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「はだしのゲン2(アニメ映画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
8
棚に入れた
32
ランキング
7713
★★★★☆ 3.6 (8)
物語
3.7
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.7
キャラ
3.6

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はだしのゲン2の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

戦勝国と敗戦国。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
1986年6月に公開された86分間の劇場版アニメ。

原作は、昭和に『週刊少年ジャンプ』→『市民』→『文化評論』
→『教育評論』にて連載されていた漫画作品。
著者は、中沢啓治。

監督は、平田敏夫。

【あらすじ】

原爆投下で日本が無条件降伏をして戦争が終わってから3年後。
原子爆弾で父姉弟を亡くし被爆者となった小学4年生の中岡元は、
更には原爆投下直後の惨禍に生まれた妹の友子も栄養失調で亡くし、

母・君枝と亡くなった弟・進次に生き写しの孤児の近藤隆太とで、
三人一緒に暮らしていた。

戦後の瓦礫と焼け野原の広島市も少しずつ復興して賑わいを見せていたが、
進駐軍の管理下に置かれていて、インフラも不十分で、
親を亡くして収容所送りから逃げている戦災孤児で溢れかえっていて貧しかった。

家族を支えるために工場で働く母・君枝であったが、
原爆の後遺症で体調を崩すことが多くなっていた。

そんななか、政をリーダーとする浮浪児のグループ、
ケロイドで嫌な思いをしている原爆孤児の少女の勝子らと知り合い、
心を通わせていく元であった。

母・君枝の身体は日に日に弱っていき、それは元たちとの永遠の別れの予感であり、
どんなことをしてでも母の治療費を稼いで抗おうとうする元たちであった。

【感想】

前作ではお子様だった中岡元ですが、今作では身体が大きくなった少年をアピール。
演じる宮崎一成氏が声変わりをした+キャラデザ担当者の変更で、
原作漫画にも児童向けみたいな前作映画にも似てない青年漫画みたいな作画が特徴的。
(元の美人だった母親が普通のおばさん化で前作の面影が無かったりします)。
元が小4じゃなくて中1に見えますね。それはそれで良いとして、設定に齟齬が…!
前作から3年後の夏なら小5じゃね?なはずが元が小4だったり、
また、前作の映像を回想シーンとして使いまわしてて、絵柄を統一しろよ!
と言いたくなります。

子供が煙草を吸い、パチンコに興じ、生きるためとはいえ泥棒をする。
在日朝鮮人問題や天皇は人殺し発言など、いろんなところからクレームつきそうな部分は、
省略されてるものの、この汚さが「はだしのゲン」だよな…と、ちょっと笑ったり。

このアニメの見どころは、原爆で亡くなった父・大吉の言葉、

『ゲンよ、麦はのう~寒い冬に芽を出し、何回も何回も踏まれ、
 根を大地にしっかり張って、まっすぐに伸び、
 やがて豊かな穂を実らせるんじゃ。
 お前も麦のようになれ!踏まれても踏まれても、たくましい芽を出す麦になれ!』

のとおりに何度も悲しみの涙を乗り越えて強く生きようとする元のたくましさでしょうか。
敗戦から立ち上がる日本人の姿を原作者が自分をモデルに描いたような物語。

戦災孤児の可哀想アピールとともに、お涙頂戴で、
NHKドラマの『やさしい猫』みたいに犯罪を美化するドラマ的なアニメじゃないかな?
という疑念を最後まで見て晴らすことはできなかったですが、
状況が状況だけに仕方ないかな?と思わないでもなかったですし、
身体の弱った母親を労る息子と、息子に心配をかけまいと気丈に振る舞う母親との人間関係や、
その日常描写はしっかり描けていて、そこは良かったのではないかと?

こうしてみると、登場人物がよく笑いよく泣く、感動的な音楽で盛り上げるアニメは、
実は昭和の時代からありましたし、
渡辺歩監督がドラえもんの感動エピソード映画でやってましたな。

福田雄一氏や三谷幸喜氏らを見ればわかるように今どきは実写作品が漫画やアニメに近づいて、
作品にもよりますがアニメが実写的な芝居や演出を用いるようになっていますが、
邦画や実写ドラマを参考にしたような情緒的なアニメ演出は昭和の昔から普通に存在していて、
昭和の時代劇や刑事ドラマなどでの人情を扱った演出が多めの映像作品の実例が数多いですし、
そういったものを参考にアニメづくりをするのも一つの方法論であります。

たまにエモを親の敵みたいに極端に執拗に毛嫌いする方もいますが、
エモ演出を用いるのは別に京都のアニメ会社の専売特許ではないですね。
アニメとしての技術的な練度や表現の幅についてはまた別の話ですけどね。

ともあれ、40年近く前のアニメで気付かされることがあって勉強になりましたね。

話は変わりますが、作品の舞台となっている広島市の現・平和記念公園に行ったのですよ。
そこは肌の色を問わずに日々たくさんの外国人観光客が訪れ、列に並んで記念館に入って、
広島で当時何があったのか資料を見て回って勉強して帰っていく。
その事自体はありがたいのですが、

気がついたのは、日本人は両手を合わせて慰霊碑に黙祷をするのですが、
外国人はスマホで撮影するばかりで祈らない。
する人もいるかもしれませんが、自分で見た範囲では外国人では一人もいなかったですね。
外国人には平和公園での体験がショッキングとサプライズはあっても、
戦勝国の一員として来日していて、知識として勉強するために来ていても、
鎮魂、悼む感情は薄いのではないか?
宗教的な理由とかいろいろな要素が絡んでるかもしれないですけどね。

これがただの自分の勘ぐりであるならば良いのですが、
私人として善良かもしれない白人がナチュラルに戦勝国の意識を無意識に抱えていて、
日本人と相容れない価値観があることが、
実はアニメの中で白人たちを殊更悪く描かずとも現実はより残酷なのではないか?

思えば、広島の人たちは感情に訴えかけるのではなくて、
被爆資料を並べて当時何があったかを淡々と説明するのみですね。

はだしのゲンは原作者の中沢啓治氏の実体験を元にした創作であり有名な漫画作品ですが、
物語や脚色よりも、実際に自分が広島で見聞きしたことほうが簡潔にインパクトが強かったですね。
と、考えさせられるものがありました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/07/24
閲覧 : 95
サンキュー:

12

、; さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/09/04
閲覧 : 166

E=mc² さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 1.0 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:----

投稿 : 2018/08/23
閲覧 : 163

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はだしのゲン2のストーリー・あらすじ

中沢啓治の代表作『はだしのゲン』の劇場アニメ化、第二弾。 終戦から3年。小学4年生になったゲンは、妹の友子、戦災孤児で弟分の隆太たちとともに母親を助けて懸命に生きていた。戦争・原爆の爪痕がまざまざと残りながらも、少しずつ復興の兆しが見える広島の地。だがそんな中、原爆による放射能は、ゲンの母・君江の肉体を今もひそかに蝕んでいた。 原爆投下の衝撃的な悲劇を描いた第一作に対し、戦後の日常を語る本作。だが終戦から数年が経った劇中の現在も、決して戦争や原爆が過去のものではない事実を丁寧に語る。テーマは終戦後の厳しい生活の中で、それでも確固と紡がれる親子の絆、そして友情。第一作とあわせて鑑賞したい、永遠の名作である。(アニメ映画『はだしのゲン2』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1986年6月14日
公式サイト
www.madhouse.co.jp/works/1986-1983/works_movie_hadashi2.html

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