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「年をとった鰐(アニメ映画)」

総合得点
60.1
感想・評価
10
棚に入れた
31
ランキング
5870
★★★★☆ 3.5 (10)
物語
3.6
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.5

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年をとった鰐の感想・評価はどうでしたか?

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

老害の話?価値観を超越した話?想いの一方通行の話?食欲の話?

 12分のアート系の作品です。ユーチューブで無料で見られます。さっき「ひとりだけの部屋」という作品を見たらお勧めされました。結構無料でこういう作品あるんですね。頭使うので少しずつ見たいと思います。

 ほとんど黒一色で作られた影絵のような作品です。一見稚拙な感じですが、画面の見せ方から言って低いレベルではないことには気が付くと思います。

 ピラミッドの時代から生きているワニの話です。もう歳をとりすぎて、生命の価値とか意味を超越してしまった感じです。他人の生命を奪う老害とも取れるし、一般的な価値観の外に出てしまっている超越者としてもとれます。その2重性が作品のポイントかな、という気がします。

 同時に、愛情とか崇拝とかポジティブな感情に対しても、食欲という生存本能が先に立ってしまう部分をどう見るかでしょうね。
「生命の本質は奪うことだ」だと「弱肉強食の残酷さ」でいいですから、それだと浅い気がします。
 愛情・崇拝というポジティブな働きかけが理解できなければ、殺して食うというネガティブな行為にも罪悪感を感じない、という老いたワニに視点を持ってしまうと違うのかなあ。
 愛情も崇拝も勝手な思い込みであり相手には本当の意味では届かず、愛に殉じる生き方は結局無駄に命を削ることで滑稽なことだ、とも取れます。

 善悪など超越して、達観して目の前にあるものを食い物にして生きれば、長生きできるよとも取れます。その代わり愛をしらないけどね、という話でしょうか?
 気持ちは伝わらない。自分の感情を欲望のままに相手に投射しているだけという話にも見えます。

 自分で書いていて、堂々巡りですね。まあ、その堂々巡りが本質なのかもしれません。
 文学的なアニメとしては、ちょっと面白いです。

 「君たちはどういきるか」でポカーンとした感じを楽しめた人には、この作品も楽しめるかもしれません。

投稿 : 2023/07/28
閲覧 : 78
サンキュー:

5

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ほどよき芸術性

 世の中の物語にはその作品のテーマ、寓意が私の理解の範疇を超えてしまうことが度々ある。lainとかテクノクライズ、あるいはカフカの短編だとか。
 そういった作品については、色々と個々人の考察も出ているけれど、皆違うことを言っていて、まあ皆正解ではないのだろうな、と思う。
 しかし、これはクイズではないので正解することが目的ではない、全てを理解する必要はないし、正しく理解する必要もない。
 また、果たして、こういった作品において作者がその意図を明確に伝える気があるのか甚だ疑問である。多分作者も明確な何かを伝える気はないのだ。


 さて、この話は、難解ではないけれど、物語の寓意、作者の意図は曖昧である。言葉にしてしまうと逃げてしまうような感じがある。
 しかし、このわかりやすいのに不可解という矛盾、山村浩二の映像の世界、単純で奇妙なストーリー、そういったものが見ていて確かに心地よい。
 なかなか素敵な作品ではないか。

投稿 : 2020/11/28
閲覧 : 335
サンキュー:

3

ネタバレ

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

なんとも不条理・・・。

 昔話なのかと思ったら 絵本作家のショヴォー氏が息子であるルノー君のために作ったお話のひとつだそうです。しかしその内容は凄いというか お子さんはどう思って聞いていたんだろう。 うーん考えてしまいます。

 献身的なタコへの愛を感じつつも欲望に負けタコを食べてしまう。しかも真実うまいと思った鰐。そして涙する鰐。調べたら鰐の涙とは、フランスで「ウソ泣き」という意味があるそうです。
鰐は最後には神にあがめられてしまう。なんとも不条理なお話。でもなんだか気になるアニメでした。

 H30年2月24日に山村浩二監督さんのトークショーがあり この作品を制作した訳をお聞ききし 改めて奥の深い作品だとわかりました。

 今度図書館に行ったら原作本を借りて読みたいと思います。 

 このアニメについては、良いレビューが出ていますので、ぜひそちらを読んでください。


受賞: 最優秀作品賞(グランプリ):飛騨国際メルヘンアニメーション映像祭 グランプリ(Best International Animation Film):第3回ビリニュス国際アニメーション映画祭-Tindirindis 優秀賞:平成17年度[第9回]文化庁メディア芸術祭(アニメーション部門) 部門B最優秀賞(Prize for the Best Film in Category B ):シナニマ2005 人生の鋭い観察賞(Diploma for its sharp observations of life):Festival BIMINI 優秀賞:第11回広島国際アニメーションフェスティバル 最優秀脚本賞(Award for best screenplay):第6回ヴィッセンブール・アニメーション映画祭国際
(Yamamura Animationより)


 ショヴォー氏とルノー君のお話集全シリーズ 読んだ感想を書いていなくて…。 

 戦争という時代に翻弄された家族。事実を知ると また違った意味で観方が変わります。「ふたりはいい勝負」までぜひ読んでほしいです。父親の息子への愛がそっとじんわりしみわたってきます。

投稿 : 2018/05/27
閲覧 : 299
サンキュー:

13

ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

コウカイの熱い海水

まあ、この話をざっとまとめると、

“厚顔無恥な年寄りを批判的に描いた童話”です。

実際作者は軍医だったところから作家になっているので
伝えたいことも多くあったのでしょう。


山村さんのトークショーを聞いたことがあるのですが

そのトークショーレポートまとめがあったので
そちらをご覧ください↓TOPに出てきます

あつぎ映画祭【こどもと映画】山村浩二監督トークショー レポート

山村監督が説明してくれたこと以外で感じたことをレビューしてみます。
{netabare}

鰐が黒で表現されている
最後に鰐を祀る部族の肌が黒く
本来赤いはずのタコの体も黒く描かれる

原作の絵を踏襲してそのまま描いているので忠実なのですが、
赤い鰐を際立たせる映像のギミックとしてよく出来ています。


タコは、足は12本だと言っていますが
数が数えられないので間違っています。足は8本ですね。

鰐は1本しか数えられません。

結局12日間ではなく8日間しか一緒にいなかったわけです。

長生きなのでしょうが誰が数えたのでしょう
数を数えられない鰐に年数はわかるのでしょうか。

タコが赤くならずに鰐が赤くなった理由とは。
日本語訳において最後のナレーションの意味とは何なのか。

{/netabare}
ショヴォーの亡くなった息子、ルノー君とのやりとりで出来た“ルノー君のお話集”は
フランス文学の中でもあまり知られていないもの。ショッキングでトラウマになりそうなお話が多いです。

けれど息子との話と聞くと、ショヴォーの描きたかったことがわかる気がします。
残酷で心的苦痛に感じるお話でしか残らないことはあります。
痛みを知ってはじめて人に優しくなれるように、彼は自分の見て聞いて感じたことや、
それを通じての“教訓”を息子にあげたかったのでしょう。

作品を書いた1920年代にあった主義,思想,主張,倫理観など、
第一次大戦を経験したショヴォーの伝えたい想いがそこにはあります。
(実際、軍医として戦争を経験した後に書いた「戦場の後方で」を1917年に執筆しています。

映像や絵本ではギュッと纏めているので印象も少し違います。
レオポルド・ショヴォーの原作ではもう少し読み取れると思うので
気になった方は読んでみてください。オススメです。

捉え方で、人それぞれ視点をどこに重く置くかが異なるのが本作の良い所ですね。
独自の解釈をしてしまっても、面白いかもしれません。

投稿 : 2018/02/17
閲覧 : 327
サンキュー:

7

ネタバレ

まりす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

理解できないのに 感覚ではわかる謎

長さは13分と、とっても短いです。
…なのに何なんだこの胸に突き刺さる感じ。

童話や児童文学の中には結構理不尽・不条理な展開があるものですが、
この作品はダントツです。何かと記憶に残る。
感覚としては藤子・F・不二雄の短編「ミノタウロスの皿」を読んだ時に近い。
語りのピーター・バラカン氏も、凄く作品を引き立てていると思います。

童話には教訓が含まれていることがある。
教訓が正しく伝えられるためには、物語がそういう構成をしている必要がありますが、
本作は子供どころか大人であってもメッセージを抽出することが難しい。
童話とは思わず、アーティストの作品として観たほうが良いのかも知れません。

そんなこんなで物語の解釈が困難ですが、物語の終わりのところだけ部分考察します。

《赤いワニが崇拝された理由》{netabare}
ワニの頭をもつ「セベク」は、エジプト神話で豊穣の神とされています。
が、後世になって中央神たる「ラー」と習合しました。
(※似てるから同じ神様なんじゃね、ってこと)

ルーヴル美術館のホームページの記載を引用すると、
「ワニが朝水中から出て、昼を岸でほとんど不動な状態で過ごし、
 夜になると水中に潜る習性を観察していたが、このような生活リズムは
 太陽の一日の運行を想起させた...」とあります。

セベク神の所有色は自然や繁殖を意味する「緑色」ですが、
ラーの所有色は「赤色」です。

ちょっとこじ付けかも知れませんが、このワニはナイル川の東に位置する
紅海から戻ってきています。
太陽が東から昇るように、東から赤いワニがやってきた。
人々の崇拝の対象になっても不思議はありません。
{/netabare}

…と、色々頭を捻らせてもこのくらいしか理由付けができません。
  「 Don't think. Feel! 」 ということなんだろうか。
何分、展開が不条理です。
しかし、それぞれの「行為」や「気持ち」はなんとなく推し量ることができる。
不思議です。

何度も繰り返し観れる作品だと思いました。
気付いた点が出てきたら短く追記します。
もっと解釈できる頭が欲しい。

投稿 : 2017/10/26
閲覧 : 357
サンキュー:

6

ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

創作童話を元に制作された短編アニメ

このアニメの原作は、フランスの作家
レオポルド・ショヴォーによる童話である。
山村浩二氏のおかげで、色々な作家を知ることができたのは
大きな収穫である。誠に感服した。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
年老いた鰐は、自分の曾孫を食べたことにより
鰐の群れから煙がられる。耐えられなくなった鰐は
安住を求めさまよい続けるが、12本足のタコに出会ったことに
より、愛情と食欲が同時に芽生えてしまう…。

正直なところ、感想を書くのが難しい。
展開が奇妙なのだ。
鰐の立場で考えればハッピーエンドだが、
タコの立場で考えるとバッドエンドである。
しかもラストは、人間に祭られた故に
毎日若い娘を食べることができるという落ち。
この作品は、本当にタコが報われない。
鰐の要求にも、嫌な顔せず素直に応じるタコの
健気さを思うとあまりにも悲しい結末だ。

ちなみに、「ワニの涙」はフランスだと「ウソ泣き」
という意味の俗語らしい。フランス文化に精通している
人ならピンとくるのだろう。

強引に他のアニメに例えるなら、pupaが近いように感じる。
pupaは、どうやら相当評価が低いようなので
視聴するかどうかは不明だ。某アニメで
痛い目にあったから、慎重になってしまう。

少なくともタコ愛好家は視聴すべきではない。
トラウマ必須。後、教育にも良くないため
年頃のお子様に見せないことを推奨。

世の中には、私の知らない世界がまだまだあるのだなあと
痛感した作品だった。

投稿 : 2017/10/12
閲覧 : 266
サンキュー:

6

ゆい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/07/16
閲覧 : 10

ルカ☆ルカ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

投稿 : 2020/11/06
閲覧 : 15

レタスの人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/04/01
閲覧 : 57

kuronotuki さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/04/27
閲覧 : 73

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年をとった鰐のストーリー・あらすじ

「頭山」でアカデミー短編アニメ賞にノミネートされた山村浩二監督がレオポルド・ショヴォーの名作絵本『年をとったワニの話』を映画化した短編アニメーション。ピラミッドの建設もその目で見た年老いたワニ。周囲からも大きな尊敬を集めていたが、リュウマチがひどくて自分でエサを捕ることもできなくなり、ついには近くにいた自分のひ孫を食べてしまう。その結果、一族は彼を追放、ワニはナイル川を下り海へと出た。彼はそこで美しい一匹のタコと出会う。彼女はワニに優しく接し、魚を捕ってはせっせと彼に与えるのだったが…。(アニメ映画『年をとった鰐』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2006年8月5日

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