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「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(アニメ映画)」

総合得点
80.7
感想・評価
724
棚に入れた
4190
ランキング
435
★★★★★ 4.1 (724)
物語
4.4
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.2

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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人になったあなたに送るクレヨンしんちゃん

僕は元々、ロボとーちゃんというクレヨンしんちゃんの映画が大好きで、なんか良いクレヨンしんちゃんの映画ないかなと探していたところこの映画が1番よく聞くタイトルだったので視聴しました。なるほど、これはいいわ。今作は大人たちが洗脳され、春日部防衛隊のみんなで試練を乗り越えていくという話です。(かなり雑に説明しました)回想の使い方がすごくうまかったです。物語の終盤に差し掛かったところでヒロシが自分の靴の匂いで我に返るというシーンがあるんですが、そこでのヒロシの回想が良かった。ヒロシがお父さんの自転車の後ろに乗せてもらっているところから始まり、最後はヒロシ自身が自転車の後ろにしんのすけを乗せるところで締める、あのシーンだけでこの映画を見てよかったと思える程の衝撃的というかすごく良い回想シーンでした。また、今回の敵は個人的にあまり憎めない敵でした。その敵は20世紀の当時の匂い、空気を愛していてその時代を取り戻そうと動きます。そして、映画を見ている自分でさえもあぁ、いい時代なんだなと映画を見ながら思えるような作りになっていました。だからこそ敵に共感できました。いい作品でした。

92/100点

投稿 : 2023/11/28
閲覧 : 281
サンキュー:

5

ネタバレ

れるびい さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

昔は良かったねといつも口にしながら生きていくのは本当に嫌だから

名作が多いと言われるクレヨンしんちゃん映画の中でも
特に評価の高い作品です。

このオトナ帝国の逆襲は、昭和の時代を生きてきた
世代ほど共感できるのではないかと思います。


「20世紀の匂い」を使って世界を20世紀に戻そうと企む組織が悪役です。
リーダーのケンとチャコ、見た目は完全にジョンレノンとオノヨーコ。

蛇足ですが、自分は全くビートルズ世代じゃないけど、音楽を学んでいる学生の時
3年くらいビートルズばかり聴きまくっていた時代があり、
とてつもなく影響を受けました。
あにこれでのハンドルネームのれるびいと言う名前も実は
ビートルズの名曲Let it beに由来しています。


古き良き20世紀を取り戻そうとするケン達と、未来を生きようとする
野原一家の戦いと言う構図です。
もちろん主役はしんのすけと野原一家なのですが、大人視聴者のほとんどが
実は、悪役であるケンにも共感してるのではないでしょうか。

「時代の匂い」って言う着眼点がすごく面白いと思っていて
飲食店や排気ガスや色んなものが混ざった匂いが
確かに昔は現在よりもした気がします。

この作品が名作と言われる理由と思われるシーンの一つに、
セリフが一切無い3分程のヒロシの回想シーンがあると思います。

あのシーンで泣かない大人は居ないんじゃないか
ってくらい何度見てもボロボロ涙が出てきます。


確かに、高度経済成長期の日本は景気も最高に良く、
誰もが明るい未来を信じられた勢いのある時代だったんだと思います。

実際、現在見事な程のシャッター街と化してしまった我が地元も、
僕が子供の頃は、毎日すごい数の人で賑わっていました。
頑張っただけ報われると言う様な勢いが、人にも町にもあった感じがします。

その時代からすると、現代はものすごく混沌としてきていて
未来には数えきれないくらいの不安がある様に思ってしまいます。
不安になると、つい昔のアルバムや画像や映像を見て
懐かしさに浸り、あの頃に戻りたいなんて考えてしまったりします。


年を取れば取るほど経験値と記憶は増え、昔は理解できなかった
色んな事に共感できるようになっていきます。

良い時も悪い時も必死に生きてきた大人だからこそ、
ケンとチャコの、良い時代に戻したい気持ちを理解しつつ
それでも泣きながら前を向くヒロシと野原一家に感動するのだと思います。


過去を懐かしんで、物思いにふけってしまう時僕は、
槇原敬之さんの「どんなときも」という曲の

「昔は良かったねといつも口にしながら生きていくのは本当に嫌だから」
と言う一節を脳内再生し、

何を弱気になってんだ。ダッセーな。
と、自分にツッコミを入れます。

今の時代も長い歴史の中ではきっと捨てたものではないと
思うので、楽しまなきゃ損ですよね。

投稿 : 2023/02/28
閲覧 : 175
サンキュー:

17

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

オレは家族と一緒に未来を生きるッ!

 この作品を見るのは、多分小学生以来だったと思います。で、久々に見てみると素晴らしい映画でした。

 大人たちが子供になり身勝手に生きるというサスペンス、それから子供たち(春日部防衛隊)が知恵(?)を使って危機を乗り越えるというアクション、最後にしんちゃんが未来を掴みとるために走る、、、といった、最後まで飽きさせず、心が熱くなりました。

 社会風刺もきいてましたね。大人のエゴにより好き勝手にすると、一番犠牲になるのは子供たち。また「自分たちの時代がこうだったんだからお前もそうしろ」といった古い価値観を子供に押し付けられる構図。その辺の描写も見事でした。

 過去が悪いわけではありません。ただこれからの時代を作るのは今の子供たちである、その子供を育てるのは家庭である、といった家族の大切さを僕は強く感じました。

 「最近の若い奴は~」とか、「昔は良かったけど今は~」みたいなことを今や将来言うことのないように、僕も気を付けていきたいですね。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/07/14
閲覧 : 370
サンキュー:

17

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2021.8.26

2021.8.26

投稿 : 2021/08/26
閲覧 : 178
サンキュー:

0

ネタバレ

byGar61324 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

世代の差を痛感

昭和の時代知らない人からすると昔の描写は特に共感出来ないですね。世代間で温度差があると思います。
テーマはどの世代にも通じると思いますが、令和の今の時代に平成に戻りたいかと言われると嫌ですね。スマホもないし不便だから

投稿 : 2021/07/21
閲覧 : 236
サンキュー:

3

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戻る気は無いか?⇒無い!オレは家族と共に未来を生きる! オレの人生はつまらなくなんかない!家族のいる幸せを、あんたたちにもわけてやりたいくらいだぜ!

未来は耐え難い悪臭か?
20世紀には夢と希望が溢れていたのか?
21世紀には汚いカネと燃えないゴミしか無いのか?

未来を信じて足掻いていた大人達が子供達に襲い掛かる...
この生き様を見届けろ
大人がいなくなった町は食料はあれど戦後を彷彿とさせる

俺にとっての昔はN64やGCをプレイしていたときが昔だと思っています

これと花嫁ぐらいしか映画シリーズは評価しない、それとプリンセス
ああ、戦国時代に行ったこともあったな(その際は家族と見ました。だが結末は...)

「昔は良かった」というが何が良かったのかは今の子供には分からない。でもこのような時代があったことは後世に残すべきである。
たとえ不便だろうとそこに「人の思い」は存在するはずだ

過去も尊重する必要がある。
過去があるからこそそれを生かして新しい知識を養う必要がある。

「ない!俺は家族と共に未来を生きる!~」からの「21世紀を手に入れろ」がなあ...実は「ひろしの回想」のアレンジなんだよね
これ作曲したの浜口さんだからガルパンと一致するんだよね

最後のしんちゃんが階段を走っていくシーンは感動&描写が凄いんだよ・・・グレンラガンを思い出すんだから...
でも俺は泣けなかった・・・涙腺が硬いから・・・
昇り切った後にしんちゃんが言った「綺麗なおねいさんといっぱいお付き合いしたい」を言い換えると「大切な人を愛したいし、守りたいから」等と言い換えることが出来る
アニメの主人公(特にテンプレ)はこうやって形作られているんだろうなあ

20周年記念の映画は良かった方だと思いますがこれにはやはり及びませんでした。
やっぱこれと類似した作品をもう一度作ってもらいたい。
だがしかし、2016年のは...

そして令和の時代
またこんな作品を作ってくれることを願う
おいケンよ、元号に『和』が入っているぞ...

投稿 : 2021/06/20
閲覧 : 893
サンキュー:

23

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

凄いことをしてる

私の人生で1番か2番目に劇場に行って視聴した映画。

作品の盛り上がりは規定値を大きく超えないけど記憶に深く刻み込まれる映画になっている。

30周年を迎えようとしている野原一家は様々な困難を潜り抜け、概念として、凄いことをする一家になってきているけど、本質は破天荒なちょっと面白い一家である。この作品では、その本質をちゃんと理解して作られている感じがする。
逆にクレヨンしんちゃんの映画を見続けているとこの描き方は地味にさえ思えるのだが、このように描いたことで、対比的にケンとチャコの目論見を打ち砕いたことが本当にすごく見えた。

ケンとチャコが懐かしい匂いを全国に拡散することを諦めた理由は詳しく描かれていないのだが、カスカベ防衛隊を追うときはあんなにも熱くなっていたケンが最後に大きく落胆も焦る様子も見せずに身投げして終わろうとしたことについて、描かれていない部分で気持ちが変わる出来事があったはず。

はじめは、しんのすけとヒロシが再開してからケンが現れ「見させてもらったよ」と言うまでの間。
つぎに、昭和荘のテレビで間接的に野原一家の奮闘を見たとき。
さらに、エレベータから野原家の様子を見たとき。
そして、足にまとわりついたしんのすけの感触。

描かれていないからこそ、ケンはただの敵キャラじゃない奥ゆかしさを生み出していると思った。


前半の見せ場は夕日町銀座商店街の一幕。風景の美しさと人々の賑わいをノスタルジックな音楽で絶妙な雰囲気に仕立てている。
後半の見せ場は、やはり東京タワーの階段を駆け上がるしんのすけの有名なカット。
よく動くカメラに追いつかないしんのすけが何度こけて走り出すんだ。最後の方なんて線のタッチ変えてきてるし。どうしたらこんな絵が作り出せるんだ。意味わからん。

この映画はもう何度も見ているけど、見るたびに違う印象を受ける。
今回の印象は記憶よりも地味に感じたけど、理解できない凄みがあるなと思った。
勉強になる。(でも楽しんじゃう)

投稿 : 2020/08/08
閲覧 : 256
サンキュー:

13

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

僕もいきたい20世紀博

1955-1965年生まれの視聴者であれば、このノスタルジーネタを理解して楽しめるのでは。

子供に戻って、子供オトナになり育児放棄、責任放棄するのは反社会的な犯罪だが、鼻歌交じりのお巡りさんやそばやの出前の出没する下町/横丁には住み直してみたい。

一方で、制作から20年近く経ち、唯一、オトナ帝国に対抗できる力である家族の絆も伝説になっているところも多いと思う。

この家族の絆自体がネタであれば、よりブラックな味わいのある作品になったかもしれない。

投稿 : 2020/08/06
閲覧 : 225
サンキュー:

10

ネタバレ

わさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

数年おきに何回も見るのがおすすめ

自分が年をとるからなのか、考え方が変わっていってるのか、何故か見るたびに感想が違う。
他のアニメ・映画でも何回かみることはあるけどここまで感想が変わるアニメは現れないかもしれない…

始めて子供の頃見たときは、怖いっていう印象とそこまで面白くない映画っていう印象だった

高校生の時2回目を見て、自立と大きな敵に立ち向かう達成感みたいなものを一番感じた

親のもとを離れだした二十歳頃に見たときは、親の愛情・大切さ、そして親のために頑張ろうとするしんちゃんに涙した

そして今回
また泣くのかなぁとおもっていたら、どちらかというと寂しさ・懐かしさ・あぁ自分もこんなふうに考えるときがくるのかなぁと感じされられた。

とにかく不思議な映画。
クレヨンしんちゃんの映画の中でも特に異端で大人向けだと思う。
また数年後にみてみたいなぁ

投稿 : 2020/07/03
閲覧 : 189
サンキュー:

4

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「愛と風のように」時代は通り過ぎる。。

声優 故藤原啓治さんの追悼として、アメーバTVではクレヨンしんちゃんの劇場版の一挙放送をしていますが、

映画ドラえもんと同じくらい劇場版のクレヨンしんちゃんは大人も見れるエンターテイメントとして知られていますが、

中でも「オトナ帝国の逆襲」は完全に団塊世代から昭和を生きた中年層を意識した、まさに昭和回顧録と言っても過言ではないくらい子供おいてけぼりの作品です。

いや、この2020年令和の時代にも商店街はありますし、僕の田舎なんかもトトロで出てきそうな木造の家屋で、ぎりぎり戦争体験をしていた祖母がまだ生きていますが、あと数年で本当に「一億総中流」をうたった「昭和」な雰囲気が完全になくなってしまうのではないかと思います。

完全に個人化してしまった最近の社会では生活のリズムも隣人との会話も皆バラバラで、いろいろな人間がいろいろな思惑で生きる複雑な社会になってしまいましたが、この「オトナ帝国」であり、敵組織の「イエスタデーワンスモア」が訴える「本当はこうじゃなかった未来」そのものが見えてきた気がしてなりません。

本当に「攻殻機動隊」や「AKIRA」のような退廃しつつテクノロジーだけは進む未来社会が来てしまった今、もう一度「絆」や「愛」とはなんなのかについて考えさせられる作品です。

投稿 : 2020/05/04
閲覧 : 293
サンキュー:

10

ネタバレ

友利奈緒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

泣いた

懐かしいということは悪いことだろうか。決して違うと僕は思う。懐かしさに浸り子供のころの感覚を味わうことはとても楽しいし、あの頃のワクワクとともに自分がどのように大人になったのかを知ることができるからだ。しかしこの映画はこれからにスポットを当てて未来の大切さを語る。未来を生きることを選ぶということは今をこれからも生きていこうということ。自分なりの幸せを感じながら、今を全身で感じて生きていきたいと思った。
あの女の人のパンツが見えたところは映してほしかったなw

投稿 : 2020/03/25
閲覧 : 234
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

答えが解らない「今ここ」を生きる僕たちの物語

作品ラスト5分でしんのすけがケンとチャコに言った「ずるいぞ!!」の一言で僕はいつも泣きそうになる。
子供が、何も彼も捨てて逃げようとする大人に対して放った一言である。

ケンとチャコは何から逃げようとしたのか?
それは端的に言えば「未来」である。大きな物語が終焉し、何を信じていいかわからない現代において、彼らは確実な「過去」を選んで拠り所としようとした。つまりケンとチャコは「未来」の不確実な指標のない「可能性の世界」から逃げようとした。とともに「今ここ」の自分を否定して過去の自分に戻ろうとした。

対して、しんのすけは子供であり過去の蓄積が乏しい存在である。そんな彼にとって未来は希望であり「可能性の世界」なのである。子供であり未熟な存在であるしんのすけが、それでも不確実な指標のない「可能性」にベットすることに鑑賞者は未来の希望をみる。

人間は遠い過去を振り返る時、その記憶が良いもの悪いもの含めて、歩んできた道を「今ここ」に自身が存在している点において肯定し懐古的になってしまう。しかし本当に大切なのは過去の蓄積や「今ここ」にいる私を未来の自分や可能性にベットすることだと私は思う

投稿 : 2019/04/16
閲覧 : 259
ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

雑感。

後半の野原一家の団結力と突破力。これが凄まじい熱量で圧巻される。
そもそも、野原一家(家族)とケン一派の対立というのがテーマ的にもマッチしてるんだよね。だから見応え抜群。

ただ、惜しむらくはケンとチャコに魅力が無いこと。
壮大な計画を企てたケンにしても、明らかにワケ有りな感じのチャコにしても、そうまでして21世紀を嫌悪し、昭和の時代に恋い焦がれるというのが描かれてないんだよなぁ。
視聴者がケンぐらいの年齢層であれば、おそらく回想とかが無くてもケンの心情にすんなり入り込めるんだろうけど、僕ぐらいの年齢だと、正直ケンの内面が全く分からない。

逆にひろしの場合、セリフ無しの走馬燈で描いてくれたことで、後の「家族がいる幸せをあんたたちにも分けてやりたいぐらいだぜ!」がバシッと決まってたよね。
そしてその幸せを思い出させてくれたのが、息子のしんのすけという所がポイント。

投稿 : 2017/12/16
閲覧 : 295
サンキュー:

12

ネタバレ

なる@c さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

21世紀を手に入れろ

言わずと知れたクレしん映画の名作であり、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』と並び最高傑作とされている。筆者の好きな作品はこの二作に加えて『ヘンダーランドの大冒険』、『暗黒タマタマ大追跡』などがある。



未視聴の方が今作の感想を読まれると、緊迫した後半部分についてのものをよく見かけるらしく、かなりハードな映画だと思われるらしい。
じゃあハードではないのか?と聞かれれば、しょっぱなからかなりハードだと返す。

20世紀博に通い詰める大人たち。笑顔ではあるが、自分の子をあまりに放置しすぎている。まるで、子などいなかった頃に戻りたいようだ。あの笑顔は『ヘンダーランドの大冒険』で何もしらずにス・ノーマン・パーと接するしんのすけの周りの人々の顔を想起させる。まだ事は起こっていないのに、開始10分の時点で嫌な予感しかしないのだ。
果たして、事は起こる。ケン&チャコが率いる組織 イエスタディ・ワンスモアが宣言した翌日、オトナたちは迎えの車に乗り、20世紀博へ向かう。古き良き時代を完全に再現したあの土地で永久に暮らそうというのだ。自分の子を置いて。もう、ハードでしかない。

しかし、不安でしょうがないであろうかすかべ防衛隊+シロは気丈だ。悪ガキが占領するコンビニに潜入したり、無人のバーで即興のスナックママコントをしたり。内心穏やかではないだろうが、行動をやめはしない。彼らの幼稚園バス運転シーンは敵の隊員や野原夫妻らとのカーチェイスというアクション要素たっぷりの展開ながら、彼ららしい機転の効かせ方によってコミカルなシーンに仕上がっている。コミカルの上でシリアスが成り立っていることを忘れてはならない。



物語後半はあまりに有名だ。

施設内のオトナは懐かしいにおいによって洗脳されている。しんのすけはその内の一人であるひろし(幼少期)を突き飛ばし、靴を脱がし、そのにおいを嗅がせる。強烈なにおいによってひろしは正気を取り戻すとともに、ここに至るまでの人生を思い返す。自分は子供なんかじゃなく、苦難の、そして素晴らしい人生を歩んできた大人であることに気づくのだ。
ここを詳細に説明することほどの野暮はないと思うので、是非観てほしい。そして、10年後、20年後に再び観てほしい。

同様のやり方でみさえも救出する。
そして、いま自分たちがするべきことを明確にする。



ラストシーンが有名ではあるが、野原一家はその少し前にケン&チャコの自宅にお邪魔している。そこでケンは自分の野望を洗いざらい話すのだ。
「俺たちはこれからスイッチを押しにいく。お前らはそれを防げばいい。未来を変えるには、動くか動かないかだ。どうする?」
太陽の塔とともに20世紀博を象徴するタワー。その頂上にあるスイッチで懐かしいにおいが全国にばら撒かれる。それは、21世紀の終焉、そして永遠の20世紀の幕開けを意味する。
秘密裏ににおいをばら撒くことができたにもかかわらず、ケンは計画を話す。自信があったのか、それとも21世紀というものにまだ少し希望を抱いていたのか。。




走る、という行動は人にポジティブな印象を与える。
『明日のナージャ』のOP冒頭
『NARUTO』のED10サビ
『時をかける少女』例のシーン
『千年女優』例のシーンなど。パッと思いついた数作品だが。
『化物語』OP5サビ前という例外もある。


今作のキモであるしんのすけの階段駆け上がりシーンには、ポジティブなイメージとともにBGMのタイトルでもある「21世紀を手に入れろ」というメッセージをひしひしと感じる。

個人的に「21世紀を手に入れろ」は後世語り継がれるべき劇伴曲と思っている。前述のひろしが正気を取り戻すシーンで流れる「ひろしの回想」のアレンジが前半部分で流れ、バイオリンでタメてから一転してストリングスとティンパニを効かせた重厚な音楽になる。しかしながらバックでは電子的な音がなっていて、21世紀を思わせる曲調だ(電子音楽が7、80年代からあるという当たり前の指摘はご遠慮願う)。転調に次ぐ転調を繰り返し、テンポが早まり、ラストスパートへ。ここまで物語を追えば、視聴者の意識はしんのすけと完全に同化し、あたかも一緒に(もしくはしんのすけとなって)走っているような感覚に陥るのではないか。

作画について。
原恵一監督作品ということもあり、タワーの背景が非常に現実的に描かれている。金属的な質感が丁寧な塗りで表現されていて、重さがある。
また、タイミングも素晴らしく、BGMのメインフレーズが一旦終わり、次のメインフレーズに移行する際の忙しないストリングス音のパートでケン&チャコがエレベーターで昇るシーンが挟まれる。テンポが上がった一番の盛り上がりでしんのすけが階段を昇るシーンに移る。代表的な背景動画シーンであり、徐々に粗くなっていく線が疾走感を引き出す。



あらすじと並走する解説はここまで。

万博世代の方のレビューで「この作品を私達世代以外の日本人が見て面白いのだろうか」という疑問があるが、とても興味深い。むしろ、小学生低学年の頃に映画館で「悪いオトナをぶっつぶせー!」という心持ちで観ていた筆者のようなガキの方が、10年後見返した時にこれ以上なく大人側に感情移入できるのだ。
ひろしの靴のにおいはしばしばギャグに使われるが、回想シーンで先が長いローン返済のため、なにより妻子供を養うために汗を流して働くひろしの姿を見ると印象が変わる。あれは積み重ねた人生の中での努力の結果のものなのだ。
親世代の方は自分に重ねて感情移入できる。子どもは自分の親が少しかっこよく見える。子どもに見せたくないアニメとはなんだったのだろうか。

投稿 : 2016/09/03
閲覧 : 345
サンキュー:

10

ネタバレ

ケロちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

オトナになったのか。いや、

なぜなのか。
いくらか歳を取ってしまった私が
最近になり観返す機会がありました。
やっぱりというか、驚くことにというか、
小学生の頃の感動が色褪せずにあるんです。

まだ小学校低学年だった私が
ひろしの回想シーンを
涙を溜めながらみることになったのは、なぜか。
今考えても答えは見つかりません。

懐かしさなどはまだそうなかったはずなのに。
そして今、私は同じシーンで泣いているんですね。

劇場版には不思議な力でもあるのでしょうか。
それともただ原監督が神憑っていただけなのでしょうか。

年月を重ねてもなお、輝きを放つ作品に出会えたことは
私の人生においてとても貴重な宝物です。

ありがとう、しんちゃん。

投稿 : 2016/04/08
閲覧 : 268
サンキュー:

4

ネタバレ

りゅぅぞぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 2.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

昔のクレしんの中で最も面白くないかも

 大学生時代にみた作品なので、ざっくりと説明します

とある男が昭和の街並みをそのままテーマパークにして

昭和時代を生きていた人たちを虜にし、そこのテーマパークに

すみつき、家に帰らなくなるお話し(;'∀')

ひろしとみさえも同様、家に帰らなくなり

春日部防衛隊がみんなを救おうと出動する( *´艸`)

 クレしんの映画は全部みていますが

これは昔のやつの中では1,2を争うつまらなさですね(*´Д`)

唯一、面白かったところが

まさおくんの運転さばき、運転すると性格が凶変するところw

そこだけは面白かった

投稿 : 2015/10/07
閲覧 : 483
サンキュー:

0

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

【アッパレ戦国】と並んでクレしん二大感動作品と称される本作。
「感動できるか?」と訊かれたら「感動できる」と確かに言える。
ただ、「面白かったか?」と訊かれると、なんとも言えない。

テーマ、メッセージ共に素晴らしい出来であるがゆえに、僕が説明してしまうのは無粋な気がするので、割愛。観れば心に訴えかけるものがあるはずだから。
強いて挙げるなら、ひろしの回想からの「とーちゃん、オラがわかる?」に涙腺を揺さぶられ、しんのすけの必死の走りに胸が熱くなったなぁ……。

物足りなさを抱いてしまうのは、チャコの存在感の薄さだろうか。ぶっちゃけ、このキャラ要らないよね……。
年齢的にも、チャコがそこまで過去に拘るようにも思えないんだよねー。まぁ彼女の場合、ガチで思い入れをもってるケンとは異なって、現実逃避したいだけって感じだけど。
でもそれならそれで、ケンとの温度差のようなものの描写は必要だったんじゃないかな。……かといって、ケンの掘り下げもそこまできっちりしていないのが悩みどころなのだけど。

ひろしとケンが対比の関係に近かったのだし、どうせならしんのすけとチャコの絡みをもっと増やして、最後のシーンに活かしても良かったかもね。


個人的に、ケンの声を務めた人は、もう少し演技にメリハリをつけて欲しかったところ。
しんのすけやボーちゃんに辛酸を舐めさせられたシーンでは、もっと激しくキレてくれてた方が親しみが湧いただろうなぁって思う。
ただでさえギャグ色が薄いのだから、要所要所でパワフルな笑いを盛り込むべきだよね。



……あれ? なんか不満点ばっかり書いてしまってるな。
でも、とても良い作品だとは本当に思ってるんだよ?
バーのシーンもバスのシーンもタワーでのやり取りもしっかり楽しかったし。
たぶん、埼玉紅サソリ隊とか菜々子お姉さんまでもが昭和の匂いにやられてしまっている、というのが、僕的に腑に落ちない大きな要因になっているのだと思う。
ひろしやみさえぐらいの年齢ならばともかく、10代の少女までもが過去に強烈な思い入れがあるというのは、しっくりこなかった。
ここでもまた、紅サソリ隊と中年層との温度差のようなものが描かれていれば、もっと本作のお話に惹き込まれていただろう。

映画として観るには、20分尺が足りなかった。

投稿 : 2015/09/05
閲覧 : 267
ネタバレ

Cat_See さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

人は大事な思い出のためなら我が子をも差し出せる

満足度は適当につけています。

この作品で一番面白かったのは、

もしもクレヨンしんちゃんが最初から諦めていたとしたら、
果たしてどのような世界になったのかとても面白そう

ということでした。

確かにこの作品では、しんちゃんの頑張りにより
大人たちは自分たちの次の世代を思い出した。

でも、もしもクレヨンしんちゃんがあそこで諦めて
あのトラックに乗り、その後も自分勝手に生きていたとしたら、、、

自分にとってはこっちの方がリアリティが大きかったです。

それはもうクレヨンしんちゃんではないし、
作品の趣旨も違うものになってしまうかもしれないけども。

おそらくは違う作品でそのような作品があるかもしれませんが、
それは今後も探してみたいと思いました。

ただ、アニメのためでも我が子は忘れないなと
思ってしまったのはちょっと残念でした。

投稿 : 2015/08/18
閲覧 : 321
サンキュー:

9

ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人になりたい

・監督:原恵一
・敵:ケン、チャコ(イエスタデイ・ワンスモア)

春日部に万博(20世紀博)が。懐かしいアトラクションが多く、大人が嵌ってしまい、それに留まらず、街全体が昔の流行を取り入れ始める。そして大人たちはすべて万博へ連れ去られるが、それはケンの作った懐かしい匂いによるものだった。

21世紀に絶望したケンとチャコが時を戻そう(究極の現実逃避、思い出への回帰)という敵の思想や作品のテーマがかつてないほどに哲学的でかっこいい。

ケンが野原一家にわざわざチャンス(未来への可能性)を与えたのは粋な展開。幼稚園バスを使ってのカーチェイスは見物。さらにひろしの回想シーンは美術・音楽共にアニメ史に残したいほどの名場面。後半は野原一家がただ塔を全力で上っていくだけなのに演出が素晴らしいので非常に感動的な仕上がりに。

他の作品に比べて名台詞も多い。誰もが大人になればあの頃は良かったと過去に思いを馳せることもあるが、そんな過去に浸る大人たちとは対照的にしんのすけは未来への希望を堂々と口にするのがかっこいい。以下、大事な台詞を抜粋。

「昔外の世界がこの町と同じ姿だったころ、人々は夢や希望にあふれていた。21世紀はあんなに輝いていたのに。今の日本に溢れているのは、汚い金と燃えないゴミくらいだ。これが本当にあの21世紀なのか。」byケン

「外の人たちは心が空っぽだから、モノで埋め合わせしてるのよ。だからいらないものばっかり作って、外の世界はどんどん醜くなってゆく。」byチャコ

「俺の人生はつまらなくなんかない!家族のいる幸せをあんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ。」byひろし

「おら、とーちゃんとかーちゃんやひまわりやシロともっと一緒にいたいから。ケンカしたり頭に来たりしても一緒がいいから。あと、オラ大人になりたいから。大人になってお姉さんみたいな綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!!」byしんのすけ

友情・家族愛・笑い・作品に込められた哲学がしつこくなく、ほど良いバランスで成立している。大人も子どもも楽しめる非の打ち所の無い傑作。間違いなくシリーズ歴代最高作であり、アニメ映画のくくりの中でも最高峰の出来だと思う。

投稿 : 2015/08/16
閲覧 : 296
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6

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ひらめ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

今回は頑張って涙こらえました 笑
ひとりで見てた訳じゃないので泣くに泣けなかったです。はい。


{netabare}
あの時代設定だと、どちらかというとしんのすけたち「こども」の視点が一番親近感がわきました。階段かけのぼるシーンにはやっぱりグッときますね!自分たちの時代を手に入れてやる、自分たちの時代を突き進んでやるって感じが伝わってきます。

もう少し年取って親世代になったら、ひろしの回想シーンあたりがグッとくるんですかね。まあ、今でも十分ウルっとくるんですがね。やっぱりあの音楽は卑怯です 笑
{/netabare}


これを見ると、この21世紀を頑張って生きてみようって気持ちになります!
オトナ帝国いいね!

投稿 : 2015/07/05
閲覧 : 254
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2

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オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自分が見たクレしん映画では一番好き

この映画の初見当時、園児か小学低学年くらいで、昔の事なんかロクに知らないが、それでもヒロシの回想にはいろいろと思うところがあった。ラストの野原一家が鉄塔を上るところ、特にしんのすけが階段をボロボロになりながら駆け上がる姿には泣いた。そのシーンの作画もかなり頑張っていた。

投稿 : 2015/05/10
閲覧 : 287
サンキュー:

4

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ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ノスタルジーとおふざけアクションがいい。

 キャッチの方の深いレビューを読みなるほどと思い もう一回みて観る事にしました。

 初回は、夫がレンタルで借りてきて家族そろって観た時でした。夫の方が世代的にえらく共感し その後もたまに借りてきて一人で観ていました。

 もう大きくなった子どもに 当時どんなとこがおもしろかったのと聞くと 「ノスタルジーなんてわからなかったけど クレしんの中でも ノリが良くて今でも好きだよ。 しんちゃんサイドで観ていたからね。かすかべ防衛隊の活躍 バスのシーンとか前半のほうが好きかな。後で野原一家が 頑張るところとか…」と話してくれました。子どもはノリを楽しんでいたようです。
  
 大人が懐かしむことは いいけど そこに踏みとどまらず前を向いて進む事をしんちゃんは 我々大人に忠告してくれました。子どもらは今を 一生懸命生きているからね。

 私は大人向き子ども向きにこだわらず 家族で楽しむ これがしんちゃんの映画のスタイルだと思っています。

(なんだか(´・ω・`;A) とりとめもないメモ書きになってしまいました。)

投稿 : 2015/04/23
閲覧 : 432
サンキュー:

20

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ghibli さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

家族を持ちたい

誰もが一度は見たことがあるであろうクレヨンしんちゃんの代表作。
僕も子供の時に見て以来、久しぶりの視聴。

見終わって一言。家族を持ちたい。

僕は基本的に作品の設定、もしくは登場人物を自分と置き換えて見るのが好きなので、今回の場合は、過去へのノスタルジー。
高校、大学と、節目があるごとに、過去の方がよかった、と思う僕にとって、とても親近感の湧く話でした(おそらく多くの方が共感されることと思います)。

物語の途中、今の自分なら、過去へとどまることを選択すると思って見ていました。

作中にもあるように、過去は希望であふれ、やさしい人たちであふれ、毎日が輝いていました。今まで多くの人たちに支えてもらって今の僕があると思います。
その過去にとどまれる。まさに夢のようです。

しかしながらその思いは最後のパートで覆されます。
ひろしの回想シーン、野原一家の団結、必死に階段を駆け上がるしんちゃん。

僕が真っ先に感じたのは、家族を持ちたい、でした。
野原家のように、普段はたとえけんかしても、いざというときに団結し、一緒にいたいと思えるような家庭を作りたい。

この作品を見終えた時、僕の視点は間違いなく未来へ向かっていました。

ここで、電話機の発明者、グラハム・ベルの言葉を。

「一つのドアが閉まると、別のドアが開く。しかし私達は閉まったドアをずっと後悔して見つめているので、新しいドアがすでに開いていることに気がつかない」

この作品を見終えて、過去のドアから未来のドアを見つめるとき、希望が見える人もいれば、真っ暗に見える人もいるでしょう。僕の場合は後者です。

そこで、ベルの言葉をもう一つ。

「目の前の仕事に専念せよ。太陽光も一点に集めなければ発火しない」

自分の今やることを一つ一つやり遂げて、希望の光を燃やしたい。そう思います。

投稿 : 2015/04/20
閲覧 : 262
サンキュー:

4

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思い出はいつも綺麗だけど<色々修正>

オトナ帝国の逆襲。本作はオトナ帝国との対峙をメインにオモシロオカシク、時にジンワリググット、色々な感情にさせられる作品。喜怒哀楽揃って、そのそれぞれがどれも一級品だと疑う余地なく、と、そんな感じですw

ただ、本作は感情バロメーターとして激熱な作品ですが、メッセージが結構奥深い。なんせ万博から21世紀に至るまでの時代の流れをメインに据えながら、次世代へ向かうことや、幸せなんていうことまで描いているので、


■懐かしい匂い
20世紀博という会場から本作は始まり、その懐かしい匂いにつられ、ひろしみさえ始め大人達が子供の精神にされ、オトナ帝国(イエスタデイワンスモア)の一員になってしまう。作中のセリフから言えば「現実の21世紀の放つ匂いは、俺には耐えがたい悪臭だ。俺たちが昔憧れた夢の21世紀はこんなのじゃない」と過去に焦がれたオトナ帝国と戦う流れ。

オトナ帝国通称、イエスタデイワンスモアの名前(カーペンターズの名曲)から始まり、各所で昭和が用意されていて、ウルトラマンのゴモラや旧車等々、私でも分かる位の昭和の匂いを漂わせてくる。

あくまでも昭和テイスト作で語られる範疇の想像ですが、この時代に戻りたい気持ちって分からなくもない。白黒テレビに色がついたように、目新しいモノであふれている世界。かつて浦沢直樹がこの時代の心境を、鉄腕アトムが空を飛ぶような、新幹線が未来に連れてってくれるような感覚と言っていたのを思い出した。


■ひろしの決断
作中に話を戻すと、ああだこうだあってしんのすけが、子供状態のひろしを見つけて元のひろしに戻すのですが、これがひろしの靴の匂いで洗脳を解くんですよね。ここが上手い。
しんのすけ「時代は変わっても父ちゃんは父ちゃん。足の臭さで分かるでしょ?(趣旨)」そこで、ひろしが自分の人生を走馬灯のように回想し、涙を振り切って目覚める

本作のハイライトはひろしが「懐かしくて頭がおかしくなりそうだぜ」と涙ながらに、魅力的な過去(社会に与えられた物語)を断念し、家族(自ら掴み取った現代の物語)を取り戻す所でしょう。昭和テイストで彩りがならも、しっかりと過去と決別をし、21世紀へ自らの手で掴み取った「決断」を全面に押し出した作品だと思う。

「俺の人生はつまらなくなんかない!家族のいる幸せをお前たちに分けてやりたいぐらいだぜ!! 」いつかこんな事を言えるオトナになっていたいです。

自分の中にも大切な物語があると伝えてくれる、過去現在未来へと続く作品。ED曲がラスボスこと小林幸子さんが良かった。堅苦しいレビューになってしまいましたが、本作がすんごい作品なのは疑う余地なしです。

投稿 : 2015/03/16
閲覧 : 467
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runa21 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

大人と子どもの境界線

クレヨンしんちゃん好きな友達に
一番おすすめの映画は?
っと聞いたら、これを進めてくれました。


一番有名なのは戦国だけど、
自分はこれが一番の名作だと思う。


と言って進めてくれたのですが、
その言葉に違わず、とてもよかったです。


一番いいポイントは
ほかの方のレビューでも書かれていましたが、
やはりヒロシの回想シーンでしょう。


親から子へ、
そしてその子が親になり
自分の子どもへ
受け継がれていく様子が
伝わってきます。


ヒロシの回想で、
ミサエと出会って、
しんちゃんが生まれたあたりから、
ヒロシの顔つきががらりと変わるんです。

多分この瞬間に
ヒロシは「大人」になったんだと
なんとなく思いました。



あと、印象だったのは
しんちゃんが
妹であるヒマワリにとても優しいこと。

ヒマワリが食べたいとしぐさで表せば
自分のお菓子を分け与えてあげるし、
飲み物が飲みたいといえば
自分のジュースを分けてあげている。


その様子が
「えらいな~」
っと単純に思いました。

姉の子どもたちは
こんなに下の子にやさしくありません(ひどい)

いや、なんといいますか、
子どもって、自分の欲求に素直で、
好きなものは、貸すことも嫌なんですよね。
自分のものを分け与えるのでなく
下の子に奪われるって感じるものなんです。

だから、ヒマワリにたいするしんちゃんの態度が
ものすっごく意外でした。


自分はテレビアニメの方は
ヒマワリが生まれたあたりから
見ていなくて、
正直しんちゃんがお兄ちゃんになるなんて
信じられなかったのですが、
この映画を見て考えを改めましたね。



そしてクレヨンしんちゃんならではの
笑いが随所にちりばめられていて、
しんみりするところあり、
笑えるところあり、
くだらないところあり、
で、物語全体の緩急が優れていると感じました。


この映画は子ども向けかもしれないが
大人こそが見るべき映画なのかもしれない。

投稿 : 2015/01/17
閲覧 : 308
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23

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フローズン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

初めて涙を流した作品

・アニメや映画など、多くはないが滞りなくコンテンツを消費してきた私が初めて感涙した作品
・最初に見たときは小学生の頃で、大人がいなくなり自由にコンビニやデパートを闊歩し寝泊まりするという状況にのみ興奮していた
・しかし、最近になり改めて見返し、ひろしの回想に目をしばたたかせざるを得ない
・俺の人生はつまらなくなんかない、回想、これは卑怯ですよ
・誰しもが子供に帰りたいのを肯定しつつ前向きにさせる、娯楽の域を超えた革命的作品

投稿 : 2014/07/01
閲覧 : 306
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9

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水音 秋 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

しんちゃんって結構深いアニメですね。特に映画では。
私はしんちゃんのように親をこちら側に引き戻す自信がないです。
多分私だったら心地の良い世界にいたいと思うから。
登場人物の大体が強いんですね。
私はチャコたちのほうに共感しました

投稿 : 2013/11/04
閲覧 : 244
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1

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青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

オラ、早く大人になってキレイなお姉さんとお付き合いしたい!

しんちゃん映画の中でも特に傑作との呼び声が高い作品。
子どもの付き添いで観に行ったはずが、逆に自分のほうが惹きこまれてしまう親が続出したそうな。

それもそのはず!
この時代を知らない平成生まれの僕でも、なんか良いなーと感じるのだ。昭和を生きてきた人は尚更だろう。
作中の大人たちが皆心奪われてしまった古き良き昭和の懐かしい香りが、画面を通して漏れ出していてもおかしくない。

そんな「昔」に囚われる大人たちを救うため、かすかべ防衛隊が立ち上がる。
作品は後半になるにつれシリアス度が増すが、スナックでのコントや、みんながバスを運転するシーンなど
前半のかすかべ防衛隊のやり取りはこっけいで面白い。

そして、ひろしが我に返るシーンでこの作品は最初のクライマックスを迎える。足の臭さで懐かしい匂いを打ち消すという、ひろしならではの解決法で笑いを誘うかと思えば
その後のひろしの回想シーン→しんのすけ「父ちゃん、オラがわかる?」
…BGMの良さも含め、このシーンの完成度・感動度はスゴイ!
智也と汐のひまわり畑のシーンに並び、親子の絆を感じさせる名場面です!今でも感動するんだから、家庭を持ってから観たらやばいだろうな…。


そして真のクライマックス。
イエスタデイ・ワンスモアの野望を止めるため、大人になりたいしんちゃんが階段を必死で駆け上がるシーンには胸と目頭が熱くなった。普段はお気楽なしんちゃんが転んでも転んでも一生懸命走り続ける姿は、作画とBGMの素晴らしさも加わってモーレツな感動を与えてくれる。

ヒトはどうしても過去を美化してしまう。
昔の○○は良かった、あの頃は楽しかったと……時には後ろを振り返ることも大切だけど、それに囚われて今や未来を見失ってしまうのは悲しい。
早く大人になりたいと思ってた子どもの頃の気持ち、大人になって忘れてしまった人は多いんじゃないだろうか。
そんなミライに対する希望を思い出させてくれる素敵な作品です。

投稿 : 2013/11/02
閲覧 : 276
サンキュー:

10

ネタバレ

お抹茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ひろしの回想シーンが神

映画公開当時はまだ学生だったせいかギャグシーンで笑ったぐらいで他のシーンはなんとも思いませんでした。
しかし、社会人になって改めて見てみると、ひろしの回想シーンがとてもぐっときました。
大人になると評価がまたかわる良い例だと思います。

投稿 : 2013/10/14
閲覧 : 248
サンキュー:

3

ネタバレ

milkysunse さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

再評価

(※視聴5年後のレビューです)
インターネットでこの作品を調べて見ると、隠された意味が
多く含まれていることに気づいた。
正直、ストーリーはほとんど覚えていません。。
しかし、メッセージ性を多分に含んだ作品です。

投稿 : 2013/08/20
閲覧 : 206
サンキュー:

1

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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲のストーリー・あらすじ

昔懐かしいテレビ番組や映画、暮らし等が再現された「20世紀博」というテーマパークが日本各地で開催されていた。毎日付き合わされていい加減辟易しているしんのすけら子供達を尻目に、ひろしやみさえら大人達は、懐かしさに触れて20世紀博を満喫する。街中でも昔の自動車やレコード、白黒テレビといった古いものが売れるようになり、帰宅しても大人達は昔の懐かしい特撮番組やアニメ番組に取り憑かれたかのように夢中になる。ある晩、テレビで『20世紀博』から「明日、お迎えにあがります」という放送があり、これを見た大人達は突然人が変わったようになり、すぐさま眠りについてしまった。
(アニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2001年4月21日
制作会社
シンエイ動画
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%81%97%E3%82%93%...
主題歌
≪ED≫こばやしさちこ『元気でいてね』

声優・キャラクター

矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、真柴摩利、林玉緒、一龍斎貞友、佐藤智恵、津嘉山正種、小林愛、関根勤、小堺一機

スタッフ

原作:臼井儀人、 監督:原恵一、脚本:原恵一、演出:水島努、作画監督:原勝徳/堤のりゆき/間々田益男、キャラクターデザイン:末吉裕一郎/原勝徳、音楽:荒川敏行

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