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「ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)」

総合得点
71.9
感想・評価
313
棚に入れた
1001
ランキング
1211
★★★★☆ 3.6 (313)
物語
3.3
作画
4.1
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ワンダーエッグ・プライオリティの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いい作画とは?ここ10年で作画の最高作品かも、と思います。

リアルタイムで評価、22年12月に再評価、今回23年12月に再々評価です。

 といっても、内容については今回は評価せず、作画についてです。いろいろとアニメを見てきましたが映画は別にしてTVシリーズではこの10年くらいでは最高作品は本作ではないかと思います。

 いい作画の定義は私のような素人には難しいですが、私の見解だと回転(振り返り、身体の向きを変える、首を向ける・そむける等含む)を入れているか、構図は横からだけでなく上下左右遠近から見せられているか、構図は的確か、演出と連動して優れたアニメ表現になっているか、手足を丁寧に自然に動かせているか、キャラの表情が自然か、顔の演技に首や肩の動きが含まれているか、髪や衣装にこだわりの動きや工夫があるか、線が丁寧かなど、動きの部分があります。それと重量感ですね。ちゃんとGを感じられるか。季節感・天候、風や温度が読み取れるか。

 そして瞳や髪、アクセサリーの光沢、肌の質感の部分と背景とのバランスなど、原画ではないでしょうが着彩も大きな部分です。

 背景美術は質感。実写ではなくアニメになっているか。遠近法は空気、焦点など工夫があるか、人物の動きを引き立てる色彩・密度か、世界観を表現しているか、陰影・光は美しいか。時間帯や方角、国や場所がわかるか。
 エフェクト頼りにならないか。3D酔いや光酔いはしないよう調整しているか。

 と考えて行くと、本作の完成度の高さは群を抜いているように感じます。そして、そのスタッフの参加作品を見てみると「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「明日ちゃんのセーラー服」「その着せ替え人形は恋をする」「ぼっち・ざ・ろっく!」などが並びます。CloverWorksだから当たり前のラインナップではありますが。
「22/7」「アイドルマスターシンデレラガール」は未見ですがアニメータは重なっています。

 プラス「Sonny Boy」「白い砂のアクアトープ」「ゆるキャン△」「DO IT  YOURSELF」など独特の作画で感心したアニメのスタッフも参加しているようです。

 これらのこの何年かで感心したアニメのスタッフが集まって、多分潤沢な予算で贅沢に作ったのでしょう、見返してみると私の好きな作画の条件が高いレベルでほぼ満たされている気がします。

 他に「おにまい」「ヤマノススメNEXT SUMIT」が作画で気になる作品で、本作とこの2作のスタッフの参加率と予算で作画のクオリティは決まるのではないかという気がします。「ヤマノススメSUMIT」は作画の個性ですぎと背景美術、構成で難ありですが、あれも作画はいいと思います。
 あとはサンライズですね「UC」はすごいところはすごかったですから…

 スピード感やバトルシーンなどはいくら凄くても私はあまり楽しめません。ですので「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「チェンソーマン」などはすごいんでしょうけど、響きません。(いや、技術だけならチェンソーマンも評価すべきかも…)
 
「ヴァイオレットエヴァーガーデン」はちょっと考えてしまいます。絵はすごいですが、動きとか演技がどうかな、というのはもう1度確認してみます。「甲鉄城のカバネリ」「映像研」「リトルウィッチアカデミア」など気になる作品もありますが、本作とは関係ないのでこれくらいで。

 







再評価。初回時よりは好印象。含意はあるかも。が、あざとい。

 死をテーマにした作品を見たくなって再視聴しました。本作は難解というより煙に巻いている印象を持つ作品なので、設定・裏設定などを考察するよりも大まかな意味を取ったほうがいいかなあと思います。

 アカ・裏アカ・ドット・ハイフンなどが現れます。ネットワークが関連するでしょう。ミテミヌフリ、アンチは当然ネットワーク上の悪意でしょうが、ひょっとしたら現実社会も包括して大衆の悪意と見ることもできます。

 人工人間=AIのフリル=2次元美少女でしょうか?これがひまり=実際の子供を殺す=子供が生まれなくなる。あずさ=妻を殺す。つまり、ネットワークのせいで、結婚・子作りができないということかもしれません。

 あるいはこれは読みすぎかもしれませんが、2次元美少女が実在の少女の存在を消して行く…というような、あるいはアニメによって男性の性が歪むような意味にもとれなくはないです。だから、エロスの戦士=現実の少女が…みたいないみかもしれません。

 少女たちの自殺の原因は主に虐め、大人の論理、性的な原因などでした。フリルはまた誰でもない一般的な少女たちの悪意の象徴でもあるかもしれません。普通の子に作ったフリルが他者との比較での嫉妬で、裏で攻撃をする。

 これの原因を取り除くのがエロスの戦士でタナトス=自殺と戦う。やはり、ここで問題になるのが「エロスの戦士」の意味です。フリルの存在があるのでちょっと分かりづらくなっています。ネットワーク上の性消費に見えてしまいます。

 最後の結論は、ネイルが作り物だったことも踏まえると、ネットワークでつながった友達という風にも見えます。小糸が現実では友達ではなかったと考えると、どうも脳内友達っぽく見えます。
 その小糸が自殺したのは、どこの世界かというと元の世界で、元の世界が夢だとすると抹消せざるを得なかったということでしょうか。ある意味では世界観はSSSSグリッドマンのような印象を受けました。

 全体としては、ワンダーエッグの数字がアドレスとかそういうものにも見えますので、バーチャル=SNSとかネットワーク上の悪意、性消費などで心が殺されるとか、そういう事が言いたいのかもしれません。

 なんとなく、感じるものはあるので、1回目の視聴ほど悪い作品とは思えませんでした。

 しかし、少女の性的な部分を並べて「引き」にしている、あるいは「深み」があるような印象を作っている。大きく見れば含意になるかもしれませんが、本作の制作者側が、自分自身で性消費してるように見え、自己矛盾じゃん、という気がしました。アニメは見ないで実写を見ろとも見えます。

 正直いえば、それっぽいパーツをばらまいて置けば、私みたいな考察厨が適当に意味を付けてくれるだろう?みたいなあざとさを感じなくはないです。

 作画・色合いのビビッドさは素晴らしいと思います。

 良くも悪くも印象に残るアニメで、再視聴できるクオリティはありますね。13話がポカーンで評価を落としたかもしれませんし、改めて見ても説明不足すぎて、そこは仕方ないとは思います。テーマが少女の性消費とかイジメなどを問題にしているようで、あざとい意図も見え隠れするので、素直に評価はできませんけど。




以下 一回目の視聴時です。

{netabare} Ⅾアニメにあったから見ましたけど、あれが特別遍?総集編でなく?たしかに後半は訳の分からない新作パートがありましたけど…?だったら初めから90分の映画にすりゃあいいじゃんという感じでした。
 なお、言葉が過ぎたレビューでしたので若干修正しました。

 総評しますと、現実世界での性的な少女たちの事件・苦悩、パラレルワールド(ことぶき)、AIの死の後押し等々やちちらかすだけやりちらかして、結局結論が出ないような話。
 風呂敷を畳めないので、訳の分からない結末にしています。

 脳死状態の人間の生命維持装置を外すことの意味は、いわゆる尊厳死の問題でおバカな少女たちが感情的に議論しても意味がないでしょう。
 アルビノは単なる色素異常で天才性とは全く関係ないです。貴重な検体って意味が解りません。
 エロスとタナトスという言葉を単純に性と死という言葉に置き換えて、タナトスをエロスの戦士でなんとかする?なんなのそれ?生命を持たないAIの対抗軸でエロスが人間的だって話でしょうか。
 オッドアイの意味は?パラレルワールドに関係している?
 ただし、パラレルワールドは少女たちの救済にも可能性にもなっていない気がします。だって、そこで生きている少女は隣のワールドの少女とは関係なく生きているけど。
 などなど。ギミックを散りばめて雰囲気で何とかしようとしているように感じます。

 私の個人的な感想では、深みも論理性もないと思います。バックボーンも読み取るべき回答もないまま、雰囲気で作ったとしか思えないアニメでした。ただし、エンタメとして楽しもうと思えば楽しめた水準だったと思います。

 ひどいのが今回の特別遍でした。12話までにあったエンターテイメント性がどっかにいっちゃいました。謎を造るだけ作って、最後にあのネイルのはなんなんですか。それともネイルが○○なら、ストーリー全体を解決できる伏線がありましたか?うーん。わかりません。

 特別編は、こんなんだったら作らないほうがましだと思います。



以下 本編のレビューです。

タイトル;性に翻弄され、死を選ぶ少女と救済をテーマ…に見えるが…あれ?

 まず、作画はさすがネット限定のアニメですね。驚異的な美しさです。キャラデザも美少女だらけです。

 ストーリーも、死を選んだ知人の少女を救済するために戦う少女たちが、実は自分たちの心の傷と戦っているような展開で非常に面白かったです。最初のうちは。

 ただ、おや?と思ったのが、引っかからないんですよね。象徴とか謎とかに。スルリとスルーしてしまうような、考察する気にならない。演出の問題なのか、キャラに厚みがないから、エピソードが単調だからなのか。

 と、考えたときに、急に女の子たちの過剰な肌の露出、特に脚の露出や、話題が性的な問題ばかりフォーカスされていることが鼻につきだしました。で、痴漢や性的なイジメ、レイプ、同性愛等々まあ、出るわ出るわの性的なエピソードのオンパレード。

 それが少女たちの人格とか性格の形成にどうかかわっているかとか、何かの問題提起になっているように見えないんですよね。視聴率?(ネットはなんていうのかわかりません)のための、言葉遊びというか…。

 最終的にモロモロ過去の出来事とかSF的な何かがいろいろ出てきて、世界観を見せてくれますが、うーん、やられた!、とか、へー!とかまったく感動がないというか…性的なこと自殺のことを扱っていることに理屈はつけますが…。

 元に戻って、1話を確認したら、第1話のヒロインの心の変化的なものにまったく意味付けがないことに気付きました。ああ、万事がこんな感じだから、引っ掛かりがなかったんだなあ、と。

 私の考えが浅く、解釈が追い付かないのかもしれません。ただ、私にとっては、エロスを全面に出して、稼ごうというお金の匂いがする作品でした。

 なお、面白くないことはないです。見て、損した、という感じでもありません。
 あえて、難解にしないで、このクオリティーでもっと娯楽に寄せたら良かったのに、と思います。 {/netabare}

投稿 : 2023/12/14
閲覧 : 585
サンキュー:

19

マサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

【60点】有名ドラマ脚本家の初アニメ作品。制作スタイルとの噛み合いが絶望的。

オリジナルアニメ。4人の少女が不思議な卵を割って戦うというあらすじ。

全体的にはファンタジー色や群像劇的な側面が強く、ポップで陰鬱な描写をも含んでおり外連味には溢れていると思う。しかし、肝心の内容はどうもゴタゴタしており、キャラの過去やトラウマについてはある程度肩入れ出来るようには見せられているが、世界観の広げ方や進行についてはあまり良くなく、急に複雑なSF要素をぶち込んでくるため頭の処理が追いつかない。

特別編を見ても終わり方は綺麗なものとは言いきれず、戦いはまだまだ続くエンドで世界観についても触れられることはなく、モヤモヤしだままで終わってしまうのにはかなりの肩透かしを食らった。

ドラマのやり方とアニメでの表現の相性はいい方向に作用しないということがわかった反面教師的作品。

投稿 : 2023/09/25
閲覧 : 192
サンキュー:

1

ゆーしゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

少女がトラウマ乗り越える

卵ガチャで魔物倒して、トラウマ撃破
簡単に説明するとこんな感じです。

回収できていない謎が結構あるw
すっごい面白いってわけではないけど、なんか最後まで見てしまいました。
最後に回収詰めすぎ感。

投稿 : 2023/07/16
閲覧 : 92
サンキュー:

2

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ドラマ界からの進出の結果は

 実写ドラマで有名な野島 伸司氏の脚本によるオリジナル作品。
 昔からそんなにドラマを観るわけではなかったんだけど、それでも野島作品はそれなりに
視聴しており、本作を観るに「ああ、らしいな」という感じ。
 アニメということでドラマに較べてSF、ファンタジー的色合いが強いものになっているが、
キャラの環境や状況などは相変わらずドロドロしたえげつないものが多く、むしろ映像的
グロさも加わって、ドラマよりひどいような。
 そもそも野島氏が何故アニメ脚本をやるようになったかは知らないけど、ドラマが以前に
較べてきわどいものがやりにくくなってきている今、ドラマよりやりたいことができそうな
アニメに参入してきたのかな。

 単にえげつないだけでなくやけに生々しい感もあったが、この辺は現実の様々な部分に対する
問題定義要素もあるのかと。
 それでもあまり陰惨な印象がなかったのは、作画がきれいだったり、中心となる4人の少女が
魅力的だったり、その4人の他愛ないやり取りが楽しかったりしたからかな。
 4人の会話などはやはりドラマ畑の脚本家によるペンのためか、通常のアニメのそれとは
異なる感じであるのが新鮮。
 エッグ世界での戦いにおける4人それぞれの決め台詞なんかは敢えて垢抜けない感じに
しているようで、ある意味新鮮。

 エッグ世界の描写は登場キャラの心情や環境を映像化したメタファー要素を含んだもので、
なかなか魅力的だった。
 終盤になると作品世界の真相が明らかになるが、ふわふわしたファンタジー的なものではなく、
思いの外SF的なガチガチしたもの。
 個人的には全て説明を加えるより、幾原 邦彦監督作品のように作品世界でのリアル映像と、
心象表現を映像化したものとが曖昧になっている方が映像的な内容に相応しいように思えたけど。

 4人の出会いがそれぞれの状況を良くしているようで、「この4人の友情がそれぞれの
救いにもなっていけばいいのに」と思ったりもしたが、やはり根本的な解決にはなっていない
ようで、エッグ世界での戦いは継続。
 元々、少女達の状況においては容赦ないストーリーだったが、後半になると4人の状況は更に
ひどいものに。
 その一方、主人公の大戸 アイのやるべきことが見えてきたため、
「最終的にどうなのるか?」と思っていたら、中途半端な状態で終わり、
「最終章になるのか?」と思った「特別編」はこれまた締めには値しない内容。
 結末を曖昧な描写で終わらせて、その判断を受け手に任せるような作品自体は個人的には
そう嫌いではなかったりするけど、本作に関してはそういった類とは別で、やはり結末
そのものの描写を放棄したような印象でいただけない。

 いわゆるアニメ脚本家ではない野島氏作品ということで、今までにないものを期待していた
部分はあり、実際のところの途中までは内容、キャラ、演出、作画のいずれも好感度が
高かっただけに、この終わりは余計に残念感が募る。

2021/08/18
2023/07/02 加筆・修正

投稿 : 2023/07/02
閲覧 : 340
サンキュー:

8

ネタバレ

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

『終わり良ければ全て良し』という諺があるが…

まず「このアニメは京都アニメーションが作ったのか?」と勘違いするほどの美麗な背景やキャラデザに圧倒される。雰囲気が『響け!ユーフォニアム』に近い。それもあって視聴前はノンファンタジーの青春モノかと思い込んでしまった。
そんな美麗な作画で描かれるオッドアイを持つ主人公・大戸アイが虫に憑依した何者かの導きによって“エッグ”──ニワトリの卵のようなアイテムを手に入れるところからストーリーが始まる。その卵は現実では割ることができない。卵の中にはアイの欲しいものが入っているというが──

【ココがすごい!:質アニメを予期させる美しい作画と独特な世界観】
謎はどんどんと畳み掛けられる。不登校児であるアイは何故か学校に来てしまい、そこで卵を叩きつけてしまう。ひびの入った卵は無茶苦茶に大きくなって風船のように割れ、中から西城くるみという少女が出てくるのだ。
アイが求めたのは「友達」。だから卵から同年代の少女が孵った。話の流れとしては理解できるものの、作画に反したファンタジー続きに困惑する。ロクな説明もなく不親切にも感じたが、まだまだ第1話のAパート。この掴み所の無い世界観に惹かれたのも事実だ。
作画の雰囲気や劇伴効果もあって最近のアニメでは味わえない「質アニメ」又は「考察アニメ」と呼ばれた類の空気感を感じた。暗喩や比喩、見る側が“想像”し“考える”ことを求められている。それに応えるのがアニオタというものではないか。そういったやる気を刺激されるような序幕である。

【ココもすごい!:作品のテーマと戦闘シーン】
西城くるみが孵って間もなく2頭身くらいの小人が群れをなして襲いかかってくる。くるみは奴らを「ミテミヌフリ」と言った。その正体はやはり説明されないが、ミテミヌフリはイジメ問題でよくある“見て見ぬふり”が具現化したものではないかと考えられる。
そう、この作品のテーマは『自殺』だ。そしてその多くの原因はイジメであり、その被害者にとって、自分が命を絶つまでの苦しみを放置した傍観者も立派な敵なのである。それが雑魚の位置に置かれているのも適役と言える。
主人公のアイも見て見ぬふりをしてしまったことがある。そのせいで彼女は唯一の親友・長瀬小糸を喪ってしまった。そしてまた、ミテミヌフリがくるみしか襲わないとわかると、(彼女の進言もあったが)共に逃げることを止め、見捨てようとしてしまう。
「もう──見て見ぬふりはしない」
親友を守れなかった後悔。なにもしなかった自分。そんな自分はもう嫌だとアイは一転、くるみを守ろうと奮起する。
あの作画で、戦闘シーンだと……!?
キャラクターを動かさないからこそ綺麗なキャラクターが拝め、動かしてしまえばどうしても崩れてしまうというアニメの法則に納得し、いつの間にか多くを求めなくなった私にとって本作に戦闘シーンがあるのは嬉しいサプライズだった。そしてクオリティーもかなり高い。変身こそしないが、そちらのジャンルに負けず劣らずのアクションを魅せてくれる。
この一連の流れは第1話だけで終わらない。エッグから生まれる少女を何人も守ることができれば大切な人を取り戻すことができる。そう確信した大戸アイを始めとする4人の少女がこの摩訶不思議な“ゲーム”に挑戦し、自ら命を絶った様々な少女たちとそのトラウマに触れていく。

【そしてココが面白い:戦士の交流と友情】
夢の中でエッグを割り、出てきた少女をトラウマから解放する──という流れに次第にマンネリを感じるのが正直な所。エッグの少女の自殺の理由やトラウマ──それらが具現化したワンダーキラーの種類はさまざまだけれども、基本的には力ずくでねじ伏せるだけである。
幸い、ゲームの挑戦者(劇中用語に寄せてエロスの戦士候補、と言った方がいいか)4人が出会って友達となり、アイの家やエッグを買える庭園を溜まり場に繰り広げる会話劇を目当てに視聴が続いた。
メインキャラクター4人の中では川井リカがかなりの曲者だ。「かわいいリカって覚えてね」「パパがね、美人は財布を持たなくていいって」等と言うお調子者で恐ろしくパーソナルスペースが狭い。他者の触れられたくない部分やこのゲーム自体の意義にも遠慮なく触れて問いかけ、諍いを起こす。正直、リカ含むアイたちの会話は直ぐにギスギスになってしまい癒しが少ない。
だからだろうか。アイたちの友情は他とは違った魅力を持っている。時に相手を気遣わずに本音の意見をぶつけ合わせるからこそ本当の友達なのでは、と考えさせられる。普通、それで気まずくなったらきちんとした謝罪を踏まえるか疎遠になってしまうものだが、同じ戦士候補ということで時間を置けば同じ溜まり場に集まり違った会話が披露される。遺恨を残さず付き合える友情が、否が応にも大人にされてしまった私には少し羨ましく感じてしまった。

【でもココがひどい:話がちがう!】
しかし本作の脚本家である野島伸司という方はドラマ界でもかなりの問題作を制作してきたらしい。要は本作終盤、中々に救いがない展開が待っている。
{netabare}先ず“エッグの少女を守り続ければ大切な人が甦る”というのは飽くまでもアイたちがそう確信したに過ぎなかった。パラレルワールドの存在が示唆され、そこから自殺した想い人の同一人物を連れてくること、これがゲームの本当の報酬だったことが特別編で判明する。同一人物たちはアイたちの記憶を持っておらず、声をかけたアイに小糸が「馴れ馴れしくない?友達でもないのに」と言い放つシーンは今まで頑張ってきたアイを思うとやるせない気持ちになる。
さらに同じ戦士候補として築き上げた友情もボロボロだ。ゲームクリア後に現れた虫の頭をした少女に殺されかけ、その恐怖から庭園に行くことにも拒否反応を示す沢木百恵。同じく虫の怪人に殺されかけ、その身代わりとなったお助けアイテム『ワンダーアニマル』の敵を討ちたいリカ。2人はアカと裏アカが求めるエロスの戦士には相応しくなく、再びエッグを買い求めるアイとは疎遠になってしまう。
そしてメインキャラクターの青沼ねいる……彼女は妹と称してた青沼あいるを模して作られたAI搭載のロボットであり、その性能は嘗てアカと裏アカが作り上げ、現在、死の誘惑をかけて少女を自殺に追い込んでるとされるフリルと同等であることが判明する。ねいるとフリルは同調し、その後どうなったのかは詳しくは語られない(もう最終話なのに…)。
人間だと思ってた娘がロボットで、友達を生き返らせたと思ったらそうではなく、そもそも『ファンタジー』だと思ってたエッグ回りの設定が天才たちによる『科学』の産物であることが明かされる……12話かけて培ってきた思い込みが全てひっくり返される衝撃は筆舌に尽くしがたい。
ただ本当にひっくり返しただけでエッグやワンダーアニマルの原理やフリルの勢力(はいふんやどっとちゃんなど)の謎は解らず、科学はまだファンタジーに片足をつけてるような状態のまま終わってしまい、納得には至らない。これは賛否両論が出る結末だろう。 {/netabare}


【総評】
全体的に見て非常に懐かしい雰囲気になれるアニメだった。『新世紀ヱヴァンゲリヲン』以降の考察系アニメや、いわゆる質アニメとよばれる作品、流行り廃りで随分と減ってしまった「視聴者」に考えさせるタイプのアニメであり、説明自体はかなり少ない。
第1話の段階で人を選ぶ要素が強く、それゆえに面白い。
この世界はなんなのか、このシーンにはこういう意味があるんじゃないだろうか。
視聴者に「考察」させるアニメの面白さを久しぶりに味わえる。
1~100まで説明するのではない。20くらい説明して残り80を視聴者に補完させるための演出や舞台装置、キャラクターの台詞や表情で察してもらうことで物語を味あわせている作品だ。視聴者側のリテラシーを信頼した魅せ方をしてると言い換えてもいい。
劇場アニメ並の作画、アニメーションとしてのクオリティーも素晴らしく、ぐりぐりに動くアクションシーンと敵デザインの独特な気持ち悪さと相まって甘美的な魅力のある戦闘シーンを作り上げている。
戦闘シーンだけでなく、日常シーンでもキャラクターの描写は4人のメインキャラクターの魅力につながるような描写が多く、ひとりひとりの魅力をきちんと描くことでそれぞれのキャラの可愛さにつながっていた。
{netabare}これだけ誉めるところがあるのだから特別編(最終話)はもっとしっかりしてほしかった。リアタイ視聴者にとって3ヶ月延期してわざわざ特別編と題してまでこれかという感覚のまま終わってしまった作品だ。流石に考察が好きで良リテラシーを持ち合わせた視聴者でも描かれていない部分が多すぎて消化不良に感じるだろう。
フリルの問題、ねいるの問題、ジャパンプラティの謎と色々と残っている。そこを描ききって初めて「ワンダーエッグ・プライオリティ」という作品の評価が決まる筈だ。あの作画なので1、2度落としてしまったかもしれないが総集編なんて2度も入れてる場合じゃなかった。1クールをフルに使って持ち越された謎を少しでも減らすべきだったと思う。
さらに後味の悪い終わり方が意気消沈を加速させる。互いに本音の意見を言い合えるまでの友情を築き上げた4人の関係がゲーム終了によって自然消滅する……これがアイのモノローグでさらっと流されたことが個人的に一番ショックだった。リカなんて最後死にたがってたから一番放っておいちゃいけないだろうに……。
死んだ人が甦るなんて都合のいいことあるわけがない。
どんなに仲良くても離れてしまえば友情は薄れるもの。
そんな現実的なメッセージをダブルパンチで受けてしまったようでかなり精神的にクる。これがドラマ界で数々の問題作を作った野島伸司クオリティーということか。
この後味の悪さも乙に感じる可能性があったが、やはり前述の消化不良感と合わさると料理に例えて単純に「マズイ」と言わざるを得ない。途中までは美味しかったけどね。 {/netabare}

投稿 : 2023/06/10
閲覧 : 671
サンキュー:

12

ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

上? それとも、下? 物語はまだ途中

【First impression】 

 世代的に、『聖者の行進』や『未成年』、『人間・失格』などを観ていたので、超絶うれしいんだが、プロデューサーはよく引っ張り込んだものだ。
 公式にも載っていたけれど、たしかに彼の作風はコンプライアンス的にひっかかりそうなものを扱うので、この選択はむしろ遅かったのではとも今となっては思う。
 ともあれ、切れ味抜群な作品になることは請け合いだろう。さらに制作会社は“CloverWorks”最近ではクオリティの高い作品が多い印象だから安心してみることができる。

  存分に堪能させていただくとします。

【Story synopsis】

 少女には悩みがある。悩みなんてだれにでもある。生と死の付きまとうその悩みの根源を知るために彼女は卵を割る。

 自殺してしまった友人の死の理由を聞くために。

 同じような悩みを抱えた少女たちが出会い。それぞれの悩みを打ち明ける。誰にも言えなかった目的を打ち明ける。信頼できる仲間だから。

 それぞれに違う悩み、そして、目的を持ってそれを果たした時、予想もつかない展開へと物語は動き出す。

【Staff】

  原案、脚本        野島伸司
  監督、演出、絵コンテ   若林 信
  色彩設計         中島和子

 この作品を話すうえで、まず外せないのが野島伸司。
 このレビューを書く時にキーワードを書き出して、カテゴリー分けしたりする作品がいくつかあったのですが、これも例にならっています。
 そのキーワードの多さは今まで『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』が多かったなーって印象でしたが、こちらはそれよりも多いです。うまくまとめられる気がしません。
 やはり、原案の野島伸司さんの作品に込めるテーマとそれを伝える為の手札の多さがすごい。様々な角度から一つのテーマへつなげていく手腕は素晴らしいの一言しかでない。
 そして、その重たい内容をアニメーションとして、面白く、しかしその大事なテーマ性を軽く見せない微妙なバランス感覚を持って監督をされた若林さんは作品に対してしっかりと向き合っていたのだろうと思います。
 そして、色彩設計の中島和子さん。
 この作品って色が強いんですよね。効果的ともいうのかもしれませんが、どう効果的なのかを私の知識では説明できないので、「色が強い」くらいのふわっと感でごまかしていきます。
 赤は止まれ、青は進め。黄色は注意。
 赤はリーダー、青は冷静、黄色はひょうきん、緑は癒し、ピンクは慈愛。
 ダイは青、ポップは緑、マァムは赤、ヒュンケルは紫、レオナは白。
 色には意味があり、込められた意味があります。
 とはいえ、この作品に色によって込められた何かがあるとして、それを感じ取るまでには至ってなかったりもします。
 単純に色の強さが他の作品よりも強く出ているところと、弱く出しているところがあって面白い使い方だなと思った次第なんです。
 参加された作品を調べてみると、私の好みの作品に結構参加されていました。『あの花の名前を僕たちはまだ知らない』『SAOⅡ』『四月は君の噓』『ダーリン・イン・ザ・フランキス』『Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア』などなど、そこまで好きではなかったかけれど、今思うと確かに良い色だったなと思う『オカルティックナイン』
 これまで、あまり色を作る人に関してあまり注目していませんでしたが、これからは注目したいなと思っています。
 時間があれば、その点に注意してもう一回この作品を見ても良いかもしれないなぁなんて思っています。
 
【Review】

 期待値があまりにも高くなっていた本作ですが、とりあえずそれをしっかりと超えてました。ありがとうございます。

 内容も、絵も、画も、演出も、音響も、音楽も、撮影も素晴らしかったです。完成度という点において、ここ数年で最高峰のレベルでしょう。
 アニメの作りについて良く分からんので、これまで観てきた他の作品と相対的に比べた感想は本当に最高です。

 テーマについてよりも、個人的に気になったキーワードを並べていったほうが良いかなと思いました。
 
 ネタバレを存分に含みます。

{netabare}
 さて、いきなり重いのいきます。

 ・殺は殺人か否か
 この物語で最重要なキーワードは【自殺】です。因果をたどると大概の場合は、他殺であると個人的に考えているし、自殺は殺人だと個人的に考えています。
 社会病理学者の阿部先生の言葉をそのまま真に受けるなら『どんな殺人も基本的には私怨からくる』という。自殺とは自分より強い立場の人間に歯向かうことができないため、その相手を殺す代わりに自分を殺す、代理殺人という考え方もできて、単純にツライ人生から逃げたっていう短絡的に考えるもんじゃないなぁ、などと考えさせられる。
 アイの親友小糸の自殺の原因が知りたい。物語の発端となり彼女を動かした動機になっている。
 ここで、視聴者にはもしかしたらそれはパンドラの箱ではないかと思わせる脚本は本当にうまい。それが中盤から終盤にかけてものすごく効いてくるんだからプロットからシリーズ構成を組み立てるのが本当に素晴らしいと感じます。

 ・エロスとタナトス
 という言葉が使われています。
 生きる情動と死の衝動。
 生きている時の希望や欲望といったものが強くなると逆に死への衝動が芽生えるとかなんとか?
 詳しくはもはや心理学の話になるので、分からないですが、例えば今作だと、リカのファンと桃恵の友人の死についてはこれが当てはまりそう。ひまりも然り。
 誰かを好きになるという生へのポジティブな感情が、拒絶された結果死への衝動が芽生えてしまう。そこで踏みとどまる人、一線を越えて死んでしまう人。果たしてその違いはどこにあるんだろうか。 

 ・パラレルワールド
 この物語のなかでは唐突に出てきたキーワードだなって思ったのですが、この単語に込められた意味とはなんでしょう。
 この物語でのパラレルワールドは重要な決断をした時、しなかった時で世界が分かれるとかっていう考え方を語っていましたね。
 これはつまり、自殺(タナトス)を選んだ大戸アイ、生きること(エロス)を選んだ大戸アイ。二人の対比を見せるために用意されたのかもしれません。個人的には結構な引っ掛かりがあって、若干の異物感のために、より一層、何を見せたいのか、何をテーマにしたかったのかが見えやすくなったように思えます。
 異物感はあれど効果的だった。と思います。

 ・卵(EGG)1
 派閥的な話をすると固ゆで派。ハードボイルドエッグが好みです。英語にした時の語感の良さが半端ないです。また、荻原浩の『ハードボイルドエッグ』はエンタメ小説として面白いので、ご一読を推奨します。

 閑話休題

 さて、卵の状態って生きてるって言いますかね? お腹の中の子供って生きているって言いますかね? また、子供は人間じゃないみたいな考え方が描かれているディック小説『まだ人間じゃない』なんて表題の中絶をテーマにしたような作品もあるくらいなので、誰もが一度は考えたことのある事柄なのかもしれませんね。
 卵を割った中から出てくるのは自殺した少女たち。敵となるのはその原因となった人物の怪物となった姿。彼女たちを守ることが、自分達の目的とする人物の蘇生へとつながる。
 弔い。供養。そんな単語が頭をよぎる。
 この娘たちがEGGの中から出てくるのは、フリルによってあの世へ誘われてしまったから?
 
 フリルはお腹の中の子供に対してどんな感情をいだいた?嫉妬だろうか、恐怖だろうか、もしくは両方?
 あのドライヤーの1カットは最恐の演出だった。目に焼き付いて離れない。あの表情でたたずむフリル、その切り返しのカットで下にカメラをパンした瞬間握られているのは…そしてそれを放り投げるまでの一連の流れが素晴らしすぎる!!私があの画から読み取ったのは嫉妬。そこには生への情動が見て取れる。しかし、彼女はAIであるから無感情でもある、自分が殺され(廃棄され)ないようにする行動としても見る事ができるが、それは嫉妬とも呼べるものと私は感じました。
 あの時、彼女の中の自分の存在の優先度がこれ以上下がらないようにすることで関係を保とうとした。それは浅はかで結果的には閉じ込められてしまったけれど、自分を殺したりはしない。なぜならAIだから機械に生命の意味なんてわからない。
 このフリルってAIが登場したことによって、Priorityが何に対してのものかハッキリする。それによってテーマが伝わりやすくなった。とても意義のあるキャラクターです。

 ・卵(EGG)2
 自分の殻に閉じこもる。
 感情を押し殺す。
 これは自分を殺す。ことど同義になりかねない。抑圧されたまま生きていってしまうとそれは自分の心を殺してしまっている。ともとれますね。
 12話でアイはこの自分の殻を割る。
 過去の自分を救い、今まで抱いていた大人への不信感を洗い流す。まさにそういうカットがありました。
 先生の絵は大人になったアイの姿があり、これまで先生をちょっと気持ち悪く、そして悪役のような演出はやはり、演出だったのかもしれない。と思う反面、桃恵の最後の敵のように本当に悪いやつだった可能性も残っているような気もする。つまり、まだ終わってないんですよね。

 とまぁ少し話がズレてしまいましたが、この卵の殻はそのまま、自分が取り繕っている自分以外の人に見せる自分のことではないかと思います。
 
 ・ワンダーキラーの正体
 卵(EGG)2から察すると正体が見えてくるようでもありますね。
 簡潔にすると、自殺となった原因。しかしそれだけではなく、そのことを誰にも打ち明けられず、自分の殻の中に隠して、周りの人には見えないように隠したもの。殻の中に閉じ込めたからこそ生じた、抑圧により選んだ選択としての結果によって生じたのが彼らワンダーキラーなのではないでしょうか。
 その殻さえ自分の力で打ち破れていれば、誰かが助けてくれたかもしれない。そう思わずにはいられない。

 ・プライオリティー(優先度)
 自分の優先度。最近では自己肯定感とか言うんでしょうかね。ちょっと違うかもしれない。
 分かりやすいよくあるセリフとしては「あなたの為なら死ねる」みたいなことですかね。ロマンチックにも聞こえるけれど、対等であればという但し書きがあったりもします。強者が弱者に「私の為なら死ねるよね」と強迫することもできる。他人からしたらなんでそんないう事を聞いちゃうんだよ。などと思うかもしれませんが、そういうこともあるのかもしれませんね。
 私は経験したことないので、本当にフィクションの世界でした見たりしていないので、理解に苦しんでしまうのですが、想像はできてしまうんですよね。
 家庭が厳しいく父親や母親のいう事をニコニコと聞いて育って、自分を押し殺し続ける。親の期待に応えらられず、「恥ずかしいから死んでくれ」などと言われたら……。みたいな想像だけはできるわけです。
 自分の優先度が他者よりも低いがために起こる現象なのかもしれません。また、自分では背負いきれない責任を取らされる場合などでも起こることですね。自分の優先度より、社会的な損失が大きいケース。これは子供ではあまりないので、今回の作品ではないケースですね。

 子供はその自分の優先度をうまく自分で操作することができません、じゃあ誰がするの?
 ここがこの作品のキーポイントで、【大人】なんですよ。大切だと分からせることが大事なんだと訴えかけてくる。

{/netabare}


 まとめ。
 長くなりました。文章がまとまっていないために必要になるのが、まとめです。内容が濃いので、なかなか難しかった今回のレビューですが、ここまで読んでいただいた方には、すみません、こんなんです。って気持ちになってしまいます。
 しかし、濃ゆいですね。
 作品に伝えたいテーマがしっかりとあり、それを解決する手立てまでを示唆し、原因はここにあるじゃないの? と問いかけてきますね。
 そしてなによりも、分かりやすい! 直接的で伝わりやすいのが素晴らしい。
 とはいえ、まだ終わっておらず、謎の回収が必要ですね。
 何でフリルはこんな事をしているのか……。若干繋がっていないような気がしてならないんですよね。そこを見せて欲しいなと6月まで私は死ねないなと、私の命よりもこの作品の行方の方が優先度を高めにして頑張ろう。

 
 長々お付き合い、ありがとうございました。

投稿 : 2023/02/10
閲覧 : 349
サンキュー:

9

U-yan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この世界観は独特だわ〜。

野島伸司さんの初アニメ脚本です。ハッキリ言って内容は言葉じゃ説明しづらいです。情報なしで観たらまぁ予想外のアニメでした。ただ1話を観たら続きは気になると思いますよ。イジメられた経験、救いたい大事な友達、弱い自分から脱却。これらを独特な世界観で描いているアニメですね。色使いが綺麗で作画はいいと思います。それにしても、最期まで視聴した感想としては???って感じだったけど続編あるんかな・・・

投稿 : 2022/12/12
閲覧 : 111
サンキュー:

4

グルメキング さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

最終回で総集編的なこと

ミステリーに見えて最後まで何も解決しなかった
総集編2回やる理由もわからない

投稿 : 2022/12/03
閲覧 : 107
サンキュー:

1

ある さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

No.1アニメ

タイトルが全てです。
特別編を見るかどうか、最低限の思考考察ができるかどうかで評価がガラリと変わります。
考察が出来ないと、作画やキャラデザ、脚本がいいばかりに最終12話・特別編が残念で仕方がなく、駄作であると感じてしまうかもしれません。
事実物語は未完であり、私自身満足はしていませんが、考察するとしっかりと物語が締め括られており、タイトルの回収まで非常に高いクオリティになっています。考察までしてください。
考察するまでは私の中でも「傑作だったはずの勿体ない作品」止まりでした。

Keyや京アニ、P.A.やPSYCHOPATHなどオリアニを始め、ルルーシュや進撃、新世紀エヴァ、Fateなどの超有名作からBLACK LAGOONやシュタゲ、無職転生やきらら系など、私の中でのアニメランキングに長い間居座っていたメンツを蹴散らしての1位です。
現行で世に出ているアニメや漫画、ライトノベルの著名(~中名)作は知る限り10割触れ尽くしましたが、恐らく今後これを超えるアニメを見ることはないでしょう。

もう一度言います、これを超えるアニメはありません。

投稿 : 2022/11/30
閲覧 : 122
サンキュー:

3

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

君は親友の為に立ち上がれるか?

ある日、不思議な卵を手に入れた主人公アイは、その卵であるエッグと共に別に世界?次元に迷い込む。
その場所は学校だったけど、その学校には生徒は居なくて化け物達がいました。
化け物の名前は「ミテミヌフリ」

彼女が貰ったエッグから女の子が産まれます。
化け物はエッグから産まれた少女を時には殺しに時には苦しめにきます。
しかし、迷い込んだアイは化け物「ミテミヌフリ」に襲われないのです。
そう、エッグから産まれた少女を見殺しにすれば危害は加えないのです。

関わらなければいい。
「見て見ぬふり」をすればいいのです。

最初はアイはエッグの女の子だけが狙われている事に気がついて、見て見ぬふりをします。

「見て見ぬふり」誰かが困っていたり悩んでいたり助けを叫んでいても関わろうとしない。
人が、見て見ぬふりをする理由としては恐怖と不安とかそうしたものから来るものかもしれません。

誰かが苦しんでいたり困っていたり助けを求めている事に、見て見ぬふりをしない方がいいとは思うんです。
けど、「見て見ぬふり」をする事は人によっては自己防衛だったり、自身で手に負えない事なら関わらない方がいい事も少なくはないんだと思うんです。

だから、見て見ぬふりは間違えではないと思うんです。
けど、それが正解では絶対にないんですよね。
自分が関わらずとも、代わりに誰かに助け求めたに行ったりなど出来る事は少なくはないはずだからです。

だから、アイは戦う決意をする!
もう、見て見ぬふりをするのは嫌だから!

アイには親友が居ました。
ある日、親友は屋上から飛び降りて自殺しました。
アイは理由を知りませんが、心当たりはありました。
「虐め」です。

彼女は嫌がらせを受ける親友を心配してましたが何も出来なかった。
自殺の理由も解らなければ相談すらして貰えなかった。
もしも、それを知っていたアイが親友の為に拳を握って居たら、親友の為に1歩踏み込めていたら、何かが変わったのだろうか?変えられただろか?

心配してたけどアイは何も力になれなかった。
それは、「見て見ぬふり」と同じだと思ったのかもしれません。

目の前でエッグの女の子が傷つけられ殺されようとしているのに、また「見て見ぬふり」を繰返して親友と同じ道を歩ませてしまうのか…………それは嫌だ!
だから、彼女は決意する!
「ミテミヌフリ」からエッグの少女を助け出す為に!戦う事を!

そうして、エッグの少女達を沢山助けると、親友を生き返らせられるかもしれない事を知る。
生き返らせたい人は彫像としてエリアに配置されています。
彼女達がエッグの少女達を助ける度に彫像から解放される。

そうしてアイは同じ様にエッグの少女達を守る少女達と友達になりながら戦って行くってお話ですね。

内容は結構シンプルでわかりやすいと思います。
夫々が生き返らせたい相手の違いとかあるけど、それぞれが夫々の世界で戦い時には共闘する事になったりとかするけど、やろうとしてる事は同じです。

アイ以外のエッグを守る女の子もネイル、リカ、モモエ魅力的で夫々良い意味でも悪い意味でも個性的な友達達

普段はクールで取っ付き難いけど優しく笑う女の子、ネイル

直ぐにお金を集るしお調子者だけど本当は自分と言う者をしっかりもった女の子、リカ

イケメンで他人には女だと思われない事がコンプレックスだけど、ほんとは1番女の子ぽい女の子、モモエ

この4人って結構仲はいいんです。
けど、リカがグルグル引っ掻き廻してネイルがそれに怒って、モモエはそれを見て笑ってみたりアイは少しアワアワしたような苦笑いしてみたりw
けど、やっぱり仲良くて時には団結して一緒遊んだりと友達って感じで良い関係だと思いますw

で、エッグの少女達は死者です。
恐らく彼女達は現実に生きることに疲れてしまった女の子です。
そして、死んでも彼女達を苦しめに追い続ける者、トラウマが敵のボスのワンダーキラーやミテミヌフリの正体

イジメっ子とか痴漢犯やアイドルのストーカーやらパワハラ教師など、そうした者と戦うのですが、エッグの少女達にもしっかり物語があるのも面白いかな?と思いました。

後にアンチってのも襲ってきます。
被害者を救いエッグの少女を守る彼女達をよく思わない者。

なんだろ?こう言う私達の現実でもある被害者と加害者であったり、それを救う人を否定したいアンチであったり現実にある事がこの世界の敵である事が面白く考えれてる気がしました。

戦いが苦しくなる中、アイ達にお助けキャラが仲間になります。
カメレオンとヘビとワニとカエル……アイ達に1匹づつ……可愛くはない……かな?
けど、何か観てると可愛げでてくるデザインw


実はアイは不登校でした。
友達の自殺からショックで……
その間、先生が心配して毎週様子見に来て家に上がり込んできます。

正直、毎週来る先生とか家に上げる母親も私からみたら怖いww
別に悪い先生にも見えないしお母さんもいい人なんだけどさ。
私は不登校は経験ないけど……多分、きっと私ならウザくてグレそうw

しかも、この2人が付き合おうとしてた…
アイが反対するなら付き合わないって話しだから、付き合ってはいないんだろうけど……

だから、アイは迷う。
アイのお母さんっていい人なんです。
アイが学校に行けるまで、学校に行けとは言わないし、友達を連れてきたら歓迎してくれて、好きなご飯を用意してくれたり、アイがお風呂上がりに身体を拭かないで外に飛び出そうとする時も風邪を引くと心配してくれたり。

親としては当然だとは思う。
けど、そんな当然が思いやりだったりするのかなって思いました。

問題は先生かな?
優しい先生なんだけど、先生はアイの友達の自殺に関係してる可能性があるんです。
アイは再婚を聞いて悩み迷う……
だから、アイは学校へ通う事を決意する。
多分、それは先生を知る為になんだと思います。
母親の為に自分の為に色々と確認する為に。

学校では腫れ物扱いらしいです。
けど、なんでもないみたいです。
学校には友達居なくても外には3人も友達が居るからって理由らしいです。
この作品の4人を見てると本当に友達って素敵だと感じますね。


個人的にネイルの話が印象的でした。
アルビノの遺伝子を持つ友達コトブキ。
彼女は植物状態でしたが夢の世界で出会います。

実は既にコトブキは死んでいたのです。
彼女は「大人達に触れられたくない」だから、自分の生命維持装置を停止して欲しいと言います。

ネイルは現実世界に帰り停止ボタンを押そうとします。
それを止めるリカとモモエ、ネイルが後から罪悪感を抱えるのではないかとか、死んでるからって停止装置を押すなんてっとネイルを心配してるから言ってくれるんですが、少し喧嘩になりかけます。

ネイルは友達の前では強がってましたが、実際ボタンを押そうとしたら指が震えたと言いました。
当然です……その指は多分ボタンに狙いが定まらないしボタンは多分何よりも重いです。
指には力な入らないでしょう。

言葉にすれば亡くなったから役目を終えた生命維持装置を停止させる。
それだけの事には思えるかもしれないけど、それが友達なら簡単には出来ない、例え友達が望んだ事であろうとも……けど、友達の望みを考えたら……

正直、コトブキはネイルに酷な事をお願いするなぁ〜とは思ったんです。
けど、多分コトブキはネイルだからこそ友達だからこそお願いしたのでしょうね。


さて、10話くらいから物語が大きく動き始めます。
彼女達の目的である彫像になった死者を解放した後に待っているもの。

アイの友達の自殺の理由などが明かされ始めます。

アカと裏アカの過去は壮絶でした。
娘のようなAIを作った。
彼女はAIであり人間だった…AIだけどAIよりも人間らしくて、人間並に人間だったAI
彼女にとっての家族はアカと裏アカだけだった。

けど、アカには奥さんが出来た。
子供も産まれた。
愛情が自分以外に向けられるのが嫌だった。
だから、奥さんの殺害を選んだ。

正直、私は少し可哀想にも思えました。
嫉妬は誰だってするし、友達も家族もいない彼女はいつか1人になる気がして怖かった。
2人に見放されたら彼女は孤独になる。
そうした嫉妬を恐怖に感じた……

けど、私はAIのフリルに恐怖を感じました。
例えば、考え方が怖い。

人間も愛情の絡れでの事件はあると思う。
けど、普通に考えて、好きな人の好きな人を消しても愛情が自分に向けられる事はないしアカが抱いた感情の様に向けられるのは怒りや憎しみ。
決して報われることのない気持ち。
そんな方法で解決しちゃいけない事だし許されない事。

けど、AIであるフリルは対象を消したら、好意が自分に向けられると勘違いして思い込んで殺害を実行する点であり、それが悪い事だと感じない事です。
多分、アカの怒りの意味すら理解出来てないし、その娘までも殺害させてしまう。

ブチ切れた裏アカはフリルに怒りの言葉をぶつける。
フリルは久々に会話してくれる事を喜ぶ……彼の憎しみの言葉はフリルには愛情に感じたのでしょうね……
怒りって憎しみもあるけど、彼女は14歳の娘として生み出されている。

多くの父や母が子供を叱りつけるのは、子供に間違えて欲しくないから、心配するからなど愛情が込められた怒りの場合が多いから娘設定の彼女は、そうした愛として受け止めたのでしょうね。
後にフリルは処分されます……しかし……

そうした考えが凄く怖かったです。
あれだけ人間のようにAIが産まれる技術があるのに感情や心は技術ではどうにもならない。

よく映画でAIの暴走で戦争がとかありますが、私はこの作品で武器や武力とは違う心理的怖さを感じました。

そして、この作品のワンダーエッグの秘密や彼女達の闘う意味や敵もここまできたら解ってきますね。

アカと裏アカってかなり怪しい感じでしたが悪い奴ではないんだなぁ〜と思えた過去でしたね。

そして、アイは最後のエッグを割ります。
中からはパラレルワールドのアイが登場……
彼女はパラレルワールドで自殺をしていたのでした。

この話は凄く印章的かな?
アイは虐めで自殺した、それを誰にも相談出来なくて……選ぶしか出来なかった道。

これは難しいです。
よく第三者が相談すれば良かったのにとか言うけど実際、当事者は相談するのはきっと難しいと思う。
相談したら聞いてくれるし力になってはくれると思うけど、心配掛けたくないし……それに自分が虐められてるなんて言い出せない子の方が多いんじゃないかな?

だから、私は周りが気づいて大人が、親や先生が手を差し伸べて相談しやすい状態をつくってあげるのが大切なんだと思うけど、多分そう言うのは当人は隠すから気づきにくいのかな?って。
アイの場合は友達も居なかったみたいだし……
本当に学校に味方が居なくて、辛くて悲しくて、泣いても叫んでも何も誰にも届かなくて……

だから、自殺しか選べなかった。
どうしようもなく現実が辛いから逃げ出したくなる。
逆に、元の世界のアイも虐められてましたが、後の親友のコイトに声を掛けらて「生きよう」と思えたみたいですし、自殺したアイと自殺してないアイの違いはそこかな?

この世界のエッグの女の子達は自殺者です。
現実が嫌で逃げ出した女の子達。
でも、何故自殺した女の子がエッグから産まれるのか。

それがこのエピソードで明らかになります。
「後悔してるから」
自殺したアイも後悔してました。
お母さんに会いたいって…………

だから、このセリフを聞いた時にエッグから産まれた少女の本当の気持ちを知れた気がしました。
いつだって、少女達は最初はビクビクウジウジしていたけど、最後は敵に立ち向かえる勇気をもってぶつかり成長します。
それは多分、少女達が自殺に後悔してるから次は自殺を選ばなくていいようにと選んだ勇気と強さを秘めた行動なのかもしれません。

アイはカッコよかったです。
自殺したアイはアイみたいに強くなりたいって話してたけど、自殺したアイは希望を見せられたんだと思います。

同じ人間なら、自分もここまで強くなれるのだと。
そして、自殺したアイは最後にアイを庇います。
それを見た瞬間に私は自殺したアイの成長を感じました。

「大人の恋は汚い」なんて話しがありました。
主人公のアイのセリフですが、実は私もこの気持ち凄く解ります。

子供の頃に私は結婚って奇跡だと思って居ました。
1人が全人類の中の1人と両想いになり結ばれる。
お互いが心から愛し合いその人の全てを受け入れて最後まで添い遂げる。
出会う事も中々難しいし出会っからも気持ち変わらずに、2人で仲良く支え合って、運命の相手って素敵だなぁ〜と感じてました。
だから、少し恋にもワクワクしてました。

けど、大人になると解ってくる。
周りの人は言います。
結婚なんてしなければ良かった、実はお金目的でした、妥協して結婚しました、浮気してます、してました、お遊びで付き合ってます。

正直、その人自身をを好きになるのが恋であると思い込んでいた子供時代の私は大人の恋事情を知ってショックを受けたのを覚えてます。
だから、この話に出てくる「大人の恋が汚い」って少し解るんです。

先生の姿をしたミテミヌフリはアイのお母さんの先生への気持を否定します。
けど、アイはそれを否定する。

何故なら、アイは知っている「大人の恋は汚い」けど全ての大人の恋が汚い訳じゃない事を!

アイのお母さんは、いつもアイを心配してくれて考えてくれていた。
そんなお母さんが、自分の気持ちにどんな風に向き合ったのだろうか?
悩んで悩んで自分の気持ちに向き合おうとしたお母さんの気持ちは「大人の汚い恋」なんだろうか?
その答えはアイが1番理解している。
だから「応援する」ってお母さんに伝える事が出来たのです。
次は自分がお母さんを応援する番だ!
お母さんがいつもアイにしてくれたように。

実は物語はラストは最終回に特別編があります。
彼女達がクリアした世界……そこは……寂しかったです。
あれだけ復活させたかった命は死んだ事をなかった事にされただけでは思い出も全て消え去った世界……

親友は……他人になっていて……
アイが手にした友達のリカやモモエとの友情は自然消滅……
そして、ネイルは行方不明……

アイは全てを失ったように私には見えました。
結局、この物語で彼女が得られたものは何だったのか……彼女はいろいろな現実が怖くて涙します。
これは悲しいです……この孤独は辛い……

でも、アイはある日思い出す。
ネイルの事を……彼女に会いたい……友達を探しにいこう!
そうして、彼女は再びガチャを回す。

裏アカとアカはアイに「1度逃げ出したのに」とディスる。
けど、彼女は立ち上がる。
苦しい事や悲しい事に立ち塞がられたら逃げればいい!

いつか、そんなもの乗り越えるくらいに強くなり立ち上がり迎え撃てる日は必ずくる。
それだけ人は強くなれるのだから。
アイの様に再び友達を探しに行けるような強い気持を持って行動出来る時は必ず!

私はアイは最終的に失っただけの様に見えたのですが、そんな事はなかった。
彼女は強さを得たのです。
立ち上がり、立ち向かう強さを。

きっと、前のアイなら何も行動を起こさなかった。
現実から目を背けて、見て見ぬふりをしていたと思う。
けど、もう見て見ぬふりをする彼女は何処にもいない。



見終わって。
少しグロさはありますが、面白いです。
絵も綺麗だし内容も解りやすい。
一話一話が少し短く感じるのが残念かな?
見せ方も少し回りくどいシーンは目立つかもしれませんね。

ラストはネイルは本当に人間になれたのか?
アイはどうするのか?
リカはマンネンの敵討ちが出来るのか?
モモエはこれからどんな選択肢をするのだろうか?
友達を得たフリルは何を思うのだろうか?
アカと裏アカの今後も気になりますね。

物語とは中途半端でBADに感じる部分はありますね。
しかし、言い換えれば、敗北からのスタートであり希望に満ち溢れた物を感じる終わり方です。

アイの復活でラストの希望に満ち溢れた終わり方をした様な印象ですね。
ラストエンドカードのイラストは凄く良かったですね。


あと、監督さんは22/7 あの日の彼女たちを手掛けた人なんですね。
アレは短編なんですがキャラの心の動きや変化や言葉にしなくても伝わる物が視聴者に伝わる表現の出し方が上手いなぁ〜と感じましたが、ワンダーエッグにも、そうした感情の変化がしっかり描けていたとおもいます。

22/7のアニメもあの日の彼女達くらいのクオリティでして欲しかったですね(*꒪꒫꒪)

主人公のアイが、なんか滝川みうに被る気がして似てるなぁ〜と思ってたんですが、アニコレでレビュー書く前に情報見てたら監督さんが同じでビックリしました。
雰囲気とか心に秘めた強さとか似てるなぁ〜って感じてました。

最後でなんのレビューか解らないような感じになりましたが、続編とかあれば見てみたいかな。
フリルと決着をつけて、アイとリカとモモエの3人でネイルを連れ帰って欲しいですねw

投稿 : 2022/11/12
閲覧 : 139
サンキュー:

14

コントレリネス さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

意図して創られた問題作

自死した少女たちを救うため、不気味な化け物と闘う主人公たち。
背後の社会的問題が透けて見える。多様なテーマが絡まりあっている印象。
その絡まりを解こうとはしない。敢えて蟠りを残すことが狙いのような作品。

投稿 : 2022/09/05
閲覧 : 174
サンキュー:

5

ネタバレ

井上音結 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素晴らしいのアニメ

僕の人生を変わったのアニメです。
見てもよがった。

投稿 : 2022/08/30
閲覧 : 109
サンキュー:

2

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

美少女アニメキャラは役者の代替たり得るか?

前世紀のTVドラマ界で活躍した野島 伸司氏を原案・脚本に迎え制作された1クール+特別編のオリジナルアニメ。

【物語 3.5点】
ある意味、究極のキャラクターアニメ。


本作もまた合理的説明が困難な思春期の心象世界を、
バトルファンタジー要素で具現化し解明を試みた一作。

エッグを介して少女たちが飛び込んだ心象世界風の異空間にて、
現実世界で死んだ少女を、死の原因をもたらした大人の怪物体、
ミテミヌフリといった露骨な社会の縮図から守るミッションに挑む。

生を渇望するエロス(愛)と消えたい気分に惹かれるタナトス(死)をバトル&テーマの対立軸に据え、
自己同一性が不安定な青春心理に切り込んだ野心作。


優れた脚本家は役者をがんじがらめにせず、
時に現場で俳優のアドリブを引き出し、作品に躍動感を与えるという考え方があります。

本作は脚本を受け、演じる人間を美少女アニメキャラに置き換え、
今やスッカリ表現萎縮が進んでしまった実写ドラマ界では放送が難しくなった、
核心に迫る青春ドラマを何処まで描けるか挑戦した実験作でもあります。(※1、※2)

奇しくも後半では(※核心的ネタバレ){netabare}AIや被験体を使い、
父親にとっての理想の少女を作り上げる計画とその末路{/netabare}が描かれますが、
二次元世界に俳優を創造できるのか?との企画の志向性ともリンクして、
何とも言えない渋味を醸し出しますw


よって視聴時は脚本による丁寧な誘導には期待せず、
この美少女キャラクターだったら、どう反応し行動するのだろうか?
と見守る視点で構えた方が、キャッチボールは成立し易いかと思います。

実際、第6回の主人公ヒロイン・大戸アイの{netabare}「学校に行く!」{/netabare}
論理的には意味不明ですが、私はここまで描かれたアイの性格的に凄く腑に落ちた。
魔球がストライク!と感動すら覚えました。

が、最終話となった特別編では、何かサインを見落としたのか
私もラスト敢なく捕逸(パスボール)w
もう少し明快な演出で料理提供をという感想が残りました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CloverWorks

かなり実写に寄せた背景美術にキャラを乗せ、
グロ自主規制を撤廃して、
美少女アニメキャラが自由に役を演じる舞台を整える。


キャラクターデザインではアイの黄色いパーカーを始め、
ファッションによる個性出しも強烈で、脚本に反応するアンテナを補強。

近年、アニメでも重要度を増しているプロップデザインは本作でも健在で、
小物等に人物心理を込めるドラマ的演出にも応える。

私が印象的だったのはすき焼き。
{netabare}母と先生から衝撃告白{/netabare}を受けたアイの複雑な心境をドロドロと示唆。

武器デザインもエッジや原色が刺激的で、それらが振り回されるバトル動画は、
同年のバトルアニメーションの中でも、個人的に上位。


【キャラ 4.0点】
友との死別以来、不登校のヒロイン・大戸アイ。
論理的思考で「度肝を抜いてあげる」と淡々と?戦闘をこなす褐色美少女・青沼ねいる。
お調子者のアムカ少女や、萌えじゃない経緯で僕と自称する長身ボーイッシュを加えた、
自身も闇が深そうで、やっぱり深いメイン4人。

彼女たちがエロス(愛)の戦士として、
知れば知るほど大人になりたくなくなる現実に直面したりもする、
自殺少女の深層心理などハードな展開を綱渡りする。


ミッションをもたらす枯れた大人のアカ&裏アカのコンビ。
死んだ魚の眼とか通り越してマネキンにまですり減って?しまってw
青春の活力を奪う、冷め切った思春期論評に興じる。

私も大人を見放しかけましたが、リカと母の親子関係などで、
ギリギリ、クビの皮一枚つながった感w


【声優 4.0点】
大戸アイ役の相川 奏多さん。沢木百恵役の矢野 妃菜喜さん。有望新人声優のお二人が、
実績のある青沼ねいる役の楠木 ともりさん、川井リカ役の斉藤 朱夏さんと絡む配役バランス。

第2回で、CV.相川さんが「ババァ」と怪物化した大人を罵倒した演技で、
このアニメはダイジョウブじゃないから大丈夫だと手応えを掴みましたw

メイン4人が繰り広げるガールズトークもぶっちゃけていて、アブナくて共感できますw

その他、一話完結で登場する死んだ少女役や怪物化した大人役にも
一線級の声優も惜しげもなく起用して、子供が死にたくなるような大人の現実を凝縮して表現。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はDÉ DÉ MOUSE、ミト。
日常シーンではバックグラウンドに潜伏しているが、
戦闘シーンなどではエッジの効いたサウンドで攻撃してくる。

音響もシリアスな場面でワルツを当てるなどエキセントリックw
ホラー演出的な校内放送なども精神を蝕む。

ただ何と言ってもトラウマなのは{netabare}ポンと鳴る度、事態が深刻化するフリルの舌鼓。{/netabare}

主題歌はメイン4人によるユニット・アネモネリア。
OPでは定番卒業ソング「巣立ちの歌」をカバー。
“さらば先生”“さらば友よ”の歌詞も本作で聴くと何とも不穏w

EDでは「Life is サイダー」
青春を炭酸に例える定番の比喩表現で明るく歌い、
毎回、唯一安心して、さわやかになる、ひとときw


【参考文献】
1.Febri「『ワンダーエッグ・プライオリティ』が特別なアニメだった理由」2022.01.18~全4回連載
https://febri.jp/topics/wep1/

2.RealSound「脚本家・野島伸司、なぜアニメ畑へ? 90年代に風靡した脚本家が抱える齟齬」2020.11.04
https://realsound.jp/movie/2020/11/post-648413.html

投稿 : 2022/06/24
閲覧 : 471
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33

ネタバレ

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

やっと最終回を見たけど<53>

最終話がTVで遅れて放映したのを見事に見逃し、というか忘却してて、1年以上経ってからやっと視聴。
最終話というよりは、完結したものにあとからくっつけたようなお話。
オッドアイ子ちゃんの"親友"に忘れられて、やっぱりこっちの友情は軽い扱いだったのねってのと、例の4人もバラバラになっても一人でも戦う的な終わり。
この回見なくても作品評価は変わらないというか、話数重ねるごとに下がる評価がまた1話分下がっただけでしたとさ。
野島クンはもっとがんばりませう。

終わってないよね?<56>
事実関係確認してないけど、8話で総集編やってたのがオチた結果で6月だかにやる特別編が最終回ってこと?

ここまででも初回の期待からはかなり下だったなぁってな感想。
・バトルは怪我したら入院とかしてて厳しいと思ってたら、あとの方になるとほぼ無傷の楽勝。
・それぞれ唯一の友達を救うため戦ってたはずが、4人がお友達になっちゃって忘れがち。
・オッドアイ子ちゃんの悩みって軽くない?
というあたり、真の最終回観たらなんか書くかも。

卵は世界だ、運転手は君だ、車掌は僕だ――ヘルマン・ヘッセ<65>
1話視聴。
新人アニメ脚本家の野島クンとか言ったっけ?キミなかなか見どころあるじゃないか、キミキミィ!
というアレなんですが、話よりビジュアルがしっかりしてた印象のが強い。
女の子描写がアイドル物なんかより精緻だし、女子生徒風化け物のおぞましさたるや。
そういやネットロアの不気味な怪談扱ってるのに描写を怖くないよう改変しましたって分けのわからんことをやってる作品もある中、刺激を追求する正しい深夜アニメですわ。
{netabare}
現実世界で怪我が現れて入院しつつ、ワンダーエッグ世界の救出行を続けようってなヒキも不安を掻き立ててよろしおすなぁ。
簡単に大怪我を追うと簡単に治るんじゃって予断もありますが。
{/netabare}
次々新しい人と出会いそうな展開だったけど、イメージ絵を観る限りキャラ4人くらいがレギュラー化するんやろか。
先を期待。

投稿 : 2022/06/20
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7

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

少し写実系に振ったまどマギ

魔法少女という言葉は出てこないが、夢世界で社会問題の悪のようなものを具象化したボスキャラと手勢をウェポンを使って倒していく、という魔法少女の系譜の作品。特に手下キャラの絵本的な表現やそこからくる戦闘のやや抽象的な感じはまどかマギカの影響を思わせる。

一方で、まどかマギカは劇的な物語展開が魅力の中核となっているのだが、こちらのストーリー展開は繊細で、登場人物の生活や機微の描写に重点を置いている。
あるいは、表現としてはフリクリにも似ているかもしれない。

幕切れで風呂敷をうまく畳めていないというような評価を視聴前に何度も見ていた。が、それでだいぶハードルが下がっていたこともあって、エンディングがしっくりこないということはなかった。確かに解決していない問題はあるが、一応ストーリーとしての区切りはついている。
ただ、多分視聴者としてはアイが「死の誘惑タナトスと戦うエロスの戦士」としてどうするのか、フリルとの因縁は、といった世界設定的な部分の解決を求めたかっただろうし、物語としてはその方がしっくりとまとまっただろう。
ただ、正直その辺を攻めると結局それこそまどかマギカの二番煎じのような視聴後感になってしまったのではないか、という気配があり、ああいう終わり方はそれはそれで現実感を持っていて、作品らしかったのではないだろうか。

独白がほとんどなく情報と行動だけが語られ、そのようなやり方が作品の気品を高めている。

一つ一つのテーマや設定はさして斬新ではなく、ストーリー展開もそこまで凝ったものではかく、さらさらと流れる作品で深い印象を残したということはなかったが、趣向としては嫌いじゃないし、それなりに質の高いアニメだったと思う。

投稿 : 2022/06/12
閲覧 : 196
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6

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ふわふわ ふりーるー

オリジナルアニメ

タイトルですが … TKプロデュースとかなんとかで忙しそうでしたけど無事卒業はできてたみたいですね、、、良かった良かったと今更ながらの90年代。

そのTKのちょっとばかり前。触れた時期が10代か?20代それ以上か?はたまた後追いか?
時代を飾るアイコンが放つ光はまぶしく、とりわけ〝若者の闇”を捉えて一世を風靡した脚本家野島伸司氏がヒット作を連発してた頃に自分は多感な10代だったことを告白します。懐かしのメロディー。

 え!?アニメの脚本すんの?
 ポップな画には騙されません

素直に驚いたので中身云々よりも名前買いでよろしいのでないでしょうか。

 巨匠の処女作

日本語ヘンですが作品を一言でまとめるとこんな感じ。

なお、レビュータイトルは本作で強烈な印象を残したキャラさんからでございまして
これがまたディープインパクトなわりには結局なんだったのかしら?と疑問が残りまして
真夜中寝落ちしながら視聴してたからかところどころ理解追いついてなくて
さらにフリルだけでなく

・{netabare}小糸ちゃんが自殺した理由ってあれ!?{/netabare}
・{netabare}アカも裏アカもあい母の恋人さんもあれ!?{/netabare}
・{netabare}ねいるもよくわからん。脳がショートしそう{/netabare}
・{netabare}なんだかんだフリルは良いキャラだったと思います{/netabare}

ふわふわもやもやしていてよくわかりませんでした。起承転と順調にきて“結”でつまずいた感じ。
裏を返せばそこまでは楽しめるし、もう少し私の理解が進んでいれば景色が違ったかも。作画は綺麗です。野島氏らしく思春期の危うさ/生々しさはしっかりと感じられる。

『GREAT PRETENDER』での古沢良太氏なんかもそうですが、実写のヒットメーカーがアニメにも表現の場を広げていっての化学反応を見てみたいです。実写だと演出によっては予算青天井だし、コンプラ云々の声がうるさかったりしそう。
媒体の違いを面白がってもらって、同時に苦労してもらって、そして両名ともアニメでは手放しの賞賛とは無縁なデビューだったところからの巻き返しをぜひ期待したい。

そのうち2作め3作めと続いてったら本作も再評価されるかもしれませんよ。



視聴時期:2021年1月~(ちょい残し)~2021年7月 リアタイ   

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2022.05.28 追記
やはり地上波(実写)のコンプラ圧力から逃れて新天地を求めたきらいがあるようですね。まだアニメは自由がきくってことなんでしょう。どうかそのまま。ツヨシが言うところの『どうかアメリカに溶けないでくれ』ってとこです。


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2021.07.03 初稿
2021.12.12 修正
2022.05.28 追記

投稿 : 2022/05/28
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45

ネタバレ

プラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

解説求ム。

「思春期の女の子の激しい感情の起伏」がテーマであろうか。パラレルワールドとか AI 搭載型人造人間などの話題も出てきて SF 要素も組み込まれていて、なかなかに複雑な構造をしているアニメであった。

思春期を自殺へと追い込む「あと一歩の一押し」をしている存在であるフリル。フリルはもともとアカ・裏アカによって創り出された、AI 搭載型の人間であった。「自分たちの 14 歳の娘」という設定で生み出された彼女は、最初は"父親"たちと良好な関係であった。しかし、アカに愛する妻とその子どもが現れたことにより、思春期らしい強烈な嫉妬心を抱くようになる。そのパワーが、アカの妻子を死の淵に追いやることになる。

アカ・裏アカは、暴走したフリルと接触するために、「エッグ」と呼ばれる現実と夢空間をつなぐアイテムを作り、同年代の 4 人の少女をエッグの世界で戦わせる。選ばれた 4 人の少女たちは、それぞれ自分が関わった知り合いの自殺に対して、特に強い想いを抱えていたようである。

少女たちは戦い抜いた先に、自分の知り合いの自殺の理由を知ることになる。そして、一度死んだ彼女らは並行世界で生き返ることになる、ただし、自分たちがよく見知った彼女らとは違う。

ハッピーエンドかと思いきや、一緒に戦った少女のうちの一人がまた自殺してしまう。フリルという存在も健在なようである。


ここで物語は終わりなのであろうか?

投稿 : 2022/05/04
閲覧 : 189
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3

ネタバレ

かりんとう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

救いのない終わり方だが…

良作だと噂を聞いて観ることに。
本作はいじめやパワハラ、セクハラ等思春期の女の子達が抱える苦しみを題材としたアニメです。
少し表現が過激なとこもありましたので、苦手な方は苦手かもしれないです。

動画サイトで1話~最終回+「特別編」まで視聴しましたが、結局のところなにも解決せずハッピーエンドって訳でもなかったです。

もしも2期が来たとしても、リカと桃恵は参加できそうじゃないし、アイが一人でねいるを助け、フリルもどーにかするってことになるのかな。
フリルはそもそも倒せるかわからないけど…

最近のオリジナルアニメにしては良作だと思います。ストーリーは救いのない終わり方をしますが、映画でもこの後は視聴者のご想像にお任せしますって感じで終わる映画もありますし…自分が観た映画だとブレードランナーとか終わり方好きでした。(続編でちゃったけど)

何はともあれ素晴らしいのは"作画"でした。
戦闘シーンが爽快感があり、演出も良かったです。
作画目的で観てもいいと思います。
それと敵のデザインが良かったです。嫌悪感が抱くあのデザイン(笑)もうちょっとじっくり見たかったです(笑)

投稿 : 2022/04/12
閲覧 : 219
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4

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

少女たちの「イマジナリーフレンド」

とても繊細なタッチで描かれるホラー感覚の美少女アクションアニメ。

少女の中に存在する「イマジナリー(架空、空想)」を具現化したような存在が敵として現れるのが特徴的であり、繊細な少女の心理を描いている点は非常に評価が高いです。

ただ、「セーラームーン」や「まどかマギカ」のようなストイックで印象的なシーンがないのが難点と言える気がします。

あくまで、リアルさを追求するあまりキャラクターの印象が薄くなってしまっていると思うので、もう少しキャラクター設定を熟考していたら面白いアニメになっていたかもしれません。

非常に惜しい作品だと思いました。

投稿 : 2022/04/05
閲覧 : 244
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9

ネタバレ

四季姫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

胸糞アニメ

少女達のトラウマ満載
生々しい人間関係
少女達の繊細な気持ちの描写
マジで胸糞だった

終始胸糞だった
こんなアニメ初めてだった

"決してつまらないではない"が
只々生理的にこのアニメを受け付けないだけです

"絵は綺麗"<ーーー大事

"特別編見る前の感想"
アイの母さんがあの先生と付き合うとかマジで無理,鍋の回マジでぞっとした
最終回アイがお母さんの幸せを全力応援しますのシーンマジで吐き気がした
小糸の死は本当に先生との関係がないならまだましですけど...
本当に関係してるなら,想像するだけでぞっとします
それと本当にアイのお母さんを愛してるのか自体が怪しいですし
最終目標はアイじゃないか?と匂わせシーンもありますし
そもそも毎週家庭訪問する時点であたまおかしいでは?
このアニメが嫌いのは90%はこの先生のせいですね
10%は少女達のトラウマです

"特別編見終わった感想"
あの気持ち悪い先生は小糸と関係性はないよね
ちょっとだけマシになったが気持ち悪いままでした
それにしてもこの特別編内容薄っぺらすぎ
前半分は総集編,後半はアイがクリアの後日談だけど...
結局また新しい伏線を追加し,そのまま終わるかよ...
問題を解決するための特別編じゃないんかい...

終わり方が中途半端でなんも解決していない
2期はあるかもしれない終わり方です
本当に2期がきても見るのが躊躇するくらいです

正直このアニメを見た感想は胸糞アニメで不愉快です

投稿 : 2022/04/04
閲覧 : 218
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4

ネタバレ

tt さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白い

1~2話を見て一度中断してましたが、なんとなく視聴再開 22/03/16 視聴済み

個人的には一気に見れて楽しめた作品でした。

この辺り好きな方にはお勧めな作品です
「ココロコネクト」
「Sonny Boy」
「サクラダリセット」
「魔法少女まどか☆マギカ」

絵は綺麗、久しぶりに一気見した作品。細かい謎が未解明→親友の悩みは何だったの? 担任先生、結局良い人?悪い人? 親友とはどんな関係? とか、細かい話しが未解明 ですが、あまり深く考えずに、観てました。個人的には面白く、楽しめた作品でした。

主人公→引きこもり→深夜の学校→バトル→ 友人→恋愛?→死生観→なぞの黒幕(ココロコネクトぽい)


この作品もジャンルがよくわからない
少女の心の闇→「魔法少女まどか☆マギカ」成分多少「Sonny Boy」に似てる? 私の中で勝手にSonny Boyをunknown系 意味不明系ジャンルに分類してるんですがそれに近い雰囲気。 けど、Sonny Boy程、そこまで意味不明系でもないかも。意味不明系だとあとは「人類は衰退しました」も最近見た中では面白かった。


unknown系(勝手に)
「Sonny Boy」
細かい内容理解不能→だけど なんか見てしまう→展開が読めない→ワクワクする→ずっと見てたい
「人類は衰退しました」
絵が可愛いので、ちょっと見ててゾワゾワ。BL不愉快、まぁネタぽいから→なんか見ちゃう→最後まで見てしまった→結構面白かった
「ワンダーエッグ・プライオリティ」
なんか、キャラクタの配置→引き籠り、陽気ちゃん、真面目(メガネ)から 岡田麿里さんかと思ったが→、違う方でした。



連想した成分
「ココロコネクト」
「Sonny Boy」
「サクラダリセット」
「魔法少女まどか☆マギカ」

投稿 : 2022/03/16
閲覧 : 205
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8

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

卵をめぐる冒険

野島伸司原案・脚本。

学校で疎外される少女アイは、
深夜の散歩で出会った謎の声に導かれ、
不思議なエッグを手に入れる。
それはまた違う世界と繋がる鍵であった。

幾重にも謎が散りばめられているが、
その1つ1つをどう解釈するのか、
さすがは時代と格闘した作家でしょう。
思春期への問題意識や性の匂い、
社会的倫理への眼差しは健在である。

現実と非現実をファンタジーで繋ぎ、
キャラも美術も美しい描写が高水準で続く。
謎で牽引する物語への引きが抜群ですね。
{netabare}卵に書かれた数字の意味は!?
どのような条件で彫像化するのか!?{/netabare}

願わくば続々と才能ある方の、
アニメへの参入を奨励したいです。

最終話視聴追記。
もう語るべきものは語られている。
{netabare}死の誘惑にどう抗するかと言うことだ。
少女から大人への境界線上で、
脆くも躓く人たちに向けた優しい眼差しである。{/netabare}
繊細な題材を通して聖なるものを照射する、
相変わらず、ご健在で何よりです。

特別編視聴追記。
作家の問題提起に大いに共感が持てるが、
{netabare}その点に於いては達成されたものが、
安易に物語だけを語ると何も解決してはいない。
結末は少々、残念な印象ですが、{/netabare}
私としては肯定的な評価で終わりたい。

投稿 : 2022/02/07
閲覧 : 797
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51

ネタバレ

Prospero さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

野島伸司

またイジメネタ。

投稿 : 2022/01/30
閲覧 : 188
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3

sMYVP12210 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

すっげー楽しみに取ってたけどだめだこりゃ

なにがおもしろいんだ?
1話15分までも苦しかったわ。
好きな人は好きなのかねー
長年のアニメファンの私にゃむりでした。

消し。

投稿 : 2022/01/05
閲覧 : 315
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2

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

監督の伝えたいことは伝わりました

オムニバス形式の作りをしていて、色々な少女の心の闇に介入していく感じですが、ペルソナやまどか☆マギカよりもかなり重たく生々しい悩みを抱えており、攻めてる感じはしますね。
映像の美しさは個性も強くて素晴らしい。特に色使いは好きです。

面白い作品だとは思ったのですが、色々考察しながら視聴していくと、先述したまどか☆マギカやペルソナに似ていることに気づくのですが、比べてしまうとどうしてもなんか雑だなあと思ってしまう。
深く考えずに視聴したほうが楽しめそうです。

主人公やネイルの性格が急に変わりすぎで一貫性がないのはかなり気になった。
引きこもりいじめられキャラの割に社交性高すぎじゃない?
あと、主人公の身体能力も優れているのか劣っているのかよくわからない。
運動不足の引きこもりが何十メートルもジャンプしたり、訓練された軍人のように剣でたくみに敵の攻撃を受け止めて鮮やかになぎ倒していくのを見て唖然としました。

それだけなら夢だから?で納得できたのですが、さっきまで俊敏な動きしていたのに急にどんくさくなったりするのがよくわからなかった。

ドーピングが切れたの?

面白いものを作ろうとしているのは伝わってきました、でも雑なところがいくつかあったのは残念。
世界観についても最後まで見てもスッキリしないこともあって、なんか消化不良ですね。
やりたいこと、伝えたいことはわかるんですよ。
でも、伝えたいことに前のめりすぎて、細かいところが雑になったのかな。

それでも面白かったし、作画等は本当に良かったです。
もう少しこだわりを持って作れば名作になれる可能性は感じました。

次回作に期待します。

投稿 : 2021/12/09
閲覧 : 322
サンキュー:

23

うぐいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

トラウマだしグロいが絵はきれい

オッドアイにコンプレックスを持ちボッチだった主人公に友達になろうと言ってくれた子が自殺して引きこもるところから始まるお話。

ファンタジー世界に行き来できてあちらで敵と戦いながら成長していき最終的には自殺した子を生き返らせるために奮闘する、といったのが大まかなあらすじ。

基本的に物事、特に大人を子供目線で描いているため、子供の頃には見えなかった親が努力している様子は極力描写していないのは面白い。

楠木ともりから検索して観てみたが、今回は大人びた少女役で抑えた演技。
ロリっ子からメインヒロインまでこなして既にブレイクしているといってもいいのだろうが、今後のより一層の活躍に期待。「先輩がうざい後輩の話」でコメディキャラがハマっているので、こういうキャラでは独壇場だった大空直美のしゃがれ声が苦手だったのでぐいぐい来てほしい。

さて他の声優だが、主要人物4人が若手で、毎話名の通っているそれでも若手声優がゲスト出演する感じ。
主人公役があまり上手ではないのが残念だが、単純に役に合わないだけのかもしれない。

作画がとてもきれいで、パステルカラーを多用しているのだが目に優しい。
書き込みが凄いというよりはコントラストとか見せ方にテクニックを感じる。
ただ、場面としてグロシーンやトラウマになるようなシーンをちゅうちょなく描いているのでそこは※要注意。

OPEDは主要人物4人で歌っているが、特にOPは良い曲でこのアニメの雰囲気にもとても合っている。

投稿 : 2021/12/09
閲覧 : 679
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6

ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自殺の夢と大事な人の話

この話はある日卵を割った少女の話
ジャンルは自殺・バトル・学生
社会派というと大げさに聞こえますが、大分シリアスの部類に入ります。

個人的には2021年上位だと思っています。
まず内容が「いじめやハラスメントによる自殺」を扱っています。うん。重い。
しかしそれをいじめを具体的描くのではなく、「見て見ぬふり」という個体が襲いかかってくる感じです。うん。好き。

序盤の掴みは良く、キャラを上手く引き出していると思います。世界観の説明はされないのですが、それが逆に良いのです。いろいろ想像できるじゃないですか。
中盤は新キャラも交えてほのぼのとしてきます。取り扱う内容も各キャラによって変わってきます。
終盤は物語の核心をついて終了。まさか終わらないとは。
いや「終わるのかなぁ」とは常々思っていましたし、総集編やりだした時も焦りましたが、本当に終わらないとは。
調べてみたところ6月くらいに特別編なるものを放送するそうです。
正直この特別編にすべてがかかっているので未だ結論は出ませんが、面白くなることを切に願っています。

物語としては本当に面白かったです。テーマも良いですし、しっかりと向き合っています。
しかし、一ついうなら
{netabare}「シリアス一本でいってほしかった」中盤から女子高生四人が集まる機会が多くなり、一瞬とはいえ「日常系コメディ」的なシーンが多くなってきました。個人的には、というか結構多くの人が思ったと思います。{/netabare}
具体的な構成は思いつきませんが、ちょっと惜しかったかな、という印象です。
面白いことに変わりありませんが!!!

原案・脚本は野島伸司さん。101回目のプロポーズの脚本だそうです。見たことありませんが私でも名前知ってるくらいですから相当有名ですよね。
監督は若林信さん。初監督だそう
キャラデザ・総作監は高橋沙妃さん。初キャラデザだそう
劇伴はDÉ DÉ MOUSEさんとミトさん。
アニメ制作はCloverWorksさん。安心。

作画は良かったです。細かい日常シーンはさることながら、戦闘シーンも迫力を感じるような作画でした。
opは村野四郎さん作詞、岩河三郎さん作曲、荒幡亮平さん編曲、アネモリア(四人)歌唱の「巣立ちの歌」1965年の合唱曲ですって。
edは宮嶋淳子さん作詞、秋葉広大さん作曲、小松一也さん編曲、アネモリア歌唱の「Life is サイダー」
声優さんはちょっと微妙でした。特に主人公…初主演とはいえ…あと他の三人ラブライブの「主人公」「主役グループ」「主役グループ」じゃないですか。
ちょっとなぁ…ラブライブの声優さんはあまり信じちゃいけないって家訓なんですよねウチ。

総合評価 面白かった


さて追記
特別編を待ち焦がれた私は色々準備(妄想)してきました。
故に私に最適化された妄想が前提の大分害悪オタクと化していました
そうこれは私の傲慢さが引き起こした結果。
ええ特別編をみましたとも。一時間と聞いていたので、どんな濃密な内容かと思えばまさかの前半30分は総集編。特別編は後半30分だと知ったときの絶望感。
そして重要な要素。内容です。
結論から言います。
納得はしてません

これから決着がつくだろうと予想してた矢先のこれですよ。
いやまぁ展開の意味はわかりますよ。何によって何が何を引き起きしたのかは分かったつもりです。しかし、肝心な意図が読めない
全体的な印象は「ワンエグっぽいと言われればワンエグっぽい」という曖昧なものとなり、非常にがっかりです。
もう少しテーマに踏み込んだ話にもできたはずです。それをあのようなものにして...
もしかしたら最初からこのラストを考えてたのかもしれませんが、それなら純粋に脚本(監督)が悪いことになりますし、そうでないとした方が問題です。間に合わせられなかったから特別編を放送するとこまでこぎ着けたけど、面倒くさくなってテキトーな脚本にした。とかなら私は本作の制作陣を許しません。

特別編を擁護するファンは正直いないと思ってます。
こんなテキトーに見えるラストなんて物語としてどうかとおもいますし、散々本編で匂わせてからのこれですから本編好きの人を置いてけぼりにしてますし。何度もいいますが、意図がわかりません。なんでこんなクソみたいな脚本にしたのか。本編が好きだったゆえに、非常に悲しく、なぜだかやるせない気持ちになりました。これが害悪オタクの妄言とやらですね。

{netabare}何気にあの子、AIっていうの嘘だとおもってるんですよね。
あまりにも超展開すぎません?何かしらの比喩だと思うんですけど、イマイチピンとくるものがなく。「社会に適合」なんていう野蛮な言葉は相応しくありませんし{/netabare}

投稿 : 2021/11/05
閲覧 : 349
サンキュー:

14

ネタバレ

shitasama さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何だろう

京アニっぽい(笑)
取り敢えずイジメとか自殺とか結構グッとくるものがある、ちょっと昔のことを思い出してしまった(笑)
今思い返すとちょい間違ったら虐められてたのかな~とか思ってしまった、あの時ちゃんとやり返していて良かった!後でやり過ぎで怒られたけど
さてはて結構好みな作品です

見終わって…

なんか中途半端な終わり方したな~
是非とも続きを見たいな

投稿 : 2021/09/23
閲覧 : 305
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5

ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ストーリーが迷走…残念な野心作

(作品分析のため、ストーリー展開をすべてバラしています。アニメを見ていない人は読まないでください)
 自分のせいで身近な人に死なれた---そんな重荷を背負った少女の姿を描きながら、途中から脚本家が方向性を見失ったかのように、ストーリーがフラフラと迷走する。テーマが重すぎて執筆に行き詰まったのか、意表を突こうとして失敗したのか。いずれにせよ、とても残念な出来に終わった野心作である。
 「死なれる」とは、自動詞が受動態になった表現で、欧米の人にはほとんど理解されない日本語独特の言い回しである。喪失感よりつらく罪悪感ほど倫理的でない情動をもたらすが、本アニメは、「死なれた」としか言いようのない状況に置かれた少女が、どのようにすれば立ち直れるかという問題意識から出発する。
 この作品の基本的なプロットを表すのに、私は、「贖い(あがない)」という言葉を使いたい(作中では用いられない)。新字体で記したときの「購い」が単に金を払って物を買うことを表すのに対して、旧字体の「贖い」は、「代替物を差し出すことで罪の許しを得る」行為を意味する宗教用語である。少女たちは、自分が関わった死に対する苦悩から逃れようと、贖いの道を模索する。

 主要登場人物は、14歳の4人の少女。
 アイは、オッドアイ(左右の虹彩の色が異なる)という身体的特徴のために学校で苛められる。大人びた転校生の小糸が手を差し伸べるが、彼女は人気教師との関係が疑われて孤立、真相が曖昧な転落死を遂げる。アイは、自身が同じ教師に思いを寄せていたこともあり、小糸の本心まで慮ろうとしなかった。
 元ジュニアアイドルのリカは、彼女を熱狂的に推すちえみから金をせびりとり、挙げ句、容姿について暴言を吐いて遠ざける。ちえみは拒食症に陥って死んだ。
 ボーイッシュで同性に人気のあった桃恵は、友人と思っていたハルカから身体的接触を迫られ、動揺のあまり激しく拒絶。ハルカは自殺する。
 ねいるは、人工授精によって作られた天才少女で、大企業の社長を務めていたが、彼女の才能に嫉妬した妹あいるにナイフで切りつけられ、重傷を負った。あいるは、直後に飛び降り自殺をする(余談だが、ねいるの天才性は作中で描けていない。第9話の幾何学の問題など、少し数学の好きな中学生なら1分で解けるものだし、「オッカムの剃刀」などのキーワードを間違った形で引用する)。
 こうして4人の事跡を並べるとわかるように、死者に対する責任にかなりの差があり、罪の意識も異なっている。リカは最も強い罪悪感を抱き、自傷行為を繰り返しながらも、「罪悪感はあるが責任を感じる必要はない」と自分に言い聞かせる。桃恵の苦悩は「自分はどうすれば良かったか」という問いの形をとる。一方、アイとねいるは、明確な罪悪感を持たない。ねいるは被害者なので当然と言えば当然だが、アイの心情はアンビヴァレントで行動原理が曖昧である。
 もちろん、4人の心理がバラバラなのは人間らしさの現れであり、話の展開として何の不都合もない。問題なのは、その4人を特定のプロットにはめ込もうとした点である。

 オリジナル脚本を執筆した野島伸司は、『高校教師』など心の闇をことさら強調するテレビドラマの作家として知られる。今回が初のアニメ作品であり、おそらくその点を強く意識したせいだろう、過度に“アニメ的”なプロットを採用した。主人公が4人のガールズグループであること、異世界でのバトルが繰り広げられることなど、多くのアニメで採用されるフォーマットをそのまま使った。
 おそらく、野島による当初の構想では、異世界でのバトルを通じて、身近な死に対する贖いを遂行するというプロットだったろう。しかし、置かれた状況も死についての思いも異なる少女たちを、異世界バトルという共通の枠組みで扱うのは無理がある。戦う相手は極端に戯画化されたワンダーキラーと呼ばれるモンスターなので、死者への思いと結びつけられるような現実味に乏しい。バトルの目的も曖昧である。アイやリカは、バトルに勝利すれば死者が蘇ると信じているようだが、そう信じるに至った根拠は明示されない。
 そもそも、死者を生き返らせるというのは、物語として一種の反則行為である。魔法が使える世界を描いたファンタジーでも、死者の蘇生は禁忌とされる。ゾンビなどではない生きた姿への蘇りを描いた物語は決して稀ではないが、大人を納得させるだけの倫理的正当化ができた作品はほとんどない。私の知る限り、カール・ドライヤーの映画『奇跡』などごくわずかで、それも、死んだ直後に息を吹き返すケースに限られる。時間が経った後で恒久的な蘇生を果たすというプロットは、現代の物語としては無謀である。

 ガールズグループによる異世界バトルという“軽い”プロットと、贖いや蘇りという“重い”テーマを、執筆を開始した時点で野島がどのように結びつけるつもりだったのかは、わからない。『高校教師』などにおける投げやりなラストからすると、落としどころをきちんと考えていなかったのかもしれない。話が進むにつれて、いかに無理筋かがだんだんと見えてきたのではないか。
 本作は、2021年1月に放送がスタートしたものの、第8話として総集編が挿入されたせいで3月末までに収まりがつかず、6月に特別編(1時間枠だが、前半がまたも総集編で後半が実質的な最終回)を放送してストーリーを落着させた。1クールアニメで番外編が挿入され、以降の放送スケジュールが乱れるケースは、『ゴッドイーター』『バビロン』などたまにあるが、いずれも制作体制に問題が生じたせいだと思われる。本作の場合、脚本が間に合わなくなった---というのが私の勝手な推測である。
 この推測の根拠は、第8話以降、ストーリー展開がそれまでと全く異なるものになったこと。しかも、必要な伏線が張られておらず、後出しジャンケンのように新たな設定を追加し、結果的にストーリーが迷走してしまった。アイデアに詰まった脚本家が、破れかぶれに書いたようにも思える。
 最も奇妙な追加設定は、「死への誘惑」を生み出すAIを登場させたこと。これでは、身近な死に対する罪悪感といった、それまで築いてきた人間ドラマの辻褄が合わなくなる。物語構成上、どう考えても、このAIはない方がすっきりする。
 さらに、終盤で世界線の分岐という設定が加わり、死者の蘇りは、異なる歴史をたどったパラレルワールドでの出来事とされる。異世界バトルが死に対する贖いとして軽すぎるため、死の重みを相対的に軽減しようと企図したのかもしれないが、生と死の対立が持つ絶対性が失われ、少女たちの置かれた状況に切迫感がなくなってしまう。SF的な言い訳をせず、ファンタジーの枠内で筋道を付けてほしかった。
 「バトルの相手が、実は自身の傷ついた心が捏造した虚構だった」という新たに示唆された要素は、それまでの展開と整合的なので、当初の構想に含まれていたとも考えられる。特に、アイにとっての憧れの教師がワンダーキラーとして登場するエピソード(第12話)は、この世界を生きづらいものにするのが彼女自身の心であることを明らかにして、興味深い。しかし、ならば第2話の新体操部顧問や第4話の痴漢などについても、被害者自身の妄想であることを示す伏線を用意しておいた方が、作品の方向性が明確になったろう。
 終盤のエピソードは、どれも必要性がない上に後味が悪い。マンネンらお助けキャラが惨殺されるのは、旧約聖書に登場する犠牲の羊を思い起こさせ、異世界バトルが贖いに値しないことの代償にも見えるが、いかにも唐突である。 第10話に登場するトランスジェンダー少女のエピソードは、同じモチーフの下品な繰り返しに過ぎず、不必要だ。ねいるの妹あいるの描き方も、以前のストーリーと整合的でない。意表を突いた展開と言うには、あまりに場当たり的である。

 第8話以降の迷走は、どうも脚本家に責任がありそうだ。だが、その一方で、第7話までの脚本は充分に面白い。特に、第4話から第5話にかけての少女たちの言動には、各人の心情が見事なまでに浮き彫りにされており、近年のテレビアニメの収穫と言って良い出来である。14歳という悩み多き時期の女子中学生を取り上げ、その心の痛みを正面から描いた点は、高く評価できる。全体としては、構想に無理があり優れた作品とは言い難いが、それは野心的な企画が空回りした結果として受け容れ、中盤の何話かだけに意識を集中して鑑賞すれば、それなりに感動できる作品である。

投稿 : 2021/09/18
閲覧 : 444
サンキュー:

7

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とさかにきて度肝抜かれたよ

オリジナル作品(2021.9)
ドラマで有名な野島伸司氏が原案・脚本。アニメは初めてかな?注目されたんでしょうかね?
自分はもうドラマなんて見てないのでよくわかりませんが社会派的な内容のモノを作ったりしてませんでしたかね?
さて、作品の方ですが主に女子中学生の抱える悩みや葛藤をアニメという媒体を使ってアニメだからできる世界観等を表現しようとしたのかなと思いましたが、野島氏自身がアニメに対し悩みや葛藤に苦しんだのかと感じる内容でした(私感)。
少女達の弱さや純粋さ欲望みたいな部分は伝わってきたのですがアニメらしくファンタジックな設定に足を取られ畳み切れなかった印象です。こちらも消化不良でモヤっとした状態です。
まぁ、これに懲りずにまた挑戦してください(おっと上からだな)。

私のツボ:結局努力は報われない現実を見よって事かな

投稿 : 2021/09/06
閲覧 : 375
サンキュー:

11

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ワンダーエッグ・プライオリティのストーリー・あらすじ

「高校教師」「家なき子」「高嶺の花」ほか話題のドラマを多く世に送り出した、脚本家・野島伸司さんが初めてアニメ作品の原案・脚本を手掛けるオリジナルアニメーション。監督は「22/7 あの日の彼女たち」キャラクターPV、「僕はロボットごしの君に恋をする」アニメーションPVの監督他、数多くのアニメ作品に携わる気鋭の演出家・若林信さん、アニメーション制作は「空の青さを知る人よ」「約束のネバーランド」などのCloverWorksが手がける。2021年1月より日本テレビほかにて放送予定だ。(TVアニメ動画『ワンダーエッグ・プライオリティ』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2021年冬アニメ
制作会社
CloverWorks
公式サイト
wonder-egg-priority.com/
主題歌
《OP》アネモネリア『巣立ちの歌』《ED》アネモネリア『Life is サイダー』

声優・キャラクター

相川奏多、楠木ともり、斉藤朱夏、矢野妃菜喜

スタッフ

原案・脚本:野島伸司
監督:若林信、副監督:山﨑雄太、キャラクターデザイン・総作画監督:高橋沙妃、コンセプトアート:taracod、アクションディレクター:川上雄介、コアアニメーター:小林恵祐、ゲストキャラクターデザイン:久武伊織、プロップデザイン:井上晴日、デザインワークス:大鳥絵を描くPETER、色彩設計:中島和子、美術監督:船隠雄貴、撮影監督:荻原猛夫、3DCG:Boundary、編集:平木大輔、音響監督:藤田亜紀子、音楽:DÉ DÉ MOUSE/ミト、音響効果:古谷友二、企画プロデュース:植野浩之/中山信宏

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