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「映画大好きポンポさん(アニメ映画)」

総合得点
80.4
感想・評価
186
棚に入れた
597
ランキング
451
★★★★★ 4.2 (186)
物語
4.3
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.1
キャラ
4.2

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映画大好きポンポさんの感想・評価はどうでしたか?

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

デイミアン・チャゼル監督にオススメ。そんなに肉付きを気にすることないって!。

 呪いのような業の部分を外さない、クリエイターや夢追い人の物語という点ではデイミアン・チャゼル監督の「セッション」と「ラ・ラ・ランド」を思わせるもんがある熱い傑作でした!ただ、少々気になる点も…。


 正直新人女優ナタリーの存在が軽い。声優さんが上手い人じゃないのも意味があるのかな?と思ったが、最後まであんまり…。


 あと、ポンポさんの映画90分論は少々引っ掛かった。つまんない映画は尺に関係なくつまらん、面白い映画は尺があっても問題ない。尺の問題はケースバイケースであって、あんまりザックリした意見で片付けるのはどうかと思う。短い尺で面白いのが最高だが、魅力的な要素を描きこむために溜めが必要な時もある。それこそ本作のように…。


 正直90分でまとめないで、もう30分くらい必要だったと思う。ナタリーの部分は勿論やし、原作にないキャラのアランをどうせ入れるならもっと彼の部分も必要だったかも(プレゼンの部分は流石に少々強引だったかな)。そして、一番必要だったのはラストの爆上げのための溜めである。


 社会不適合者、「僕には映画しかない」というように、ジーンが映画だけしない行き場がない人間だってのはたびたび言及されるが、それが痛切に感じられて「あ、この人は本当に駄目人間だけど、他人事きゃなくて愛おしいなぁ…」と思える部分をもっとやはりエピソードで描くが必要だったかな。特典の漫画の部分やれば良かったのに(これの後半も見たぁ〜い)。


 さらに、苦労の部分があんまりなくて、人間同士がぶつかり合うことがあまりない。相手が悪い人だからぶつかるんじゃなく、これだけに賭けて生きている駄目人間同士だからこそ不器用にぶつかってしまう部分があるだろし、そういう過程を経ることでこそ表面的じゃない繋がりができると思える。シン・ゴジラじゃないが、最近摩擦係数が少ない作品ばっかなのはどうかと。


 それにしても、作中作の「マイスター」はそれこそ賞レース狙いな感じの割と意識高い感動作な感じだけどなぁ…。それこそポンポさんの信念なら、低予算だけど好きにボンクラ魂を爆発させた作品で、バカ映画なのに感動させるって作品の方が良かったような。


 以上のように気になる部分が少々あったけど、良かった部分が実にしっかりしてました!。持たざる者だからこそのクリエイター論、足りない物があるからこそそれを埋めるためにクリエイターは作り続る、造り手も受け手も映画の中に自分を見つけたい、人間は状況や環境を越える想像と創造の力を持っている、これらのテーマな部分が熱くエピソードの形で表現されているんだから思わず目頭が…。


 全てを一つに賭けて切り捨てていった果ての景色…という点では「セッション」、夢追い人の狂気と捨てざるをえなかったことの痛みすら無意味ではなかった…、という点では「ラ・ラ・ランド」を思わされた。どちらもオールタイム・ベストベスト級に好きな要素なので好きに決まってます!。


 それにしても、「ペーターゼン」って「シークレット・サービス」とかのウォルフガング・ペーターゼンかな?。他にはあんまり思い浮かばぬ。

投稿 : 2024/04/20
閲覧 : 652
サンキュー:

28

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

映画製作は伸るか反るかの一発勝負

絵の可愛らしさとは裏腹に、結構真面目な物語でした。
この映画では、映画監督のこだわりや信念を十分に感じ取ることができ、楽しまさせていただきました。

この映画の主人公はポンポさん…と思いきや、ポンポさんのアシスタントのジーン。
ポンポさんは明るく元気な映画プロデューサーですが、ジーンはお世辞にもカッコいいと言えない暗い目をした男。
しかし、その彼がある日、ポンポさんから15秒の映画予告編作制作を任されます。
そこからジーンの能力が開花し始めるのです。
やがてジーンは、1時間30分の映画の監督も務めるようになります。

この映画は、新人映画監督ジーンの成長物語でした。
口下手なジーンは、実は相当なこだわり屋さん。それだけ彼には信念があるのです。

映画監督がこだわりの全くない人だったら、制作される映画は何の信念も感じられないつまらないものになるし、
映画監督がこだわり続けていたら映画製作には莫大なお金がかかってしまいます。
しかも、観客が映画監督のこだわりに共感してくれないと大赤字になります。

また、映画は、私たち観客に現実を忘れさせ、夢と希望をもたらしてくれますが、わずか90分ほどしかない上映時間で登場人物の生い立ちやら信念なども含めて夢や希望を表現するのは至難の技です。
しかし、その至難の技に映画監督は毎回挑み続けているのです。
今回、映画監督さんの苦労を一部でも知ることができて良かったと思います。

エンディングは「窓を開けて」 カンザキイオリさんの作詞作曲でCIELさんが歌っています。
とてもテンポの良い心地よい曲でした。

投稿 : 2024/03/09
閲覧 : 416
サンキュー:

38

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

絶賛されている方が多数いらっしゃいますが

私にはそこまで響きませんでした。いい作品だとは思いますが・・・
まず主人公のジーンが、目に隈があって見かけキモいうえに友人もなく自己評価も低いと言う典型的なオタクのカリカチュアライズで、オタクまっしぐらの私としては寧ろバカにされた気分。そんな主人公が秘められた才能を発揮して大活躍すると言うストーリーは、オタク礼賛が行き過ぎて嫌な感じでした。15秒のCM編集でフィルムをバッサバッサ斬る演出もちょっと大仰過ぎです。
才能のあるメンバーが集まって、和気あいあいと撮影して、トラブルも機転を利かせてチャンスに変え、それで名作が出来ちゃうなんてお花畑ストーリーに過ぎやしませんか。確かに、その後の編集が大変だということは分かりました。ですが、監督が涙を飲んで切ったシーンが実際にどうやって撮影されたシーンなのか、私には分からないので知ったこっちゃありません。
ジーンが追加撮影を強行するのもイラッとしました。新人監督調子こくんじゃねーぞと。実際私はコッポラやキューブリック作品より職人監督と言われるリチャードドナーやリドリースコット作品の方が好きです。
映画オリキャラらしい、パツキンイケメン同級生がいい味を出していましたね。融資決定のシーンはちょっとお花畑入ってましたが、でもこのキャラのお陰でジーンの一人舞台にならず、作品に奥行きが出ていました。
何よりも、私がこの劇中劇のような映画に全く興味がないのが致命的でした。冒頭のパツキンダイナマイツねーちゃんが大蛸に襲われる映画の方の撮影裏側が観たかったです。

投稿 : 2024/02/03
閲覧 : 82
サンキュー:

2

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢と狂気の90分の世界

 ハリウッドを舞台に、敏腕映画プロデューサーのポンポさんを主軸にして新人映画監督のジーンが映画を作るお話。誰にとっての映画なのか、自分はどこにいるのか、そこに情熱はあるのか。テンポのいいストーリー展開に場面転換、キャラクターや伏線が無駄なく絡み合って進んでいくのでめっちゃ引き込まれました。90分の映画なのにずっとエンタメ性あって面白くて、満足度が高いです。
 映画を作る上で必要な夢と狂気、フィクションでしか表せない映像表現ながら、実写映画のことが大好きな映画でした。1番いいところは編集の取捨選択ですが、ここも色々な選択がある中で、何かを捨ててしか得られないものがあるという共感に繋がってくるメッセージ性も凄かったですね。折角撮った最高のシーンを、必要が無いから捨てる。夢と情熱をもう一度考えさせてくれる作品でした。作画もずっと良かったです。

投稿 : 2024/01/26
閲覧 : 54
サンキュー:

3

きゅん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

よかった!!

見て良かった作品!

投稿 : 2023/12/21
閲覧 : 31
サンキュー:

0

ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ポンポさん大好きアニメ屋さん(≧▽≦)

この作品に関わったアニメ制作のみなさんが、揃って「ポンポさん=映画」大好きなの、ビシビシ伝わって来ちゃいました~(≧▽≦)

感情的に言ってしまうと、「最っ高に楽しい!」アニメ(*^▽^*)

批評的に表現してみると、{netabare}「最っっ高に面白い!!」映画ですwwww

映画作りという仕事がこんなに魅力的に描かれてるのって、
ちょっと他には思いつかないぐらいで。
ADさんが大手制作会社で抜擢されて、
監督デビューしちゃうっていう、
そういうストーリーなんですけど、
監督の仕事って何となく分かっているつもりでも、
プロデューサーの仕事ってなかなか分からないところで、
これを、
「ポンポさんが、来ったぞー!!」って大声でスタジオ入りする小原さんの演技が、
もうね、ココちゃん本領発揮って感じで、脳天を直撃する楽しさで!
プロデューサーのお仕事(プラス脚本制作もこなしちゃうw)を、
ホントによく表現してくれちゃってまして♡

ジーン君に、新作映画の話を持って行く流れも面白かったです!

映画バカのジーン君が、言わずと知れた名作「ニューシネマパラダイス」を会社のスタジオで観ていると、
雰囲気を、においを感じに来たって、ちょっと覗くポンポさんの次回作のためのアイデア構築プロセスと、「映画は90分に収まらなきゃ駄作」とジーン君に向かって言ってのける商業映画のプロ根性が潔くてww
(私はあの頃観た、ニューシネマパラダイスとかライフイズビューティフルとかイル・ポスティーノとか、やっぱり名作だと思いますけど、こういう感覚を凌駕しちゃうポンポさんの「作品をヒットさせる」哲学には感服です)

オーディションに30連敗中の女優志望の女の子が、
ポンポさんの「制作者の勘(笑)」で、
充てブリ脚本のヒロインに大抜擢、しかも売れっ子女優さんの付き人としてイチから鍛え上げられて女優に育っていく、そんなシンデレラストーリーも絡めてくれて(ただ残念ながら、この役の方のCVがダメすぎましたけど…)

「もうやりたい仕事が無いから」って半ば引退しちゃっている大物俳優さんまで引っ張り出して来て!

撮影シーンでは、天候とか大道具とかいった様々な不確定要素を、
よりよい映画づくりのために臨機応変に活用していく、
監督はじめキャストやスタッフのアイデアの瞬発力も発揮されて。

すごい仕事だなあ。
大変な努力が要ることだなあ。
なんて感心していたら、
クランクアップ後の、ここからがホントの、監督の大仕事!
72時間も録画しちゃった元の映像を、商業映画1本分の尺に収めなきゃならない訳です!!!
4カメラで撮ってたとしても18時間は録画されていることになります!
せっかく回した撮影フィルム(と敢えて言ったりしちゃうw)の90%を切り捨てる作業!
しかもシーンごとに、最適で最良なカット割りを選び切らなきゃならない!
アップがいいのか。
バックショットを使うのか。
敢えて「引き」の画を採用するのか。
(これって、絵コンテから出発するアニメ制作では全く存在しない作業です)
たぶんポンポさんは、
最初にテストとして、
ジーン君に前作でAD勤めた商業作品のPVを任せていたので、
そこで「この才能なら、いける!」と確信していたのでしょう。
そしてこの編集作業で、実写映画のお話なのに、
アニメならではの大胆で愉快な作画展開、たまりません!
さらに、
この映像を作品として作り上げるために、
プロデューサー兼脚本家のポンポさんに、
脚本否定に繋がり兼ねない上に、
プロデューサーとして限界突破を求めることになる、
メチャメチャ大変というより、むしろ不可能なのに、
「このカットが無いとダメなんです!」と再撮影発注を土下座で食い下がって、
撮影チーム再結集を実現させてしまう我が儘さ。
ポンポさん、怒りながらも、
「いっぱしの監督になったじゃん!」って嬉しそうで♡
それで結局、
制作としてはあり得ないことだし、
絶対やっちゃいけない公開延期までやらかして、

*****ここで、やる気を失っていた、
ジーン君の高校時代の同級生だった、
ニャリウッド銀行の銀行員さんが大活躍するんですが、
アニメオリジナルのキャラクターらしいんですね。
お金の話は商業作品ならば避けて通れないことなので、
この改変はベリーグッドです*****

ようやく公開にこぎつけたと思ったら、
これが大好評で、ニャカデミー賞まで貰っちゃってww
そこでのジーン君の受賞挨拶が、いいですね!
この映画の最大の見どころは?と聞かれて
「ぴったり90分に収まったことです」って(≧▽≦)
アニメならではの表現も存分に活用されている上に、
実写映画へのリスペクトも過不足なく表現されていて、
{/netabare}上手にまとめられた、{netabare}大傑作だと言うほかにない、
無二の{/netabare}作品だと思います!

投稿 : 2023/07/03
閲覧 : 202
サンキュー:

29

ジョン・ファースト さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

映画の魅力や作りをアニメーションとしてよく表現できていた

見せたい動きはしっかりアニメとして動かして、それでいて不要な部分はかなり場面転換やカットで尺を減らしていることが伺える作りになっている。およそ90分の尺でありながらその内容のボリューム感というか、満足感が時間以上に感じられる。観るきっかけは友人から「お前足立慎吾さん(足立慎吾さん=SAO、リコリコ、WORKINGなどのメインアニメーター)のキャラデザ好きだったよな?ポンポさんはいいゾ~」という言葉だったが、絵よりも話の構成が個人的にかなり刺さった。映画の魅力を伝えながら、映画の大事な部分を抑えながら作られたことがわかるアニメーション映画というのが観ればわかる作品だった。

投稿 : 2023/06/12
閲覧 : 69
サンキュー:

2

さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ちゃんとしてる。特に演出や描き方、構成が好き

ポンポさんプリキュアみたいだしジーンは西川みたいだしキャラデザで少し観るの後回しにしてたけど間違ってました

風景や諸々はリアル系印象派てきな。陰が綺麗
力入ってるとこは作画もいいしヌルヌル動く
細かいところもちゃんとしてる
構成もリアル映画らしく編集の演出を強めにしてるだけあって面白い
引き込まれてビビっとする瞬間だったりクリエイターの資質がある人種とはをポンポさんが語るとこなんかも、わかるわ〜ってなれる。クリエイターは妄想豊人で自分の世界が広いって感じが。
マーティンの俳優スイッチ入ってガルベールになる瞬間とか最高
ツッコミどころはちょいちょいあるけど大して気にならん
即席であんなクオリティーのヤギの看板作れるん!?とか程度
え?そこじゃない?

地味にジーンが本の内容を絶賛するシーンで自分が書いてたらそこを褒められる方が嬉しいなって所でポンポさんが赤面して1番嬉しそうにジーンの背中をド突いてるとこなんかも好きw
めちゃくちゃ良いシーンなのにカットするかで葛藤してるとこも。まさに今日の天皇賞の私。ボルドグフーシュを切りきれなかった、パドックと調教よすぎて、、長距離G1川田なのに
勿体無くて点数盛り盛りになってしまう私は編集向いてない
それはさておき
ガルベールの設定がテーマどおり、注文通りすぎて大塚さんすごい
アランの上司の小山さん安定感、安心感、まさにルメール
誰を思ってデリートソード振り回して作った映画が奇しくも90分で完成したのもドラマチックよね、もちこの作品自体も90分

総合的にかなり満足度高い作品、エンドロールまで頭から終いまで楽しめます。

観たらきっと言ってる意味わかるんで是非観てみてください

おすすめ

投稿 : 2023/05/01
閲覧 : 102
サンキュー:

8

ネタバレ

メガマインド さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画製作の現場から

終盤の展開は面白かった。

今作のMVPはアラン。

アランがいなければ、名もなき作品は世に出ることもなかった。

映画ビジネスという側面から描く作品というのは新しいなと感じる


一つの作品にはたくさんの作り手の苦労と葛藤のドラマがあり

様々な熱い思いを持って作品と向き合っているのだなと思った。


自分の戦える武器で戦おうと思う




みんな主人公!!!

投稿 : 2023/03/24
閲覧 : 82
サンキュー:

7

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

監督讃歌。

【概要】

アニメーション制作:CLAP
2021年6月4日に公開された94分間の劇場版作品。

原作は、「pixiv」に投稿されていた+単行本描き下ろし+ジーンピクシブ連載の、
シリーズ漫画作品。
著者は、杉谷庄吾【人間プラモ】。

監督は、平尾隆之。

【あらすじ】

映画の都「ニャリウッド」の若き敏腕映画プロデューサー・ポンポさんは、未だ少女ながらも、
伝説の大プロデューサーである祖父・ペーターゼンの才能と人脈を受け継いでいる。

学生時代はスクールカーストの底辺だった青年のジーンは、
灰色の学生生活で友達が一人もいなく、映画を観ることが彼の青春の全てだった。

ジーンは映画監督になることを目指して、
ペーターゼンフィルム社に入社して、製作アシスタントの仕事をしている。
卑屈でおどおどした冴えないジーンではあるが、
だからこそリアルでの報われなさこそがクリエイターの潜在能力に必要だと断言する、
ポンポさんの目に止まって、彼女のアシスタントとして選ばれて、
映像の仕事を任されるようになる。そして、新作映画の「MEISTER」の、
ポンポさん自らが書いた脚本を渡されて読んだ感想でテストに合格したジーンは、
鶴の一声でこの作品の監督に任命される。

引退した世界一の名優のマーティン・ブラドックの復帰作となる主演作品。
磨けば光る原石の新人女優ナタリーや、そして様々なスタッフを交えて、
スイスでの映画撮影が始まるのだった。

【感想】

ポンポさんシリーズの単行本6冊とまだ未完の最新作「ニャリウッド」を読んだ上での感想です。

監督を務めた平尾隆之氏は、以前に亡くなられた今敏監督のお弟子さんだそうですね。

監督未経験な様々な才能ある人材やら女優の卵やらを発掘してポンポさんが面倒を見て、
んで映画を撮って大ヒットして終わるのが、いつものパターンでして、
クリエイター志望やワナビーにとって居心地の良い夢を見せてくれる作品。

かつてはエンタメの殿堂だったハリウッドが、ポリコレに振り回されていて、
多様性や人種構成に過大に配慮し過ぎてつまらなくなったと言われて久しい現実を観るに、

フィクションであるニャリウッドの中に未だ存在している、
純然と面白さだけを求めて映画づくりをしている、クリエイターの理想郷。
原作を映像化した部分で、その喜びを視聴者が感じられたら幸いである作品であると思っています。

アニメ化されたエピソードは原作の最初の話で、シリーズでもいちばん淡白なのですが、
実は映画の前半で1巻の原作エピソードをほぼ消化しきっていて、後半はアニオリです。

「MEISTER」の、クランクアップ後にジーンくんの要請で映画の追加撮影をすることになり、
交渉がまとまらなかったスポンサーが撤退してしまい、予算がつかず、
半沢直樹ごっこみたいな銀行の融資の話に物語を持っていきながら、
遂には自分の人生から絞り出すような情熱的な主張で人を動かしては、
夢を追うことは素晴らしい!応援しようじゃないか!!
みたいな、熱い感動風エピソードに追加エピソードがなっているのですが、
なにこれ?この三文芝居?で響くものが無かったですね。

実は、映画化部分では初監督であるためにまだ大人しかった彼なのですが、
ジーンくんは映画の才能と引き換えに人間らしい協調性など様々なものを失っている社会不適合者で、
ポンポさんみたいな才能至上主義に偏っていて、ジーンくんと波長が合っていて、
やれやれ言いながらも何でも許してくれる便利な彼女がそばに付いてフォローしてあげないと、
ジーンくんだけなら干されてあっという間に破滅してしまいそうな危うさ。

会社に迷惑をかけたり、湯水のように資金を使い映画づくりのためならいくらでも無節操になれる、
原作続編でのジーンくんの人格破綻した数々の行為を見せつけられていると、
アニメでは映画の主役にジーン監督の生き方を重ね合わせたメタな構造で、
きれいな話として纏めようとしてるのに違和感しか無いのですよね。
さんざん多くの人間の情熱と時間を対価にしながらも多くを切り捨てて完成させた「MEISTER」も、
過去の成功体験には興味の無い原作のジーンくんに言わせれば粗だらけの「失敗作」だそうです。

作者によって与えられた才能でなにをやっても栄光への道を舗装されているキャラって、
実はあんまり好きではない。傲慢で我儘で天才というキャラ。
映画では悩みながらも色々なものを切り捨てる監督道というきれいなジーンくん。
原作では無表情でトロフィを投げ捨てて過去作は全部出来損ないで処分したいと言い、
ニヤリと笑いながら次回作の話をするジーンくん。
アニオリで「MEISTER」に私心を入れて視聴者の魂に届く感動の名作にした話と、
その後の話である原作をつなげるなら、数々の成功体験でジーンくんが変わってしまったのか?
原作者と、脚本も兼任したアニメ版監督とのキャラの解釈違いなのか?
アニメ版で増量された映画が完成するまでの情熱的な物語も、
ジーン監督が後になって見てて恥ずかしくなる作品を作ってしまったと自己否定しまくっていますね。

ポンポさんシリーズには別のキャラを主軸に変えた面白い話が多々ありますが、
天才が才能でねじ伏せるワナビーの夢を擬人化したようなジーンくんはあまり見たくは無いなあ…と、
アニオリの追加部分のせいで余計にジーンくんの手のひら返しによる人でなし感が増してしまい、
印象がマイナスになってしまったと個人的には思っていますね。

プロデューサーはクリエイターを信じて全力で応援する。
それはそれで素晴らしいことかもしれません。

2022年度は監督初挑戦のヒット作品に恵まれた年ではありますが、しかしながら、

『アニメはギャンブルだ!』と公言しては、自らが至らない(監督の域に達してない)のを、
会社やプロデューサーのせいにし続けて無職に落ちぶれてしまった元アニメ監督がいたり、

放任主義で監督に好き勝手させた挙げ句に原作付きの作品を演出の方向性で作り変えてしまい、
ファンの期待を裏切ってヒットしなかった前例が最近出来てしまったように、

“作品は監督のもの!”“クリエイターの自主性にすべて任せる”といった理想主義には、
光と影が両方存在する。思えばポンポさんのシリーズでは成功体験しか描いてないなってことで、
名言っぽいものを度々出して監督とは、作品作りとはこうあるべし!
と視聴者を誘導しようとしながらも、
監督依存のリスクと挫折を直接描いてないために夢物語に終わってるなというのが、
見ていてすっきりしないところ。

本来はアニメそのものの出来や演出の良し悪しだけで語ったほうが良いとは思いますが、
原作既読者としてアニメの内容に共感しづらいものとして、何故そうなのかと思うと、
序盤で述べたようにワナビーに都合の良い夢を具現化した作品だということに尽きるでしょうね。

「フランちゃん」「カーナちゃん」「ペーターゼンとマーティンの若い頃」
そして、今連載中のマズルカとヴィヴィアンの話である「ニャリウッド」
のエピソードならアニメでも見たいですが、
映画モンスターと化してしまったジーンくんの話はもういいかな…。


と、かなり感情だけで書いていますがこれにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/03/12
閲覧 : 169
サンキュー:

25

是正 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見どころたっぷりの90分

個人的に引っかかる場所がまあ1,2カ所あったけど踏み倒せるくらいには十分面白かった。
個人的に印象深かったのが引っかかったシーンが-50点だけど同時に+50点みたいなシーンなのでがんばって頭の中で誤魔化そう

投稿 : 2023/03/09
閲覧 : 76
サンキュー:

3

ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

名言多し

原作は読まずに視聴した。

映画作りをテーマにしたアニメって、初めてじゃないだろうか。ありそうなテーマなのに、なんでなかったんだろ。

ストーリーとしては、映画作りをテーマにした作品として王道といえるものではないだろうか。初めて見るのに王道というのもなんだが、特殊で意外な展開があるというわけではなかったように思う。監督としての編集作業の大切さには多めにスポットを当てているかもしれない。

ストーリーの良さに加え、名言があったり、作画や演出、音楽が良かったりで、楽しいアニメだった。

{netabare}原作の漫画を読んでみたが、かなりあっさりした展開だった。追加撮影のくだりは、アニメオリジナルだったっぽい。原作通りだとアニメ的な盛り上がりに欠けるので、アニメオリジナルの展開を入れた判断は正しかったと思う。

ナタリーの声を担当した人、演技力は悪くなかったと思うけど、そもそも声質があまりアニメと調和してないような…。

字幕表示を期待してNHKを録画したが、教育番組での放送だからか、字幕が全てひらがなで見づらくてしょうがなかったので、やむなく字幕をオフにした{/netabare}

投稿 : 2023/03/04
閲覧 : 86
サンキュー:

8

ネタバレ

まにわに さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

予定調和は夢でつくる

 
{netabare}完成した映画の中には、撮影シーンや編集時に映ったシーンは入っていないのではないか?
シーンをカットする話であること、期待させ想像させると振ってあること、中身を見ずとも「90分」で映画の完成がわかること。
だとすると、なかなかの意欲作と言えると思うが。

想像させるのは大事だと思うが、好みで合う合わないもあるし、想像し過ぎると気が散るし、想像だけさせられて拍子抜けなんてこともよくある。
想像する余地とか想像力を言い訳にして映像で誤魔化し、そのしわ寄せでまともなことができなくなり無理が生じる、なんてことも現になってるような…

テーマは、見たことがないものを見たい、だから作る、だろうか。
カットした場面しか見ていない映画は想像するしかなく、つまり、誰も見たことがない映画を作る話だったことになる。
登場人物と劇中劇がシンクロする場面があったが、おそらくB級映画向きのアニメ監督なのだろう、だから名作風に挑戦する意味があった、とも見れそう。{/netabare}

投稿 : 2023/02/07
閲覧 : 88
サンキュー:

6

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2023年2月4日本日Eテレ15時より放送!!

ゲーム業界を面白く描いたNEW GAME!

アニメ業界の大変さを描いたSHIROBAKO

クリエーターの拘りを描いた映像研

この映画は・・・映画製作を描いた映画?

全く別の作者が持ち寄ったような
異なるキャラ、イケてないキャラ
イケてるキャラ、噺も捻りに捻って
とにかくスゴかったです。

めいっぱい伝わる熱量に感涙しました。

映画館じゃないとダメな映画じゃないけど
誰よりも早く観て欲しい、そこのあなた!

投稿 : 2023/02/04
閲覧 : 233
サンキュー:

15

ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ちょっと盲目的過ぎない?

そもそも"映画大好き"という作品名、そういうキャラの元で自分の映画論を出してきていたが、所々で自分と感性が合わないなと思いながらも、まぁここの部分は重要じゃないし良いかと思いながら観ていたのだが、最後の最後 重要な場面でその受け入れられなさが爆発して無理だった

それが銀行の重役らに出資させろのシーン
数字と理論を見ている管理職に、最初から自分の武器として持っている“数字”を出さずに自身を敢えて追い込ませて、その後に"凄いことやってるオレ達"感だして感情論に持ってきて最後にはネットの圧力で感情論もひったくれも無い解決をしたのだけは理解できない
しかもそういう昔ながらの官僚的な体制を皮肉的に描いているならまだしも、ハリウッドを模した場所での業界人らのパーティで普通にセクハラ紛いな描写があったり、これはスポ根の側面的な部分もあるから描いたのかもしれないが、下っ端の新人監督が過酷な環境で全く寝ずに根性で仕上げるみたいな前時代的な描写を描いてるのは矛盾してない?
作り手の感性がそもそも古くてネットの怖さも分からないから、利己的な人間を晒し者にしようというこんな安易で気持ち悪い描写にしたのかなとすら思う。どこまで行こうと、90分のポップコーンムービーが好きな人間が「俺こんな凄いことをできますよ」と自分のツメの甘さは棚に上げて作った物

まぁ途中までの制作過程などは面白かったが、なんというか主人公二人が地味。大物俳優に食われてると自分は感じた。キャラが薄すぎる。どちらも行動で示そうとしているため、声優の演技の微妙さが足を引っ張りまくってる
特に女優の方は滑舌もだが抑揚がダメダメ。女優題材なのにこんな人を採用しろと言う製作が理解出来ない

ラストの大勝利エンドも、そもそもアカデミー賞こそ昔は25歳の新人監督が撮った『市民ケーン』や、10年程前にはアメコミ映画がノミネートすらされない、近年では配信限定作品が作品賞ノミネート止まり等から代表されるように“保守”の代名詞なんだよね。そこで賞レース大制覇と言われて、作られた作品の概要を見ていても納得できずリアリティが無い
自分のイメージするハリウッドを盲目的に描いてしまったが故のツギハギ感や矛盾からも掻い撫で甚だしさ、ツメの甘さが伺えて残念だった


あと、最後に一番嫌いな所を書きます
90分映画云々ってそもそも"業界人目線"からの話なんだよね。それなのにポンポさん“個人は“映画大好きと言われてもそうは思えない
少なくとも自分とは違う”映画好き“と見ます

投稿 : 2023/01/25
閲覧 : 171
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9

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たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

全ての映像を愛するあなたへ。。。

「閃光のハサウェイ」と同時に見たんですが、こっちのほうが素晴らしい。

いや驚きました。。ホント。

基本的にはアニメ業界を描いた「シロバコ」や、漫画業界漫画「バクマン」などと同じ「業界もの」アニメですが、作り手のアニメにこだわらない「映像表現」全般に対する「愛」が非常によく出た傑作アニメだと思います。

しかも、多くの映像が「アニメ」でないと描けない表現が多くあることがポイントで、登場人物の心象風景やドタバタギャグシーンがこれ以上ないほど「アニメ」でした。

俺たちは「アニメ」を作りたいんだ!という気持ちがひしひしと伝わる傑作です。

基本的にはハリウッド映画のデミアン・チャゼルの「ララランド」や「セッション」などを下敷きに敷いているので、アニメが好きでなくても見られるところも評価が高いです。というか映画好きの方は必見です。構成のバランスも良く出来ていて、「90分で収まらない映画は駄作だ!」とある人物が答えるんですが、なんと本作の尺も「90分」ということで、非常に練られた構成だと思います。

あと、登場人物の元ネタの俳優やら監督やらを模索したり、なんの映画のパロディだかオマージュだかを考えるのも楽しい映画です。

非常に面白い「アニメ映画」でした。僕は「ハサウェイ」のパンフレットよりこっちのパンフレットのほうを買ってしまいました。

投稿 : 2023/01/24
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23

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タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:----

映画て素晴らしい

タイトルにポンポさんとあるが彼女は助言や陰でサポートする感じで、どちらかというと若手映画監督のジーンが主人公でしたね。

そのジーン監督による映画作りの様子が描かれておりましたが、撮影シーンは機転を利かしたアイデアあり、ハプニングありのドタバタで賑やかな感じでしたが、本当の山場はここからで、編集の作業の過酷さに思わず息を呑みそうになりました。特に睡眠削っての作業ぶりは〆切に追われる漫画家を思わせるものがありましたね。

主要キャラクターは多過ぎず適度な感じでいずれも要所で見せ場があって良い味出しておりましたが、特にジーンの学校の同級生だった銀行マンのプレゼンシーンは怒涛の勢いで熱量のこもったものとなっていてこれが原作オリジナルのキャラとは信じられない程の存在感でした。

何よりこれほどの充実した内容で90分に纏められているのは圧巻の一言です。

投稿 : 2023/01/22
閲覧 : 99
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15

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らの さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心震えた…

なんという…素晴らしい作品をありがとう!!!
こんな作品が埋もれているなんて信じられない。
日本アニメの一つの最高到達点といっても良い程の大傑作!

投稿 : 2023/01/11
閲覧 : 98
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3

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

アリアは、魅せきれたか?

幼い頃からずっと映画を観てきたポンポさん。
彼女はエンドロールを観終えずに座席を立つ。

それは生理現象だったり脳の活動性だったり。
そんなリミッターのなかで彼らは仕事をする。


最高のエンターテインメントを生み出すために。





ポンポさんが映画作りに求めるものは、才気煥発。

能う才覚。
適う才知。
叶う才気。

あまたの才能が結集する総合芸術。
それが、ポンポさんのアリアだ。

だから、エンドロールの最後まで観せたくなる。

その "監督の名前" まで。





誰が、何が、エウレカを呼び覚ますのだろう。

無数のイメージがポンポさんの脳の中を駆け巡っている。

世界観、脚本、キャスト、スタッフ、観客、そして・・・。



問題は、だれにそのアリアを歌わせたいのかだ。

そのアリアを、だれが輝かせられるのかだ。



ポンポさんは分かっている。

だから、ジーンを "指名" する。





映画体験。

うんざりするほどに。

全てを記憶するほどに。

ただ一つの夢と生きたくて。



それらが出逢い、試行錯誤し、結実したとき。

観客もまた、エウレカを体験する。

未知のアドレナリンが恍惚とさせるその銀幕に。





90分の真剣勝負。

人生をかけたアリアが披露される。

その芳醇に酔わされ、その座席に夢を見る。



やがてエンドマークが告げられ、スタッフロールが始まる。



マエストロたちはきまって控えめだ。

観客たちの溜息はどうか。

アリアは魅せ切れたか。


90分への創造と格闘が、またそこから始まる。

投稿 : 2023/01/08
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14

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ねじまき さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画が久々に観たくなる映画アニメ

昔は洋画を沢山観ていたのですが最近はアニメばっかり見ていますが久々に洋画と向き合いたくなる素敵な作品でした
ぜんぜんどんな話かわからないまま観ましたが思ったより制作サイドのお話で「映画のすごい名シーン」をアニメで表現するとか鬼のようなハードルをちゃんと再現できてて違和感を感じさせなかったのはとても素晴らしかったです
ネタばれになりますがニャリウッドでニャカデミー賞を取るまでのお話なので素晴らしい映像と音楽、声優が必須だったのですが1人だけ悲しくなるくらい演技力の足りない声優さんが目立ってしまって残念でした
本当に悲しかった
映画などのストーリーでしばしば意図的に窮地を演出しているのを目にしますがこの作品の素晴らしい所は無駄な窮地を作らないお話だった所だと思います
作り手が勝手に拘って時間とお金が足りなくなって頭を下げて頑張って解決する
とっても良い作品ですよこれ

投稿 : 2023/01/06
閲覧 : 83
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5

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

素晴らしい原作を見事にアニメ化。大変素晴らしいです

原作既読。
素晴らしい原作を非常に高クオリティに見事にアニメ化してくださり大満足です。
とても出来が良かったと思います。
特に90分程度で終わるところが良かったですね。

原作とは違いも結構ありましたね。
それが全部質を上げたかは微妙ですが… 原作がまとまりが良過ぎたので。
でもまあ、このクオリティは文句を言うほどではないです。
大変楽しませていただきました。

投稿 : 2023/01/05
閲覧 : 98
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7

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

演出と場面転換と構成が凄い。テーマもいい。最高に面白い映画でした。

 映画はみんなで作るものだ、を否定した映画だと思います。初めはそういう雰囲気を出していましたが、結果的に映画は監督が何を見せたいか=監督が面白いと思うのはなにか?に収斂していきます。

 リアリティの部分ですが、これはジーンが成功するのがご都合主義だという見方もできますが、何のために冒頭にニャカデミーショーの場面があったのか。それはジーンの成功物語ではなく、ジーンが成功したからクローズアップした、という風に見れます。
 その裏にある数多の失敗例、夢破れた人は見せてないだけだ、という表現なのでしょう。

 ジーンという名前はGENE、つまり遺伝子です。フィニは映画のラストの「完」ですね。映画の遺伝子を受け継ぎ、映画の本質を理解し、物語を提供できる人という意味だと思います。ポンポさんと祖父が出てくる、フィルムからデジタルの場面はそういう意味もあるのでしょう。

 銀行のシーンはもうちょっとナタリーに尺を取ってくれたらなあという気もしましたが、しかし、ここは受け取り方ですね。ポンポさんが我儘をきいたのも頭取がOKしたのもジーンの情熱です。結局は、みんなの力を集めるには、映画を作りたいという一人の男がいるかどうかです。

 映画のためにすべてを切り捨てるという「編集」と「人生」と「劇中劇の主役」を重ねる。そして、アリアは感情、情熱です。それを描き切ったストーリーが素晴らしかった。

 更に本作のもっともすごいのが、演出と場面転換、構成です。あるいはキャラの輪郭のピンクとかミドリの輪郭です。とにかく飽きない。面白い。ワクワクする。映画の内容そのものです。

 美人の女優だけ出していればいいというのは古い映画の感覚です。「ローマの休日」だって、内容は少女マンガです。オードリーヘップバーンが出てるからいい。ブルックシールズ、ナタリーウッド、イングリッドバーグマン、マリリンモンロー。ポンポさんは女優ありきでしたが俳優も似たようなものです。
 憧れの価値観は多様化してしまい、スターが不在になりましたが、美女を見たいと思う心はそれだけに純粋な感動につながります。古い考えゆえに一つの正しい考えでもあります。ポリコレ云々は本作では考えすぎかなあ。

 スピルバーグ、ルーカス、コッポラ、リドリースコット、キャメロン、フィンチャー。みんな名作も撮りましたが、デビュー時はほとんどB級作品です。そうなると、ジーンくんは長い映画が好き、ニューシネマパラダイスが好きと言っていたので、おそらくシンドラーのリスト、地獄の黙示録、ファイトクラブなどの名作系に行くのでしょう。キャメロンみたいに結局「アバター2」かよというB級監督ではない気がします。

 それと日本の作家やマンガ家、有名アニメ監督とかみんなその分野のスーパーオタクですからね。ルーカスやタランティーノもそうですね。本作のすべてを切り捨てろという主張は極端でもないと思います。むしろ、自然に切り捨ててきた人間が最高峰になるんだということですね。

 正直言うと、この作品知名度は高いし評価は高いのが不思議です。なんか酷評されるような感じなのですが、意外なことに映画〇ムでも、4.0ありました。興行収入は1.6億円しかないと聞いてましたが…。
 つまり、単純に面白い。そして浅く見てもテーマ性が分かる。更にこの映画の裏を自分で補完して創作というものを深掘りしてもいい。どの段階でも楽しめる映画ということでしょう。


 サブスクに無料公開されたので、再視聴しましたが、再び夢中になってしまいました。10回以上は軽く見てるのに不思議です。

 以前、視聴しながら15分単位くらい毎に感想を書きましたが、とりとめがないので全面書き換えしました。

投稿 : 2023/01/05
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26

-Cha sMIN- さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とても評価のよい作品でした

とても評価のよい作品でしたので
視聴を始めました

とばしとばしに見ておりましたので
ポンポさんの年齢がわからないままです

投稿 : 2023/01/03
閲覧 : 96
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1

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ポンポさんが来たよ!

原作未読 90分

年末BS11で放送されていたので観てみました。

偉大な映画プロジューサーを祖父に持つポンポさんの活躍を描く作品、ポンポさんの元でアシスタントとして働くジーンが監督となり1本の映画を制作するお話となっています。

映画作りの裏側を丁寧に描かれていました。

テンポよくお話が進んでいくので観やすいですね。

映像も映画らしいフィルムのオンパレードwうまく使っていましたね。

とんとん拍子に話が進みますが、後半は色々な問題が起こります。それも映画制作らしい展開でした。

魅力的なキャラも多く、まだまだ観て観たい思う作品でしたね。

主題歌はCIELさんが歌っています。

最後に、映画のヒロイン役の方の声は女優さんだったのですね〜

投稿 : 2023/01/02
閲覧 : 122
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17

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aonisai さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

優等生な作品だがちょっと物足りなさも

まず一つ言っておきたいのはこの作品は間違いなく良作に分類される類のアニメ映画だということ。テンポも演出もすごくいい。
映画作りに関する色々はやっぱり面白いし、クリエイターマインドにはクリエイターの中だけではない普遍性がある。

後半は映画の編集が主題になってるけどこれも普遍性がある。自分は大事な発表が直近で控えてるので結構刺さりました。

ただ監督がそこまでして映画の時間を90分にまで短縮したのがポンポさんのためなのか影響なのかわからないけどその理由が弱いと思ってしまった。
個人的には映画の上映時間が抑えられている方がよくできていて、長めのものが駄作だとは全く思わない。
監督には映画作りに関するフィロソフィーをしっかり持ってほしい。

あと後半の融資のエピソードが微妙だった。監督の同級生のキャラクターにはそれほど惹かれなかったかな。

投稿 : 2022/12/18
閲覧 : 86
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6

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ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

90分1本勝負

映画のプロデューサーである、ポンポさん。
ポンポさんのアシスタントをしていたジーンは、映画の15秒CMの制作を任される。
ジーンの才能を見抜いたポンポさんは、新作映画『MEISTER』の監督にジーンを抜擢した。

本作品のタイトルは、ポンポさんですが、主役はジーンですね。
アシスタントから監督に抜擢。
それは多くの映画人を観察してきたポンポさんだからできる芸当です。
ジーンは期待に応えれらるのか。

映画の主役はマーティンとナタリー。
マーティンは大御所、ナタリーは新人です。
選んだのはポンポさんなんですよね。
自分の書いた脚本とバッチリの役者を選ぶところに、ポンポさんのセンスが感じられます。

映画は撮りました。
しかし、編集作業で納得できなくなったジーン。
追加撮影をポンポさんにお願いします。
ここでの銀行の融資がカッコ良かった。
会議内容をウェブで公開。
最終的には資金集めに成功しますが、映画も銀行も良い宣伝になったので良かったです。

映画しか無かったジーン。
映画に育てられたポンポさん。
どちらが欠けても映画は成功しませんでした。
映画の見どころは、勿論……{netabare}90分という事!{/netabare}

投稿 : 2022/12/03
閲覧 : 120
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19

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マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

きみの映画の中に、きみはいるかい?

 全90分。原作未読。

 すごかった・・・めちゃくちゃ面白かったですね。登場人物や伏線、ストーリー展開と無駄なくテンポよく話が進み、視聴後の満足感も高い。最高でしたね。

 普段アニメや漫画、映画などを見ていると、面白いものは作品の「背景」を知りたくなるものです。この映画はまさにそういった背景をふんだんに描いているので、それを知れたのも良い。こういった四苦八苦しながらも最高の作品を生み出しているのだと思うと、ほんとクリエイターはスゴイと思いますよ。

 さらに、ただ映画撮影をするだけでなく、見やすいように派手な演出が施されていました。途中ラピュタ、ナウシカ?っぽいシーンもあって、映画好きにはたまらない、単純に見てて楽しいと思えるのも良かったですね。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/08/23
閲覧 : 164
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22

横比較無用ノ介 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

映画狂の詩

後半グイグイ引き込まれる。
映画に魅入られた人間たちの情熱が、ダイレクトに伝わってくる。
フィクションなのだが、リアリティを感じる。
そして日本のアニメ界も、このようであって欲しいと願ってしまう。

「日本映画は投機的な、冒険主義の時勢じゃなくなったということ。」
とある映画監督がぼやいていた。確かにその通りなのだろう。
国民の給与水準は全く上がらず、なんでも自粛傾向。
冒険なんて縁遠い状況。
せめてアニメくらいは、夢をみせてもらいたいものだ。

投稿 : 2022/07/27
閲覧 : 148
サンキュー:

8

masamu324 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

もっと話題になってもいい

アニメ映画では近年でも屈指の出来ではないでしょうか。

ただ一点だけ残念なことがあって、ヒロイン役の声優が本業ではないので棒読みで浮いてしまっていることです。

「作品のクオリティを下げることを承知で話題のために素人キャストをねじ込まないといけない」

日本映画ではよくあることですが、それ以外が完璧だっただけに惜しいです。

投稿 : 2022/07/03
閲覧 : 153
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映画大好きポンポさんのストーリー・あらすじ

敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。(アニメ映画『映画大好きポンポさん』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2021年6月4日
制作会社
CLAP
公式サイト
pompo-the-cinephile.com/

声優・キャラクター

清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫

スタッフ

原作:杉谷庄吾【人間プラモ】(MFC ジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA刊)
監督:平尾隆之、脚本:平尾隆之、キャラクターデザイン:足立慎吾、演出:居村健治、監督助手:三宅寛治、作画監督:加藤やすひさ/友岡新平/大杉尚広、美術監督:宮本実生、色彩設計:千葉絵美、撮影監督:星名工/魚山真志、CG監督:髙橋将人、編集:今井剛、音楽:松隈ケンタ、制作プロデューサー:松尾亮一郎

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