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「神々の山嶺(アニメ映画)」

総合得点
75.4
感想・評価
16
棚に入れた
60
ランキング
759
★★★★☆ 4.0 (16)
物語
4.0
作画
4.3
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
3.8

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神々の山嶺の感想・評価はどうでしたか?

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

おそらく劇場で鑑賞したらこの何倍も素晴らしかったことだろうなと軽く悔やみましたぜ

正月休み明けの3連休。いきなりアマプラで配信が開始されていたのでそらあもう見ますでしょうが。

一応ミステリーとか書いてあるんですけど、見た感じ『そうかぁ~??』とは思いました。

ボクね~。SFとミステリー弱いんですよねぇ。


そんなボクでも全然楽しめました。
…ってかタイトルにある『登山史上最大の謎に迫る』といったようなことがあったのかなかったのか。ってボク的にはそう感じました。

確かにその謎を追っかけるって話にしないとこれは前に進まんのですが、なんか途中でそんなことどーでもええやんけと思うようになっておる自分がおるわけでした。


そうだす!!

そんなことどおでもええよって思ってしまうくらい主人公のおっさん2人の生きざまとゆうかかかわりとゆうかそこになんだか運命的な何かを感じましてですね。

そこにとにかくものすごい心動かされまして、謎とかボクの中ではもはやどうでもよくなっておったのでした(…そんなんでいいのか?)。

それに加えてまあ雄大な自然エベレストの山々の恐ろしくも美しい描写の素晴らしいことと言ったらない。

ここまで描き切った作品てかつてあったんだろうかと思うくらい素晴らしかったです。

それに合わせた音楽も素晴らしかった。劇伴だれがやったんでしょうか(笑)

おそらく劇場で鑑賞したらこの何倍も素晴らしかったことだろうなと軽く悔やみましたぜ。


ま、ボク自身山登りとかまったくやらない人なのでこのハナシがどのくらいリアルなのかはうかがい知れるところではありませんが、映像の説得力がハンパなさそうな感じは受けましたんでそれはおそらくそうなんだろうと思います。

そおゆう部分はよい作品であるためには重要なことだと思ってまして、実はよくわからんけどものすごい面白かったとゆう作品に共通する部分ではないかしらとも思っております。


とゆうわけで見てはらへん人は是非ご覧になることをお勧めします。
アマプラで配信はじまったばっかりやし、時間も約90分ってことで一杯やりもって見たらサクッと見れます。

これ見て『オレもアルプスに上るぞ!』とはなりませんけど、金剛山ぐらいは登ってみようかなとなるかもしれませんぞ。(ならんか)

投稿 : 2023/01/13
閲覧 : 38
サンキュー:

6

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「なぜ山に登るの?」という疑問に「回答はない」という作品。

 原作はかなり昔に読んだので詳細は忘れました。ただ、エヴェレストに登頂する前に少しでも身軽になるためにスプーンの柄を削ったり、ノートの表紙を破るとかいう表現があって、そのギリギリを表現した8000M級登山の恐ろしさすさまじさに戦慄した記憶があります。

 アニメになった本作は、上下2巻しかも結構厚い作品を良くまとめたとは思います。山に魅せられた男たちの狂気を良く描いていました。ただ、そういう鬼気迫るディテールが描けていたかどうかはちょっと疑問です。
 文太郎のシーンを丁寧に描いていたし、長谷に対する感情も説明しすぎない感じで上手に表現できていたのは、すごいなあと思いました。
 が、最後の日記のシーンが割愛されていました。リンゴを種以外すべて食べつくすような、凍えるような、酸素が薄くなった極限の感覚が無くなったので、作品の迫力が半減した気がします。

 マロリーのカメラは登山をする人なら分かるのでしょうか?あまり、ストーリーとは関係ない「そこに山があるからだ」という表現にしかなっていない気がするのですが、どうでしょう?それがテーマと言えばテーマですけど。これは原作でも確かそういう印象だったと思います。

 キャラデザはちょっと地味すぎです。このテイストなら実写版でいいのでは?とも思いますが、考えて見たら山岳ロケって大変ですもんね。谷川岳の一ノ倉沢とか屏風岩のオーバーハングとかの描写は確かにアニメ向きです。
 不思議なことに中盤のシーンの新聞記事が全く関係ない東日本大震災の記事だったのは、何か含意が?それとも手抜き?ここはいただけません。

 内容が内容だけにずっと暗い色調の画面だし、山の絵も美しいという感じの作画ではないので、爽快感はかけらもありません。寒いだけのアニメでしたが、それは多分演出意図としてはあっているのでしょう。

 総評すると、山岳もの一人の山に魅入られた男の人生を描いた作品として、出来はいいと思います。が、エンタメとしてのカタルシスや登山のウンチクには期待しない方がいいです。
 なぜ、登山なんかするんだろう?と思う人にたいして、回答なんてないよ、という作品です。人の本質を描いているという点では文学的でした。

 なお、冒険ミステリーと言ってますがミステリー要素はほぼ無いです。

 

投稿 : 2023/01/08
閲覧 : 56
サンキュー:

4

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

是非、劇場で見て欲しい。

作品の内面的な部分は他の方々が作品にふさわしい重厚な感想を述べておられるので、私はビジュアル面からの感想をメインにします。

フランスからの逆輸入とのことですが、なるほど一眼で、昨今の日本のアニメとは違う雰囲気があります。
シンプルな線で地味なキャラ造形。
ちょっととっつきずらい感じですが、それだけに生々しい。
ぐりぐり動く訳ではないですが、しっかりと演技しています。
前編に渡り、関心したのが目の演技。
ちょっとした視線の移動の演技は下手な俳優顔負けです。
それだけで登場人物の心の機微を表現する。。。フランスアニメ、恐るべし。
人物以外にも本作は背景も特徴的。
実写取り込みなのか、手書きなのか……。
細部はとのっぺりなのに、全体でみると圧倒的にリアル。
雄大な自然を描いてみせたかと思えば、昔の東京の街並みを情感たっぷりに描いてみせる。

ストーリーはシンプル。
ミステリーなんて配給会社の安直な宣伝文句がくっついてますが、
本作のキモはそこじゃない。
荘厳な自然に、ただ挑む人間の心。
これは是非、劇場で見るべき。

人によってはつまらないと思うかもしれない。
私はこの作品を良いと思える自分の感性を大事にしたい。

投稿 : 2022/08/20
閲覧 : 55
サンキュー:

4

ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

アニメの可能性を感じました。

レビュアーさんの感想を読んで興味が湧き、劇場で観てきました。
本作品は原作は日本の小説、漫画であり、過去に実写映画化。そして今回アニメ映画はフランス作品として制作されました。
安心してください日本語吹き替えです。

あらすじ
エベレスト登山史上最大の謎とされているジョージ・マロニーが登頂に成功したのか否かの謎があるが登頂時に撮影に使われたと思われるカメラが発見されたとの情報があった。記者である主人公はカメラの行方を追うと消息不明になっていた日本人登山家見つけた。その登山家はエベレスト冬季登頂では無謀と思えるルートを一人で登ろうとしていた。主人公はその男の熱気に当てられ登頂記録の撮影を志願した。。。


犬王に続いて「いやー凄かったなぁ」と。
非常に満足できました。映像、物語、大変良かったです。
凄かったのは2点。
1点目は アニメによって世界観に没頭できました。
エベレストの悪天候での登頂シーンがありますがあの状態は実写では作れませんし、CGカットではその瞬間での誤差を感じてしまうでしょう。
最初からアニメですとキレイな流れで映像が流れてゆくことは非常に成功かと思いました。

2点目は このアニメはコメディーが入っていません。微塵も入っていません。
私が観ている日本の深夜アニメ作品は何かしら息抜きや楽しさを入れて物語に緩急を付けたりしますが、そこは異邦アニメ。考え方が違います。作品に真摯に物語に向き合って上記の点から、だからこそ本作品はアニメを採用したのかと本気で思いました。


アニメの可能性を感じました。是非観てほしいですね。

投稿 : 2022/08/07
閲覧 : 149
サンキュー:

17

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

己の存在全てをかけて

(原作未読)
カメラマンの深町誠はある日、数年前に消息を絶った孤高のクライマー羽生丈二を目撃する。
羽生の人生の軌跡を辿っていく深町、人生の全てをかけたクライムへ歩き出す羽生。
そして2人の運命は、極限領域 – 冬のエベレストで交わることになる。


めっっちゃくちゃ良かったです。
アニメ映画としての完成度がめちゃ高い。
見終わった後の余韻というか放心状態ををうまく言語化できないのが
非常にもどかしいが、間違いなく映画館で見て良かった作品であり
多くの人に胸を張っておすすめできる。


「なぜ、山に登るのか。なぜ、命をかけるのか。」

この作品が掲げているものは終始ここに尽きる。
認められるためか、記録に残すためか、他者に負けないためか。
絶対的な理由なんてどこにもない、それでも探すことのやめられない
この根源的で究極的な問いに、男の生き様と渾身のアニメーションを通して、
94分間魂を削って向き合うのが本作である。


本作は基本的に2つの時間軸を行き来する。
カメラマンの深町が羽生の歩んだ道を辿る現在。
そして、呼応する羽生の過ごした過去。

主人公は深町だが物語の主軸をなすのは羽生の人生であり、
不器用で登山が全てと言わんばかりの彼の人生は決して
生やさしいものではなかった。それでも、ただ限界の先にある
頂きを目指して歩き続けるのをやめなかった彼の生き様、その歩みが
時を超えて深町に進むべき道を与える展開に何度も胸が熱くなった。
そして物語を通して深町が羽生の人生から得たものが、最初の問いに対する
答えとして掲示される。重厚な94分を見届けたからこそ、
終盤のメッセージが力強く突き刺さる。


全体通して作画に対する気合の入り用も半端じゃない。
正直、アニメーションだけでも見る意味が十二分にある。

エベレストの極限風景、高山地域のローカルな生活、90年代の東京の街中、
そこに生きた人たちの息遣いとかつて流れた時間が確かに感じ取れる。
クライミングシーンは息つく暇もなく、圧巻の一言。
ピックを指す、岸壁をよじ登る、足が滑る、ボロボロの傷を負う、
身体が悲鳴をあげる、その一つ一つの事象や動作が100%フォーカスされ、
クライマーがどれだけ過酷な状態で登ってるのかがダイレクトに伝わってくる。
少なくとも登山をしたことがない自分にとっては文字通り違う世界の景色であり、
あたかも同じに場所いるかのように足がすくんだり手が震えることが
多々あったくらい、臨場感と緊張に満ち満ちていた。
映像体験としてここまで没入できる作品もそうそうない。


現在では上映地域もかなり限られており見れない人の方が多いかもしれないが、
今後配信されることがあったらぜひ見てほしい一作。

投稿 : 2022/08/06
閲覧 : 100
ネタバレ

ハンガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

映画館で野外活動!

公式にはウルフウォーカーの製作チームと書かれていますが、トムムーア監督とは全く関係ないです。
本作の監督はアーネストおじさんとセレスティーヌのアニメーションディレクターをされていたという事で、スタジオもどっちかと言えばそっち方面に集中している模様。

2chなどで有名なシーンは出てきませんし、映画の尺に収めるという範囲外でもちょいちょい細かな改変がされているのが見受けられました。
しかし、1993、4年の日本の様子や登山描写は一切抜かりありません。
作中に登場する山容はいささか違和感がありましたが、登攀・登山シーンの作画は臨場感がありました。心象風景も含めてノンフィクションよりノンフィクションらしい映像体験だったと思います。
有名登山家の登場や実在の鬼スラの登攀って現実にあり得るのに、現実味が無さすぎてファンタジーにしか思えないので、バランス取れてるんじゃ無いですかね(?)

谷口ジロー感はとても薄かったですが、トレーラーを見た時は皆無の様に思えていたので、キャラの顔に雰囲気出ていたのはプラスに感じました。
はじめに書いた有名なシーンもですがあえて期待している重要な部分を描かない(遠回りして言いたいことを間接的に伝える)のが、なんかフランスアニメっぽくて微笑ましいです。

吹き替え版を見たので声優は堀内賢雄さんと大塚明夫さん。同時期公開のゆるキャンに対して、決してゆるくないやりとりが繰り広げられています。

何故山に登るのか?――そこに山があるから。
ジョージマロリーの有名な言葉が今でも語り継がれているのは、登山する人から強い共感を得たからなんじゃないかと常々思うんですよね。
雑魚の私ですら山に登りたくなる理由はうまく言葉にできないですし。

投稿 : 2022/07/20
閲覧 : 95
サンキュー:

11

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

THE SUMMIT OF THE GODS

漫画家、谷口ジロー氏の漫画原作を、フランス人のプロデューサー&アニメーター監督が、7年の歳月をかけて仕上げた作品です。
残念ながら、谷口氏は、5年前に他界されてしまいましたので、本作をご覧になることは叶いませんでした。

ちなみに、氏は、フランス芸術文化勲章のシュヴァリエ章の受賞者です。
日本人の漫画家では、大友克洋氏、松本零士氏、鳥山明氏、永井豪氏と錚々たる顔ぶれです。
また、アニメ監督では、高畑勲氏お一人です。

事前情報によると、本作はフランス国内では、40週を超えるロングランヒットになっている人気作品と聞き及んでいました。
日本人漫画家とフランスのクリエイターに共通する何かが、どのように描かれているのか、興味津々の鑑賞となりました。

スクリーンに目いっぱい広がるヒマラヤの山塊や岩稜の存在感は揺るぎのないものでした。
それに対して、一分の無駄も、隙もなく作りこまれたヒューマンドラマが鋭く対峙します。
その対比は、ときに身体を寒々とし、心を清々しくし、胸を激しく打ち付けました。

いちばん良かったと思えたのは、おかしな改編や脚色がなかったことで、それには本当に安堵しました。
原作小説、漫画版、実写版に、負けるとも劣らぬ強いメッセージ性は、アニメならではの表現だと感じました。

もしも、そのあたりを入り口にして、谷口氏と、彼の作品に関心を寄せてくださるなら、私のなかの氏の面影が、より一層、好々爺になるように感じます。


~    ~    ~


さて、本作の指向性としては、純然に "やまやご用達" です。
個人的な志向性としても、ですけれど、ね。

仮にも、登山愛好家を自認される方でしたら、本作を見ないのはちょっといただけません。
それはもうモグリとも言えるほどです。
とは言え、お花好き、ハイキング好き、展望台からの眺望でお腹いっぱいになる方にとっては、ちょっとヘビーすぎる内容でもあります。

いえ、ほんの少し視点を変えてみると、全く別のメッセージが受け取れるのが本作の魅力でもあります。
例えば・・・、今の生き方に迷いがあったりとか、明日へのエネルギーを欲している方などにとっては、骨太のヒントが得られる作品として観ることも十分に可能です。


~    ~    ~


舞台は、1990年代の日本とネパール。

エベレストの頂きを、最初に踏んだのはいったい誰か?
よく知られているのはヒラリー(1953年)ですが、マロリーがアタックし、遭難死しています(1924年)。
マロリーはカメラを携えており、もしも登頂していたのならシャッターを押していたはずですが、肝心のカメラはまだ発見されていない・・・。
山岳界隈では永遠のミステリーとして、つとに有名なお話です。

そうした実話を一つの底流とし、もう一つは、誰も登ったことのないルートを切り拓くフロンティアになろうとした男のスピリットが、相当にアツイんです。

キャラクターの作り込み、生き様、足跡などは、実在の登山家をモデルに引き合いにしているし、シナリオにこれでもかというほど練り込んでいます。
大人の鑑賞に十分耐え得る作品として、たっぷりとした重厚感が盛り込まれていると感じました。

"SUMMIT" とは、頂上、頂点という意味合いです。
そこにたどり着くまでの地道な一歩を自分自身の足場とし、また、てっぺんから見渡せる神々しいビジョンを一手にする者が "SUMMITEER" と称号されます。

そう捉えてみると、本作は、単に "やまやご用達" の枠には収まりそうにありません。
なぜなら、誰にとっても、初めて行く場所、行きつくまでのチャレンジは、きっと特別なものでしょうし、仮にも "SUMMITEER" となれば、きっと格別な賞賛があるものでしょうから。

さて、本作のエピローグは、あまりに過酷で、そして残酷にも思えるシーンがあります。
それなのに、観終えれば、生きることの確かなメッセージが、静かに、そしてあたたかく伝わってきます。

圧倒されるばかりのシーンの波状攻撃に、軽くめまいを余韻に残しながら、いくらか緊張感の残る肉体を持て余して帰途につきました。
途中、ドリップコーヒーのまろやかな香りと、甘すぎるドーナッツにかぶりつく、いつものお決まりのお作法は外せません。

帰宅すれば、温泉の素を浴槽に放り込み、汗をたっぷりと流したあとは、冷え冷えのビールをかーっと飲み干す "やまやの一日" で締めくくることにします。


~    ~    ~


おまけ1。
本作は、全国的に上映館が少ないようで、鑑賞なさるのなら、足を伸ばす必要があるかもしれません。
でも、エベレストとヒマラヤという気宇広大な舞台設定ですので、レンタルや配信では得られないだろうスケール感は、これまた格別です。

もしもご興味がおありでしたら、熱い男たちの生きざまを、目の当たりにして、正面から受け止めてみてはいかがでしょう。


おまけ2。
{netabare} 本作の主人公の一人、カメラマンの深町が、とある階段の上で一人ごちるシーンがあります。
それが小説や漫画のなかにあったかどうかの記憶はさっぱりなのですが、どことなく "あの有名な神社の階段" に似ているような、そうでないような・・・。

サービスシーン、なのかな?
{/netabare}

投稿 : 2022/07/16
閲覧 : 96
サンキュー:

9

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

山に取り憑かれた男の心理に呑み込まれる

夢枕 獏氏の小説を原作にした故・谷口 ジロー氏の漫画化作品(いずれも未読)を、
谷口氏の強い意志で、フランス映画界がアニメ化。
同国・映画賞での評価、人気を獲得した上で、
日本に吹替版として“凱旋”して実現した劇場公開作。


【物語 4.0点】
1500頁におよぶという原作漫画。
サイドストーリーは削ぎ落とし、孤高のクライマー・羽生と、彼の足跡を追う雑誌カメラマン・深町に絞り込み90分余にまとめる。


「マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」
「登山史上最大の謎に迫る」「究極の冒険ミステリーが始まる」

などと煽って来ますが、これは如何にもプロモは五流の日本映画界による的外れな宣伝かとw
もっとも私も“マロリー”に釣られた口なので大きなことは言えませんが(苦笑)


開始後まもなく、この映画の主題が謎解きではなく、
山に惹かれる人間の豊潤な心理の開示にあることが分かります。

人間ドラマが積み重ねられるに連れ、羽生がエベレストに挑む理由の心当たりは
絞り込まれるどころか、終盤にかけて、どんどん増えて行きますし。
結局、最後も、{netabare}マロリー初登頂の真相も羽生の真意もぼかされたまま終わります。{/netabare}

この物語に対して、山も人間も謎に満ちていて奥が深いと唸って満足するためには、
ミステリーなど邪魔になるだけなのでザイル(縄)共々切って落とした方が賢明かと思います。


【作画 5.0点】
アニメーションはフランス、ルクセンブルクの3スタジオで制作。

登山物は実写も含めて、本番はあくまで山岳シーン。
日常&準備期間の街中のシーンは一休みとのバランスになりがち。
が、本作は街中から作画が超本気です。

元ネタ小説が90年代連載とのことで、
眼鏡のモダンの端っ子を咥えて口角泡を飛ばす、昭和のオヤジたちが支配した
喫煙率高めの日本社会もフランス人視点で緻密に再現。

人物の表情描写が繊細であるだけでなく、小物も物量、再現度共に高水準。
その小物にキャラの心情や性格を反映して演技させるレベルで構築される映像も芸術点が高い。

街中の段階から、道具の描写にまで魂が宿っているからこそ、
登山シーンにて、氷壁そびえる大自然に、登山道具と己が肉体一つで挑むクライマーの生き様に迫力が出ますし、
例えば、クライマー・羽生の、山や社会との距離感についても様々な着想が可能になります。

比較的、無難なアングルで構成される街中シーンの日常感。
山の画面比率を高める極端なアングルで、自然の偉大さと人間の小ささを強調する山岳シーンの非日常感。
映像構成の使い分けも良好。

総じて映像だけでも体感して損がないボリューム。

【キャラ 4.0点】
かつての天才登山家・羽生丈二。
山に対してストイック故、ただでさえ社会との溝が深い所に、
パートナーの事故が、さらに深い影を落とす。
彼が次どう行動するのか?次は助けるのか見捨てるのか?
変わりやすい山の天候並みにスリリングです。
そして、恐らく羽生自身も、自らの心理を理解できていない。

私も含めて、今、自分がここで行っている所業の理由を語れる人間などそうはいない。
私が、この映画と羽生から学んだ一番の教訓です。


そんな羽生の登山家心理に取り憑かれてしまった雑誌カメラマン・深町誠。
真実を求める内に深みにはまりキャリアが破綻をきたす。
ある意味、登山家並みに狂った報道人の性が羽生の心理とも共鳴し、
クライマックスを極限の狂気へと押し上げる。

{netabare}私は、羽生に身命を賭した最後のアタックを決断させたのは
深町の執念の取材だと感じました。{/netabare}


メイン二人の脇で、山だけでなくスポンサーの攻略も上手いライバル登山家・長谷、
羽生の後輩クライマー・文太郎などの登場人物が彩るが、見事に男ばかりw
女など文太郎の姉として登場する涼子さんくらいしかいない。
本作は武骨な山と男の映画ですw


【声優 4.0点】
羽生役の大塚 明夫さんを、深町役の堀内 賢雄さんが追いかける渋いキャスティング。
深町視点で進行するため堀内さんがモノローグでナレーションも兼任。
年輪を分厚く刻み過ぎて、見えなくなってしまった本音が、見えそうでやっぱり見えない。
面倒くさい男の性を、声色レベルで心理を示唆できるベテラン二人が好演。

このお二人の間では文太郎役の逢坂 良太さんも可愛らしい後輩役です。
が、{netabare}終盤、化けて出てくるトラウマ描写は結構怖かったです。{/netabare}

涼子役には今井 麻美さん。落ち着いて過去を振り返る演技で、
ベテランを前にしたミンゴスのキャリアの確実性を確認。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はアミン・ブハファ氏(チュニジア)

寒々しい弦楽の調べ→勇壮なオーケストラという登山映画の定番。
そして、やはり宇宙空間に匹敵する未知の領域である高山には重厚なシンセの和音が似合います。


作画だけでなく、効果音もまた街中から本気なのも高ポイント。
濃密に再現された日本の大都会の喧騒があるからこそ、
山肌が軋む雪山の不気味な静寂の説得力が倍化します。


【付記】
「なぜ、山に登るのか?そこに山があるからだ」
本作でも登場するジョン・マロリーが語ったとされるこの名言。
これもまた独り歩き名言の一つでしてw

NYタイムズ記者の「なぜあなたはエベレストに登りたいのか?」との質問に、
マロリーが「そこにあるからさ」とエベレストに限定して答えた内容が、
いつの間にか山全体にミスリードされ、登山家の哲学的発言だと拡散したのだとか。

質問内容自体も上辺だけで、回答も社交辞令な印象。
人間・マロリーの深層心理をえぐるには程遠い。

マロリーのエベレスト初登頂の真相。記録、競争などどうでも良い。
男の生き様に深く惹かれて、奥地まで追ってきた深町に羽生がこぼした本音が、
上記の逸話とも混ざり合って、何とも言えない渋い余韻が残りました。

投稿 : 2022/07/15
閲覧 : 482
サンキュー:

22

退会済のユーザー さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:----

投稿 : 2023/02/01
閲覧 : 0

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/18
閲覧 : 2

RX-178 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/13
閲覧 : 1

リアム・ギャラガー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/07
閲覧 : 5

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/07
閲覧 : 6

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/12/15
閲覧 : 3

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/08/30
閲覧 : 6

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/07/08
閲覧 : 10

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神々の山嶺のストーリー・あらすじ

「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」という登山史上における実際の謎に迫りながら、孤高のクライマー・羽生と彼を追うカメラマン・深町が前人未到の挑戦に立ち向かう姿を描く物語。(アニメ映画『神々の山嶺』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2022年7月8日

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