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「平家物語(TVアニメ動画)」

総合得点
77.2
感想・評価
343
棚に入れた
1067
ランキング
627
★★★★☆ 3.9 (343)
物語
3.8
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
3.8

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平家物語の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

歴史フィクション。

実績豊富な有名監督と豪華声優陣による名作古典のアニメ化で注目を集めた作品ですが、
作画の動き自体はアニメーターを大量につぎ込んで頑張っていますけど、引っかかる内容。

第1話での主人公のびわの平家批判の罪で子の代わりに父親を惨殺することで平家の横暴を見せつけた、
軍記物語である「平家物語」にのみ記述される虚構性の強い禿(かむろ)を用いた脚色とは違い、

「驕る平家」の象徴と言える「殿下乗合事件」を指図した史実での首謀者は平重盛でありますが、
それが「平家物語」では平家の棟梁で政治の実権を握る父・清盛の悪行であるとの歴史の歪曲があり、
重盛を持ち上げるために重盛の負の部分まで擦り付けられてしまったのが作中の清盛ですが、
アニメでは、史実での首謀者の重盛が創作上の首謀者役を押し付けられた清盛を詰問することで、
原典の「平家物語」以上に平重盛を聖人君子として更に美化された正義のイケおじとして描き、
それが茶番なのもさることながら、このアニメの実質ヒロインである徳子(重盛の妹)もまた、
権力欲が強い問題人物扱いの父・清盛に批判的である現代的な美女として描いているのに対して、
重盛や徳子と同じ血を引いているはずの平宗盛が極端に見た目も性格もバカにされて扱われていて、
清盛の子供で一人だけ遺伝子異常なのか短足・デブ・出っ歯で深海魚みたいな醜男過ぎ。
不摂生による肥満や人格をあらわす表情だけでも見た目を差別化出来るのにカリカチュアが過剰。
あの醜い姿形の宗盛が痩せて心身を鍛え直したところで重盛に似てくる姿が全く想像できませんね。

人気漫画家の荒川弘さんがアルスラーン戦記で描いたルシタニア王国の、
肥満で無能な兄王・イノケンティウス七世と精悍で有能な王弟・ギスカール。
一見似てないようで顔のパーツの共通点が多くて一応は兄弟だと認識が可能で、
血筋が同じでも生き方がそのまま容姿の違いになっている描き分けが出来ているのとは逆に、
このアニメではシンプル化してるにしてもキャラクターデザインの画力が低すぎです。

他にも源頼朝が「信長の野望・天下創世」の今川氏真みたいでひと目で分かるダメ男だったり、
旭将軍・木曽義仲が田舎者を強調しすぎて久米田康治の漫画に出てきそうなギャグタッチの、
不潔でボサボサ髪でしゃくれアゴで最低限の礼法すら無い貧乏くさいボス猿であり、
御所に乗り込んで何故か御簾を用いることなく後白河法皇に不敬な直談判をしたときも、
知性の欠片も無いガラガラの大声で狩衣を纏わずに身なりが汚いままであったり、
そもそも、信濃源氏の木曽義仲が烏帽子や冠をかぶらないのは無作法な田舎者を通り越していて、
当時の常識を現代に置き換えると、ズボンもパンツも履かずに下半身丸出しで都を練り歩いて、
皇居に押しかけて狼藉三昧の完全に頭がおかしい露出狂と同じレベルの蛮行であり、
その恥ずかしい姿で後白河法皇に直に拝謁する平民以下の意識の低さが、ありえないことであります。
かろうじて、貴人から受命するときの建膝(たてひざ)に見えなくもない描写はありましたが。

高野文子さんの原案の死んだ魚のような目で小物小物したキャラデザが不快レベルで酷いかなあ。
盛盛盛盛で誰が誰だかわかりづらい!との意見があり、少ない線で描き分けて個性を出そうとすると、
キャラ描写が極端に陳腐な記号化をされたり、兄弟といった身内でも容姿に類似性がなくて、
昭和のギャグアニメのように身体的な特徴を歪めて大げさな絵面になりますよね。
あと、サイエンスSARUの特徴的な作画だと、やっぱり平べったい。これが美しいかと言うと微妙。

平家討伐の立役者の源義経をステレオタイプなイケメンヒーローとして扱う一方で、
鎌倉幕府を開く兄・源頼朝が北条政子の言いなりの優柔不断の愚鈍で臆病なダメ人間扱いとか…。
「吾妻鏡」によると頼朝は石橋山合戦(10倍の兵力差で元から勝ち目がなかった)で、
五人張りの強弓を引いて数多くの敵を射抜いた優れた武勇の持ち主ですが、
このアニメでは、なで肩でひょろひょろした意志薄弱な惰弱者として脚色された頼朝。
これじゃ虫や蛙も殺せずにぶるぶる震えてる感じで、お飾りの総大将すら無理ですね。
自分の頭で考えることが一切出来ずに、きつい北条政子の言に自信がない表情で、

『ねえ?政子?どうしたら良ーい?』(八の字眉)
『ひゃ!?ひょえええ?』(ガクガクブルブル)
『あぁ…うん、そうする!そうするから…』(脅えたままの顔)

と頷くのが精一杯の無能な傀儡でしかないです。

この頼朝は、人目のないところで椿の枝を太刀で切り落とし続けての鬱憤晴らしで、
普段は無害そうな凡庸な顔で、おどおどと気が弱くてまともに人と会話できないくせに、
抵抗できない相手には豹変して容赦なく痛めつける人の小ささと残忍さも見せています。

時代にまきこまれた血筋以外に何も無い軽すぎる神輿キャラで、
知恵も勇気も無くて自分の意思で挙兵すら決断できないおつむの軽い人間が
実はストレスに蝕まれていて権力を握ることでつけあがって外道に豹変(覚醒)する兆候。

フィクションにおける従来の頼朝像は、
こんなアニメの如くに一見ひ弱でぼんやりしてて狂った小人物ではなくて、
猜疑心の強さと冷酷な部分は否めないものの、
政治的なビジョンを持って動いていて駆け引きにも優れていて、
公文所の別当の大江広元らとともに権謀術数を巡らせていますよね?

こっちはもう、プレイヤーが嫌いな人間の名前を間抜けな敵キャラにつけて、
最初は強気なセリフを吐かせて、劣勢になった途端に命乞いをさせた挙げ句に、
主人公一行に殺させて悪は滅びた!メデタシメデタシなイベント戦闘が存在する、
「新桃太郎伝説」の怨みの洞窟を思い出す陰気なごっこ遊びですね。

こんなものは、ギャグでも愛嬌でもないですし、
こういう貶める安っぽい脚色って、本当に必要で面白いと思いますか?
誇張まみれの人物描写の粗末さは感性に合う合わないの次元ではありません。

「鎌倉殿の13人」で大泉洋が演じる頼朝がろくでなしだから良いだろ!
とのネットでの声がありましたが片腹痛い。
大泉頼朝は女好きでコメディな脚色がありましたが、弓の腕前を見せるシーンもありますし、
政治家としての怜悧さを持ち、恨みを買うのを覚悟の上で血も涙もない鬼の道を歩みながら、
人が見てないところで弟である義経の首桶に落涙するといった人間味がありましたし、
また、源氏と北条氏の物語でありながら、敵である平宗盛へのフォローもあり、
優柔不断で繊細に過ぎるが温厚で知的な人物として宗盛は描かれていました。

ひきかえ、こちらは平家への感情移入を目的として、その他の扱いが木っ端のように軽いですし、
平家でも宗盛をただ亡くなった兄・重盛の引き立て役としての暗愚なデブとしか描いておらずに、
「平家物語」「鎌倉殿の13人」で扱われている妻子への深い愛情と言った一面すら削ぎ落として、
そもそも妻子に一切触れずに短い尺でも可能な宗盛のフォローを徹底的にやらない単純さ。

これらを見せられますと、源氏側から語られることが多い治承・寿永の乱を、
平家側から切り取った家族と情愛の話として見るにも、
禿(かむろ)や平宗盛などを始め、安直で記号的な表現が多くて、
当時の資料を少し勉強すればわかるレベルでの源氏下げの露骨さから、
平家の面々の感情も鎌倉や木曽らのしょーもない描かれ方も所詮は等しく作り物であり、
歴史文学を気取って教養を盾に利用しながらも、
強烈にバイアスがかかった虚構に過ぎないと醒めてしまいます。

一面的で簡素過ぎるキャラの造形の数々にたとえ想像力で勝手に補完するにしても限界があリ、
“美しい映像”とか“繊細な芝居”などの褒め言葉も甚だしく虚しいですね。

全11話で尺が無いせいで情報の取捨選択をせざるを得なくて、物語の切り取りで合戦の省略が多く、
清盛亡き後には実質的に平家の軍勢を支えてた平知盛や平重衡ら将の有能さがわかりづらかったり、
造り手が興味ないのが丸見えで平家随一の猛者の平教経の出番が最終回の水没シーンの3秒間のみで、
逆に平敦盛が悲劇の若武者として熊谷直実に討ち取られる散り際の描写が、
勇敢に戦って直実に傷を負わせて死んだとのアニオリ改変で贔屓が露骨なのですけど、
基本的には、弱い平家が源義経に一方的に駆逐されてメソメソ泣いてる話になっていますね。

創作は創作で史実に忠実である必要はありませんし、
この時代を扱った小説・漫画・ドラマなどの他の創作物も脚色だらけで独自性が強いですが、
このアニメでは特に、造り手の主観による美化と卑小化が両極端でキャラ付けが微妙ですね。
それをギャグアニメとして用いるならともかく、シリアスな哀歌でやるのは余分な雑味です。

善悪美醜すべてを兼ね備えているのが人間ですが、このアニメでは簡略にネタキャラ化した?
ちっぽけな弱者な頼朝や単細胞な山猿と化した義仲らの源氏の扱いの薄っぺらさと、
敢えて弱くて可哀相な人たちとして脚色して平家への同情を誘う意図が極端にあからさまで、
それで登場人物が魅力的に見えるどころか、丁寧な部分と雑な部分の温度差の激しさもあって、
視聴者への恣意的な思考誘導が露骨すぎて世界観に浸ることが出来ませんでした。

平家が滅ぼされたのは実際のところ、都落ちしたとはいえ依然脅威であって、
西国で再起されては源氏から見て面倒なことになるからです。
戦歴から見るに平家は一方的に源氏に負け続けた力無き弱者ではありません。

このアニメでの簡素で偏向の強い人物造型や演出の表現に感化されての、
繊細な乙女のような心の優しい平家をイジメる源氏への嫌悪だのといった憤りの感情移入は、
武田鉄矢が坂本龍馬を好きすぎて、幕末の多くの人物を悪く描いたり引き立て役にした、
「お~い!竜馬」を真に受けて、土佐藩主の山内容堂や上士らが陰湿で悪逆非道なクズの集まりで、
坂本龍馬を、彼一人の存在が日本史を動かした正義のヒーローだと思いこむのと全く同じですね。

大量の人員で作画と演出は頑張っていて技術的な部分では同時期のアニメでは上位でしょうけど、
印象操作を目的とした作為的なキャラデザとキャラ付けがあまりにもわざとらしく、
それが微妙なせいで源平合戦の物語としてはあまり面白くはない。
シンプルなデザインで演出がわかりやすい!との絶賛の声がネットでの常套句でありますが、

本山一城氏の著作漫画の「竹中半兵衛伝」レベルの単純なキャラ付けと貧相なキャラデザの、
そのわざとらしさが京アニっぽく動かしてる映像の芝居のレベルに追いついていないがために、
長所であるはずの高カロリーな演出だけがアンバランスに突出し過ぎて作品から浮いていますね。

否定一辺倒のようですが、展開に首を傾げつつも一話目時点では凄いとこれでも思っていたのです。
その一話目がピークで、説明台詞だらけの「鹿ケ谷の陰謀」がつまらなさすぎて一気に評価が下がり、
クール後半になると上述のヘリウムガスよりも軽い源氏の描かれ方に興ざめしつつ、
歴史のダイジェスト展開を熱が入らない目で惰性で傍観していました。

大河ドラマでも作品によって方向性が違うように、これもまた歴史を元ネタにした、
数ある小説やドラマや漫画といった創作物の横一線のひとつ止まりであって、
ただ単にそういうやり方もある止まりで、傑出したものでもないですね。
尺の長短に関係なく登場人物の色付けと人間描写の密度は、
賛否両論のある大河ドラマの「鎌倉殿の13人」と比較しても遥かに劣ります。
台詞を削って作画の情報量で補完するやりかたがあり、これまではそうやってきましたが、
今までの作品と違って今回の座組では、積み重ねられたキャラクターの造形ではなくて、
少ない出番で申し訳程度に浅くて薄い説明的な台詞や動きで手一杯のキャラが多いですね。
尺が無いから仕方ないだろ!という擁護がネットではありがちですが、それは忖度の精神。
偏向してキャラを歪めたり粗末に扱ったりをした妥協を正当化するつまらない言い訳ですね。

監督が素晴らしいスタッフと一緒に作り上げた過去の輝かしい実績の数々といった、
その色眼鏡を外して作品単体で内容を評価すると、
今作でも健在なキャラクターに動きで芝居させる技術を台無しにするレベルで、
キャラ萌えを狙ったかのようなマルチーズの擬人化が滑っている平資盛の造形も酷いですし、
平家一門で唯一顔が人外な醜男の宗盛、モミアゲの生え方がおかしいゴリラと化した平知盛など、
誇張だらけで歪な数々のキャラデザなどのせいで色褪せたしょぼくれた物に見えてしまい、
やはり監督が過去に手掛けた精緻な演出と可愛らしさが同居した作品との違いが圧倒的に大きくて、
こんな感想しか出てきませんでした。確認のために再度見比べても印象は変わりませんでした。
言っちゃ悪いですが、過去に手掛けた美少女アニメのコミカルな芝居を流用したところで、
いつまでも子供みたいで、いじめられオーラを発しているひ弱そのものな平家の公達といい、
一度見せた頬を赤らめてのぶりっ子ポーズが気色の悪い後白河法皇といい、
一応出てきたけど太ももで視聴者サービスをして掘り下げの無く、舞が美しくない静御前といい、
監督の過去の、どの作品とも違って登場人物に全く魅力がありませんし、単純につまらなかったです。

未来視を持つ主人公のびわも、仕草は「けいおん!」「たまこまーけっと」の流用ですし、
褒められてる芝居のアニメーションも、過去作品の技術を用いた下位互換ですね。
そのびわも、メタな理由で人のために何もしない、それどころか養われてる分際で労働すらしなく、
シゲモリだのトクコだのスケモリだのと平家の面々を呼び捨てにして、
タメ口でも罰せられることのない無駄飯喰らいの無礼者の居候であり
傍観者の役割を演じるだけの自発性の無い物語の人形的な配役でしかありませんでした。
最終回でやっとひとつだけ人助けをしますけどね。

初監督作品の「けいおん!」から「たまこまーけっと」と「聲の形」を経て、
アニメ表現の到達点と評された「リズと青い鳥」にいたるまで、
この作品の監督が今まで手掛けてきたものには概ね好感を持って高評価をを続けてきた自分としても、
アニメとは、膨大なスタッフの仕事を絨毯を織るようにして作品が完成しているものですので、
演出家としての監督の手腕が健在であろうとも、高野文子さんの衰えたセンスで相殺されていて、
それらチーム全体の仕事の成果物としてイマイチだと思えば相応の評価にせざるを得なく、
誰にでもですが、アニメ監督への行き過ぎた偶像視は良くはないと思うきっかけになりましたね。
数多くの受賞歴を持つ監督の才能やセンスと褒め称えられたものも実際は監督本人の能力だけでなく、
これまではデザインセンスと確固たる技術力を兼ね備えた素晴らしい実力を持っている、
例えば「聲の形」や「リズと青い鳥」で類稀なる手腕を発揮したキャラデザ担当のアニメーターや、
美術スタッフなどの人材と連携して、ひとつひとつの設定をきちんと練り込んで作っていたのと、
他にも監督の毛色の理解に努めて技術をいろいろと学んだと本人に直接言った凝り性の演出家、
(彼は2023年8月に公開の「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」の副監督)
がいたように、皆で少しでも良いものを作ろうと努力を積み重ねていった成果ですね。

所変わって、今作では監督直々の仕事がクレジットされていない回の演出は、
どちらかと言うとサイエンスSARUの特徴が勝っている作風ですし、
作画カロリーが一般的なアニメより高い割に適当な部分が多い新作映像作品を観た上で、
女性アニメ監督を客寄せパンダとして演出されたプロモーションをして、
監督の名前で作品に付加価値をつけて売りたい顔出しや特典商法のやり口を見ていますと、
あっそうですか?な気分で、作品の差を抜きにしても前の職場のほうがマトモだったとも思いますね。
2014年の新宿ピカデリーでの舞台挨拶では、われわれは裏方だと御本人も仰っていました。

アニメの質の向上には多くの人間の協力が不可欠ですが、監督至上主義の制作会社の社長でもある、
プロデューサーの方針なのかアニメのキャラではなくて監督が主役扱いされてる現状には疑問ですし、
今の状況や作品内容を素直に応援しづらいです。諸行無常とは本当にこのことですね。

「リズと青い鳥」などの同じ監督の素晴らしかった過去作品の数々で口直しをしながら、
あの頃は良かったと思うのみです。2024年1月2日に「リズと青い鳥」をEテレでまた鑑賞して、
そして、「響け!ユーフォニアム3」のPVの素晴らしさに心を揺さぶられたのと、
実は前の会社からの脱却が出来てない「Garden of Remembarance」が、
ティザーPVで観た感じでは「たまこまーけっと」で観たようなシーンの焼き直しで、
原画の質の差はさておいてもキャラの表情や色使いなどの映像の表現力のあまりの見劣りに、
結局オリジナル中心で作品の方向性が「たまこまーけっと」と本質的にはさほど変わってないなら、
この人には、石原監督らのいる世界に戻って十全に手腕を発揮してほしいと思いました。
今の環境に溺れているままでは、かつてを知る者から見れば真の復活には程遠い回り道です。
現実にこの女性監督を賛辞するファンからの声は簡単なあらすじと絵の具で描いたような手の絵、
これのみでオープンにされない、やたら意識の高そうな新作映画への発言は少なくて、
美人連呼と、監督と一緒に「リズと青い鳥」を作ったアニメ会社への感謝の声が寄せられています。

「平家物語」に肯定的評価をしている現在の監督ファンの方々の思いですら結局は、
近年の作品への評価や未来への期待よりも過去の栄光への依存が目立っているのが現実。

いろいろと複雑な思いがあるのですが、こちらは見ていて虚しくなる本当に残念なアニメでした。
元々は新しい活動に納得しての応援が目的で見始めたのですが、宗旨替えをして応援継続しようにも、
素晴らしい作品と評して良い程の説得力のある内容が今回は自分には全く感じられ無かったです。
今後の新作を観ることがあれば作品ごとの個別に評価は上下しますが、
観る前から(この方に限らずですが)監督の名前を頼りにして名作扱いするのは遠慮しますね。


溜め込んでいた言いたいこと=このアニメがつまらないと思う理由と偽らざる本音を、
一切呑み込まずにあらかた言い尽くしました。では、これにて!!

投稿 : 2024/03/14
閲覧 : 1478
サンキュー:

70

ネタバレ

Mi-24 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

望まぬ結婚の先で幸せを掴もうとした、平清盛の娘「徳子」の物語

歳を取らない物の怪(もののけ)、琵琶法師の「びわ」が語る物語。

平家の人達の心情表現を中心に話しは進む。政治的な出来事はサッと概要を流す程度なので物語進行の邪魔をせず、スッキリしていて分かりやすく見易い。
内容は情緒的で、陰湿・残虐な表現はなし。
物語はテンポよく進み、絵柄もストーリーに合っていて非常に良い。



『平家にあらずんば人にあらず』

平和な生活(平家の人達の)はどうやって保つのか?



平和な生活を享受できたのは、政治力がある平清盛と平重盛の二人が健在だった期間のみ。
重盛の弟や、重盛の息子達には政治力が無く、状況に流されるだけで場当たり的な対処しかできない。
政治の主導権を奪いにくる、後白河法皇に全く対抗できず。

後白河法皇が差し向けた源義仲(木曾義仲)に大敗し、保有兵力の大半を失った後の平家は悲惨だ。



『平和は軍事力がなければ成り立たない』

いつの時代でも変わらない事実。
不変の真理である。



凄惨な流転の放浪生活を強いられる平家の人達。
政治・外交ができる人材が居らず、窮地を脱する打開策がなにもとれず。

最後はなすすべもなく檀ノ浦で滅亡...



『祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』
『娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす』



この作品で一番印象に残ったのは、徳子の想い。

徳子に対しての、高倉上皇の言葉。
「そなたには感謝している」
この、たった一言を頼りに生きる。

徳子は“強い人”だったが、政治力・外交力がないのが致命的だった。結局、最愛の息子「安徳天皇」を守ること叶わず。

対称的だったのが、源頼朝の妻である北条時政の娘・政子。
この作品の源頼朝は随分と頼りない感じだったが、政子は源氏・源頼朝にとって最適と思われる選択に、夫の頼朝に積極的に働きかけ誘導していく。


そもそも平家の武将達が頼りにならないのが問題なのだが、徳子は政治介入せず
「何があっても絶対に守る」
と誓った最愛の息子を死なせてしまう。

徳子が政治に介入する積極性があったら、結果は変わったのだろうか...

投稿 : 2024/02/10
閲覧 : 46
サンキュー:

5

ネタバレ

og3jar さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

改めて観なおして、良かった

びわの視点は、未来から見た過去視点だから、過去に干渉できないと言う事だと思うと、観れました。悠木碧凄いね。恐ろしいよ。もともと歴史が詳しくないのと元の平家物語を知らないので、その辺は評価できないです。

盛者必衰とは思わないけどね。

投稿 : 2023/04/04
閲覧 : 89
サンキュー:

5

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

古典名作をアニメに落とし込めている良作

平家物語をホームドラマ路線の大河風にした感じ。
平家の人々の栄枯盛衰を、琵琶法師を少女化?したオリキャラ視点で綴る、叙事詩・群像劇。全11話。
※作品データベース様より転載

【良い点】
義務教育を受けた日本人ならば、全篇読んだ事は無くとも大まかな内容と流れは知っているであろう名作を題材に、
まるで女性脚本家によるホームドラマ路線のNHK大河ドラマめいて親しみやすくかみ砕いて描かれている、大変見やすい。
悠木碧氏が好演する琵琶法師の少女びわ(異能持ち、何故か成長しない、座敷童ぽい?何故か平家の中枢とタメ口な立場)の存在が、
演出と相まって軍記物よりも幻想文学めいた独特な風情ありつつ、不思議少女がタメ口で接する事で
平家の面々も親しみやすく内面を掘り下げられている。
(なんで拾われた下賤の?少女が平家と対等なの?)と最初は気になるが、すぐに慣れてアニメの雰囲気に引き込まれる。
ここは実写の大河ドラマだと難しい、アニメならではの許される点か。
びわという傍観者ポジションの語り部を非常に上手く活かしていた。
びわも視聴者も、結末を知っている傍観者なのは同じであり、故に情緒的に感情移入させられる。

ストーリーはダイジェスト感はあるものの要所を抑えている、全11話と短いが故に密度が濃くテンポも良い。
びわと重盛の憂いで序盤から無常感ありつつ、重盛が没してから坂を転げるように終末に向かう、終始飽きさせず。
序盤からのホームドラマで平家に感情移入させられつつ、終盤からラストの諸行無常感に浸れる構成は見事。
切ない物語ながら、救いと希望も垣間見せる結末も後味が良い。
平資盛は落ち延びているという伝承を採用しており、彼が魅力的に描かれている故にここも後味が良い。

平安時代舞台の古典を現代的アニメに落とし込んだ作画や演出も素晴らしい。
アニメとして見やすいし、心情描写や軍記物としての山場などもダイナミックに伝わってくる。
要所の山場で琵琶と共に悠木碧氏の平家物語朗読も大変良かった。
ラップ調のOPも、通してみると作風に合っているとわかる。

また、名前を本名呼び(後鳥羽上皇様とか)は、エンタメ作品の分かり易さ重視なので良し。

主に平重盛とその子供たちを中心に、ホームドラマ大河として良好な雰囲気。
兄弟たちは気弱だったり傲慢だが根は優しかったり、各々の個性ありつつ魅力的に描かれる。
重盛やその子たちの苦悩や関係性などを丁寧に掘り下げていた。
特に平資盛と平清経兄弟は他作品では地味な脇役が殆どだけど、本作ではしっかり存在感示した。
びわ同様の未来視の異能故に平家の行く末を知りつつも残り少ない命を賭して驕れる父清盛を諫める重盛と、
同じ異能持ちながら傍観者でしかないびわとの交流劇は特に良かった。
メインヒロイン格な徳子が運命に翻弄されながらも美しく生き抜いたドラマも胸を打った。

【悪い点】
軍記物・大河ドラマとして見るとダイジェスト感が否めず。
とはいえ本作のコンセプト上、軍記物の側面は重視しなくてもよさげ。

重盛ファミリー以外のキャラの出番や掘り下げは物足りず。
平家物語というか、視聴者の日本史の知識頼みな面はある。

【総合評価】8~9点
古典的名作を巧みに調理した良作。2021秋上位。
全面的に良い意味で女性脚本らしい持ち味出ていた。山田尚子監督、吉田玲子氏お見事。
評価は「とても良い」

投稿 : 2023/03/25
閲覧 : 111
サンキュー:

12

ネタバレ

Re伊藤みかん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

今まで、泣けなかった私が号泣した作品

映像はトップクラスに美しいです。どこをとっても一枚絵として扱えるほどに美しく、独特な作風はストーリーを強調し、このアニメをより良い作品に仕立て上げています。
加えて、豪華声優陣で固められたこのアニメはキャラクター一人一人が生きているかのように錯覚するほどです。
しかし、映像美、演技がこの作品の本領ではありません。ストーリーこそがこの作品の本領と言ってもいいでしょう。事実かどうかはおいておき、事実を基に作られたこの作品は謎の納得感を与え、キャラクター一人一人と心になりきることができます。
私としては百点満点の作品なのですが、歴史を扱う分、ストーリーは難解に、キャラクターは覚えにくくなり、独特な作風は人を選ぶといった印象です。
万人に受ける作品ではありません。しかし、私のように、感動できると言われている作品で感動できない人にはおすすめ。
やはり、事実にこそ真の感動は宿るのでしょうね。

投稿 : 2023/03/17
閲覧 : 119
サンキュー:

8

ネタバレ

ShouyouACL さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

Nowadays with the inappropriate use of the artwork category, or even its relative, it is difficult to call something a masterpiece, however, if someone asked me what art is today, I would say: Heike Monogatari.



A story about impermanence, Heike Monogatari tells his story during the Genpei War, a civil conflict that divided Japan, the story is told from Biwa's perspective.

After the death of his blind father, Biwa meets Taira no Shigemori, heir to the powerful Taira clan fighting for supremacy in the war. Shigemori also has the power of supernatural vision, with one of his eyes he sees ghosts of the war dead. Because of his abilities, he understands his clan's part in the death of Biwa's father, after Biwa cites a prophecy that predicts the downfall of the Taira clan, he believes she has the same ability.

Shigemori invites Biwa to live with him and his family under the auspices of being a companion to his children, but hopes her power can prevent the Taira clan from falling.

Biwa in turn agrees, but not with the part of using her power, this is because she knows that the Taira were responsible for her father's death.

With this given context, the story will follow the rise and inevitable fall of the Taira.

On the Buddhist theme of impermanence, it is approached with the fall of the powerful Taira clan, responsible for defeating the Minamoto, however, being later defeated by them.

This defeat is conceived because of the arrogance, and carelessness of a clan that once in power, became something terrible.

Impermanence doesn't just fit in the contexts of war, it applies to characters who are not involved in it, as it talks about how relationships cease, governments, countries, companies, all cease, change all the time.

We can perceive impermanence operating in our lives on a daily basis. Contemplating this is extremely useful, as it stops our exaggerated attachment, our exaggerated "grasping".

Everything is ephemeral, nothing is made to get too attached, one day everything will end, just as it did for the Taira.




The animation is eye-catching, each frame lovingly drawn and framed in the same way. The subtle direction to show innocence in the way the characters act, the subversion that the anime causes is impressive. A while ago I wondered if there would still be animations like Sangatsu, Maison, Evangelion, Monogatari, animations that not only fulfill the role of animating and giving life to a story, but go beyond that, creating something new. Nowadays it's easy to watch hyped anime and be impressed as it tries to simulate famous movies, but forget that not only has this been created before, it's been done better. Going back to Heike Monogatari, the animation is spectacular in every way, everything is characterized as a parchment of the time, this perhaps because it is being based on an epic account of the Genpei wars.

The design of the anime, which conveys an idea of ​​a tale, fable, and hits the nail on the head, as Heike Monogatari, again, is based on an old Japanese tale, from the distant year of 52. There is no use of cgi to animate, it is art for art's sake, the only commitment of this work seems to be to perpetuate a history of family, violence and how time is ephemeral. And you can be sure it lasts forever.


The design, as said before, is cohesive with the idea of ​​the original material, however, not only that, it is subversive, whoever thinks it is a story with cute characters for children is wrong. The anime is violent, sad and bitter. The innocent nature of the design only helps to intensify this.

The landscapes in the anime are impressive, I always wondered when I would see something at least like what Shaft does with backdrops again, and here it is, the backdrops are beautiful, watercolor coloring, as if the ink completes the paper.


The anime's music is not limited to typical songs from the Sengoku era and in this case, the Genpei wars, in addition to the koto or in this case, a Biwa. It is worth mentioning that many of the anime's compositions are made in a diegetic way, using wind, string and percussion instruments.

Orchestrated compositions are also used, giving space to a musically immersive, exciting and complex experience.

The sound mixing is exemplary, especially in battle scenes, it's so dry and real that, again, it intensifies the anime's sense of reality.



The voice acting is frighteningly well done, Biwa and Shigemori are so well acted that they frighten. Dramatic scenes that say it, the actress responsible for the voice of Biwa did something similar to what the actor responsible for Rei did in Sangatsu no Lion, hard to see so much soul in a performance as seen here.

Supporting characters are also not far behind, some delivering performances even comparable to the main ones.

投稿 : 2023/01/10
閲覧 : 67
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2

ネタバレ

chikuwa さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

アニメ化に800年かかった作品 古典音痴・歴史音痴でも楽しめるってすごい

【感想(最終回までのネタバレあり)】
{netabare}
・原作は冒頭の「祇園精舎の鐘の声~」くらいしか知らない古典音痴&当時の歴史をほぼ忘れてる歴史音痴の自分でも楽しめた
・ただ、人名と相関(誰の子で誰と兄弟か)が本編を見ただけでは覚えられず、何度も公式HPやWikipediaを見ないと覚えられなかった。また、原作がそうなのかもしれないが、最後の方は見せ場の寄せ集め(ダイジェスト)になっていて、京都→大宰府→筥崎(福岡市)と西へ西へと追い詰められてたはずの平家が次のシーンでは何の説明もなく一ノ谷(神戸市)で戦ってたりと場面転換が激しく、歴史の教科書片手に見ないと状況がつかめなかった
・原作未読のため原作がすごいのかアニメスタッフがすごいのか両方すごいのかは分からないが、数百年も前に作られた話とは思えないくらい今でも楽しめるストーリーで驚いた(もちろん最新のアニメと比べればエンタメ性に劣るが)
・また、原作の雰囲気を壊さないよう徹敵的に研究配慮されたと思われる作画が秀逸。声優も超豪華な顔ぶれによる名演で妥協を一切感じなかった
・自分はエンタメ性の高い作品が好きなので全体的にやや辛めの評価になったが、芸術性の高い作品を好む人が傑作と評価するのも頷ける
・数十年後に見ても視聴に耐えうるであろう数少ない高品質の作品
{/netabare}

【各話評価】
{netabare}
基本は○、良いと○→☆→☆☆と星が増える、悪いと○→△→×となる

1話 平家にあらざれば人にあらず ○
2話 娑婆の栄華は夢のゆめ ○
3話 鹿ケ谷の陰謀 ○
4話 無文の沙汰 ○
5話 橋合戦 ○
6話 都遷り ○
7話 清盛、死す ○
8話 都落ち ○
9話 平家流るる ○
10話 壇ノ浦 ○
11話 諸行無常 ○
_______________________________________________________________________________
☆☆☆☆ 超神回:1年に1回あるかないか  ☆☆☆ 神回:1クールに1回あるかないか
☆☆ 優秀回:何度も見るくらい面白い    ☆ 良回:非常に面白い
○ 並回:普通に面白い  △ イマイチ:一部面白いところもある  ×:つまらない/視聴断念
{/netabare}

【全体評価】
{netabare}
基本は各話評価の平均点、突出して良かった回悪かった回や最終回の良し悪しで多少変動

中の上  各話評価平均点 0(0/11)
_______________________________________________________________________________
☆:1つにつき1点 ○:0点 △:-1点 ×:-2点 視聴断念:-100点
上の上(あにこれ評価 5.0)1.3点以上:数年に1つあるかないか
上の中(あにこれ評価 4.8~4.9)1 ~ 1.3点:1クールに1つあるかないか
上の下(あにこれ評価 4.5~4.7)0.5 ~ 1点:非常に面白い
中の上(あにこれ評価 4.0~4.4)-0.2 ~ 0.5点:普通に面白い
中の中(あにこれ評価 3.5~3.9)-0.4 ~ 0点:普通
中の下(あにこれ評価 3.1~3.4)-0.4 ~ -1点:イマイチ
下(あにこれ評価 3.0)-1点以下:つまらないor視聴断念
{/netabare}

投稿 : 2022/11/05
閲覧 : 115
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3

ネタバレ

U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

C. ネタバレ注意 – 諸行無常

制作:サイエンスSARU

<メモ>
最初から琵琶に見えていたであろう平家や徳子の行く末を知っているので4話以降観るのが辛かったです。
「平家にあらずんば人にあらず」という振る舞いをみてると自業自得な気もしますが
平家の中にも正義はあったわけで、櫻井さんの演技と相まって清盛と後白河法皇の間で苦悩する重盛がかわいそうでした。
重盛の息子たちや、わずか8歳で生涯を終えた安徳天皇も一族の因縁で好きに生きられないのが切なかった。

これが源氏の視点、天皇家の視点、良寛の視点、市井の視点で描かれると見え方が違うのが歴史の面白いところ。


<主要登場人物>
・びわ:悠木碧     未来が見える 父は琵琶法師、母は白拍子

・平重盛:櫻井孝宏   平清盛の子 平家の棟梁 亡者が見える
・平維盛:入野自由   重盛の長男
・平資盛:岡本信彦   重盛の次男
・平清経:花江夏樹   重盛の三男

・平徳子:早見沙織   平清盛の子 高倉天皇( 西山宏太朗)の皇后 安徳天皇の母
・平清盛:玄田哲章
・平敦盛:村瀬歩    清盛の甥

・後白河法皇:千葉繁

・源頼朝:杉田智和   源氏の棟梁
・源義経:梶裕貴


22.4.17

投稿 : 2022/09/10
閲覧 : 134
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13

ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

滅びの美学

琵琶法師の父を平家の武士に殺された少女のびわ。
びわは平重盛と出会い、平氏の息子たちと一緒に過ごす事となる。
栄華を誇る平氏だったが、びわには平氏が滅びる未来が見えていた。

日本の義務教育を受けていたら、話の結末は分かります。
壇ノ浦で平氏が滅亡。
源氏に天下を取られます。
その平氏の隆盛から滅亡を口伝で伝えられていた『平家物語』。
本作品は、びわという架空の人物を使い、平氏側から見た歴史を表現します。

まず、言いたいのは、声優の演技が素晴らしい事。
その配役を選んだ方も凄いですが。
・びわのCV悠木碧
・平重盛のCV櫻井孝宏
・平徳子のCV早見沙織
・平清盛のCV玄田哲章
・後白河法皇のCV千葉繁などなど……
その他の配役もありますが、とりあえず主要人物の選出は盤石。
実力者を集めましたね。
さすがにアイドル声優の入る隙はありませんでした。
本作品は声の演技でも楽しむことができます。

歴史を描く事は難しい。
特に近世以前は史料が少ないので、ある程度の演出は必要になります。
舞台は平安時代末期。
まだ朝廷の力が残っています。
なので、当然、衣冠束帯(狩衣かも)の衣装は当たり前ですね。
畳の使い方などもキチンと歴史考証しています。

平氏一門は滅亡します。
昔から日本人は滅びゆく者たちに美学を感じますね。
有名な判官びいき。
その判官を指すのは”源義経”なので、今回は敵側なのですが。

延暦寺などの僧兵の描き方も良いですね。
昔の僧兵はやりたい放題。
あの織田信長も手を焼いて、焼き討ちするほどです。
仏という神の力を背景に暴力に訴えます。
現在の念仏を唱える僧侶と昔の僧侶は違うのです。

日本史を暗記物と考える学生は多いです。
しかし、本作品のように映像化したら、理解しやすいですね。
動乱の平安末期から鎌倉初期。
時代は天皇から武士へと変わります。
琵琶法師が語る『平家物語』。
それを分かりやすくしたアニメの『平家物語』。
たまには日本史を勉強する事も良いでしょう。

投稿 : 2022/08/13
閲覧 : 174
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33

ネタバレ

毛玉 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

平家にあらざれば人にあらず

(なんだこの高畑勲を意識したような無駄に盛り沢山な要素は)
と気持ち悪く思いながら観た
森見作品の匂いもする
テンポや演出、椿の落ち方とか
ざっくりと淡々に描き
最後は“語ろうぞ”
どうもおかしい
女の“感情”で歴史改変的な
狸に化かされてんじゃないのか
取り敢えず涙腺叩いて泣かせてくるのは毎度お馴染み

観終えて調べると高畑勲が短編作ろうとしてて亡くなった事
制作が森見の夜は短し歩けよ乙女を作ってた所と判明

(高畑氏の短編と言われて、制作を初めても一本の映画に何年も掛けて粘って持って行きそうな恐ろしさを感じたが)

こんな話があるのでは意識して作らざるを得ないだろうなと感じた
高畑氏ではなし得ない、決まったコストでこれを作るということ
期待値が高まり過ぎた物をとにかく終わらせること
だからこその誰もが期待する制作スタッフ(山田氏、吉田氏等)
兎に角、終わらせる事だったろうと

高畑氏を追い続けたからこそアニメ離れが進んだ私でも、高畑氏の描いた世界を拝見したかった、と少なからず思う


頭を過ったワード

たぬき
かぐや
森見
寂光院のしば漬け
天台
澁澤
1番言いたい事は一番最初に
1話タイトル
「平家にあらざれば人にあらず」

投稿 : 2022/08/13
閲覧 : 102
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3

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

祇園精舎の鐘の声

 全11話。原作は一部既読。といってもあれです。中学・高校の古典の授業で読んだものです。

 びわが平家の平重盛から拾われ、主にびわ視点で語り継がれる物語。前半は仲良くなった重盛の子たちや徳子などとの交流、そして平家が栄えていく様子が映し出されていました。

 しかし、重盛や平清盛の死あたりだったと思います。そこから少しずつ平家が崩れていきます。それがなんと切ない・・・。滅亡の一途をたどる中、身投げする人もいました。びわの周りで生き残ったのは徳子だけっていうね。。このあたりの感覚はわからないですね。「生きてたらそのうち良いことあるよ!」が通じない時代だったんでしょうか…

 ところで源氏の様子も少しありましたね。源義経とか弁慶などは想像通りでしたが、一番ギャップを感じたのは頼朝ですね。そんな頼りないキャラなの?とは思いました。妻の北条政子はしっかりしてたのにね。あれはあれでインパクトはありました。

 演出とか光の使い方とかが京アニっぽい感じがしましたが、監督は吉田玲子さんだったんですね。演出はすごく好きでした。

 ただ1クールしかないので、とばしとばしになっていたところはありました。1.5~2クールくらい、もうちょっと尺は必要だったのかも?

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/07/23
閲覧 : 264
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36

ネタバレ

NO99 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おもしろい!!!!

小説などでは 登場人物が同じような名前ばかりで
混乱しますが
やはり 視覚で覚えると
面白いです

投稿 : 2022/07/21
閲覧 : 96
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6

ネタバレ

たまき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

悲しい物語

史実の平家物語を主人公の琵琶法師の女の子の視点から追っていく物語です。

主人公のびわは、ひょんなことから平家に拾われ共に過ごしていくわけなのですが、歴史の授業で習った通り平家の最後は見えており、びわが平家の人達と次第にうちとけ家族の様に仲が良くなっている姿をみると、非常に胸が辛くなって行きました。

歴史が好きな人からすると色々思うところがある作品かもしれません。私は授業で勉強した大筋しか覚えていなかったのでそこまで気にはならなかったのですが、ラスト数話はやや足早感はあった気がします。

作画はデジタルでありながらも、細い線に優しい色使いでとても良かったです。ややクセがある様にも見えますが、歴史物とマッチしていました。

投稿 : 2022/07/15
閲覧 : 127
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8

ネタバレ

タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

武家らしからぬ呑気で気の抜けた会話と壇ノ浦の悲劇のギャップ

原作未読。
 1話の引きがすごすぎて、作品世界にどんどん引き込まれてしまった。山田尚子監督の本気の絵コンテ、すごすぎる・・・
 しかし、2話、3話はそこまででもなく、集中して観れなくなってしまい、しばらく放置。
 で、もう一度見直そうと1話を再視聴。やっぱり面白い。今度は2話。3話もしっかり見て、複雑な人間関係を把握しながら楽しめた。
 平家の人たちの武士らしからぬ、勇ましくも雄々しくもない気の抜けた会話が実に親しみやすく、親近感を感じた。それゆえ、壇ノ浦の戦いで、こんな普通の人たちが身投げして死んでいく様が胸を打つ。
 自分は平家物語とか授業で冒頭暗記したくらいでその後全然読んだことないし、多分古典の平家物語はこんなリアリティはないのだろうと勝手に思い込んでいる。いいものを観ました。良作とします。

投稿 : 2022/06/26
閲覧 : 140
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15

ネタバレ

masasan さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見事!

「敦盛の最期」をどう描くのかが、観る前からずっと気になって
ました。このくだりは中学2年生の国語の教科書に載ってます。

物の見方によっては、ホモセクシャルのような印象を与えてし
まうので、そのあたりを吉田玲さんがどう解釈するかを楽しみ?
にしていました。

見事でした。平家物語の無常観と悲哀が伝わってきた!

次は「宇治拾遺物語」とかやってほしいですね。古典はオチ
がないので難しいとは思いますが。

投稿 : 2022/05/27
閲覧 : 157
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10

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

滅び行く者たちへの鎮魂歌

今更、「源平合戦」の話をするのは「第二次世界大戦」の話をするのと同じくらいむず痒さがするもので、

なぜなら「当事者」ではないからである。

昔話として聞かされた。。あるいは歴史の授業でといった形であり、

僕の世代より若かったりすると尚更だったりする。

しかし、アニメーションという技術で当時の出来事を取り扱う際、歴史的整合性より、当時の人々の感情をよりダイナミックに表現できるという意味では、大河ドラマよりも相性が良いのかもしれない。

しかも、西洋的な「何かを成し遂げて勝利を目指す」ような正にメシア(キリスト)の復活譚より、「人間の命の貴さ、儚さ」を謳う日本の精神性がこの作品をより文芸の域まで押し上げている。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り。

色即是空、空即是色。

何事も始まりがあり、終わりがあるのです。

投稿 : 2022/05/14
閲覧 : 620
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29

ネタバレ

天地人Ⅱ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

私的アニメ感想簿45

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
の有名な一節から始まる平家物語のアニメです。
栄華を誇った平家が壇ノ浦の戦いで滅んでしまうまでの物語を描くのですが、結論から言うと期待以上でした。
転生したり過去に戻って歴史を改変する訳じゃないですから、結果はもうわかっているのですが、日本人ってやっぱり滅びゆく物語が好きなんでしょうかね。

第1話
宴会をする平家一門
清盛
「んーフフッ」
時忠
「アニメを語るに、あにこれ以外に人はおらぬのかというほどの昇りつめ方」
「いや!このあにこれ投稿者でない者なぞ、人にあらず」
数年前の、あのあにこれの人気が僅か数年でこんなに過疎化するなんで、まさに盛者必衰のことわりをあらわすと言え(ぎゃ~~~っ)

はっ、俺は何を言ってたんだろう(おいっ)
まあ気を取り直して(汗)頼朝、木曽義仲挙兵など途中から物語は一気に進んでいきます。
一応皆が知ってると思われる出来事はサラッとですが、描かれており、平家の落ちぶれていく様が、悲しみを一層引き立出せていました。
海の上ならば平家に利がある
というか、中国の「南船北馬」ならぬ「西船東馬」でしょうか。
それさえも最後の壇ノ浦の戦いでは数で源氏が上回り、更に源氏に付く豪族が現れ、潮の流れが変わるとともに滅んしまいます。

おまけ
知盛
「平家物語の感想は今日を限り。者共、退く心を持つな!投稿を惜しむな、ネタを惜しめ!」
そ、そうなんだ。よしここは俺もネタを惜しまずぶち込んで(違)

おまけ2
後白河法皇
「どうすれば、あにこれの過疎化を越えることが出来るのかのう」
徳子
「投稿を・・・わたくしにもまだ、忘れられぬ思いがございます。ですのでただ、ただこうして作品を、愛するアニメを思い、その感想を書いているのでございます。」
「ただそれが、私に出来る事。」
「そう教えてくれた天地人もまた、アニメのためにネタを、人々に語り継いでくれております。」

そ、そうだったのか、よし今後もアニメのネタをどんどん(うぎゃ~っ)

投稿 : 2022/05/04
閲覧 : 194
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19

ネタバレ

tag さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

家族の物語としての平家物語

僕らは、この物語が悲劇で終わることを知っています。源平合戦の流れも、少し歴史好きなら頭に既にある。しかし、見入ってしまいました。

膨大な原作を、思い切って、平家の建礼門院(徳子)の家族の物語に絞り込むことで、「歴史絵巻物語」から家族の幸せと悲劇、奈落へ落ちてゆく中での悲しみ、そして浄土を願う祈りへ、「家族の物語」へと。自分としては、ほぼ新しい物語として浸りました。
{netabare}
見ての感想は様々な想いが交錯しました。

建礼門院の美しさと悲しみ、オープニングで毎回見る建礼門院のこの上ない笑顔と物語中の苦しみとの対比は毎回刺さるものがありました。彼女のみは家族の中で生き残る。これも分かっているのです。子供も親も、兄弟も、全部失いながら。それでも彼女が生きるのは、ただ家族の浄土への旅たちを祈る。仏様の手から垂れる五色の糸を掴み、祈る、その悲しみ、苦しみ、幾ばくかと心に強く伝わります。

重盛の描き方もとても興味深い。平家家中の良心ともいえる彼の一生は、とても悲劇的です。脚本と言うか演出の妙技で、その良心と悲劇が心に響く。

重盛の子供たち、歴史ではあまり前面にでません。物語でも主要人物とは言い難いのだけど、銘家の嫡流(宗盛一門が最終的には嫡流になるんですが)の子供たちとしての苦悩が伝わってきました。これも建礼門院の家族の物語として再構成したからこそです。彼らの苦しみがこれでもかと伝わる。

そう、建礼門院の家族はみんな死んでしまう(一人奄美黄島で生きた、と言う伝説あり)のです。建礼門院は一人残される、まるで運命のように。これは歴史の真実で、とても酷な運命を背負わされた方です。

そして最終話の「大原御行」です。これだって分かっている物語なんですが、描かれ方が素晴らしい。大原の三千院は、そもそも物悲しい雰囲気を持っています。台詞と背景画によって、建礼門院の家族への祈り、平家の滅びの儚さを描く。5分ほどのエンドロールのような画像のフラッシュバックと平家物語の序章の言葉を重ね、描きます。そしてラストに近づくにつれ、琵琶の音色が強くなってゆく。圧巻のラストシーンでした。
{/netabare}
最後に、作画は、まるで人形劇(平家物語も人形劇がありました)のような抑えたキャラ設定。だか、だからこそ、ほんの少し動かすだけで、心の動きがダイレクトに伝わる。その技術の高さも驚嘆レベルでした。まるで、現代の人形劇のようでもありました。

なにかつらつらと書いてしまいましたが、平家物語が好きなかたも、良く知らない方も、多分、この構成ならだれでも心に刺さると思います。歴史をよく知らなくてもです。11話と言う短い構成ながら、傑作と呼べる水準かと思います。

投稿 : 2022/04/24
閲覧 : 207
サンキュー:

23

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえずの簡単な感想

 原作は未読。
 「平家物語」というものの存在を知ったのは小学校低学年ぐらいの頃で、平家が滅ぶ様を
描いた内容だと知ると、「勝ったのが源氏なら『源氏物語』とすべきでは?」と思ったのを
記憶しています。
 その頃は「源氏物語」という作品があるなんて知りませんしたし、敗者を主人公とするという
感覚も分からなかったみたい。

 絶頂期にあった平家が壇ノ浦で滅ぶまでを描いた本作は全11話という短さもあって、
より呆気なく滅んでしまったという感が強まっている感じ。
 滅ぶに至るには「敵を作りすぎたかな」という印象で、そこには驕りや強引な反対勢力叩き
などがあったとは思うが、これまで皇族や公家のみで行われていた朝廷政治に武家が
食い込むにはかなりの強引さは必要であっただろうし、初の武家政治ということで参考にすべき
前例がないというのもハンディかなという感が。

 この平家の滅びに至る様はあの有名な「祗園精舎の鐘の声」から始まる冒頭部そのものと
いう感じだが、これは平家に限ったことではなく、平家を都から追いやった木曾 義仲は
作中において平家より早く退場。
 その木曾 義仲や平家を倒した源 義経、義経を実質的に倒した源 頼朝から始まる
鎌倉幕府将軍家三代など、いずこも同じという感じで、この辺は現代に至るまで通じるもの
なんだろうなと改めて思ったり。

 設定?としてはびわという架空の人物が主人公で、最初は「歴史もので何で架空の人物を
主人公に?」と思ったりもしたが・・・。
 史実では一人の人物が同時代の様々な出来事に関与しているというのはそうあるものではない。
 そのために実在した人物を主人公にすると、時代全体ではなくその人物視点となる人物記的な
ものになるか、あるいは主人公に「実は裏で様々なことに絡んでました」的な
フィクション要素を付加することが多かったりする。
 本作が平家全体の行く末を、原作に沿った形で描くものであることを考えると、特定の
実在人物を主役にするのは難しそう。
 本作において、平家の当事者での主人公的存在は平 重盛、平 徳子辺りだと思われるが、
重盛は話途中で死んでしまうし、徳子は高倉天皇に入内するために平家中枢にいる人物とは
言い難くなるしで、全体における主役にするには難しい感じ。
 そういう点では、当事者ではなく俯瞰的に行く末を見ることのできる第三者のびわを主役に
据えたのはなかなかの好判断だったのでは?。

 このびわだがストーリーテラーでありつつ、俯瞰的に事象を見るという点では視聴者視点に
近い存在。
 更に彼女が持つ未来予知能力は、歴史ものであるゆえに結果を知っている視聴者と同じ状態で
あり、より視聴者に近い存在になっているように思える。

 この予知能力だが、純粋なフィクション作品のSFやファンタジーであるなら、当事者が
未来を変えようと行動することが物語が動いたりするが、本作は歴史ものゆえに未来を
知ることはできても、変えることはできないものになっており、当事者であるびわにとっては
かなり辛い能力という感じ。
 終盤になってびわは自身の目的を見出すが、これが平家への鎮魂でありつつ、自身への
救いにもなっており、びわが平家のことを語り続けるという行為は、実際の「平家物語」が
琵琶法師たちによって琵琶を弾きながら語り続けられたことに繋がっており、「なかなか上手い
構成だな」と思う。

 多くのエピソードを持ちながらもそれが語られることなく終わったキャラも多く、これは
源氏サイドのキャラに顕著。
 残念感はあるのだが、先に書いたように全11話の短さで、平家の行く末に焦点を絞った
作りゆえに致し方ないところ。

2022/04/20

投稿 : 2022/04/20
閲覧 : 170
サンキュー:

13

ネタバレ

Jeanne さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

結末が分かっているからこそ先を見るのが辛い

全11話

「けいおん」や「聲の形」の監督で知られる元京アニの山田尚子監督作品。
原作は中学生の時に国語の時間で暗記させられた記憶はありますが、内容は全く覚えていません。

平家に父親を殺されたびわは色々あって平家の屋敷に住むことになる。びわは将来を見ることができる目を持っており、平家が滅びる未来を見る。
平家の全盛期から滅亡までを描いた作品です。

私も含めて視聴者の大半は平家が源氏に滅ぼされるという歴史的事実を知っているので、びわと同じ目線で平家が滅亡するまでを追っていくことになります。
滅びること(皆死ぬこと)を知っているからこそ日常のシーンは見ていて憂鬱な気持ちになりました。
平家の人々は個性豊かでいいキャラが多かったので、余計に感情移入しながら見てしまいました。
特に、普段はびわと衝突していますが、平家が滅びるのも近いと感じ追い出す形でびわを平家から遠ざけた資盛は格好良かったです。

びわは将来何が起こるか分かっているのに何もできない自分に不甲斐なさを感じていますが、母親と再会し母親が自分のために祈っていたという話を聞いて、祈りを捧げこの出来事を後世に残すのが使命だと前向きに考えるようになります。
そのように考えることで以前よりも達観しているびわを見るのはどこか寂しさを感じました。

声優、作画、キャラデザについて。
びわ役の悠木碧さんは素晴らしい演技でした。
本当にこの声優さんは演技の幅が広くてすごいと思います。
作画は全体を通して崩れることもなく安定していました。
キャラデザが独特ですが、平安時代の雰囲気にマッチしていて良かったです。

山田監督の作品ということで視聴前から期待してましたが、期待以上の完成度だったので非常に満足できる作品でした。

投稿 : 2022/04/19
閲覧 : 175
サンキュー:

17

ネタバレ

runa21 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

曲がいい

中学の古典で必ず暗記させられる平家物語。

この時代の物語としては、
どうしても義経の活躍が目立つこともあり、
源氏側の視点に立ったものが多いが、
こうして平家側の視点で見た話も面白い。


一度栄華を極めた人間は、
どうしてもおごり高ぶってしまう。

そして一度栄華を極めてしまえば、
自分たちが転落していると理解しつつも
それを受け入れることができずに、
どんどん悪い方向へ進んでしまっている。

それが一族の終わりにつながると知りつつも、
その方向にしか歩みを進めることしかできない

自らがまいた種は、
自らが刈り取らなければならないいい例だ。


ただ、それに巻き込まれる人間は、
哀れで仕方がない。

一族や、世間の波から逃れるためには
「出家」するよりほかはない。

学生時代に「なんでこの時代の人たちは出家するんだろう」と
漠然とした疑問を抱いたことがあったが、
彼らはきっと「疲れ切っていた」んだあろうなぁと
この物語を見て、当時の疑問に対する回答がつかめた気がした。

家のしがらみやら、そういったものから
解放されたかったのだろう。

もしかしたら、
哀れな死を遂げることになった人々を
弔いたかったのかもしれない。

琵琶が、彼らの生きざまを
平家物語という形で伝えていくように、
何らかの形で、弔いたいのだろう。


落ちぶれ、倒されてしまうのが分かってるからこそ
この物語を見ていくのは辛かったが、
同時に、不思議な力を持った琵琶もまた、
彼らの最後を知りながらも、
彼らの生きざまをしかと見届けて、語り継いでいくところに、
視聴者とのシンクロが感じられて、

「最後まで見届けよう・・・」

と最終話まで見ることができた気がする。


辛い話の中でも、
このアニメの一番の見どころは、
やはり琵琶法師の語り。

あの抑揚ある独特の語り口調は
耳に残るし、臨場感が伝わる。
本当いにうまいとしか言いようがない。

OPの曲もかっこよく、
音楽については申し分ないと思った。

投稿 : 2022/04/16
閲覧 : 175
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22

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徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

平家物語の作者は誰なんだろうね

オリジナル?(2022.4)
日本人なら聞いた事が一度はあるであろう有名古典?「平家物語」を元にあれだけの長編をわずか1クールで平氏の栄枯盛衰と人の世の無常観を一人の少女の目を通して描き切った事に賛辞を贈りたいと思います。
と言っても自分は現代口語訳ですらきちんと全編読んだ事はない知ったかぶり日本人でして、中学の授業で冒頭部分を暗記させられた程度の触れ合いと彼らの滅亡を歴史上の出来事として認識してるに過ぎません。よって平家物語が軍記物としていかに素晴らしい作品かを語る言葉は持ち合わせていません。が、日本人特有の琴線、”ものはあわれ”を感じずにはいられない傑作なのだと思います。でなければこのアニメでそれを感じる事などできない筈だからです。
これを機に日本の古典文学に手を伸ばしてみるのも良いですね。

私のツボ:船の漕ぎ手を射るのは作法としてタブーです。自分は義経は当時の御家人からは嫌われていたと思いますよ。

投稿 : 2022/04/10
閲覧 : 170
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15

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ライロキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

歴史の一部がなんとなくわかった

歴史ものは主として描かれる人物側がいいように描かれ敵対する側が悪いように描かれることが多いのでのであまり見ないのですが、平家物語は学生の頃に「祇園精舎の鐘の声・・・・」と暗記させられたことがあったので、どんな物語だったかな?と思い視聴しました。
繁栄期から没落していくまでが描かれた物語でしたね。物語自体は面白かったですが、ただ、ビワの見た目が成長しないので時間の経過がわかりづらかったです。他のキャラの見分けもつきづらくも感じました。

投稿 : 2022/04/03
閲覧 : 118
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ネタバレ

菊門ミルク大臣 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

平家ダイジェスト

ある程度この辺の歴史知らなかったら物語として成立するのかどうか謎です。
多少のこの辺の歴史を知ってるから脳内で補完して見ている気がしてしょうがなく
一つの作品としてはなんとも言い難い。

知識、教養頼りの作りかな

切り取って断片的にインパクトのあるエピソードを連ねただけというかなんというか。
印象的な、有名どころなエピソードというのはそれだけでは成り立たず、それまでの小さな積み重ねの爆発する点が有名どころとなるのだと思います。
なのでいいとこ取りなんて意味がないのです。

源頼朝は優柔不断で嫁の言いなり、義経はイケメン侍、木曾義仲は猿
平家を滅亡に追いやる相手側の情報はこれ以上なくあまりにも魅力に乏しい

合戦もほぼほぼ省略だしどこの何に焦点当てて何が描きたいのか見えてきませんでした。

盛者必衰の「盛」がほぼなく、ただただ煙たがられて嫌われて落ちぶれていくだけに描かれすぎていたような…
共に暮らした琵琶法師が語り継いだにしちゃ辛辣。

投稿 : 2022/04/03
閲覧 : 150
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7

ネタバレ

ささみジャーキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

物語として面白かった

投稿 : 2022/04/01
閲覧 : 137
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3

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栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

作画に不満があったが、テレビシリーズとしては上出来

キャラ原案が確か高野文子さんだったと思うので、そのキャラクターに沿った、一本線で描かれた、昔の漫画的な作画になっています。要所要所では緻密な作画になっていましたが、だいたいはおおざっぱな感じだったので、そこがまず不満だったです。できれば、このサムネイルの林静一さんのキャラ風にしてほしかった。その昔「源氏物語」の劇場版で、林静一さんのキャラ原案で作られたと記憶していますが、その時も不満でしたが、今回もそうです。ただ、琵琶の弾き語りの白髪の少女の場面は、よく作画されていて綺麗だったと思います。アニメート的にもよく動き見映えがしていました。琵琶による読経の効果もあって、とても印象的で美しいシーンでした。全編あのように、というのはテレビシリーズでは不可能だと思いましたが、やはりそのようなものであったならとつい思ってしまいました。しかし全体的に作画力は高かったと思います。一本線の人物でも、あれだけ巧みに動かすのは大変だからです。

物語については、「平家物語」の概略はいろいろな本で知っていましたが、ここまで平氏側について知らなかったので、まったく知らないことが多くてためになりました。清盛が後白河院の父の白河院の皇子だったかもしれないという話も、参考のため図書館で借りてきた漫画本に出ていて、そうなのかと思いましたし、この話にもそのエピソードがあればより面白かったように思います。

物語は平氏一族が滅んでいく様が淡々と語られて、それがびわの視点から物の哀れを感じさせるものになっており、画面の美しい自然や四季の描写とあいまって、日本の心というものを感じさせるアニメになっていたと思います。このような滅びに美を見出す趣向は、アジアでも日本に顕著なものです。

武士としてはあまりにももろい優しい心を持った忠盛の嫡男たちの入水エピソードも、ごく普通の男子のありようとして心に残るものだったと思います。そうでありながら、武士としての矜持を守ろうとする若者たちの姿が、年寄りたちの老獪さと相まって、物語の哀切さを訴えていたと思います。最後に残った建礼門院徳子が、我が子を失って尼になる姿には、胸が痛みました。栄華を誇りおごり高ぶったとは言え、あまりにも悲惨すぎる結末に、平家蟹などの呪いがあると言われたのも、納得ができるあらすじでありました。

またこのような文芸作品が、良質なアニメ化される事を願っております。

投稿 : 2022/03/31
閲覧 : 159
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18

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

制作陣のらしさが出てきた作品ではないでしょうか

平家物語はかなり昔中学校の国語の授業で触れたのみで源氏と平家の戦いで平家が滅びる程度の知識しか無く視聴。

登場人物の名前が似たようなものばかりで顔と名前が一致しない。
人間関係がイマイチ分からない。
これは自分の無知の故なので自分自身の責任ではあるのですが。

びわと言う登場人物がオリジナルの設定で彼女の視点から平家の栄枯盛衰を眺めるというスタンスは第3者的目線で視聴者も同様の立ち位置で観られて良かったのかなと思います。

制作サイエンスSARU、山田尚子監督という事で作画のタッチや繊細な動き、人々の心理描写はらしさが出ていたとなと感じました。


諸行無常、盛者必衰、まるで今の世界から観た日本の立場を言っているようである意味現在のご時世に沿ったテーマの作品だったのでは無いでしょうか。

使われている曲も作品にとてもマッチしていたと思います。
特にOPの光るときは好きな曲でした。
羊文学というアーティストを今回初めて知りましたが、良い世界観を持っています。

投稿 : 2022/03/30
閲覧 : 133
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ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

アニメとして“楽しむ”のは難しい作品

『平家物語』自体は読んだことはないけれど、一応平氏の栄枯盛衰の話くらいは日本史を学ぶ過程で身につけている状態での視聴
とは言ってもナマエニスギーな昔の一族の次男だの従兄だのまでは流石に知らない上に、そこまでキャラデザがアニメアニメしてなくて、外見一発で判断するのは中々難しかった。だから声優に有名どころを使い分かりやすくしてるのかな

所々入る、びわが多分原文を琵琶法師として詠むシーンが凄く好き。それで状況と経過を説明しているのは面白い手法だと思う
でも、結局その説明で型を付けているから、物語としては淡々としているというか、"キャラが動いて何かをしたという生気"を感じず、アニメというよりは寧ろ舞台を見ている感じがする

実際この作品は、言ってしまえば、原作をただ11話に分割してなぞったというだけで、キャラにアニメ的な特徴もあまり無ければ、史実の唐突過ぎる展開を正面から真っ当に描いているから、ぶっちゃけアニメ作品として見ると面白うはない

元も子もない事と言うか、割と本質だとは思うけれど、"栄枯盛衰の物語なんてそもそも視聴者はあまり求めてない"んだよね。分かりやすく言うなら、"曇らせは良いけどバッドエンドは見たくない"ということ
現代の需要に対してそもそも供給が間違っていると思う

そんな訳で、正直見る前からわかっていたと言えばそうなんだけれど、山田尚子監督、吉田玲子脚本でサイエンスSARU制作、声優も豪華であの『平家物語』もアニメ化と言われて、結果はまぁ予期していた通りの、アニメ作品としては少し残念な出来となったけれど、今回の事で、いつかしっかり原作を読んでみようかと思ったので、販促には成功!つまり"アニメ"は成功だな!


以上。

投稿 : 2022/03/28
閲覧 : 184
サンキュー:

14

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Prospero さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

1クールでは語りきれない物語

脚本も演出も非常に良いから、もっとじっくり描いて欲しかった!
これもまた諸行無常なのか…

投稿 : 2022/03/27
閲覧 : 123
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5

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大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

メチャクチャクオリティ高いですね。面白くもどこか切ない。これは必見。

一話感想
原作既読。嘘です。国語の授業などでなんとなく読んでは居ますが実は最初から最後まではあまりちゃんと読んでいないという。
でも内容は常識レベルで良く知っていますね。

ネットで見かけたアニメ化までにかかった年数800年、というネタに思わず笑わされてしまった本作ですが…。

クオリティはメチャクチャ高いですね。
実に素晴らしい。作画、音楽、その他あれこれ非常に素晴らしいです。
さらに文部大臣賞とかそういうのも狙えそうな内容でありながら普通にエンタメとして面白く仕上がっている所がさらに素晴らしいです。

びわも可愛らしく重盛も良い感じですね。
キャラクターが魅力的です。

びわは原作に出てこないキャラといえるかもしれませんが、平家物語は琵琶法師が語り継いだ物語なのだから語り部としては普通に登場するキャラとも言えます。

ストーリーはだいたい知っているわけですが…いや日本人ならほぼ知っているはずですが、ネタバレは一応注意でしょうかね。

ここから描かれるのは盛者必衰の理なわけで、彼らに待っているのは悲劇でしか無いわけで…そういう切なさが現れているところも実に良いですね。

というわけでこれは必見。今期一番の出来かもしれませんね。先がとても楽しみです。

全話感想
とても素晴らしかったです。
いい作品を見ると言葉を失ってしまいますが…
ただ良かった以外あまり語ることが無くなってしまいますね。

強いて言うならもっと長くじっくり見たかったですね。大河ドラマなんだから一年くらいかけてくれても…。

歴史ものと未来が見えるキャラというのは相性が良いかもしれませんね。視聴者は先を知っているわけで、登場人物達は未来を知らないはず。
なので未来視ができるキャラに感情移入しやすい面もあるかもしれませんね。
本当に良かったです。

投稿 : 2022/03/26
閲覧 : 249
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平家物語のストーリー・あらすじ

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ―― 日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。(TVアニメ動画『平家物語』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2022年冬アニメ

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