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「平成狸合戦ぽんぽこ(アニメ映画)」

総合得点
70.8
感想・評価
518
棚に入れた
3324
ランキング
1436
★★★★☆ 3.6 (518)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.6

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平成狸合戦ぽんぽこの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

夢のあと。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
1994年7月16日に公開された劇場オリジナルアニメ。
原作・監督・脚本は高畑勲。

【あらすじ】

大昔から狸たちは東京の多摩丘陵の山林で楽しく暮らしていた。
狸たちは人のいないところでは二本足で立って人と同じ言葉を喋っていた。
しかし、昭和40年代に入り多摩ニュータウン建設で山は削られ木は切り倒され、
都会化する地の人間の利便性と引き換えに、狸たちの住む場所の多くが奪われていった。
狸たちは自分たちの棲家をこれ以上人間の手で荒らされてはかなわんと、
餌場を巡る今までの縄張り争いをやめて団結して決起。
狸の伝統的変化術である化学(ばけがく)を復興し、変化の術であの手この手を使って、
人間を驚かせ、時には工事を妨害して事故を起こし、
人間たちの畏れ・信仰心を呼び起こすことで、
山地開発事業を止め撤退させようと日々勤しむのだった。

【感想】

この作品を見る前に、原作者であり監督でもある、
故・高畑勲の生い立ちをおさらいしておくのを推奨。
9歳で岡山市で空襲を体験。長じては東京大学文学部を卒業。
マルクス思想に傾倒したガチの共産主義者であること。

高畑勲の人生を踏まえたうえで、この作品で描かれているものを考えてみると、
表向きは環境問題や古き良き時代へのノスタルジーをテーマにしているかのようではあるが、
昭和の左翼闘争史を化け狸たちに仮託したものに見えてしまう。

人間たちは打倒すべき体制側、狸たちは反体制の闘士。
一見コミカルに描かれているが狸は自らの目的のためならと、
過激派に身を投じる狸もいて人を殺すことを厭わず。
実際に工事関係者3名を狸が殺害しているし、
犠牲になった人間への黙祷を形だけは捧げているものの揃いも揃って大笑い。
陽気にヤンヤヤンヤと踊りだす狸たちの姿に日本社会で反権力に身をやつす層の本質が、
赤裸々に描かれている。人間たちを殺さなくても化かして驚かし歓喜する姿。

沖縄にて米兵への嫌がらせを繰り返したり、勝手に道路を封鎖して私的検問を作ったり、
大量の車を持ち込んで横向きに停車して地元住民の生活道路を使用不能にする等のやりたい放題。
挙げ句に出動した機動隊とやり合う、今の時代になお残るリアル活動家の姿が狸とかぶる。

活動家の本質は闘争であり暴力なのだ。加害行為の正当化のために被害者アピールをする。
それは、煽り運転&暴力行為で逮捕された例のM容疑者のごとく。
自己の正義を主張しつつ自己矛盾を無かった事にする御都合主義。

狸たちは、活動家連中との共通点が多い。

自分たちを理解してほしいくせに他者への洞察力が足りない。
自分たちが正しいことをしているから、当然周りからも支持されるべきだという考え方。

狸たちは頭が良くないし、目的に結束する自分たちの姿に酔っていて、
ビューティフル・ドリーマーの学園祭前日の友引高校生徒たちみたいに楽しそう。
かといって決して一枚岩でもなく、いくつものセクトに分かれて内ゲバを繰り返している。

作中での狸は馬鹿騒ぎして暴れまくった挙げ句に最終的には敗北者になってしまう。
敗北の理由が明瞭に描かれている。身内同士での盛り上がりに反して、
狸と人間の価値観が違いすぎて民衆からの理解と支持を得られなかったからだ。
アカがマルクスだのレーニンだの議論しても大衆からの興味が皆無であったかのと同様に。

主人公である穏健な狸・正吉の冷静な視点から狸たちの問題点が客観視されており、
それは、共産主義に染まりながらも活動家たちの姿を俯瞰して見れていた高畑勲の知性ということか?

反抗することは彼らの主観では楽しい夢の世界。
狸たちが人間たちに紛れてストレスだらけの日常の中で人として生きる結末は、
夢から醒めて現実の社会に還ることのメタファー。

要は、この作品は昭和時代にはびこり、
今も残り火が続いている活動家のマインドへのシンパシーを醸し出しつつ、
時代に置き去りにされて廃れていきつつも、
今日も生きていく彼らの姿を客観視して動物の姿で記した物語。
権力との戦いに身を投じた若き日の自分の姿に重ねて涙する者もいれば、
自分らと関係ない世界だと狸が愚かと思ってしまう者もいる。
視聴者の人生経験から経た価値観によって評価が分かれる作品に見えた。

平成生まれには理解が難いかもしれない老人が学んだことや人生経験の集大成。
そういう古き世代の心象風景を後の世代が理解するに適した作品が、この映画なのである。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/10/13
閲覧 : 437
サンキュー:

42

ネタバレ

gazabata さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

人も狸に化けるのか

1994年の夏休みに子供と一緒に「平成狸合戦ぽんぽこ」を見に行き、クレジットが流れるころには顔面から液体が溢れ出て、その子供に「大人」あるまじき泣き面を見られてしまった親御さんの心中お察しします。

映画の良し悪しを言葉で簡単に説明できたなら、芸術とはこの上なくつまらないものになってしまう。この映画は自分がいくら頑張ってその良さを伝えようとも、言葉では説明できない何かが存在するということを骨の髄まで叩き込まれる映画であると思う。だがそれでもその説明を試みるのもまた、くだらない狸の最後の無駄な抵抗なのかもしれない。負けたとわかっていても、最後にいい景色は見たいものだ。

とは言ったものの、この映画の良かったと思うところを全部説明するのも面倒なもので、文章を書く練習程度に書いているレビューでもあるので、基本的には映画の最後の五分の話に集中しようと思う。

最後の五分以外の感想:
狸たちの葛藤は人類歴史のいろいろなことに当てはめることができるのでそれは良いことだと思う。何か特定の出来事を想定して作られたのかもしれないが、あまり詳細がないことから、人それぞれ自分の好みの出来事に投影できる。それこそ、この映画のほとんどはそれほど特別なメッセージ性を持っているわけでもないので何か映画の背景について知っていなければいけないというわけでもないことがまた優しい。もちろん、自分が知らないだけでどこかにあからさまな題材のヒントが隠されている可能性もあるが、その辺はご勘弁を。

最後の五分:
この映画の最後の五分に感じられる感情の激流を理解し、説明するのは簡単なようで意外と難しい。だが簡潔に言えば、それは人がみな心から感じたことがあるはずの「家に帰りたい」という感情だ(実際に実家にいるときにもこの感情は感じられるもので、家にいるのに家に帰りたいんかい、と自分でもツッコミたくなった方もいるのではないだろうか)。これは、本当に「家に帰りたい」わけではなく、今の状況とは違った昔の(子供の頃が多い)自分(及び世界)がより純粋/単純だった頃に戻りたいという感情だと言ったほうが正確だと思う。
この感情は実に強いもので、映画で描かれているように、服も靴も財布もかばんも化粧も日ごろ自分が被っている人の皮も全部脱ぎ捨てて、全裸で森の中に駆け込みたくなる感情だと個人的には思っている。そしてこの映画はその感情を視聴者から優しく(不思議なことにそれと同時に強制的に)引きずり出すことに見事に成功している。
さて、そんなもの他の映画でもいくらでもあるはずなのになぜこの映画でここまで強く、殴られたように感じることができるのか?そんなことが分かれば、私はどこかで映画評論家になっています。
それでもいくつか思い当たるふしはある。
一つ目はその最後の五分の前の残りの映画のおかげであるということだ。まあ、当たり前のことかもしれないが、最後の五分は残りの二時間のおかげで成り立つものだと思う。だからこの映画が長すぎるという批判は個人的には理解しがたい。狸たちの徐々なる絶望と衰退があり、それでも生きてきた狸があってこそのあのエンディングだと思う。
二つ目は、単純に演出が腐るほど良いというだけだ。狸は何にでも化けられる。人間に化けても、一緒に服も化かせる。なのにエンディングで狸は服を脱ぐ。何故。それはきっと狸が人間になってしまったからではないだろうか?狸は一般社会で生き抜くために自分を偽り、必死になじみこもうとする。だがいつしか狸は自分が人間に化けていることすらも忘れてしまう。人間になってしまう。そして人間は服を着るものだ(まあ、映画では狸も服を着ているから思っていたよりも辻褄は会わないかもしれないが)。だが人間は古き友の姿を見た時、自分が少しづつ失っていったものに気が付く。自分はなぜ人の服を着ているのか。自分は狸だ。狸は服などいらない。狸は財布などいらない。狸は自由だ。自分は狸だ。
「家に帰りたい…」
人間は服を脱ぎ棄て、今まで大切だと自分に言い聞かせていたものをすべて捨て、ほんの短い間かもしれないが、狸に化ける。夢かもしれないし、本当は死んだのかもしれないが、ほんの短い間だけは、家に帰れる。

投稿 : 2022/05/15
閲覧 : 163
サンキュー:

5

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

狸御殿ものの伝統にのっとった?作品

この作品はレンタルビデオで見ました。公開時は映画館にかかっていた事も知らなかったです。気が付いたら公開していたジブリ作品です。ただうちの息子がこの映画のビデオをいたく気にいっていた時期がありました。彼が五歳ぐらいの時でしたかね。そのくらいの子供にはいい映画だと思います。

私は生まれる前なのでよく知らないのですが、「狸御殿もの」という邦画の一ジャンルがかつて存在し、江戸時代の大奥で狸の扮装をしたお女中たちが活躍する時代劇というのがあったらしいです。その当時は人気作だったらしい。本作はおそらくその記憶がある人たちが企画を立て、映画に仕立てたものだと思います。要するにこれは少し懐古趣味のある映画で、それが物語のエコ志向や自然破壊を訴えるテーマとうまくリンクしています。物語全体をそのようにうまくくるんでいるので、シナリオもぶれることなく、うまく最後まで一本筋の通った見事な映画になっています。

ただ惜しむらくは、タヌキの生態から調査してリアルかつギャグも落語や漫才界のプロの人たちを声優に呼んでまで作られた本作なのでありますが、タヌキが画面のほぼ80%を席巻し、二枚目はほとんど出ない、出ても次の瞬間タヌキになってしまうという真にアニメファン向けではない描写が続きます。そのため私も最初に「そのくらいの子供にはいい映画」と書きました。悪い映画ではなく、きちんとしています。ただ、見ていてあんまり楽しくない・・・再見はしんどくなる。それが本当に残念な作品なのです。

投稿 : 2022/03/20
閲覧 : 155
サンキュー:

3

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジブリの狸映画。

昭和の日本を描いた多摩地域の狸と人間たちとの闘いを描いた高畑監督のジブリ映画。
これも名作として知られる映画です。
狸たちは変化の術を使えて、いろいろ変化の術を使いながら人間の開発をやめさせようとしていきます。
劇中の日本の描写が昭和の日本を描いて、ブラウン管の回してチャンネル変えるテレビも懐かしさを感じます。
最初から最後まで楽しめる、エンタメとしてのジブリ映画です。

投稿 : 2020/11/08
閲覧 : 293
サンキュー:

18

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

狸の物語

キャラの魅力がよく伝わって良かったと思う。
ジブリはハズレがないと思う。

投稿 : 2020/02/11
閲覧 : 193
ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

多摩の歴史(コメディのようで実は悲劇)

開発って、動物にとっては戦争なんだ。タヌキと人間の戦争。

武闘派は抹殺され、現実から逃避するものは無為のまま終わり、和平派は取り込まれて種としてのアイデンティティを失う。最後のシーン、人間の残飯をあさりゴルフ場でたむろして幕を下ろす。終始コメディタッチだが見ていて痛い。

ラピュタの秘宝もなくナウシカもいない、このタヌキたちには滅びしかない。

50年前に人間はタヌキに勝った。そして今、この開発の未来に起きた一極集中、エネルギー問題と地球温暖化問題を、人間の誰がどんなふうに解決してくれるのか物語は提示できない。

タヌキの滅亡を人間社会の悲喜劇に見立てた、可能性のあった作品だと思う。ただ風刺も弱く、将来のヴィジョンも示せなかったのは残念。

投稿 : 2019/10/05
閲覧 : 273
サンキュー:

10

リョーマψ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジブリの隠れ名作

自分はちっちゃい頃から何度も見てて大好きだったけど
同年代のみんなで知ってる人があんまりいない…

ぜひオススメしたい映画です

投稿 : 2019/08/27
閲覧 : 428
サンキュー:

1

シワーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

寓話の魔術

開発によってすみかを追われる狸たちが、それを阻止する戦いの話。

私はこの作品が大好きで傑作だと信じています。しかしその理由を書こうとすると言葉に詰まってしまう。

一つの魅力として、多面的な描き方で、一義的な解釈をゆるさない点があるとおもいます。闘争で人に犠牲が出たから追悼の意をしめそう、としながらも思わず大笑いしてしまう。どんなに高らかな目的をかかげても、人は(狸は)聖人君子ではない。

狸たちにはたしかに理があるが、その戦いは太平洋戦争になぞらえていたりする。つまり無謀ということですね。

時代の流れには逆らえない、という観念が作品の奥底にあるのではないでしょうか。どれだけ狸たちが化けても、科学文明にある現代日本人にはほとんど効果がない。狸たちがみせる幻想にたいしても、人間たちは合理的な説明をあたえてしまう。

騎士道精神がとっくに過去のものとなったのに、騎士道を貫こうとしたために時代遅れの道化となったドン・キホーテに通じるものを感じます。

古今亭志ん朝のナレーションも良い。

投稿 : 2019/07/10
閲覧 : 214
サンキュー:

3

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「平成」狸合戦 ぽんぽこ

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
ジブリの中ではわりとマイナーというか、地味な作品ながらも、良作です。

自然と動物、人間との関係が、優しく、しかし、しっかりと風刺されています。子供が観て、何かを感じてほしいアニメですね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
平成、というタイトルだけで安易にレビュー書いてるけど、だからこそ、「平成」に注目してみたくなりました。

「平成」狸合戦、ということは、「昭和」狸合戦も、「大正」狸合戦も、もっと言えば、「平安」狸合戦とかもあった、ということ。

「平安」狸合戦って、多分、狸同士や、他の動物との合戦でしょう。

それが、「昭和」や「平成」になると、狸達の主戦場は、対人間になってきました。

これは、私より上の世代の方には怒られるかもしれませんが、「平成」という時代は、そこまで捨てたもんじゃないし、若者達(また、日本人)のモラル、特に環境に対する意識は、総体としては向上しているように思います。だって、昭和の川とか、えげつなく汚いし。(ちなみに私は昭和生まれ)。

本作のラストは、一方的に人間を悪とするのではなく、人間側にも、一定の歩み寄りが見られるものになっています。

私はこの部分が「平成」である意味になっていると思います。

我々人類は、というと話は大きすぎるかもしれませんが、歴史の中で紆余曲折し、前進後退を繰り返しながら、でも徐々に正しい方向に進んでいると、信じたい。

これから「令和」を迎えますが、「平成」に歩み寄れたその歩調を、もっと加速させ、「令和狸合戦ぽんぽこ」が生まれないことを、切に願います。
{/netabare}

投稿 : 2019/04/30
閲覧 : 309
サンキュー:

16

ヤングコーン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

面白いけど

話のテーマはとても面白いし結構好き。
だけど、ちょっと長いかな。途中で寝そうになった。
俺はしてないけど、1.5倍速で見たら面白いかもw

投稿 : 2019/04/05
閲覧 : 143
サンキュー:

0

ネタバレ

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

CMが悪いだけ

これこそ隠れた名作ですよ!

絶対、見なきゃ損!!



宣伝がうまく機能してたら、社会現象間違いなし!
逆に、映画館がパニックにならないための、自虐CMか!?

投稿 : 2019/01/06
閲覧 : 274
サンキュー:

5

ネタバレ

ぺこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

何回も見ました!

メッセージ性とか、なんか色々あるみたいですが、初めて見たのは子供の頃だったし
そーゆーのは無視で!
ただの感想です

ジブリの中で一番好きな作品です
ちっちゃい頃のら猫が人んちに入ってって怒られちゃうのとか
なんで人間の勝手な区画に猫が従わなきゃいけないのかッて
真剣に悩みました
猫代表が人間の会議に参加できさえすればこんなことにならなかったんじゃないの?ッて

できるわけないんですけど(笑)
でもそんなことかんがえてた時の答えみたいなアニメだったんです
今でも私は多分タヌキを応援しちゃうけど
実際は農家の方々が被害を受けたり
私自身夜中田舎をドライブ中に引きかけたりを見てて
栃木ではお猿さんの親子や鹿?も見ました!
難しいですよね

でも日本は東京は難しくてもちゃんと動物のテリトリーは残してくれるッて信じてます!
みんな仲良く暮らせたらいいのに
難しいですね

投稿 : 2018/11/14
閲覧 : 295
サンキュー:

11

ザカマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

自然破壊反対アニメ

ナウシカ、もののけ姫などと同じテーマ
自然、動物との共存

音楽が好きです いつでも誰かがって曲

観てるとタヌキを応援したくなってくる

投稿 : 2018/08/28
閲覧 : 363
サンキュー:

2

ストックトン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

人間による自然破壊に抗う狸達の
戦いを描いた作品。
ジブリ作品の中でも一番メッセージ性の
強い作品だった気がする。
面白いけど、あまりメッセージ性が強すぎる
のはちょっと苦手かも。

投稿 : 2018/04/13
閲覧 : 240
サンキュー:

1

ネタバレ

saiha さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ジブリの中ではマイナーだが割と好き

高畑勲さんが亡くなったのを受けレビューを書こうと思いました。
火垂るの墓といい高畑勲作品はメッセージ性が強い作品が多い印象があります。
本作のテーマは環境破壊です。

宅地開発によって住処を奪われつつある狸たちが、持ち前の変化(へんげ)の能力を使ってなんとか人間に対抗しようとする物語です。
狸たちは手を変え品を変え人間を追い出そうとするのですが、うまくいきません。
途中で3匹の賢者的な狸に頼るのですが、一人は戦果も挙げられないまま殉死、一人は絶望の末新興宗教を拓き現実逃避、一人は人間界に溶け込む道を選び・・・と、全く歯が立ちません。
結局動物は人間には敵わない。共存してひっそり生きていくしかないんですよね。
なんともやるせない。

90年代前半ごろにはこのようなアンチ環境破壊的な作品がたくさんあります。
それも最近はすっかり見なくなりました。
結局環境問題も人間にとっては一時のブームなんですよね。
動物たちにとっては死活問題なのに。
その辺を考えても人間には敵わないな、と思うわけです。

投稿 : 2018/04/07
閲覧 : 272
サンキュー:

1

ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
多摩ニュータウン計画の推進とともに住む場所を失っていく狸たち。ぽんぽこ31年秋からぽんぽこ34年にかけての狸たちの奮闘を描く。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★★☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★★☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★★☆☆

【ジャンル】
ジブリ9作目(1994)、狸、都市開発、笑い

【こういう人におすすめ】
私イチオシ。「観たことない」と言っても割とびっくりされないジブリ作品。

【あにこれ評価(おおよそ)】
69.4点。あにこれ点数順では第13位。

【個人的評価】
何回考えなおしてもこれが私の中でジブリ1位になってしまう。不思議。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
 ルパンベスト10を作った流れでジブリベスト10とコナン映画ベスト10に挑戦中。一般人でも分かるアニメ映画シリーズのベスト10があれば、私自身を理解してもらいやすいかなあと。

 ジブリ作品に共通するテーマとして「水の表現」と「対立」と「内包」があるというのをどっかで聞いた気がします。まあ水なんて2時間分のお話作ったらどっかで絶対出てくるし、対立と内包なんて曖昧な言い方したらなにかしら無理やりこじつけることは可能だと思いますが、その辺を踏まえてみてみるといいかもしれません。

 ↓以下一言くらいの感想
{netabare}
 おそらく、ジブリ黄金時代中盤の中だるみと認識されている作品。
 監督も宮崎駿監督ではなく高畑勲監督で、これ(1994)と、同じく宮崎駿監督が加わっていない「海がきこえる(1993)」の2作品が、「紅の豚(1992)」と「耳をすませば(1995)」という大作に挟まれている。
 ジブリとしても実験の時期だったことが推測される。

 この作品の内容にも「会話しているかのようなナレーション」、「ファミコン画面に似せたビット絵の説明シーン」、「神様の街づくりや巨大なショベルカーが山を削るなどの比喩的なシーン」など、随所に実験的なシーンが見られる。

 が、そんなことはどうでもよく、私の中のベストジブリ。

 何度も「マイノリティー気取ってんじゃねえぞ俺!」と自問しましたが、「紅の豚」と「もののけ姫」がどうしてもこれに勝てなかった(笑) そしてストーリーを振り返ってみて、私が好きな要素の集合体であることに気づく。

 ジブリ作品の中では例外的にゆるく、笑いに頼ったストーリー展開、そして真面目を装いながら笑いを誘うナレーション、全体から流れる実験的な空気、ジブリ品質の作画、ファンタジーでありながら妙に現実に即した展開、しかし最終的に「来るべくして来るバッドエンド」。
 「四畳半神話大系」や「秒速5センチメートル」をお気に入りの代表に挙げ、主食が「きらら枠」な私は、好きになるべくしてこの作品を好きになったわけです。

 これもレンタルで小学校上がるか上がらないかの頃に見た気がするので、九九も知らないガキンチョの頃から、今と同じような趣味嗜好だったようです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
{/netabare}

投稿 : 2018/03/03
閲覧 : 472
サンキュー:

15

こっとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

断片的な記憶

最初から最後までは覚えてないんです。なんだか断片的な記憶で。子供ながらにおもしろかったのですが、今改めて観る気にはなっていないです。

投稿 : 2018/02/28
閲覧 : 276
サンキュー:

1

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

ジブリ作品の中で一番僕が魅かれなかった作品です。伝えたい内容は明確で見やすいですが。

主題歌を歌うグループの名前は初見で全然読めませんでしたが、その分、印象に残りますね。シャンシャンタイフーン。

投稿 : 2018/02/24
閲覧 : 292
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タヌキを通して人間を描く

タヌキたちが自分たちの住んでいた森を取り返すために、化け学を使って戦うお話。

ところがタヌキたちはどこか憎めず、間抜けだから、真剣戦うほど、どこか可笑しい。

経済成長で日本人は何を得て、何を失ったのかを面白ろ、おかしく描いている。

テレビを見たタヌキたちが挨拶するTVキャスターに対して、挨拶を返すところがおもしい。

タヌキの目線で見た人間たちは、自分勝手で迷惑を顧みない。その上、美味しい食べ物を作って食べている。酷いことを平気でする。ここは考えさせられる。

投稿 : 2016/09/13
閲覧 : 255
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

第四の壁

 高畑勲監督による子供向けの映画ですね。二時間くらい。

 ストーリーの展開はすごく良かったです。これは、ナレーションのおかげでしょうね。「ぽんぽこ」は、普通に作ったら二時間では到底収まらない分量だと思います。でも、ナレーションを使って場面と場面をつなぐことで、大幅な圧縮が可能になっていました。また、見どころの多いところを中心につないでいくことで、エンタメ性の増大にも寄与していたと思います。落語調のナレーションも、この作品の雰囲気とよく合っていました。
 キャラの動きも良かったですね。たくさんの動物を動かすのは大変だったとは思いますけど、妥協していた箇所は見受けられませんでした。この辺の妥協の無さは高畑勲監督っぽさが出ていますかね。

 あと、高畑勲監督は、人間社会に対抗して敗北していくタヌキたちに、自分たちの学生運動などを重ね合わせていたっぽいですよね。それっぽい描写が、機動隊との対峙シーンなどに見られました。
 個人的には、インタビューやらブログやらツイッターやらで政治的な主張をしている映画監督を見ると、「作品内で語れや、この○○が!」と考えてしまう質なので、作品内で主張している分にはとやかく言う気はありません。映画自体が歴史的にプロパガンダであったり反プロパガンダであったり、ってところもありますからね。「アリス」のレビューで、主人公無双でもハーレムでも現実逃避でも原作者の好きにやったらいいよって書いているんですけど、それと同じです。原作者の趣味嗜好はもちろん、思想だって作品の質を左右しませんから、好きにやったらいいと思います。外観をもって批判するのは、ルパンを見て「泥棒だからダメ」と言うのと同じくらいナンセンスだと考えています。
 ただ、原作者の思想が透けて見えたり前面に出て来ていたりすると、やっぱり説教臭くなるんですよね。また、現実の思想が介入してくるせいで、フィクションとしてのめり込めなくなってしまう。大人向け映画ならまだしも、子供向け映画ならもうちょっとマイルドでも良かったかな、と思います。

 で、この辺の相乗効果が変な方向に現れてしまったようにも感じました。頻発するナレーションとリアルすぎるほどのリアルさ、そして、全編に漂う説教臭さ。これらのせいで、現代ファンタジーでありながらも、ドキュメンタリーに片足を突っ込んでいるようにも思えました。そこは少し残念なところ。
 でもまぁ、そうは思うものの、子供と大人で作品の解釈が変わるとか、子供にとっては娯楽作品でも大人とっては社会風刺であるとか、そういう二面性を持たせた作品を作るのはジブリのお家芸ですからね。この作品が子供向けに作られているのは確かでしょうし、子供にとって娯楽作品として成立している以上、批判する気はないですけどね。

 で、この作品を見たのは半年くらい前のことで、高畑勲監督作品のレビューを書くなら最初は「かぐや姫」がいいかなぁなんて思い放置していたんですけど、ふと思い出すきっかけがありました。
 先日、友人と食事をしているときに、今年の大河ドラマの「真田丸」が面白いよ、と言われました。私は見ていなかったので話題に乗ってあげられなかったんですけど、三谷幸喜監督が手掛けているらしいですね。
 そんなわけでの「ぽんぽこ」レビューです。


第四の壁:{netabare}
 第四の壁っていう言葉があります。
 もともとは演劇用語で、「舞台と観客を隔てている想像上の透明な壁」という意味で使われます。舞台上のストーリーと客席にいる観客には一切の関係性がありませんから、その間には見えない壁があるよねってことです。今では演劇だけではなくて、映画などでも使われています。平たく言ったら、「フィクションと現実の境界となる壁」ということです。

 ウィキペディアを参照すると、
 第四の壁は、フィクションと観客の間にある不信の停止(※)の一部である(※不信の停止:観客はフィクションを見ている間は「こんなことは実際には起こらない」などという無粋な突っ込みを抑えること)。
 通常、観客は第四の壁の存在を意識することなく受け入れており、あたかも現実の出来事を観察しているかのように劇を楽しんでいる。第四の壁の存在は、フィクションにおいて最も良く確立された約束事の一つである
 と、説明されています。

 私たち視聴者はフィクションを当然のようにフィクションとして見ていますから、この第四の壁は常に存在している、と言えます。ですが、しばしば演出として(意図的に)「ここに第四の壁があるぞ!」と明示されることがあります。
 例えば、舞台上の役者が、観客に見られていることに気づいてしまうとか、観客とコミュニケーションを取ってしまうとかですね。これにより観客は、第四の壁を意識してしまい(フィクションであることに疑いを持ってしまい)、同時にフィクションと現実の境界が破られてしまうのです。このメタ的な演出を「第四の壁を破る」と言います。

 映像で確認したい方はこちら↓をどうぞ。
 <https://www.youtube.com/watch?v=JLAaUvsKljc>
 視聴者とコミュニケーションを取ってしまう演出は、0:15~0:40、2:30~3:15あたり。
 作品世界が映画であることを明示してしまう演出は、4:30~4:54、5:00~5:45あたり。
 第四の壁を破って映画というフィクション性を壊している点ではどちらも一緒です。
{/netabare}

おまけ①アニメにおける「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 アニメでも「第四の壁を破る」演出が使われることがあります。

 私が一番印象に残っているのは、「のんのんびより」第一期の最終回ですね。{netabare}
 エンディングテーマが流れ始める、文字通り最後のところです。カメラを背にして遠ざかっていくメインキャラ4名が、突如としてカメラに振り向いて、視聴者に向かって手を振る、という演出が入っています。フィクション内のキャラクターたちが、本来一切の関係性を持たない視聴者に対してアクションを起こしたわけですから、典型的な「第四の壁を破る」演出ですよね。これにはすごく驚きました。

 「のんのんびより」は「日常もの」の作品ではありますけど、私たちは現実の日常としては見ていませんよね。あくまでもフィクションの日常として楽しんでいます。これが、第四の壁の存在を前提とした見方です。
 でも、最後の最後になって、私たちが認識している第四の壁は彼女たちにとっては存在していなかった、ということが明かされてしまいました。「のんのんびより」には終始無言を貫くお兄ちゃんというキャラがいましたけど、私たちの存在はそれに限りなく近かったんですね。話もせず、ストーリーにも影響を与えないけれど、近くでずっと見ている存在。
 彼女たちが第四の壁を破ることで、私たち視聴者とこの作品の在り方が変わってしまいますよね。フィクションの日常であったものが、現実の日常に転換されてしまうんです。あのまま振り向かずに遠ざかってくれれば、それは単なる「アニメのキャラとのお別れ」に過ぎないんですけど、第四の壁がなくなってしまうと「現実の友人とのお別れ」に比肩してしまうんですね。これにより、「もう会えなくなる」という寂しさを増幅させる効果が、とてもよく出ていました。

 ニコニコで見つけた件のシーン。ホントはもう数秒前から欲しかった。
 如何に効果的な演出だったのかが、コメントから伝わってきます、かね?(笑)
 ホントはコメントなしのが欲しかったんですけど、残念ながら見つけられませんでした。
 <http://www.nicovideo.jp/watch/sm22644446>
{/netabare}{/netabare}

ぽんぽこ:{netabare}
 「ぽんぽこ」でも、「第四の壁を破る」演出が使われています。「のんのんびより」と同じく、エンディングで直接的にコミュニケーションを取る演出方法です。具体的には、ショウキチが「タヌキが消えたって言うけど、確かに姿を消せるタヌキもいるんだけど、ほかの動物はどうなの? 姿を消せるの?」みたいなことを視聴者に語り掛けてきます。視聴者(現実世界の人たち)が殺したんでしょ?という皮肉ですね。
 この視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)というのは、高畑勲監督の基本スタイルですよね。高畑勲監督は主題に対して何らかの意見を持っていて、その主張を混ぜながら、視聴者に対してどう思っているの?と問いかけてくる。これを、作品と視聴者を対比させる構成でやっています。

 「火垂るの墓」がいい例で、オープニングとエンディングは、視聴者に対する語りになっています。{netabare}
 オープニングは「僕は死んだ」というセリフだったかと思います。「死にそう」の場合はその時点での主観的な視点ですけど、「死んだ」の場合は死んだあと、すなわち、未来からの客観的な視点ですよね。
 未来からの客観的な視点というのは、まさしく視聴者の視点と同じですから、視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語る、というのをオープニングでやっているんです。

 エンディングはこれです↓。まずは、この動画の2:20くらいのところからラストまでをじっくり見てください。
 <https://www.youtube.com/watch?v=Dn-saPIsrd0>
 2:34からの数秒間はカメラ目線になっていますよね。目が合っているような気がして、少しドキッとします。第四の壁を破ったかどうかのギリギリのラインですけど、カメラ(視聴者)を意識しているのは確実です。そして、その後はビル立ち並ぶ未来の街(私たちにとっての現実の街)に視線を移します。ここからも、過去のフィクションに存在している主人公が、未来の現実に存在している私たちを意識している、というのが伝わってきます。
 つまり、視聴者に語り掛けるオープニングに始まり、視聴者に語り掛けるエンディングで終わっているんです。
{/netabare}

 「ぽんぽこ」も、この構成を使っています。
 オープニングでは、タヌキは現実の動物としての姿を取っています。このタヌキを丸いレンズで撮るように演出して、そこにタヌキのナレーションを入れています。タヌキを見ている私たちへのタヌキからの語りですね。キャラクターが現実にいる視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語るというのは、「火垂るの墓」と同じです。
 エンディングが、「第四の壁を破る」演出です。上記のショウキチのセリフを入れて、作品の総括をメッセージとして伝えています。また、この後は、タヌキたちの踊る森からビル立ち並ぶ私たちの街へと変わります。私たちにとっての現実の街で作品を締める、というのも「火垂るの墓」と同じです。

 「火垂るの墓」も「ぽんぽこ」も、構成が全く同じだってことは分かりますよね。オープニングとエンディングでは現実世界の視聴者に対する語りをしておいて、その間にフィクションとしての本編を置く、という構成です。フィクションと現実を作品内で対比させることで、主人公たちの境遇と私たちの境遇を対比的に見ているんですね。この対比をもって、両作品では、「あなたたちの繁栄は、私たちの犠牲のもとに成立しているんだよ」という痛烈な皮肉をしています。
 この「フィクションと現実の対比的な関係を作品内に作り出して、視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)を行う」というのが、高畑勲監督の基本スタイルなんだと思います。

 で、「火垂るの墓」と「ぽんぽこ」のエンディングでの演出方法には、ほんの少しですけど違いがありますよね。カメラを見つめるだけで第四の壁を破ったのかどうか微妙な「火垂るの墓」と、カメラに話しかけることで明確に第四の壁を破ることとなった「ぽんぽこ」。この差は、単純に子供への意識の差だと私は思います。

 「火垂るの墓」は、子供向け映画という意識はあまりなかったんだと思います。だから、見つめる程度で終えて、別に分かりにくくても良かった。数秒カメラを見つめる程度の演出では、その意図は子供には伝わらないと思います。それを分かっていて、それでも子供向けではないからいいや、大人にだけ皮肉が伝わればいいや、と判断したのでしょう。上記のエンディングで、{netabare}セイタは見つめてくるけど、セツコは寝たまま、{/netabare}というところにもこれが表れているのかもしれません。

 でも、「ぽんぽこ」は、子供向けの娯楽映画として作ろうっていうのが大前提にあったんだと思います。子供向けの娯楽映画として、何よりも分かりやすさを優先したかった。だから、直接語り掛けるという「第四の壁を破る」演出を選んだんだと思います。直接語り掛けちゃえば、子供にだって分かりますからね。そして、何を優先的に伝えるかを考えたときに、高畑勲監督個人の思想よりは、子供にも身近であろう「自然を守ろうね」にしたのでしょう。

 なお、「ぽんぽこ」が視聴者への問いかけ(という名の皮肉)のために作られていたことが、ナレーションによっても分かるようになっています。最終盤において、ショウキチの語りが途中から古今亭志ん朝のナレーションに代わるところがあるんですけど、これによって、今までのナレーションがすべてショウキチの語りであったことが判明します。最終盤に来て初めて、視聴者はずっとショウキチに語り掛けられていたことを知るのです。


 高畑勲監督の作品は、構成はかなりかっちりしているんですよね。少なくとも私個人は、宮崎駿監督よりはかっちりしていると思っています。ただ、構成はかっちりであるものの、中身は文学的というか文芸的というかそういう感じが強いですよね。説明が迂回的、と言ってもいいです。まぁ、読み取りが難しくて、分かりにくいってことです。直接悪口を言うのではなくて、皮肉として言うところにもそれが表れていますよね。しかも、エンタメ性も高くないですから、見る人をすごく選ぶような気がします。
 でも、「ぽんぽこ」に関しては、子供向けの意識が強く働いたこともあってエンタメ性が高くなっていますし、それでいて構成のかっちり感は失われていないですし、主義思想という作家性も出ています。これらが高い次元でまとまった、すごくいい作品だと思います。子供のころに見ただけだなって人は、ぜひ大人の視点で見直してみてください。
{/netabare}

おまけ②カメラを使った「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 「第四の壁を破る」演出が、カメラによって行われることもあります。本来意識されていないはずのカメラの存在を視聴者に認識される、という手法です。カメラの存在が認識されると、そこにカメラが置いてある(=そこに撮影者がいる)となりますから、第四の壁は自然と破られてしまいます。
 「クロスロード」のレビューで、「この作品はカメラで撮影しているよ!」演出について書いたんですけど、あれも「第四の壁を破る」演出の一つです。レンズ効果によって、性能的なカメラの存在がアピールされています。
 新海監督はメタ的にこの演出を使っているわけではないですけどね。レンズ効果を使って画面内のキラキラ感を最大化しているだけだと思います。

 ここではその話ではなくて、物理的に干渉されたカメラの存在アピールの話をします。例えば、落ちてきた雨粒がカメラのレンズに当たるとか、跳ね返った泥がカメラのレンズに当たるとかですね。何かがレンズに付着することで、透明なはずの第四の壁を目視できるようになってしまいます。

 アニメでも、こういう演出は多いですよね。一番最近見たものだと、「甲鉄城のカバネリ」の第9話です。
 詳しい内容はここでは述べず、カバネリのレビューに譲ります。
{/netabare}


雑記:{netabare}
 また横断的な書き方になってしまいましたね。申し訳ないです。
 なんとこのレビューで登場したアニメ作品は、ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!の4作品。このアニメ4作品に加えて、実写映画にまでリンクを貼る始末! 単発映画のレビューのはずなのに、目も当てられません。すみっこでこっそりやるシリーズへの並列すらためらわれるレベルです。

 一応、第四の壁じゃなくてぽんぽこが話題の中心なんだよって偽装するために、ぽんぽこをど真ん中に配置するという構成に変えてみたんですけど、うまく機能しましたかね? 微妙かな?
 カバネリを別レビューに飛ばしたのは、短くするためっていうのもあるんですけど、「ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!を使ってレビューを書きました」だと意味が分からなくても、ここからカバネリさえ除外しちゃえば意外と通じるかもしれないな、と思ったからでもあります。

 まぁ、裏話はともかくとして、冒頭述べた三谷幸喜監督について。
 三谷幸喜監督はいろいろと手掛けていますですけど、彼が脚本を務めた「古畑任三郎」という作品があります。映画じゃなくて、ドラマですけどね。今見ても面白い作品だと思います。
 この作品では、視聴者が犯行の一部始終を目撃できるようにストーリーが進行していきます。「名探偵コナン」のような「刑事側も視聴者側も犯人を知らない」というスタイルではなくて、「刑事側は犯人を知らないけれど、視聴者側は犯人を知っている」というスタイルです。視聴者が主人公である刑事に自己投影するのではなくて、視聴者が刑事の捜査をあくまでも客観的に見ていくように作られているってことです。
 で、この作品の謎解きパートの直前に、「第四の壁を破る」演出が使われているんです。いきなりドラマが停止して、背景も暗転して、この中で主人公の古畑任三郎にだけスポットライトが当たって、それで視聴者に話しかけてくる。客観的に進行するストーリーと「第四の壁を破る」演出は、とてもマッチしていますよね。

 酔っぱらった頭で三谷幸喜監督の作品を考えていて、それでこの「古畑任三郎」にたどり着いたんですけど、アニメで第四の壁を破っている作品はなんだろ?と気になったんです。そこで、のんのんびよりに白羽の矢を立てたはいいものの、もう枠を使っちゃってたんですね。それならってことで、ぽんぽこを引っ張り出すことにしました。第四の壁やのんのんびよりありきのぽんぽこだったってことですね。
 で、第四の壁を度外視して高畑勲監督論をやるなら、大人しく火垂るの墓から入るべきだとは思います。構成を中心に書けますからね。それを分かってはいるんですけど、どうにも見返す気が起きないんですよね。年の離れた妹が、というシチュエーションが個人的になかなか辛くてね。それゆえのぽんぽこってのもあったりします。

 気が向いたらカバネリの方もどうぞ。
 うっかり迷い込む人を避けるために、ネタバレありタイトルなしで投稿しますけど、内容は動画を使って演出を見ていくだけです。ストーリーには触れませんので、ネタバレ嫌いや未視聴の方でも大丈夫です。たぶん。
{/netabare}

投稿 : 2016/06/18
閲覧 : 620
サンキュー:

10

ネタバレ

りゅぅぞぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

終わり方が思い出せない

 これも小さいころよく放映されていて見ていたんだけど

普通にたぬきが人間みたいに歩いて話すことができていて

みんな仲良く暮らしていたんだけど

 人間たちがビル・マンションなどの環境破壊で

たぬきの生活環境を壊そうとしているのを阻止するため

変化の術とかをつかって対抗するお話し

 後半、狐もでてきたが、

15年くらい昔の記憶だからか、最後の展開を覚えていない

ウィキで調べてみたものの 昔の記憶を思い出すことができない

子どもの時は何を伝えたかったのかわからなったが、

 今なら、完全にわかるきがする・・・

投稿 : 2015/12/05
閲覧 : 310
サンキュー:

3

ネタバレ

ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「どっこい生きてる」って言葉は、狸の為にあるんじゃないでしょうか

山野を均し川を埋め立てる人間達の横暴に立ち上がった怒れる地元のタヌキ達の奮闘とままならない現実をコミカルに描き出した快作。
数あるジブリ作品の中でも、これほど直接的なメッセージを発している作品は他にないんじゃないでしょうか。

{netabare}
今は老いた町と言われる多摩八王子町田一帯にはかつて山野が広がり、狸や狐その他ウサギやイタチなどが住み、その中で人間達も共に生きていた。しかし今や木々は切り倒されて道路が敷かれ住宅が立ち並び立派な街が出来上がったが、だというのに人々は忙しなく、動物達も窮屈そうに生きている。これはいったいどうしたことだと街を見下ろし問いかけますが、それきりタヌキ達はどこ吹く風、逆境にもめげず挫けず、今日もどこかで明るく朗らかに生きている。
辛い事や悲しい事もたくさんあるけれど、今日を朗らかに楽しく生きる。これって、人間のことなんじゃないだろうか。
{/netabare}

話は変わって、作画についてはもはや口にするのも野暮ですが、実に素晴らしいです。特に狸達は本当によく観察して描いたのだなぁ、と感心しきりです。
そしてエンディングを彩る「いつでも誰かが」は、ふとした時に蘇る昔日の郷愁を軽やかに歌い上げています。これもとても素敵な曲です。
何も知らなくても楽しめますが、タヌキは勿論、妖怪や民俗学や当時の世相などに少し知識を持って観賞するとより楽しめます。(まさか琵琶牧々や琴古主や尻目なんてマイナーな妖怪が出てるとは………)
大人になるに連れて味わい深くなる作品ですね。

投稿 : 2015/11/26
閲覧 : 968
サンキュー:

0

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

狸だって頑張っているんだよ

何回もビデオで見たのを覚えている。

町を挙げてのお化け屋敷が非常に楽しかったな
でも尊い命が・・・

投稿 : 2015/11/13
閲覧 : 362
サンキュー:

1

ネタバレ

Crysiss さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タヌキだってがんばってるんだよォ(糸井重里氏)

生活圏を脅かされたタヌキたちが
人間に対してどう向き合っていくかを描いた話

タヌキたちの中にもいろんな主義主張があって
タヌキを見ているのに言ってることは何とも人間臭い

{netabare}

平和的解決を望むものもいれば
過激な思想に囚われたりするものもいて
それぞれが思い思いに行動していく

最終的にはいくばくかの自然が残され
苦しいながらも人間側の最低限の譲歩と
タヌキ側の多大なる譲歩で決着する。

印象的だったのは
序盤にタヌキが仕掛けた罠で人間側に犠牲者が出たことで
自分たちの思想の為とはいえ、犠牲者を出たことに対して
律儀に葬式を営んでいたこと。

さらに葬式で使われる黒と白の横断幕はひっくり返すと
紅白のおめでたい横断幕へと変わり
葬式が一転して宴会へと変わってしまう。

実際はほとんどのタヌキ達が人間に犠牲者が出たことが
嬉しくてしょうがなかったのだ。

これは人間の立場に置き換えてみれば
森林伐採や土地開発などでタヌキが犠牲になっても
気にせず酒を飲んで宴会をしている人間たちを模した
痛烈なブラックジョークに見える演出だった。

{/netabare}

何もできないし、しようとも思わないかもしれない自分は
こういうことを言う資格がないのかもしれないが
考えさせられる内容の作品だったと思う。

投稿 : 2015/10/13
閲覧 : 366
サンキュー:

0

くまきっちん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ジブリの中では少し劣る

インパクトが強いジブリ作品の中では少し劣る作品です

平成とつくものの今となっては少々古い感じがします

ハチャメチャやったり冒険があるという感じではなく人間と共存するたぬき達という感じです

先に述べた劣る作品という例えですが決して面白くないというわけではないです

他のジブリ作品を見たあとに初めて見る場合にはちょっと物足りないかもしれません

大人になってこの作品を見て主題歌の「いつでも誰かが」を聞くと明日も頑張ろうとちょっと泣けてくるかもです

投稿 : 2015/10/06
閲覧 : 289
サンキュー:

0

ネタバレ

S字 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人間らしい狸たちの物語

人間に住処を奪われ、人間と戦う狸を描いた作品ですが、その狸たちが非常に人間らしいのが印象的でした。個人的にジブリ作品の中で最も好きな作品かもしれません。

投稿 : 2015/09/02
閲覧 : 237
サンキュー:

0

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

あまり覚えてませんけど、ジブリの中では面白くないほうでした

はっきり言ってほとんど印象に残ってません。ストーリーも声優さんも音楽もすべてにおいて記憶が薄いです
ジブリを観るなら他のを観たほうが良いかと思います
といっても説明の必要なんてないんでしょうけど
ということでこの評価です

投稿 : 2015/08/07
閲覧 : 279
サンキュー:

2

てんてん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

普通

森を壊しまくってる人間に対しての警告と狸のたのくすごしてるところですね。
僕はこのとき黒沢を同時に詠んでて・・・・・・・・・w
いい話でしたよ

投稿 : 2015/06/04
閲覧 : 273
サンキュー:

2

オールドタイプ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

この変わりようは激し酷過ぎる。化かされてるのはこっちじゃないのか

自然と人間の共生的なテーマの作品なのかな?
自然破壊へのアンチテーゼ・・・。


しかし「化かす」は人間社会への皮肉としか
とれなかった。

現役をリタイヤして、たくさんのしがらみから解放
された今思うと、「狸=化かす」を使ったのは、
なかなか深いなぁと、関心してしまった。


観てない方は是非観てね。

投稿 : 2015/04/02
閲覧 : 305
サンキュー:

3

アニf さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

まあまあかな

化けタヌキが人間に復習?
まあいろんなバケモンが出てきて面白かったかな
まあ他のジブリ見た方がいいかな

投稿 : 2015/01/20
閲覧 : 417
サンキュー:

4

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平成狸合戦ぽんぽこのストーリー・あらすじ

東京・多摩丘陵。のんびりひそかに暮らしていたタヌキたちは、ある時、エサ場をめぐって縄張り争いを起こす。原因は人間による宅地造成のため、エサ場が減ってしまったから。このままでは住む土地さえ失くなってしまうと、タヌキたちは開発阻止を目論み、科学の発達した人間たちに対抗するため先祖伝来の″化け学″を復興させることとなった。化け学の特訓が始まる一方、四国や佐渡に住むという伝説の長老たちへも援軍を頼む使者が向けられた。かくして人間たちが露とも知らぬ所でタヌキたちは勝手に蜂起した。(アニメ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1994年7月16日
制作会社
スタジオジブリ
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%90%E7%8B%B8%E5%90%88%E6%88%A6%E3%81%BD%...

声優・キャラクター

野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子、泉谷しげる、芦屋雁之助、村田雄浩、林家正蔵

スタッフ

原作:高畑勲、 監督:高畑勲、企画:宮崎駿、脚本:高畑勲、プロデューサー:鈴木敏夫、キャラクターデザイン:大塚伸治、イメージビルディング:百瀬義行/大塚伸治、作画監督:大塚伸治/賀川愛、美術:男鹿和雄

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