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「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (アニメ映画)」

総合得点
68.3
感想・評価
60
棚に入れた
189
ランキング
2076
★★★★☆ 3.6 (60)
物語
3.4
作画
3.9
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.5

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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 の感想・評価はどうでしたか?

taketake4 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

いつの時代のマンガ映画?

絵とか諸々アップグレードした結果、子供だましの漫画映画に成り下がってしまいましたとさ

まず、なんでわざわざ無人島にあんなに大量の子供を集めたのかが疑問
どう考えてもあんな島にあの人数を養えるキャパはないだろう
しかも危険な兵器が隠されてるとあっちゃ、人間の盾としての人質以外に意味ないと考えるのが普通じゃないのか
軍人というより悪の組織の手下のサザンクロスもクソダサ
それに対するガンダムも勧善懲悪のヒーローだし
ついでに言うとガンキャノン諸々の前座っぷり
ある程度狙ってやってるんだろうけどちょっとやりすぎだろ

あとやっぱ声優がね・・・
今どきの声優たちはホントみんな若い
今の人は昔の同じ年の人より若く見えるとはよく言われるけど、声も同じだね。昔の人より若く感じる
おかげで当時キャスト(特にアムロ)の老いが目立つ目立つ

まあ個人的にオリジンが好きじゃないというのを差し引いても面白くなかったです

投稿 : 2023/11/08
閲覧 : 62
サンキュー:

0

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い改変だと思う。

庵野秀明に紫綬褒章をあげるなら、富野由悠季御大や安彦良和さんは「人間国宝」でもいいんじゃないかと思う。

それくらい、今回の「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」は映画としてよくできており、ガンダムが「我々普通の世界の延長線上のSF」作品としてただの「TVまんが」ではないことを実感できる。

特に人物の所作や仕草がやや古臭いものの、丁寧に追っかけて破綻のない動きをしているのは驚いた。とてもリアルでケレン味をできるだけ排した作画は懸最近のアニメでは非常に珍しく、ジブリのアニメのレベルだった。非常に優秀なアニメーターを呼んで来たんだと思う。

今回の内容も良い意味で改変されており、TVアニメでは所謂「捨て話」と言われる外注にまるなげしたお話を、できるだけ現代的にアレンジしているのはすごいと思う。作画の技術もそうだが安彦美和さんがお年74歳とは思えないほどの躍動感のある良いアニメーションでした。

あと、モビルスーツなどのメカの3DCGもこれも過去最高です。というか、「閃光のハサウェイ」が一体何だったのか。。と思ってしまうほど、話が現実的でした。

投稿 : 2023/07/24
閲覧 : 243
サンキュー:

10

ネタバレ

たくと さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

ククルス・ドアンがカッコいい、そして懐かしい面々

去年の新作映画 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 観終わり。

いわゆる翻案(この場合ファーストガンダム内の1話を拡大)なんだけど、
ファーストガンダムの香り、人間模様や手触り感をすごく残してくれていて、まるで懐かしい友人に会ったような感覚でした。
またモビルスーツ達がスムーズにかっこよく動いて、現代でアニメ化するとこうなるんやなあて思いました。


あと、ククルス・ドアンがカッコいい!


うちの自慢のw65インチ有機ELテレビで見たけど、
これは映画館のスクリーンと音響で見るべき迫力だった 笑。

最後に、ドアンのザクを始末しましたが、隠し基地内に高機動型ザクが1機、押し倒して水没しただけの状態で残ってますよね・・・w。
あれはわざとなのかなあ 笑。

投稿 : 2023/05/29
閲覧 : 66
サンキュー:

0

テングタケ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

よりによって、あのククルス・ドアンを映画化?

初代ガンダム中、屈指のネタ回であるあの話を、大金をかけて劇場作品に?そうか、あの話を徹底的にブラッシュアップして、シビアなミリタリーアクションとして再構築するつもりだな、やるな製作陣。
と思ったら全然違いました。むしろ原作以上のお花畑ファンタジーでした。
序盤で連邦軍兵士を殺す、でもアムロは助ける、すぐ友達になる子供たち、不毛の島で豪華な食事、軍の命令に従わないホワイトベースの面々、やられるためだけに出てくる敵精鋭部隊、嘘っぽいマクベの高笑い、本作オリジナルの護衛もメカニックも通信兵もいないミサイル基地(最重要拠点だろうが)、ああもう全然ダメですね。
キャラデザがなんかオタフク顔で違和感アリアリでした。主役を務める古谷徹氏ですが、なんだかボケ老人のようなゆっくりした喋り方で、すごく無理してる感がありました。ヤギとか上官のギャグ顔も全く場違いです。
格闘戦主体のモビルスーツ同士のバトルはなかなか見応えがありました。
原作でもそうでしたが、ザクを始末して「いいことをした」という頭がハッピーセット思考は全く私には理解できませんでした。ヒロイン的な女の子は、原作の宇宙人っぽいルックスから普通の美少女に。ドアンが好きっぽいけどアムロに色目を使ったりしてなんだかなあ。
ま、原作もネタなら劇場版もネタだった、というオチで。

投稿 : 2023/04/03
閲覧 : 93
サンキュー:

0

ネタバレ

og3jar さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

苦しくて3回視聴を止めました。

ファンの人はご気分が悪くなってもいけませんので、読まないでください。
{netabare}
①ドアンは最初、ジム2機とガンペリーは破壊したが、ガンダムは助けたのは何故?

②ハモンに『あなたに物を恵んでもらう理由がありませんので』と言ったアムロが食事をあっさり受け取るのが気に入らない。

③ドアンがアムロに『君はこの子供達のために戦えるか? 君の仲間とでも』と言っていたが、早々にガンキヤノン×2台、コア・ブースター、ジムは大破して、仲間たちとの対決は都合よくも不要となった。

④折角スレッガーが出ていたのに、存在感ゼロ。ジムの首が取れて笑えと強要された気分。

⑤マクベの『パリは燃えているか』の台詞の違和感。

⑥『あなたの体に染み付いている戦争の匂いが、戦いを引き寄せるんじゃないでしょうか?それを消させて下さい』と言って、ドアンのザクを海洋投棄したが、最初にドアンがザクでガンダムに対して、同じ理屈でガンダムを海洋投棄してもいいのではないか?と思わせた。何故ガンダムを温存したのか?

⑦声優さん達が変わってしまった違和感。セイラ、ミライ

⑧閃光のハサウェイはお金出しても観たい映画、ククルス・ドアンはお金貰っても・・・
{/netabare}

投稿 : 2023/02/01
閲覧 : 136
サンキュー:

5

ネタバレ

をれ、 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ワタシでは物語の意味が分からなかった。

公式サイト;https://g-doan.net/

まずキャラ絵が私の好みから遠いです。ひどい言い方をしたらジャガイモwっぽいです。それが故か幼い子供たちには合っているかもしれませんが、それ以外には合わない気がします。それに眼の描き方がワタシ的に納得いかないです。
 お話の方ですが、これもいくつか不可思議な点があります。まず、既に撃破されている機体が複数出ているのに何故単機でうかつに行動するのか、です。お話の都合上、どうしてもアムロが孤立する展開に持ち込みたかった、と解釈することにします。
 次にドアンは、何故自ら隠したガンダムを探す許可をアムロに与えたのでしょうか。見つけられては困る筈です。見つからないと高を括っていたのでしょうが、食料や水が貴重な土地で、意味不明の探索をさせる意味がまるで分かりません。
 最後に結末ですが、武装放棄がこの状況で最善策だとはとても思えません。確かにもう使いものにならない機体なのかもしれませんし、防衛すべきICBMもなくなってしまいましたが、お話の流れから、兵器を捨てることが平和につながるようなニュアンスを感じます。時代や地域を選ばず、交渉決裂後の侵略への対処の有効手段として大勢を占める意見は、戦力の均衡、不可能でも抑止力増強でしょう。
 本作元ネタが放送されていた時代では、戦力の不保持が最善というイデオロギーがマスコミ等で喧伝されていました。本作の物語の主張は、旧い時代の名残以外の意味はないのでしょうか?もしそれをこの時代にリバイバルさせたいと思うのならば、ほとんどの人は違和感を感じる筈です。このシリーズの総称タイトルがガンダムという架空の兵器で、その活躍が描かれる戦記物の中で武装放棄を推すというのならば、場違いと解釈せざるを得ません。

投稿 : 2022/12/07
閲覧 : 85
サンキュー:

5

ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

ジャブローでの防衛戦を耐えきった地球連邦軍は勢いのままにジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反攻作戦に打って出た。アムロ達の乗るホワイトベースは作戦前の最後の補給を受ける為にベルファストへ向け航行。そんな中ホワイトベースにある任務が言い渡される。無人島、通称「帰らずの島」の残敵掃討任務。残置諜者の捜索に乗り出すアムロ達であったが、そこで見たのは、いるはずのない子供たちと一機のザクであった。戦闘の中でガンダムを失ったアムロは、ククルス・ドアンと名乗る男と出会う。島の秘密を暴き、アムロは再びガンダムを見つけて無事脱出できるのか…?というあらすじ。


そもそも15話のことを一切記憶していないわけだが。

子供たくさん。ジオンと完全に決別しているドアン。昔の女と思わしき人物も倒してまで守りたい日常の平穏があるんだなあ。

結局、ミサイル打ち上げられている。


主題歌
Ubugoe 森口博子
ガンダムといえばもっぱらこの方。
一番最初若かりし頃はアニソン歌わされて嫌だったらしいけど、もはやガンダムとずぶずぶ。
それもまた一興。

投稿 : 2022/11/19
閲覧 : 72
サンキュー:

3

かつくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

薄っぺらい

ハサウェイを見終えた後のククルス・ドアンは作りこみ
や演出など含めて薄っぺらい

ちょっと映画館で同じ料金を取られるのは腑に落ちないかな

投稿 : 2022/10/19
閲覧 : 103
サンキュー:

2

ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

北緯29°24’11″ 西経13°29’18″

2022/10/13 初投稿

「ククルス・ドアンの島」ですと?
ファーストガンダムの話数稼ぎの捨て回のイメージを持っていました。
実は隠れた神回なのか?

早速,テレビシリーズ版を見てみた。
やはり,昔の作品は映像的に忍耐を強いられると感じながら見ていると・・・
どうやら,そういう問題では無いようです^^;
ザクもガンダムもデレているのか変に鼻の下が長いとかいろいろ,設定と異なって描かれているように感じます。
たとえば,苦し紛れのエピソードでシナリオが完成するのにかなり時間を要したのかもしれません,あるいは絵コンテが出来上がるのがかなり遅かったのかも知れません,そういった事情から,とにかく作画にかけられる時間が相当限られていたのかも知れません。それか制作スケジュール的にやむを得ずガンダムについて全く分かっていない外注先に作画を依頼したのかも知れません。調べてみたら作画監督はこの1話しか担当回がありませんでした。
とにもかくにもこの回のガンダムを見ていると,なんか悪い夢でも見ているような気分になってきます。
一視聴者がそう感じるのですから,ガンダムの中核を担うスタッフが見たらトラウマ物であることは予想に難くありません。

どうやらこの作品,四十数年の時を経て,このトラウマと向き合った作品なのだと思います。そういった意味で,富野監督では無く,直接作画に関わっていた安彦氏が総監督を務めているというのも納得出来ます。「自分が作画監督としてあの回を作り直したい!」そんな思いが出発点ではないかと思われます。


なんてことを考え,映画版視聴
酷評注意につき畳んでおきます。読む人は心の準備をしてからクリックして下さい。あくまで個人の感想なので,苦情は受け付けません。反論は高評価のレビューの投稿でお願いします。
{netabare}
率直に言って安彦監督の思いがちょっと強すぎて,空回り気味に感じました。
リアルに書こうとするあまり,逆に違和感が・・・

アムロ:ひ弱な少年のイメージなのですが骨格がしっかりして筋肉も書いてあるのでなんかマッチョアムロになっています。
ブライトさん:テレビシリーズと軍服の色が違います。おそらくリアルに連邦軍での階級を意識しての変更だと思いますが服はキャラクターの体の一部なので髪の毛の色が変わったレベルの違和感を感じます。
セイラさん・ミライさん:これも監督の好みを入れてリアル方向に振ったせいでしょうか?なんかイヤらしく感じます。二人でアイコンタクトを取ってほほえむシーンなんてすごく下品に感じます。

感覚が古く感じるというか・・・例えるなら,昭和の感覚で現代的な絵を描こうとしているような感じです。あくまで個人の感想です。

作り直そうとして,結局作画的に上手くいかなかったように感じます。
本当にあった呪いのアニメレベル,「ククルス・ドアン」それは決して触れてはならない呪いとでもいうのだろうか?

この作品設定面でブライトさんの軍服以外にも大きな違和感を覚える点が有りました。
スレッガーさんがホワイトベースに搭乗している点,しかもジムまで配備されています。おそらくテレビシリーズ中でジムの登場はジャブロー,スレッガーがホワイトベースに来るのもジャブロー。そもそもオデッサの戦いでMSはほとんど使われていないはず,たぶんホワイトベースのMSとオルテガとガイアのドムくらいしか投入されていないように思います(違ったらゴメンナサイ・・・)
ある意味,オリジナルwの「ククルス・ドアンの島」よりも設定を無視しているかも知れません。

作画畑の監督さんなので作画が良ければいいだろうという感覚なのかも知れません。

ああ・・・相当ひどいこと書いてしまった。作品に関わった皆さんごめんなさいm(_ _)m
{/netabare}


以下おまけコーナー

具体的な地名と地図が出てきたので
グーグルアースでカナリア諸島を見てみました。
なんと「ククルス・ドアンの島」=アレグランサ島 発見!!
ちゃんとクレーター(火口)も灯台もあります!!ちなみにレビューのタイトルは灯台の座標です。物語の舞台に適した島を一生懸命探して決めたんでしょうね!なかなかいい島を見つけたと思います。これは結構な評価ポイント。
そしてたぶん1年戦争当時の地球連邦政府の首都はダカール。
確実に言えるのはZガンダム37話の時点では間違いなくダカールです。
https://www.youtube.com/watch?v=TO4yosfZXxE
首都がラサに移るのは時系列的にはもっと後だと思うのですが違ったらごめんなさい。
物語のセリフから推測するに,連邦軍は首都ダカールに迫ったジオン軍を北に追いやり,ジブラルタル海峡を制圧し前線をヨーロッパまで押し上げようとしていると思われます。
首都がダカールだとすると,ククルス・ドアンの島がカナリア諸島にあるので割と近いと言えなくもないです。(少なくとも遠くはない)なので連邦軍がアレグランサ島の残置諜者の神経をとがらせるのも無理有りません。
あ,でもゴップ元帥が通過するためって言ってたり,その後オデッサの戦いに連れて行くためベルファストに呼ばれたり,割と連邦軍も適当か?ベルファストが連邦勢力圏でジブラルタがジオン勢力圏,連邦の首都がダカール。ジオンの勢力圏はどんな設定になってるんだろう?設定オタクの富野監督なら緻密に設定を考えていそうだけど,この作品はどうなんだろう?

この話テレビシリーズでも劇場版でも最後は唐突にアムロが
{netabare}「あなたに染みついた戦いの臭いを消させて下さい。」的なことを言ってドアンのザクを海に捨てます。{/netabare}
これって,テレビシリーズの20年後に富野監督が描いた,宇宙世紀物の最終到達点であるターンエーガンダムの行き着いた先と同じではありませんか!戦力の不保持による平和の実現。40数年変わらぬガンダムの基本理念を見た思いです。


予言の書にならなければ良いのですが・・・
ロシア軍の侵攻が始まってから常に気になっているのですが,ガンダムではオデッサ(オデーサ)の戦いで核兵器が使用されます。(幸いアムロに撃墜されますが)現在の国際情勢を見るとリアルすぎて恐ろしくなります。
ガンダムの放映当時,オデッサはソビエト連邦の都市だったんですよね。ロシア軍の侵攻以来ソ連時代に戻りたくないというウクライナの方々の思いをひしひしと感じます。ウクライナの平和と核戦争が起こらないことを祈り,このとりとめのない文を終わりたいと思います。

投稿 : 2022/10/13
閲覧 : 222
サンキュー:

10

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

不愉快なガンダム演出。とにかく奥行がないです。

 ガンダムのスピンオフというよりガンダムジオリジンのスピンオフという感じの映画でした。

 一言で言って、過剰なガンダム演技と演出で、ノスタルジー狙いにしか見えません。特にマ・クベの言動というか演出は、あまりにカリカチュアライズされすぎて、何か思い出を汚されたような不快さすらありました。キャラ設定、声優さんの演技、すべてが鼻につきます。

 もともとオリジンにはそういうところがあります。そこがククルスドアンという訳の分からない回のリメイクというこで、逆張りを狙って、その意図が恥ずかしいくらい外している感じです。

 あるいはメタ的に、未だに「機動戦士ガンダム」という作品に「意思を持って」取り残された古い世代のガラパゴスに引導を渡したかったという意味があるのかもしれませんけど。
 つまりはシンエヴァなんですけど、その作成者が富野監督ではなく安彦良和氏なのが、滑稽な感じもあります。

 安彦氏は驚異的な絵の力をお持ちだと思いますが、正直コミックを何シリーズか読んでいますが、面白くないです。それがそのまま出てしまっています。
 なんというか40年前に機動戦士ガンダムで戦争のリアルや、戦いの虚しさは十分頂戴しました。ZやZZでおかしくなってしまいましたが、機動戦士ガンダム単体でみるなら、完結した作品です。

 それを正直言えば富野氏ほどの主義主張もないままに、戦争の虚しさ、人間のリアル的な演出と脚本で仕上げていますが、効果を上げているとはいえずリアルさも悲惨さもなく、演出も陳腐で古臭いです。
 ミハルやランバラルに肉薄できる感情が揺さぶられる何かがまったくありません。

 これをやりたいなら、オリジナル作品として作成すべきだと思います。「機動戦士ガンダム」の名を借りていてコレでは、厳しく見ざるを得ないし、考察するにもひっかかりもないし、記憶に残らない作品になってしまいました。

 ガンダムの名を冠する意味があるとすれば「ガンダム」という作品に対する批判でしょうけど、それなら勝手にクリエータサイドでやってくれという話です。あるいはガンダムの名を追いかけている「ガンダム」厨に対するメッセージなら、シンエヴァほど伝わるものが無いです。

 映画作品として、私はまったく評価できませんでした。ガンダムなら見ざるを得ないというオタク世代を狙った露骨なマーケティングの意図は別にしても、あまりに内容がないです。

投稿 : 2022/10/11
閲覧 : 499
サンキュー:

11

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ガンダム、再び大地に立つ

ガンダムの一話完結で終わったエピソードの一つ、『機動戦士ガンダム』 第15話 ククルス・ドアンの島 を再編集した劇場版作品。
元は20分少しくらいの話でしたが、劇場用に109分まで引き伸ばしたということになります。

ククルス・ドアンの島はファンの間では知られているエピソードですが、正直なところ、初代ガンダム的には無くても話が通じるくらい重要性は低い一話です。
事実、総集編である機動戦士ガンダム 劇場版三部作ではカットされており、どちらかというと作画崩壊が著しかった回としてのほうが有名ではないかと思います。
ただ、ストーリーは良く、印象深い1話であることは確かで、私の記憶にもしっかり残っています。
良い話ではありますが、なぜまたククルス・ドアンの島を劇場版にしたのだろうか、というのは疑問です。

ストーリーは、当然のことながら基本的には"ククルス・ドアンの島"を踏襲しています。
多少の加筆はあるものの、最初と結末は一緒でした。
逆に言えば、本作で追加されたような横の広がりは無いと言ってよく、新しい敵組織、匂わせ等は感じませんでした。
「本放送ではあっさり終わったけど、実はこういう思想のこういう組織が暗躍していて、この島での戦いがきっかけで後のこれにつながる」みたいな、ややこしい設定追加はなかったと思います。
そのため、昨今のガンダム作品では飛び抜けてわかりやすい作品でした。

登場するモビルスーツも、バリエーションはあるものの、基本的には、ガンダム、ザク、ガンキャノン、ジムくらいです。
ニュータイプ論もなく、本当にただ、ククルス・ドアン島で起きたある騒動を描いただけの劇場版で、逆に拍子抜けをしました。
ただ、登場人物や戦況の説明はなく、そもそもガンダムとは、モビルスーツとは、という説明は無いです。
ファーストのホワイトベースクルーやレビル将軍、ジオン側のマ・クベ大佐なんかが当然知っているように登場するので、一応、ファン向けの作品と思います。
ガンダムを見たことない方が、本作から見始めるとは思えないですが、話にはついていけない可能性がありますね。

見終わって、賛否のある作品だと思います。
他の方も指摘していますが、ストーリーに矛盾がとにかく多いです。
子供向けならまだしもファンしか見ないような作品なので、もう少し作り込んで欲しいと思われても仕方ないか思います。
個人的には、ファーストの懐かしいノリにチャンピオンまつりでも見ているような気持ちになってきて、そこそこ楽しめました。

投稿 : 2022/10/02
閲覧 : 113
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

壮年のリグレット

1stガンダムのエピソードの映画化。さすがアマプラ仕事が早い。

良くも悪くも安彦ガンダム。富野信者はキツいかも。攻殻も原作信者はSAC(笑)だし、パトレイバーも漫画版はコミカル。あんな感じで別物だと捉えれば「これはこれで」。押井が厨二なだけとも言えるが。

予想通り賛否両論。叩くのはあまりに簡単だが初代ファンが子供と観る用と思えばまあ。初代原理主義ならコミカル描写が許せないだろうし安彦ファンでもガバい描写にはツッコミどころ多数かと。周囲のモブはしっかり無能で展開を邪魔しません。視聴者を置いてきぼりにするスピード感が富野節でもあるがそれなら劇場版Gレコを観たほうがいい。あれはいいものだ。チョイ出のシャアや名セリフなどオールドファンへのサービスもあるが全体的には一般向けな印象。わかりやすさ重視のためにディティールの齟齬はトレードオフですっぱり諦めている。でも灯台の電源は最初から壊れてなかったとか野暮な説明をしないところはちゃんと映画っぽくていいですね。

もちろん「あんな重要な拠点を放置ってどういうこと?」ってのは致命的ではあるけど戦況は本題ではないので。一番ツッコミどころとして面白かったのはガンダムをキレイに格納してるとこ。ドアンさん無駄に頑張ったね。シート張るの大変だったでしょ。足元見えてたのは吹いた。まあこれも普通なら破壊せずとも念のため稼動不能な状態にはしておくよねってのはいいっこなし。それじゃアニメにならんからね。あと最後の登場シーンは灯台のライトを使うアイデアは上手いとは思うがやっぱり笑う。

流れ自体はガンダムというかこの手のバトル作品ではほぼテンプレなありがちなやつ。初代リアタイの年齢なら漫画や映画で似たような作品を何かしら見てるはず。メインストーリーに直接関係ないからこそ、映画のたたき台としてこういう鉄板の話を素材にしたと思う。

軍属となってしまったアムロを浅薄にガン詰めするだけの母親。息子よりも自身の功績に執着する父親。戦禍の中とはいえ自身のアイデンティティが定まらぬまま、流れに身を任せるままに眼前の戦闘に明け暮れるアムロが巻き込まれ一般人から兵士へと成った瞬間を切り取ったのが、ほとんどの方が違和感を覚えるであろうあの行動。もちろん監督をはじめスタッフがあれに観客が戸惑うことに気づかないわけがない。あえてああいう描写にしているし、あれこそが今作のハイライトかつ本旨であり、本作を作った理由ですらあると思う。直前に両親の回想を挿入して強調するとともに流れもしっかり作ってる。これが普通の深夜アニメなら心の声のモノローグの心理描写の長セリフで丁寧に誤解されないよう説明するんだろうけどそこはほら、ガンダムだし。これが余白ってやつで説明不足というより説明してない。そう言う意味ではこれもアニメの劇場版ではなくアニメで作った映画。

安彦さんはどうしてもアムロが生身の人間を○す描写を入れたかったのでは。

もちろん自分も一瞬「え?」とは思ったけど、その後無人のザクを安易に破壊せずにわざわざ稼動不能な状態にすることでその場の安全を確保するという場面をけっこうな長尺で描写している。なぜかと言うとその場に丸腰のマルコスがいたから。生身の人間を守るために生身の人間を○す。描きたかったこのシーンに説得力を持たせるため、ドアンらのバックストーリー等を削ってまでも、アムロと彼らの交流にしっかりと尺を取る必要があった。そういう意味では作品に必要なことはしっかり時間をとって説明していると思う。もちろんあんなのアムロではないって感想もアリでしょうけど、あからさまにわざとらしくミエミエにやってるのでそういう意図の演出かなあと思った次第。

あとこういうCGロボバトルって高速でガチャガチャしてエフェクトバリバリしがちで3Dモデルがよく見えないもんだけど、しっかりアップでゆっくり見せてくれるところは好き。ガンダムとしては未履修者にはもちろん信者にも勧めにくく、映画としてもそもそもガンダムでなければ特に斬新でもないしそこまで面白いわけでもない。あー安彦さんはこれしたかったのねってくらい。となればガンダムでなければならなかったと言う意味ではしっかりガンダム映画だったとは言えるのかも。でもこの品質をみるとなろうとかしょうもない新作アニメ作るくらいなら、もう過去の名作をキレイにトレースしただけのリメイクばかり作ればいいのでは?とは思う。ゲーム業界もリメイク商法流行ったんだから、アニメ界でも一部そういう流れはあってもいいと思う。

あと森口博子のEDはかなり良かった。曲はもちろん歌唱も。超絶ヴォーカルってわけではないが、年齢を重ねたからこその母性で包み込む優しさとか逞しさとか、そういう深みを感じられた歌で染み入ってくる聴き応え。ちょっとびっくりした。

解釈の違いを楽しむ資料的に観るならアリ。

投稿 : 2022/10/01
閲覧 : 91
ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ニュータイプ論の出てこないリメイク作品の佳編

映画館で見なかったので、悪いと思いますが視聴させていただきました。テレビシリーズでのククルスドアンの回は、見たと思いますがほとんど記憶にないです。旧テレビシリーズは断片的にしか覚えておらず、ムック本も現在手元にはありません。その上での感想です。

作画は好き嫌いが分かれると思いますが、非常に美しいと思いました。安彦監督が自ら修正されていると思われるので、どの場面でも乱れることはないです。ザクやガンダムが現在のメカニック調に仕上げてあり、しかしブライトが大きな無線電話を使っていたりと、オールドファンへのサービスも怠りない感じでした。

ただ要所要所に子供向けっぽい描写があるのが気になりました。他の方が指摘されていましたが、ドアンたちが作っている畑に対して、夕食の食事が妙に豪華というのは、見に来る子供たちががっかりしないようにという配慮からだと思います。しかし現実的ではなかったと思いました。けれども最近ガンダムに目覚めた子供たちには、良い作品だったと思います。反戦的な要素もありましたし、生活に根差したあらすじもわかりやすかったです。要するにこれは本当に、ガンダムエイジぐらいからファンになった子供たちが喜ぶ作品だったのではと思いました。そのため確かにオールドファン向けの描写もありますが、最近の重厚な大人向けのガンダムを期待している向きには、やや見当はずれに映った作品ではないかと思います。

そのあたり安彦監督の人間に向けるまなざしの優しさや持ち味のギャグの乗りについていけない人には、賛否が分かれると思います。ただ一言言わせてもらえば、アムロがドアンが隠したガンダムを発見するくだりは、テレビシリーズに準拠というよりは、昔の洋画によくあるパターンのドラマで、洋物に詳しい人なら先がわかるみたいなドラマでした。そのあたりは決して子供向けとは言えない作品で、監督やスタッフたちの努力の賜物だと思います。またホワイトベース内や連邦とジオンのやりとりも、やや古くはありますが、これもまた昔の洋画っぽく演出されておりました。

とにかく昔のシリーズ、それも忘れ去られたような回をわざわざ取り上げて劇場向け作品に仕上げたというあたりは、本当に評価されていいと思います。アムロをはじめとするキャラクターたちも、逝去された方も多い中で旧シリーズ調にまとめあげた声優さんたちの力も大きかったと思います。決して大作ではありませんが、旧テレビ版を見ていた方は見た方がいいと思う作品です。

投稿 : 2022/07/15
閲覧 : 155
サンキュー:

8

カリウム さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

「チッ(舌打ち)」(作中引用)

 多くの人が知っているであろう初代ガンダムの、その中でも多くの人が忘れているであろう「ククルス・ドアンの島」の回。パリコレモデルびっくりの超スリムなザクが登場したり、かの有名な『ムンクの叫び』の如く顔の細いガンダムが登場したりと作画崩壊が顕著にあらわれた回でありつつも、ストーリーとしては“武器を棄てる”という戦争において今でも通じる重要なテーマを扱っていたと記憶しています。そのリメイクとして作られたのが本作でした。
 
 最初に結論を言うと、私にとってこの映画版は不評でした。恐らく、この映画は賛否が大きく別れます。

 最初に良い点として、作画が綺麗になった点があげられます。アニメ版のリメイクとして、この点は誰もが感じる非常に良いのではないでしょうか。その他に、賛否は分かれると思いますが子供の数を増やし描写も多く描かれていた点もリメイクとして私は良い点なのではないかと思います。

 次に良くない点です。私が結果として不評に感じた理由として、多くの描写の違和感があったからだと思います。以下、箇条書き。
 ・島や小さな畑の割にはドアンと子供達のあまりにも豪華なご飯
 ・ドアン自体の描写不足
 ・戦場に同行するフラウボゥと子供達
 ・核ミサイルを一人に任せたジオン
 ・MS戦のあまりにも生身の人間っぽい描写(切られた腕を痛そうに押さえているなど)
 ・終盤のヤギ(これだけは許せない)……など

 これに加えて、私自身はオリジンシリーズの人物の過剰な演技(オーバーリアクション)が苦手だったのですが、本作品でもオリジンと同じくらいかそれ以上の過剰な演技があり、それが苦手な方はこれも違和感の大きな要因になると思います。
 他にも、そもそも一律1900円であることや、細かいセリフの違和感など言いたいことはありますが、以上のことが特に重要であると感じた点です。

 このように、初代ガンダムの「ククルス・ドアンの島」のリメイクとしては良作と言えますが、1つの作品としては良い出来とはとても言えない作品でした。

投稿 : 2022/07/05
閲覧 : 149
サンキュー:

5

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ニュータイプという言葉も出てこない地に足のついた素朴なガンダム

『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」(視聴済)を素材に
正味18分程度→100分超にリブートした長編作品。

【物語 4.0点】
一貫して戦時下の人間の業を描いていく『ガンダム』ですが、
ククルス・ドアンの頃はまだアムロも民間人から戦争に深入りする途上。
スレッガーさんなどの“潤滑油”も健在。
悲劇も積み重なって、オールドタイプじゃもう地球はもたない。
人類はニュータイプに進化すべき云々と理想が語られるのも、もう1クール程あとの話。

誰も戦争を望んでいないのに、巨大な組織の一員として戦争に巻き込まれる惨状を自嘲しつつも、
敵味方の立場を越えて、良心に従い、自然を顧みたりすれば、まだ人類はやり直せる。
一筋の光明にすがれる佳作エピソードが詰まっているのがファーストガンダム前半部。


こうした要素に光を当てるため、本劇場版は拡大した尺の多くを島での生活描写に注ぎ込む。
あとは地球圏をたらい回しにされるホワイトベースの立場の解像度アップを企画した政治的背景の詳述などがメイン。
もちろんバトルにも見どころはあるものの二の次といった印象。

長い人生、戦時など一瞬。地に足をつけて、動植物や子供を育む人間活動こそ重要。
ドアンの達観に価値を見いだせるかで明暗は分かれそう。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

決して美女イケメンばかりでない顔立ちが並ぶのも相変わらず。
が、その心情描写は深く、人間観察する価値が大いにある。

特にブライト艦長の円な瞳に中間管理職の悲哀が滲んでいるのがジワジワ来ます。

レビル将軍ら上層部によるホワイトベースへの命令も政治力学上の合理性あってのこと。
が、直下の中間管理職らからすればそれは無茶振り。
そんな事情を胸にしまって部下に当たれば不機嫌だの何だの陰口を叩かれる。
さらにブライトさんも少し前に{netabare}親父にもぶたれたことない少年に手を上げた{/netabare}後ろめたさも引きずっていて……。
戦時の人間組織を解析する脚本の意図を、
ブライトさんの顔立ちがしっかり拾っているのがもう可笑しくてw
そんな彼が心情を吐露できるのはミライさんだけ。
これはもう結婚するしかありませんねw

絵コンテがいぶし銀のいい仕事していると感じます。


古くからのSFには、当時のSF設定が時代遅れになるという課題がつきまとうもの。
だからといって、アナログっぽい計器や分厚いモニターといったオリジナルのコックピットに、
急に空中ディスプレイが乱舞するのも興ざめ。
本作はその辺りのバランスも考慮してオールドファンに訴求。
ブライトさんもカステラみたいな有線受話器に口角泡を飛ばしますw

ベルファストの連邦軍描写からは、
大艦巨砲主義を引きずった旧態依然が、持て余し宙に浮いたホワイトベースの苦難を示唆。

ドアンのザクによるスラスターをフル活用した格闘戦。
ザクの白兵武器は“ヒート”ホークであることを納得させられる加熱描写。
など詰めるところは渋く詰めて来る。


【キャラ 4.5点】
主人公アムロ・レイ。
ガンダムでの激闘、両親との軋轢と、ここに至るまでに既に大きな負荷がかかっていることが、回想で示唆される。
が、この段階ならまだ、島で人間活動をする描写を通じて、土と心を耕せば、
まだ普通の人間の少年として再生できる可能性も示される。

ドアンの島の子供たちもモブではなく
一人ひとり、より明確な人格を持ったキャラとして再構築され、
各々が一年戦争の縮図を体現。
さらにドアン家の“母親役”の少女カーラや、
アムロと同年代の少年マルコス辺りは、
アムロに世話を焼き、突っかかることで、
人間アムロの要素を掘り起こす引き立て役としても機能。


サブがメインを引き立てるという意味では、
元ネタでは顔が出なかったザク強襲部隊。
本作では“サザンクロス隊”としてキャラが確立。
戦場でしか生きられない戦闘狂をドアンにぶつけたりすることで、
ドアンの生き様を際立たせる。


ガンダムがまだ“白いやつ”呼ばわりで留まっているのも前半部ムード。
この島で“白い悪魔”と呼ぶべきは、気まぐれな挙動で人間たちを翻弄するヤギのブランカでしょうかw

ただ真に喰えないのは、狐のマ・クベと狸のゴップの化かし合い。


【声優 4.0点】
『ガンダム』も後継声優が馴染んでいく中、
オリジナルから残っているホワイトベース隊はアムロ・レイ役の古谷 徹さんや、
カイ・シデン役の古川 登志夫さんくらいに……。
このお二人も、本作が最後のガンダムと公言する安彦 良和監督と同様、いつまで見られるのか……。

一方、島の子供たちの役には新人の抜擢も目立つ。
特にカーラ役の廣原 ふうさんは錚々たる顔ぶれの中でも、
ドアンに対する複雑な感情などを表現する堂々たる演技。

ドアンは声優界にも種を蒔いています。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は『THE ORIGIN』以来の服部 隆之氏。
昭和を彷彿とさせる金管をアレンジし、
「ガンダム大地に立つ」など往年のBGMリバイバルの土台を整える。

ED主題歌は森口 博子さん「Ubugoe」
『Z』後期OP「水の星へ愛をこめて」の頃からは、流石に声質が変わってはいますが、
齢50を越えて尚、純度の高いボーカルを維持する辺りはお見事。


【感想】
本作もIMAXだの4DXだの様々な規格に対応して興行。
ですが私はこの映画に迫力やアトラクション性などを求めるのは何か違うと思い、
平日夜の閑散とした小規模スクリーンで静かに見届けました。

だから劇場で是非とは敢えて言いません。
BDは既に販売リリースされてますし、各人の目的に応じた方法で、島に潜入すればよいかと。

ニュータイプだけが『ガンダム』じゃないと再認識させられた。
渋い余韻が残った劇場鑑賞でした。

投稿 : 2022/06/13
閲覧 : 383
サンキュー:

16

ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観たい

ガンダム二刀流

 ガンダムを知っているならわかる、「ククルス・ドアンの島」の話のリニューアルどうなっているのか?「私、気になります!」だったです。
一部同じだった当時と比べ物にならない、初めての人でも楽しめる内容の濃い迫力のあるお話に仕上がっていたです。

当時はコアファイターでアムロが偵察に行った島で、ちょっとした一話の島での出来事のお話が、まさかのMS(モビルスーツ)出動の任務になっているです。

当時は、考えられなかったMS戦まではじまりびっくりだったです。島でアムロが、ククルス・ドアンら子供達との触れ合いあるの一緒だけど、ここまで過ごす時間をえがいていた事に驚きです。島のとある施設だったり、ガンダムを隠した場所も鮮明だったです。

{netabare} 他に大規模作戦もからんだり、 MS戦も最新のザク達も出てきたりと盛りあがったです。ガンダムもかっこいいです。
不思議なのは、この話グフが出る前の話なのに、コアブースターがでたりスレッガーが出てきたことです。{/netabare}
おすすめできるです。

投稿 : 2022/06/10
閲覧 : 187
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8

ネタバレ

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ククルスドアンの島、という話にとっては幸福な出来事。

まさかのリメイク、しかも劇場版ということでちょっと話題になった本作。
大作、名作が目白押しの中でひょいっと公開されました。
作品全体として、つまらないわけでもないし、破綻もしていない。
いやさ、作画、設定が崩壊していたテレビ版が、普通の作品として成立に至ったのは、この物語にとっては暁光と言えよう。
では、視聴者にとってはどうだったか。
ヤフコメやらフィルマークスではちょっと異様に感じるレベルで好評なようです。

・・・・・。
本気か?
確かに前述したとおり、とりあえず破綻なく物語として成立し、絵面的にはまさにマスターグレード化はしている。
面白いと思う人もいるでしょう。

でも、私はそうは思えなかった。
序盤のワクワク感は違和感に変わり、後半は苛々が優っていたほど。
別に私は富野監督信者でもないし、熱狂的なファーストガンダムファンというほどでもない。
加えて、安彦版ガンダムであるオリジンも概ね楽しく視聴できている。
なのに、何故本作は手放しで誉められないのか。
理由は大きく3つ。

1つ、コメディ要素とシリアスのバランス。
2つ、cgの品質はともなく、腕を破壊されたザクが破壊部分を押さえるという頭の悪い描写。
3つ、つまるところ脚本(と絵コンテ)が残念。

1つ目、コメディとシリアスのバランス。
端的に言うと、しょっぱなに登場する小西さん演ずる参謀(キャラ名不明?)。ちょっとオーバーリアクションだなーぐらいに思ってましたが、終盤に至ってはギャグ漫画か?と言わんばかりに涙を流して狼狽してたりする。いやいや、そこ違うでしょう、と。
コメディはあっていいんです。例えば、ヤギの止め絵なんて昭和を彷彿とさせる演出で個人的には受けました。ですが、本来シリアスに描くところをコミカルに描くってどうかと。
カイやハヤトあたりもちょっと鼻につく感じ。いや、テレビでもそうだったろうと言えばそれはそうなんですが、ちょっと・・・。

2つ目、cgの品質はともかく。
何はともあれ新作でザクやガンダムが観れれば嬉しい!という人なら別に良いのでしょうし、なんだかんだで、私もちょっとは「おー」ぐらいには感じ入ります。
が、cg感丸出しはさておいたとしても、単にモビルスーツが動いているだけで、画面構成や演出に力が入っているわけでもない。
そればかりか、岩を投げる時は人間みたいに動くくせに歩行するときはリアルロボット、というかバリバリcgの動きで歩行する。極め付けは腕を破壊されたザクが破壊された箇所にマニピュレータを添える描写とか頭が悪すぎます。ザクには痛覚でもあるんですか?
cg部分、というか作品全体に言える話でしょうけど、つまるところお金がない、言ってしまえば日本のアニメ業界が抱える制作委員会方式の弊害なのでしょうが、本筋から逸れるのでそれはさておきます。
とはいえ、本作におけるモビルスーツのcgは別段悪くはないが、「とりあえず作りました」レベル。

3つ目、脚本。
最近こればかり言っている気がしますが、脚本がダメとは言いませんが、微妙、いやさ残念。
大きな流れでいうと折角劇場版ということで、尺があるのに、ドアンについての描写が無さすぎ。原作にあったカミングアウトもなし。
それでいて、正直キャッキャキャッキャうるさい子供パートが長い。私は別段子供嫌いではないし、満員電車であかちゃんがギャン泣きしてても笑顔でたいへんだなーと思える程度の人間ではあるが、本作は妙に子供達にカメラがフォーカスしていて、それでいて何かメッセージがあるでもなく、描いているだけのようなかんじ。
それぐらいならドアンの過去にもうちょっと触れてもいいと思います。
かつて所属していたサザンクロス隊の美女にしたって、明らかにドアンに対して悪からず思っている感じなのに、さっくり片付けるドアンさん(笑)不憫すぎます。かと思えば、新加入したと思われる、キレている兵士?はありがちなステレオタイプなキャラ設定だし、ドアンにコンプレックスを持っている後釜の隊長も設定からセリフまでありがち。で、くどい安彦オヤジ顔。
既存キャラ性格変更なんてものありますね。巷で言われているブライトについては私はそこまで意義は唱えませんが、1番問題に感じたのは、アムロがガンダムで敵の兵士を踏み潰すシーン。いや、アムロは踏まないでしょう。せめて、崩れた資材に巻き込まれるとか脚本で対応もできたでしょうに。

他にも細々ありますが、こんなところです。
いえ、そんなに悪いわけじゃないですよ?
ですが、世間の空気がちょっと理解出来ない。
これを名作だ!と持ち上げているようではますます日本の映像作品は劣化の一途を辿るのだろうなと危惧する次第。
星の評価上は3.7と妙に高くなってしまいますが、今後の業界を危惧する意味では総合で星2.5といったところでしょうか。

追記
昭和の思想を持ち込んだ令和のそこそこの予算でなんとかファンウケ狙いで作りました!なのが本作の実態かと。

細々追記
描くところはきっちりリアルに描かなければとたんに「子供向けアニメ」になる。
本作がそれでいいというなら構わないかもしれませんが、あの島の生活で物資はどう調達しているのか?やたらおいしそうな晩ごはんシーンがありましたが、野菜は兎も角、小麦は?パンはどう調達しているのか?ドアンが船で買い出し?脱走兵という立場では厳しくないか?等など・・・。

投稿 : 2022/06/09
閲覧 : 135
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7

ネタバレ

jethro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

機動戦士ガンダムの全てが詰め込まれた宝石箱

アニメは素晴らしい
40年という時を越え再びあのキャラクターたちに出会えるなんて
それだけで感涙ものだ
声のオリジナルキヤストはアムロとカイのみだったが
イメージを壊されることは無かった
古谷、古川、両名とも年齢を感じさせない素晴らしい演技でグッときました
ファーストガンダムを知っていても
資料的に見るだけだったり、見なくなってしまった世代にとっては
違和感アリアリだったかもしれないが
もともと機動戦士ガンダムは、こういう物語なんです
そこから取捨選択しながら、人気のあるものや、そうでないもの
膨らませたり削ったりしながら、閃光のハサウェイにまで高めていったのです。
今回ククルス・ドアンの島を見て
そう、ガンダムってこうだった、これがガンダムだったって
記憶の奥の思い出になってしまったあの記憶が蘇りました
ブライトのどこか非情になれない優しさ
ミライに対する下心見え見えの態度や
スレッガーにふと見せる信頼だったり、嫉妬心
逃避的で憎まれ口、ご存知軟弱者のカイ
セイラの少し刺々しいまでの正義感
今回はスレッガーにビンタでしたが「軟弱者!」と聞こえてきそうでした
恋心や嫉妬などもまだ漠然としか理解していない
まだまだ子供のフラウ・ボウ
だらしなさそうに見えて、実は頼りがいのあるスレッガー
ハヤトの柔道の特技まで見られるとは思わなかった!
母性的な魅力で実はとてもクレバーなミライ
カツ・レツ・キッカがガンペリーに同乗する様子なんて
今のガンダムシリーズだと考えられませんが
きっと「アムロにいちゃんを迎えに行く!」とかいって
ブライトも押し切られたのでしょう
そんな設定が許されるのがファーストのガンダムだったのです
そしてアムロは15歳のガキだったんです
カイの通信を無表情でブチッと切ったり
逃げるジオン兵を踏み潰したり
「なんとかしなきゃ!」と思ったら
方法論の取捨選択なんかする前に直感で行動する
そんなやつだったんです
それが、1時間48分の中にギッシリ見事に収まっているんです
ドアンの話に終始してしまうと思っていた私にとって
これは、とても嬉しい誤算でした
今のガンダムシリーズに失われてしまった
40年前見たあのガンダムのスピリッツがそこにはあったんです
ああ、だから安彦さんはドアンをやりたかったんだ
そう感じました。
今のガンタム世代からすれば
ゆるくて仕方がないかもしれません
でもね
たくさんの子供たちがいてアムロやカイ、フラウも含めて
そしてそこに戦争がある
人が死に、泣き叫ぶ子ども
そんな中でも、子どもたちには笑顔が確かにあり
地面を蹴り、生き生きと生活をしている
それが本来の機動戦士ガンダムなんです
ククルス・ドアンの島は
機動戦士ガンダムファーストシリーズの断片です
だからガンダムを全く知らない人にとって
楽しめるかと言えば否です
全てはそのベースを知っていることが前提となった今作です
でもあえて、それでもやらせてくれとやってのけた
安彦監督のガンダム愛、確かに受け取りました。
だから誰がなんと言おうと
今作は最高だと思うし
安彦監督、これで終わりなんて言わないで
これからもどんどん作り続けていって欲しい
そう切に願います

投稿 : 2022/06/06
閲覧 : 134
サンキュー:

6

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大戦の片隅で

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
映画館で観てきました。一応、TV版も見直したのですが、これはもう別物ですね(笑)

作画はとても良いです。映画館で観るべきアニメだと思います。

ストーリーには賛否あるでしょうね。私は、わりと好感をもって観ました。まあ、富野ガンダムを期待すると、大分期待はずれでしょうね。

本作は、安彦ガンダムらしい、古くさくて、人間くさくて、心あたたまる、これはこれで素敵なガンダムでした。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「戦争は上層部が起こし、最前線が戦い、民間人が傷つく」

そんな事実が、妙に「今、この瞬間」と重なった。ヒトラーをなぞらえて語ったマ・クベ。民間人の犠牲を全く気にしないゴップ。2人が引き起こそうとした「核戦争」を、1兵士(ククルス・ドアン)が止めようとするのである。

あのシーンなんて、本当に「今」、、、いや、もしかしたらやってくるかもしれない「ごく近い最悪の未来」を見ているようだった。

もちろん、安彦監督は、今のこの状況を想定して作ったわけではなくて、人間が持つ、普遍的な部分を描いたら、妙に時勢とマッチしてしまったのだろう(というかそれは、富野監督が描いた原作からであるが)。

本作の主人公はククルス・ドアンなのかもしれないが、やはり、私自身はアムロ・レイを主人公として観た。

TVシリーズの流れの中では、ガルマを倒して、アムロが母と再開した後であり、ランバ・ラルが死ぬ前に位置するのが、この「ククルス・ドアンの島」である。

TV版は正直、「箸休め」的な部分が大きく、安彦監督も「ファーストガンダム最大の心残り」としたエピソードであるが、その焼き直しには完全に成功していたと思う。

アムロの成長を考えていくとき、最初は「成り行き」で戦ったアムロだが、徐々に「ヒロイズム」に囚われていき、それを、ランバ・ラルに叩き直されるという大きな流れがある。

優しく、虫も殺せないような「少年」だったアムロは、戦争の中で、否応なく「兵士」になっていく。戦争の中では、「大人」になる前に、「兵士」に成らざるを得ないのだ(2話前の、母との再会話から)。

そんな悲しい現実の中、アムロが「少年」から「兵士」に生まれ変わっていく途中に、「人としても少しずつ成長している」ことを、安彦監督はこの「ククルス・ドアンの島」を通して描きたかったのかなと思った。

本作のアムロは、かなりポンコツに描かれている。

モビルスーツの操縦は上手いだけで、畑仕事も満足に出来ない15歳の普通の少年。はじめ、アムロは何にも出来ないので周りからも認められない。

彼が認められたのは、「水道修理」と「電気修理」。水道修理で高所からロープで降りていったのは、間違いなく、アムロが兵士として身に付けたスキルと根性だろう。「電気修理」で生きた機械いじりは、ガンダムに乗る前からのアムロの特技である。

つまりこの2つによって周囲から認められ、受け入れられたのは、「ガンダムに乗る前のアムロの人生の肯定」と、「ガンダムに乗った後のアムロの人生の肯定」ではないだろうか。

アムロはガンダムに乗らなければ多分、父親のような技術者になったのだろう。もしくは、機械いじりが好きなだけのオタクか。

そんな人生と、「連邦のエースパイロット」としての人生の、どちらが幸せなのかは分からないし、それを考えることにも意味はない。

それを望むかどうかは別にして、時間は確実に流れ、その時間の中で得た経験は全てが自分の中に蓄積されている。兵士として得た人殺しの技術も、使い方を変えれば人を救ったり守ったりできる。

本作の中で、アムロがガンダムで生身の敵兵を踏み潰して殺すシーンがある。前後の流れからしても、アムロの性格からしても、違和感のあるシーンだったが、あの優しい安彦監督が満を持して作った本作である。きっと何かの意味はあるのだろう。

TVシリーズで本作の1話前にあたる「時間よ、とまれ」で、アムロは生身の敵兵を殺すことは出来なかった。それがなぜできたか?

「時間よ、とまれ」との最大の違いは、「守るべき者が居たか」ではないだろうか。「時間よ、とまれ」ではガンダムが単独で動いていたが、本作には、カーラやマルコスといった、「守るべき者」がいる。彼らを守るためには鬼にでもなれるというのは、ククルス・ドアンから学んだことではないだろうか。

思えばアムロが初めてガンダムに乗った動機は、「生き残るため」であり、「身近な人を助けるため」であった。そういう初心を思い出した、とするのは、やや恣意的な解釈だろうか。

本作で敵を踏みつけたのは、近くにマルコスがいたからだろう。下手に兵器を使えば、跳弾や崩落などでマルコスを巻き込む可能性がある。直前に、ビームサーベルでコックピットだけを貫いたことからも、マルコスを守るために戦っていることが分かる。

少年だったアムロは、ドアン達との日常の中で人間として成長し、また、兵士としても成長していた。

では、その先に見つめるものは何か。

最終的には、「武器を捨てること」だろう。

ククルス・ドアンは、完全に地に足がついた「大人」として、アムロの前に現れる。ドアンは一流の兵士であり、多くの人を殺したが、その先でも、「素敵な大人」になれた。

今はまだ銃を置くべき時ではない。でも、その時が来たら武器を捨て、穏やかに暮らすこと。

ククルス・ドアンは、アムロにとっての目標となる大人であり、散々人を殺してきた自分もそうなれるという希望だったのかもしれない。その象徴が、最後の「染み付いた戦いの臭いを捨てる」という、「とても良いこと」なのだ。

ちょっとだけ残念だったのは、もう少しロボアクションが観たかった(特に、サザンクロス隊との決戦)ことと、ラストでアムロがガンダムを使って畑を作るシーンくらいは欲しかったかなというところ。数秒でも良いし、なんなら、ホワイトベースから見下ろした背景として、(人力で作った円の畑の中に)ガンダムの指で引っ掻いたような直線的な畑がある、くらいさりげなくても良いからさ。それは、本作の作風にもテーマにも合った、素敵なシーンになったと思うんだけどな。

まあ、本作は、とにかく「ガンダムらしく」はない。ただ、ハッピーエンド好きな私としては、こういう素敵なラストは嫌いじゃない。

賛否両論あるだろうが、私含め、オッサンのガンダムファンは、批判はしても離反はしない。負け続けても応援し続ける阪神ファンみたいなもんである。多分、一生ガンダムファンなのだ。

大事なことは、こういう、新しい、綺麗なガンダムを、若い世代がどう受け止めるかだと思う。是非、若手の意見を聞いてみたい。

余談だが、今日、映画館で私の隣に座っていたのは、可愛らしい女子中学生の2人組だった。個人的には、今回の映画鑑賞でそれが一番嬉しかったりした(いや、JCの隣に座ったことじゃなくてね(汗)。そういう若い女性ファンがこんなコアな作品を観てくれている、ガンダムを好きでいてくれることがね、嬉しかっただけですよ。アセアセ)w
{/netabare}

【余談~舞台挨拶中継から素敵なシーンを~】
{netabare}
ライブビューイングで見られたので、いくつか素敵なシーンを。

①視聴前に司会の方が、「カメラでの撮影はお控え下さい。もし見つけた場合には、高濃度のミノフスキー粒子が散布されます」と、洒落た注意をしたこと。

②森口博子さんの挨拶中にお客さんのスマホが鳴ってしまったのに、すかさず、「大丈夫ですよ。本番前で良かったですね」と、笑顔でフォローしたこと。

③本作でセイラさん役をした潘めぐみさんが、お母さんの潘恵子さん(ララァ)のスカーフを巻いて登壇していたこと。

④マルコス役の内田雄馬さんが、司会の方から「内田裕也さんです」と紹介されたが、笑いながら「大丈夫ですよ。名前だけでも覚えて帰って下さい」と、笑いに変えていたこと。

⑤もうこれでガンダムは最後、とする安彦監督に、古谷さんが何度も「僕はまだ15歳のアムロをやりたいです」「作画に悔いがあるなら、それは次回作で」と、何度も次回作を勧め、安彦さんも困りながらも何だか嬉しそうで、最後には「もう先のことを考えられる年ではないのですが、実は、この中で私が一番年上ではないんですよね(古川登志夫の方が一歳年上)」と、少し前向きになっていたこと。
{/netabare}

投稿 : 2022/06/05
閲覧 : 244
サンキュー:

21

ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

個人的にかなり不満

劇場版オリジナル(2022.6)
劇場に行ってきました。
正直、安彦氏はキャラデだけにしとけ!っと言いたくなる出来でした。途中で欠伸ででしまうというのは、劇場作品としてはどうなんでしょうか?
勿論好みがありますが、自分は初代のキャラデの方が好みで今の安彦氏のキャラデは嫌いです。また、安彦氏のキャラの解釈もややコミカルよりで嫌いです。
セイラ(アルテイシア)は別にすぐ他人をぶつ人間ではありません。スレッガーはセクハラ男ではありません。そして、アムロはMSで逃げる敵兵を踏みつぶしたりしません(敢えて入れる必要ある?)。また、ブライトがアムロをぶつシーンを敢えて入れるのも単にファン受け狙いが透けて見えて失笑ものです。
別に「ククルス・ドアンの島」に焦点をあてて作品を作るのは構いませんが、せっかく100分を超す作品なら、もう少しドアンがジオンを裏切るに至る心理描写や背景、子供たちとアムロの触れ合いの中でより、ドアンの人物像や子供たちがここにきた背景等しっかり描くべきだったと思います。
じゃあ、その分戦闘シーンがメインかというと全く格好よさも尺もありません。無論、このタイトルで派手な戦闘シーンは期待してませんでしたが、少ない戦闘シーンでアムロが逃げるパイロットを踏みつけるシーンが必要でしょうか?なめてんのか?と言いたくなります。F氏の如く、宇宙世紀で小遣い稼ぎするような真似はやめてくれって話です。
初代ガンダムで「世界名作劇場」でもしたかったのかわかりませんが、目の付け所は面白いですがもう少しやりようがあったのではと残念です。

私のツボ:何、あのやられ役のジオン部隊。ダサい。

投稿 : 2022/06/05
閲覧 : 182
サンキュー:

8

challia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 3

ダイクニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/10/15
閲覧 : 7

stkTQ05559 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2023/08/24
閲覧 : 8

ゆにこん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/08/14
閲覧 : 8

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/07/23
閲覧 : 8

メモロビー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/29
閲覧 : 19

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/05/06
閲覧 : 9

カメa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/17
閲覧 : 8

± さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/08
閲覧 : 10

WzkkL60132 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/03/04
閲覧 : 12
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 のストーリー・あらすじ

ジャブローでの防衛戦を耐えきった地球連邦軍は勢いのままにジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反抗作戦に打って出た。アムロ達の乗るホワイトベースは作戦前の最後の補給を受ける為にベルファストへ向け航行。そんな中ホワイトベースにある任務が言い渡される。無人島、通称「帰らずの島」の残敵掃討任務。残置諜者の捜索に乗り出すアムロ達であったが、そこで見たのは、いるはずのない子供たちと一機のザクであった。戦闘の中でガンダムを失ったアムロは、ククルス・ドアンと名乗る男と出会う。島の秘密を暴き、アムロは再びガンダムを見つけて無事脱出できるのか…?

(アニメ映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2022年6月3日

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