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「響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)」

総合得点
91.1
感想・評価
3118
棚に入れた
13843
ランキング
39
★★★★★ 4.2 (3118)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.1

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☆の総合評価
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響け! ユーフォニアムの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これ、吹奏楽アニメではなく、吹奏楽「部」アニメなんだよね♪

(ユーフォ2を観るにあたって、評判も良かったし、より楽しみたいから1期を再視聴しましたw)

ストーリーの総括は2期のレビューに書きます。

主人公の久美子。部活は真面目にやってたけど、全国目指すほどじゃない。県大会金賞のオケに乗っているだけに、上手いんだけどプロ目指すほどじゃないり。楽器も、ユーフォニアムというマイナーな低音楽器(失礼w)をなんとなく続けてきた。すごく中途半端な設定が逆に珍しい等身大の主人公。

【各話感想】
{netabare}
1話目
ひとつの結果であっても、目線の高さにより、感じ方は人それぞれ。そこそこ上手い部員が、あまり上手くない部に入部するという中途半端さは、意外と新鮮かも。

2話目
楽器選択の場面は笑った。シリアスだけによらず、わりとギャグ要素が入ってるのは良いね♪

3話目
部活内ギスギス。失礼ながら、吹奏楽部らしくなってきたw 麗奈とあすか先輩、格好良い!

4話目
1週間でここまで上手くなるほど、吹奏楽って甘い競技なのか? という誤解を受けそうだが、まあ、アニメだから可。

5話目
女子3人全員が貧乳(いや、普通ですよw)とか、良いね(笑) 麗奈が素敵過ぎるなw

6話目
宝石ネタ笑ったw 葉月回と同時に、初心者回であり低音回。3つの魅せ場をうまく一発で魅せましたね♪

7話目
シリアス、来たね。でも、「マドンナだって芋好きなの」とか、ポイントポイントで萌えや笑いを挟んでくるから重くなりすぎない。

8話目
麗奈の株がドンドン上がってる。こういう不器用なキャラ好きだな。その裏で葉月は切ないし…。これは神回だな。吹奏楽なくても全然見られる作画に台詞回しにストーリー。流石の京アニクオリティ。

9話目
オーディション、強い部活なら普通だよね。私ら運動部も毎日がオーディション(選手選考)だしね。大学の剣道部なんて(うちはまだ良い方だったけど)60人中7人しか試合でられなかったし。ただ、剣道の場合ハッキリ勝敗が見えるから後腐れないけど、音楽とかの採点競技の場合、微妙な差なら遺恨は残るわな。ハッキリ言って主観もあるだろうし。

10話目
なんかこう、実に人間的なキャラが多いですね。やる気なきだった夏妃先輩の良い部分を魅せ、ブレずにここまで来た滝先生の人間的な弱さを魅せ、ある意味で記号化しているキャラクターがほとんどいたいのが凄い(これは原作の良さかな?)。しっかし、女子の嫌な所がでてましたね。こんな時、一切口を挟まない(挟めない)男子の無力さがリアルでした(笑)

11話目
麗奈さん、ちょっと戦場ヶ原さん入ってますよ(笑) 後輩の吉川さんは、悪役を一手に引き受けていますが、完全なる悪にはしないところが上手い。

12話目
ここにきて、久美子がいよいよ主人公らしくなってきたね。まあ、あと1話しかないから、コンクールをちゃんとやる気はないんだがw

13話目
演奏シーン、かなり良かったです。私は耳が良いわけではありませんが、凄く上手いことは伝わりました。映像も素晴らしい。ジャンルは違いますが、「ユーリ!!! on ICE」もこのように、「魅せ処を絞ってしっかりたっぷり魅せる」+「ホモよりユリ(⬅こっちは半分冗談ですがw)」にしとけば、ユーフォ並とは言わないまでも、かなりの評判を受けたのになって思いました。
{/netabare}

【視聴終了】

吹奏楽というか、吹奏楽「部」をしっかり描ききったという印象。私自身、楽器の経験はありませんが、母校が吹奏楽の名門(全国出たりテレビに出たりする)高校なので、色々な話を聞きました。同じ寮に吹部の特待生もいて仲良かったし、自分的に、文化部の中ではこっち側(体育会系)の仲間だなって思ってましたw

誤解を恐れずに言いますが、吹奏楽部って「人間関係のトラブル」と「ミーティング」が多いってイメージです(特に中学校は)。

①そもそも部員が多く、考え方は様々。
②ガチの団体競技だけに、下手な楽器が混ざるとレベルダウン。
③強い吹部の練習時間は、運動部を軽く凌駕する(夏休みとか、普通に午前午後の二部練してた。運動部だと練習のしすぎは故障のもとだが、文化部はその気になればエンドレスで練習している)。
③学校のいたるところで練習しているから、絶対的に顧問の数が足りなく、生徒だけの密室ができる(というか、パートごとに「違う部か」というくらい雰囲気やシステムが違う)。
④しかも、そこには(各学年の人がいるから)明確な縱社会が生まれる。
⑤身体能力がそこまで重要でない(技術の占める割合が大きい)から、年齢によるアドバンテージが少ない(後輩が先輩を超えることも)。

以上のことなどから、様々なトラブルが起きやすい土壌がある部活だと思います(だからこそ、仲良しな吹奏楽部は本当に凄いと思う!)。必然的にミーティングも増えるし、たくさんの葛藤が生まれます。

個人の中に生まれる葛藤と、仲間と仲間の間に生まれる葛藤をしっかりと描ききっています。

その上で、「低音楽器を押し付けられる(辞められない)」や「楽器に名前をつける」など、吹奏楽アルアルを随所に入れ、経験者にも嬉しい演出。

更には、実際の音に関しても、初心者にもわかるように、あえて下手な音を出したり、(私にはわかりませんでしたが、知り合いの元吹奏楽部のアニメ仲間に聞くと)指の使い方とかもかなり正確だし、音も、「微妙に上手い」とか「微妙に下手」とか、凄く高度に原作を表現しているらしいです。あっぱれ!

このアニメを観たとき、ストーリー的な一番の難点として挙げられるのは、「ご都合主義(そんな簡単に銅賞→金賞とれるの?)」というものがあり、そこは確かにそう思うけど、魅せたいのそこ(音楽的なこと)じゃないしね。

とにかく、文句なしの名作でした。これから、2期観ます(ワクワク)!

投稿 : 2021/05/16
閲覧 : 500
サンキュー:

74

コタロー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

生存競争・生存共創・生存協奏

またまた素晴らしいアニメに出会えました。

コタローはバリバリの体育会系ですが
吹奏楽も一部体育会系ですね!

少し厳しく!!
半年そこらで、全国に出れるレベルになるには
血と汗と涙が必要です。
それに個人の思いと負けん気が必要です。

遊びか本気の度合いを生徒に委ねている自体
全国レベルには到底不可能でしょう!!
とマジに書いてしまいましたが

音楽・画策・キャラどれをとっても
最高です。
京アニですか・・・
素晴らしいできですね

この作品も多くの人に
努力することの素晴らしさ
仲間で育む人間関係
社会にでる上での”上下関係”の厳しさ
を教えてくれるでしょう!

でも
試合に出るものはベストです。
上級生優先ではありません
また
実社会でも実力があるものが出世します。

社会の縮図も散りばめられ
人間形成の大切さも解く
本当に素晴らしい作品です。

勿論、涙を流す所もありますので
勇気・本気・根気と感動を与えてくれます。
では!!

投稿 : 2021/05/04
閲覧 : 200
サンキュー:

15

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

忍び寄るおもしろさ

 すごくよかったです。ストーリー全体としての完成度が高くとても引き込まれました。メインはめちゃくちゃ真面目な部活ものでそこに恋愛や人間ドラマが絡んでくるといったテイストになっています。
 ストーリーもさることながら突出すべきは作画でしょうか。さすが京都アニメーションといったところで金管楽器の色艶や目や髪の色彩など見れば見るほど魅了されてしまう作画でした。
 そしてカメラワーク。京アニらしさが炸裂しており、会話の合間の足の描写、顔のアップ、ピントのぼかし、そのどれもが実写的で意味のあるものに感じました。
 個人的に好きだったのはトランペットでのソロパート決めでの一連です。かおり先輩のひたむきさとチームへの気持ちが伝わってとても感動しました。
 この作品の欠点としてはやはり序盤のほうはどこか淡々としているのでストーリー全体としては面白いのですが単発単発のインパクトは少ないのかなと思いました。また、これは私の頭が悪いだけなのですが麗奈とあすか先輩がいまひとつ掴みきれずに終わってしまったことが心残りでした。それから、最終話の演奏で回想やナレーションを入れるよりも演奏のみのちからで魅せて欲しかったなぁと思います。
 ですが青春群青劇としてかなり自分の理想にも近く、これからの彼女らの音楽や人間ドラマがとても気になり、2期が楽しみです!

90/100点

投稿 : 2021/05/01
閲覧 : 260
サンキュー:

16

あーちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

吹奏楽の音色を聞くとなぜか泣きそうになる

いい!登場人物に癖はあるけど、嫌いじゃない。
そして、JKのふくらはぎがもっちり、ぷっくりで非常によい。笑
あと、制服がかわいい。

個人的には高校の吹奏楽部って未経験者は入りにくいイメージだけど、
吹奏楽部のある中学ってそんなに多くないのかな?

どの登場人物も、等身大という感じで感情移入できすぎた。
オーディションのやり直しは、かおり先輩の立場だと、やめて!と思うけど、かおり先輩を応援していた子からすると、がんばった人には報われてほしいという思いがあったんだろうなと思う。

大きな事件があるわけではない。
でも、高校生や全力で部活に臨む彼女たちにとっては大問題で、避けては通れない問題。
一歩一歩、わからないながらも進んでいく感じが、青春だなあと思う。
一つ一つの出来事で一喜一憂する、揺れ動く心。
いいなあ、もう一度青春時代を過ごし直したい笑

投稿 : 2021/05/01
閲覧 : 185
サンキュー:

9

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

京アニで一番好きな作品

京アニのなかでもかなり最近の作品ですよね!
けいおん!とは違ってこっちはガチで全国目指すスポ根ものとしてみてます!
そしてキャラの心理描写や部活の様子がリアルなところこんな感じのキャラ、こういう展開ってホントにありそうだなって感じの描写がリアリティあってそこがよかったですね。
1話の死にたくなるほど悔しい!が11話でやっと気持ちがわかった描写あそこはかなり好きでした。
また久美子が特に成長して熱が出た部分でもあるのかなあとおもった!
はづきちゃんも最初はあまり好きなタイプではなかったけど、回を重ねる事にいい子なのがわかってよかったし麗奈ちゃんも不思議ちゃんながら自分の意思を全く曲げない負けず嫌いで誰よりもトランペットをあいしてるところがよかった!
個人的には僕は京アニで一番好きな作品です!

投稿 : 2021/04/20
閲覧 : 146
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

揺れ動く高校生たちの心情を、吹奏楽を通して鮮やかに描いたマスターピース

大人になる一歩手前の高校生の真っ直ぐな気持ち、
自分の信じる価値観、思い通りにならないもどかしさ。
そんな感情を吹奏楽部の活動を通して表現した名作。
今さらだが、個人的にはこの作品に出会ったことで、
また本格的にアニメを見るようになった。

アニメーション制作:京都アニメーション、
監督:石原立也、演出:山田尚子、
シリーズ構成:花田十輝、
作画監督:池田晶子、原作:武田綾乃

主人公は、ユーフォニアムという低音のマイナー楽器を担当する
吹奏楽経験者の黄前久美子。
1期では久美子と高坂麗奈、2期では鎧塚みぞれと傘木のぞみ、
久美子と副部長の田中あすかを中心に物語が進んでいく。
この作品が優れているのは、高校生同士の距離感の描き方が
リアルに感じられることだ。
それは、原作者の武田綾乃が作品執筆当時に現役の大学生だったことが
大きな要因だと思う。
数年前までは、登場人物と同年代だったというわけで、
執筆するにあたり、周りの友人たちや実際の高校の吹奏楽部員たちに
取材を行い、リアルを積み重ねていったという。

しかし、正直言って、アニメでここまで地味な主人公は、
他作品ではいないのではないだろうか。
見た目と性格があまりにもパッとしないどころか
「思ったことが口に出てしまう」という癖くらいしか
分かりやすい特徴がない。
ただ、ユーフォニアムや吹奏楽に対する気持ちが揺れ動いていたり、
知り合いが少ない高校を選んだり、控えめな性格だったりと、
かなりリアルに近い設定だ。
これは武田綾乃が自分の友人をモデルにしているからで、
私にとってはアニメキャラのテンプレートから外れた、
ある意味好感の持てる人物像だった。

1期は久美子が中学時代に麗奈に対して言い放った
「本当に全国に行けると思っていたの?」と
麗奈が叫んだ「死ぬほど悔しい」という
気持ちのギャップを埋める物語となっている。
このふたりの関係性を中心にしながら、
弱小吹奏楽部が新任顧問・滝昇の指導によって、大きく変化していく様と、
部員同士の関係性、「上手くなりたい」という
部員の気持ちを丁寧に表現している。

{netabare} 久美子と麗奈の距離間が少しずつ縮まっていく様子がいい。
気の弱い久美子は、麗奈に話しかけようとするのだが、
過去の出来事が引っかかって、なかなか上手くいかない。
ある日、河原で幼馴染の秀一と新任顧問である滝昇について
噂話をしていたところを麗奈に聞かれてしまい、
険悪な雰囲気になってしまう。
翌日、麗奈のほうから「昨日は言い過ぎた」と告げられ、
そのまま別れようとするところで、久美子は直感する。

「このまま何も言わなければ、また後悔する」と。
久美子は決心して、自分たちも噂話をしていて良くなかったこと、
そして、練習が中止になった日、麗奈が吹いていた
「新世界より」のトランペットで、とても元気づけられたことを
伝え、走ってその場を後にする。
人との関係性というのは、適切なタイミングで思いを相手に伝えないと、
ずっと変わらないことがある。
そんな状況をふたりが交差する瞬間にスローモーションで表現している、
とても好きなシーンだ。
この回から久美子と麗奈は近づいていく。
電車で偶然出会って、少しの間、ふたりで歩くときのぎこちない空気感や、
久美子の話し方がとてもリアルだ。
麗奈が「黄前さんらしいね」と言って、久美子に好印象を持っていることが
感じられたときの様子などは、こちらまで楽しい気持ちにさせてくれる。
この辺りの表現は、黄前久美子役の黒沢ともよがとても上手いと感じた。

そして、ふたりの関係性が劇的に変化するのが8話で、
多くの人がレビューしているだろうが、私もこの回を見て、
完全に気持ちを持っていかれてしまった。
あがた祭りで起こる葉月と秀一の出来事、
それに並行して麗奈と久美子は大吉山に登る。
中学時代にあったわだかまりもここで霧消する。
そして「特別になる」という麗奈の宣言に久美子は圧倒され、
同級生の気持ちの強さに尊敬と親愛の念を抱く。
その後、ふたりで「愛を見つけた場所」を吹く。
奥華子が作曲した美しいメロディにのって、大吉山の街並みや、
ほかの生徒たち、葉月と緑輝が出会うシーンなど、
それぞれの様子がとてもドラマチックに映される。
最後には久美子と麗奈が寄り添いながら曲を奏でるシーンで終わる。
この回は、何度繰り返して見たか覚えていないほどだ。

8話を境にして物語は大きく動いていく。オーディションが行われた結果、
トランペットのソロパートは、3年生のパートリーダーである
中世古香織ではなく、1年生の麗奈が吹くことになり、吹奏楽部は大混乱。
滝昇と麗奈が昔からの知り合いだったことも明らかなになり、
部内は疑心暗鬼に陥る。
香織を崇拝する吉川優子との間で諍いが起こり、
最終的には再オーディションが行われることになる。

この話での主役は、もちろん麗奈なのだが、
彼女と争う立場の香織についてもしっかりと描写されている。
優子が度々思い出すシーンで、「上手ですね」と優子が話しかけると、
香織が「上手じゃなくて、好きなの」と言う、
淡い色で描かれたシーンは、香織のこれまでの努力や想いを考えると
胸が締め付けられる。
争うふたりをそれぞれの視点からしっかり描いており、
部員たちが吹奏楽に真摯に向き合う姿が、とても心に残った。

また、オーディションでのトランペットの聞き比べシーンが絶妙で、
本当に上手く作っている。
何となく聞いていると、どちらが優れているかよく分からないほど、
両者とも上手いのだが、よく聞いてみると、麗奈のほうの音が太く、
音を伸ばしたときのヴィブラートがとても印象的なのだ。
個人の趣味だけなら、香織の音のほうが綺麗で好きだという意見も
あるかもしれない。
それだけ繊細な表現をしている。音が主役の作品なので、
こだわりを感じさせる良いシーンだった。
既出だと思うが香織のほうは洗足学園の音大生、
麗奈のほうはプロ奏者の上田じんが担当している。

久美子が自分の演奏に苦悩するところも12話で描かれている。
原作にはない、追加された話なのだが、
この回を入れたことで、全体がとても上手くまとまったと思う。
自由曲の「三日月の舞」で追加されることになった
ユーフォニアムの部分を久美子がどうしても上手く吹けない。
滝から指摘されて、必死に練習するのだが、
最終的にはそこの部分は久美子だけが吹かないという
曲構成にされてしまう。
久美子はそれが決まった帰り道に悔しさのあまり、
泣きながら宇治橋を疾走し、鴨川に向かって「上手くなりたーい」と絶叫。
「死ぬほど悔しい」とつぶやく。
その時、久美子の頭のなかで、中学生のときに麗奈と一緒に演奏した
「地獄のオルフェ」が流れ、麗奈が中学のコンクールのときに
自分に告げた気持ちを初めて実感するのだ。
視聴者は、ここで初めて久美子と麗奈が同じ気持ちになったことを
理解する。秀逸な回だったと思う。

そして、最終回も出色の出来だった。個人的には12回までで、
十分に満足していたのだが、
最終回は、これまでの回を吹き飛ばすくらいの卓抜の完成度だった。
まず、最初の12分間を起床して電車に乗り、学校に到着して楽器を運搬し、
会場に到着、演奏が始まる前までを描いた構成にしたことが英断だった。
もちろん、作画のボリュームの関係で演奏シーンを
それほど長くできなかったという事情もあったのだろうが、
ここの12分間によって、視聴者までが本番までの緊張感を
存分に味わうことができた。
実際、私は放映時に前半を見ていて、手に汗をかくほど緊張した。
本番が始まるときの眩しさを感じさせるような光の色合いも素晴らしい。
自分が舞台に立っているような感覚を味わわせてくれた。
もちろん、吹奏楽を演奏するシーンも完成度が高い。
ピストンを押す動きなどにきっちりと音を合わせるなど、
アニメーションでこれをやるとかなりの手間がかかると思う。
演奏シーンの迫力には本当に驚かされた。
作画崩壊などが相次ぐアニメ業界において、
1クールのTVアニメでここまでできるのは京都アニメーションくらい
しかないだろう。「凄い」のひと言に尽きる。 {/netabare}

また、さんざん論じられたことだと思うが、
画面における陰影のこだわりが半端ではない。
その時のキャラの置かれた状況を光と影によって表現している。
顕著なのは11話のオーディション前に久美子と麗奈が話すシーンで、
悩んでいる様子の麗奈はずっと影に入っていて、
全体的に暗くなっているのだが、
決意した瞬間に影から出て、顔に光が当たる。
1期では一瞬のことなので、初見だと分かりにくいが、
2期だと優子とみぞれによって、より分かりやすく、
効果的に演出している。

そして1期は特に劇伴がよりドラマの完成度を高める効果を発揮している。
オーディション前に久美子と麗奈が話すところで流れる
「去来する想い」や、オーディション後に香織が「吹けないです」と
言うところの「重なる心」、大会当日に準備する教室で流れ、
こちらの緊張感を高めてくれる弦楽器が特徴の「一途な瞳」など、
その場の雰囲気を一気に変えてくれるほどの力のある曲が
いくつもあるのだ。

この作品は2015年の放映から、ずっと楽しませてくれていて、
それだけの魅力が詰まっている。
吹奏楽とそれに懸けた高校生たちの想いを実感できる、
見事なアニメだと思う。
また新作が作られても、全く引き延ばしの感じはなく、
常に高いレベルで安定している。
(2018年4月初投稿)

(2019年8月3日追記)
{netabare}ユーフォ1の印象的なシーンとして
よく挙げられるのが8話と12話だ。
8話は大吉山に登って久美子と麗奈の友情が深まる重要な回。
そして、12話は原作にはないオリジナルの話として作られ、
ユーフォ1を全13話の1本のアニメとして
評価するのに絶対に欠かせない回となっている。
その12話の演出と絵コンテを担当し、
京アニのプロ養成塾の講師も務め、
若手アニメーターの教師的な役割も担っていた
木上益治さんが先日の放火事件で
亡くなっていたことが公表された。61歳だった。

映画の『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』、
『AKIRA』での原画を担当していたことでも知られ、
多くの有名テレビシリーズを手掛けた。
京都アニメーション入社後は、
原画、演出、絵コンテ、作画監督として
ほとんどの作品に参加し、まさに京アニを支え続けてきた人物。
アニメーターとしては多田文雄(文男)、
演出家としては三好一郎と名前を使い分けていた。

ユーフォシリーズのコメンタリーを聞いていると
木上(三好)さんがいかに京アニのクリエイター陣から
絶大な信頼を得ていたのかが分かる。
トップの石原立也や山田尚子らの監督陣も
木上さんの適切なアドバイスには
いつも耳を傾けていたようだ。
あの山本寛でさえ、木上さんのことは
尊敬していたと聞く。

ユーフォ1の12話では、シリーズ全体に
関わる素晴らしい仕事をされている。
特に久美子が「上手くなりたい!」と叫びながら
宇治橋を疾走するシーン。
橋の手前から走り出して右へとカーブし、
通行人を掠めながら駆ける動きは圧巻だ。
木上さんは絵コンテで細かく指示をしている。
リアルタイムでの視聴当時、ネットなどでは
「何だこれ!」「凄すぎる」という絶賛の嵐だった。

そして、久美子の頭の中では
麗奈が「メチャクチャ悔しい!」と涙を流した中学時代の
コンクール曲「地獄のオルフェ」が鳴り響き、
ここで、ようやく久美子と麗奈は、
完全に気持ちを分かり合えたのだった。
1話で「本当に全国に行けると思ってたの?」
から12話に至る久美子と麗奈のストーリーとして
完結した形になっている。
視聴者をハッとさせる見事な演出だった。
そう考えると13話の位置づけは、
もはや、おまけともいえるのかもしれない。

もうひとつ見逃せないシーンは、
久美子が学校に携帯を忘れて取りに行く場面。
滝と久美子は話しながら教室に行き、
携帯を発見して帰るときに滝が
「あなたの『できます』という言葉を
私は忘れていませんよ」と久美子に告げる。
この言葉を入れることを提案したのが木上さんだった。
滝の人間性を知ることのできる重要なシーンで
作品にさらなる深みを与えている。
京アニにおける木上さんの立ち位置を考えると、
このセリフを入れたことにとても納得する。
おそらく木上さんはユーフォのキャラクターで
滝にいちばん想いを寄せていたのではないか。

京アニの良心ともいえる重要な役割を担い、
若手アニメーターを支え続けた人物だった。

木上さんの仕事
https://i.imgur.com/IK1NOgU.gifv
https://i.imgur.com/6KsUD8n.jpg
https://i.imgur.com/OanDBvo.jpg
https://i.imgur.com/CiqVJAx.jpg
https://i.imgur.com/ThCPCxT.jpg{/netabare}

(2021年4月17日追記)
※もう1ヵ月も前の話だが、
原作の武田綾乃が『愛されなくても別に』で
第42回吉川英治文学新人賞を受賞した。
ノミネートされていたのは知っていたが、
加藤シゲアキのニュースばかりだったので落選したと思っていた。
初期の作品から成長とともに読んできたので、
何か近所に住んでいる女の子が賞をとった気分。
今後もユーフォの短編なども含め、良作の執筆に期待。

『響け! ユーフォニアム 5th Anniversary Disc
~きらめきパッセージ~』は、短編小説の内容が
声優付き、演奏付きで楽しめる。
誰が話しているのかの説明がないので、
TV版を鑑賞して、キャラ名と声優が一致していないと
理解するのが難しいかもしれない。
短編が映像化されないのは残念だが、
十分に堪能させてくれる。「壁ドン」のネタは、
声優付きの演出だったから、より楽しめた。

投稿 : 2021/04/17
閲覧 : 1136
サンキュー:

158

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

青春群像劇って素晴らしい。

最近念願の円盤を購入して、一から見直したので
ついでに感想でも書こうかと…。

作画はさすがの京アニクオリティ。
背景からキャラクターから作画が素晴らし過ぎて
見ててハァっとため息が出るくらいに全ての映像がキレイ。

ストーリーもボクは学生さん達が若さを全開にして、
何かに一生懸命打ち込んでるモノが大好物なようで、
必死に目的を持ってひたむきにがんばっている姿は
もぅ見てて泣けて泣けて…。
ボクは何でこんな風に青春を過ごせなかったのかと
映像のすごさも相まって羨望の眼差しで見いってしまいます。

ただこの作品、ボクには少々
百合成分が強く感じられてしまい、
久美子と玲奈のやり取りに違和感を感じ、
表現がキツく思える箇所があったり、
明日香センパイのキャラクターが苦手で、
ユーフォが吹ければイイとか言ってるのに、
回りにチョッカイ掛けてくるなぁとか、
都合のイイ時だけでしゃばってくるなぁと見えてしまい、
2期も含めてあんまり好きになれませんでした。
中のヒトはムギちゃんで大好きなのに…。

まぁでもそういうモノも含めて青春群像劇って
面白いのでしょうね。
作品は円盤を買うくらい大好きになりましたし。
最後のコンクールは涙と鳥肌でもう自分が
どうなってしまうのか分からないくらいに
感動しちゃいました。

吹奏楽部が最終的にはどうなっていくのか
勝手に想像しながら、続編を心待ちにしたいと思います。

投稿 : 2021/04/12
閲覧 : 142

のぞみ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

これぞ青春

さすが京都アニメーションである。作画が素晴らしい。またキャラが立っており、笑いあり涙ありまさに青春である。音楽に興味なくとも問題なく、見終わる頃には吹奏楽に興味が湧いてくる。

投稿 : 2021/03/23
閲覧 : 161
サンキュー:

8

ネタバレ

コーヒー豆 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

スポ根・青春・吹奏楽。

スポ根で勝負してきた京都アニメーション。
野球で言うと、甲子園目指しましょうという感じですね。
スタメンのゼッケンを奪い合う熾烈な競争、アイドルでいうと総選挙。そういう熱い競争が観られました。

メインキャラ4人をはじめ、吹奏楽部による青春を描いた本作品。

音楽は楽譜を読める程度の知識がありますが、吹奏楽の知識は全く無し。吹奏楽部はこんな厳しい練習しているんだなと、見方が変わりました。

4話
{netabare}
久美子と高坂さんの少し遠い距離が縮まったシーンがよかった。
{/netabare}

7話
{netabare}
部長も葛藤。それでも立ち直って成長しました。
{/netabare}

夜景シーンの綺麗さなど、さすがの作画でした。
8話は盛りだくさんの回で、好きな回の一つかも。高坂さんと久美子の掛け合いが至高でした。。高坂さんのツンツンサバサバキャラ、ツンサバはいいですね。

11話
{netabare}
オーデション。うまく落とし所がはまっていた。レイナとクミコの友情がくっそ胸アツです。
{/netabare}
OP、EDともにノリが良くて聴いていて飽きませんね。

物語とキャラの濃さ、熱量、情熱、吹奏楽って奥が深いですね。
自分の中では、かなり面白かったです。
音楽好きな人もそうじゃない人も楽しめると思います。
2期も続けて観たくなりますね♪

投稿 : 2021/03/05
閲覧 : 236
サンキュー:

35

心底に来るアニメ切望 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

(一部レビュー文章とスコアを訂正しました。)同時期に制作放送していたカートゥーンのグラビティフォールズとは逆のカラーのアニメ。

このアニメの多くの高評価は他のレビュアーの皆様が詳しく解りやすく書いてありますので私も概ね同感の意見として高得点で評価して割愛させて頂きます。
但し、確かに本作は本当にとても出来の良いアニメですが、じゃあ私的お気に入りと言われたら、正直、そうでは無いです…。何故か?それはハッキリ言えばこのアニメと逆のもう一方のカートゥーンの方が本当に私の心にマッチしているからです。とは言えこのアニメが気に入らない、出ている主要キャラ達が嫌だ、とも決して思いません。その理由はグラフォの主要キャラクター陣(特にスタン(リー)とメイベル)の人格や行動スタンスはユーフォニアムの主要登場人物達とは鏡あるいはコインの表と裏の様な関係だと強く感じるからです。
グラフォの主要キャラ達の場合は多少(と言うかディズニー制作とは思えない位にかなりのブラックユーモアだけど…笑&冷汗)の悪事や悠々自適な行動をしても、少なからずの愛情や正義感そして家族愛を全面に出しています。例えそれが大きな成果や勝利を取れそうとしても前記に書いた事特に家族愛を優先して行動して行きます。
それに対してユーフォニアムの主要キャラクター陣の方は過去の一部の吹奏楽部員達の極端に言えば正しくグラフォの登場人物達と似た様な適当にやっていて遊んでいただけで真剣に吹奏楽をしていなかったのをかなりの対立或いは強い嫌悪感を現した様に、様々な衝突と葛藤をしながらシビアに貪欲なまでに多くのモノを犠牲にしてまでも勝利と言う頂点を目指して行きます。
ですので本来の私の好みでならば後者のユーフォニアムの方を支持すると観ていて思いましたが、グラフォのあのブラックユーモアやミステリアスにも惹かれましたが何と言っても一番に理由は独特の(特に家族)愛を描いたこのカートゥーンの方に感銘を受けて強いフォロワーになった訳です。まあ、正直、ユーフォニアムの方も共感する所は少なからずありましたが…。以上表現が上手く伝わり難いと思う人もいるとは思いますがユーフォニアムを観てストレートに真っ先に思った気持ちをこのレビューで書きもした。私の想いが伝われば本当に幸いです。(一部レビュー文章とスコアを訂正しました。また、このアニメの続編、スピンオフ、劇場版は時間があればレビューを書きたいと思います。)
そして2019年7月18日に起きてしまった大変凶悪な事件によって、犠牲或いは心身に深い傷を負った多くの京アニスタッフの皆様に御冥福とお見舞いを祈り、一日も早い復興を心底から強く願っています。

投稿 : 2021/03/03
閲覧 : 207
サンキュー:

12

ネタバレ

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

The 青春

この作品には青春が詰まっているなぁという印象。(スポ根要素も) そして描写も細かい。しかし...いやそれ故に自分が想像してた以上の生々しさがあり、話がドロドロしてたかなぁと思う。(特に先輩退部やオーディションのところ?) 正直自分はもう少しlightな作品だと勝手に想像してたので肩透かしを食らった感じになって好きになりきれなかった。というより「はやく次の話が見たい!」ってならなかった。なので1クール見終わるまでだいぶ時間がかかった。まぁでも素晴らしい作品であることに間違いはありません。

2期は見るか分かりません。まぁGYAO!の無料公開があるっぽいので見る可能性の方が高いですかね。

投稿 : 2021/02/15
閲覧 : 218
サンキュー:

16

ネタバレ

うおお さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

見てよかった

舞い上がる
高揚感


 ☝️

(4話)
{netabare} こうやって見ると吹奏楽部ってめっちゃ大変ですね。部の仲間たちと息を合わせて""合奏""にしなければいけない。先輩後輩の上下関係もきつそう。久美子達のいる低音パートは他に比べると和やかそうで良かった。 {/netabare}
(7話)
{netabare} めっちゃリアルだなーーーーーーーー!!まぁ俺は幽霊部員だったんですけどねw高校のこの感じなつい。。。 {/netabare}
(8話)
{netabare} あぁ。。今回ものすごく良かった。ちょっとうるってした。好きだなぁこういう祭りの雰囲気。あと今回で高坂さんもっと好きになった。高坂さんのストレートな感じと久美子のどぎまぎした感じが見てて楽しい。青春。 {/netabare}
(9話)
{netabare} オーディションの緊張感がこっちにも伝わって来てドキドキした。 {/netabare}
(10〜11話)
{netabare} 滝先生は不正をするような人ではないって今までの彼の部に対する真摯さから十分分かっていたので、他の部員が高坂さんに対して攻撃的になっていたのはあんまり宜しくなかったかなぁと。最悪いじめに繋がるかも知れんし。でも最終的に皆が納得の行くような形で纏まったので安心しました。 {/netabare}
(12話)
{netabare} 一つのことにあんなに一生懸命になれるのは凄い。なんか学生時代怠けてた自分が情けなく思ってきたなぁ。今回はうだる夏の空気感が良かった。作画が綺麗。 {/netabare}
(13話)
{netabare} これまでの色んな努力や情熱が今回に詰まってた。最後泣いちゃった。青春の全力さが伝わって元気を貰えたいい作品でした。 {/netabare}

投稿 : 2021/02/06
閲覧 : 272
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13

ネタバレ

natsO29625 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

葛藤

 この作品のポイントは登場人物の人間関係や心理描写が丁寧に描かれていることである
{netabare}
  オーディションの時にレイナがソロパートを吹くことになったとき、香織先輩を慕っている後輩の優子が先輩にソロパートを譲って欲しいと頼む
 普段のレイナなら他人に惑わされずに自分を貫くところだが
優子の真剣な思い、香織先輩が3年生で今年で最後の学年であること、去年の3年生の先輩達とのいざこざ
 これらが複雑な人間関係が絡み合いソロパートを自分が担うべきなのか揺らぐレイナの気持ちやそれを目の当たりにする久美子の気持ちなどがとてもリアリティあふれている感じた
{/netabare}

  私の高校時代にも吹奏楽部があって全国大会に出場するくらい強い部活だったのだが、響けユーフォニアムを視聴するたびに自分の母校のことを思い出す

 京アニは驚くほど作画、演出、声優のクオリティが高いので、普段あまりアニメを見ない人でもこの響けユーフォニアムはおすすめできる作品だと思う

投稿 : 2021/02/03
閲覧 : 156
サンキュー:

10

uhwhz11961 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

おすすめ

1話1話、ストーリーに引き込まれる。素晴らしい作品。

投稿 : 2021/02/03
閲覧 : 196
サンキュー:

6

ネタバレ

odeo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

滝先生は免罪体質者なのか

 この作品には、涼しい顔に優しい笑みを浮かべ辛辣な言葉を吐く、滝昇という顧問が登場する。その台詞のなかには、生徒達を奮い立たせ演奏を良い方向へと導くものもあるのだけど。
 印象に残ったのは、再オーディションで中世古香織に向けて言った「あなたがソロを吹きますか?」
 この言葉をチョイスした作者のセンスは素晴らしいが、さすがに辛辣すぎやしないかとも思う。「高坂さんにソロをお願いしたい」ではインパクトに欠けてしまうのだろうが、あれではまるで「あなたの方が下手でも吹きたいか?」というようにとれてしまう気がする。
 中世古は、厳しい部活環境のなかで、周囲の人間を支え続けてきた生徒であるはずなのに、そんなことを言われる必要があったのだろうか。
 あくまでも自分の意思で決めて欲しいという思いが隠されていたのかもしれないけれど。
 やたらと滝に寄った感想になってしまったが、作品としては人気の高さが納得できる素晴らしい内容であった。

投稿 : 2021/01/22
閲覧 : 209
サンキュー:

11

ネタバレ

ひも太郎 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

スポ根×吹奏楽 人間味溢れる最高のアニメ

原作未読。今更ながら視聴。
吹奏楽とスポ根系のアニメです。この作品に出てくるキャラは一人一人人間味を感じて色々刺さるものがありました。また京アニが製作しており、「京アニはすごいなぁ」と感じました。

●吹奏楽がリアルに描かれている
私自身は吹奏楽部の経験はありませんが、調べてみるとかなり細かく書かれています。吹奏楽部に入っていた人なら「あるある」と関心する場面は多いんじゃないのかなぁと思います。

●演奏の音楽も細かい部分まで描かれている
{netabare}海兵隊や三日月の舞(麗奈と香織がそれぞれトランペットのソロを演奏するシーン)など{/netabare}演奏時の音楽も細かい所までよく再現していてすごいなと驚きました。細かいので違いが分からないかもしれませんが、よく聞いてみると音の抑揚などが違っています。

●一人一人それぞれ人間味を感じた
それぞれのキャラが吹奏楽に対する想いや葛藤などの場面が人間味を感じ色々刺さるものがありました。{netabare}小笠原部長の部長としての責任感に対する葛藤や香織先輩のトランペットのソロパートに対する葛藤、麗奈の特別になりたいという想いなど視聴者(特に吹奏楽部に入っていた方)は色々刺さるものがあるのではないのかなぁと感じました。{/netabare}

吹奏楽を題材にしており、アニメにあまり馴染めていない人(特にアニメにあまり馴染みがない吹奏楽部の方)にも勧めやすい作品なのではないかと感じました。気になっているのであれば是非見た方がいい作品だと思いました。

投稿 : 2021/01/11
閲覧 : 231
サンキュー:

12

ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

期待通り。リアリティはないかなぁ。

年末年始に一気にみました。前から見たかった作品だけれども、このペースでアニメを見たのは久しぶりです。久美子はちょっと醒めてるけど基本いい子だし、麗奈も素敵。二人で特別になりたい、と言い合っているところとか(12話)は、結構自分は興醒めになりがちなシーンなのだけど、今回は違和感なかったです。個人的には12話に心を動かされて、そこから最終話に持っていく盛り上がり方もよかった。あと、中川先輩がなんとなくツボ笑

リアリティはちょっとないかなぁ。野球なら、4番エースが一人いれば勝敗も変わってくるけれど、吹奏楽だと、一人では大きな違いは作れないだろうし。楽器は急に上達するのも難しいだろうから、万年銅メダルという高校が一気に上位を狙えるというのは考えにくいなぁと。

あと、トランペットの再オーディションもなんかなぁと。拍手で決めますっていうのもどうかと思うし、拍手してるの、お互いの応援団だけだし。そもそも、香織先輩は、麗奈の演奏聞いたことあっただろうし、あそこまで引っ張るまでもなく、実力で勝てないの分かっていたのでは。まぁ分かったうえで、不満分子を抑えるためにわざと再オーディションやってもらったのかもしれませんが。結構、思考が深入りするキャラも多いので、そういう可能性もありますね。

全体としては、期待通りのよい作品でした。

投稿 : 2021/01/08
閲覧 : 337
サンキュー:

12

ネタバレ

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

追いつきたい初心者と追い抜かれる経験者

ようやく見れました~!!
いやいや、京アニ作品なので話は当然耳に入ってましたし、放送中は京都に在住していたため本作のポスター駅とか各所で見かける機会も多かったもので、ずっと気にはなってたんですよね。ただ当時の自分は吹奏楽よりもスクールアイドルと決闘者に夢中だったもので、ついつい先延ばしにしてしまいました。気づけば5年くらい経ってました・・・、腰上げるのが遅すぎぃ!!

高校の吹奏楽部を舞台にした純然たる王道青春ストーリー、実に満足でした。
部内でのいざこざに起因したリアルな人間模様が本作の見どころの大きな一つでしたが、実を言うとあんまりそこには焦点当てて見てませんでした。というのも見る限り腐ってたのは前年の3年が中心って感じなので、それなら半年くらいは我慢できるだろうと思ったので。私情を挟むと、私自身も高校時代にかなり面倒くさいいざこざがありました。しかもこれが1個上でしたので、3年が抜けてからの方がむしろ地獄って感じだったので(まあ私らの場合は指導者絡みでしたが)。

個人的に1期で私が共感した目線で見れたのは葉月ちゃん、中川先輩、香織先輩の三人。
まずは葉月ちゃん、メイン4人の中で唯一の未経験。彼女の境遇、すごいよく分かります。自分は初心者で、周囲は経験者。右も左も分からなくて当たり前だし、出来ないことがたくさんある、なんていうのは頭では分かってるんですよ。でもね、身近にいる同級生が自分には出来ないことあっさりとこなしている姿、これ焦るんですよ・・・。吹奏楽は団体で演奏するんで特にその気持ちが強いと思います。周囲は初心者だからと気遣ってくれるかもしれませんが、当事者としては早く追いつきたいという気持ちが強いんですよ。足を引っ張りたくないとか、迷惑かけたくないとか色々あるんですが、とにかく一人置き去りにされてるような孤独感が半端じゃない。葉月ちゃんの逸る気持ち、よく分かるわぁ・・・
そして中川先輩と香織先輩の二人は逆に実力と経験のある後輩にポジション奪われる立場、これも分かる・・・。私の場合は何とか死守できましたが、これはソフトボールという競技の特性上ですかね。野球もソフトも10m飛ばそうが100m飛ばそうが、ヒットは同じヒット1本として扱われますから。結果が全てなので、質までは考慮されないんですよね。当然結果を出すために技術はもちろん問われますが、運も介入してくれます。私の場合はたまたま打率が勝っていたためレギュラーを奪われませんでしたが、私自身は技術では負けている確信があったので常にヒヤヒヤしてました。ましてや彼女たちの場合は野球やソフト以上に技術=結果に直結しますよね?上手い人間の方が選ばれるべきだと頭で理解している分、より悔しかっただろうなーと思いますね。
ただこういった集団内での高い競争意識は、そのチームが一つにまとまるために最も重要なことということも同時に描いてくれていましたね。馴れ合いの関係では本当の意味で一つになることは出来ません。互いに普段からライバル関係で競い合い努力して鎬を削る、そうすることで個々の実力が高まるのはもちろんのこと、その様子を普段から身近で見ているからこそ、本番の時に誰かがミスをしても全員が全力でカバーに回れるんです。頑張っているからこそ、一人一人の責任感が大きくなっていることも分かるため、絶対個人の責任にならないようにするという意思が生まれるからです。これぞ真のチームワークと呼べるでしょう。

作画は流石の京アニクオリティ、全編通して非常にレベルが高かったです。
終わり方が完全に2期ありきの結末だったのが少々いただけませんが、総じて評判通りの作品だったように思いました。

投稿 : 2021/01/03
閲覧 : 302
サンキュー:

45

みゃー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これでもかと言わんばかりの直球勝負

小説原作、原作は未読
吹奏楽部所属の女子高生が主人公の青春アニメ

そう、例えるなら
全盛期の藤川球児の全球ストレート勝負のような。
藤川球児を知らなければ大谷翔平のストレートでも
ロベカルの殺人フリーキックでも構いません。
いや、殺人はダメかw

...もし伝わりづらかったら申し訳ありません。
でもそれぐらい見ていて気持ちの良い
真っ直ぐな青春部活アニメでした。
この1期でハマった人は2期、そして
誓いのフィナーレまで駆け抜けてみてください。

なんか自分もこの頃に戻って青春を謳歌したくなっちゃいますね。
嗚呼、中高生が羨ましい...

投稿 : 2020/12/30
閲覧 : 351
サンキュー:

34

ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

スポ根と吹奏楽は相性が良い

原作未読。

リアルタイム放映時、録画していたHDDのデータが飛んで視聴できなくなった。3年前にNHKで再放送があったので録画したが、一度見る機を逸したからか、なかなか見る気が起きずに、いまさら視聴。

結果、もっと早く見ておけば良かったと後悔。

{netabare}弱小校に凄腕コーチがついて成長、というスポ根ではよくある物語ではあるが、意外にも吹奏楽とスポ根って相性いいなと思った。

とはいえ、楽器の演奏技術がどのように向上したかについては、ほとんど描かれていない。これは、詳細に描かれてもよくわからないので、正しいと思う。

描かれているのは、登場人物の演奏技術の成長ではなく、吹奏楽を通した心の成長で、それが普通のスポ根とちょっと違うところで、良いと思う。

作画と音楽のシンクロは、コンクールのシーンだけでなく、教室での練習のシーンなども含めて、大変だったと思うが、すごく良かった。さすが京アニ。

京都の橘高校のマーチングの動画は何度か見たことがあって、オレンジの悪魔と呼ばれていることは知っていたが、橘高校をモデルにしたと思われる強豪校が出てきてニヤリとした{/netabare}

投稿 : 2020/12/28
閲覧 : 211
サンキュー:

13

ネタバレ

がっちゃまん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 1.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

キャラの行動原理が理解不能

舞台は高校吹奏楽部。主人公の入部した部は、やる気がある練習したい部員を追い出してしまった、なあなあ吹奏楽部でした。でもなんかちょっと頑張ったら全国いけました、テヘペロ!主人公の私はユーフォ難しくて本番吹けなかったけどねーって感じのあらすじ。
登場キャラの大半がウザく、そのキャラクターの行動原理の不可解さと、丁寧な作画描写による現実に寄せた世界観とのギャップをかなり不快に感じてしまった。
 
まぁまず本当に全国行こうとするなら、やる気のあった人たちに頭下げてまず連れ戻すよね。残ってる奴ら技術的にカスなんだから、結局それで最後に金賞取るとか意味わからん。県予選なんて年始まってすくでしょ。3,4ヶ月程度で追いつけるわけないだろうよ。あと、ソロパートの選出でもわけわからん派閥争いで、3年優先しろとかいうアホがかなりいたし、目標の全国はどういう共通認識があったのかマジで謎。しまいにはぴえーんって泣き出すし。こんな稚拙な描写の歪みで物語が本当につまらなく感じた。

投稿 : 2020/12/24
閲覧 : 136
サンキュー:

5

じょっくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

吹奏楽部員なら誰もが共感するリアリティ

限りなく現実の吹奏楽部に近い感動の物語

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 114
サンキュー:

5

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

そして、また、次の曲が始まるのです

私をアニメの沼に招待してくれた作品です♪

投稿 : 2020/12/13
閲覧 : 103
ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

響いたよ!こんな自分にも

中学の吹奏楽部の大会で金賞で喜ぶ部員達の中で
久美子の隣でダメ金で悔しさのあまり涙が止まらない麗奈。
「悔しくって死にそう!」って絞り出すように答える麗奈に
久美子が思わず言ってしまった
「本気で全国行けると思ってたの?」って言葉。

思わぬ形だったけど、お互いが本音を言い合ったあのシーン。
(本編でも振り返りありますけど、自分も事あるごとに振り返ってしまう彼女達にとっても忘れらないだろう瞬間)

この瞬間から2人は赤い糸が繋がってたんでしょうね。

全国を目指す吹奏楽部については
所さんの笑ってコラえて!でも何度か観てて
(こちらもリアルなだけに感動あります)、金賞にダメ金があったり
文学部とはいえ体育会的のりだなってのは知ってました。

そして強豪校に必ずいる!?個性的な顧問の先生。

久美子が入学した北宇治高校吹奏楽部は歓迎会で奏でる演奏は
お世辞にも上手いといえないレベル。

そんな久美子が入部した吹奏楽部に顧問としてやってきたのが
滝昇先生。(凄い上達しそうな名前だな~)

先生はまず楽しくやるか、ガチでやるかの選択を迫ります。
結果、部員達自らで決めさせた目標(多数決ではありましたけど)
「全国大会出場」という目標に向かって進んでいくことになります。

部活動って顧問の先生との出会いって本当に大事だよな~って
思います。
よく指導の先生によって学校を決める話を聞きますけどそれも
わかります。(麗奈だってそうやって北宇治高校にやってきたわけだし)

滝先生は自主性を引き出すのが上手いだろうなって思います。
厳しいだけではたぶん向上心バリバリの人ばかりなら別ですけど、
今までが普通の高校生だった人があんなに素直についていかないかなって。

学年による立ち位置の違いや、考え方、思いの違いは当然あって
たくさんの部員達は先生に反発したり、お互いに衝突しながらどんどん
成長していく物語にどんどん魅了されていきました。

序盤の山場、久美子たちが初めて迎える吹奏楽部のお披露目
「サンライズフェスティバル」の回はとっても興奮しました。

一つ前の強豪立華高校の演奏や観客の歓声に、すっかり動揺してしまう
部員達。
突然、トランペットを吹いた麗奈。何か悪いことした?って感じで
髪をかき上げる姿の凛々しさに感動~~。

そしてそれまで、常に控えめな発言だった滝先生の
「さあ、北宇治の実力を見せつけてきなさい!」
 手を振り広げてのその言葉。 待ってました~!

一発目で「あ~この曲か~!」てなるライディーンの勇ましい響きにちょっと背中がぞわぞわってきちゃいました。
これ、もし生演奏聞いてたらヤバいやつですね~~。

観客が引き込まれていく演奏は、私自身も「物足りないよ~もっと聞かせて~」ってくらいに感動しました。

全員参加のマーチングが終わり、いよいよ全国大会へ向けての
レギュラー選抜が始まります。
強豪なら当たり前にあるだろう、先輩、後輩、問答無用の実力主義。
こんなのどの学校でも絶対ドラマあるよね~。

祭りの日の山頂でのシーン。
麗奈からの告白、気の合わない人と群れたくない。
中学時代に久美子を他人と違うって意識したあの瞬間。
久美子と向き合った時の麗奈のあの瞳、ホントに
吸込まれそうに美しかった~。 
「トランペットやったら特別になれるの?」
「やっぱり久美子は性格悪いっ」って久美子にしか見せないだろうなって優しく微笑む姿のギャップに
あ~~ダメです・・・。
山なのにヒールで白いワンピースだけでもドキドキしてるのに
こんな笑顔観たら好きになっちゃいますよ。

そんな中、葉月ちゃんは振られちゃいましたね。気丈にふるまってたけど緑ちゃんの前で涙する姿もグッときちゃいます。これも青春だ~。

そしていよいよオーディション
ここまでストーリーを追ってきてキャラクターの気持ちも少しずつ
解ってきた中での選抜は緊張感ありました。

ユーフォの夏紀先輩の落選には思わずこみ上げるものあった~。
退屈そうに窓の外観てた彼女が、陰ながら頑張ってたシーンを観た後に
この結果はきちゃいますね。
次の話で夏紀先輩にはもっと泣かされましたけど。 
楽譜の文字ヤバイ、良い人すぎるし泣く。 好きだ~~夏紀先輩!!

そしてトランペットは麗奈が1年でソロに選ばれ、部全体に動揺が。

やっぱりコンクールまではそんな順調にはいきませんね。

ソロパートをかけた再オーディションの話も熱かった~~!
中世古先輩の3年の意地に一歩も引かない麗奈の姿。
それでも久美子だけには「ちょっとやりにくい」って本音を少し見せた
りもあって、やっぱり葛藤もありますよね。

なんで2年のリボンちゃんが中世古先輩推しなのかわかるシーンも
ちゃんとあって、2年生の複雑な気持ちも伝わるし、なんだよみんな
良いやつかよって、この吹奏楽部がどんどん好きになっていきます。

ソロオーディションの演奏シーンはちょっと目をつぶって聴いてました。
(アニメなのに絵みてないなんて、バカな事してますね)
そして聞き耳立ててる自分にも差がわかってしまうくらい
「音は嘘をつかない」ってなっちゃう演出にめっちゃ泣けました。

リボンちゃんの納得したくないのに実力差がわかってしまう悔しさが
切なすぎます。
そしてどちらを推すか部員達の拍手をさせたのに滝先生は
中世古先輩にソロを吹くかを問います。誰にも決着に介入させない
やり方に、凄いやこの先生って。

後半は麗奈の熱にあてられた久美子がどんどん本気でユーフォに向き合っていくように。

努力に努力を重ねてる最中に、びっくりするくらいあっさり先生に
久美子のパートカットが言い渡されます。

「上手くなりたい、上手くなりたい・・・・誰にも負けたくない」
本当に努力した人だけが味わうであろうその気持ち。
久美子が大泣きしながら思わず口をついた
「悔しい~! 悔しくって死にそう」
オープニングでの麗奈の気持ち、麗奈の本当の理解者となれた瞬間。
こちらまで涙止まらなかった。

落ち込んでる中、
忘れた携帯を取りに行った際の滝先生の人たらしな言葉。
「あなたの出来ますという言葉を私は忘れていませんよ」は流石ですね。

最終回
コンクール本番。
控えの子達の手作りお守りを渡すシーンに部の成長を感じます。
ステージに上がるまでの緊張感。盛り上げてくれますね~

課題曲から自由曲「三日月の舞」
のっけからトランペットの勇ましい音に心持ってかれます~!
めっちゃくちゃ高揚感!!
そして劇中何度も聞いてきたトランペットソロ、横で見守る中世古先輩や
袖で祈るように待つ控え組の夏紀先輩に葉月ちゃん。
色々なことが浮かびながらの演奏シーンは圧巻で涙止まりません。

「そして私たちの曲は続くのです。」

最高の結果を得るまでを追った映画のようなエンドロール。
あ~観て良かった~って満足感いっぱいな余韻に浸ることが出来ました。

絵も素晴らしくて特に放課後、西日が眩しい教室や、公園は特に
印象的でした。

2期ではこの吹奏楽部どう成長していくのかな。
こんな作品の続きが観れるのが楽しみでしかありません。

投稿 : 2020/12/05
閲覧 : 350
サンキュー:

63

ネタバレ

定年退職 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

好き嫌いで言えば一番好き

黒沢ともよさんの演技力によるところが大きいと思うけど主人公キャラが好きすぎる。
唯一気に入らないのはOPで黄前ちゃんの瞳にズームするところです。

投稿 : 2020/11/09
閲覧 : 181
サンキュー:

11

REI さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

吹奏楽部の内情を初めて描き出したアニメ

私は高校生の頃友達が吹奏楽部の部長をやっていて私も生徒会で働いていたので
このアニメで吹奏楽部の苦労が描き出されていて感動しました。

吹奏楽部は文化部で得てして楽器吹いてるだけだろくらいに思われがちですが
全然違います。下手なスポーツサークルよりもっと運動部よりですし、学校によっては縦社会が絶対なところがあるようです。
うちの学校は縦社会はあまり強くなかったです(笑)

響けユーフォニアムはそんなところもよく描かれていると思います。

そして、そして、響けユーフォニアムの凄いところは楽器の正確な描写です。綺麗な楽器の再現も観て欲しいです。

吹奏楽部はほとんどの高校であるだろうし、今までにアニメの題材にならなかったのが不思議ですね。

のだめは大学の話ですしね

セカンドシーズンももちろん合わせて観てください。

全てのアニメに携わる方々に感謝を!

2020年10月27日追記

京アニショックから、まだ、立ち直れないけど、
久しぶり再視聴しました。

やっぱり面白いです。

精神的にも物理的にも厳しいかもしれないけど
京都アニメーションの皆様には
間が空いてもいいので、
是非、このアニメの続編を制作して欲しいです。

投稿 : 2020/10/27
閲覧 : 306
サンキュー:

26

damian さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

さすが京アニ

ストーリーはやや平凡かもしれませんが、
演出などで上手くカバーしていると思う。

主人公をあえてあまり目立たない楽器にして
たくさんの他のキャラクターに
スポットライトが当たるように工夫されています。

圧巻だったのは演奏のシーン。

どの楽器も音に合わせて
手や指がゴリゴリ動いてるんだけど、
たぶん実際のものと同じ動きを
ちゃんと追ってると思われます。

普通、こういう演奏のシーンって
静止画を使ったり、スローにしたり、
手元を写さないようにしたりして、
動画の数を減らしたりすると思うんだけど、
そういう手抜きがほとんど見られません。

さすが京アニクオリティ。

ちょっぴり百合要素があるので、
抵抗ある人もいるかもしれないけど、
文句なしの良作だと思います。

投稿 : 2020/10/21
閲覧 : 190
サンキュー:

14

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

🎖CONNECTING DOTS

★★★★
もうね、画面の圧が凄い。

これテレビシリーズなんですよね?イコライザー全上げみたいな背景からキャラからモブから小物から光から風に舞う花びらから画面に映る全ての主張がもの凄い。もう何ていうか濃ゆい。色味が強いのもあるのか、やたらピントがギュインギュイン動く。背景さんが泣きそうなくらい、超絶背景を惜しげもなくこれでもかとボカシまくる。これはもうドヤりを通り越して画面がオラついてる。暴力的なまでのアニメーション技術に圧倒される。勿論動くとこと動いてないとこのメリハリはありますが、キメるとこでは動きまくりの揺れまくり。なんだこれ。京アニどうかしてる(褒め言葉)

現代劇なのもあってテンプレ臭のしないキャラデザはいいです。ただ顔が少し苦手。みんな頬がエライことになってる。観てるうちに慣れるのでしょうが。たまこま見て京アニ苦手なんかな、と思ったがそうでもなかったみたい。多分いつも口が開いてるキャラが苦手なだけなんだと思う。キャラデザの華やかさに比べてタイトルロゴがダサ…地味なのは真面目な作品ですっていうのを表してるのですかね。

音楽モノってあまり観たことないですが、楽器の多い吹奏楽って物語の題材に向いてるかもですね。ジョジョのスタンドや聖闘士星矢の聖衣の様にそれぞれの担当楽器がそれぞれのキャラ付けになるみたいな。ユーフォニアムって楽器の名前だったんですね。

これは雑に観たらあかんヤツや、というのが画面からビリビリと伝わってきたので、少しづつ観ていくことにします。

第1話 響け!レラティビズム
{netabare} いきなりの専門用語で掴んでくる感じ、好きです。温度差のある人っていうか温度を押し付けてくる人って苦手です。お互い苦痛ですよね。久美子はエンジョイ勢だったんですかね。よくある流され展開。逃げの一手の久美子が部活を通して努力することの大切さを感じ、部員達との友情を育み、大会で結果を出してハッピーエンドって感じかな?ん?努力友情勝利、ジャンプなのか?ただでさえ画面が暑苦しいのに物語まで暑苦しかったら疲れてしまいそう。
{/netabare}
第2話 響け!シュプレマティズム
{netabare} OPも凄まじいなこれ。もの凄いオラオラ感。でもこれは素直に感心する。やっぱり他の作品なんかでドヤ感を感じるモノっていうのはどこか何かしら失敗しているって事なのかな。楽器いきなり決めるのね。じっくり選べないのか大変。久美子はかなりのビビリだな。葉月は意外とチョロいのか。みどりは芯のある感じなのかな。黒髪ロングでない早見沙織は初体験。黒沢ともよって見たことあると思えば結城友奈の樹か。先生の声優さんももしかしてとんでもなく上手い人?技術的なものはよくわかんないけどなんかこの人凄いって思った。目標どっちでもいいって言うのは先生テコ入れ要員ってわけでもないのか。やっぱり久美子が落胆したとおり全国期待されてないレベルで、その程度で全国目指すって言って地獄のスパルタ展開の熱血スポ根アニメ?今はまだフワフワしたワクワク感があるが、この絵柄でギスギスした感じになるのかな。
{/netabare}
第3話 響け!トータリテリアニズム
{netabare} いや、これ見始めたあとにカノカリやら宇崎ちゃんとか見たら画面スカスカだからものすごい見るのがラク。だけど作画の適当さがどうしても目に入ってしまう。気にして見てるわけでもないんだけど。この作品まで力入れなくてもいいけど画面に違和感がないってやっぱ大事ですね。歩行時に足がズレてるとガッカリしますよね。
集団退部って結構オオゴトでじゃないですか。やる気ある人を辞めさせてまで居座ってる面倒な部員たちまでいらっしゃるわけですか。初心者中級者が頑張って全国目指すだけじゃなくて部員間の温度差を埋めていく折衝も見せてくのって団体競技ならではですね。と思ったらやってくれますね滝先生。ただの説教装置ではなくてかなりのキーマンですね。高校生相手に身も蓋もないド正論。なるほど掴みはいい感じですね。声優さんもクレジットがラストでピンだったのでベテランなのかな。部長は人に頼りっぱなしの無能みたいになってますが早見沙織なのでなにかしら胸熱な展開がくるのでしょう。面白いです。
{/netabare}
第4話 響け!オポテュニズム
{netabare} 実に王道でいいですね。今までのやり方を否定されて独自のメニューを押し付けられるが、実は非常に理にかなっていてなんか結果がでちゃうってやつ。他の部員たちと同じペースの練習でド素人の葉月が間に合ってしまうのはどうなのか、吹奏楽よくわかんないのでありえるんでしょう。高坂さんは直情型ですかね、わざわざ言いに来るとは。滝先生が凄い人ってわかるのは高坂さん自身も超高校級ってことですか。滝先生もほほうってなってましたし。デフォルメ久美子かわいい。苦手だと思ってた高坂さん相手に自分の気持ちを伝えられたからって中川さん起こすのは早い気もする。先輩だぞ。寝てる先輩起こすのって怖くないか。あと1段階あるような。まあワンクールで久美子だけにかまってられないのでしょうからケチつけるまでもないのですけど。で、一週間後。他作品ならハイハイ合格合格ってな流れですが、今回はあの滝先生。え、もしかしてダメとかいうんじゃねーの、ってどうなるかわからんドキドキ感を味わえました。京アニ作品の無言の演技ってほんと凄いな。滝先生もコイツならダメとか言いかねんって思わせるキャラ造形が完璧だよ。もうこれは間違いないヤツですね。
{/netabare}
第5話 響け!ビヘイビアリズム
{netabare} 吹奏楽ってメチャメチャ大変そうじゃないですか。スケジュールも結構ハード。胸の話になってもキモい表現が無いのホント助かる。なんか文字使う演出ってあまり好みではないな。ていうか当然だけどキャラ多いな。一発で覚えられる気がしない。今んとこ問題ないけど、後で「コイツ誰だっけ?」とかなりそう。強豪校もイキったりしてこないんですね。ストイックに自分との戦いなんですね。ものすごいメンタル鍛えられそう。ライディーンですか。YMO大好きなので嬉しいです。演目の題材としては結構メジャーなんですかね。もしかして原曲聴いた人の方が少ないのでは。で、最初の皆の不安とは裏腹に評判良かったりしてますけど、ここまで順調にサクサクいくと、どうせどっかでドン底に叩き落される展開が待ってんだろ、とこっちが不安になりそうです。高坂さんヤバい。なんといいますか、高坂さんヤバい。はーい、ちゅうもーく、ここ大事な場面ですよーキメる場面ですよーってのがモロにわかる気合の入れよう。浮いてるっちゃ浮いてるんだけど悪いとかじゃなくてとりあえず言えることは高坂さんヤバい。面白いなあ。
{/netabare}
第6話 響け!コンストラクティビズム
{netabare} 葉月回。今回は彼女にまつわる話でやたらと感情に訴えてくる構成でした。オーディションで不安になりチューバくんで笑わせ合奏で楽しさを実感して助けられてのドキドキ感。っていうかあの男子は誰だよ。全国狙うなら選抜方式は当然でしょうけど、これによりギスギスしてきちゃうんですかね、低音パートはメロディないからそりゃつまらんでしょうな。PGガンプラ作る時に今どこ作ってんだよめんどくせえみたいな。全体像が想像できないとね。万里の長城の話も似たようなもんかな。そこらへんのモチベ管理というか練習方法が洗練されてないので万年敗退レベルってことを表現しつつも、音楽の楽しさを伝えたいという久美子らの思いやりなんかもステキで良かったです。個人的な好みとしては葉月の感じてたのは楽しさだけではなくて他にも達成感、万能感、貢献感等様々な感情が沸き起こり確かな手応えを感じたところをもう少し大げさにして表現して欲しかったかな。この「出来る」「出来た」って感覚は生きていく上でものすごく重要だから、何をするにしてもというか何をしてもいいんだけど学校での勉強とか部活とかが大事ってのはそういうことなんだと思う。一人でも出来る人は出来ないことはないけど殆どの人はスピードとスケールに歴然とした差が出てきちゃうんだよね。こう考えると学校ってのはつくづくよく出来た凄いシステム。でも万人が適応できるものってはありえない。弱い人間でも死ななくなってきた現代ではこのシステムに合わない人間も学校に通うことが出来てしまう。全ての人間が究極まで出世した場合、全ての階層は無能で埋め尽くされる。衰退期といっても過言ではない現代で変革というのはやはり組織からではなく個人、救世主を待つしか無いのかなあ、とか思ってしまったり。なんなんだこれ。葉月かわいいです。
{/netabare}
第7話  響け!クワイエティズム
{netabare} 面白いっす。青春モノっぽさが出てきました。前回岩本くん忘れてましたが恋愛絡みもあるんですね。大所帯ならではの人間関係や力関係なんかもめんどくさいだろうなあ。体育会系と違って体動かして発散とか出来ないから陰湿になることもあるんでしょう。指導や指摘がどうしても皆の前でやるしかないから言われるの余計キツイ。これ学生の時にあって見てれば吹奏楽部の人らともいろんな話できたろうな。しかし背景の体の映り込みとかわざわざ動かすのってホント手間かけてる。先生の話を待ってる部員達のまばたきのバラツキ加減とかいちいち芸が細かいよねえ。一気に見てしまいたい衝動に駆られそうになる。しかしこんだけ女子部員の人数いてモブすら全員見事に可愛いのは流石としか言いようがない。
{/netabare}
第8話 響け!ドグマティズム
{netabare} あれだけ女子率高い集団の中でも幼馴染に一途というのは好印象ではあるが、あっさり袖にされる岩本氏。葉月も不器用過ぎ。後藤は大人だな。琥珀ヤバい。名言装置あすか。山に登るのにワンピとヒールってのいいですね。やりたいこと全部やる高坂さん。言動がけっこうな中二病。これ百合もありなのか?今回は箸休め。次回はオーディションなので荒れる展開なんだろうか?
{/netabare}
第9話 響け!ユーティリタリアニズム
{netabare} みどりは責任感強い子なのね。あすかさんはまあしゃあないな。展開はまあ予想通りというかこれしか無い感じ。葉月や中川さんが受かったら流石にご都合過ぎる。高坂さんがソロなのもまあそうでしょうね。マドンナの人はホクロないとわからんし名前も覚えられん…。そろそろ次回くらい山場の展開になるのかな。
{/netabare}
第10話 響け!エッセンシャリズム
{netabare}やっぱりきましたね、こういう展開。噂話は暇人の最高の娯楽ですからね。自身を高めんと日々研鑽を積みながらも他人のフォローにまで神経を尖らせているあすかにすればくだらないしどうでもいいのでしょう。高坂さんも父親が高名ならその手の誹謗中傷はウンザリだったでしょう。でもあすかは騒動の収束にも無関心だったのかな。そのへんさすがの部長。こういうのひとりで決断するんだもんな。トップって大変。でもあのあと先生こなかったらどうする気だったのか。強引に表面化させても悪化しそうなのだが勢いで言っちゃった感はある。でも事態の収拾に努めようとした心意気や良し。やる気のある無能が一番最悪ってのは言わないでおこう。まあでも自分で自分のケツを叩ける能力ってのは重要なんですよねえ。あのリボンの子もいいですね。他人のために声を上げるってなかなかできないですよ。彼女にしてみれば高坂さんは絶対許せないでしょう。彼女もカッコいいですね。そして飛んできたボールは容赦なく打ち返す高坂さん。久美子がいなければ確実にぼっち。いじめにも発展してたでしょうねこれ。久美子の存在はホントに心強かったでしょう。これぞ青春ですね。からのまさかの高坂さんってばとんでもないカミングアウト。ここにきて禁断の恋愛模様。どうみても無理筋なのだが頑張れ高坂さん。大事なのは結果ではない、過程なのだ。そしてすっかり蚊帳の外の岩本氏もまあ頑張れ。これは滝先生の成長物語でもあったのですね。親が有名だと凡人にはわからん苦労があるんでしょう。実に王道でいいですね。
{/netabare}
第11話 響け!フィデズム
{netabare}しかしひたすら部活のことしかやらんな。しかも目茶苦茶一生懸命。若いって凄い。パンクしそう。この年代にこれ程真剣に何かに打ち込んだ記憶無いな。羨ましい。リボンの子はやっぱり名前覚えてないけどいいですね。猪突猛進。早坂さんもなんだかんだで心細いよね。百合なのか?素人にも早坂さんの方が良い風に聴かせるのは凄い。何が違うのかわからんけど全然違って聴こえる。みんなイイ奴ばかりだけどあすかだけはなんか嫌な感じに映すなあ
{/netabare}
第12話 響け!へドニズム
{netabare}これまた名シーン連発回ですね。2人で会話させるために携帯忘れさせて作ったあの場面もすごく良かった。しかし皆の前でいらないっていわれるのホント吹奏楽部ってキツイっすね。中学時代の玲奈の悔し涙の意味を今頃になって身を持って味わった久美子。自らの不甲斐なさと過去の言動の浅薄さに嫌気が差し、寝床に伏しては中学時代の自分を悶々と責めたてていたんだと思います。なんであんな事言ったんだろう、なんでもっと真面目にやってこなかったんだろう、と。なんとなく続けていた楽器に対し悔し涙を流せる程に真剣に向き合って来たことで壁との遭遇という初体験。この未知の領域に対しボーッと生きてきた久美子は何ら解決策を持ちません。ここで姉と先生の登場です。ここで描かれるのは人は一人では成長できないという絶望的なまでの真実です。この2人がこのタイミングで干渉出来なかったら自分の中でこじれてうまく転ばない可能性もあったかと思います。まあそうなったら麗奈がなんとか頑張ってくれるのでしょうが。久美子はラッキーなだけだったと言うつもりはなく、これまでにそういう関係性を築いて維持してきた結果のリターンですので日々の行動は何かしら繋がってきたりするんですよね。

姉の小言に対し突っ伏したまま悪態をつく久美子。「吹部続けて何か意味あるの?」と嫌味をいう姉。反射的に身を乗り出し「私、ユーフォが好きだもん」と啖呵を切る久美子。これはただの売り言葉に買い言葉でしかなかった。しかし咄嗟に自分から出てきたこの言葉に驚きながらも、それを認め、一人噛み締めたときに久美子はここで初めて「私、ユーフォが好きだ」という実感をリアルに感じる体験をする。ここで初めて久美子は「自覚する」という能力を手に入れる。素晴らしい場面です。これがいわゆる「成長」ってやつですね。技術の向上や行動言動の変容を持って成長した!と言う言説を私は支持しません。ただこれだけだと弱いので先生との会話が必要になります。部室への道すがら階段踊り場でのなんてことない世間話の中の先生の一言に足を止める久美子。人生の先輩でもあり結果を出して畏怖と尊敬を集める大人の先生が「好きだから」と口にする。全身に衝撃が走る。全てが繋がった。「ですよね?」「好きってそれでいいんですよね?」久美子の想い、核心が革新されて「確信」に変わった瞬間。直後の久美子の顔面ドアップは憑物が取れたような晴れやかな笑顔。今後に何の迷いも無く視界が開け希望と肯定と万能感に満ち溢れた開放された魂の美しさが見事に表現されています。そして何よりも会って話したくてたまらない友人の存在。そして2人きりってどういうこと?とうろたえる高坂さんの可愛らしいこと。正直テンション落ちてたんですけど今回で爆上げしました。人の成長の瞬間に立ち会えるってのは幸せなことだと思っています。
{/netabare}

最終話&総評
良かったです。吹奏楽部という一般的に好印象なイメージの良い題材をモチーフにしたオールエイジ&フルレンジな万能アニメ。高評価も納得の逸品。京アニの凄さを改めて実感させられました。

青春、友情、努力、音楽などそれ単体で一つのジャンルになりえるような強度の高い要素を贅沢に取り込んでる本作。悪く言えば全ての要素が中途半端なのですが良く言えば全ての要素がガワという程の浅さが無い絶妙な濃度が素晴らしい。そしてそれらを超絶作画とキャラパワーで強烈に底上げしバランスよく高品質にまとめるという京アニイズムの集大成的作品。

こういう全方位作品ってのは毒にも薬にもならない駄作になりがちです。もちろん観る者全員が納得する作品など絶対に不可能なので満足できない方もいるでしょう。

スポ根モノと決め込んで観れば苦悩ガー葛藤ガー絶望ガー。観ればわかるとおりスポ根のカタルシスは本作にはありません。音楽モノとしてみればディティールがまるで足りないでしょう。楽器の下手さなど素人が初見で分かるほどの強すぎるデフォルメ。恋愛要素も少ないし百合成分を求めちゃった人もいるでしょう。ご都合ガーも盛大に湧きそうなラストです。

そこを考慮しても驚異的な高打率を誇る完成度だと思います。この作品の価値はどう考えても尺が足りるわけがない数々の要素を「描き切らない事」に注力しつつ各要素を成分としてきちんと成立させた構成力だと思っています。「何をしないか」の取捨選択は「何をするか」よりも格段に難しいのではないかと思います。〇〇をしたいんだったら〇〇がないとおかしいという場面がたくさんあります。物足りないのは多分わざとやってます。そこは各自で補完、解釈してね、ということでしょう。ですがこの引き算により解釈の幅が生まれることで多くの人に愛される作品になれるのだと思います。

誰が観てもここがハイライトってわかる作画も素晴らしいです。アニメファンですら「なにこれ超スゲェ」ってなるような超作画でキメのシーンを演出します。12話の橋のシーンとかマジでイカレてると思いました。どの場面が印象的だったかと聞かれれば同じ場面が被ることも多いでしょう。顔のアップも多様して初心者にもわかりやすくする配慮が行き届いています。監督の術中に嵌り見事に躍らせてくれます。思う壺というやつです。


個人的ハイライトは6話と12話。
私にとってはこの作品は「気付き」の物語です。

投稿 : 2020/10/14
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響け! ユーフォニアムのストーリー・あらすじ

高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部をきめたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。(TVアニメ動画『響け! ユーフォニアム』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2015年春アニメ
制作会社
京都アニメーション
公式サイト
tv.anime-eupho.com/
主題歌
≪OP≫TRUE『DREAM SOLISTER』≪ED≫黄前久美子(CV:黒沢ともよ)加藤葉月(CV:朝井彩加)川島緑輝(CV:豊田萌絵)高坂麗奈(CV:安済知佳)『トゥッティ!』

声優・キャラクター

黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏

スタッフ

原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部へようこそ』)、 監督:石原立也、シリーズ構成:花田十輝、キャラクターデザイン:池田晶子、シリーズ演出:山田尚子、美術監督:篠原睦雄、色彩設計:竹田明代、楽器設定:髙橋博行、撮影監督:髙尾一也、音響監督:鶴岡陽太、音楽:松田彬人

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