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「今、そこにいる僕(TVアニメ動画)」

総合得点
68.9
感想・評価
284
棚に入れた
1457
ランキング
1954
★★★★☆ 3.6 (284)
物語
3.8
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

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今、そこにいる僕の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

ナルセッチ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見る価値がある

マグミクスの「救いようのない作品」に挙げられていたのでU-NEXTで視聴。

昭和の作品らしいグラフィックなのですが、
作画がとても安定していて安心して見られます。

声優のレベルが高く、劇伴も見事にマッチしていて、
昨今タケノコのように作られるアニメ作品とは全く違う完成度です。

冒頭の日常パートはなんとなく見ていて、
ヒロインもやや陰鬱なキャラデザです。

ただ、声優の技量が高く、
すぐに引き込ます。

主人公の雰囲気は未来少年コナンのコナンになんとなく似ていますが、
あんなスーパーマンではなく、
多少ガッツのある中学生?という感じで、

ロボット兵器や銃砲が飛び交う戦場でも、
銃や剣を拒否して棒切れしか使えない。

作品全体の雰囲気は「ぼくらの」に似ていて、
ほとんど救いがない悲惨な展開の合間に、
人の理性と愛情が垣間見えますが、

{netabare}
家族の愛情を強く見せたシスや、穏健派の医師、
その他多くの女子供が無惨に殺される。
{/netabare}

拷問や性奴隷、望まぬ妊娠といった、向き合いづらい事象に
正面から取り組むのもこの作品のすごみの一つ。

13話という極めて限られた時間でこれだけ膨大な内容を
詰め込み、まとめた製作陣の熱意と力量には脱帽。

後から知ったが、

高橋良輔や、
後のガイナックスに関わるクリエイターといった、
そうそうたる製作陣だからこそできた力作だと思う。

ちょっと驚きだったのが、
ヒロインの声優が名塚 佳織だった。
言わずと知れた、コードギアスのナナリー役。

悲惨な鬱作品ではあるが、
2024年の今、U-NEXTで見られたのはかなり幸運だった。

投稿 : 2024/09/15
閲覧 : 23
サンキュー:

3

ネタバレ

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

せんそうはよくないなあとおもいました。

昭和っぽい熱血少年が主人公のジュブナイルアニメかと思ったら、拷問・少女強姦・虐殺・略奪・誘拐・暴君・仲間割れと、戦争の狂気を描き放題でした。
2022年3月、今まさにロシアによる侵略戦争が行われている只中、平和ボケしている日本人には一見の価値がある作品ではないでしょうか。
主人公は無鉄砲な直情径行型なので、少々その言動がウザいと思うことがあります。特にサラ絡みでは。まあ、物語を動かすにはこれぐらい真っ直ぐな行動力が必要だということでしょう。
ストーリーとは別に私が気に入ったのは、オープニングとエンディングです。
OPは、ちょっと暗めのラテンっぽいインストゥルメンタルで、暗さと明るさが同居したなんとも不思議な印象で本作に合っています。
そしてED。ヒーリング音楽のような音色をバックに、語りかけるような抑揚のない歌詞が乗っています。で、特筆すべきはその画面。何ということのないありふれた昭和の町並みが、夕暮れの淡い光りに包まれ、胸を締め付けるほどのノスタルジーを誘います。このEDだけで本作の評価がぐっと上がっている、と言っても過言ではないかも。正直、主人公がタイムスリップする意味はあまりないのですが、このEDがやりたかったということなのかも?
さて、本作の大きな欠点は、一つには敵のボスをあまりにも愚劣な小人物として描いてしまったこと。
視聴者に「こいつさえ殺せば全部OKじゃね?」と思わせてしまうのはいかがでしょうか。現実はそんなに単純ではないでしょう。ここまで重たいストーリーでありながら、敵ボスだけ戦隊物の悪の首領みたいでは、そこだけ子供向けで浮いてしまっています。
敵ボスが信念のある強いキャラだったら、本作の完成度ももっと上がったのでは。
もう一つ、結局最後は不思議な力を開放して敵軍を壊滅させてハッピーエンドですが、それでいいんでしょうか?主人公は不殺を主張しているのに、やっていることは核ミサイルで敵を殲滅するのと変わらないじゃないですか。自分の手を汚さなければOK?
ラピュタとかでも思いましたが、不思議な力を発動させてケリをつけるのは止めてもらえないでしょうか。デウス・エクス・マキナ?

投稿 : 2022/03/08
閲覧 : 343
サンキュー:

2

ネタバレ

お粥 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

辛すぎて涙も出なくなります

絶対こんな世界に行きたくないと思うアニメでした。
後先考えずに自分の正義だけで騒動を起こす主人公は、半分居ないものとして世界観だけを観てました。じゃないとイライラして断念してしまいます。
後半はばこばこ人が死にます。子供が好きなかたは観ない方が良いです。
サラは可哀想すぎて見ていられないし、本当に酷い状況です。唯一ハムドのヤバイサイコパスぶりが見所でしたね。
これ以上無い鬱展開を味わえます
回を増すごとに、理不尽な展開しかありませんが、自分が鬱な気分の時に観たので、ある意味元気を貰えました。
ストーリーはちゃんと完結するので、最後まで観る価値があります。

投稿 : 2020/09/27
閲覧 : 515
サンキュー:

2

ネタバレ

うさぎ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

容赦なく人が死んでいき、残酷でリアリティのある描写が多かったが、主人公の周りに関してだけ、ご都合主義を感じてしまった。いくらなんでも無傷で助かりすぎ…。脱走兵は死刑って設定なんだから、ザリバースで捕まった時点で殺されるべきでは?
ララルゥと間違えられて連れて来られて、捕虜として複数の軍人に強姦されたサラに対して、「生きてれば良いことあるって!大丈夫だ!」と何度も言う主人公、サイコパスなんじゃないかと思った。サラの子供は自ら石で腹殴ったり、入水自殺未遂してたから健常者として産まれてこれなそう。

まあ、鬱展開のアニメ好きなので、個人的には面白かったです。

投稿 : 2020/09/17
閲覧 : 350
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

戦争をただひたすらに描いた良作(409)

物語  267/300点
萌えやアクションのカッコよさではない。本作はただぎたすらに、戦争についてを描いた作品である。さらわれた少女が慰み者にされることや、弱小な村からの略奪、殺戮行為などを非常に現実味のあるものとして描いている。特に12話で「負の連鎖」が上手く描かれていると感じた。ナブカもブゥもスーンも、誰も間違っていない。それなのに相いれないのは、戦争の持つ悲惨さだと改めて感じた。

キャラ 29/50点
主人公が絶望的にウザい。善行が必ず正しく、悪行は必ず間違いと言う思想を持っており、その持論を誰に対しても振りかざす。特にサラが入水するシーンでの主人公の熱弁はうんざりした。そして全く成長がない。最後まで自分が正しいと思っており、ある意味ハムドより危ないかもしれない。
正直、主人公の存在がかなりマイナスである。この作品を受け付けない人の大半は主人公の性格によると思う。

作画  45/50点
今となっては古さも感じられるが、非常に安定している。

声優  34/50点

音楽  31/50点


総評  409/500点
戦争を全面的に否定した作品であり、その恐ろしさを全面に映している。そのため、左派寄りのアニメだとか言われ批判されることもあるが、そもそもアニメと言う作品は何らかのテーマ性を持っており、人によって思想の齟齬が生じるのは当然のことであるから、ここで左右派について議論する意味は全くない。重要なのはこのアニメが面白いか、否か。無駄な感情を持ってアニメを見るもんじゃない。
結論として、このアニメは良く出来ていると感じた。1クールである以上深く掘り下げられない箇所も散見されるが、特に気になるほどの欠落では無い。「戦争の残酷さ」は十分に伝えられている。

投稿 : 2020/06/05
閲覧 : 371
ネタバレ

水天楼 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

切なく 苦しい

ごく普通の少年が数十億年先の荒廃した未来の世界に突然連れていかれるお話。
数十億年って物凄い先だな…

舞台となるヘリウッドでの主人公シュウや少年兵たちの生活がメインで描かれていて、外部の状況(他の国の様子など)はほとんど描かれてない。
ヘリウッドで暮らす人たちは故郷から離れて戦うことを強いられて、ただ理不尽な目に遭う。

このアニメは閉鎖的で、笑えるシーンは殆ど無く、見てて息が苦しかった。
特にサラが凄く可哀想だった。
こういう場所だからサラみたいな子が他にも何人か居そうだけど、どうなんだろう。
最終話でサラは元居た世界には帰らず、兵士との間に出来た子とシスが預かってた子供達と一緒に生きていく選択をしたけど、これで良かったの?
その選択しか出来なかったとしても、悲しすぎる。
私は元の世界に帰って、元の平穏な生活に戻って欲しかった。
まだ若くて、沢山やりたいこともあったと思うのに。


主人公のシュウは、元気でやんちゃで感情任せなタイプで、自分の正義感を貫こうとするけど、どんどん悪い方向に行ってしまう…
ことが多かったような。
何かを変えようと動くのは良いんだけどね。
良くも悪くも、最後まで成長しなかった。
最後は元の世界に帰れたけど、なんかモヤモヤする。

ヘリウッドのリーダーのハムドは変態狂気系で気持ち悪かったし、最後まで改心することは無かった…。
何者なのかもよく分からなかった。

そしてララルゥ…(泣)
消滅してしまっても心は救われたと思うしかない。

いつ何処が舞台なのかとか、ハムドの過去とか、ララルゥの能力の説明とかその辺の掘り下げは必要なかったから敢えてしなかったって感じかな。


見てて色々と考えたし、見て良かったと思うけど、よく考えりゃ最後は誰もハッピーになってない。
元の世界にめでたく帰って来れたシュウはこれから何を思って生きていくんだろう?
何年かしたら、またこの作品が見たくなると思います。

因みに1番好きなキャラはナブカでした。

投稿 : 2020/05/11
閲覧 : 234
サンキュー:

5

ネタバレ

あやたむたむ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8
物語 : 3.0 作画 : 1.0 声優 : 2.0 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:途中で断念した

ナブカしか好きじゃない

6話で断念。
酷評します。正直クソアニメかなとも思いました。
以下に断念した理由を書きます。

まず主人公が死ぬほど嫌いですwwwこの手の熱血主人公大嫌いだし自分を犠牲にしてでも他人守る、人は殺しちゃいけないんだー!ってところに本当にイライラしますwwwお前こんな戦時中に綺麗事ばっか言ってんじゃねーぞ、綺麗事で生きていけるような世界じゃないんだよってまじでぶっ殺したくなりますねwwwまあこれはわたしの心がひねくれてるせいでしょう。生きてくためには汚い事も必要だし他人を貶めることも必要では?そして一々ララァルウ…ララァルウってうっさいわwww考えもなしに脱走しようとしてララァルウ逃してそのあとは?置いてかれた兵隊のみんなは????一人助けるなら全員助ける気でいけよ、中途半端すぎる。あと何回も撃たれて死なないのおかしくね?怪我治るの早すぎじゃね?

そしてアベリア、声優下手すぎでしょ。棒読みが気になった。あとなんでハムドをそこまで崇拝してするのかがさっぱりわからない。あんなん頭おかしいきもいおかっぱおじさんやん。その辺は自分で考えろってスタンス?うーん微妙。

あとララァルウ……目こっっっわ!!!ほんとこわいやめて……何が一番鬱かってこいつの目が一番トラウマだったわ!あとペンダントでそんなすげーこと出来るなら自分で幾らでも逃げられそうやん。よくわからんめんどくさいメンヘラ彼女みたいで終始萎え萎えでしたー。

最後に全体の作画だよね……
1999年にしては色々古めかしすぎる気が。OPどうしたの?予算なかったの???どうみても90年代前半のノリでしょ……。


サラは可愛かった、兵隊ぶっ殺すシーンはスカッとしたなぁ。
あと6話のナブカが見逃すシーンは音楽もあってたしとても良かった、ここだけ名作だった。

鬱アニメ大好きなので拷問やらレイプシーンだのなんだのの序盤の鬱度は好きな感じでした。でも主人公暑苦しすぎて視聴続けるのは辛いかな。

個人的に90年代後半のアニメってやっぱり暗いよね、陰鬱なんだよな。わたしは無限のリヴァイアスの方が好きです。

投稿 : 2020/04/11
閲覧 : 542
サンキュー:

2

ネタバレ

Assassin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

争いの残酷さがよく描かれています。少年兵や慰みものにされる少女など現実のどこかで起きていてもおかしくないようなものばかりでした。個人的には12話の最後が一番きつかった

投稿 : 2018/10/15
閲覧 : 319
サンキュー:

1

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ただ、そこにいるだけの僕。

アニメーション制作:AIC
1999年10月14日 - 2000年1月20日に放映された全13話のオリジナルテレビアニメ作品。
監督は大地丙太郎。

【概要/あらすじ】

現代日本に暮らす普通の中学生・松谷修造(通称・シュウ)という、
如何にも暑苦しそうな名前の少年がいた。元気で明るい性格の腕白坊主である。
シュウは修造という名前に反して道場に通いテニスではなく剣道を習っている。
だが、シュウの動きは体力任せに突っこんで面に向かって竹刀を叩きつけるだけであり話にならず、
対戦相手の少年からも剣道と呼ぶには、お粗末な代物であると蔑みの目で見られる。

そして道場帰りにシュウは、夕暮れの工場の煙突の上にじっと座ってる青い髪の少女を修造は見掛ける。
話しかけても、少女は寡黙で何を言ってるのか視聴者には聞こえない。シュウには聞こえているのだが。
少女にずっと話しかけ、沈む夕日を一緒に見ていたシュウだが、妙な機械に載った連中が現れて少女を攫う。
シュウは少女を回収して去る者たちの時空ワープに巻き込まれて、見知らぬ建物の中に転移した。
そして、少女の手を引いて兵士たちから逃げるシュウ。
だが少女は捉えられ、はぐれたシュウは外部に飛びてて建物から落下しそうになる。
そこでシュウの目に映ったのは明らかに日本とは異なる、大地が乾いて荒廃しきった見知らぬ世界だった。

建物は「ヘリウッド」という今は飛べない塔の形をした機動要塞であり、主である狂王ハムドは、
要塞と軍隊の力を背景に侵略戦争で略奪や破壊と虐殺で散々に人々を苦しめていた。

「ヘリウッド」を再稼働して世界征服に再び乗り出すには動力に用いる大量の水が必要であり、
水が極端に少ない、この世界では少女ララ・ルゥが持つ水を生む力が無くては必要な量が確保出来ない。
だから、ララ・ルゥを執拗に狙っていたのだ。

狂気の独裁者によって人の心も生命も蹂躙されていく不毛な世界で、      
シュウは過酷な現実に巻き込まれて様々な不条理を経験していく。

【感想】

「未来少年コナン」風の世界での物語なのだけど、50億年後の滅びに向かっている未来の地球らしい。
んで今の人類は既に滅んでいて、未来の地球にいるのは別個に進化した新しい人類だとかなんとか。
設定が沢山あるんだけど、作中で明示されている部分は僅かで説明不足が目立つアニメ。

軍隊が陰惨な組織として扱われ反戦思想を連想させる台詞や展開が多いアニメであり、
兵士は家族や故郷を守るために戦うわけでもなし、独裁者ハムドの野望の使い捨ての駒でしか無い。

ハムドは愚劣な権力者で自分可愛さに敵の生命も部下の生命も平等に磨り潰す外道。
んで、仲間の兵たちがハムドの命令で犬死しまくっても無批判に従う大人の兵士たち。
そんなダメな大人の下でハムドの下で考えることをやめて、殺戮に手を貸す少年兵たち。

ハムドの軍隊に攻められた土地は虐殺され爆破されて廃墟となり、
生き残った者は男は兵隊にされて女はハムドに忠実な兵隊に育てる子供を無理矢理に孕まされるっと。

拉致・略奪・暴行・殺戮・陵辱・破壊・拷問など軍隊の悪辣さが、
これでもか!と描かれていて反戦プロパガンダのような恣意的な作風。

大地監督や脚本の倉田英之の描く、軍隊のイメージが作為的過ぎる気がしないでもない。
作中の描写をもって軍隊や戦争の原罪とするには、暴君ハムド個人の意向の部分が強すぎるのだが。

描写のモデルはアフリカの少年兵であったり、ライタイハン問題を連想させるのもあったりで、
現実の戦争の負の部分の集合体というのが、このアニメでの軍隊の扱いかな?
こんな酷いことが出来るハムドが立派な人物では物語が成り立たないだろうってことで、
小物のマジキチにされたのかもしれない。オカッパでちょびヒゲで甲高い声で泣くし。

世界中の戦争に存在している悲惨な要素を参考にしてると思えば、
右とか左とか言った視点から一概に否定できるものでもないかもしれない。
日本的な美徳や常識が通用しない世界が、今の地球に数多く存在しているのだ。

殊更にハムド率いるヘリウッドの外道さが、この上なく強調されてはいる。
ゲームやアニメのパターンとしてフィクションの世界では体制側が圧倒的な悪として扱われ、
それを打倒するレジスタンスに大義があるような描かれ方が多いのを想起させることが多い。

だが、現実の歴史を見ると“反権力”“革命”を唱える組織はテロリズムに走り、
暴力や粛清や見せしめの公開処刑など流血に彩られている。
それを命令する他罰的な“革命の英雄”が権力を握ると、密告を奨励して逆らうものは処刑するなど、
前の体制とは比較しても陰惨な独裁者の時代になることが珍しくもない。
フランス革命の残酷さは周知であり、貴種の血の上に建国された共産主義や社会主義の国家がどうなったか?
今の時代も先人たちと比較するとマイルドではあるが、いざ権力を握ると私物化しようとする動きがある。
無論、武力紛争が続いている国では人の生命が軽々しく失われ続けているのだが。

エネルギッシュな権力憎悪が革命のエネルギーの源であり、革命成功の暁には成り代わった者が権力強化に逸る。
ので戦争をテーマに作品を作るには、『悪い奴を倒しました』『平和になりました』『メデタシメデタシ』
なんて単純な茶番が通用するわけでもなく、権力vs反権力と人道と平和主義だけでは不十分ではある。

この作品は、悪辣な権力者を倒す勧善懲悪の革命英雄物語ではない。
反権力で暴力を振るう者も、力の関係で立ち位置が弱者になっているだけであり、
戦わない理想主義者も滅びの道でしか無いことが作品の中で示されていて、
どの立ち位置も不完全なものであり、作中の台詞はあくまでも登場人物の個人的な主張や思想という扱いであり、
これが絶対に正しいと決めつけていないあたり、一応は考えてシナリオが作られているように思える。
それは、主人公であるシュウも同じであり、シュウの空気を読めない気休めの連呼は視聴者に違和感を与える。
シュウは荒涼とした世界にそぐわない異分子なのだ。

ただ、殺しにやってくる悪党に対して抵抗する力を持とうとすると、
悪党と同じになる!というメッセージは納得し難い。
何十年議論しても平行線で噛み合わない安全保障の話である。
泥棒がいても説得すれば解ってくれるから警察はいらないという主張に等しく、
性善説や精神論に依存した、思考停止気味の主張ではある。

平和主義者の唱える話し合いによる解決が出来れば、それは素晴らしいことなのだが、
残念なことに、敵対行動をしてくる異国を相手に話し合いが可能だと主張する人たちが、
国内で政治的スタンスが違う人達相手の話し合いを拒んでいる実例がある。
主義や思想や利害関係の対立によって他者を蹴落とそうと必死な者たちを見るにつけて、
人間は自己矛盾を抱えながら、武器があれば銃を手に取り、
無ければ暴力の代わりに言論で工作を仕掛けるのである。
人が集まるところに必ず争いが起き、教条的な理想主義は提唱者の言動が矛盾だらけだったりする。

このアニメでは空気を読まずに感情論を貫く主人公、
そして現実的な打開策を見いだせないままに理想論のみを口にする者の、
無力さと末路を見るに、実は確信犯的なシナリオにも思える。
主人公の根拠の無い無責任な楽観論が周囲に何をもたらしたかは、自分の目で確かめて欲しい。
教条主義に囚われて真剣に目の前のことに悩んで立ち向かうことをやめた結果として、
やるせない展開が続いて綺麗事が見事に打ちのめされていくことにこそ、この作品の意味があるのかもしれない。
{netabare}主人公のシュウは周りに何を言われようと鈍感であり自分の価値観の外側にあるものを絶対に認めない。
そして、シュウの根拠もなく現実を見てない言葉に心が動いた人物が尽く死んだり不幸な目に遭い、
シュウは傷の浅いままに何も変わらないままに元の世界に帰還して日常を再開するというラストに、
蒙昧な理想主義は口先だけの現実逃避であるし、何も良いことがないという強い皮肉を自分は感じた。{/netabare}

単純な反戦プロパガンダと断ずるには違和感をおぼえるのは、深読みし過ぎかもしれないが、
どういう意図で作られたのか知りたい作品ではあった。
作品によって世界観が異なるので一概に比較はできないが、
甘っちょろさが鼻につくアニメ版タイラーとは正反対の作りであるという点では、肯定的に見ることが出来た。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/03/18
閲覧 : 463
サンキュー:

33

ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

受け入れがたい作品でした。思想が根本的に違うというか。。。

1999年のオリジナルアニメ。全13話。

結局のところ、ファンタジーですが、反戦アニメって
ところでしょうか。要は、左の思想ですね。

話は {netabare} 主人公の少年が、謎の異能の力を持つ少女と
出会い、その子が連れ去られた異世界(百億年後の未来?)
について行く形となる。
連れ去ったのは異世界の狂気に満ちた独裁者で
その少女の力を欲しているからであり、主人公は
その少女を助けて逃げる。
少女は、数万年生きてきた経験から、人は自らの異能の力を
欲して争い合う、信用できない生き物と距離を置こうとするが
少年に徐々に心を開いて行く{/netabare}、ってところです。

主人公は、何があっても人を殺さない、命さえあればいいことが
ある、きっと大丈夫、など耳障りの良いことをいうのですが、
感情のままに、無責任発言を連発。異世界を散々引っ掻き回して
自分だけ何事もなかったかのように、従来の生活に戻る。
もう、何が何だかわかんない。。。

とにかく、思想についていけず、子供には見せたくないと
思った作品でした。

投稿 : 2018/03/16
閲覧 : 307
サンキュー:

12

ネタバレ

救い さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

50億年後の未来…。救いの一切が描かれないバッドエンドアニメ

水を巡る戦争アニメです。

水を自在にあやつる精霊?ララ・ルーを狙いヘリウッド(兵士が住む要塞のこと)と
主人公シュウたちが戦い合うおはなし。

ある日、シュウが住む街に50億年後の世界からヘリウッドの兵士がやって来て、
ララ・ルーはヘリウッドに連れさられてしまう。
シュウもララ・ルーを追い、時空を超えてヘリウッドがいる世界へ向かう。
タイムホールを通り抜けた先にあったのは、干乾び荒廃しきった50億年後の世界だった。

ハムド率いるヘリウッドは干からびてしまった50億年後の世界に、再び水を得るために
ララ・ルーが持つペンダントを奪おうとする。水がないと世界が滅んでしまうからだ。

だがララ・ルーはペンダントをなくしてしまう。ペンダントがなくなったと知り、憤怒するハムド。
配下の兵士にペンダントを探すよう、命令する。

ペンダントはシュウが持っており、シュウは渡さないためにヘリウッドの子供兵士たちと戦う。
子供の兵士たちも近くの村から連れてこさせられていた。

敵と敵がひたすらに血を流し、傷つけ合う。戦争。

ララ・ルーは、シュウは最後にはどうなっていくのか。


これを見ると火垂るの墓を思い出します。

暴力・残虐なシーンが多く、(レイプ・自殺シーンも薄っすら有)
かといってそれを緩和させる要素もないので見るのは結構心にきつかった。
ずーっとただドス黒いアニメです。

WOWOWで放映された1999年当時、ポケモンの裏番組(木曜19:00)だったそうだが、これ誰が見るねんって思います。
サトシ役の松本梨香さんも本作ではシス役で出演されていました。

50億年後という設定らしいが全然未来感はありません。兵器とかも時代相応のものだし
人の格好とかも古臭い時代のものだ。

そのくせにタイムスリップさせる技術はあったり植物がバカでかく進化していたり、などと
そこら辺の時代設定は曖昧だそうです。


見どころ・・・むずかしいですね。
戦争について考えさせられる作品です。

投稿 : 2017/01/06
閲覧 : 262
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

一連の主人公の行動には全く共感出来ない。

 自分は鬱アニメが好きで
ネットで検索していたところ、このアニメが気になり
この度全編見る機会が出来たので
1話~最終話まで一気に視聴した後の率直な感想を。

 まず主人公があまりにもヘタレ過ぎる。
普通こういった敵に対して無力な少年の物語って
終盤までには成長しますよね。
でもこの作品は最後まで全く成長しない。
極論ですが居なくても物語に支障が無いくらい。
思考もそうだが、やる事なす事全てが後手後手で
「そりゃそんな考え、行動じゃそうなるよね。」
・・・って先読み出来る展開ばかり。
ほとんどの鬱展開がシュウがいらない事を
したばっかりに起きてる感じがしてちょっとイライラする。

 作者は手段、善悪は関係無く
とにかく【命を大切に】【人を傷つけてはならない】
という事を伝えたかったのでしょうか?
自分にはシュウはサラのいうとおり最後まで
偽善にしか見えませんでした。
「ダメ、ダメ!」ばっかり言っているわりに
敵には自分で何も出来てないし
被害者側の気持ちを全く理解出来てないです。
そんな心理描写が全く無くちょっと宗教じみたゴリ押し具合。

 争い事による殺人に限らず、
サラのある出来事に対しての
シュウとシスの命の大切さを説明する場面も
そりゃないだろと思いました。
あげくの果てにはヒロインを異世界に放置して
最後自分だけ元の世界に戻ってめでたしめでたしって・・・

 総話数が少ないので
あまり掘り下げた話を出来なっかたのでしょうが
説明不足で全体的に話が浅く
感情を表に出さずセリフがほぼ皆無のララルゥはともかく
主人公にも感情移入が全く出来ないです。
キャラ死亡時のお涙頂戴シーンも止め絵の作りが
雑過ぎて逆にシラケます。

 今まで多くの鬱作品を視聴して来ましたが
本作品は出来があまり良くなく
他の方にすすめる気にはなれませんでした。

 

 


 

 

 

投稿 : 2016/08/10
閲覧 : 416
ネタバレ

TimuTimu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

命ってなんだろう

様々な命の在り方を教えてくれるアニメです。刺激的な描写がありますが、戦争の生々しさを物語っていると思います。



好きでもない人の子供を宿してしまったとき、相手が攻撃してきたとき、敵の中にかつての仲間・同士がいるとき、今すぐ殺せる状況でとても憎い人が目の前にいるとき、あなたはどうしますか。共に生きる方法を選びますか?それとも殺し合う方法を選びますか?

投稿 : 2016/03/21
閲覧 : 316
サンキュー:

3

ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

お前は帰れ・・・

お前のいた所に・・・帰れ・・・


鬱アニメを面白おかしく紹介する有名なテンプレートがありますが、本作もその中にあります。
"今、そこにいる僕:剣道少年がいきなり戦場に!?痛快アクション!!"
なるほどなー。ま、間違っちゃいないけど、痛快アクション!なんて軽いノリでは決してありませんw
異世界に飛ばされちゃった系ではあるのですが、最も飛ばされたくない世界No.1であることに間違いないと思います。
いきなり兵隊として訓練され、仲間同士で殺し合いをさせられて、とにかく散々。
終いには血まみれの親友に腕を掴まれ、お前の生きたいようにしろだなんて、重すぎます、嫌すぎます。
もう一人、シュウと同じ世界からやってきたサラ・リングワルト。
この娘の顛末もそれはそれは悲惨で、兵士にレ○プされて子供まで授かります。
彼女はほんとに救いようがありませんでした、エログロヴァイオレンスのトップを行く作品でしょう。

監督は「ギャグマンガ日和」や「レジェンズ」でお馴染みの大地丙太郎さんです。
ということで、「レジェンズ」とは主人公の名前が同じ、スターシステムを導入しています。

主人公・シュウを演じる声優はご存じ、岡村明美さんです。
同じレジェンズも同じくシュウで主役張ってるんですが、大地監督作品によく起用されるイメージです。
あとは、ハムド様の石井康嗣さん、最高b

音楽はかなり静かなイメージですね、落ち着くんですが、如何せん内容が内容なだけに、改めて聞くとそわそわします。
音楽は主に岩崎琢さんが努めていて、やはりかっこいいです。

圧倒的ハムド様の存在感。"けきききききききき"みたいな笑い声が印象に強く残っています。
しかも予告編は、何故か、ハムド様の独壇場となっています。
溢れ出るカリスマとか言われてますけど、まぁ荒廃した世界で身に余る地位を持ってしまったが故のキチ○イっぷりというか。
あとは、ララ・ルゥってなんかガンダムのララァっぽい名前でアレですよね。


ずばり、質アニメです。
質アニメ好き(通称:質豚)というのは、ここ5年でやっているアニメをアニメとして認めない節があると聞きます。
今期アニメなんかは勿論見なくて、過去アニメを珍重する種族です。
というのも、最近のアニメというのは、ファンの声が煩わしくて、見るのも嫌になるというのも多い話です。
ファンが大分沈静化された5年目あたりのアニメというのが非常に熟成されたころであって、美味しくいただけるんですよねぇ。
さらに言うと、そもそも質アニメというのは1クールで1本、多くて2本くらいです。
とにかく絶対数が少なくて(そんな毎年ホイホイ名作が生み出されたそれはそれで困る)、見るものもありませんから、必然的に過去のアニメの消化に勤しむわけです。
質アニメ、面白いですからねぇ、好きになる気持ちも分ります。

投稿 : 2015/11/16
閲覧 : 273
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おしぴんちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

13みたー

投稿 : 2015/01/31
閲覧 : 339
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富士山 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

争いをしても両者が苦しむ

この作品からは争いの醜さが伝わってくる。
この作品をみて楽しい気分になる人はいないだろう。
この作品を見て争いがなくなればいいなと見た人が思えばこの作品は成功しているのだろう。
私はそう感じたのでアニメとしては成功していると感じた。
悪くはないが後味がよい作品ではないの万人にはおすすめできないが鬱アニメを求めている人にとっては最高のアニメだろう。

投稿 : 2014/06/26
閲覧 : 239
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蓬(Yomogi) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

ギャグアニメでおなじみの大地丙太郎監督のシリアス異色作。

まっすぐな性格の少年シュウが謎の少女ララ。ルゥと出会い、荒涼とした異世界に飛ばされ戦争に投げ込まれるファンタジー作品。

子供アニメ向らしい線が少なく丸みを帯びたキャラデザインで作画そのものは非常に良かった。
動きもアクティブに、丁寧に動かしていたと思うし、作画陣も有名どころが手がけている。
背景も落ち着いた安定感のあるもので言う事がない。
音楽については要所要所に流れるテーマ曲が本当に美しく、作品に深みを与えていたと思う。
演出も大変良い。

戦争に巻き込まれて生きる人々の心情に踏み込んで描いた点が、この作品の評価の高い所以だろう。
可愛らしいキャラクタデザインや第一話の冒険活劇を彷彿させる導入を見事に裏切る展開にびっくりした事は確かだ。

見終わったあとに憂鬱になるアニメ5本の指に入れてもいい。
それくらい重かった。
見て良かったと思う。
思うがしかし、言いたい事もある。

まず第一に、リアリティの軸が最後まで定まらなかった事が不満。
アニメを見る時、その作品がどのくらいリアルさで描かれているのか無意識に判断するのが普通だ。
たいていはキャラクタデザインがデフォルメならファンタジー、写実的ならリアル系と判断すると思う。

この作品はデフォルメデザインであるし、第1話で主人公シュウがロボット相手に大立ち回りを演じる。
高さ20mくらいのところから飛び降りても脚は骨折しない。
しかしシュウと同じく異世界に連れてこられたアメリカ人の準ヒロイン・サラが登場すると話のリアリティが迷走する。

アメリカ人と日本人なのに言葉が通じる事については、低リアリティで見ていたのでなんら疑問はない。
しかし、その後サラのレイプ、妊娠、堕胎未遂とつづくと
「一体これはどのくらいリアリティを感じればいい物語なのだろうか?」
と混乱してしまった。

またシュウの主人公としての感情移入のしにくさがあげられる。
ララ・ルゥのペンダントの在処を自白させられるために拷問にかけられるのだが、そのあと彼は拷問によるPTSDの症状を全く見せないのである。
サラは2度と癒えない傷を負ったのに対し、シュウは拷問前と同じく「生きていればいい事がある」との主張を繰り返すだけでケロッとしているのだ。

その後シュウは兵士として略奪行為をさせられる隊に編入されるのだけれど、このときも正論を振りかざすだけ。
終始シュウの存在だけがファンタスティック。
周りの人間が容赦なく死ぬ作品世界の中、主人公だけが違うリアル軸の上にいるようだ。

視聴者の媒介として、また作品世界のマレビトとして、こうした主人公の位置づけしたのはわかる。
しかし、傍観者から一歩もでない主人公に「生きていればいい事がある」というメインテーマを力説されても説得力がない。
人を説得しようとするならばまず本人の実績が伴わなければならない。
もしシュウにテーマを語らせようとするならば、期待→挫折→葛藤→再起の過程を経ないと視聴者は彼の言葉に共感はしない。
その過程を見せるのが物語の力なのでは?

大地監督は「その世界に放り投げられた主人公が感じたものを描きたかった」と語っていたらしい。
それは確かに描けていたと思う。
しかしそれではただの傍観者の観察日記だ。
だからシュウは主人公格として失敗したのだと思う。
ついでにいえばララ・ルゥをメインヒロインとしているのはいただけない。
彼女の役割は少女型でなくても(例えば動物型やペンダントそのものでも)十分だと思う。

最後に誰を想定した作品なのか分からなかった点があげられる。
やっぱり、ここまで重たい話を作るならそれなりの形をしていないと、子供が間違って見てしまうのではないか?
子供にもリアリティある物語を!と標榜して作られたアニメもあるけど、これはそうじゃない。
作り手の真剣さが伝わってくる感じだけれど、それは青少年や大人を相手にするレベルだと思う。

実際、同じようなテーマ、モチーフを扱いつつも子供が理解できるよう作られた優れた児童文学はかなり多い。
それらの秀作にくらべるとこの作品の文法は乱暴過ぎ。
また大人向けに作られたにしては、子供向き要素の残像(異世界の少女と謎のペンダントとか)が見え隠れしていて据わりが悪い。

やはりきちんと話をまとめようと作ったのではなく、感情的に突っ走った感がある。
広げた風呂敷の畳み方も拍子抜けするほどあっけない。
いろいろ不満点はあげられるのだが、見た人誰もが語りたくなる作品、という意味では本懐を遂げたのではないだろうか。
見た人に語られない作品ほど虚しいものはないのだから。

うーん。
個別のエピソードでも語れることがまだまだあるなあ……。

投稿 : 2014/04/13
閲覧 : 274
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1

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clooga0505 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:途中で断念した

いろいろと考えさせられた

鬱と騒がれているけれども、主人公の純粋さや正義感が際立っていて鬱というよりも切ないというのが先に来ました。生きていれば必ずいいことはある。これは自殺をしようとしてる人への語りかけなのだと感じました。古い都いうことで見ない人は多いのかもしれませんがとても面白く見やすかったです。

投稿 : 2014/02/27
閲覧 : 246
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2

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ヴァッハ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

鬱にナッチャウヨー

古いアニメだからその絵柄も相まってより一層暗い雰囲気に・・・。
主人公とその周りの子供達が織り成す人間ストーリーは悲しくも惹きつけられました。
ちょっと賛否両論ありそうな話ではありますが、私は好きです。

投稿 : 2014/02/04
閲覧 : 315
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1

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髭華一 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ララルゥの目が怖い。

いっぱい死んだー
味方も敵も大人も子供も善人も悪人も…
古くっさい青春スポーツものかと思いきや
ビックリな展開だたな。。

後半の子供二人が銃で打ち合って死んだとことか
切なかったわーー

独裁者もすごかった。
アニメ友達に聞いた話だと、設定では元々やつはあの国を守った英雄だからアベリアさんは尊敬してて
英雄になったら、色んなとこから攻撃されて
精神イカれたって話らしい。
アベリアがなんであんな奴に従ってたんか謎だったが、納得やわー







好きなキャラは、太っちょのBBA

投稿 : 2013/02/21
閲覧 : 292
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1

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ぽぽたん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1
物語 : 4.0 作画 : 1.0 声優 : 2.0 音楽 : 1.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

暴力描写につきる。

物語の内容は、別世界に転送?された主人公。そこでは独裁統治されていて、主人公達が巻き込まれていくような感じです。話は難しくありません。

内容は悪くはないのですが、絵が・・・絵がひどい。
最初観たときは「いなかっぺ大将」かと思うくらいの質の低さ。昭和風(80年前半)を思い出す。
きっと故意にそのような絵にしていると思うが、かえって
暴力描写が際立ちます。
本作は、暴力描写が凄い。少年へ殴る・蹴る・拷問。少女へのレイプ。
これは、子供さんには見せられませんね。

主人公のシュウは、ララルーの事ばかりで
サラを見捨てた感じだ。結局は綺麗事の偽善者に見えてしまう。

万人受けするアニメでなく、暴力的表現が大丈夫であるような観る人を選ぶ作品です。

投稿 : 2012/10/08
閲覧 : 275
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9

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teishi さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自分用メモ

二度とみたくない鬱アニメだがいい作品
王と鳥

投稿 : 2012/02/03
閲覧 : 411
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3

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myutan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦争の見えない部分をアニメ化した考えさせられる作品(長文駄文ちょっと不適切用語あり要注意)

13話視聴した感想文。

(総評)
テーマは戦争。
アフリカの子ども兵を題材にしてるらしいので(wikiより)、子どもたちを描いたシーンが多いです。
明るいわんぱく主人公シュウの学園ものかとみえる最初のシーンでは考えられない、シリアスな展開。
少し暴力シーン(グロシーンはなし)もあり辛くなることもありますが、戦争の痛みは十分伝わってくると思います。
重い作品が苦手な人にはオススメできない作品です。
10年以上前の作品ですので絵は少し古く見えるかもしれませんが、
罪も無い人、特に子どもたちが中心に巻き込まれていく戦争の負の部分を描いた演出は、個人的にすごい考えさせられる内容でした。
ただ、人間関係の描写不足や、戦争が悪いと言ってるだけで、何も解決策を提示してないという批判もありますが。。。

あとは、ダラダラ物語と特徴です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(物語)
主人公で学生のシュウが、
水の妖精であるララルーと出会い、
突然ララルーを狙う未来の地球からやってきたヘリウッド軍に襲われて、
そのまま戦争にまきこまれていきます。
そこで、シュウは捕らわれたララルーを必死に助けようとするんですよね。
舞台は、世界征服?を目指すヘリウッドと
ヘリウッドに襲われて逃れてきた人たちが集まったザリバース。
なぜララルーは狙われてるのか?
戦争に巻き込まれたシュウとララルーの運命はいかにぃ~?

(主要キャラ)
・主人公シュウ
明るくて正義感の強い少年。
いくら拷問を受けてもヘリウッドに捕らえられたララルーを助けようとするその行動力は半端なし。
たった一度の出会いで、そこまで助ける必要はないだろと疑問にもつかもしれませんが、彼の一途な性格を表現したかったのかもしれません。
全体的に暗い物語を明るくしてくれる貴重な存在。
ただ、あまり相手のことは考えない無責任な発言や行動も疑問符も。
無理やり兵士から妊娠させられて落ち込むサラに、
「生きてれば何とかなる」と発言した時はちょっとビックリしました。

・ララルー
水を操る妖精みたいな少女。
ヘリウッド要塞の動力源である水を出せる不思議な能力を持っているので、狙われているんですよね。
無愛想で無口なんですが、それは何千年も一人で生きてきて、水を独占しようとする人間の嫌な部分を見てきた過去を物語らせているのかもしれません。

・ハムド
自分を守るために人の犠牲も惜しまないヘリウッドの独裁者。冷静な独裁者姿と不安になった時に狂人になるそのギャップをうまぁく声優の石井康嗣さんが演じてると思います。
ただし、なぜ狂気になるのか描写があまりなされてないのが少し残念。
次回予告のセリフはぜひ聞いてください、その悪役っぷり。

・アベリア
ハムドを支える女性側近。
ヘリウッド軍のトップです。
狂気なハムドに何度も暴力をふるわれるのに、
あれだけ忠誠心を誓えるのは愛なのかぁ???
って疑問を持ちました。
この彼女の行動の理由が描写されてなくて残念。

・サラ
この物語で一番辛い役だと思います。
ただ、戦争映画でなかなかスポットが当てられない役でもあると思います。
アメリカからララルーと間違われて誘拐された少女。
そのままヘリウッド軍男性兵士の掃き溜め役に。

・ナブカ
村が襲われて連れてこられたヘリウッド軍の少年兵士。
本当は優しい少年で、
戦争が終われば村に帰れると信じて、
嫌々ながらもヘリウッド軍で人殺しをしたり。

他にもけっこういますが、省略でぇす(笑

(特徴)
1.戦争の負の部分
もし、戦争があったらどうなるんだろう?
私は体験者ではないので想像しかできませんが、
負の部分を描いた部分はけっこうありました。

(1)少年兵士
従順な少年を兵士にするのは、非合法とはいえよくある手段かもしれません。
理性のある大人より戦争への恐怖を知らない分扱いやすいからでしょう。
ヘリウッドは食料と兵士を確保するために、
村をおそい、従わない人は即射殺し、
村人を兵士にするんです。
兵士になった子どもたちは、
人殺しの方法を学ぶんですよね。
もし、戦争が終わったら村に帰れるという言葉を信じて。
でも、実際は村は爆破されて帰る場所はなし。
だから、そのまま軍にいるしか居場所はなくなる。。。
でも、そんなことは知らないで、
家に帰るために軍に従ってる子どもたちが、
襲った村で同年代の子どもたちを銃で撃つシーンは本当にやるせないです。
もっとリアルなものを見たければ、
映画のジョニーマッドドッグ見てみてください。

(2)女性捕虜
サラは、ララルーと間違えられてアメリカから連れてこられて、そのまま男性兵士の欲求捌け口に。
死に物狂いで脱走、妊娠発覚、自殺未遂。
戦争被害者として慰安婦被害者はなかなか表に出てこないけど、
被害にあった女性がどうその過去を克服していくのでしょうか?
サラが立ち直るシーンはあまり説得力がないかもしれませんが、こういう役を描いただけでも評価されていいのかなと思います。

(3)恨みの連鎖、武力だけでは解決できない戦争
ヘリウッド軍に襲われ、
何とか逃げてきた人たちが集まったザリバース。
家族が軍に殺されたり、兵士にされたりして
恨みを持ったザリバースの若者中心のメンバーがなんとかヘリウッドの独裁者のハムドを暗殺しようとします。
でも、武力では解決できないと反対する人たちもいて
ザリバース住民同士で少しいざこざになり、
最後はザリバースの若者が武力で反対を抑えちゃうんですよね。
武力での解決は結局恨みしか生み出さず問題の根本解決にはならないのでしょう。
ただし、武力なしだったらやられ放題なんで、
武力(防衛手段として、相手が交渉にのってくる前提かも)+政治力(会話により戦争を終結にもってく)が重要なんでしょうね。
ただ、このアニメでは政治力の部分については書かれてませんでした。

(最後に)
少年兵士を使った戦争への反対を込めて作られたんだろうと思います。
明るくて正義感強いシュウなんですが
その無神経さにちょっと疑問を持ったり、
登場人物の人間関係の描写に少し不足があった点、
最終回は、シュウだけ元の世界に戻って、他のみんなはどうなったんだろうという疑問も残るかもしれませんが、
戦争の負の部分を描いたアニメとしてかなり評価できるんだろうと思います。

投稿 : 2011/12/31
閲覧 : 476
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19

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makkotty さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心に残る名作

水を争う荒廃した百億年先の世界で誰もが絶望する中、主人公が無邪気に希望を訴える過酷な作品。

水を操る妖怪を守るために主人公が奔走します。
雰囲気はナウシカに似てるけれど、何の夢も希望もない絶望感だけが際立つ作品。
だからこそ今平和に生きていることが幸せなんだと思えた。

投稿 : 2011/10/20
閲覧 : 285
サンキュー:

3

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たまちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

いきなり別世界へ行ってしまったシュウ
ララルゥと間違えたサラを監獄に閉じ込めたままで子供を作らせる為の道具のような扱いを見て苦しかった
ララルゥの能力で金儲けをしようとしているハムドがとても皮肉な男でむかつきました
シュウと同じように連れてこられた少年達が居て帰りたくても帰れない状況で従うしかない
それでもシュウは帰ろうと必死でララルゥを助けようとして必死で最後はハッピーエンドで安心
とてもハラハラしました

投稿 : 2011/10/09
閲覧 : 294
サンキュー:

1

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:----

投稿 : 2023/08/27
閲覧 : 14

あにこれ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/31
閲覧 : 21

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

投稿 : 2022/11/12
閲覧 : 172

きすぎ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/01/29
閲覧 : 34

lll1 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/01/25
閲覧 : 31
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今、そこにいる僕のストーリー・あらすじ

 50億年後の未来の戦争に巻き込まれてしまった平凡な少年のサバイバルを描く、少年冒険SF。「おじゃる丸」「こどものおもちゃ」の大地丙太郎が監督、助監督は宮崎なぎさ、則座誠。松谷修造(通称:シュウ)は、ある日、ララ・ルゥという水色の瞳を持つ少女と出会う。彼女は、地球の未来を左右する力を秘めたペンダントを持っており、それを狙うハムドという50億年後の未来の独裁者から逃れるため、現代にタイムトリップしてきていた。だが、すぐに追っ手に見つかり、ララ・ルゥと共にシュウも未来に連れ去られてしまう。そこは、海が干上がり、地表も9割が砂漠と化している、まさに死に瀕した地球だった。そのうえ、その少ない水と星の覇権をめぐって起こった戦争によって、殺戮と略奪が日常化していた。否応なく戦争に巻き込まれてしまったシュウは、同じくこの時代に連れてこられたサラとなんとか生き残る道を探るが…。(TVアニメ動画『今、そこにいる僕』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
1999年秋アニメ
制作会社
AIC
主題歌
≪ED≫安原麗子『子守歌...』

声優・キャラクター

岡村明美、名塚佳織、仲尾あづさ、今井由香、小西寛子、陶山章央、石井康嗣、安原麗子

スタッフ

監督:大地丙太郎、助監督:宮崎なぎさ/則座誠、構成・脚本:倉田英之、コンセプトデザイン:山崎健志、キャラクターデザイン:大泉あつし、総作画監督:西野理恵、美術設定:佐藤正浩、美術監督:野村正信、色彩設計:秋山久美、撮影監督:斎藤秋男、編集:松村正宏、音響監督:田中一也、音響効果:山田稔、録音:名倉靖、音楽:岩崎琢

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