妄想をどう分けるかを水彩のような描き方で表現してるのがおもしろい

opが単純にみえる→手抜き。。ではなく同じポーズを色違いにしたり表現を変えたり
アニメの場面を貼り合わせるのが従来だが、チェルミコのクセになる曲にあわせアート感がでており、
このアニメは君たちの感性にゆだねる
と言っているようでよい


△ひっかかるとこ
浅草と金森がジブリのふたりに見える
これ女子高生だからかっこいいかもだけど、記号としてのオタな太っちょ眼鏡な男やおじさんが浅草と同じ妄想して歩いたりしたらキモってならない?

ラストのアニメは説明無いとわからない。。説明あっても意味不明なとこが多々
って商店街を全面に出すのではなかったの?

外部のハプニングに金森氏、動じなさ過ぎ

こだわりがどうでもいいと思って白けるのがたまにある浅草氏とかロボット研究会の熱いやつとか

----
トータル
熱く夢追う人はがんばれ
ってメッセージの作品で
斬新な表現や実験が多々あって良かったと思う

でもなんか会社で起こるようなハプニングや出来事が大人の目線で考えられたりなのでちょっとそこが都度冷めたかなって感じでした

ま、でも安易に別世界行ったり、かわいい女の子出しとけば。。作品が多い中、骨太で恐ることなく実験しまくったいい作品でした

※※※
2週目視聴
ロボ研の部室で部長がおかしくなったのはさきに浅草がロボットについてフィクションとして文句つけるクセに、あとから現実的にはとかノンフィクション的に言い出したからなのね。
結局ロボットを歩かせるのは幻想だ!っと押井さん的な主張を一貫して言ってればいいのにね
。。ってまぁ、浅草氏は思い付いたアイディアを垂れ流し的に出すキャラか。。

金森さんはたまに質問してるけど、でもアニメに関しても詳しいのよね
金のやりくりは天才的でいいが、アニメに関してはわからないので浅草氏に聞く事で視聴者に説明。。だったらよかったかも

最後のアニメは気持ち新たに観てみたけどわからないなぁ
説明なしで感動する画力や爆発力もないし。
金森がいるからコミケで売ることが目標になってしまったけど、映像や映画を評価する大会にだす方がよかったのでは?これは先生方の意見の方が正解な気が。。

あらためて観て
アニメを作るという意味ではSHIROBAKOもあるけど
企画、原案とイチから映画を作る監督の作品かなと思いました。

あと文化祭がなんか泣けたなぁ
やりたい事をやりとげたんだぁ!っという純さがまぶしいなぁと。

投稿 : 2022/01/21
閲覧 : 247
サンキュー:

9

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

こいつらめんどくせ〜(褒め言葉)

アニメーションへの愛に溢れる作品でした。アニメ好きであればSHIROBAKOとセットで1度は見ておくべき作品かと思います。
SHIROBAKOの方はは制作現場でのあれやこれやだったりアニメーション制作における現場の裏側的なものを描いた傑作ですがこちらはアニメーションへのこだわりであったり作画や音響の知識といったより視聴者のニーズに沿った内容だったと思います。
とはいってもただただアニメ制作の豆知識だったり作っているところをたんたんと書いているだけでは名作たり得ませんから、そこに乗っかってくるストーリーが本作はめちゃくちゃに面白かったです。
世界観や舞台背景に強いこだわりを持ついわゆる設定厨である浅草氏と人物の細かな動きやコマ送りレベルの作画にこだわるまさにアニメーションを作りたいという水崎氏とアニメの知識はないもののプロデュース力はピカイチの金森氏がトリオを組んでアニメを作る。人物像からして面白いです。
ストーリー序盤は金森氏が非常にいい立ち位置となっていて浅草氏と水崎氏の会話から専門用語を拾っていちいち説明を求めてくれるので、アニメ知識がない私も会話について行くことが出来ました。
個人的に好きだったシーンはたくさんありすぎるのですが7話8話あたりは言わずもがなとして敢えてあげるなら2話でしょうか。
風車の回転を描くくだりで彼女たちが描こうとした理想の動きをワンカットで見せてくるのはさすが湯浅監督だなと思いました。
他にも浅草氏や水崎氏の妄想の中でのアニメーションを湯浅監督のイマジネーション溢れる映像で表現していてすごく面白かったです。
2期はあるのでしょうか?是非続きを見たいですし本作は湯浅監督以外ありえない作品だと思います。今後に期待したいです!

93/100点

投稿 : 2021/12/14
閲覧 : 200
サンキュー:

7

ネタバレ

福松 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

日曜夜のお楽しみができました・改題・配信で一気に観ました

第一話を視聴しました。
新しい部活を始めるワクワク感、入り組んでいる謎構造の高校、ファンキーな絵柄とそれにドはまりしてる声優陣(早くも評価★5)、差し挟まれる「未来少年コナン」の懐かしい映像、思い立ったら動かずにいられない不思議な魅力のキャラ達、と面白いに決まってる要素てんこ盛り!
これは毎週、見逃せません。

2021-1111追記
タイトルの通り、NHK+でゆっくり観ようと思ってたら配信がありましたので一気に観ました。右下の契約督促表示が邪魔でしたし。
アニメ制作に天才的な能力を発揮する浅草氏ですが、金森氏のマネージメント力が無いと作品が完成しない構図で、アニメ制作に疎い私にも品質と納期について少しは理解が深まりました。とてつもない労力と調整力が必要な事を、アニメを時間とともに消費している立場である私は忘れてはならないと思いました。
金森氏についてもですが、なんといっても私のツボに入ったのは浅草氏のキャラ造形でした。ちびまる子ちゃん風の見た目に照れ隠しの昭和な語り口、突飛な行動と空想力、さらに画力とそれにかけるすさまじいエネルギーは理想的な青春一直線キャラそのものです。四話後半、予算審議会で作品上映直前の啖呵と涙目は忘れられないシーンとなりました。
水崎氏は超美少女キャラのはずですが、他の二人とのバランスで普通な感じの見た目でした。芸能活動と両立するって超人的ですね。ゆくゆくはしょこたんみたいな立ち位置になるのかな。
声優オーディションの件もそうですが、残念だったのは最後の作品が分かりにくかった事でしょうか。ライト勢である私には初見だったら理解できなかったと思います。ネットで分析が盛り上がったんじゃないかなぁと空想します。
SHIROBAKOは観てて辛く、挫折した私には得難い作品となりました。

投稿 : 2021/12/07
閲覧 : 267
サンキュー:

19

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

JKトリオが部を作って、アニメを自主制作するおはなし

公式のINTRODUCTION
{netabare}
高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……
「月刊!スピリッツ」(小学館)にて好評連載中の大童澄瞳のデビュー作に、国内外で数々の賞を獲得してきた湯浅政明監督&スタジオ「サイエンスSARU」が手を出した!!キャラクターデザインは浅野直之、音楽はオオルタイチが加わり“最強の世界”を“最強のスタッフ”でつくり上げる。全世界が注目する電撃3人娘の冒険譚が始まる!!!!
{/netabare}

スタッフ{netabare}
原作:大童澄瞳(小学館「月刊!スピリッツ」連載中)
監督・シリーズ構成:湯浅政明
キャラクターデザイン:浅野直之
音楽:オオルタイチ
アニメーション制作:サイエンスSARU
{/netabare}
キャスト{netabare}
浅草みどり:伊藤沙莉
金森さやか:田村睦心
水崎ツバメ:松岡美里
百目鬼:花守ゆみり
さかき・ソワンデ:小松未可子
藤本先生:井上和彦
ロボ研 小野:小野友樹
ロボ研 小林:小林裕介
ロボ研 後藤:綿貫竜之介
ロボ研 関:井澤詩織
{/netabare}


1話ずつの感想


EPISODE.01 最強の世界!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
アニメーション制作を夢見る高校1年生の浅草みどりは、同級生の金森さやかとともにアニメ研の上映会へ。 すると、カリスマ読者モデルとして知られる水崎ツバメが声をかけてきた。水崎はなぜか黒ずくめの男たちに追われていた。 浅草と金森は彼女を助け、男たちを撃退する。そして2人は水崎が意外にもアニメーター志望であることを知る。 浅草と水崎の即興での合作が始まり、意気投合した3人の前に「最強の世界」が広がっていく…。
{/netabare}
感想
{netabare}
前半はみどりが「未来少年コナン」を見てアニメを作りたいって思う話で
中盤はJKになったみどりとさやかがMIBにおいかけられるツバメを助けて
後半、みどりとツバメがおたがいの絵を見せあって世界観をふくらませて
3人が想像のアニメの世界の中で冒険して、仲よくなるの^^



おはなしはテンポがよくって
夢のつまったトリガーのアニメっぽい感じかな。。
アニメ映画とかにありそうで楽しかった♪

でも何だか、ちょっとムリに男子キャラを女子にしたみたいかな?
ツバメなんか読モなのに、下着で外に出ちゃうし。。


絵もよく動いてて、背景のデザインとかもこまかいけど
キャラデザは萌え絵じゃなくって
デフォルメのきいた男子だか女子だかよく分からない絵だから
キャラで見るのやめる人もいそう。。
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.02 映像研、爆誕す!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
水崎がアニメ研究部に入ることを親に禁じられているので、浅草・金森とともにアニメを作るには新しい部活を立ち上げるしかない。3人は職員室に向かう。既にアニ研があるため、アニメを作ると言うわけにはいかない。実写系の部活が教師に求められていることを知った金森は、映像部を名乗ってアニメを作ることを発案する。こうして「映像研」が爆誕した!そして3人がかつてアニ研が使っていたという倉庫を開けると、そこは宝の山?
{/netabare}
感想
{netabare}
ツバメがアニ研を禁じられてるから
実写を作る、って言いわけで、新しく映像研を作ることになって
部室と道具をGET♪

でも、お金を手に入れるために
みどりが部室の2階から落ちた映像を売りに出したら売れちゃって
その事故映像がTVで流れて、大丈夫!?
ってゆうおはなしかな^^


あんな大きな倉庫みたいな部室と
倉庫いっぱいのアニメを作るための机とか道具。。

すごい夢いっぱい☆

さっそく、風力発電のプロペラを回すアニメを画いてたみたいだったけど
アニメって、たった3人で、そんなに早くかけるのかな?

それとも、動いたのはプロペラだけで、乗り物はただの夢だったのかな?



ツバメはアニメ作ったことがあるみたいに、何でも知ってるけど
本とか読んだだけで、そんなにくわしくなれるのかな?


あと、思ったけど、このアニメを作るところを、撮っておいて
それでドキュメンタリーにしたら、アニメも実写もどっちもできて
実写の活動実績になるから、部費も出してもらえるんじゃないのかな☆彡


それと、映像研がすぐ部にしてもらえたり
こんな道具とかそろってる学校って
もしかして美術の専門高校とかなのかな?
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.03 実績を打ち立てろ!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
映像研の3人に与えられた部室は、天井も壁も穴だらけの古い倉庫。まずは修理が必要である。作業を始めた浅草は宇宙船の修復訓練を夢想する。そして3人は、「予算審議委員会」でアニメを発表し、活動をアピールすることを決める。浅草のスケッチから舞台設定を選んで構想を練る3人。浅草は戦車を発案。水崎は作画の“演技”にこだわる。そして、プロデューサー的視点を持つ金森は、浅草と水崎の創作へのエネルギーを焚きつける。
{/netabare}
感想
{netabare}
前半は、倉庫の修理のおはなしで
みどりとツバメが、宇宙船のカベを修理するアニメの夢を見ながら
天井の修理していくんだけど、トイレに行きたくなっちゃって
下りようってしたらハシゴがはずれてて下りられなくなって

下のさやかを呼ぶんだけど、さやかも戸をふさいじゃってて開けれなくって
しょうがないからカベの鉄板をぶち破ったら
2人はトイを伝わって下りてた。。ってゆうおはなし^^


にゃんは高所恐怖症だから思ったけど
天井にあれだけ穴が開いてるって、物が落ちてきたからってゆうのはあるけど
板がサビたりして、もろくなってるからじゃない?って。。

ちゃんとプロの人にたのんで足場とか組んでもらわないと
そんなうすい板の天井に、人がのっかったら
この前のみどりみたく落ちて、こんどは大ケガしちゃうと思う。。

夢の中で、操縦してた飛行機が落ちても死なないけど
ヘルメットもなしであの高さからおちたら、って考えただけでこわいから。。

とくに今回のおはなしは
宇宙船の塗装がどうのこうのとか
細かいこと言いすぎて、あんまりおもしろくなかった。。

修理道具とか板のサビてる様子とかは、ちゃんと作画してあるんだから
屋根に上るとき、ヘルメットとかロープをつけるとか
歩くときは横の柱があるところをそっと歩く、とかってゆう
リアルな人の動きにもこだわってほしかった☆彡

アニメだから、そんな細かいことはどうでもいいってゆうんだったら
見てる人たちだってきっと"作ってる人たちのこだわりなんかどうでもいい"
って思ってるんじゃないかな?(ってきつくなっちゃってごめんなさい。。)



後半は予算委員会までの50日くらいで、ハデなアニメ作って上映して
予算をいっぱいもらおうって、3人で作品の相談するおはなし。。


メカにこだわるみどりと人の動きにこだわるツバメ。。
そんな両方やってたら、いつまでたっても完成しない、って
2人のヤル気を下げないように、もっといい案を出させるさやか、ってゆう
3人のキャラがうまく回ってて、いい回だったと思う。。
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.04 そのマチェットを強く握れ!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
予算審議委員会で上映する短編アニメに取り組む映像研の3人。しかし作業はなかなか進まない。風景だけのカットを入れたり見せ場を繰り返すなど、浅草がテクニックを駆使するが、動きの細部にこだわる水崎の作画の遅れは取り戻せない。金森は、脅したりすかしたりして妥協案を提示する。そして迎えた委員会の日。相手となる生徒会は、「生徒会には手を出すな」と言われるやっかいな存在だ。映像研は予算を獲得することができるか?
{/netabare}
感想
{netabare}
予算審議会が近づいて、いろいろやりたいみどりとツバメだけど
そんな時間がなくって、手抜きするしかなくなって。。ってゆうおはなし

アニメのテ抜きのテクニックのおはなしだからクニック?
苦肉の作で乗り切るってゆう^^
どこでそんな技おぼえたの?って聞きたいくらいw

あと、机の下で寝るとかも^^


いろんな方法が出てきて
自分でアニメを作ってみたい、ってゆう人には役に立ちそう^^


なにげにさやかがいろいろ動いてくれてて
主役みたいでかっこよかった^^



生徒会が反対してたのに
映像を見たら予算が出ることになった、ってゆうのはふつうだったけど
生徒たちを警備部の人たちが押さえてるところがおかしかったw

警備部ってふだんどんな活動してるの^^
それと、炭水化物革命研とかもw


あと、どこから妄想かよく分からないところは、ニガテかも。。
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.05 鉄巨人あらわる!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
浅草は校内であやしげなロボットの痕跡を発見し、追跡を開始する。たどり着いた先にいたのは何やらロボットの作動テストが行う生徒たち。その中にはなぜか金森と水崎の姿もあった。実はロボット研究部から、文化祭で上映するロボットアニメを作ってほしいという依頼があったのだという。テーマは「ロボット対怪獣」だ。映像研の3人は作品のヒントを探して、芝浜高校創立前から存在するという不気味な地下空間にロケハンに向かう。
{/netabare}
感想
{netabare}
ロボット研からたのまれて、ロボットアニメを作ることになるんだけど
映像研が考えるロボットと、ロボ研が考えるロボットはちがってるみたい。。

それで対立しそうになったんだけど
みどりとツバメのこだわりを聞いた部長が共感して
夢のロボットを考える。。てゆうおはなし^^



にゃんは、ロボットアニメってニガテだから
あんまりロボットのデザインとかに関心ないせいかな?
ロボ研が言ってる、リアルなロボットと
映像研のリアルなロボットの違いってよく分からなくって。。

リアルだったら、人型巨大ロボットなんか作らない
ってゆうのが本当みたい。。

だったら、ロボ研が作りたいって思ってるロボットを
今までアニメで見てきて、こんなロボが作りたい
って思ったロボに近いロボのデザインにしたらいいんじゃない?

それくらいしか思いつかないけど
それより今回、学校の地下の探検に行って、床がくずれたけど
アレってこの前、天井修理したときのほうがよっぽどあぶないよね^^

ロボ研の部長さんのこだわるところもよく分からなかったけど
このアニメの監督さんのこだわるところも、よく分からないみたい^^
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.06 前作より進歩するべし!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
映像研は文化祭で上映するロボットアニメに取りかかった。今回は美術部が背景を手伝ってくれるという。オープニング曲はロボ研が作曲、劇中の音楽は水崎が知り合いに頼むことになった。金森は、効率改善のためにPCの調達に動く。関わる人数が増えていくことに不安を感じる浅草。さらに、音響部についての情報がもたらされ、金森と浅草は部室を訪ねる。そこには膨大な量の音源を守る音響部唯一の部員、百目鬼(どうめき)がいた。
{/netabare}
感想
{netabare}
音響部をおどして仲間にして、美術部に背景をまかせるおはなしかな^^

もしかして、このおはなしのメインヒロインはさやかじゃない?
って思うくらい活躍してたけど、ヤクザって言われちゃうのかわいそう。。

みどりもツバメも、何にも言わなかったら好きなことだけしてそうだから
映像研にさやかがいなかったら、すぐ廃部だったかも^^



音響部の百目鬼クン?は音のオタク、ってゆう感じで
映像研とうまくやっていけそう^^

いろんなところを走るシーンで
ぜんぶ「たっ、たっ、た。。」だとやっぱり気もち悪いかも^^

草の上だったら「ザっ、ザっ。。」とかって
頭の中でなってる音と違うからかも?



コンテで、カニを食べるシーンは、ほんとにおいしそう。。
カニ型怪獣たおしたら、思わず食べたくなるかも^^

ただ、ラーメンはあんまりおいしそうに見えなかったw


ロボットをリアルっぽくしようってすると、ロボットじゃなくなっちゃう
ってゆうのは、先週も言ってたみたい。。

でも、そう言ったら、SFっぽいメカとかだって
やっぱりちがうんじゃないのかな?って

今ある、ヘリコプターとか、飛行機になっちゃいそう。。

ウジウジ悩むみどりが言ってることは、あんまりよく分からなかったけど
さやかの言った

「文化祭に間に合うなら内容についてとやかく言わないけど
出来上がったものが面白くなかったら責任はぜんぶお前にある!
なぜならあんたは監督だから」

ってゆうのは、おもしろくないアニメを作った監督さんに聞いてほしい^^

でも、プロって、大人の事情とかあって
とつぜん、放送2,3か月前になって、前の企画が打ち切られて
ヒマそうな人のところに、ムチャ振りされたりすることもあるみたいだから
ぜんぶが監督さんのせいじゃないのかも^^
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.07 私は私を救うんだ!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
文化祭で上映するロボットアニメの制作は思うように進まずにいた。作画が遅れているため、音響部の百目鬼(どうめき)は効果音の準備が始められない。声優を買って出たロボ研の小野たちの演技は暴走するに違いなく不安だらけ。さらに、美術部の芸術が爆発して背景の描き直しが大量に発生、浅草が肩代わりすることになる。そんな状況に金森はイラ立つが、作画担当の水崎は、動きの表現へのこだわりを絶対にゆずろうとはしなかった。
{/netabare}
感想
{netabare}
今回はツバメの、動きのこだわりのおはなしだったみたい^^

小学生のころだと思うけど
おばあちゃんのお茶の捨て方がかっこよくって
マネしたところからはじまって

劇団で立ち方、歩き方を教わるたびに
こまかいところを観察してスケッチして
リハビリで絵を見せながら説明して
おばあさんが立てたところで、なみだが出そうになっちゃった^^


それから、みんなのこだわりをすり合わせるところ。。

アニメが分かってない人が、背景に動くものを描きこんじゃったりしたり
朝日の方角が逆になってたりするのは分かるけど
ツバメのこだわりはこまかすぎて、にゃんにもよく分からないけど
その動きが見たい自分をすくうために、アニメを作る
ってゆう気もちは分かるみたい^^



それから、今回は人の作画がくずれてたみたい。。
おふろのときのさやかなんか、ずっと歯をとじたまま話をしてて
そうゆうキャラだっけ?って思って見てたら
そのあとの部のシーンでは、ちゃんと歯もあけて話してたから
やっぱり、手抜きだったみたい。。


ちゃんと見てる人がいるから、作画監督さんがんばってね☆彡
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.08 大芝浜祭!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
文化祭当日の朝、現場で生アテレコになってしまったものの、ロボットアニメはなんとかできあがった。浅草と百目鬼(どうめき)はギリギリまで音楽と効果音の調整を続ける。金森は、カリスマ読者モデルとしての水崎の知名度を利用して集客を図る。しかし、小野たちロボット研究部も協力した大がかりな宣伝は、生徒会に目をつけられてしまう。さらに、水崎がアニメを作っていることを隠している両親が、急に文化祭を見に来ることに!
{/netabare}
感想
{netabare}
文化祭で、映像研のアニメ発表♪

でも、ツバメがナイショでアニメを作ったことが、親にバレちゃった。。
ってゆうおはなし^^


音って大事だとは思ってたけど
ちょっとずらしたり
BGMをわざと入れなかったりするのも大事なんだって、よく分かった^^


ロケット発射とか
違法な宣伝で生徒会がロボット部と追いかけっこをするシーンが
スムーズに流れてたし、よく動いてて楽しかった♪


ツバメのひと言あいさつから
いきなり大画面で映像がはじまるところがかっこよかった☆
会場にいたら、引きこまれそう^^


反対してたはずのお父さんたちがアニメを見ながら話しをして
動きからツバメの演技を感じとって
反対する気がなくなったところはちょっとジーンってしちゃった。。


それと、ハシの持ち方からツバメだって分かるところはおかしかったw

にゃんも小学生のとき、ああゆう持ち方だったけど
からかわれたらイヤだなって思って、自分で直したから分かるけど
人の動きとか気にするツバメが
持ち方に気がつかなかった、ってゆうのはちょっと変かも?


アニメのビデオのプロモーションのしかたとか、さやかっぽくって
あんまり表には出ないけど、ちゃんと仕事をしてるのが分かってよかった^^


全体的に力が入ってて、今までで1番よかったと思う◎
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.09 コメットAを目指せ!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
文化祭での上映会は大成功に終わり、DVDの予約も多数取ることができた。しかし、ロボットアニメの権利はクライアントであるロボット研究部にあり、映像研に残された利益はごくわずかだった。金森は、学校の外に出て、自主制作物展示即売会「コメットA」に参加することを提案する。どこに行こうというのか、金森は浅草と水崎を連れて出かける。芝浜の市街地には、複雑な町並みや入り組んだ水路、地下商店街などが広がっていた。
{/netabare}
感想
{netabare}
今回はさやかのおはなしで、妄想ってゆうか、さやかの回想が多かったかも?

もともとビジネスセンスがあったさやかだったけど
小学校のころ、手伝ってた親戚の雑貨屋さんがつぶれて
商売は宣伝が大事だって分かったみたい^^


それで、学祭のアニメは大成功だったけど、自分たちが製作じゃなかったから
あんまりもうからなくって、さやかはこんど
自主制作物展示即売会「コメットA」に参加するために
芝浜のご当地アニメ作りを決めるの^^


芝浜高校もゴチャゴチャしておもしろそうだけど
芝浜の街も川とか、川だった道とか、地下街まであって、おもしろそう♪
「恋する小惑星」のイノに教えてあげたら、よろこびそう^^

聖地を検索してみたけど、分からなかったけど
実写版のロケは関東のあちこちでやったみたいだから
リアルの聖地はないのかも?

それにあんなに水にかこまれた街だったら
洪水とかになったら、地下街が水びたしで大変そう。。


あとは、みどりが、演出ってゆうのをイシキしたみたい。。

今までテキトーによさげに書いてたコンテだったけど
ちゃんとした演出になってたから、才能あるみたい^^

光線が出たのを書かないで、まわりの物とかを動かすことで
光線が出たってゆうのを分からせたりするのが演出ってゆうみたい。。

みどりも気がつかなかったことに気がついたさやかもすごいよね☆
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.10 独自世界の対立!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
浅草は描きたいシーンを次々と発案、水崎はSNSを使って音楽を発注、金森は声優オーディションを企画――。自主制作物展示即売会「コメットA」での新作発表に向けて映像研は猛進する。しかしその活動は教師たちに目をつけられることとなった。学校外で活動するリスクについて生徒会のさかきにも忠告されるが、3人はアニメ制作を続行。ストーリーを決めるためのヒントを求めて、音響部・百目鬼(どうめき)の音ロケに同行する。
{/netabare}
感想
{netabare}
前半は
映像研が学校と生徒会から、お金もうけにダメ出しされちゃうおはなし。。


にゃんは、お金もうけって大事だと思う。。

たぶんダメなのって、個人的にもうけることで
部活がもうけて、それで活動するんだったら
運動部が遠征費用とか集めたりするのに
バザーしたりするのと、変わらないんじゃないかな?

売るのが自分たちの手作りの物(調理部だったら手作りクッキーとか)だったら
部員のヤル気も出るって思う☆彡


後半は、百目鬼の音ロケに同行した映像部のおはなしで
時計塔とかを見ながら、みどりの頭の中に、アイデアが次つぎ浮かぶんだけど
今やってるおはなしの絵コンテのことだけ考えろ!って
さやかにダメ出しされながら、止まらない、ってゆうおはなし^^


この街って、ほんとにおもしろいよね^^
今までぜんぜん気がつかなかった、ってゆうのがおかしいみたい。。


あと、生徒会の書記?のソワンデってゆう子が
ちょっと目立ってたみたいだけど、どんなキャラなのかな?
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.11 それぞれの存在!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
コメットAでの新作アニメ発表のためにDVDの複製を依頼していた写本筆写研究部が、不正取引で警備部に摘発された。教頭や生徒会による映像研への監視の目は厳しくなるばかりだ。しかし金森は、学校側が活動を認めざるを得ない状況に持ち込む策をめぐらせていた。一方、浅草はなかなか決めきれずにいた「敵」の設定とストーリーの核心についにたどり着く。コンテができあがったことで水崎の作画も順調に進み、完成が見えてきた。
{/netabare}
感想
{netabare}
今回のおはなしは、設定新作アニメのテーマと設定が決まるおはなしと
それにからめて、みどりとさやかががはじめて仲よくなったときのこと
だったみたい。。

あと、学校側と警備部が敵対する、みたいなおはなしがあって
はじめはモメたけど、さやかの作戦で
学校ぐるみで街おこしに協力してる、ってゆう情報を拡散させたから
はじめだけだった。。



おはなしはさやかとみどりの関係だったけど
友だちじゃなくって仲間、ってゆうのは
仲間になることを、友好的な関係になる、とかってゆうから
どっちもそんなに変わらないんじゃないのかな?って^^


それからいつものことだけど、街の中がおもしろいよね^^

用水路だと思ったら、道路が水没してたとか
そんなにたくさんのお水はどこから来てるかフシギw

あと、職員室がプールの中ってゆうのもおかしいw

でも、それくらいだったらいいんだけど、
はじめの警備部がやりすぎだと思う。。

テーザー銃って、心臓が悪い人は死んじゃったり
金属の物を見につけてたりするとやけどしたりするみたいだから
学校で金銭授受禁止するとかより、生徒がやっちゃダメなことだと思う。。


この前屋根に命づなつけないで登ったりもそうだったけど
このおはなしって、リアルと妄想がごっちゃになってるのに
変にお金のことはダメとかってゆうから
何かリアルっぽくなくって、あんまり好きになれないみたい。。
{/netabare}
{/netabare}
EPISODE.12 芝浜UFO大戦!
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
SNSで依頼した音楽が映像とまったく合わないという問題が発生した。大団円のダンスシーンはデモ音源に合わせて水崎が作画しており、曲が変わると成立しない。浅草が出したのは、ダンスをやめてラストを作り直すという大胆な結論だった。実は終わり方にずっと疑問を感じていたが、変更すれば納得できるものになるという浅草の説明を、金森と水崎は受け入れる。そしてコメットA当日。映像研の新作アニメ「芝浜UFO大戦」とは?
{/netabare}
感想
{netabare}
はじめは音が合わないってゆうツバメのクレームで
終りのほうを変えることになったってゆうおはなしで
まん中あたりはコメットAの会場のようす
コメットAって、同人誌即売会みたいなものみたい。。


とちゅうからツバメとみどりが紙袋をかぶって売り子。。
ってゆうのは、有名人のツバメがかくれて活動してる
ってゆうのを見せて、興味を持ってもらおうってするパフォーマンス?

どうせだったら、はじめっからやったらよかったんじゃないかな?って思った



後半10分は
ディスクが完売して帰ってから、3人で通しで見てみるおはなし

そのアニメはよく分からないUFOバトルで
陸と水中人のバトルってゆうのは
今までのおはなしに設定が出てきてたから分かるんだけど

鐘が鳴るとビルが大きくなるのはわけが分からないし、終わりのほうも
どうして街の家をこわしてビルみたいなのが出てきたか分からなくって
ナゾのまま、見ながらみどりが寝ちゃってたところで終わっちゃったし
さいごもどこまで現実かよく分からないまま終わった。。


みどりも自分のアニメなのに途中で寝てたけど
にゃんも1回寝ちゃいそうになって、ちょっとお昼寝してからまた見たけど
映像はよく動いててそんなに悪くないんだけど、イミフだし
うるさいだけみたいな気がした。。

このアニメを見るんだったら
都市伝説になった「なつみSTEP!」を見た方がいいと思う^^
{/netabare}
{/netabare}


見おわって。。


アニメ制作の部活モノのおはなしで
主人公3人はJKなんだけど、キャラは萌え絵じゃないのはめずらしいかも。。

おはなしは
アニメとかお金もうけに関心がある主人公たち3人が部活を作って
まわりの人たちを巻きこんで、アニメを作ってくってゆう
日常アニメに近い感じなのかな?

アニメのメカとか、動きとかに関心がある主人公たちが
いつの間にか妄想の世界に入ってくってゆうのはおもしろかったし
学校とか街のようすが、ゴチャゴチャして変わってておもしろかった^^


作画は、動くところはよく動いてて
メカの動きとかにもこだわってる、ってゆうのは伝わってくるんだけど
メインキャラがむき出しの歯を閉じたまま話したりするところとか
ときどき手を抜いてたりしたから☆は4つ

主人公たちが、穴があちこち開いてる2階建ての倉庫の屋根の上に
ロープもヘルメットもなしで登ったりして
こだわってるところ以外は意外とテキトーだったみたい。。


アニメのメカとか動きに関心がある人とか
アニメ作りを知りたいってゆう人にはおすすめかも^^





投稿 : 2021/10/15
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サンキュー:

86

ネタバレ

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言われなくても映像研には手を出さない(性的な意味で)

見た目で切るような輩はこちらも切り捨てて、中身で勝負を仕掛けてきた作品。観てくれる人に最高峰のアニメーションとその知識、そして究極のアニメーションを作るために結成された映像研究同好会の青春ドラマを提供する。

【ココがひどい?:可愛くないキャラクター。でもよく動く】
しかし、まあ……本当にキャラが可愛くない(笑)流石、地上波はNHKでやっただけのことがある「萌え」を一切、感じられない作品だ。
幼少期はその中性的な容姿に今後を期待できなくもないのだが、いざ数年経ったら「なんだァ、このカエル人間?」と酷い疑問が浮かんでしまった。それが本作の主人公・浅草みどりの容姿なのである。
さらにつるむのは骸骨みたいな女・金森さやかと普通の容姿だがそれはそれで物足りない水崎ツバメ。そんな外見に関しては残念なトリオが各々【世界観構築】、【マネジメント】、【アニメーション】を担当して映像研(という名のアニ研)を1から設立していく。
キャラデザは原作通りだから仕方ないにしても、演出の一環として第一原画レベルの画像を見せてくることがある。そう、着色も輪郭線も雑なアニメ完成前のラフ画のことだ。演出の一環ならいいのだが、にしてはこの原画状態にしか見えない雑な作画は登場頻度が非常に多い。演出にかこつけて手抜きをしている可能性は十分考えられる。
代わりに本作のアニメーションはよく動く。ジャンル上、劇中映像などの要所で派手に見せればいい筈だが、本作は第1話から逃走劇や妄想癖のあるみどりの脳内世界観なども如実かつ派手に魅せてくれる。
オリジナルメカに搭乗してのスカイチェイス、邪魔なビルを解体する発破作業、たかが部室の壁の補修もみどりがちょいと妄想すれば宇宙船修理のシーンに様変わり。「アニメづくり」という本来は動きがない文化系の題材を、この作品は動かしまくっている。
キャラクターの癖のある動き、キャラクターたちの妄想、キャラクターたちのアニメづくりの情熱が本作に反映されているような荒ぶるアニメーション。その自由奔放で、言い換えればめんどくさい描写の数々にリソースを全投入しているのである。

【ココが面白い:アニメづくりの理想と現実】
映像研を立ち上げた3人の活動は道具や資金集めから始まる。先ずは生徒会から部費を頂戴すべく、少ない元手で成果物を提出する。納期は「予算審議委員会」まで。
しかし、みどりやツバメはアニメが好きな故にアニメ制作へのこだわりが強すぎる、言わば職人気質だ。隙あらばこのデジタル時代に昭和の道具を使った所謂アナログでのアニメづくりに没頭してしまうし、手書きへのこだわりも強い。常に“最強の世界”というものを求める2人にかかれば非常にクオリティーの高いアニメ映像が出来上がるが、2人だけに任せては納期は守れないし制作費はどんどん膨れ上がるだろう。そんな2人を俯瞰で捉えて現実的な落とし所を探るのが金森さやかだ。
{netabare}さやかには強いアニメ愛がない。ツバメの名声を持ってアニメを作ればそれが金になると睨んだ守銭奴である。そんな彼女が2人のやりたいことを「モチベーションの維持」として最大限考慮しつつ、間に合わない部分は口八丁手八丁で妥協させることで現実的なアニメづくりを引っ張っていく。
対象をアップで映す、背景をスクロールさせる、空を撮る、背景だけのカットを増やすetc…作画枚数を減らすテクニックはさやかの技ではないものの、こだわりの強いみどりやツバメに強気で物を言い、屈辱の尺稼ぎに走らせることができるのは彼女だけだ。彼女が映像研で努めるは正に【マネジメント】であり、それができる優秀なプロデューサーがこだわりという夢を現実というアニメにしていく。時としてみどり&ツバメとさやかは衝突するが、そんなアニメーター側の「理想」とプロデューサー側が見据える「現実」を擦り合わせて進むアニメづくりは、シナリオとして確かに面白い。{/netabare}

【キャラクター評価】
浅草みどり
外見から性格まで癖の強い『THE・オタク』な主人公。一人称は「ワシ」、二人称に「○○氏」、語尾には「じゃよ」なんてつける少女は本当に可愛くない。
只、そんなオタク特有の早口や語気を難なく演じる声優・伊藤沙莉さんの演技がキャラクターの個性をぐんと引き上げていることは評価する。あれでアニメ作品は本作が初めてというのだから芸能界にはまだまだ名声優が眠っているかもしれない。

金森さやか
名前に「金」が入る通り、とりわけ対価の要求は欠かさないガチガチの守銭奴。とはいえ、金稼ぎの手段としてみどりやツバメのアニメづくりを部活動として昇華させる辺り、彼女にも仲間への思いやりがあったり、もしくはアニメーションに興味があるのかもしれない。
守銭奴たる彼女の金に対する価値観は感心するところがある。なぜ金をもらうのか、なぜ仕事にお金が絡むのか。きちんと彼女なりの「流儀」がある。金を受け取り、受け取ったからこそ代金に見合ったものを作る。仕事というものの本質を彼女がさらっと告げる様は悔しいがかっこいいと感じた。骨の癖に(笑)

水崎ツバメ
この娘の「美人のカリスマ読モ」という設定でようやく深夜アニメのモブ少女くらいの見た目が確保される。
幼少期から「人の動き」を見るのが好きで、観察し、それを絵にし、動きを追い求めてきた彼女にとって、アニメーションとはアニメーター(自分)の演技そのもの。畑は違えどその並々ならぬこだわりは奇しくも俳優の両親から受け継いでいる。
{netabare}「動きの1つ1つに感動する人たちに、私はここにいるって言わなくちゃいけないんだ!」 {/netabare}
まっすぐな彼女のクリエイターとしての理想と情熱溢れる台詞は見る人をしっかり感動させてくれる。

【総評】
完全に見た目で敬遠していたが、ふと観れば
中々の良作だった。アニメ制作というものを芯に捉えつつ、アニメに対し熱い思いを寄せる2人と支える1人──3人の映像研究同好会の物語がこの作品にはしっかりとある。
1人が啖呵を切るだけあって本作はアニメーションの「動き」に特化した作りになっている。実に作画カロリーの高そうな登場人物のイマジネーションを面倒に感じることなく、理想のままにきちんとアニメーションとして見せることでアニメという媒体の自由奔放さを表現している。そして、それが作品として必ずしも理想のままに出力できるとは限らないという創造の苦しみや予算と時間の壁に表現が阻まれる苦労を、会社などの社会の枠組みではなく学校の部活動を舞台に描いているのが斬新でもある。
それだけに『SHIROBAKO』や『NEW GAME!』のようにもっとキャラクターを可愛くしてほしいと率直に思った。本作を心から愛し、意識も高くなった者にとってこの指摘は所詮“萌え豚”の戯れ言だと鼻で笑うだろう。だがよく考えてほしい。あの癖の強いキャラクターデザインで描かれた女子高生たちにそもそも「女子高生」という設定の意味があるのだろうか。
{netabare}いちご牛乳をひっかけて制服を脱いだ水崎ツバメの下着姿、プロペラスカートでパンツが見えそうになる浅草みどり、銭湯で今後の制作方針を話し合う金森さやか含む3人の裸身……そのどれかに欲情できた視聴者はいるのだろうか。{/netabare}
そういう作品ではないことをわかってはいるが、女性キャラクターを女性として視ることが難しいこの作品はそれこそ創作畑な人にしか面白さは伝わらない。「こだわりだけじゃなく客の購買意欲をかきたてる内容を考えろ!」と劇中に叫ぶが、同じ台詞が本作自体にとてもよく当てはまる。JKを可愛く描けるなら描くに越したことはない。とくにツバメは美人という設定だ。その設定に相応しい画力はあって然るべきではないだろうか。
ただあのキャラデザは原作漫画の再現に過ぎない。下手に小綺麗にすれば原作ファンからの顰蹙も買うだろうし、あのキャラデザだからこそ作画崩壊なんて言葉とは無縁でダイナミックに動かし続けられたのかも知れない。

投稿 : 2021/09/26
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サンキュー:

12

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この3人の大人になってからの活躍が観てみたい

主人公の浅草氏のCV伊藤沙莉さん。
本業は女優さんのようで、年もまだ若いが声がとても渋くて良い。
浅草氏の江戸っ子ぽい感じの口調と声質がマッチしていてとても良かった。
声優やったらくじらさんみたいになるんじゃないだろうか。

若くして金儲けの理論を確立しつつある敏腕プロデューサーの金森氏は安心の田村睦心さん。

カリスマ読者モデルでありながらもアニメーション制作に情熱を燃やす水崎氏は新人の松岡美里さん。

中々バランスの良い組み合わせだった。

現実世界と浅草氏の脳内にある非現実世界が融合されながらの表現。
登場人物の醸し出す雰囲気。
湯浅監督らしさの出ている作品だと感じた。

高校生の部活ながらも金森氏の能力により、各部活動や外部との交渉など
既にビジネスとなっている。
スポンサー探し、背景や音響の外注、プロモーション、納期等、実際の現場でも起こりうる問題が多々発生するがそれらを乗り越えて作品を完成させていく過程が面白い。

映像研の3人が将来超大物として活躍している姿が目に浮かぶ。

投稿 : 2021/08/30
閲覧 : 239
サンキュー:

12

ネタバレ

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

やりがい・評価・報酬

去年結構話題になってた印象の本作、ようやく目を通してみましたが、いやはやこれは面白い。

女子高生3人組が中心となってアニメの自主製作に勤しむ内容なんですが、主要キャラ3人それぞれに現実とリンクさせた役割を担わせているのが特に良かったですね。

まずは主人公の浅草。世界観の設定に異常な拘りを持つ姿が描かれていたように、彼女には表現者、クリエイターとしての側面を強く持たせていましたね。
特に構図や演出に拘るところや、現実と虚構の境界線で悩みぬく様子が印象的でしたが、これは作品を見ている我々のような視聴者でも似たような感覚ありますよね。彼女も多くの作品を見てきて、様々なインスピレーションを得てきたのでしょう。そのうえで、参考にしつつも自分ならもっとこうする!という欲求に駆り立てられているのだと思われます。
しかし実際表現するとなるとそうもいかない。納期や予算の都合でどうしても全てを描き切れないだとか、仮に自分の描きたいものを描いたとしても、大多数の人には理解されなかったりと、妥協点や客観性が問われる場面が多々あります。その中でもがく姿は実にそれらしかったですね。

2人目は水崎。浅草と同様クリエイターとしての側面も持っていましたが、同時に看板としての立場も担っていました。
アニメ映画などではありがちな有名俳優、女優、アイドルのキャスティング。それから人気コミックの実写化。漫画・アニメファンからは冷ややかな反応がされがちですが、作中で金森も言ってたようにまずは見てもらわないことからは始まりません。そのためにはそもそもアニメーションに興味がない人にも関心を向けてもらわないといけないので、こういった看板は必要になってきますよね。
ただ水崎が口にしていたように「作品を評価して欲しい」というのが当然制作側の本音で、こうした看板はあくまでも作品に目を通してもらうためのファクターでなければならず、作品の評価とは分けなければいけなというのが難しいところ。彼女も結構悩んだだろうなーと思います。

3人目は金森。上2人と違ってクリエイターとして作品に介入することはありませんでしたが、周囲への根回しやスケジュール調整等はほとんど彼女がやってくれていました。多分一番多忙だったと予想。彼女はマネジメントとしての役割でしたね。
特に金銭、というか報酬についてシビアな考え方を持っていたのが特徴的です。
今やジャパニメーションは、日本の映像産業において邦画やドラマを上回り世界で通用する分野であることは周知の事実。だというのに、日本におけるアニメーターの地位や労働環境はいまだ十分とは言えないくらい低いのが現状。
作中でも映像研の金銭授受に関してとやかく言われてましたが、それに対して意見を主張する彼女の姿は、今のアニメーション界に対する警鐘のようにも聞こえましたね。


アニメーション制作を題材にした作品だけあって、本作の作画やアニメーション演出も随所に拘りが見れて実に素晴らしかったです。原作は未読なんですが、多分普通に作ったら凡作にしかなりえないと思うんですよ今作。それをここまでの作品に昇華させてるのはやはり優秀なスタッフ、特に湯浅監督のセンスが大きいんでしょうね。四畳半とかもそうでしたが、湯浅監督の映像表現はやはり秀逸ですね。


非常に見ごたえある良作でした。

投稿 : 2021/06/13
閲覧 : 321
サンキュー:

36

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たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アニメ内アニメ

「アニメーション制作進行くろみちゃん」や「シロバコ」と同じく、アニメーション制作の仕方を一般の視聴者にもわかりやすく解説しているアニメ。

監督が湯浅政明さんなので非常に世界観が原作以上にリアルに構築されていることが特徴。

普段、漫画やアニメを作っている人には当たり前のことですが、知らない人には非常に新鮮に映るでしょう。

さすが湯浅政明さんということで、現代のアニメ作家の頂点にいるだけにこういったメタ的な題材も完璧にこなす巧みな技に感動しました。

投稿 : 2021/05/15
閲覧 : 374
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27

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P さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

最後の映像の所までは概ね楽しめました

妄想のようなイメージ展開に慣れればサクサク見れました。
あれを具現化出来るのは流石アニメだな、と感心しました。
制作陣のこだわりも感じます。
最終回の完成した映像を流していた所だけついていけませんでした。
映像研メンバーから大筋について説明を受けていたのに、です。
おそらく音だけで声が無いからだと思うんですよね。
声入れると長くなるし、仕方なくといった所なんですかね?
そういえば声優オーディションどうなったんだろう?などと考え出すと、完成された終わり方でも無かった気もします。
そもそもの設定がよくわからないのであれですが、映像研メンバーみたいに現実的な事を考えてしまう所もあるんですよね。
視聴者である私ですらついていけなかったのに、アニメの中でDVDを買っていった人達はどうだったのだろうと。
より情報が少ない状態で、声のないあの映像だけ見ていたのかな?と。
益々理解に苦しむ状況だったのではないかと予想でき、最後の細部や現実的なこだわりが御座形になっていたのかなーという気もします。

投稿 : 2021/05/09
閲覧 : 334
サンキュー:

10

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

クリエイターを目指す人がみるべき作品

クリエイターに必須の鋭い観察眼が描かれたと思えば、印象に残っている仕草をもれなく映像に組み込むあどけなさ、若さ、未熟さなんかも描かれており、奥の深い作品です。

特に今の時代にクリエイターとして生きていくためには教養、想像(妄想)力、仕事に対する情熱…などと必要なスキルが多いことがよくわかるのではないでしょうか。

金森氏の発言には幾度となく共感しましたし言い得て妙だと感じていましたが、「学習指導要領にはバカしか教師になれないと書いているようだな」という発言は、きちんと推敲しなかったのだろうなと思いました。学習指導要領の単なる認識不足なのでしょうか?デビルマンといい、ちょくちょくこういう残念な部分があります。

そして最終話のアニメ。あの良さがまったくわかりません。多分一般人はみんな理解できないと思いますよ。ここで絶賛している人はあの良さも理解できたクリエイターの方ですか?金森氏に「声優オーディションまでやったのに声入ってねーじゃねーか、やりなおせ」って言って欲しいです。

結構楽しめていたのに最後の作品のせいでなんだ雑な作品だな、浅草氏なら描き直すだろうなと思ってしまいました。

投稿 : 2021/05/09
閲覧 : 146
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Acacia さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

quality

監督、プロデューサー、作画の
天才肌の主人公3人を敢えて
むさくるしいおじさんでなく、
女子高生という立場に置くことによって、
近未来の幻想的な世界観と併せて
見事に融合させている本作。

作中最も面白かったのが、
敏腕プロデューサー(仮)金森氏の台詞。
{netabare}「また拘りやがったな」{/netabare}
一つの品質に過剰に力を入れると、全体のバランスが崩れる。
品質を抑える事も経営の手腕の一つだと
社会に出て、最初に学ぶんですよね。懐かしい。

全12話。クオリティを語るに恥じぬ
コメディアニメともウンチクアニメとも
外連味作画アニメとしても楽しめる、極上の一品でした。
お勧めです。

投稿 : 2021/05/01
閲覧 : 299
サンキュー:

26

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Rere さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

湯浅正明にしか作れない作品

湯浅正明監督作品。
まずOPが素晴らしい。
湯浅正明しかできないような類を見ない独特なポージングやヌルヌルした動き、楽曲の選出からこれはただのアニメではないな、と感じさせるOPである。
また、キャラクターも非常に魅力的で、新人声優を使っているらしいが全く違和感を感じさせる声ではない。それどころか完璧にキャラクターにマッチするような垢抜けた演技を見せつけてくれた。キャラデザも一風変わった調子だが、メイン3キャラ全てにしっかりとした特徴があり、その噛み合わせは観ていてとても微笑ましい絵面を提供してくれている。
ストーリーに関しても山あり谷あり楽しめるものになっていて、浅草氏の発想により踊るようなOSTが入り想像の世界を描く演出や、それとストーリーの絡み方、これらの要素が映像研のクリエイティビティを視聴者にしっかりと伝えるものである。
また、この作品はアニメーションを作る過程やその難関やあるあるを書いている要素もあるので、SHIROBAKOなどを履修していたりアニメ業界についてよく知っていればいるほど楽しめるのかもしれない。
この作品は一つアニメーションの金字塔となるようなものになるのではないかと感じる。

投稿 : 2021/04/30
閲覧 : 218
サンキュー:

7

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Bハウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ごっこを肥大化してみた

第1話の学校とその周囲のディティール
そして未来少年コナンを唐突にぶち込み
浅草氏のアイデンティティーを示す

このインパクトが最後まで完走できた理由だと思う

浅草氏の設定をもとに
アニメーターの水崎つばめちゃん
そしてこの映像研の交渉人件プロデューサーの金森さやか氏

浅草氏の妄想世界を共有し
それを具現化してアニメにする

生徒会での承認プレゼンのシーンまでは
得体のしれない感覚を味わえたんだけど

その後のシーンは作品と関係ない
設定の妄想も入ってくるし

学校内の外部応援や町の支援者も現れるので
急にアニメごっこの体に収まってしまったかな

最終回の3人がDVDアニメにした作品の
ラストカットを見せなかったのは
芝浜と引っかけて夢オチという匂いを出したかったのかもだが

やっぱり最後まで見せた方が
具現化させたと言う確証になるのに

まあ実写映画との兼ね合いもあっただろうけど

投稿 : 2021/04/30
閲覧 : 260
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

中二病が織り成す(妄想)冒険活劇

湯浅監督作品は好きなので大体観ているのだけど、
当たり外れがはっきりと分かれるのも事実。
四畳半~、夜は短し~、ピンポンは個人的に好み。
夜明け告げる~、日本沈没は正直残念。。。

で、この映像研は紛れもなく「当たり」の作品。好印象です。

原作漫画が好きってのはもちろんあるけど、
原作の独特な世界観と湯浅監督特有の独特な作画が良い具合にマッチしてます。
{netabare}
芝浜という町はどこがモデルなんだろ。。。
ダンジョンと揶揄される増改築を繰り返す学校、
目の前に海があるが、冬はスキー客が押し寄せるという雪国。
古臭いモデルの跨座式モノレール。
網の目のような水路。
傾いた地下商店街。。。etc
そんな背景の一つ一つが、
ワクワク感や冒険心を掻き立てられるのだ。

そしてやっぱ良い作品はキャラが立つ。

浅草氏→脚本・監督
「アニメは設定が命」と力説する想像力豊かな女子。
そう、それ!言ってくれた。私がいつも思ってること。
そうなんですよ。
私がファンタジーやSFを好まない理由は、
設定が1クールないし2クールに詰め込みきれず、
結果、設定がユルユルになり、最終的に「???」で終わっちゃう事が多いからなんですよ。
(原作読めば分かるって意見もありますが、漫画以外読まないし...)。

中の人、なかなか聴き馴染みない声だったけど、
伊藤沙莉さん?へー、知らない方だ。声優ではないのですね。
「風立ちぬ」の庵野監督くらい最初は違和感あったけど、
だんだんと馴染んでいくので、まあ不思議なものです。

こういう現実と妄想の垣根が無いような人が、
将来有望なアニメーターになっていくんだろうな。
学生の頃にこんな人がいたら友達になりたいね。

金森氏→プロデューサー
浅草氏の才能と、水崎氏の広告塔としての役割に目を付け、
映像研を実質立ち上げた創業者。
無慈悲、横暴でありながらも有能な商才を発揮する。
高校生にはあるまじき金の亡者っぷりに多少なりとも違和感を感じるが、
子どもの頃の回想で何故そうなったか、にも触れてくれる。
ただし、私は絶対友達にはなりたくない。。。w

水崎氏→作画担当
俳優の両親を持つカリスマ読者モデル。
親の反対を押し、アニメーターになりたいという夢を持つ。
浅草氏の妄想にいちいち「カッコイイっ!」と付き合ってくれる、
ノリの良い女子。
3話で金森氏の熱弁をよそに浅草氏と一緒にチョウチョを追っかけて舞い踊るシーンとか、結構ツボでした。。。w
3人目のメインキャラかと思っていたけど、ちゃんと同列の立ち位置で、
芝浜祭編では、「アニメではなくアニメーションを作りたいっ!」と宣言するところはなかなか熱い。
結果、反対していたはずの両親も認めてくれて、
どんな毒親が出てくるのかと思ってたけど、良い両親でした。

そんな3人の青春部活モノ。
こういうジャンルでは高い評価を付けたいですね。

最後に、
第7話のこんなにもトキめかないお風呂回は未だかつてあっただろうか。笑 {/netabare}

投稿 : 2021/04/11
閲覧 : 170
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waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

何故か泣けてきた。今まで言語化できなかった部分を伝えてくれてるからだろう。

タイトルで落ちてます。

まだ、途中。これからも楽しみ。


-----視聴後------

 スゴイなって思うのはアニメへのこだわりをアニメで表現するって点にあって。それができていなかったら全く説得力がないモノに成り下がるというかただのゴミクズになる。これをアニメ化するという勇気をそもそも称賛したい。
 そんでもって成功してると私は感じました。
 キャラデザは原作に忠実だったりすますが、もしリアルな解像度の高い絵だったとしたらアニメにするの大変でキャラデザを簡素化させる必要があったのかな?解像度の高い絵を動く作画を作るというのはやはり大変なんだなって感じなくもない。アニメは絵だけではなく動いてこそアニメーションなんだって改めて教えてくれる。
 本編でも語っているように、「全て作者が意識して書いたものでできあがってるからね」どうやってカッコよく見せるかをしっかりと描いている点においてなるほどなぁってならざるを得ない。まぁそこに興味がなければそれまで何ですが。
 映画とかでも同じことが言える。じゃあ映画とアニメの違いって何じゃい。ってなると映画はロケーションに縛られるがその分リアルな没入感を与える。3Dを作ろうというのはこの没入感を高める効果を最大限発揮できるように考えていったらこうなったみたいなところもある。
 アニメは情報量の調節をできる。ただ制限が多すぎて基本できないんですが、まぁカット毎に調節できるから、ここには力を入れたい、とか入れないとかできる。撮れたものが全てな映画に対して、最初から作者の考えで作り出せる点で意識が良い意味でも悪い意味でも反映されてしまうなって。
 っていうのを、絵と作画とセリフで表現してくれたこの作品を観てなぜか感動をしたのはきっと、ツバメの考えや決意に心を揺さぶられたからなんだ、そしてそれを実行する強さを説得力を持って実現しているこのアニメの制作者達の力のおかげなんじゃないか。

 私も好きな SHIROBAKO との対比をよく見かけます。
 ただ、題材として取り扱っているものがアニメ制作現場であるというだけで、何を見せたいのかについては全然違うものだ。どうせ似たようなもんだろ?って思って観るのを辞めている方はぜひ見てほしいな。違う楽しさが見出せるから。
 じゃあどう違うのかって話をしないといけないなと。
{netabare}
 SHIROBAKOは制作現場の苦労話であり、アニメ制作者だけではなく社会人なら同じような感想を持てて共感させることを念頭に置いている。んで、一番リアルに描けるのがアニメの制作現場だったしそれらは実は視聴者の中には興味がある人も少なからずいる。私もその中の一人なのだけれど、実働とは違うフィクションであるのは分かっていてもそういう苦労はどの仕事でも変わらんなって感じれるような作りになっている。素晴らしいと思う。
 対して、 映像研には手を出すな ですが、そもそも彼らは社会人ではありません、夢と希望を持った若い人材なんですね。んでその才能を発揮する場所を作って、どうやって成長していくかを描いてるのが物語の部分。そして見せたいものってのは彼らがどういうところに夢や希望を持っいるのかクリエイターとしてどうなりたいのかを描いている。
 主人公の立ち位置も違う。
 SHIROBAKO の主人公は大きな枠組みではクリエイターかもしれないけれど、絵を描いているわけでも物語を作っているわけでもない。
 映像研の主人公というか主に描かれている3人はクリエイターです。金森氏はプロデューサーという立ち位置なので実際には作っていないけれど、できる事とできない事の判断をするという意味でクリエイターの立場に近い存在であると思う。
 まぁ異論は大いに認めるところではありますが、多少は違うよねって思っています。
{/netabare}

 演出面では・・・本編をみてそれを語るのはちょっと恥ずかしいので止めておきますが、製作者側が自分達で上げたハードルはしっかり超えているので良いです。ロボットの対戦シーンなんかは最高だった。

 背景や世界設定も面白い。
 実際にはない架空の場所ですが、凄く細かく作りこまれている良い印象を受けます。こんな面白い街なら一度行ってみたいと思ってしまいます。

 全体としては良いんですが、残念なのは最後の方は少し、スピード感がありすぎてついていけなかった感じもあります。なのであまり余韻を楽しむ事なく終わってしまったのが寂しさすらある。
 ちゃんと終わった事には満足しているので、全然問題はないんですけれどね~。

投稿 : 2021/01/19
閲覧 : 360
サンキュー:

19

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ちゃっぴー0913 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 3.5 作画 : 1.0 声優 : 3.0 音楽 : 1.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

目指してる所はよかった

ストーリーも世界観も...ただ...手抜き演出や手抜きシナリオ 無理な手抜き 無駄な手抜き 本当に最初から最後まで手抜きし続けた残念アニメ...もう少しだけちゃんとしたら良作になっていただけに残念

投稿 : 2020/06/23
閲覧 : 245
サンキュー:

6

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esso-neo さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

人材から環境に至るまで有能

アニメを作る
そのために必要な素材が一切合切揃ったものを見て核爆発が起きてる

そのためには遊ぶことに妥協のない監督、金という現実に一切妥協しないプロデューサー、そして諦めの悪いアニメーター。巻き込まれた可哀想な音響。

いやぁ、あのおばあちゃん小話驚いたな。動きの研究をする事であんな副産物が生まれるものな。
一人一人の過去をまざまざと見れるとすっごく食い入ってしまう。回想シーンってのはかなり取り扱いが難しいんだけど滲み入る酒のような過去回想だった。
ただアニメ作るぞってだけでよくここまで引っ張れるもんだよなぁ。物珍しい。

投稿 : 2020/05/30
閲覧 : 231
サンキュー:

8

ネタバレ

xwTza00790 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

少しくどいかも

作者が宮崎駿好きなんだなと。
アニメの未来少年コナンはまんま使ってますね。少し奇麗に処理されてる感じはします。自分の記憶が正しければ、インダストリアという場所にコナンとラナ、ラナの父親である博士が向かうシーンだったかと思います。
途中で船長であるダイスを助けたはず。

タイトルが映像研というだけあって
作画は素晴らしいと思うんすよ。

アニメの基本的な知識を理解することができます
結構面白いです。

---------------------------------
全部観終わりました。
んー思ったよりくどいかもしれない。

ショートアニメを次々に見せられる感じ。
アニメの知識自体を理解できるのは良いんですが、自慢に聞こえるというか、自分らは凄いんだぞ的な感じに受け取れるかもなと
正直アニメーションよりも大事なのはストーリーとキャラだと思っている部分が自分にはあるので、ここまでアピールされている感じだと内容が教育テレビアニメって感じ。

昔の昭和アニメで
まんが初めて物語というのがあって
現代版のそれに近い

そりゃ作画や音楽のレベルは比べるまでもないけど、やっぱ物語をもう少し強弱、起伏を多くしてほしいかな。残念だったわ。

投稿 : 2020/05/19
閲覧 : 234
サンキュー:

5

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KAZUROCK さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

妄想を映像にして動かして行く様子にワクワクさせられた

原作未読

■初回印象

絵のクセは強めでマンガ的。
メインキャストの声もそれに合わせるようにクセ強めだね。
好みが別れるところだが、それ故キャラ立ちも良くて
世界観がハッキリした印象だった。
間の取り方が良く動くところはしっかり動いているので
演出等の違和感もない。
おかげで物語にも引き込まれやすかった。
導入としては良かったと思う。

お話の肝は主人公達の空想を実現させるかのように膨らませて
行く過程と現実との融合にありと言ったところだろう。
そこはアニメの制作を見ているような、
まんま空想世界に飛び込んで行くような感覚にもなりやすい。
初回はそうした部分のワクワク感がなかなかのもの。
オタク心を刺激されやすい作品だろう。
みどり、さやか、ツバメの三人が今後どんな妄想を膨らませて
映像にしていくのかちょっと楽しみ。

劇中で某未来少年の名シーンをそのまんまなぞった映像には
思わずニヤり。さすがNHKがキー局だっただけはあるw

期待度★★★★☆


■視聴完了後の感想

ラストに流した劇中作品「芝浜UFO大戦」はトラブルに見舞われた結果、
前段に作品の概要を説明されていたにも拘らずイメージビデオの如く
やや分かりにくい仕上がりになっていて少し残念だったが、
それを除けば個々人の妄想やイメージを元に果ては経済的・政治的しがらみ
まで絡めてアニメーションの製作の流れを色々な観点から考察できたので
非常に楽しかった。

実際のアニメ作りの現場の様子や経験をそれなりにフィードバックした
ような場面も多く見られ、”アニメ”と言う媒体に興味があれば割と引き
込まれやすい作品ではあるだろう。作品製作のポイント毎に現実から
妄想世界に転化させるその惹きつけ方はかなり上手かったと思う。

それを生かすようにキャラの性格付けも金森氏=プロデューサー兼ネゴシ
エーター、浅草氏=監督・脚本・演出、つばめ=作画監督・キャラデザイン、
途中から参加の百目鬼氏=音響全般と言う風に徹底されていて出番もはっきり。
ある意味昔のギャグマンガのキャラぐらいきっちり色分けされた印象だった。

そのぶん性格的な癖は結構強め。画も決して万人受けするタイプでないので
多少選り好みされたり食わず嫌いも多いかもしれない。

実際の活動拠点である芝浜や彼女達の通う学校に関しては
あくまでアニメ製作の為の舞台装置としての役割を果たしていたに過ぎず
場所としてのリアル感はほぼ皆無。
一応生徒会と色々揉めたり先生とのやり取りもあったけど
その現実感のなさからやってる事を理解できない場面も多々あった。
そこが中途半端で物足りないと言えば物足りない。

ただそのぶん部活にしても生徒会にしても街の造形にしたって
何でもありと言う感じかな。
学校の構造もそう。警備部やら空調部やらあり得ない部活ばっかだしw
その混沌とした感じがまたアニメと現実の世界を容易く融合させていた
とも言えるだろう。そこは作品として短所でもあり長所でもあったと思う。

まあそれもこの作品らしさ。
個人的には大変世界観が出ていて良かったと思います。

投稿 : 2020/05/10
閲覧 : 314
サンキュー:

8

ネタバレ

らいの さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

熱意を感じたいなら

SHIROBAKOの学生版という感じだが、勢いや世界観が独創的で良い。
絵を描くには、描く以外のも必要な情熱が描かれている点はリアリティーがあって良い

投稿 : 2020/04/26
閲覧 : 200
サンキュー:

6

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〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

楽しく観ていましたけ

原作未読です
冬期の中でも楽しく観ていましたけど、最後の話、湯浅監督達わざと盛り上がりを下げましたね。
前半の部活を認めてもらう話
中盤の文化祭のドタバタ宣伝を含めた話
すごくうまくまとめて終盤の物語への踏み台が整ったところですっごく物足りない結末。
盛り上がりの熱量を完全に奪ってしまいました。
でも、考えてみると、視聴者のことを理解している湯浅監督たちが敢えて落としたと思います。
そこは物語で言うと浅草氏のモチベーションに他なりません。
完成した作品には満足していないのですよね。
作った直後から修正箇所を考え始めてしまう。
これってとても現実的。私は映像製作とは全く違う業種で働いていますが、時間と費用で最善を尽くし、コンスタントに結果を出し続ける事が仕事になるのです。
前半と中盤の物語は趣味の域であるわけで、後半の販売は仕事としての義務を表したわけです。自己満足するものをいつも作れるわけではないんだよ。というちょっとしたリアル。
そして世にだしたものは他の人が観ることによって、様々な感じかたで色々な人が反応して行くのです。

!!!色々な感じかたが集まるのが「あにこれ」ですね笑

なかなか魅せる作品でした。
4月よりTBSで実写版が放送中。
実写らしいアレンジが施してあってなかなかおもしろいですよ。

投稿 : 2020/04/25
閲覧 : 328
サンキュー:

48

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fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

勢いで行こ~!

とても面白かったです。

三つ巴の化学反応で創りだされるシナジー。
全身から湧き出してくる勢いのあるエナジー。
青天井の振る舞いに、いっぱい魅せられました。

クリエイターの心意気。
湯浅監督の遊び心を感じました。



"主人公に力水をつける" 。
冒頭、「設定」をどれだけ愛してきたかを浅草氏が熱弁するシーンがあります。
キャラを前へと進める要素が、設定の妙にあることを主張するなんて、考えてみればすごい気づきだと思います。
アニメーターとしては欠かせない感性の一つなんだろうなあとこちらが気づかされました。

コナンの身体にかかる風速や風圧を朗々と語り、芝浜の街並みを千と千尋の遠望風景にそこはかとなく似させ、ラピュタのフラップターの空戦をあたかもトレースしたようなアクション。
このあたりの設定や演出は、理屈抜き、肌感覚として一気に引き込まれました。

令和の新年に、昭和と平成のレジェンドテイストをさり気なく織り込んでくるあたり、実に心憎いものでした。
宮崎監督の "アニメーション" で育ってきた私の視線は釘づけです。
ハートが高鳴るのも自然な流れでした。



とにもかくにも浅草氏の脳内描写のパフォーマンスを描写する作画演出が素晴らしいと思いました。
常軌を逸する想像力の暴走。
それに乗っかる水崎氏の瞳も眩しい。
画面から彼女たちの疾走感が溢れだす。
このワクワク感。
特盛りのシンパシーです。

私のいち推しは浅草氏でしたが、金森氏の何物にも動じない強心臓や、水崎氏の底なしの一生懸命さは、驚きと羨望の眼差しの対象です。
この2人にシンパシーを感じる方もいらっしゃることでしょうね。



9話以降、特に最終話は、作品の結末としては "?マーク" がつくようなシナリオの閉じ方ではありました。
ディレクターとしての浅草氏のアイデンティティーが「未熟さを持ったままで押し通した勢い」として、現実的な "あるある" で表現されていたように思います。

彼女の精一杯の背伸びと能力の限界越えとが綯い交ぜになって、視聴者からは「破綻してる?」と評価されそうな作品が「できあがって」しまいました。
でも、私は、湯浅監督がそのように「表現したかった」のではないかと感じます。

本当は、1作目、2作目のクオリティーが思いのほか良かった(むしろ湯浅監督があえて良くした?)ので、私も3作目には期待していました。
でも、柳の下にどじょうがいつもいるなんてことは分からないものです。

何と言っても、浅草氏は監督業駆け出し。
「芝浜UFO大戦」は、湯浅監督が、浅草監督をして映像制作の実態・実相は「そんなに甘くはないよ。」って、「だから次は、もっと上手く取り回したくなるんだよね。」と、劇中劇で示そうとなさったのではないでしょうか。



キャラについて少し。

浅草みどり氏。
印象的だったのは最終話です。
彼女は、円盤を、なぜ売っているのか分からなくなる。
仲間と一緒に「作品を観よう」と言いながら、先に寝てしまう。

浅草氏には、金森氏、水崎氏には構いもなしに、放心してしまうほどの自己達成感があったんだと思います。
同時に、積み残してきたもの、拾いきれなかったものに、力の至らなさや胸の痛みを感じていたでしょう。
綯い交ぜになった心情のままで夢うつつのゆりかごに身を委ね、心を遊ばせて充電していたのかもしれません。

創ってしまったものは変えられない。
だから、次を創りたくなってしまう。

ディレクターたるクリエイティビティの源泉は、そんなところから湧き出してくるのかもしれません。そんなふうに感じました。

金森氏、水崎氏が、寝入っている浅草氏を理解しようとする姿に、演出の妙を感じました。
ずんと心に沁みました。

彼女たちが見つめる青色の先(OPの画ですね。)を、私も見たいと願っていました。



金森さやか氏。
特に6話が印象的でした。
金森氏が、浅草氏の自信の無さと逃げ口上を "叱咤" するシーンです。

浅草氏が、耳を赤くしながら、金森氏に後講釈をたれる。
金森氏が、白目をむいて、浅草氏に監督としての姿勢を問い正す。
水崎氏が、不敵な笑みを浮かべて二人への期待感をあらわにする。

一つの山場だったような気がします。
1ミリも青臭く見えなくて、それでいて生粋な展開。
「進歩するべし!」のテーマがキラキラしていて、「悔しいなぁ~」とちびっと妬いている私がいました。



水崎ツバメ氏。
この子は、お婆ちゃんが、"お茶を撒く" シーンでキマリ、ですね。
これを再現しようとして、キツネにつままれたような顔つきになったくだり。
→ やり切ったときの満面の笑み。
椅子から立ち上がる挙動のままならさに思考が固まってしまうくだり。
→ ボディメカニクスへの気づき。
お婆ちゃんの笑顔を引きだせた歓びが、アニメーション演技への志向に決定的な動機付けに結びついたくだり。
→ 両親とは違う道を選ぶ確信。

アニメーターの誕生を "感じさせる" 演出でした。

お箸の持ち方、走り方の演技ひとつとっても、彼女の拘りの源泉は、胸の宝箱にしまってある "表現者としての強烈な自我の形成" にあるんだろうと感じました。
両親が語っていた「演技への満足感?・・・ないわねえ。」のくだりが、それを如実に言い表わしていたと思います。
すべての演技を自分のペン先だけで表現するのが彼女のパフォーマンス。
その自負を他人には譲れないからこそ、己が意志で歩かなきゃと発奮するのでしょうね。



あらためて、アニメっていいなあと思います。
懐かしくて、もったいなくて、羨ましい。
アニメーターの皆さん、アニメを愛する皆さん。

"勢いもって行こ~!!"



長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2020/04/23
閲覧 : 259
サンキュー:

28

ネタバレ

天地人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もっとー私的アニメ感想簿74

当日、朝
「手配は出来ました。後43分30秒以内に終わらせてください(了解だ)」
「おはようございます。ただいまよりコメットS(ん?)を開催します。」

キラキラ愛の星 キラキラ光るほし~♪ツインクルツインクルコメットS(さん)
いや、それはコメ○トさん(自爆)

という事で、最終回の作品はイマイチでしたが(おいっ)
期待してなかった分、とっ~ても得した気分になった作品でしたね。
それぞれ別の才能をもった3人が集まってアニメを作るという話なんですけど、熱い、そしてそのこだわりが面白い!
思わずロボットアニメのシーンに
「おおっ」
と唸ってしまいました(笑)

絵は特徴がありすぎて、好き嫌いが分かれると思いますが(個人的には、水崎氏が美人に見えないっ・・・って、そこかっ!)
それを上回るアニメ制作に対するこだわり、情熱に嬉しくなりましたね。

で、何故最初の2作品は面白くて、最後の作品はダメだったのか?
まあ、最初の2作が良すぎて、ハードルが高くなった点もあると思います。
しかし、最後の作品の場合、内容へのこだわりより、制作への困難さ。
押してくるスケジュール、意思の疎通(他に任せた部分)簡単に言えばアマとプロの違い、ただの製作者と監督・プロぢデューサーの違いをメインにしたせいかなと思ってます。

と言っても、UFO大戦も面白かったんですけど(おいおい)

とにかく、映像研に手をだすなとはよくいったもんです。
だって
○○研と付くタイトルといえば
「チャージマン研」
あんなクソアニメに手を出すなんて、恐れ多いじゃないですか(違)


おまけ
天地人の感想を読み終えた水崎氏と金森氏
「これは・・・(そうっすね。感想もネタもかなり)」
「浅草氏の評価を聞かないと、何とも言えないけど」
「(ま、何て言うかは)大体想像つきますが。明日もあるし帰りますか」
「まだまだ改善の余地ばかりだ(ゴゴゴゴゴゴーッ)」
「(えっ?)だったらネタ書き直さんかーっ(あ~れ~)」

投稿 : 2020/04/22
閲覧 : 255
サンキュー:

21

ネタバレ

友利奈緒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

アニメではなくアニメーションを見た。目に焼き付くような風景が、動きの一つ一つに感動を与える描写が、これから冒険に出る時のワクワク感が、そこにはあった。
想像力を働かせたその動きはまさしく現実よりも現実的であり、世界の法則を脳に直接ぶつけられたような驚きだった。
作者のアニメーションへのこだわりと熱意を感じ、それをとても嬉しく思えた作品でした。

投稿 : 2020/04/09
閲覧 : 218
サンキュー:

7

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映像研には手を出すな!のストーリー・あらすじ

高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……(TVアニメ動画『映像研には手を出すな!』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2020年冬アニメ
制作会社
サイエンスSARU
公式サイト
eizouken-anime.com/
主題歌
《OP》chelmico『Easy Breezy』《ED》神様、僕は気づいてしまった『名前のない青』

声優・キャラクター

伊藤沙莉、田村睦心、松岡美里、花守ゆみり、小松未可子、井上和彦、小野友樹、小林裕介、錦貫竜之介、井澤詩織

スタッフ

原作:大童澄瞳(小学館『月刊!スピリッツ』連載)
監督:湯浅政明、シリーズ構成:湯浅政明、脚本:木戸雄一郎、音楽:オオルタイチ、キャラクターデザイン:浅野直之、美術監督:野村正信、色彩設計:中村絢郁、撮影監督:関谷能弘、編集:齋藤朱里、音響監督:木村絵理子

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