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「灰羽連盟(TVアニメ動画)」

総合得点
79.9
感想・評価
1540
棚に入れた
7727
ランキング
468
★★★★☆ 3.8 (1540)
物語
4.0
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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灰羽連盟の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

カルヴァンの予定説を紐解くと、羽の色、グリの街の存在理由、壁の向こうに行く意味が一つの可能性として理解できるかもしれない。

物語に関する情報があまりにも少なく、らっかの苦悩に共感しにくかったです。

ただ、それ以外の部分では非常に楽しませて貰いました。

OPを含め、初めの5話ぐらいは「人類は衰退しました」のような緩い感じですが、後半からは抽象的なメッセージを全体的に染み込ませて見ている人に思考させる作品です。
生と死に関するテーマを掲げていると書いている方がいましたが、本当にそうだと思います。

詳細にどういったシーンやセリフがテーマに関係してくるのかは他のレビューアーの方々が書いて下さっています。
それを参考にして、宗教的観点からどうしてこの様な作品が作られたかを吟味したいと思います。


この作品はキリスト教の予定説が基盤になっていると思います。
キリスト教といっても長い歴史の中で政治的都合などから、その中身は改変され続けて来ました。特に中世のローマ教会が教養したキリスト教は本来のキリスト教とは似ても似つかないものだったとされています。
ローマ教会はキリスト教の聖典である聖書を信者に読ませず、サクラメントと呼ばれる儀式を行っていました。生まれてからすぐに受ける洗礼の儀式から始まり、死ぬときに受ける終油の儀式まで、全部で7種類の儀式を受けさえすれば天国に行くことができるというものです。
ですが、聖書のどこにもサクラメントなる儀式は記載されていません。当時のローマ教会は創始者とされる聖ペテロを始めとする歴代の聖人たちがたいへんな善行を施してきたお陰で、教会の中には膨大な「救済財」と呼ばれる、見えない財産が積み上がっていると考えられていました。教会がサクラメントを行えば、信者は救済財の一部を分け与えられることになるので、聖書なんて読まなくても救われるという理屈です。


こうしたローマ教会の腐敗堕落に真っ向から反対したのがルターであり、カルヴァンです。
カルヴァンがローマ教会を批判した理由に挙げたのが「予定説」です。

「予定説」を語るには、まずキリスト教の根源を語らなければなりません。

私達がよく知る仏教は「法前仏後」とされています。宇宙には法則があり、私達人間や釈迦でさえその法則は変えることができない。つまり法則が先で、仏はその次なのです。

しかし、キリスト教は「神前法後」です。つまり、神様が先にあって、その神様が法を作ったと考えられています。
旧約聖書「創世記」の冒頭には『神は「最初に光あれ」と言った。そうしたら、光が生まれた。』とされています。聖書の教えによれば、神こそがこの宇宙を作り、そして宇宙の法則を作った。
つまり、神は全知全能にして絶対の存在なのです。


では、ここからが本題です。
もし、あなたがキリスト教に目覚めて、信仰を持ったとします。毎日善行を積んで、清く正しく生活を送るようにした。あなたは1つの悪いこともしなくなった、そうすれば、絶対の力を持った神様が救ってくれると思いますか?

答えは否です。
あなたが善行をして、神様が「ああ、こいつは正しいことをしている。救ってやろう」と思ったとする。それは神様があなたの行動に左右されたことを意味しています。あなたの行動が神様に決断に影響を与えたことになってしまうのです。
絶対神である神様が人間ごときの行動で決断を左右する筈もない、と考えるのが本来のキリスト教だとされています。


そして、キリスト教を理解する上でもう一つ重要なポイントがあります。それは「1人の例外もなく、人間は堕落した存在である」という教義です。
エデンの園に住んでいたアダムとイブは神の命令に逆らって禁断の木の実を食べたために楽園を追放されます。その際に、神の命令を逆らった罰として「死」が与えられることになりました。そして連帯責任として、以後生まれた人間すべてに同じ罪が与えられた。これをキリスト教では「原罪」と言います。

つまり、すべての人間には死が与えられることになったのですが、ここからが肝心です。私たちが知っている「死」、原罪の「死」はキリスト教では本当の「死」だとは考えません。
心臓が止まり、肉体は朽ち果てても、それは「仮の死」であるというのが聖書の教えるところです。
だから、死んですぐに天国や地獄に行くということはありません。
そもそも、天国や地獄といった言葉は、本来のキリスト教にはないそうです。

では、人間はいつ死ぬのか?
それはやがて来るとされる「最後の審判」のときです。
世界の終わりに人々の前に神が現れる。このときに、それまで死んでいた人々にも肉体がいったん与えられて、生前の姿に戻る。そこで神様は人間に対して本当の死を与えるというのです。
ところが、そこには例外があります。「最後の審判」において、神は一部の人たちに対して「永遠の生」を与える、これがキリスト教でいう「救済」の本質です。神に救われた人たちは、神の国で永遠に生きることができると聖書には記されています。


さて、人間が二度死ぬというキリスト教の考えを知った上で、今度はどういった人間が最後の審判で救済されるのかについて知らなければいけません。

ここでカルヴァンは「どんな人間が救われるかは誰にも分からない。」と言っています。
どんなに善行を積んでも、絶対神には関係ありません。そもそも私達が「善」と思っている行動が神様にとって「善」なのかも分からないのです。
そしてカルヴァンはこうも言っています。「私たちが生まれる前から誰が救済されるかは予定されている」と。これが予定説の由来です。

こういわれると、一見救いのない宗教に見えます。イギリスの大文豪ジョン・ミルトンも「たとい地獄に堕されようと、私はこのような神はどうしても尊敬することはできない」と批判しています。

ですが、実際このカルヴァンの思想は燎原の火のごとくヨーロッパに普及しました。ドイツ、フランス、イギリス、さらにはアメリカにまでこの思想は広がったのです。

その理由は、どういう基準で救済されるかは分からないとしても。「結果として」、どのような人が救われているかは推定できるからです。
神様から救われるほどの人だったら、きっとキリスト教を信仰するに違いない。そもそも、その人物は最後の審判において、永遠の命を手に入れて、神の国に入るわけですから、神様のことを深く深く尊敬していなければ困る。
考えてみれば、神様は万能なのですから、その人間がキリスト教を信仰するように導くことなど、簡単にできます。となれば、神は救済を予定すると同時に、その人がキリスト教を信じ、神を信じる様に予定するに違いないという結論が出てくる。



さて、ここで話を灰羽連盟に戻します。
灰羽たちは現世で一度死んでからグリの街に生まれます。これはキリスト教でいう「仮の死」と考えられます。
羽が白色ではなく灰色なのは誰もが罪を持っている、つまり「原罪」を表している。そして、更なる罪(この作品では自殺)を犯した者には黒い羽「罪憑き」が与えられることになる。

それから、時が来たら羽とリングを捨てて壁の向こうに行くというのは、「最後の審判」として捉えることができるのではないでしょうか。壁の向こうは神の国というわけです。

話師についても聖書に該当する存在がいます。預言者です。聖書では彼らを「神の言葉を預かる人」と記しています。神のお告げを預言者は彼ら自身を通して人間に伝えるのです。

しかし、ここからが問題。予定説を信じるなら、レキやラッカが何をしても予定された運命からは逃れられないことになっています。グリの街でいくら善行をしても、救済されない者は最後まで救済されない。

ここで一つ考えられるのはレキは予め救済されることが決まっていたということです。

予定説の信者が信仰すればするほど熱くなるのには理由があります。予定説の極意は誰が救われるかがまったく分からないからこそ、自分にも可能性があるのではないか、と思うところにあります。

灰羽の壁を超える時もそうです。どういう基準で、どういうタイミングで最後の審判が下されるのかが灰羽には分からない。だけど、良い判決が下されたら壁を超えることができるのは分かっている。
だったら、できるだけ善行(予定説の信仰)をして救済を得ようとする。


こう考えると、この灰羽連盟という作品は救われる人物は既に決まっているが、灰羽たちには誰が救済されるか分からないから必死に試行錯誤する様を描いているようにも思えるわけです。

これはあくまでも私が勝手に妄想して関連づけただけなんですけど、一度死んでからグリの街に来る理由、羽の色、壁と設定の意味が解決するので説得力はそれなりにあると思います。

ですが、なんとも報われない話になってしまいますので、こうして書いている自分自身があまり信じたくない気持ちですね(汗


*参考にした資料:痛快!憲法学

投稿 : 2013/02/01
閲覧 : 400
サンキュー:

21

shintaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

よかった

ARIAみたいなゆっくりした時間を堪能できるのではないかと。生と死について考えさせられる作品だったようなきがします。またみてみたいとおもいました。どなたかの感想で「隠れた名作」との評価を見たときに見ようと思い、正解ではないかと感じました。

投稿 : 2013/01/30
閲覧 : 320
サンキュー:

3

横浜ゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

光輪はパンの型じゃねぇ!

これは考えさせられる作品ですね。
設定もかなり抽象的ですし、灰羽が何かも解らない。

私は好きな方の作品の部類になると思います。
見る人によっては訳が解らないまま進んでいく?的な。
難しいなぁ~感覚で世界観を感じるしかないし~

一話ずつ一話ずつ見た後に頭で考える必要あるかも?
直感で見ても訳わかんなくなる。
まぁ、私のおつむが足りないぃ~~~~~wwwから?
なんとなく解ったような気がしますがw

決して楽しい物語ではありませんし、
号泣する感動タイプでも無いように感じます。
人生とは?生きるとは?心にあるものとは?
大切なこととは?

知る人ぞ知るという作品ですね~
放送枠も結構、無茶苦茶だった記憶があります。
通して見るのは、レンタルが初めてです。

主人公や登場人物、誰も灰羽とは?という疑問に答えられない。
どのような存在なのか?主人公ラッカは考えあぐねます。
ドンヨリ鬱アニメですが、人生観を考えさせられたような気がします。

Free Bird や Blue Flow 気に入っちゃいました。

すばらしい作品をありがとう

投稿 : 2013/01/24
閲覧 : 453
サンキュー:

7

ネタバレ

ポケモンマスター! さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

『死』という壮大なテーマを掲げた作品・・・

~ストーリー~
人間と天使の間の子のような灰羽・・・

灰羽として生まれた主人公は、繭の中でみた夢から『落下』と名付けられた。

落下は仲間とともに少しずつ灰羽として成長していく・・・

灰羽と人間の共存する世界で、灰羽だけにおとずれる悲劇とは!?

~感想等~
率直に言いますと、なぜこんなにも古い作品がかなりの評価を得ているのか不思議でたまりませんでした。

実際視聴してみると、やはり画質が気になってしまう・・・

けれど、なぜか先が気になってしまう、そんな作品でした。

人間として生まれた私たちが、いかにして灰羽という種族をとらえるかということでこの作品の評価は大きく分かれることだと思います。

少しストーリーが難解で、なおかつ視聴者に考えさせるような作品となっているため、楽しむという意味ではちょっとおすすめできないアニメです。

シリアスなストーリーが好きな方や空想を膨らませるのが好きな方には向いている作品だと言えるでしょう。

考えるのが好きなあなた、『死』というテーマについて考えてみてください。

以下は観終わった方
{netabare}
やっぱり、画質は最後まで気になっちゃいました^^;

とはいえ、古い作品ながらもストーリーはしっかりしてたと思います。

視聴後に謎が多く残り、少し調べたところこんな考察がありました。

・夢は死ぬときの情景
・罪憑きは自殺した者
・壁の外は天国
・井戸で死んでいた鳥とはラッカが死んで悲しんだ人の気持ちが鳥となって壁の外からやって来た

こう考えると確かにすべてつじつまが合うんですよね・・・

落下や礫は自殺をしたから、許されない者になった=罪憑き

ホラーじゃなかったはずなのに、考察とかみてたらなんだか不気味に話に思えてきたので、そろそろやめます((((;゚Д゚))))

なにはともあれ、古い作品ながら『死』というテーマについて深く考えさせてくれた作品でした。
{/netabare}

投稿 : 2012/12/26
閲覧 : 270
サンキュー:

22

ネタバレ

富士山 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

感動

灰羽の独自の掟などの設定などがありながらもあまり物語に関係してこなかったのが残念だった。
どうして灰羽たちは使い古しを使わなければならないか、灰羽たちの住んでいるいる地域の外はどうなっているかなどを言及してほしかった。
最後は感動した。

投稿 : 2012/12/20
閲覧 : 228
サンキュー:

1

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

観れば心に残る作品

前半はほのぼのと何気ない日常が描写されているんですが、
だからこそ、そのぶん後半ぐっと胸に刺さるものがあります。
観終わると儚さ悲しさ暖かさがじんわりと長い間こみ上げてきます。
あまり知る人の少ないマイナーな作品かもしれませんが良作です。
エンジェルビーツに通ずるものがあるので、そちらが好きな方も一度観ておくと良いと思います。

投稿 : 2012/12/14
閲覧 : 343
サンキュー:

13

mintomomo さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

面白い、面白くないでは語れないアニメ

死後の世界(低界層の小さな一部分)の話で、まあまあ深いです。
キリスト教よりのところが少しあるが、宗教・スピに詳しい方なら読み取れるものが多いはず。
表現や演出方法で感じ方が多少違うが、心の世界が単純ではないという事を教えてくれる優良作です。

投稿 : 2012/12/14
閲覧 : 234
サンキュー:

3

ネタバレ

Ryuvay さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

グリの街という不思議な世界 ~長文考察

灰羽とは未練を残して現世を去った少年少女や幼い子供たち
灰羽たちの名前 ─ 繭の中で見た夢 ─ 死の直前の強い思いの情景 ─

ラッカは空から落ちる夢、クウは空を飛んでいる夢、ヒカリは光を見る夢、ネムは眠っている夢、カナは魚のように水の中を泳ぐ夢。
それぞれ落下死、爆死、昏睡状態からの安楽死、溺死などが考えられる。

レキは小石が敷き詰められた道を歩く夢⇒列車に轢かれる ──轢死の「轢」と瓦礫の「礫」
「クラモリ」は 暗い森⇒樹海⇒遭難ということが考えられます。
「ヒョウコ」は 氷湖⇒凍死、またはそのままの意味で凍った湖での溺死と言うイメージがあります。
「ミドリ」は漢字次第でいろいろ変わってしまうため割愛。

その中でも、「罪憑き」は「自殺者」と考えられています。
自ら命を絶つことは現世を諦めずに懸命に生きる人たちにとっての冒涜であり大罪です。
灰羽の羽根が灰色なのは、悪魔でも天使でもない霊的な存在だからだと考えられ、罪がある「罪憑き」は悪魔のように黒色になるのでしょう。
ラッカとレキは「罪憑き」でした。
このことから、ラッカは単なる落下死ではなく投身自殺、レキは列車による轢死自殺であることが窺える。

このレキについては、細かい描写があるので考察はしやすい。
生前、何もかもを投げ出し、救いの声をあげることすら諦めた。
結果的にそれは、「本当にそれでよかったのか?」という自問自答を延々と繰り返すことになり、良い行いをすること ─自分にとっては偽善─ でその自問自答から逃げているとも取れます。したがっていつまでも「罪憑き」から脱することができない長い時が過ぎ、ついには「やっぱりダメなんだ」とまた諦めてしまう選択をしたのではないでしょうか?
これはレキの物語を通しての行動にも表われています。
それが、自分自身を縛り付ける精神的な枷 ─生前と変わらない、何も成長していない自分自身の子供姿─ として表われています。
しかしそれらは、ラッカにとっては救いを求める「声無き声」に見えたのでしょう。
そして最後に、自分が独りではないんだと、救いを求めれば助けてくれる仲間 ─ラッカ─ がいることに気がつく。
「・・・・ラッカ・・・・・・・・・・・助けて・・・・・!!!!」
この台詞にそれら全てが詰まっているようにも見えます。

ラッカの場合、何も良いところがない自身を責め、生前の過ちを繰り返してしまっているようにも見えます。
そしてそんな自身が許せなかったし、生きている意味 ─存在理由─ も失ってしまっていたのでしょう。
それを救ってくれたのはいつも気にかけてくれていたレキでした。レキの良い灰羽であろうとする姿(当人にとっては偽善行為でしたが)がラッカを ─良いところがなくても自身にできることはあると、むしろそれが自身の良いところなんだと─ 救ったのでしょう。
鳥はこの世界にとってトーガ以外の唯一外と行き来できる生き物であることから、ラッカが落ちた井戸で死んでいた鳥は、ラッカが死んで悲しんだ人の気持ちが鳥となって壁の外からやって来たと考えられます。
この鳥が一般的に死神の遣いとも言われているカラスであり、しかしカラスと断言していないところは、暗いイメージ払拭しつつ、かつ死の遣いを連想させるあたり意味があるように思えますよね。


オールドホームの幼い子供たちについて
彼らの名前の由来としは、劇中で「将来の夢」だと説明しています。
ダイは「大工さん」、ハナは「花屋さん」などと言ってます。ショータにいたっては将来の夢ですら無く「ショートケーキ」だと言ってます。
もしかすると、幼くして死んだ小さな子供たちにとっては、死の情景と言うのがあまりにも薄い、「死」自体を理解できないため、夢⇒将来の夢⇒生前に思い描いていた将来の夢ということなのでしょう。
だとすると、ショータは「ショートケーキ」すら食べることができなかった、短い人生。貧困または身体的障害によってまともな食事すらできなかったことが窺える。
そう考えると、「将来の夢」だと説明はされていますが、本当にそれは子供たちが繭の中で拙い精神で見た夢の情景であり、幼い子供の灰羽たちは餓死や病死、虐待を受けた「死」という概念を理解できないままに死んだ子供たちだと考えられます。

謎のひとつである話師について
レキは、偽善行為を行い続けた結果、途中で諦めて自ら消えることを選びました。
(最後の最後でラッカに救いを求めることで自身を許し巣立っていきました)
話師は孤独であり今となっては救いを求めることができる仲間さえいない──この話師はおそらく自問自答し続け、結論を出せないまま、やはり同じように連盟という名のこの世界全てを守るという偽善行為を続け、それはさらに、自身の行為が正しいのか正しくないのかという自問自答を上乗せされ、自身を許せないままグリの街で老いてしまった姿なのではないでしょうか?


まとめると
グリの街とは、「生」と「死」/「天国」と「地獄」の狭間の世界。
未練を残して現世を去った少年少女や幼い子供たちにとっては最後に与えられた機会であり救済の世界。
「罪憑き」の灰羽たちにとっては、優しさに包まれたこの街で精神を癒し、再び生きていくことの試練を与え、己を戒め振り返り、改めることのできる最後の機会であり世界なのでしょう。

救済されなかった灰羽は、そのまま負のイメージに飲み込まれ ─地獄─ へと「消滅し」、救済された灰羽は、壁の外 ─天国─ に「巣立って」いくのでしょう・・・・。

投稿 : 2012/11/25
閲覧 : 312
サンキュー:

6

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宗教・哲学を表象させる幻想的なファンタジー。

基本的に考察作品というものは多義的解答を検討かつ検証するものであるが、本作はその例外であり
設定の考証分析に多少個人差はあれど、解釈の延長線上にある解答は凡そ共有されるであろう作品。
美しい景観を背景に灰羽達の精神的な苦悩・成長を描く点においても、考察という難解な視座ではなく
日常的な視座であり、考察作品として名高い作品ではあるものの、その段階を踏む以前に魅了される。
その淵源となっているのが独特の世界観であり、考察作品ならではの「不可解」という現象に陥らない。
序盤こそ退屈と感じるかもしれないが、敷居が高く意味不明よりかは退屈という方が条件は整っており
ある種の手軽さがある。それでいて考察は小難しくなく、かつ感慨深いものを味わえ、余韻にも浸れる。
仮に自力で把握出来なくとも、他者の意見に耳を傾け、再視聴すれば十二分に補完可能な範囲であり
各人想像力を羽ばたかせながらも解答を共有することは難しくない。今後、「再評価」が待たれる秀作。

投稿 : 2012/11/02
閲覧 : 448
サンキュー:

16

ネタバレ

(ΦωΦ)華菜* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

灰色の飛べない翼を持つ者。

**あらすじ**

高い空からまっすぐに落ちていく少女。
やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。
古びた建物の一室で彼女を迎えたのは背中に飛べない灰色の羽を持つ、「灰羽」と呼ばれる人物たち。
繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女は「ラッカ」と名づけられる。

高い壁に囲まれたグリの街、灰羽たちの暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる……。




*************************

作画的には、
"若草物語"とか"母をたずねて三千里"風でした。

☆☆主に登場する人物☆☆

*ラッカ*
主人公で、生まれてくる時、空から落ちてくる夢を見たことから「落下」と名付けられた。
性格は気弱でおとなしいケド、心の芯は強い。

*レキ*
灰羽歴は長く、7年目。
街の事や灰羽のしきたりなどに非常に詳しい。
ラッカの良き理解者で面倒見が良い。絵を描く事が得意。
仕事は灰羽を持つ子どもたちの面倒や家事全般を担当。
生まれてくる時、小石が敷き詰められた道を歩いている夢を見たことから、名前は「礫」。

*クウ*
灰羽歴2年。
小柄で明るい性格を持つ、おてんばさん。
誰かの役に立ちたいという願望が強く、
ラッカが生まれる時には自分よりも小さい子が生まれてきてほしいと願っていたが、考えを変え、先輩としてラッカの世話を見る。物語の中盤で"巣立ち"を迎え、物語は進展する。
空を飛んでいる夢を見たことから、名前は「空」。

*カナ*
灰羽歴3年。
少年のような容姿で仕事は街の時計屋で働いている。
家事などは苦手だが、仕事に関しては真面目。
"オールドホーム"内の時計台を直したいと考えている。
性格はがさつだが、正義感は強い。
のように泳いでいた夢から、名前は「河魚」。

*ヒカリ*
灰羽歴4年。
メガネっ娘で、真面目で優しい。
街のパン屋で働いており、ラッカが生まれた時に光輪を担当していたが、光輪の型を寺院で借り、それでパンケーキを焼いてしまった為、ラッカの光輪はパンケーキの匂いがするようになってしまう。少し間抜けな一面も・・・。
光が見えていた夢から、名前は「光」。

*ネム*
灰羽歴9年で最年長。
おっとりした性格でよく眠っている。
レキとは1番付き合いが長く、幼少の頃はレキを避けていた過去がある。今はレキの良き理解者。
夢の中でも眠っていたため、名前は「眠」。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

コメディ要素は少なく、
作画レベルもあまり。。。な作品でしたが、
何か少し惹きつけられるものがありました。
しんどい想いもなく、全13話視聴できました。

しかし、話、中盤から話が重くなっており、
少し"イライラ"とする部分がありました。

結果、灰羽がどのような存在で、
どのような意味があるのかわからない状態でしたが、
不思議な作品だなぁと感じました。

OPも音楽のみ、EDも神秘的な歌だったので、
珍しかったです。

何も考えずに観たいという方には、
オススメな作品かもしれません。

投稿 : 2012/11/02
閲覧 : 207
サンキュー:

5

ネロ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

難しい…

原作を知りません。
ただ、最後まで観て何か訴えたい事があるのだろう?
とも思いましたが、僕の知識と感性ではそこまで理解する事が出来ませんでした。
きっと、分かる人には分かる作品なんだと思います。

投稿 : 2012/10/19
閲覧 : 266
サンキュー:

1

ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰羽=全人類

テーマ上仕方がないのですが、全体的に暗く、淡々としているので楽しくはないです。
もう少し感情移入しやすいと良かったかも。

見て楽しむというよりは、見て考えるという哲学的なアニメかな。”答えのない問題”。
私はあまり好きじゃないです。
答えがないのは良いですけど、作者なりの一つの答えは提示してくれないとアンフェアだと思うから。
ストーリーとしても面白みに欠けてしまいますしね。

テーマについての考察→{netabare}
これを言ったらお終いだと思いますが、
罪を持つ人間なんていませんし、罪を持たない人間なんてのもいない、罪悪感とはただの驕りである。
というのが私の考え。なので、少し空虚な世界に見えました。
灰羽なのは潔白ではないからだとは思いますが、黒羽との対比としては微妙かな……。白羽がいるなら別ですけどね。
自分を悪人だと言いきれる人がいるなら、善人だと言いきれる人もいるでしょう。
価値観への影響もほとんどなかったです。
{/netabare}

作者の想いが込められた良い作品だと思います。
懐かしの国語用語”行間を読む”が必要になってきますので、それが苦手な人にはつまらないかも。
逆にそういうのが好きな人にはおすすめ。

投稿 : 2012/09/29
閲覧 : 330
サンキュー:

10

ネタバレ

たんたんたぬき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

世界観

私はこの作品面白くなってきたなと思ったのは後半からです。人によってここは評価が逆になると思います。話が動いて前半の落ち着いた空気が壊れてしまったと見る人もいるかと思います。私はそもそもそうやって見てませんでした。

ちょと記憶が曖昧ですが、初期の時点で死と関係した世界だと紹介されていたと思います。それとも連想するようだったかもしれません。その事がずっと引っかかっていて牧歌的な雰囲気に対して違った印象がありました。ちょっと気持ちの悪い世界観だと感じました。もちろん絵からはそれを連想できません。この穏かな雰囲気が逆に不気味でした。なんと言うか風の谷のナウシカを強く感じました。終わりの世界。ちょっとジブリっぽいなと言うか名作劇場の様な感じはあると思います。滅び行く世界。世界は滅びないけど、死が常に頭をよぎるのでそれを世界に連想してしまいます。

私はこれが何か好きです。子供の時なら避けていたと思います。怖いものみたさだと思います。ボンヤリとしたイメージの世界。実体がありそうで実際は想像でしかないようなそんな曖昧さを常に感じてました。それらはやはり後半話が動き出す時に繋がるものがあったんだと思います。

死が纏わり付いた世界。それが私のこの作品に対して感じた事です。

投稿 : 2012/09/27
閲覧 : 217
サンキュー:

2

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どこかで見たような?あ、こっちが先か

フジテレビの「大人の事情」で不遇の作品になったわりには、棚人数が多いですね。
人気アニメAngel Beats!ほどのハデさや明るさは一切ありません。
前半は世界観を描いていて退屈に感じる人もいるでしょうが、最後まで見終えると静にジーンとくるファンタジーです。

投稿 : 2012/09/21
閲覧 : 244
サンキュー:

1

Smog さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

救いの物語。

同人誌が原作。
全13話。

知人の強力な薦めでみました。
曰く、フジテレビの混乱期に作られたアニメだそうで、あまり目立たなかったが隠れた名作とのこと。

灰羽連盟という組織が存在する不思議な世界を描いた作品。
どこかなつかしく、あたたかく、ときに切なくなるお話です。
原作者は村上春樹さんの作品に影響されているらしく、それを聞いて「なるほどなぁ」と納得できました。

10年前の作品だからか、作画は古くさく感じるかもしれません。
しかし、かえって世界観とマッチしていて良い印象を受けました。
音楽も世界観にあっていて、雰囲気があります。
抽象的なメッセージを含んだ味わい深い良作です。

投稿 : 2012/09/02
閲覧 : 242
サンキュー:

10

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あの羽は痛そうだったわ~

なんだろうコレ、哲学的なアニメ?ジャンルがわからないやw

ストーリー全体で起承転結の何かがあるわけでなく、
この世界事態になぜ?どうして?といった疑問や謎の多いアニメです。

そして、この主人公自身も視聴者同様にその
なぜ?どうして?といった答えを探そうとします。

あ、アレはそういう事かと思える場面もあれば、
ん?どゆことー?となる場面も多いく

作中での明確な答えは表現されておらず
私は非常に悶々とした気分になりました^^;
(私の理解力では限界のあるアニメでしたね^^)

しかし、非常に丁寧かつ綺麗に作られているので
雰囲気が良く、クセというか押しつけがましくなく
のんびりと考えながらこのアニメは見れます。

そういう考えさせられる部分がこのアニメの面白さであり魅力ですねー^^
それを退屈と感じる場合はこのアニメはキツイでしょう。

今思うと「Angel Beats」にどことなく似てますね・・・

投稿 : 2012/08/27
閲覧 : 269

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

セピア色が独特の世界観に彩りを添える・・・

繭から生まれた飛べない羽を持つ「灰羽」の物語です。

閉鎖的な空間と様々なしきたりは、まるで現代社会を彷彿とさせるような印象を受けますが、灰羽達はお互いを助け合いながら灰羽に課せられた宿命に向き合います。

心理描写が深く作画も綺麗です。物語もゆったり進んでいくので、しっかり物語を堪能することができます。

主人公の名前は落下(ラッカ)。
物語を見始めて「あれ、この声どこかで・・・」と思ったら、
私の大好きなARIAのアリス・キャロル役だった広橋涼さんでしたo(^▽^)o

私はすっかり堪能してしまいました(^^;)

投稿 : 2012/08/25
閲覧 : 350
サンキュー:

30

ゲキカラ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

明るい気分のときはあまり見たくないかな・・・

率直な感想は、何なんだろう?ですw

タイトルに灰が付くだけあって、
終始グレーで曇り空のような内容でした。

「楽しい!」「面白い!」が合わないアニメです。
心の葛藤など、色々と考えるのが好きな方には
向いているのかと思います。

あまり難しいのは苦手です・・・

投稿 : 2012/08/22
閲覧 : 333
サンキュー:

4

coldikaros さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

なぜレビューしなかったのか^^;

ずっと昔に見てレビューしたつもりになっていたようで、今更ですがレビューします。
皆さんが言っているように、このアニメはいわゆる「考察」アニメです。
何か激しい描写があったり、心踊る展開が待ち構えているわけではありません。
このアニメを見ようと思っている人なら既に分かっているとは思いますが、激しく人を選びます。グロものまではいかないと思いますが。
このアニメをどう見るかは人により違います。というより、そのように作られています。
何か静かに考えさせられる作品を見たい人にはおすすめ出来ると思います。
ですが、それ以外の人はあえて避ける方がいいでしょう。
寝てしまうぐらい動きのないアニメですから^^;

投稿 : 2012/08/21
閲覧 : 314
サンキュー:

4

ネタバレ

サクマ式ドロップス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

つみつき
罪を知る者に罪はない では汝は罪人なりや

投稿 : 2012/08/18
閲覧 : 195
サンキュー:

0

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

働いてこそ、一人前

レビュタイは作中の登場人物の台詞から抜粋
働けば必ずしも一人前というわけでは無いですが、働かないものは一人前に成る可能性すら無いです

本作、他作品と比べるとかな~りゆったりと話が進みます
大きく話が動くのは6話から、ここでようやく本作の本質が出てきます
6話のラストからの7話~最終話、ここの出来が本当に素晴らしい
悲しみを背負った登場人物たちの心理描写が美しい
ただ、それまではかなり退屈、設定等々面白いので見続けようという気は起きるのですが、作品の雰囲気に圧されて眠くなってしまいます(笑)、作中に寝まくりの可愛いネムお姉さんがいるのですがあのお方の如く寝ちまいます(笑)
とまあ話は充分面白いです(派手なシーンは無いので洋画とか好きな人には向かないかも)
演出も素晴らしいです、さっき書きましたが心理描写の演出、それと小物の演出(気付くか気付かないかのレベルですが)

この作品を半人前の貴方に贈ります
貴方が居なくなっても世界は平常に機能します
本作は世界に影響を与えられる人間に成るための第一歩です

投稿 : 2012/08/17
閲覧 : 336

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない天使たちはいつか巣立つ、哀しげで暖かな世界観

円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。
しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れて・・・

原作・脚本は「シリアルエクスペレメンツ・レイン」「テクノライズ」のキャラデザで有名な安倍吉俊
この作品も痺れるような独特で素晴らしい魅力に溢れています。
どことなく古典ファンタジーのような雰囲気を感じますね。
そこそこ評価高い作品ですけど、それでも過小評価されすぎだと思います。

村上春樹の作品がモチーフらしいですが、その作品は読んだこと無いです(多分)。
よく雰囲気アニメと言われるのは、隠喩ばかりでその謎の世界観が明確に語られないからですね
しかし、実は内容はかなり濃い上に、その世界観に魅了される。
あらかさまに世界観を語らず、自然と分からせる展開がとても美しい。

その謎に満ちた独特な世界観が魅力的なのですが
灰羽たちの悩みや苦しみ、そして支え合う姿、といった人間関係が世界観を支えています
ミステリアスな点が強調されやすいが、こういったハートフルな内容が最大の魅力でしょう
後半からちょっと暗い展開になっていきますが、最後には救われるとても良いお話です
心理描写が秀逸なので、テーマ性は至極単純なのに心打たれました・・・

しかし、こんだけ隠喩だらけなアニメはなかなかないw
その世界観の明確な答えは作中で述べられないので、視聴者の想像任せな部分も結構ありますね
細部についての解釈はかなり分かれるでしょうが、みんな大体似たような結論に至ると思います
かなり宗教色は強いので、ある程度そういった知識がある人なら結構分かりやすい。
蛇足だけど、最近の某感動系人気アニメと世界観が酷似していますw
雰囲気は全然違うけど、比較してみると面白いかも?w

大人向けだけど、ワンクールでストレス無くさらりで見れちゃう不思議な魅力があるアニメ
作り手の想いが伝わるアニメで素晴らしい作品です。
万人受けはしないかな・・・・?けどおすすめしたい名作です。

投稿 : 2012/08/13
閲覧 : 393

氷月 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

タイトルなし

13

投稿 : 2012/07/28
閲覧 : 246
サンキュー:

0

イズミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すごく良かった

この作品を見て人生観が変わった。
とか言うのは正直私には無いです。
私の主観では灰羽ってエンジェルビーツに似たところがあると思うんですけど、どうですか?似ていませんか?ごめんなさい。救いとか、ね。

これは何というか、とても面白い、見ごたえのある作品だと思うんですよ。
謎のままで終わっている部分が多すぎる。問題提起をして、そのままなんですよ。なんで自分が灰羽になったのか、それを不思議に思う灰羽は居ても、分からないからしょうがない、としてしまう。自分なりの考えを出さないんですよね。
罪付き、壁、カラス、これらが私たちの生きているリアルの世界で何を意味しているのかさっぱり分からないんですよ。何度か見直したい作品ですね。空の境界と同じく。
単純にこの作品の世界観が面白いと初めて思いました。

投稿 : 2012/07/25
閲覧 : 232
サンキュー:

2

ぱんどら さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

期待して観るべからず

割と高評価も多い作品だが、自分の勝手な考えながら「大したことないと思ってみてみたら、意外と悪くなかった」くらいのスタンスがこの作品には丁度良いと思う。

むやみに期待値を高めてしまうと、あっという間に断念するハメになると思うので(私がその一人です)とにかく、前半7話くらいまでがめっぽうつまらない。8話あたりからやっと話が少しだけ動き出し、ラスト3話でようやく作品の全体像がつかめるといった感じ。

といってもそれほどの衝撃的な事実や、大感動のラストシーンが待ち受けているわけではなく・・・。なので、期待して観ると作品に込められたメッセージに思いをめぐらせたり、余韻に浸るよりも"裏切られた感"が強く残ってしまい「なんだ、こんなもんか」で終わる気がする。

自己補完型の作品ではあるが"あとは勝手に考えろ"といった投げやり感はないので、最終話まで観た人なら大体似たような結論に行きつくと思う。ただ、適度に謎は残るので自分で考えたり、人の意見を観たりして楽しむ余地はいい具合に残されていたりする。

万人受けするようなものではないが、なかなか感慨深い作品ではあった。

投稿 : 2012/07/25
閲覧 : 248
サンキュー:

2

ネタバレ

退屈無双庵 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

癒しアニメ

独特で個性的な世界観で人を選ぶかもしれないが、話を理解したら惹かれるアニメ。

投稿 : 2012/07/22
閲覧 : 231
サンキュー:

1

康成伯爵 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

【ジブリビーツ!】川-д-川

さびしいながらも
なんだか報われた気がしましたね。

投稿 : 2012/07/18
閲覧 : 208
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

儚い

心に残る作品でした。説明しすぎなくて想像させてくれる部分が多いのがいい。

投稿 : 2012/07/03
閲覧 : 215

(・×・) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

隠れた名作?

ぶっちゃけて言うとよくわからないアニメ。
なのに面白い。

最近面白そうなアニメ無いなーと思っているならぜひ。

投稿 : 2012/06/25
閲覧 : 201
サンキュー:

2

どうまん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

度の合っていないメガネ


周囲を壁に囲まれた、出る事が出来ない隔離された街という設定は、村上春樹の某小説のパロディ。
物語の初めはその不思議な街の様子を、主人公ラッカの目を通して視聴者にガイドするような内容。
所々不思議な単語が出てきて、しかしその詳細は特に触れられる事はなく、幻想的/非現実的な雰囲気を作るのに成功している。

一方で、どうしてもそれだけのアニメとなっている感が否めない。

「壁を越えるという事の意味」や「呪い」などの諸々の現象に関して、徹底的に抽象的な概念として説明をしないまま話を進めている。
ある種セカイ系に似た側面を持ち、同時に「文学的」な解釈も出来るようになっている。
「明確な解釈が無いからこそ探りがいがあって奥深い」と穿って見るとすれば、まさに村上春樹の小説の世界そのものと言って良い。
不思議な世界の不思議な話としては完成されている。

と、それはそれで1つの物語の形にはなるのだが、この作品ではそうした不思議をメインとして人間味の無い人々の不思議な話を描くのではなく、現象に触れて悩み傷つく人(灰羽)の心情を中心に据えて話を進めているので、却って視聴者が感情移入し辛くなっており、たとえば誰かが悲しんでいても「理由はわからないけれど悲しそうにしているから悲しいのだろう」というように、一歩離れた目線からしか心情を探る事が出来ない。
とりわけ主人公の行動の動機はそれら「感情」による所が大きいので、「どうしてそう思うのか」という理由がはっきり分からないとなると、話の展開や説得力に疑問を抱かざるを得ない。

このように序盤で築いた「主人公の目=視聴者の目」という同一性の物語の指向がまるで活かされず、活用されないばかりかむしろ中盤以降からの「主人公と視聴者の乖離」によって、視聴者側が置いて行かれかねないという、情緒を中心としたプロットにおいて致命的とも言えるデメリットを生じさせている。

まとめると、村上春樹的な抽象的で不思議な世界を前提としながら、そうした世界に合わない「掘り下げた心情描写」を両立させようとして、結局どちらも上手く成り立たず、焦点が定まらない結果になったものと考えた。
「不条理に対して抗う灰羽の姿を描く」か、あるいは「不思議な世界での不思議なお話」としていれば、静謐でどこか物悲しい音楽と合わせて、とても良いアニメとなっていたように思う。

投稿 : 2012/06/22
閲覧 : 260
サンキュー:

5

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灰羽連盟のストーリー・あらすじ

高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは、天使のような輪を頭の上に掲げ、背中に飛べない灰色の羽を持つ「灰羽」と呼ばれる少女達。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女はラッカと名づけられ、灰羽を名乗る少女たちから同じような輪を授けられるとともに背中に羽を得る。円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる…。(TVアニメ動画『灰羽連盟』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2002年秋アニメ
制作会社
RADIX
公式サイト
www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/haibane/
主題歌
≪ED≫Heart of Air!『Blue Flow』

声優・キャラクター

広橋涼、野田順子、宮島依里、矢島晶子、折笠富美子、村井かずさ、久川綾、鈴木千尋、水野愛日、比嘉久美子、半場友恵、青山穣、大木民夫

スタッフ

原案:安倍吉俊(~オールドホームの灰羽達~)、 監督:ところともかず、助監督:大森貴弘、シリーズ構成・脚本:安倍吉俊、キャラクターデザイン:高田晃、設定補佐:大森貴弘、美術監督:片平真司、色彩設計:遠藤菜緒美、コンポジットディレクター:長牛豊、音楽:大谷幸、録音演出:本山哲、音響制作:オムニバスプロモーション

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