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「千年女優(アニメ映画)」

総合得点
71.9
感想・評価
445
棚に入れた
2149
ランキング
1231
★★★★☆ 3.9 (445)
物語
3.9
作画
4.2
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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千年女優の感想・評価はどうでしたか?

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

現在リバイバル上映中なので是非。尺が86分とか本当にパないの。

夢や妄想を描き続けた今監督であるが、本作では過去、現在、フィクションが交錯するという実に斬新な構成で一人の女優の生涯を描くという興味深い挑戦を行っている。偶然なのか、「ホーリーモーターズ」というフランス映画の構成に似ている。


 作画などの美術全般は、流石のマッドハウスクオリティーで安心して見ることができる。雪の中、主人公が走るシーンなんて見事!。


 ストーリーは、どちらかというとサスペンスフルなサイコスリラーものを描く傾向が今監督であるが、本作は所々ギャグも挟んでいる明るい作風で楽しい。そして一人の女優が追い求めつ続けた果ての答えとは?。


 人の人生を意義付けるのは、金銭でも、名声でもなく、目標の内容ですらない。目標を目指して生を緊張させ、努力し続けるかどうかにかかっているというオルテガの言葉を思わせる前向きなメッセージが心地よい。


 それにしても、今監督の夭折は悔やんでも悔やみ切れぬ。細田監督のように売れまくり作品ではなくても、味わい深い傑作をまだまだ作れる人だったのになぁ…。

投稿 : 2024/01/22
閲覧 : 383
サンキュー:

23

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とんでもなく素晴らしい作品

千代子の半生と映画の世界が混じり合いながら話が進むという構成だけで、もうすごい。

それなのに、動きの作画も素晴らしいし、映像としての魅せ方も良くて、最高だった。

物語も、結末が全然予想できず、最後まで「再会できるのかできないのか」というハラハラした気持ちを持ちながら見られた。

こんな素晴らしい発想と映像美の作品は、なかなかないと思う。

22年も経ってから知ることになるなんて。もっと早く出会いたかった

投稿 : 2023/01/16
閲覧 : 110
サンキュー:

2

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一途な愛を貫いた大女優の物語

ヒロインである藤原千代子という大女優を通して彼女にインタビューをする形式でその波乱に富んだ半生を振り返っていくという内容でした。

映画女優という事もあり、女優としてスカウトされる少女時代から戦前、戦時中、戦後と激動の時代が描かれる中でその当時に出演していた映画の世界とも絡められていくのですが、名作として名高い蜘蛛巣城や無法松の一生などのオマージュも見られ、監督の日本映画への思い入れが感じられます。

千代子が生涯を通して恋をして行方を追い求めた鍵の君。まさに本作のキーワードといっていい存在ですが、一途に愛する千代子もさる事ながら陰の君が羨ましいですね。異性にそれほどまでに愛される事は冥利に尽きるのではないでしょうか。

しいていうと、狂言回しをしたインタビュワーの二人がちとくどかったなという印象でしたが、間違いなく名作といえる一本です。

投稿 : 2023/01/16
閲覧 : 126
サンキュー:

6

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2022.12.1

2回目2022.12.1

投稿 : 2022/12/01
閲覧 : 80
サンキュー:

0

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人生を映し、表現に生きる

大女優が回想するのは、千年を重ねた人生。


それは演じ分けてきた役柄の喜怒哀楽のこと。

それを演じ続けてきた役者の喜怒哀楽のこと。


分厚い台本と、発止と響くカチンコから生み出される体当たりの演技が、そう。

エンドロールに浮かんでは消える兵(つわもの)らと膝をつめ合った夢想の結晶も、そう。


~     ~     ~


女優は人生に花を咲かせ、観客はその花を人生に添える。

過去から未来へと苦楽を往来させながら、自分を明日へと踏み出す気概に変える。


観客にバトンされた女優の意志は、やがてあまたの人生を色めかせる糧となるのです。

千年の光明となり、万人の千引きとなるのです。


~     ~     ~


この上なく引き締まったエンターテインメントです。

きっと男女の色もようがしっかりと下支えしているからでしょう。


行きずりのちぎりに恋を追いかけ、永遠の愛へとわたしを貫いていく。


それが鍵と共に生きてきた彼女が、ようやく見つけた "幕の下ろし方" なのだろうと思いました。

投稿 : 2022/09/03
閲覧 : 214
サンキュー:

12

Triazole さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

圧倒的

故・今敏監督の圧倒的な才能を堪能できます。

劇中劇ような形で虚実入り乱れながら進んでいく物語は、ともすれば視聴者をおいてけぼりにしかねないバランスです。一歩間違うとそのまま離れていってしまいそうなところを、それでもグイグイと引っ張っていく作品の力強さは、今監督の技量の高さゆえだと思います。初視聴は学生の頃でしたが、作画・演出ともに非常に高水準に達していることが素人目にも分かる、そんな作品です。
またこの作品で初タッグを組んだ平沢進御大の音楽も、作品に耽溺することに一役買っていることは間違いないでしょう。

正直なところ「万人受けする作品である」と太鼓判推すことは難しいです。同監督であれば『東京ゴッドファーザーズ』の方がストーリーもとっつきやすいとは思います。ですが、個人的には大好きな作品ですし、「イズム」を強く感じる貴重な映画だと思います。

投稿 : 2022/08/29
閲覧 : 98
サンキュー:

2

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2022年8月7日本日BS12で19時より放映!

今敏監督の作品の中で一番好きなアニメです。

瞬間瞬間で「え?」って感じで場面が変わる

意表を突いた構図が面白いのですが

2度目に観た時は千代子の生涯の話として

しっかり観ることが出来ました。

老いながら夢を追う事を想い出す

幸せな人生の閉じ方です。

録画して2回以上は観て欲しいアニメです。

投稿 : 2022/08/07
閲覧 : 147
サンキュー:

6

ネタバレ

祇園 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

だってあたし、あの人追いかけているあたしが好きなんだもの。

投稿 : 2022/07/23
閲覧 : 124
サンキュー:

0

ネタバレ

publica さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/02/17
閲覧 : 129
サンキュー:

0

camuson さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

印象度:45

劇場用のアニメなので、丁寧につくってあることは間違いないのですが、
どうも、私には合わない作品でした。

主要な登場人物は以下の3人です。
隠遁生活をしている往年の大女優。
そのドキュメンタリーをつくろうとしてインタビューをするおっさんP。
(小さな映像製作会社の社長らしい。プロデューサー兼ディレクターか?)
おっさんPが連れてきた関西弁若手カメラマン。

女優が若き日の役柄を回想する度に、
女優の大ファンのおっさんPと若手カメラマンが回想の中に入り込み
おっさんPは、劇中の登場人物となって、
自らの犠牲を顧みずに女優を助け、その忍ぶ愛に酔い、
若手カメラマンはそれに対して、
関西弁で突っ込みを入れつつも撮影続けるというスタイルです。

デフォルメを抑えたキャラクターに細かい演技をさせて、
コントの真似事をさせているわけですが、
これが決定的に面白くないというか、肌に合いませんでした。

不気味の谷に近付いているのでしょうかね。
わざわざアニメらしくないことをして、
わざわざアニメでは難しいことをして、
失敗しているなと思いました。

投稿 : 2022/02/08
閲覧 : 182
サンキュー:

2

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い

登場してくる大女優の一言に、「ああ、知らず知らずのうちにそうなっている人いるなぁ。男でも女でも」と思いました。

内側から自然に湧き出てくるものじゃなくて、外側から自分の存在を固めたくなる。自身を振り返ると共感する部分もありますし、気を付けないとと思いました。

一度に理解しがたい、というか理解できているのかわからない部分もありますが、良い作品だと思います。

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 263
サンキュー:

2

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:----

ちょっと泣いちゃったよ

今敏監督の作品は怖い感じのものが多いけどこの作品は楽しくて見やすく、結構分かりやすい。想像以上に良かった。



今敏作品を今になって追いかけてる自分が好きなんだよね()

投稿 : 2021/08/04
閲覧 : 170
サンキュー:

3

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

今敏監督にしては若干テーマが「弱い」

「パーフェクトブルー」や「パプリカ」は映像的にもシナリオ的にも非常に良く出来た作品だが、「東京ゴッドファーザーズ」や「千年女優」は今監督にしてはテーマが弱く、構成が煩雑な作りになっている。恐らくは構想が纏まりきらない状態で制作しているからであり、全体的に締まりのない結果に収まっているからだろう。
作画に関しては今のアニメでは表現できないような細かでリアル描写がよくできているが、シナリオが浮いているだけに、結局何が何やらわからなくなってしまっている。

恐らくは「妄想代理人」くらいから改めて全体を通しての筋立て構成を意識し始めてからまた面白くなるという。一種の実験のような作品だと思います。

投稿 : 2021/02/03
閲覧 : 346
サンキュー:

11

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

伝説の大女優の半生を綴った作品

若くして逝去した今敏監督作品。
原作のないオリジナルアニメで、今敏は本作で国際的な賞を受賞しました。
また、本作以降の作品で、今敏は平沢進とタッグを組み始めます。本作の主題歌、BGMは平沢進が手掛けています。

映画会社「銀映」の撮影所取り壊しを気に伝説の大女優「藤原 千代子」のドキュメンタリー作成を取り付けることができた映像制作会社社長の「立花 源也」とカメラマンの「井田 恭二」。
本作は二人による千代子へのインタビューという形式で話が進みます。
インタビュー前に立花より、とある思い出の鍵を受け取った千代子は、自分が役者になる切っ掛けから滔々と語り始めるのですが、彼女の半生を語る内に"想い出"と"映画"の中の出来事が織り混ざってくる。
想い出の中の千代子は時を超え、あるときはくノ一になってカゴを襲い、ある時は幕末の京都で遊郭と抜け出し、戦時中、爆弾が落ちる中あの人の面影を追いかけ、虜囚になり、奸計に嵌り、ロケットに乗って宇宙の果まで追いかける展開です。
すべてがすべて事実ではないのですがそれは問題ではなく、ただ、時を超えてひたすら一途に追い求める物語となっています。

物語の変化が独創的で面白かったです。
パラパラと切り替わってゆきながら、気がつけば作中のキャラクターが少しずつ年を取っていくのが見事。
2人のおじさんと前線を退いた女優がメインという渋いストーリーなのに、どんどん引き込まれて、およそ90分あっという間でした。

ただ、最後は残念な終わり方だと思います。
実は物語はとうの昔に終わっていたということを、視聴者は知ります。
結局、鍵とはなんだったのか、根本的なところで謎を残したまま終幕となり、余韻を感じることもなかったです。
必死に追いかけ続けた千代子の半生の結末として、これでいいのだろうかと、面白かったですが、テーマがぼやけている感じがあると思いました。

他のレビューを見てみるとラストは賛否があるようですね。
最後だけ"うーん"となりましたが、途中は良かった。一度観てほしい作品です。

投稿 : 2021/01/11
閲覧 : 184
サンキュー:

1

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

好みじゃなかった。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス、ジェンコ
2002年9月14日に公開されたオリジナル劇場アニメ。
監督は、今敏。

【あらすじ】

映像制作会社の社長で60歳になる立花源也は、若い頃は映画会社「銀映」に所属していた。

その「銀映」が老朽化した撮影所の閉鎖・解体となり、創立70周年のメモリアルとして、
立花が熱烈な大ファンであり、30年前に引退した映画全盛期の看板大女優・藤原千代子、
この物語の主人公である彼女の足跡をたどる企画で取材を申し込み、了承を得た。

千代子は芸能界を引退して隠棲しており、
取材を受け付けるのも30年ぶりとのことであった。

カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れた源也。
源也は取材の際に小さな箱を千代子に差し出した。
中に入っていたのは昔拾った鍵であり「銀映」時代の千代子が失くした大切なもので、
源也も送り先がわからずに保管していたという。

千代子は鍵を手に取り懐かしみ、自分の過去を語りだした。
彼女の記憶の中の生涯と映画の世界が今と混ざり合い、どこまでが現実なのか?
源也たちは、幻想世界(千代子の半生と映画が混ざり合った世界)の配役として、
彼女の物語に参加しているのだった。

【感想】

1923年の関東大震災と同時に生まれた少女が一期一会の短い出会いで恋をして、
そして離れ離れになってしまった名前を知らない「あの人」を追いかけ続けるために、
女優になり、やがて大スターとなった藤原千代子の生涯を、
少女期・おとな時代・老年期と3人1役で綴った話。
取材で姿を見せた千代子は美しく老いて品があり、
少女期から70歳を超えた現代に至るまで順繰りに時代時代の姿の変化を見せながら、
古き良き昭和のノスタルジーを表現するのが中心なのかな?
との視聴前の予想は半分はハズレ。

実際は、姫や忍者や遊女など銀幕女優時代に千代子が演じたキャラと作品世界を借りて、
目まぐるしく七変化を繰り返しながら、会いたい人への一途な思いを表現していくのを、
取材の二人が時には見守り時には首を突っ込むメタ構造。

演出のやり方に才能・素晴らしい独自性とよく讃えられるのですが、
現在と過去と映画の世界の境目を曖昧にして、次々と舞台を変化していくやり方は、
『うる星やつら』の『ビューティフル・ドリーマー』と『ラム・ザ・フォーエバー』
での夢と現実の話を視聴済みですので、個人的には新味を感じられなかったりします。

ヒロインの会いたいけど会えない積年の切ない想いが芯にあるわけですが、
逃亡犯となった想い人である「あの人」の出番がごく僅かである一方で、
映画の幻想世界の先々で敵と相まみえる千代子に源也が助太刀をしては、
千代子は源也らを置いて行っては「あの人」に会いに一つ先の世界に入っていくの繰り返し。
そこは作り話の映像化で可笑しみを潤滑油として受け入れられる人には楽しいのでしょうけど、
それがコメディチックで茶番に見えてしまい、千代子の物語に対してはノイズでした。

今敏作品でのキャラ同士の掛け合いは人の純朴さや善意での情緒の成分が薄く、
どちらかというと人間関係の不協和音やミステリー成分で引っ張るというパターンが多め。

『千年女優』でも、千代子→鍵の人、源也→千代子への思慕はともかくとして、
欲望や嫉妬などネガティブな感情に人生を弄ばれる千代子という形で、
それらを経た後に結局は「あの人」と会えたのか?
絵の具箱のものに違いない鍵を正体不明ということにした物語上の意味は?
などと、どういうオチを見せるのか?と、謎を引っ張りに引っ張ったのですが、

この物語で結局やりたかったことは、千代子の最後のセリフに集約されていて、
もともとは恋愛物語ではなくて、千代子の行動原理や生き方の話に落ち着いていますね。
一生をかけてなにかしらの役割を演じる人生に美学を見出したりする、
そういう作品なのでしょうか?鍵を肌身離さず身につけて、
「鍵の人」との再会の約束を守ることを固く心に持ち続け、
「鍵の人」への想いを投影することで演技に彼女の心を込める。
それが彼女の女優として生きるエネルギー源だった。

だが撮影中に、大女優と呼ばれてはいるものの40代の現実の自分の姿を見て、
「鍵の人」と出会った頃のうら若き乙女でない、歳を重ねた姿を見られたくない事を実感して、
鍵をその場に残して撮影場から逃げて芸能界からそのまま引退してしまった。
千代子の「鍵の人」への想いとは結局は純然たる恋愛という話ではなく、
ただの女学生だった千代子を女優という生き物に変えるのに不可欠なパーツだった。
だからこそ彼の前の再び立つモチベが年齢で失われたときに女優である理由が消滅してしまった。
そして、源也によって鍵が自分の手に戻ったことで女優だったときの心が30年ぶりに蘇った。
というふうに、非常に内向きな精神の話。

それらに、『千年女優』という言葉の意味を千代子に当てはめて、得心するのですが、
結果よりも千代子の人生という物語の過程のひとつひとつに面白さを感じて、
更にはこの作品の結末にスッキリできた人には良い作品であったとは思います。

ただ、自分の場合は対話などのつながりで人間関係を構築して、
ストーリーを膨らませていくタイプの群像劇が好みですので、
結局、これは千代子が「鍵の人」を鏡にしたナルシズムに基づく人生の話であるという解釈で、
今敏作品共通の他人との精神的つながりの希薄さも手伝ってあまり感動しなかったのが、
見て正直に感じたところでした。

それにしても、今敏作品って心が病んでたり闇を抱えてる登場人物が多いですね。
そこも含めて持ち味。クリエイターによって個性は様々で面白いなとは思いました。


これにて感想を終わります。

投稿 : 2021/01/08
閲覧 : 264
サンキュー:

28

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

前作とは打って変わって・・・・・

エロいシーンがない、今監督の作品の中で唯一かな?

投稿 : 2020/11/28
閲覧 : 164
サンキュー:

0

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人生はドラマ、ドラマは人生

天才の仕事だ。

劇中劇。レポーターとカメラマンが劇中劇にシンクロし主役の女優と共演する。

戦前、戦中、戦後を生き抜いた大女優の生きた目的を、主演ドラマ(戦国時代〜月基地)のクライマックスをつなぎ合わせ、90分程度で描き切ったアニメ。

アクションもディテールも素晴らしい。
老女となった女優がリアルで美しい。他ではあまり見ない。

投稿 : 2020/08/06
閲覧 : 214
サンキュー:

17

ネタバレ

!? さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なかなか良かった

最後泣いた

投稿 : 2020/06/09
閲覧 : 177
サンキュー:

2

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

千代に八千代に千変万化

オリジナルアニメ劇場版


『東京ゴッドファーザーズ』に端を発しての今敏監督作品3本目の視聴。『PERFECT BLUE』を挟んで本作です。

氏の作品については、“虚構”と“現実”入り乱れる作風が特徴との交流あるレビュアーさんの言及があり、まさにその通りなんだろうと思います。
前作『PERFECT BLUE』でも、本作『千年女優』でも物語の主役は“女優”です。作り手が発信したいメッセージを表現するには、虚構を演じる職業柄“女優”という属性は語り部にふさわしいのかもしれません。

両作品とも現在進行形の今(現実)があって、そこに撮影シーンいわゆる劇中劇(虚構)が挿入されて次第に溶け合っていくのを基本構成としてました。
基本構成のみが前作とすれば、本作では女優藤原千代子の過去語り(回想)も加わることでより一層カオス度合いが増した印象。それでいて最後はきっちり収束するので観てて心地よかったです。
“女優”を扱った同氏の作品を続けて鑑賞したのはよい対比となりました。視聴順の推奨というほどでもありませんが、これからご覧なられる方は片隅にでも留意いただけるとよいかもです。


隠居した往年の名女優のインタビューをとりに女優宅を映像制作会社の社長さんが訪れるところから物語はスタート。
女優の名は藤原千代子。千代子の大ファンでもある社長さんは立花源也。千代子の半生を辿るドキュメンタリー製作が口実での訪問だったが、その半生がどういったものかもそしてインタビューを千代子が受けようとした理由も、鍵を握るのは立花が持参したあるおみやげでした、と。
以後、千代子が女優になったきっかけからの回想が始まり、出演映画のシーンも織り交ぜながら想い人である絵描きの青年を追いかけるストーリーが展開されていきます。はたして想いは成就されるのされないの?に視点を置いての鑑賞になるでしょう。


以下2点の両立がなされているところは高く評価したいです。

 1.上っ面だけかすめても面白い
 2.小難しく考えても面白い

どっちかに特化しても良いんですけどね。


1.上っ面だけかすめても面白い

映画の大半を占める千代子の半生語りの回想は、劇中劇と合わせて独特の空気を醸し出してます。普通は回想と現在との2本立てなところを、“回想”“劇中劇”“現在”3本立てで構成されているのは先述の通りです。それが溶け合ってチャンプルーしてるのが特徴となります。
複数場面が溶け合ってることのみならず、そこに登場するキャラにも捻りを加えてきます。過去の千代子、役を演じてる千代子、現在の千代子とその場面に合わせた登場人物たち。加えてインタビュアーたる立花と同行のアシスタントくんが回想と劇中劇にも顔を出してくるのです。なかなかお目にかかれない演出です。視聴者が??となりそうな箇所ではアシスタントくんが適度なツッコミを入れてくれるので置き去りにならない設計になってるとも思いました。
ここまででも新鮮味がある作品設計という強みがあるのですが、なによりテンポがよいのです。そして美しいのです。そんなお金かけてる気はしないんですが。。。
{netabare}馬賊に襲われているところからの戦国への転調シーンなど本来なら不自然なはずなのにカット割りが自然で気にならない。{/netabare}
{netabare}町娘が追いかけてる時の背景が浮世絵絵巻物風で、美しいと思える背景美術となっている。{/netabare}
{netabare}映画全盛期の昭和30年代。街並みから映画チラシ。家の中の家具調度品などの郷愁感。すなわち『三丁目の夕日』感っていうやつです。もしくは『新横浜ラーメン博物館』感のどちらでも。{/netabare}
{netabare}印象深いのは雪景色。絵描きの青年との出会い/別離のシーンであったり、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」的なシーンもありました。そのまんまでも綺麗なのですが、{netabare}絵描きの青年(役名は鍵の男)の郷土北海道の暗喩だったんでしょうね。{/netabare}{/netabare}

そもそもの話で、おばあちゃん千代子さんの佇まいの品の良さとたまに見せる少女のかわいらしさには触れておきたいかも。ヒロインへの感情移入の土台となるのは、往年の名女優の現在の立ち居振る舞いだったと感じます。
めくるめく場面展開の独創性が面白さの源泉であり、本流である想い人を追いかけるエモさは古今東西受け入れやすかろう物語でした。締めの一言がラブストーリーとして見立てた本作の評価に直結するくらいでしょうが、賛否両論あるくらいがこの作品にスパイスが利いていた証左です。


2.小難しく考えても面白い

やはり幕の降ろし方が気になります。
頭を使いそうな作品に遭遇した時、理解の手助けの一つとして冒頭シーンの意味をよく考えたりします。作品の開幕に監督がどのような意図をもって何を用意したかが表れているから、が理由。
その視点で本作を眺めた場合、※以下視聴済の方向けネタバレ

{netabare}千代子にとって想い人を追いかけることを止めて女優も引退したという人生の分岐点があの宇宙飛行士役の一幕でした。
“鍵”“地震”“老婆”“鍵の男”なにかしら示唆する暗喩めいたものは数多く配置されてるのが本作です。この宇宙飛行のシーンは冒頭と中間そしてラストと都合3回出てきますが、中間部分で二度目の鍵の紛失という事態に見舞われます。
一度目の紛失の際、千代子は結婚し家庭に入ってしまいます。劇中劇は「もう顔も思いだせない」と咽び泣いた教員役の1カットのみ。触れられてませんが、鍵が見つかるまで教員役以外の“女優”藤原千代子の描写がありません。
二度目の紛失の際には女優を引退し鎌倉だか葉山に引っ込んでしまい今日に至るといった具合です。
鍵とはどういった意味を持つものか?について鍵の男は言いました。

 {netabare}一番大切なものを開ける鍵{/netabare}

鍵を無くした時期に失っていたもの = 一番大切なもの ということなのでしょう。振り返れば劇中劇の多くは想い人を追っている描写で埋められてました。
どこかに辿りついて鍵を開けるのがゴールだと見えてたのはミスリードで、鍵が手元にあるから一番大切なものを開放できていたのです。こちらも振り返れば、千代子は鍵をネックレスにして首からかけてました。宝箱は千代子自身だったのでしょう。
となると、回想でも劇中劇でも想い人である“鍵の男”を追っている時に女優藤原千代子の人生が輝いていたと言えます。恋に恋してという陳腐さではありません。

{netabare}想い人を追う現実の自分{/netabare}
{netabare}想い人を追う演技をしている役の自分{/netabare}

“現実”と“虚構”が溶け合いました。導き出される答えは女優という職業に人生を捧げた一人の女性の凄味です。そして女優という職業の業の深さでしょうか。
そもそも“鍵の男”がちょんまげ姿で登場した時点で気づくべきでした。想い人は何かしらの象徴的な意味合いを持ち、好きな男を追いかけるシンプルな話ではなくなっていたのです。

人生は舞台であると言ったのはシェイクスピア。
浮世は舞台でメケメケの世界と言ったのは桑田佳祐。
本作を通じて、人生という舞台を演じ切るのが大事なのでは?との問いが投げられたと受け止めることができます。

{netabare}空襲後に「いつかきっと」の石版絵{/netabare}

完成することはきっとないのだと思います。だからこその「尊き哉人生」です。{/netabare}


小難しく考えると、ラストがストンと腑に落ちるのでした。
人生を愛した一人の女性の物語です。名作と言って差し支えありません。

{netabare}みたび鍵を手にすることができた千代子は、半生を振り返るインタビューの中で久方ぶりに女優となるわけです。
病床のベッドの上で立花からの「また追いかけられますね?」との励ましに「どっちでもいいのかもしれない。」と答えた千代子。

“わが人生に一片の悔いなし”{/netabare}



最後に余談。

■どこが千年?
千年とは物理的な時間の意味に非ず?
「千代に八千代に」ずっと
「千変万化」いくらでも
で使われる“千”の意味合いが強いと思う。


■声優“荘司美代子”のお仕事
藤原千代子役には年代に合わせて三名の役者さんが声を当てられてます。

荘司美代子:70代
小山菜美:30~40代
折笠富美子:10~20代

そのうちの荘司美代子さんのお声が凛として気品がありました。調べてみたら「ちはやふる(2期)」の山城今日子専任読手の声の方だったんですね。声の仕事はあまりない方ですが印象に残る演技です。



2019.02.17 初稿
2019.08.04 修正

投稿 : 2019/08/04
閲覧 : 709
サンキュー:

34

ネタバレ

washin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

千年「女優」

千年と女優という二つの単語で作られているタイトル。一見インパクトのある言葉は「千年」のほうだと思います。ただ私は「女優」のほうがより印象に残りました。

偶然の出会いから始まり、顔もおぼろげな鍵の男を追い続けるという波乱万丈な人生を送った千代子。しかし実はその男を追い続けるという自分が好きだったというラストの言葉。身もふたもないことを言えば悲劇のヒロインである自分に酔っていたということです。ただそんじょそこらのもんとはわけが違います。なんてったて千年ですから。これを狂気といわずしてなんというのでしょうか。このストーリーだけでも十分おもしろい作品でしょう。


そしてこの映画のすごいところは、それら千代子の人生を、現実フィクション織り交ぜてを表現した画、音楽、演出だと思います。さすがは今敏監督といったところでしょうか。

つなぎ目のないカットを用いたり、いるはずのない人物を介入させたりすることで、現実世界と映画の世界の境目をなくし、千代子にとって映画が、女優であることが当たり前であったということが存分に伝わってきます。

ときに聞かせる音楽、ときに疾走感のある音楽をもちいることで映画にメリハリが生まれ、伝記にありがちな停滞感をほとんど感じません。


千年女優で居続ける。それほどの愛を、私も持ちたいと感じました。

投稿 : 2019/06/12
閲覧 : 239
サンキュー:

3

ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

人を選ぶ名作

2002年、今敏監督の映画作品。
ジョジョOVAを見て今さんの作品が気になったので。ちなみに初視聴です。
内容は明るいとは言えません。難解で人によっては疲れるかも…ていうか私は余計な事まで考えてしまったのもあり、少し疲れました;
苦痛だったということではなく、解釈が必要な上、幻想と現実が入り混じるので頭を切り替えるのに苦労した感じ。

【あらすじ】
芸能界を引退し、伝説となっている大女優・藤原千代子。彼女の熱心なファンであり映像制作会社社長である立花源也とカメラマン井田恭二は、インタビューを行うため千代子の元を訪れます。
千代子が昔なくした小さな鍵を立花が返すと千代子は自分の過去を語りだし、やがて幻想と現実、過去と現在が混じりはじめます。

千代子が「一番大切なものを開ける鍵」と語るのは女学生の頃に出会った男からもらったもので、思い出の中の彼と自分をつなぐもの。
本作のキャッチコピー「その愛は狂気にも似ている」のとおり、千代子の想いは一途ですがとてもあやういものを秘めています。

作画・演出・音楽・声優の演技などのクオリティは非常に高く、本作のポイントはやはり物語とキャラクターということになるかと思います。

{netabare}
現実として描写していると感じられるのは立花も記憶している部分や、防空壕のシーンなど戦争に関わる部分で、千代子が語った部分は実際のところどうなのかわからないですね。
回想の中で千代子が倒れるシーンが何度かありますが、ドーンドーンという効果音が気になりました。千代子が何の病気かは最後までぼかされていますが、もしかしたら脳の病気で、千代子の脳が破壊されていく音なのかも?と変なことを考えてしまった…。

千代子が鍵の君を追っているのは事実ですが、半分は戦争で失った明るい青春を取り戻したがっていると私には感じられました。
男性でも女性でも、思春期を戦時下で過ごせば失うものは大きいでしょう。普通なら結婚や仕事で満たされるのでしょうが、千代子は初恋を追うことで埋めていたと、何故だか私は感じてしまいました。

作中の描写からすると、糸車の老婆は客観的に千代子を見つめる自分自身(あるいは老いた自分のイメージ)ですが、糸車について調べたら、ウィキでspinsterという英語の古い言葉が出ていました。
素晴らしい糸のつむぎ手という意味で、後には結婚しない女性という意味も持つようになるのだとか。(男性に頼らずとも自活できるからだそうです)

最後の台詞は、初恋と青春を追いかけて新しい時代の幸福に背を向けた自分の人生の肯定なのではないかと思います。
最初はこのセリフ正直あんまりだ…;と思いましたがw

個人的に好きなのは詠子ですね。酸いも甘いも経験した現実的な大人の女性で、千代子とは対照的。良い人とは言えませんが感情移入しやすいキャラクターでしたし、女優らしく所作が綺麗なのが印象的でした。
女性の仕草は千代子も含めみんな綺麗でした!どの衣装もとても良いデザインでしたし、特に千代子の制服のプリーツスカートの翻り方とかめっちゃ好きw
{/netabare}

解釈の必要な要素も多いですしキャッチーでもありませんが、名作だと思います。(2016.3)

投稿 : 2018/11/29
閲覧 : 464
サンキュー:

18

-Cha sMIN- さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

女優を描く

.
時代背景が 素敵です

ネタバレは伏せますが
レトロ ハイカラ 時代物


キャラデザも 背景に合っていると思います

「PERFECT BLUE」
「パプリカ」
の監督さんだったのですね


女優の立ち位置 描き方 
ストーリーよりも描写を楽しみたいので
ながら観をせずしっかり視聴しました

好き嫌いは別れるのかもしれません


自身はとても 楽しめました


幕の引き方も 好きです

ふふ

投稿 : 2018/09/24
閲覧 : 237
サンキュー:

2

任意ラヂヲ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

最後の一言で全てをひっくり返す

それ言っちゃうんだ!?が素直な感想
最後の一言の捉え方で評価が分かれる作品
私は好き

投稿 : 2018/06/15
閲覧 : 295
サンキュー:

1

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

虹の都光の都キネマの天地 花の姿春の匂いあふるる処

2002年公開のアニメ映画 87分

監督脚本原案キャラデザ 今敏 音楽 平沢進 作画監督 本田雄
制作 マッドハウス

今監督は1997年に初監督作品となる「PERFECT BLUE」で高い評価を受けました。
さて、第二作と言うことで筒井康隆の「パプリカ」制作を企画しましたが頓挫、
今監督によるオリジナル作品へとシフトしました。

調べて見たところ、前作と同様の低予算作品だったらしいんですが、
物語、作画、声優、音楽共に一級品で時期を考えると奇跡のような出来です。
現代では今監督の代表作は最初期の2作で意見一致するでしょうが、
現実はハングリー精神たっぷりの根性の作品だったようですね。

この作品の構成はSF作家カートヴォネガットの「スローターハウス5」を参考にしたと思われますが、
同作家の「タイタンの妖女」、ディックの「去年を待ちながら」、ゼラズニーの「北斎の富獄二十四景」
などなど、今さんの好きなSF作家の匂いがしてきます。

でも、それは構成に関してのみであって作品はSFではなく、
「信頼できない語り手による物語」というジャンルの設定です。
嘘が混ざっている可能性を示した部分が各所に見受けられます。

藤原千代子(70代) CV荘司美代子
藤原千代子(30代~40代) CV小山菜美
藤原千代子(10代~20代) CV折笠富美子

声優の紹介はこれだけでいいでしょう。

昭和の時代を生き抜いた女の一代記です。
協力に入っている映画会社「松竹」が舞台であると思われます。
なので、「蒲田行進曲」のアニメ版と理解して間違いないと思います。
設定も物語もテーマもキャラも全然違いますが、映画の映画という点では一致します。

今は無き松竹の蒲田撮影所のはずですが、特に現実背景(撮影現場など)に凝るわけではなく、
主人公の回想をリアル(空想的に)に描いた作品です。
松竹の怪獣映画「ギララ」など松竹キネマを存分に味わえます。

見た感想としては、人生の鍵を探す女の生涯を描く純文学的物語と言うよりは、
昭和30年代の日本人の魂ともいえるキネマの天地を、一人の女性を使って描いた作品と感じました。

「スローターハウス5」の体裁を借りた「蒲田行進曲」
つまりキネマのほうが主役と。

オリリンと菜美さんの声の切り替えもぞくぞくしますが、
やはり、主役は40~60年代の日本映画を現代的に再現した魂の作画。

この時代の日本人にとって映画館はお茶の間の続き部屋だったのです。
怪しい「電影箱」などに手が届かない庶民にとって最も身近な娯楽は映画でした。
映画は毎週のように新作続編が公開され、ドラマの続きを見るように殺到しました。
もちろんほとんどは超低予算でいつも同じ俳優の適当演技でしたが。

だからこそ、一人の俳優が千年の時代に匹敵する役どころを演じることが可能になったのです。
「千年の呪い」とは「千年の歴史を演じる」または「この演技が千年残る」と言う意味かと思いました。

監督の才能が爆裂した最高傑作として日本アニメーションに千年残る傑作でしょう。

投稿 : 2018/06/13
閲覧 : 563
サンキュー:

31

ゆい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

独特

この方の作品、パプリカもそうだけど場面がコロコロ変わって独特で面白いです。
若干混乱するけど。
芝居中なのか、リアルなのか混乱しました。
一人の男性をずっと愛し追いかけ一途で素晴らしいと思いましたが、ラストの言葉で、え?となりました。
けどあの言葉は、そう自分に思い込ませただけかもしれませんね、色々考えさせられます。
個人的にはパーフェクトブルーが一番好きです。

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 243
サンキュー:

1

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

大傑作。しかし一般受けしない。

時系列や登場人物が定まりづらい、
ストーリーなのか劇中劇なのかよくわからない。

感情移入して感動したい人には一切向きません。
とんでもない作品です。

映像で心象を写し、登場人物の映像演技と声優の演技がシンクロしてます。
圧巻の映画ですが、世間的にもアニメファンにも知られていません。

エンディングが平沢進というのも、マニアックである証拠。
これこそ、もっと評価されるべきでしょう。

投稿 : 2017/09/21
閲覧 : 199
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

『女優』という呪いにかけられた女の一生

 今敏監督作品。87分。

あらすじ:
 芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れる。
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。(wikipediaより抜粋)

 今敏という奇才が作り出した映画を観たのは、恥ずかしながら『パプリカ』に次いで、まだ2作目なのですが(続けて『東京ゴッドファーザーズ』もすぐに観ましたが…)、本作には本当に圧倒されました。
 本当に細かい描写一つ一つに意味があるような作品であり、観終わった後、疑問が次々と出てくる様な、「難しい作品」でもありました。
 
 きっと観た人、一人ひとりが違う感想を抱けるような、ある意味で「鑑賞者次第」の作品であり、決して大衆向けの作品ではありませんでした。
 しかし、この描写の細かさや、込められている奥深さは、今敏監督にしか描けないと感じました。だからこそ、彼が若くして亡くなってしまったことが残念でなりません…。まだ生きていたら…彼の新作を待つのは本当に楽しかっただろうなぁ…。

以下ネタバレ付き考察(考察程のものでもない){netabare}
 
 観終わって「鍵は結局何を開けるものだったのか?」「あの老婆の呪いって何だったのか?」そして「千代子の最後のセリフは何を意味するのか?」等々、疑問点が多く残る、考察したくなる作品だったと思います。ここで以上の三つについて「自分なりに感じた事」を書いておきます。
 簡潔に言うと「女優として生きること」そのものが『呪い』であり、女優に呪われた女性の人生を描いた作品であったと思います。

①鍵は何を開けるものだったのか?
 具体的に何を開ける鍵であったかは、さして重要じゃないからこそ描かれなかったのだと思います。
 それ以上に、鍵そのものが彼女にとって「女優として生きる支え」であったように感じました。「鍵の君」に対する恋愛感情が女優を始めるきっかけであったことは嘘ではないと思います。「女優に呪われる前」の彼女は純真な存在だったと思うからです。正直、初恋だと気づいて赤面する彼女が嘘だとは思いたくない…。そして鍵は「きっかけ」であり、「演技をするためのトリガー」であり続けたように思います。
 この鍵が、30年芸能活動を休んだ彼女が、最後にもう一度インタビューを受け「演技をする」きっかけとなることからも、あながち間違っていないかと。

➁老婆の呪いとは?
 老婆の声優が70代の千代子と一緒だったことから、老婆は千代子自身である確率が高いと思います。彼女は千年間かなわぬ恋を続ける呪いを受けますが、これは単純に「千年間」という意味でなく、女優として時代を超え、あたかも千年の間、愛しの君を追ってひたすら走り続けた千代子の人生そのものを指していると考えられます。(今敏のブログから)
 個人的には「現代の千代子」が、若くてまだ「純真に」彼を愛していた若さを妬み、また、今後の「女優として生き続けていく人生」を憐れんでいるシーンだと感じました。

➂最後のセリフの意味
 このオチが賛否両論であるのは仕方ないと思います。なにせ「純愛ストーリー」から一転、「後味の悪い不気味なストーリー」に変貌を遂げるシーンであるので…。自分はこの後味の悪さは、奇異さを求めている今敏らしい物語だと思いました。この後味の悪さは彼なりの「正解」だったと思っています。

 ですが、「彼女は実は、鍵の君を愛してなどいなかった」と結論付けるのは違うのではないかと感じました。何より、若き彼女は女優になる際「本当は女優なんてどうでもよかった」と発言し、彼への愛が女優になるきっかけだったと語っています。個人的には、そこに嘘はないと思います。しかし、女優として生きていく中で、映画の中で様々な人生を体験し、様々な虚構の愛を経験していく中、「彼の顔を忘れ」、現実と映画の世界の区別がつかなくなる…彼女は「女優という呪い」にかかってしまったように思えるのです。
 彼女は呪われ、現実との区別も曖昧になっていく…だからこそ、彼女の過去語りは、映画と現実が混ざった奇妙で複雑なものになっているんだと思います。
 彼女はいつしか、「彼への愛」ではなく「彼を追いかけている映画の登場人物のような自分」を愛するほどに映画に憑かれてしまった。
 そして「彼を一途に追いかける自分」を死の直前まで演じることで、自分が未完のまま降板し、行方をくらませてしまった「宇宙の作品?」を最後の最後に自分の中で完成させて逝ったのだと思います。
 美しく終わる虚構の世界に憑りつかれた彼女が、綺麗な完結に向かってるはずの世界で思わず発した「女優らしからぬ」最後のセリフ…女優業に呪われていた彼女が、死の間際にようやく呪いから解放されて発した、彼女なりの本音の言葉だったのかと思います。
{/netabare}

投稿 : 2017/03/22
閲覧 : 308
サンキュー:

15

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

面白くはないけど、評価は高い。
まだ自分には分からぬ境地。
この感覚、フォレストガンプみたい。

一つ気になったので、考えてみた。
「だって私あの人を追いかけてる私が好きなんだもの。」
傲慢さも垣間見れる発想…

これって、鍵の君に自分の存在を見つけてもらうためになった「女優」が本気で好きってことかなと思う。
最初は恋がきっかけで女優になった。
でも、途中から女優がメインになった。

私あの人に会いたいの、というセリフをきっかけとして、演技に自分の鍵の君への思いをぶつけることで、どんどん女優として成長していった。
それが楽しかったのかもしれない。
鍵は、女優としてのお守りみたいなもの。

女優は、どんな経験も演技に昇華させてしまう。
そう思うと、パーフェクトブルーのほうも事件の経験を、負い目ではなく、演技の糧にして、女優の地位を確立した自信が、最後のあの表情なのかもしれない。

その愛は狂気にも似ている→その演技愛は狂気にも似ている。

女優は強い。

投稿 : 2017/03/04
閲覧 : 179

金閣寺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

やはりオチで・・・

やはりオチで評価が分かれるところと思われます。
この作品をものがたりとして鑑賞するか、一つの作品としてみるか、それによって納得できるかできないかになると思います。
あるいは、物語や登場人物の解釈、作品の解釈、という表現にも置き換えられるかと思います。

難しい考察はあまり得意ではないので置いといて、率直な感想としては優れた作品であり、今敏監督らしさ全開と言えるでしょう。

投稿 : 2016/12/14
閲覧 : 221
サンキュー:

0

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

女優の人生を振り返る話

今敏監督の作品を観るのはパプリカ・東京ゴッドファーザーズに続き3作目。
どちらも観るたびに味が出てくる良い作品だった。
そして、ディティールの細かい背景と、活き活きとしたキャラの動きに観せられる作品だった。
今作品で期待したのは、キャラクターデザイン・作画監督を担当された本田雄さんがどんなキャラを作っているのかだ。

エヴァで知られる本田雄さんだが、エヴァは再放送でテレビアニメをみた程度で、本田さんのことも恥ずかしながら知らなかった。

その話題になった時、
作オタの大先輩にどんな方なんですか?と尋ねたところ、知らなきゃダメ!
日本のアニメーター5本指に入る人ですよ!と半ば怒られてしまったので、いい機会だと思い早速観た。

物語(初見)
見せ方が上手いなと思った。
記者が年老いた女性に女優としての半生をインタビューしている。
女性が過去をドラマ仕立てに振り返っていくが、そこに記者を登場させ、傍観者であったり、一緒にドラマに出演したりしながらインタビューをしている事を忘れさせない工夫、様々な視点からの映像が独特だと思った。

物語のテーマは他の方も仰っている様に、地味、だと思う。
人の半生を描いたものは他にもあるが、語り始めるところからはっきり描いているものは見つけられなかった。
この企画良く実現したなと思う。

キャラ
モブ以外は何度もあらゆる形で登場するのでどのキャラも引き立っていたと思う。キャラがどんどん成長・老いていき伴って服装・髪型も変わっており、キャラデザにはかなり高度なことが問われているのではないかと思った。
キャラの絵柄はどうだろう。影が無くてのっぺりしているので若干の古さは感じるかもしれない。
しかし、動きやセリフが加わるととてもかわいく見えた、いやデザインだけでも相当可愛い。
でも、おばあちゃんの「こんな鼻ぺちゃ」にぐっとくるものがあった。
年が言っている割にさらさらした髪も。ああ、女優さんは年とっても綺麗だ―と思わせてくれた要因だった。

作画
個々の動きで印象に残るところは今のところないが、色んなシチュエーションで、それぞれ異なるものが動いているので、とにかく物量が多い。
これがセル画と言うのだから驚いた。


今監督の作品は数回みていつもようやく本質をつかんでいるので、これからまた感想が変わるかもしれないが、2回目はしばらくとっておこうと思う。
つまらなかった訳じゃないけど、結論がはっきりしている作品なので、物語を楽しむ用じゃないのかな。良い資料にはなりそうだと思った。

投稿 : 2016/06/19
閲覧 : 285
サンキュー:

14

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千年女優のストーリー・あらすじ

芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。(アニメ映画『千年女優』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2002年9月14日
制作会社
ジェンコ / マッドハウス
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E5%B9%B4%E5%A5%B3%E5%84%AA
主題歌
≪ED≫平沢進『ロタティオン[LOTUS-2]

声優・キャラクター

荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

スタッフ

原案:今敏、 監督:今敏、企画:丸山正雄、、脚本:村井さだゆき/今敏、キャラクターデザイン:今敏/本田雄、作画監督:本田雄、音楽:平沢進

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