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「灰羽連盟(TVアニメ動画)」

総合得点
79.8
感想・評価
1541
棚に入れた
7730
ランキング
474
★★★★☆ 3.8 (1541)
物語
4.0
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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灰羽連盟の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

噛んで含める物語です。

思い浮かぶ名前が、その出自を物語るなら、どんなに恐ろしいことだろう。

ラッカ=落下・・・。レキ=轢・・・。

少しのインスピレーションで、不慮の事故(あるいは恣意的?)だってことがたやすく想像できる。

きっと、元の名は愛情に満ちたものだったに違いないのに。


~     ~     ~


人里離れて過ごすオールドホームには、どこか省察を促すような雰囲気がある。

町の人とは違うしきたりがあるようで、仕事もそれぞれに見つけるものらしい。

それは、生前の夢の途中だったのか。

あるいは、来世へのささやかな糧になるのか。

それとも、贖罪と敬虔を思索する彼我の境域なのだろうか。


~     ~     ~


罪憑きとは穏やかでない。

だが、招かずとも招いてしまったゆえに、憑き物となるのだろう。

ならば、羽をどれほど抜いても、どんなに塗りこめても、記憶の遺伝子はケロイドとなって、過去を打ち続けるのだろう。

そんな灰羽たちが向き合うのは、実のところ誰にも同じで、誰とも代わり得ない今世の因果なのだ。

思想・容姿・境遇に関わらず、魂を向かわせる生き方を、この今に見つけねばならないのだろうか。

沁み焦げた悲しみはあまりにも大きく、一人では癒せない。

灰羽の家は、そんな彼らが温もる宿り木のように見えてくる。


~     ~     ~


壁のなかは水脈の円環。

永遠を示唆するその流れは、ラッカに与えられた課題だろうか。

カラスは甦りへの使者だ。

まだ落ちてはならない。まだやり直せる。
そう訴え、死に抗うのだ。

いつまでここにいるのだ。いつ壁をこえるのだ。
そう諭し、再誕へといざなうのだ。

ラッカは、新しい芽吹きに、何を想うのだろう。

いかに語り、どう接するのだろう。


~     ~     ~


神話に、天の八衢(あめのやちまた)という言葉があります。

天上世界から地上世界へと降りる途中にある、たくさんの分岐のことです。

人の魂は、その生が志半ばに終わると、やり残したこと、見つけられないでいたことに深く悔やみ、長く未練を残します。

この物語は、そんな舞台の一つなのかもしれません。


~     ~     ~


追記です。

{netabare}
あくまで私論です。ご参考程度にお読みください。
気に障るかもしれません。そのときはごめんなさい。


死後の世界は三つに分かれていて、天上界と地獄界、もう一つは中有霊界と言われるそうです。

ラッカが暮らすグリの町は、なんとなくですが、中有霊界に感じます。
生きているうちに特段の貢献もなく、でも罪も犯さずに過ごしてきた人が集うところです。
ですから、基本、善い人しかいません。

死後の世界は、生きていたときの様々な体験と、得てきた価値観や記憶にシンクロしている世界です。
自分がそう思うから、そういう霊界に自然と行き、自分が願うから、あたかもその年齢のままに暮らすのです。


~     ~     ~


例えば、キリスト教の世界観だと、もともと人間には原罪があり、神に許されることで天国界に行ける。これが文化的基盤になっています。
懺悔などの行為が、教会で日常的に見られるのが象徴的です。
「神が人を許す」が根本にあるので「自分が自分を許す」なんてことはしないし、できないのです。

日本人の感覚と違うのは、死んだあとでも煉獄という厳しめの世界をわざわざ設定しているところ。
死後に至っても「自らを打ち、神に許されたい」と望んでしまうのです。
これって、言わば、上位たる神と下位たる人間の、一対一の関係性の "呪縛" なんですね。


~     ~     ~


では、日本の宗教概念はどうでしょうか。

まず、神道には霊界はなく、アニマという概念に近いです。
自然界に戻り、子孫をそっと見守るという感覚でしょうか。
折々の四季、過ごした故郷に、自然と湧き出す感情には、そこに根っこがあり、魂が共鳴するからです。
故郷に帰ると、どこか癒され、なぜか許された気分になるのはそういうバックボーンがあるからです。

次いで、普通に思う死後の世界観は、多くは仏教に依拠しています。
6世紀以降の国策として輸入された概念で、胎蔵界(たいぞうかい)、金剛界(こんごうかい)という如来・菩薩・明王たちの住む極楽浄土と、閻魔大王や鬼たちの坐す地獄界。

それって、昔の人にしてみれば、まるでアニメのようなものだったかもしれません。
見たことも聞いたこともない世界観、勇者、お姫様、魔法使い、そしてラスボス・・・。
感性がしびれるようなダイナミックなものに思えたかもしれませんね。

こうして俯瞰してみると、西洋はもちろん、東洋もなかなかの両極端を見せる霊界ばかりですから、フツーの人でいることは、いささか居心地が悪く、死んでからでも落ち着いた生活が送れません。
そこで登場する(設定された)のが中有霊界というわけです。

どんなところか、ですか?
もうご覧になっていらっしゃいますよ。
グリの町。あのイメージがそのまんま中有霊界です。

ということで、ラッカやレキの姿は、見かけ上は人の姿としてアニメートされていますが、ほんとうはと言うと、"魂としての存在" です・・・。
そんなふうにしてとらえてみると、案外と、全体を通して理解の助けになるのではないかと思います。


~     ~     ~


さて、そんなことを前提にして、ここから後半です。

グリの住民が、ラッカたちを「幸福な人」と話していたでしょう?
それは、彼らの住む世界から、とても早く転生できるって意味です。

霊界は、生きていた時の体験や考え方が似通った人が集まる "想念世界" です。
だから、とにかく気が合って同調してしまうので、魂の成長(気づきのはたらき)が難しいのです。

もう一歩突っ込むなら、現状への妥協が一番にあり、なんらの疑いも感受しないので、転生への切迫する必然性や、自ら環境を変えようとする動機など "ないに等しい" というわけです。

でも、灰羽連盟があることで、中有霊界の住人にもささやかな変化の機会が与えられている・・・。
深いお付き合いができないルールなので、とてもゆっくりなんです。
おおよそ300年くらい、あの塀の中で暮らすのです。

300年と聞くと驚かれるかも知れません。
でも、グリの人たちは、肉体的な負荷などあってないようなものですし、精神的なストレスもほぼ感じずに済む "ケセラセラ&イージーゴーイング"。
好日暮らしを毎日リセットしながら、それを漫然と繰り返しているのですね。

グリの人たちは、転生のことを分かって喋っているわけではなさそうですが、灰羽たちが急にいなくなってしまうことを不審に思わないのも、姿かたちから受ける印象だったり、肯定的な意味合いで何かをキャッチしているのかも知れませんね。

灰羽連盟だけが塀の向こう側に行けるのは、「罪の意識の素因をどこかに感じており、その因由を自らの意志で探求しようとするから」です。
一人では無理でも、仲間の集団と、話師という導きがあるのも、日本らしい "和" の計らいということでしょう。


~     ~     ~


本作に通底するのは、「執着バイアスの強さ=既成概念」と「そこからの解脱=気づきの柔軟性」の "意味合い" です。

すなわち、自らの業腹(ごうはら)に冷静に対峙し、その劫罪(ごうざい)をまずは受け止める。
次いで、神性や仏性に許しを乞いながら、逃げずにやり直そうと腹をくくることができるかどうか。

その覚悟に至るタイミングを掴むことが、自らを縛りつけていた執着バイアスが解かれるチャンス。
世界と自分との捉え方に変化が生まれ、壁をこえる=転生するきっかけになるんですね。

そのメッセンジャーが、甦りの象徴たるカラスという訳です。
"この壁はお前の深層意識が作り出している。今こそ羽ばたく時なのだ。"
"さあ越えて行け。海千山千、玉石混交の現世へと飛び込んでいけ。"
と。


~     ~     ~


オールドホームの仲間は、みな若く、未熟で、浅学です。
きめ細かく理解しあうこと、懐深く共感しあうことは難しいでしょう。
ラッカやレキたちの会話がどこか噛み合わないのも、生前に積んだ業がそれぞれに違うし、気づきに至るプロセスも自分だけのものだからです。

逆に言えば、グリの住民が自らの意志で転生できないのは、処世をそれなりに上手くこなしてきた "良くも悪くもの弊害" とも言えそうです。
そう思うと、善人ぶって丸く収めようとすることが、果たして全人格の完成というプロセスとしてはどうなのか、なかなか悩ましいところです・・・。

 
まあ、"悪に強い善" というのが、理想の一つなのかも知れません。


~     ~     ~


禅宗には「只今に生きる」という教えがあります。
踏み出す一歩に、呼吸の出し入れに、自分を "新しくする" 。
そういう意味です。

公案は、師と弟子、弟子同士で論じあいます。
そこで得たものがその人の境地であり、心のさま=ものの見方=気づきの力そのものです。
狭小な我執からの解放。これを悟り(差・取り)と呼びます。

本作は、そのアイディアをいくらかトレースしているように感じます。
視聴後の感覚=境地はご自身の宝物です。
ですが、それも「執着の罠」かもしれませんのでお気をつけて。


そんなふうな観点で視聴してみるのも、一興ではないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2023/02/28
閲覧 : 495
サンキュー:

29

ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

独特な世界観 散らばったパーツは割とほったらかし

キャッチさんの推しとキービジュアルに惹かれて視聴開始。

【作品概要】
壁で囲われたとある町。
そこには普通の人間と、
人間そっくりで羽と天使の光輪を持つ「灰羽」と
呼ばれる種族が同居しています。

主人公ラッカは夢から覚めたら灰羽になっており、
それまでの記憶がありません。
目覚めたラッカと先輩灰羽たちの物語。

【作品に対する感想】
年齢によって受け止め方が大きく変わりそうな作品でした。
※詳細は1)に記載します。

色々細かいルールでがんじがらめになっている
独特の世界観は若い人が作った作品なのかなって印象です。

1)物語
 物語の進行は非常にゆっくりで、
 世界観と人物をたっぷりの時間をかけて描いています。
 今風のさっくり手短にというのとはだいぶ差異があります。
 その辺は世代によって是非が分かれそうです。 

 ➀心理描写
  10,20代で未来がまだたくさんある世代にとっては
  死や消えてしまうことに対する恐怖は
  すごく大きいと思います。
  また「解らない、知らない、理解できない」ことへの
  恐怖も大きいと思います。
  そういった描写は良く描けており、伝わってきました。

  一方で私は歳食ったせいか、必ず訪れる死や
  誰にも気にされないことに慣れて(麻痺?諦め?)
  しまっています。
  登場人物たちに共感するというよりは、
  客観的に「ああ、昔はそうだったそうだった」と
  眺めているような、懐かしむような感覚で
  視聴していました。

 ➁世界観 
 {netabare}
  壁に囲まれた街がなぜ必要なのかもわかりませんし、
  灰羽が何で存在するのかもわかりませんし、
  灰羽がどういう存在なのかもわかりませんし、
  灰羽が旅立つというのも良くかわりませんし、
  灰羽を取り巻くルールの必要性もわかりませんし、
  こういうもんだと受け入れるしかなかったです。

  投げっぱかよ!とは思ったんですけど、
  それはそれでリアルなのかなと。
  人間が何で存在するのかも、どういう存在なのかも
  死んだらどうなるのかも良くわかりませんしね。
  全体像が分からないまま走らされてたり
  走らざるを得ないで走ってることって沢山ありますし。

  死んだ人が灰羽になる…んでしょうか?
  でもそれだと灰羽がもっとたくさんいないと
  おかしいでしょうし。
  あと自殺した人が罪付になる?
  
 {/netabare}


2)作画
 2002年の作品ですし、
 さすがに絵の古さや粗さは感じます。
 ただ、そういうのを見る作品ではないのかなと
 あまり気にしないようにして視聴してました。

4)音楽
 BGMは綺麗だったと思います。

5)キャラ
 ➀ラッカ
  ごく普通の年相応の女子。
  不安、怖れ、悲観的なところ…
  みんなが強いわけではないですからね。
  そういう意味では試聴者代表の子なのかなと思いました。

 ➁レキ
  面倒見の良さの裏側の面ですが、
  そんなのみんなあるものじゃないかなと思えます。
  悪い面だけ抽出して強調して言えば、
  ああいう言い方になるだけで。
  理由はどうあれ、ラッカの支えになり助けていたのは
  変わらない事実ですからね。
  

投稿 : 2023/01/23
閲覧 : 191
サンキュー:

20

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

汝は罪人なりや?

 このアニメは、、、う~ん(ーー;)、評価が難しいですねぇ。このアニメに限らず、2000年前後の作品って、非常に評価が定まらないんです。

 あまりにも謎が多く、しかも最後まで謎だらけ。しかし、、、なんというか、不思議な余韻を残してくれるんです。

 僕が感じたのは「生前の贖罪」についてです。他の人の考察では、ラッカは「飛び降り自殺」、レキは「電車に引かれて自殺」と書いてあるのを見たことがあります。死後、灰羽となった彼女たちは、罪を贖うため人々の営みの中で生活し、条件を満たせば新しい世界に旅立つ、、、ということでしょうか。

 結論として、人間の死生観、童話の中のような不思議でゆったりとした世界、のような話です。人気アニメのような刺激的な要素はあまりないですが、マイナーなアニメが見てみたい、という方はおすすめです。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/05/07
閲覧 : 472
サンキュー:

32

ネタバレ

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

途中まではすごく良かったです

ジブリのような柔らかいタッチ、優しい人たち、それと相克するような謎だらけの世界観(進撃のような壁に囲まれた都市とか)に魅了されました。
第一話で、可愛らしい少女の柔肌をバリバリ引き裂いて血まみれの羽が生えてくる生々しい描写に、一気に作品に引き込まれました。
ですがね〜。結局様々な謎は明かされないまま終わります。それで醒めました。
結局、謎列車に轢き殺されようと無事に壁外世界に脱出しようと、その違いは視聴者には分からないのでどっちでもいいです。おかげで終盤盛り上がらないこと甚だしいです。
まあ雰囲気アニメですね。

投稿 : 2022/03/04
閲覧 : 222
サンキュー:

3

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

優しくて心地良い

空から一直線に落下する少女。
繭から生まれた少女にやがて短くて灰色の羽が生えてきます。

飛ぶことの出来ない羽、そして頭の上には光輪と呼ばれる
天使の輪っか。
でも、およそ天使のそれとは違って飛ぶことも出来ません。

彼女が生まれた家(オールドホーム)ではやっぱり小さな羽と光輪
を持つ少女達が家族のように生まれてきた少女を迎え入れます。

序盤からあまりに情報が少なくて不思議な世界観に戸惑いながらも
レキをはじめとするホームの少女達の優しさ、暖かさがとても
心地良いんです。

灰羽と呼ばれホームで慎ましやかに生活する彼女達。
寝るときに邪魔になったりする役に立たない羽は、ある時には
鈴をつけて返事をしたり動かしたり出来るみたいです。
冬には羽に手袋(羽袋?)をして歩く
姿はちょっと滑稽だけど可愛らしくて和みます。

優しさに包まれた生活にラッカが馴染んできたある日。
クウの突然の巣立ちあたりから、この世界での生活は永遠でないってことが解ってきます。
自分的には前世での罪?想い残しを
この世界で奉仕することで償い、いずれ転生するってことなのかな
って観てました。

ラッカが生まれた時から優しく助けてくれていた姉貴分のレキが
一番の闇を抱えてて苦しむ姿は胸にきました。
優しさなんて、打算からのまやかしだって突き放すレキ。

そんなレキは奥底では自らを信じられなくても
この世界では多くの人達を救ってきた事実があります。

そんな彼女は最後に深く関わることになったラッカに助けられて
無事に巣立っていく。
いなくなるのに何となく寂しさ、悲しさが柔らかに感じるのは
新たな世界での生を感じる世界観だからなんでしょうかね。

そしてラッカ達が引き継いで、新たな仲間を迎い入れるだろう
ラストも素敵でした。

ラッカがこの世界に誕生する瞬間を思わせるOP。
 その身が羽になって消えて、この世界からの転生を想像させるED。
どちらもなんか目が離せない引き込まれる絵と音楽で
印象的だったな~。

投稿 : 2021/12/13
閲覧 : 268
サンキュー:

30

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

聖なる憧憬

自分の中の安倍三部作(lain、NieA_7、灰羽連盟)の1つです。
当時、イラストレーターの安倍吉俊さんの絵がネットに公開されていました。
とても人気がありました。自分も好きでした。
そこから自然な流れでこの三作品も観た記憶があります。
ただ、安倍さんのキャラをアニメ化すると原画のもつ独特な雰囲気を損ないます。
それが、とても残念だった記憶もあります・・・。

この三作品のなかで、灰羽連盟は、安倍さんが原作・脚本まで行った意欲作です。
当時は、唯一無二の世界観の作品だったと思います。
その後、この作品に影響を受けて生まれたのが「Angel Beats!」なのは有名な話。

今回、灰羽連盟をひさびさ(たぶん15年以上ぶり!?)に観返しました。
驚いたことに思いのほか内容を覚えていたのです。
当時、それだけ印象的な作品だったのでしょう。


この作品は、世界観に引き込まれるという感じとは少し違います。
どちらかと言うとこの世界の謎が気になり答えを探して見続けてしまいます。

・頭上に光輪を持ち背中に灰色の羽をもつ「灰羽」とはいったい何者?
・四方を壁に囲まれ、その外とは行き来が許されないこの街はいったい何?
・主人公たちの過去は?そして、未来はどうなる?

実は、これらの謎は、最後まで明かされることはありません。
{netabare}死後の世界だとか、壁を超えるとそこは来世だとか、輪廻転生だとか。
灰羽の墨付きは、自殺によって罪を背負ったからだとか。{/netabare}
いろいろ予想はできてしまいす。
ただ、物語の中ではそれらは語られることありませんので予想の域を出ません。

しかし、この作品を観ていると、これでいいんだと思えてきます。
中途半端な世界観を見せられ安っぽくなるよりは、はるかに良いと思っています。
逆にこれらの謎を残しているから、不思議な余韻が残る作品となっています。


この物語は、主人公「ラッカ」がこの世界にやってくるところから始まります。
そして、そんなラッカの面倒をみてくれる「レキ」の二人を中心に話が進みます。

「聖なる憧憬」は、灰羽連盟のイメージアルバムのタイトルから借りました。
「憧憬」の意味は、
「目ざすものを得たい、理想とする状態に達したいと強く望むこと。」です。
また、「その気持ち。あこがれ。」のことです。
実は、この気持ちは主人公ラッカのものではなくレキのものです。

それでは、「聖なる」とはどういう意味でしょうか?
ここでは具体的には書きませんが、これは、レキの憧れです。
そして、そこへ至る道のり(行い)のことでもあります。

自分は、この作品に対しては、この解釈でいいんだと思いました。
この物語は、この「聖なる憧憬」を通して二人が答えを見つけていく物語です。

迷いと葛藤を繰り返しながら答えを見つけていく点は、lainと似ています。
しかし、lainでは主人公一人でしたが、灰羽ではラッカとレキの二人になります。
このあたりを見比べるのも面白いです。

この作品は、正直、好き嫌いがはっきりする作品だと思います。
それが個性でもありますが・・・。
しかし、独特なミステリアスさから最後まで一気観できてしまいます。
最後に謎は残りますが、意外と自分の中で答えも出せる不思議さもあります。
観終わった後、「きっと、こう言うことなんだろう」と自分で納得できるのです。
謎が残る作品では、これはとても珍しいことだと思います。

自分の中では、lainとならんで名作認定している作品です。

投稿 : 2021/09/24
閲覧 : 264
サンキュー:

17

ネタバレ

ソース さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:----

じわじわ好きになってくる

雰囲気アニメというのは否定出来ない。前半から感じる静かで穏やかな雰囲気、世界観は人を選ぶ物であろう。正直、眠くなるところはあった。しかし、6話あたりから流れが変わってくる。ここまで見れた方々ならラストまで楽しめるのではないだろうか?
最終回後にも考察の余地を残しながら、この満足感。素晴らしかった。


...罪憑きは自殺してしまった人にあらわれるってことで良いのだろうか?

投稿 : 2021/09/08
閲覧 : 240
サンキュー:

11

ネタバレ

ゆ〜ふぉるど さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

オールドホームの灰羽達

灰羽という人間とは違った生き物や、オールドホーム、グリの街を囲む壁など、
独自の設定、世界観がありおもしろかったです。
また、それぞれのキャラクターの暗い過去や心情などを線密に表現していて、
憂鬱で悲しくなる場面もあり
後半になってくるにつれて、それがさらに増していきました。

そしてレキはが無事壁を越え旅立った最終回はとても感動しました。
これはラッカがレキの言葉に心が乱されながらも、
レキの助けて欲しいという本当の気持ちを受け止め、そして信じる気持ちがあってこそで、
もしかしたらあのまま永遠にさまよってしまうことになっていたかも知れません。

謎もいろいろ残っていますが、そこはそれぞれの視聴者に解釈を求めているのでしょう。(壁のこととか)
他の人の解釈と照らし合わせれば、さらに物語の深みが増して面白いかもしれませんね。

10年も前のだとは信じられないほどクオリティが高かったです。
もっと多くの人に観てほしいですね!

投稿 : 2021/07/04
閲覧 : 455
サンキュー:

27

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

消えたいと願った全ての人へ

石ころになりたい。
よくわかるよ。

「だって、レキは一度も助けてって言わなかったもの。
 ずっと。待ってただけ。」
これに気付けたらホントにキツイけどもう少し。

>うんと優しくしてあげよう。
>ずっと一緒にいてあげよう。
ひとは与えられたものしか与えられない。
でもレキにはまだ足りなかった。

ラッカの呼びかけにギリギリ捻りだした言葉。
錆びついた想いでは自身の体すら動かせない。

気づくことさえ出来れば。
0から1に出来れば。
聞く耳さえ持てれば。
ヒントはすぐそばに転がってるのかも。
あとは自分で。一人で。ひっそりと。

個人に価値なんてない。
才能なんて誤差程度。
考えることは繋がりかた。
誰のために。どうありたいか。


刺さる人にはブッ刺さる作品。
マイベストランキングに悠々と入賞し、
今まで見逃していた事を恥じては悔やみ、
誰かに勧めたい衝動を抑えられない程。

画面は暗くキャラデザも地味。アツい友情も恋愛も無し。退屈に思う人もいるだろう。途中で切る人もいるかもしれない。そのぐらい穏やかで優しい時間が続く。人を選ぶというのは間違いない。

空から落ちる夢を見た少女は、
見知らぬ部屋で目を覚ます。
そこは「灰羽」達が暮らす部屋。
少女に声をかける灰羽の名はレキ。
自分の名前が思い出せない少女は、
夢からラッカと名付けられる。
右も左もわからない中でレキ達はとても優しく、
人間と共存する街で平穏な日々が過ぎてゆく。
そんなある日、仲間の一人が消息を断つ。
激しく動揺し困惑するラッカに対して、
レキ達の反応は以外にも冷静なものだった。

メタファーの嵐。
特にカラスがやたらと意味有りげに出てくる。
時にはエピソードまるごとだったり。
アレはコレを表しててコレはアレに対応してとか
疑いだすとキリがないレベル。

対比もやたらとある。
壁の中と外。
飛べない灰羽と飛べるカラス。
生きてるカラスと死んだカラス。
灰色の翼と黒い翼。
灰羽と人間。
灰羽達の住居。
大人と子供。
名付けのルール。
意味があるのか無いのか完全にこちらの器量。

舞台の世界設定もほぼ説明無し。
レキ達と同じ目線で世界を見る。
「それは誰にもわからない」
「よく知らないけどそういうことになっている」
ラッカの質問にもこのありさまである。

作者の言いたい名言を唐突にベラベラと話し出す昨今のラノベアニメに比べて不親切極まりない。灰羽の灰色の意味は白黒ハッキリさせない、ということかもしれない。

一番好きなのは会話がものすごく優しいところ。お互いに気遣い思いやる言葉は美しく、主要人物の優しさがこれでもかと表現される。人への優しい接し方のモデルケースと言えるほど。みんながこれほどまで優しくなれるのかは個人的には納得のいく設定もある。もちろん劇中での言及はないので不自然と思うのも自由だが、単純に聞いていて気持ちがいいし、上品になった気分にさえなれる。音楽もかなり素晴らしい。

もしあなたやあなたの大事なひとが
このレビュータイトルのようなとき
思い出して欲しい、そんな作品です。

投稿 : 2021/01/22
閲覧 : 438
ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「村上春樹」と天使たち

ライトノベルの文脈はよく、「村上春樹」の登場から変わったとされ、特にこの頃2000年代前後の作品の「空気感」が非常に「春樹」的であると評される。

つまりは、「近代」的な社会のつながりと構築主義から、「現代」的なポストモダンと実存主義に変わることを指す。

例を挙げると「男性優位社会」的な熱血の否定による「日常」の肯定。更には、個人的な人間関係が世界や社会の問題と連結される「セカイ系」の始まりだとか。。枚挙に厭わないが、

特に本作においてのファンタジーなのか現実世界の暗喩なのか曖昧な世界感、退廃的で日常のみを享受するしかない空気感。やたらと羽の生えた少女の内面を深堀するあたりが「春樹」的であり、「ミスターチルドレン」や「スピッツ」的な音楽感とも似ている。(どちらも村上春樹チルドレン)

表層は退廃した人間社会と絶望感に打ちひしがれながら、実はそれでも「世界」を享受し、肯定する姿勢は、90年代以降の不景気で立ち行かない日本社会いらしい文脈とも言える、正に日本的な感覚そのものである。

投稿 : 2020/10/29
閲覧 : 481
サンキュー:

12

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰羽じゃとべないの。。

まわりを壁にかこまれた町があって
ラッカはほかの灰羽とおんなじに
まゆから生まれてきたんだ

生まれてから羽がはえてきて
あたまに光るわっかをつけられて
まるで天使みたいなの

みんな生まれてきたときに
見た夢をおぼえてて
それで名まえが決まるみたい

ラッカは空から落ちてくる夢をおぼえてて
それで名まえがラッカってなったの

灰羽って人間の生まれかわりなのかなぁ。。
生まれたときから大きな子どもで
お話ししたりふつうの人みたいに何でもできるんだ
でも
生まれる前のことって何にもおぼえてないの

町にも灰羽の人たちにも
いろんなヒミツとかふしぎな決まりとかあるけど
ラッカのまわりにはレキとか
ほかにもやさしい先ぱいたちがたくさんいて

分からないこととかフシギなことってたくさんあって
ちょっとしたいやなこととかもあったりしたけど
ふつうにみんなと楽しくくらしてたんだ

あることがおきるまで。。


はじめこのお話しって
のんびりしたお話しなのかなって思ってたけど
本当はもっとこわいお話しなのかも。。

にゃんはおばかだけど
ラッカみたいに考えちゃうことが多くって
どうして?なんで?どうしたらいいの?って
つぎのおはなしが気になってすぐに見おわっちゃった

このおはなしって
人間のことみたいかなってにゃんは思った

気がついたらここにいて
いろんな不公平とかあって
死んだらどうなっちゃうの?とか
いろんな分からないこととかいっぱいあって

いやなこととかもいっぱいあっても
かんたんに消えちゃったりできないし
いやでも死んじゃったりするし。。
それなのにみんな
ふつうに楽しくくらしてる

それができなくって
なやんだりしたのがラッカで
それってにゃんみたいだなって思って
とっても共感しちゃった

{netabare}
クウがいなくなって
ラッカがおかしくなりはじめて
くるしみだしたのが悲しくってこわかった。。

鳥ってやっぱりだれかの生まれかわりで
でも壁をこえて行ける羽をもってるから
きっと罪がない人が死んだら鳥になって
自由になれるのかな

井戸の中にあった鳥の骨って
ラッカがとびおりて死のうってした時
止めようってして自分もいっしょに死んじゃった
お友だちのことだったのかも?

そのお友だちには罪はなかったから鳥になって
井戸からラッカをよんでラッカをゆるしてくれたから
ラッカの罪はかるくなって羽も灰色になった。。
 
でもおわりのほうになって
本当に苦しくってなやんだりしてたのって
レキだったって分かって
ラッカと同じくらい悲しかった。。

人間だったレキが死んだところって。。
ほかのアニメみたいにはっきり見せてくれなくって

想像したらなみだが止まらなくって
きっと生きててくるしくって。。
死んだらまたそこでくるしむのって
もっと悲しくっていたいよね。。

あの時ラッカは
レキがほんとはいい人じゃなかったって分かっても
レキをゆるしてあげようってすればよかったんじゃない?

だって灰羽に罪のない人っていないって思うから
ゆるす人もゆるされる人も
そんなに違わないんだって思うよ

とちゅうでワシの人が言ってたのって
自分に罪があるって分かって
それを消そうとして人にやさしくしてたら
罪がなくなるってゆうことだって思う

それがほんとは自分のためにやったことでも
やってるうちに
本当にやさしい人に
本当にいい人になれて
灰羽の町から出て行ける。。

それって人間もおんなじなのかも
にゃんもいろんないやなところいっぱいあるけど
人にやさしくしてたらいい人になれるのかな。。
灰羽の町の壁をこえられるのかな。。

だったらいいけど
だったらそうなりたいなぁ。。
{/netabare}

見終わって。。

楽しいおはなしじゃない。。

いろんなこと考えちゃう
ちょっとフシギなお話しが好きだったら
見てみたらいいかも☆

投稿 : 2020/08/23
閲覧 : 1558
サンキュー:

221

ネタバレ

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

彼方からの呼びかけ

退屈だったけど観て良かったです。最後にラッカの笑顔を見ることができたから。

灰羽の住む世界が僕たちの居るこの現実世界から切り離された幻想世界であること。
自死を選んだ人間の救われない魂が灰羽として生まれ変わること。
そう考えると、ラッカの初々しくぎこちない人付き合いの様子を見ていると、身につまされたりして微笑ましい反面、どこか胸が詰まるような感覚もあって、それはたとえあのような幻想的な世界にあったとしても、人の縁からは逃れられないという皮肉な運命が、そうさせているような気がします。
そういうしがらみから逃れたくて、縁を、自らの命を断ち切ったということも、充分考えられますから。

灰羽にはそれぞれ真名がありましたが、元から答えが与えられているものではなく、自分で役割を見つけていくものだ、ということなんですね。決して簡単には見つからないけど、誰かとの繋がりがそれを教えてくれるのかもしれません。それが、この世にとり残されてしまった全ての人々へのメッセージだと思います...

投稿 : 2020/08/23
閲覧 : 237
サンキュー:

8

ネタバレ

マスラヲ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

壁があるから、壁の外を知りたいと思う。

羽が生えることが、痛みを伴うことである。そういうふうに描写している。
天使の輪っかも二三日すればつくとか、生活感があって面白い。
消えていくけど、それは自分の意志で。見送る方も、悲しむより誇らしく。
羽がある意味。罪の気持ちで黒く汚れる。作中で出てくる鳥は、全てカラスだ。住み着いてしまうとだめだと言っていた。
飛べないのに羽があるのか。何のための羽だ。
それは、誰かを救うための羽。壁の中だからこそ、羽ばたける羽。
「私はレキを救う、鳥になるんだ」By終幕。

投稿 : 2020/07/26
閲覧 : 199
サンキュー:

7

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

救済の物語

 アニメに限らず、何らかの作品に触れる際、自分の場合はジャンルやコンセプトなどを把握して、
それに沿っているのか?、あるいは外れているのか?といった観点から考えることが多いが、本作は
そういった位置付けが難しく、それでいて言葉にしづらい魅力に溢れているという不思議な作品
でした。

 ジャンル的にはファンタジーの範疇に入るのだろうけど、内容は既存のファンタジー作品にはない
ユニークなもの。ただユニークと言いながらも具体的にどこがとは挙げにくい作品ではある。
 個性的なファンタジーと言うと独特の世界観や設定を持つものが多いが、本作の灰羽などは天使を
モチーフとしたものでそれほど斬新なものというわけでもない。
 設定・世界観はお馴染みなものだが、鬱やダークといったテイストを強めた切り口だったり、逆に
コメディギャグに寄せたりすることで独自性を発揮する作品もあるが、本作はそういった作品でもない。
 灰羽としてグリの街で暮らすことになったラッカの日々の生活を描いた一種の日常系作品という
側面は、中盤のクウの巣立ち以後のシリアス展開で急激に弱まる。
 グリの街及び灰羽自体に秘密が多いことから真相究明のサスペンス要素で持っていき、その真相は
ファンタジー的装いに対してSF的本質があるものだったり(特に街から出られないという設定が
そう感じさせた)、あるいはかなりショッキングなものがあるかも?、と思ったこともあったが、
結局は特に明らかになることなく終わってしまった。
 ただ作り手側が認識している裏設定のようなものはありそうだし、灰羽達の心の救済を主題に
置いているような作品なので、作中で細々と設定・世界観を描かなくてもいいかなと思った。

 自分が観た範囲で強く感じたのは宗教的要素で、灰羽は死んだ子供で、グリの街は天国へ
行くなり、転生するなりといった次へ進むために、罪を清めるキリスト教における煉獄的な場所
なのかな?といった印象。それでいてグリの街は普通の人も生活しているというのが
面白かったりするが。
 そういう点では他作品だと「ANGEL!BEATS!」が近しい作品なのかな。本作の方が古いけど。
 そして、作中における灰羽は死者のようだが、これは現実世界における精神的悩める者の暗喩の
ようにも思えた。
 そういった心の救済という点では、ラッカとレキのダブル主人公といった印象だが、救済の方法を
神に求めるのではなく、他者との関わり合いに求めるという点が面白い。

 多分に観念的な話であるし、基本的に暗めで静的なテイストなど、人によっては退屈な印象を
持ちそうな感じがあるが、個人的には心の痛みに主眼を置いた部分は考察なども含めて見応えが
あるものだったし、そのテイストに合わせた作画の色彩や音楽も実に素晴らしかった。
 願わくばラッカや視聴者がレキの街や他の灰羽に愛着を覚えるような、日常テイストの回が前半に
もっと欲しかったかな。

2020/05/24

投稿 : 2020/05/24
閲覧 : 265
サンキュー:

11

ネタバレ

ライロキ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見逃していたいい作品

はっきり言って教えてもらうまで全然知らない作品でした。
まだまだ昔の作品にもいい作品はあるものです。
ストーリーも映像もすごくよかった。
前半は穏やかな生活が描かれていて、ファンタジー
な世界の物語って感じで、司書へのプレゼントの話は好きだなー。
一人が巣立ってからの後半はシリアスな展開で、考えさせられることが
多々ありました。
話師の罪の謎かけの話は解釈が難しい。一人で考えると抜けられない
ループに陥っていまうけど誰かに助けてもらえば抜け出せるっていう
事なのでしょうか。
謎な部分が多かったけど、それは観た人それぞれが考えて、
色んな解釈があっていいと思いますし、それもこの物語の
面白さなんだと思います。

灰羽たちは繭から出てくるから妖精?光の輪があって羽があるから天使?
それともやり残したことがあって成仏できない魂?
巣立つって成仏すること?それとも生まれ変われるってこと?
それとも天使になるってこと?
罪つきって自ら命を絶ったから?
罪つきのままだと巣立つことができずにそのまま忘れられてしまうって、
話師たちがそうなった人たちの事?
壁の向こうは生まれ変わった世界?
等々

このアニメをメッセで教えて頂いた にゃん^^ さんに感謝です。

投稿 : 2020/04/12
閲覧 : 284
サンキュー:

23

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ここは天国じゃないんだ! かと言って地獄でもない。

詳細は公式でも。

冒頭、まるで「天気の子」のように上空から、真っ逆
さまに落ちていく少女。その後、繭によって生まれる
天使?のラッカとなる。

頭に輪っかをつけ、背中には灰色の羽が生えます。
灰羽と呼ばれ、オールドホームで集まって暮らして
います。幸せそうに。
世話役のレキほか、先輩灰羽たちは甲斐甲斐しく
ラッカの面倒をみます。
しかし、あるとき仲間のクウが巣立ちの日を迎えた
ことから、ラッカは…

というお話です。

いやあ、暗いのなんの。
陰鬱という言葉がふさわしい、暗い暗い鬱なお話。
特にクウが巣立ってからは、より一層暗い。
そして、常に側にいたレキが巣立つ最終話付近は、
暗いどころか、おどろおどろしいまでの鬱さ。

若い天使たちが楽しそうに暮らしているはずなのに、
漂う陰鬱さ。劇伴もまた、バイオリンベースの、
暗い暗い楽曲ばかり。
画面も、まるで「げんしけん」みたいな、トーンが
どん暗い地味で真っ暗な感じ。

ま、新型コロナで鬱な世の中にピッタリな、地の底
まで落ち込んでいきたい人には向いている、とにかく
暗くてジメジメした作品です。

ストーリーは、んー…
結局、灰羽ってなんなのよ。
巣立ってどうなるのよ。
罪憑きってなんなのよ。
そもそも、ここはどこよ?
そんな疑問に、何ひとつ明確な答えを示さず、
綺麗にまとめた感じでいますが、頭ん中は???
しかありませんでした。

こういうのを雰囲気アニメっていうんでしょうね。

投稿 : 2020/04/03
閲覧 : 289
サンキュー:

9

ネタバレ

夏候仁 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

よくわからなかった

たいてい1話の中頃には何をしたいのか、どこを目指すのか明確にするのが多いのですが、この作品はよくわかりませんでした。
そして同じ展開がどこまでも続いて、作中で世間から毛嫌いされてるような描写も見られて断念してしまった。
アニメを見て理解した人からネタバレを聞けばもう少し作品の中には入り込めたのかなと思った。

投稿 : 2020/02/26
閲覧 : 252
サンキュー:

4

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

謎や疑問の多い作品ではありますが,「灰羽」は「灰羽」。

原作『オールドホームの灰羽たち』に

「美しくも 邪悪でもない ただの 
羽天使じゃない ただの灰羽」とあります。

謎や疑問の多い作品ではありますが,
少なくとも,「灰羽」は「灰羽」。

すでに人間ではなく,天使でもない,
ましてや,悪魔とかの類でもないですね。

羽があっても飛べるわけでもありません。

このアニメの設定は,私たちが暮らしている世界とは
全く別の場所,「壁に囲まれているグリの街」で,
人間と共生する「灰羽」が,
いるというもので,ほかのアニメと同様,
ファンタジーの世界に感情移入すればよいこと
なのです。

「アニメ」という媒体は,ありがたいもので,
こうした空想世界へ,連れて行ってくれます。

ほかのアニメの主人公たちが,
現実離れしているように,「天使にあえて似た」
キャラを考えたのだとすればよいのです。

ただし,コンセプトとして重要なのは,やむを得ず
若くして命を落とした人たちが,繭の中から,
生まれ変わるということと,やがては,消えて
光とともに昇天するということでしょう。

そのための準備をするところかな。

ラッカが罪憑きになったのは,クゥが「巣立って」,
いつまでも,くよくよしてたからかな。

(「旅立って」ではないところにカラスのように
壁を越えるという意味を含ませているのかな。)

「クウがいなくなってもオールドホームの
メンバーは平然としています。
自分も結局この世界では不要なのではないか
という不安がよぎったのだと思います。

黒い羽根を落とそうとするラッカ。
「私なんか、いなくなっちゃえばいいんだ。」
と自己否定をして,この物語の鍵となる
カラスと探しに来たレキに精神的に救われます。

井戸の中での夢で生前での「自分を大切に思ってくれた人」
の記憶から罪から逃れられたのだと思います。

レキの場合も同様ですが,
「人から裏切られ続けてきた」悲しみから逃れるために,
皆に優しくしてきたと語り,前世の記憶が
断片的に伏線として語られ,最終話まで,彼女自身が
自分に対して,罪を作り,苦しめます。

ありきたりですが,
脚本を書いたスタッフの方々は,「死と転生」と
「自分に優しくしてくれる人」という存在を
考えてもらうために,ストーリーについては
あえて「解釈の余地」を残しつつも,

テーマ性については,わかりやすいアニメ作品を
作ったのかもしれません。

作画が淡い色彩のせいで,どこか懐かしさを味わえる,
そんな面では,素晴らしい作品でした。

投稿 : 2019/11/22
閲覧 : 282
サンキュー:

13

ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

原罪と救済

これは、ここ暫く感じたことの無かった、静かで、しかも心の底から呼び起される感動を与えてくれた作品である。
灰羽はその姿こそ天使のそれではあるが、極めて人間的である。
その意味では、灰羽という姿に仮託して語られる寓話であるとも言えなくもない。
とは言え、描かれている彼らの生活、そこで使われている道具、住居、取り巻く街の描写は自然だ。培われてきた伝統、風習が加味され、彼等が重ねてきた営みが感じられる。
差し込む光は弱く、抑えられた色調で描かれた日々の営みが淡々と描かれてゆく。
この為、何時の間にか、そして違和感なく灰羽達に寄り添うことが出来るのである。

灰羽たちは何故ここに生まれたのか?
そして何処へ行くのか?
繭の中で見た夢、与えられた名前。
灰羽が背を突き破り、その痛みに苦しむ姿に涙が出た。
話師との対話を通じて、罪を知る事と助力者の存在に気付く“ラッカ”、そしてもう一人の主人公である“レキ”の苦悩を主題にした物語は極めて人間的であり普遍的なものだ。
夢を思い出せないこと、それは自分の罪に向き合えず、手を差し伸べてくれる者に気付くことができない姿だ。
森の中、井戸の底で助力者の骸に出会い、夢を取り戻す“落下”は、真の名前“絡果”を得る。今まで身に付けてきたサンダルを脱ぎ、街の古着屋で貰った靴を履く姿は、他者との繋がりに気付くという意味で象徴的だ。
それに比べ“礫”のそれはより深刻に思える。あたかも煉獄で苦しむが如くである。
自分の境遇を呪い、怒り、他人を妬む。それでも彼女は踏み石として善行を積む事で救いを得ようとするのであるが、そこに告げらた夢の形は残酷なものであった。
その絶望の中、“過ぎ越しの祭り”を経て融和の心を取り戻し、“絡果”を仲立ちに、“轢”という罪付きから救われるのだ。

これは、美しいOPとEDに身を任せ、毎回ゆっくりと思索を楽しみながら、大切に観るべき作品であろう。

投稿 : 2019/11/10
閲覧 : 367
サンキュー:

18

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心の奥底に触れる深過ぎる作品

当サイト内でお薦めを頂き鑑賞

ある少女が夢の中で落下して行くシーンから始まり、目覚めると見知らぬ不思議な世界。同胞達から受ける優しさ、閉鎖された世界の中で、自分達が異質な存在である事に気付く。元の記憶も無いまま、静かにそして緩やかに時間が流れて行く。ある出来事と並行にこの世界が姿をあらわにして行く、それはあくまでも観る側の想像の範疇なのだが……

まず客感的な見解ですが
直接的では無く、概ねが間接的な描写で描かれていて、考察が必要不可欠な作品です。直接的で無い分、各々の捉え方は自由であるが故に、評価も千差万別の感が有ります。一言で言えば深過ぎる作品だと思います。

此処からは私個人の見解ですが
作中で大きく描かれていると思われる
個人が抱く己の存在意義
これに関しては、人はなるべくして踏み入れてはいけない領域だと認識してます。そこにあるものは言わば無限地獄で有り、考え抜いて達する結論の一つは……です。
この事を、意識した事がある人は少なく無いでしょうが、逆に意識した事が無い人も少なく無いと思います。人生経験で個人、知人を通して、何かしら気する方には強烈な衝撃を与える、後にも先にも無い唯一無二のアニメ作品だと思います。
私にとっても様々な思い、記憶を呼び醒す作品でした。深過ぎますが観て満足し、救いを求めれる優しい話だと私は感じ取りました。

投稿 : 2019/09/24
閲覧 : 235
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ジャスティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

私は何故この世界に生まれてきたの?

2002年とかなり古い作品でしたが、
世界観の統一が良く出来ている作品でした

2002年の世界観とは思えないぐらい、
完成されていたので、
シナリオ面にもかなり良い影響を与えた感じでした。

シナリオ面については、
日常回と巣立ちするフウの回からの展開から一気に
シリアス感が出てきたときはかなり興奮しました。

何か進撃っぽい感じですよね。
巨人とアクションがなくなった感じと似ていますよね。

最終回のシナリオでは、
レキのマユの世界を旅することになる落下ですが、
ここは凄くぞくぞくしましたね。

投稿 : 2019/09/10
閲覧 : 308
サンキュー:

16

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グルメキング さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰羽=人間

用語や設定など深く考える必要はない
灰羽は人間と変わらないからだ
本物の天使は後付けの光輪なんか要らない
働かないといけない、ルールを守らないといけない、そして平等にある日お迎えが来る

このアニメのテーマは「罪」だと思う
じゃ助けを求めないことは罪か?自殺することは罪なのか?おそらく逃避することが罪でしょう
罪憑きは2人なのでこの2人のストーリーになる
「ラッカ」独りぼっちに恐るが、実は生前でも灰羽になっても独りぼっちではない。思い込み、自ら周りを拒絶して勝手に病む。それを意識してやっと罪から解放される
ちなみに名前は落下だが、水死を投影する場面が多い、まあ落下なら助けは来るはずがないね
「レキ」ラッカと逆のパターン、人間不信で1人で生きようとする。助けを求めることは自分のルールを破ること、最後の最後自己否定で罪から解放される

投稿 : 2019/08/02
閲覧 : 246
サンキュー:

9

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

説明しないことの魅力

幻想的で、ノスタルジーで、哲学的でもあって、宗教が持つ本来の魅力にも溢れている名作。

世界観が素晴らしい。
独特な文化を持ちながらも、きめ細かい生活風景の描写のおかげで、没入感があって馴染みやすく、全体的に洗練されている。

音楽も上質で、作画は今の時代から見れば当然、粗さもあるが、丁寧に描かれている。

贖罪、通過儀礼、死生観など、重苦しいテーマを扱うので、観終わったあとは、とても精神的に疲れたが、心のどこかに開放感を感じて晴々しい気分にもなった。
いわゆる、カタルシスというやつだろうか。

本作は、物語が蒔いた全ての謎に言及して詳しい説明をしているわけでは無いので、人によっては、「意味不明」と無慈悲な評価を下すこともあるだろう。
しかし、謎を敢えて全て説明せず、考察の余地を残す事は、視聴者のインスピレーションや、哲学的価値観を強く刺激してくれるし、そこが本作の魅力の源だと思う。

投稿 : 2018/09/28
閲覧 : 289
ネタバレ

jolljoll さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

助けてあげたい

死後の世界を描いた物語になります。この世界に生まれる前に見た夢(=死因)から名前を付けられて、オールドホームと呼ばれる施設で自活した生活を送ります。登場人物達は皆、死んだということをはっきりと意識出来てはいません。さまざまなしきたりや習慣に触れながら生活していく内に、徐々に自分達がこの世界にいる意味というのを察していきます。
 ストーリーも最初の方は、不思議な世界を舞台にした日常モノといった感じでしたが、最後まで見ると、これは灰羽達が救済されるまでを描いたモノなんだなということが分かりました。泣いてしまいました。
 作品の雰囲気としては、外国の絵本や児童文学にありそうな感じです。キャラの勢いだけが先行しているという作品ではなく、色彩、音楽を含めた作品世界の造形が完成された作品です。キャラクター達はその中にマッチしていますが、弱いという訳ではありません。キャラクターの評価が他の項目に比べて若干低いのは、キャラクタ―が世界を造っているというよりかは、世界がキャラクターを造っているというように感じたからです。決して魅力が無いということではありません。
 しかし、そう思ってしまうのも、この作品がかなり凝った造りになっているからだと思います。
 秋の夜長や梅雨の時期など、気分が内向きの時に鑑賞すれば、不思議と晴れやかな気分になれると思います。

投稿 : 2017/10/01
閲覧 : 333
サンキュー:

10

ネタバレ

橙色特別室 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これを観たらホドラーの「夜」が頭に浮かんだ

これを文学的作品だという人がいます。私は、そのタグにつられて観ました。では、文学的とはなんなのか?辞書を引っ張りだして調べるなんてつまらない手を止めて、一度自身で考えてみてもらいたい。単に寓意を秘めていたり考えさせられたりする作品を文学だと捉えているのなら、アニメに対しても文学に対しても偏った見方をしている可能性が高いです。

確かに、この作品はメッセージ性が強いですが、間違いなく普通のアニメーション作品です。それ以上でも以下でもありません。じゃあ、これは芸術作品? そもそも私は、どんなアニメもドラマも映画も漫画も小説も、全てが芸術作品だと思っています。この作品自体は何も悪くないのに、偏屈な人や賢しらな人が文学だ芸術だと持ち上げて作品が一人歩きしている印象があり、正直悲しいです。

読書関連の本を読めば分かるのですが、映像作品というのはそもそも受動的で、考察するのに向いていません。私を含めた視聴者の多くがこのアニメの意図するところを摑めてなく、流し観てしまっているのは、完全に制作側のミスでしょう。いくら暗喩を込めても、伝わらなかったら意味がありません。考えることが大切なのは分かりますが、やっぱり1クールのアニメを思い返して意図するところを掴みとるのは難易度が高いですよ。

この物語は出来が良いとは思いますが、アニメにする必要はなかったのではないかというのが私の感想です。アニメにするならもっと工夫すべきではないでしょうか?演劇やら小説やらに携わったことのある人なら分かると思いますが、それぞれで物語の構成は変わりますので、もっとアニメに向いた作り方があったのではないかなと思ってしまいます。

とまあ、辛辣な言葉を並べましたが、考えてみる楽しみがあるのも事実です。街並み、文化、作中の絵の筆致などから何世紀頃が舞台なのか割り出せます。時代が割り出せたら、その頃の人生観や宗教観、哲学や心理学はどんな立ち位置だったかを調べることで、少しずつ理解が深まります。その上で、なぜ壁の向こう側を描かなかったのか、なぜ羽が生えているのか、なぜ、なぜ…と考えてみると、色んな謎が解けるかもしれませんね。

投稿 : 2017/02/18
閲覧 : 285
サンキュー:

6

ネタバレ

シルフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

人生観を変えてくれたアニメ

この作品は救済、意義、目的、愛情、喪失、信頼といった時代を超えたテーマを巧みに描く、もっともっと精神的でもっともっと感情に訴える旅なのだ。そしてこれは、いろいろな意味で、私たち自身の経験の暗喩でもある。私たちは、見知らぬ場所からこの世界に生まれ、なぜ自分がここにいるのかを知ろうとする。道の途中で、愛するものたちに別れを言うが、彼らがどこへ行くのかも知らない。いずれ遠からず、私たちが彼らの後から追いかけていくことだけはわかっていても、あとは本当に何も理解はしていないのだ。それでも、私たちは、すべての混乱や哀しみの中に多少の意義を見いだしていく。このアニメが描いているのは、そういうことなのだ。哀しみと希望の両方なのだ。なぜなら、それこそが人生なのだから。

結局のところ人と人の信頼関係と自分一人では生きられないという現実。そして、心の闇は人によって救われることもある希望を見出して、未来へ向かって明るく生きようという人生賛歌なのだと思う。

投稿 : 2017/02/06
閲覧 : 277
サンキュー:

11

ネタバレ

ゴリラの唐揚げ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

灰羽連盟全体の考察

私の見解では

灰羽たちは予期せず死亡した子供たち。

罪憑きはその中でも「自殺した者」

壁の外は天国、または死後の世界?

街はあの世とこの世の間のような空間で、灰羽達は愛を知るためにこの街に生まれ、心が満たされたり過去のしがらみを振り払って巣立ち(外の世界へ行く)した者は仏教でいう、成仏するという事なのだと私は解釈しました。

すごく深くて難解なお話ですので色々な方の意見や考えを聞いてみたく思う素晴らしい作品でした。

投稿 : 2017/01/31
閲覧 : 479
サンキュー:

27

ネタバレ

くまちゃん♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

考えさせられます。

観終わったとき、あんまりおもしろかったって思わなかったです。

壁はなんだったのか、とか、なぜ彼らには羽があったのか、などなど、話の中にでてくる問いのようなものに答えがなかったからです。

でも考えて考えて、あぁ、これは考えさせられる話なのだなと気付きました。

観てるときはほのぼのしてて癒されてたけど、
観終わってズシンと来たアニメはこれが初めてです。

投稿 : 2016/09/10
閲覧 : 331
サンキュー:

8

ネタバレ

アリア さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

思っていたよりも ※自分用メモ

※自分用メモのため文章力はご勘弁を。

鬱展開だという声を度々耳にする作品だったので視聴したが、最後はレキが報われたことで鬱要素や後味の悪さはあまり感じられなかった。

レキの心の闇の深さ=救われたいという気持ちであり、救済される術としての善行が仇となってレキの心を蝕んだ事実が見ていて辛かった。

私自身、救われるために考えつくことといえば他者への善行だからだ。
誰かを施すことで自分が救われるのならいくらでもする。しかしそれこそが醜い心なのだということを強く突きつけられた。
そして「助けて」と声を上げられる素直な心を持ち他者を信頼し委ねることの必要性を改めて感じることができた。

13話と長さも丁度よく、謎についての考察も楽しめる作品となっており、観終えた後もじっくりと考えることができる。
隠れた名作と呼ばれる所以が理解できたような気がする。

投稿 : 2016/06/18
閲覧 : 247
サンキュー:

5

ネタバレ

しゅうじ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

雰囲気を楽しむアニメ?

ながら作業をしながらの視聴だったため、あまりちゃんとストーリーを終えておらず、また謎の多い作品で、様々な解釈がある伏線や描写が多かったので、かなり難解な作品という印象。

ただ、恐らく、死んだ人間が羽のある人間として繭から生まれ、共同生活をするという、その世界観や雰囲気だけで十分魅力的ではある。

投稿 : 2016/05/19
閲覧 : 232
サンキュー:

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灰羽連盟のストーリー・あらすじ

高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは、天使のような輪を頭の上に掲げ、背中に飛べない灰色の羽を持つ「灰羽」と呼ばれる少女達。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女はラッカと名づけられ、灰羽を名乗る少女たちから同じような輪を授けられるとともに背中に羽を得る。円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる…。(TVアニメ動画『灰羽連盟』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2002年秋アニメ
制作会社
RADIX
公式サイト
www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/haibane/
主題歌
≪ED≫Heart of Air!『Blue Flow』

声優・キャラクター

広橋涼、野田順子、宮島依里、矢島晶子、折笠富美子、村井かずさ、久川綾、鈴木千尋、水野愛日、比嘉久美子、半場友恵、青山穣、大木民夫

スタッフ

原案:安倍吉俊(~オールドホームの灰羽達~)、 監督:ところともかず、助監督:大森貴弘、シリーズ構成・脚本:安倍吉俊、キャラクターデザイン:高田晃、設定補佐:大森貴弘、美術監督:片平真司、色彩設計:遠藤菜緒美、コンポジットディレクター:長牛豊、音楽:大谷幸、録音演出:本山哲、音響制作:オムニバスプロモーション

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