「この世界の片隅に(アニメ映画)」

総合得点
82.6
感想・評価
644
棚に入れた
2850
ランキング
312
★★★★★ 4.2 (644)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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この世界の片隅にの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ありがとう。この世界の片隅に私を見つけてくれて。

 2回目の視聴を終えましたが、、、かなり良かったです。最初のレビューを全部消して書き直します。

 1回目のときあまり面白く思わなかったのは、やはり前半ですかね。前半はゆったりしてたし、アニメというよりはドラマっぽかったので、前半で眠くなってそのままずるずる引きずったのだと思います。あと個人的に声優さんの声が眠気を誘いやすい、ゆったりしてたのもあるのかもしれません。

 しかし、再視聴してみて思ったのは、戦争によって温かい日常が無慈悲に奪われてしまうということ。これまでの日常は積み上げるのに時間がかかりますが、壊れるのは一瞬であり、これまで積み上げてきたもの、愛する人たちを一瞬で全てが崩れてしまうというのは、見てて辛かったです。僕も作中で空襲の警報がなり初めてから、緊張しっぱなしでした。

 主人公であるすずとその家族たちは、食事もままならず、防空壕に逃げたり、またのんの兄や義理の姉の夫と娘を失う一方、そんな中でも笑いあったり食事を囲むなどする姿に希望が持てました。

 非常に良かったのですが、ただ見ててわからない所が。最初と最後に出てきたあの熊みたいな男はなんだったのか、天井から出てきた子どもはなんなのか、場面の背景がよくわからない所があったので、解説などをみて補おうと思います。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/01/18
閲覧 : 236
サンキュー:

36

セシウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

控え目な雰囲気の戦時中作品

 原作マンガは未読です。
 大正の末に生まれた少女が戦争中を軍人(文官だけど)の妻としてたくましく生き抜く姿を描いた作品です。主人公は画才があるだけのごく普通の女性で、他の登場人物も極端なキャラはいません。普通の人々の生活を淡々と描いた日常系という雰囲気です。ただし戦争中ですからそれらしい描写はありますし戦況の悪化にともなって重いシーンも増えてきます。しかし主人公はエンディングまでしっかりと自分を見失うことはなく、周囲と支えあいながら生きる人間の強さを表現しています。

 キャラは出戻りの主人公の義姉が良かったです。性格が合おうが合うまいが協力しあうしかないという状況で主人公との関係が進展していく様子が心に残りました。声優はみんな素晴らしかったです。特に主人公の声優さんは、おっとりとした天然キャラを完璧に演じられていたと思います。

 作画は広島や呉の街や海山の描写が綺麗で良かったです。キャラクターは等身が低すぎに感じました。特に主人公は大人になっても幼女のように見えてしまいました。音楽はあまり出しゃばらない感じの曲ですが、作品の雰囲気に合っていたと思います。防空壕の中の音などはリアルで緊迫感を感じました。

 強烈な印象を残す作品ではありませんが、視て損はない作品だと思います。ゆったりしたテンポでアニメ映画としては長めの作品ですが後半は時間を忘れます。グロテスクなシーンが少しだけありますがお子さんと一緒に見ても良い作品だと思います。
 

投稿 : 2022/01/04
閲覧 : 17
サンキュー:

3

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

女性の"強さ"と"弱さ"は表裏一体であることを描いてみせた傑作

最初は、なごやかな雰囲気で、ギャグもあり、クスっと笑える場面もあった。
それが、気づくともう逃れられない悲惨な状況に巻き込まれている。
この物語の中で、いつからこうなった、いつから・・・。
それが、戦争。

徐々に、徐々にその足音が近づいてきて、幸せを蝕んでいく。
この物語もここまでが普通の日常、ここからが辛い日常、そんな線引きはない。
気づいたころにはそうなっている。

ああしておけばよかった、こうしておけばよかった。
主人公もそんな後悔の念に苛まれる。
しかし、それが戦争。


私は、歴史は知っているが、戦争は知らない。
教科書には、広島に原爆が落とされたことは書いてある。
しかし、一人ひとりの"悲惨さ"までは書いていない。

それは、ひとりの人間なんて、本当に歴史や世界の片隅の存在でしかないから。
そして、"悲惨さ"とは、物事の一種のとらえ方の感情であり、史実ではないから。

しかし、"悲惨さ"は、みんなの心の中にある紛れもない真実である。
そして、この作品には、それが描かれている。

この作品は、直接、戦闘をしない立場の人間に焦点をあてている。
同じコンセプトの作品に「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」がある。
この作品は、子供視点から戦争を描いた傑作である。
そして、本作は、女性視点から戦争を描いた傑作である。

前者は架空、後者は史実にもとづいている違いはあるが、その本質は同じだ。
戦争は、それを知らない現代人にとっては、どこか他人事であり、ファンタジーだ。
しかし、それだと再び歴史を繰り返してしまう。
この2つの作品は、そのことに対して一石を投じ、自分ごとのように感じさせる。
それは、直接戦闘に関係ない人間が気づくと巻き込まれていると言う怖さからだ。

戦争によって、破壊されつくされた普通の生活。
前者は、同じ過ちを繰り返さないこと、その望みを子供の未来に託した。
後者は、未来への一歩一歩が女性の力強さに支えられていることが描かれていた。


この物語では、主人公の描写に圧倒される場面が大きく2つあった。
1つは、主人公が、空襲の中、広島に飛んでいく鳥を見たとき。
そして、もう一つは、玉音放送を聴いた後。
この二つの場面の主人公の気持ちの描き方はすごいとしか言いようがない。
いままで積み上げてきたもの、ため込んできたものを一気に放出させる。
それは、これほどまでに鬼気迫るものがあるのかと。

女性は、我慢強い分、自分の気持ちを押し殺しため込んでしまう。
しかし、一度、気持ちがあふれ出したときには、一気に、崩れてしまう。
この作品は、女性の"強さ"と"弱さ"は、表裏一体であることを描いてみせる。
こんな作品は、他に観たことが無い。


じわじわと蝕まれていく幸せに、じわじわと泣けてくる・・・。
しかし、最後は、未来に希望が持てる内容であったのが、とても救いだった。

投稿 : 2021/12/31
閲覧 : 166
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33

SSI さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメーション作品の最高傑作

日本アニメアカデミー賞で、新神誠監督「君の名は。」と京アニ山田尚子監督「聲の形」を抑えて受賞された作品。この映画は本当に素晴らしいです。全ての部分を繊細に描いています。また主人公スズを演じるのんさんの演技が素晴らしい。まさに彼女しかいないというものでした。心の中に"暖かさ"を生み出してくれました。何が凄いって、この映画笑えるんですよ。そして笑えてることの大切さに気づくんですね。もう最高なんですよ。1つ1つの台詞も最高。もう脚本が最高です。100回は観た。

投稿 : 2021/12/18
閲覧 : 111
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3

たわし(冨岡) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

完全版を制作する意味はあるのか?

個人的には2016年のアニメの中では「君の名は」なんかより遥かに面白かった。(無論、「聲の形」もそうだが)

原作漫画は残念ながら未読。何度も繰り返し見たくなるアニメかといえば首をかしげるが、
いわゆる宮崎駿や湯浅政明などの天才的な技術があるアニメというよりは、細かなところまで目の行き届いている「職人」のアニメである。

実際に片渕監督は、舞台となる広島の呉の街に何度も赴き取材し、当時の街並みや人物をくまなく再現したとのことで、その努力の結果が画面の現実的な説得力になっているのだと思った。

あと、なんといっても主人公すず役の「のん」の演技が凄まじい。完全に憑依しているとしか思えないほど、あるいは本人がそのまま本人役として演じているような気に思えてしまうほどぴったりだ。一番の驚きである。

話の内容に関しては、第二次世界大戦末期の日本ということなので当然、戦争の悲惨さが描かれているのだが、実はその世界のほんの片隅に存在する普通の人たちを描いているという。。まさに究極の「日常系アニメ」である。

なんでもキネマ旬報では2016年ベスト映画一位を獲得したとのことで、「となりのトトロ」以来、28年ぶりのアニメ作品だそうだ。

※余談ですが

ニュースで劇場版より30分長い完全版製作決定との触れ込みでしたが、果たしてそれは意味があることなのでしょうか?確かに原作を省いたところは結構あるので人気もあって製作されてもおかしくはないですが、この内容以上のものは得られないとの直感です。

と、いうよりもその予算を若手育成にまわさないと本当にアニメ業界潰れるんじゃないでしょうか?

投稿 : 2021/11/14
閲覧 : 471
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34

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

それでも人は生きる。本当みたいな嘘から、嘘みたいな本当へ。

明るい作品である。戦時中の話と聞けば、とにかく暗い悲劇を連想せざるをえない。しかし、本作は実に明るく楽しい。世界の片隅のちっぽけな場所、人々の物語なのだが、実に丁寧に巧みに描かれているからそれらが愛おしくてたまらなくなる。


 勿論、戦時中だから辛い展開もある。しかし、本作ではそれでも生きていくという希望に繋がっていき、ラストには小さな救いへと結実する。劇的に盛り上げるよりしっとりと薄味でここまで見事な味わいに仕上げる技量は半端ではない。


山田令二先生の解説が一番膝をうった!

投稿 : 2021/11/07
閲覧 : 362
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36

オパマ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

娯楽作品ではない。

ハラハラドキドキを求めるべき作品ではない。

我々の祖父母、曾祖父母の世代が大戦中の厳しい時代をどう感じ、どう生活していたかを垣間見るドキュメント作品。

私は祖母から戦時中の話を聞かされて育ったため真新しい発見などは感じなかったが、若い世代の人たちが本作を観てどう感じるのかが気になる。

わずか数世代前の現実に起こった出来事。絵空事や物語の中だけの事と受け止めず、身近な出来事として受け止めたい。

「もっと器用に生きて行けばいいのに」「何故そんな発言や考え方になるんだよ」といった感覚は抱いて欲しくない。
あの時代はネットはおろかテレビすら無く、限られた情報やコミュニティの中で判断し、時代に合わせなければ生きて行けなかったはずだから。

同時代を生きた諸先輩方と、若い世代の人に観てもらいたい。

娯楽性は無いが、価値ある作品。

投稿 : 2021/10/26
閲覧 : 182
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23

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通なのに心に訴えかけるものがありました。

戦争時中を描くこの手の映画は、戦争が如何に悲惨かを訴えるというイメージがありましたが、この作品にはそういう感じは全く受けませんでした。なんというか、普通といったらいいのか……。すごく良い意味で。

普通に生活して、普通の日常が続いていく中で、戦争という出来事が起こっている。なんだかそれは妙に現実的に見えて、心に訴えかけるものがありました。

戦争と本当に戦っていたのは、すずさん(主人公)みたいな人達だったんじゃないかなぁと私は観ていて感じました。いや、戦っていたわけではないのですが……。言葉にするのは難しいのですが、言い換えると、戦争そのものに屈せずに、戦いそのものに屈せずに、しっかりと人としての生き方を守っていたのは、すずさんみたいな人達なのかもしれないと感じました。

例えば、争う気持ちが怒りの炎みたいなものだったとして。戦いの火の手に触発されて、こちらも炎みたいに熱くなったら、火と炎があわさって、それこそ大変で……。だから周囲から「何やってんの!」とトロいように思われようが、愚か者のように思われようが、普通の生活を何事無しに過ごしていくことが、平和を守っていくことに、平和そのもに繋がるのかなぁなんてことを考えました。

言葉にするのは難しいですが、言葉にできないからこその映画やアニメなんだとも思います。是非ご覧ください。

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 142
サンキュー:

22

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

天才のん

この役にのんを当てた片渕須直監督は天才としかいいようがありません。
エキサイティングでワクワクドキドキ興奮するエンタメではありませんが、女性は本質的に男より強い、というのがわかる面白いお話でした。一般人にとって遠い話だった戦争が徐々に近づいてくる緊迫感は子どもたちにもぜひ見てほしい映画です。

投稿 : 2021/10/12
閲覧 : 80
サンキュー:

9

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

現代人には到底理解出来ない苦悩

この世界の片隅にの紹介:2016年日本映画。広島出身こうの史代の漫画「この世界の片隅に」を映画化したアニメ。舞台は戦時中の広島。のんびりとした性格の主人公すずは、呉に嫁ぎ、ささやかな幸せを感じながら生活していた。ところが、時代と共にどんどん戦争は激化していき、すずのささやかな幸せが崩れていってしまう。すずはどのように生きていくのか、家族愛とはなんなのか、「この世界の片隅に」は戦争の中で見つけていく希望の物語。(あらすじ)

amazon primeで視聴しました。
自分の世代は、「はだしのゲン」を見て育ったので、
「この世界の片隅に」は、かなり見やすく良い作品だったなと感じました。
「はだしのゲン」は良い作品というより、戦争の悲惨さを伝える為に作られた作品に感じた為です。

話は変わりますが、
現代社会でも、上司と部下の人間関係で揉め、
「だから今の若者は」そう言われています。
そして、会社を辞めていく人も多いです。

そうなってしまうのも自分には当たり前に感じてしまうのです。
この戦争真っ只中を生きてきた人や、その戦後を生きてきた人たちと、今を生きる現代人では、そもそも考え方や幸せの基準も違います。
今は平和が普通で、幸せがありふれているのが当たり前なのですから。

こうやって作品を見て、学んだり、理解することはできても、実際に体験することだけはできません。

それが故に、この戦争の時代に生きてきた人達の強さを思い知った作品でした。

投稿 : 2021/08/20
閲覧 : 73

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争の帰結するもの。

世界の片隅。それは、わたしが住むこの街のこと。

浦野すずは、ランドセルを背負った "あの童女"。

北條すずは、スーパーで買い物する "あの婦人"。

戦時下の女は、同調圧力に抗うことなど知る由もない。



戦争は、男たちの職業であり、道具であり、手段である。

が、母を、姉妹を、娘を、守れず、遠つ国で落命していった。

遺骨は、「大日本帝国」の捨て石と朽ち落ちていく。

遺影は、寡黙にして「太平洋戦争」の語ることはしない。



~     ~     ~


当時、15歳の少年兵でも、今年で91歳です。

終戦80年を数える頃には、ご存命ではないかもしれません。

あにこれを楽しむ方は「戦争を知らない子供たち」。

すっかり大人になって、ご自身なりの評価をなさっていらっしゃるでしょう。



お亡くなりになった軍人さんは230万人にのぼります。

日本の国外で亡くなった民間人は30万人以上だそう。

空襲などで亡くなられた国内民間人は50万人にもなります。

そして、日本傷痍軍人会は当初35万人もの戦傷軍人がいました。



しかし、民間人の戦傷病者数は、実はよく分かっていません。

そもそも統計が取れているのか、残っているのかさえ分かりません。



そして、軍人さんには恩給の支給がありますが、

当時のすずさんのような民間人には、適用されません。

例えば、片手親指の欠損は、恩給だと240万円/年(階級にもよるのだそうです)。

現行の障害年金ですと、片腕の欠損は、約78万円/年です。

片手の親指の欠損でしたら・・・0円です。

(数字にはうといので、誤りがありましたら教えてくださいね。)



制度設計にはいろんな物差しがあるので、一概に平等公平とはいきません。

だけれど、すずさんは、ただ日常を過ごしているだけなのに、

機銃掃射で殺されそうになり、投下爆弾で右腕を失ってしまいます。



ひたすら勝つことだけを教えられ、信じ込んだすずさん。

負けようなどとは露とも思わないし、考えてもいけなかった。

絵筆を右手に取ることが永遠にできなくなってしまっても、呉港に浮かぶやまとの必勝を、なお、夢に見ていたのです。

青空市で、あの "ごった煮" を口にするその瞬間までは。



~     ~     ~



今年も終戦記念日を迎えました。

テレビでよく見たあの日の場面から76年になります。

原爆ドームが映しだされると、広島の方はどんな思いをして暮らしていらっしゃったかと思いを馳せます。

戦争の惨禍と、身に起きた不幸と、"過ちは繰返しませぬから" を、どう受け止めてきたのだろうかと訊いてみたくなるのです。



本作に感化されて「昭和天皇実録」を図書館で借りるようになりました。

25歳で即位されたのち44歳に至る戦時下のご苦労をしのび、

戦後は日本の象徴として尽力なさった姿がそこに読み取れます。



すずさんにも、天皇にも、等しく「日常」がありました。

それをよく知ることは、同時代に生きる者にできることなのです。

いつか、東京九段の "しょうけい館" にも行ってみたく思います。



それぞれの足跡を、それぞれに辿ってみたい。

あの暗い時代を、もう一度見つめ直すことで、明るい未来を、両の腕であたためてみたくなったのです。

投稿 : 2021/08/16
閲覧 : 101
サンキュー:

16

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言葉もない。

観たいと思いつつ、躊躇していた本作。
終戦記念日でもあることだし、意を決して視聴しました。

久々に言葉にするのが憚られる作品に出会いました。

作画や音楽やら演出がどうこう言うのも憚られる。
(勿論全て素晴らしい)
その上で描かれる物語は、面白いとか悲しいとか良いとか悪いとかを超越している。

・・・・本当、みんなが笑って暮らせる世の中だといい。

投稿 : 2021/08/15
閲覧 : 70
サンキュー:

6

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ただただ過酷すぎた時代としか言えない

やっとアマプラで視聴、受賞で話題になった頃は見ていず、DVD録画したものも長いこと見ずにいました。高畑監督の「火垂るの墓」と同系列の作品ということで、きっと胸にずっしりと来ると思っていたので、今まで敬遠していました。見てよかったとは思います。しかし見て楽しい作品ではなかったので、できれば忘れたいと言ったら怒られるでしょうか。それぐらい、メルヘンタッチな作画と相反して、非常に重い作品でした。

物語は広島に住む海苔加工業者の家に育ったすずが、乞われて嫁いだ先の呉市での嫁ぎ先の生活が描かれていきます。いわば見合い結婚みたいな話です。すずは絵を描くことが得意ですが、それで身を立てることはできません。あくまで一家庭の主婦として、嫁ぎ先で日々尽くしていきます。しかし嫁いだ主人の姉の娘を不注意で不発弾で亡くしてしまい、自身も絵を描く右手を失ってしまいます。それで実家に帰ろうかとしていたら、広島も原爆でやられてしまいます。それまでも呉市は悲惨な空爆で犠牲になっていました。焼け跡で玉音放送を聞き、激しく涙するすず。しかし終戦後、亡くした姪のような原爆犠牲孤児の少女を拾い、連れ帰り育てることにします。

あらすじを今書きましたが、かなりの忍耐を強いられる作品です。表面上はしかし、すずの声優ののんさんののんびりとした演技のナレーションが入るので、淡々と話を追っていくことになります。戦争の理不尽さ、当時の耐久性活の悲惨さが克明に描かれ、現代に生きる人間は圧倒されることになります。もちろん贅沢な現代生活について、罪悪感を感じるようになるのは、「火垂るの墓」と同様です。もちろんそういった描写に私も郷愁は感じることはありました。出てくる病院の建物やロケーションなどは、私が一番最初に入学した古い小学校の横の、旧日本陸軍の火薬庫だったという施設のものとよく似ていました。私などは、それを知っている世代だという事で、この作品をまだ実感を持って理解できる世代の一人だということです。

義援金を集めてまで製作された本作は、何も言うことのできないほど立派な意志によるものです。このような作品が作られたことは非常に素晴らしいことですが、なるたけ早く、過去の遺産であるような世の中にしていかなければいけないと思いました。戦争の根絶は無理であっても、このような社会態勢への後退は、決してあってはいけない事です。末筆になりましたが、自然描写や当時の事物や背景の描き方は、本当に素晴らしかったと思います。これだけの資料を集め、当時の記憶をよみがえらせることは、並大抵の苦労ではなかったと思います。

投稿 : 2021/06/11
閲覧 : 95
サンキュー:

8

ネタバレ

shino73 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦時下でも蝉は鳴く

浦野家の長女として生まれ育ったすず。
明るくて純真な心を持つ少女。
特技は絵を描くこと。
昭和19年2月、すず18歳。
少女に縁談の話が訪れる。
相手は呉に住む北條家の長男周作。
海軍の軍港として栄える呉の街での生活が始まる。

こうの史代原作、片渕須直監督作品。
当時の街並みを再現した素朴で美しい情景。
戦時下の日常を生きる人々を描く傑作アニメ。

そこにあるのは規則正しいささやかな暮らし。
戦争という非日常の中にあっても、
すずは工夫をして食事を作り、洗濯し、
衣服を直し、日々をたくましく優しく生きている。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、
物資の配給は減り、空襲の回数は増えていく。
そして昭和20年、運命の夏を迎える。
広島に新型爆弾が投下された。

{netabare}焼け野原と化した広島の街並み。
敗戦の玉音放送を聴き胸が詰まるすず。
張りつめていたこれまでが飛び去っていく。
泣き崩れるすずの胸中に想いを馳せる。
みんなが笑って暮らせますように。
この映画を不滅のものとした名場面がここに。{/netabare}

戦争ものは総じて苦手なのですが、
ここには前向きなメッセージがあります。
すずが暮らした70年前の広島でも、
夏にはスイカを食べ、蝉は鳴くのですね。
そんな当たり前に過ごす日々に感謝をして、
懸命に生きた彼女にまた会いたいと思います。

投稿 : 2021/05/30
閲覧 : 779
サンキュー:

94

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

映画館を出て何日かは最高の映画だと思っていたのですが。

 戦争という歴史的な事実の中で、市井の人である、すずさんを中心に日々の生活を明るく営みます。いろんな人間模様もあります。いろんな事件を通じて、命の軽さ、大きな悲しみ、そして、未来につながる出会いもありました。そういう大衆にとっての本当の戦争の現実をしっかりと描き切った、名作だと思います。

 作画、音楽、ストーリー、演出、声優、どれをとっても最高だと思います。いや、思っていました。実は1回しか見ていません。なぜか。面白くないからです。

「君の名は」「聲の形」とほぼ同時に劇場公開されて、3本とも劇場でみました。3作とも円盤も購入しました。「君の名は」と「聲の形」は多分、10回ずつくらい見ていると思いますが(大げさかもしれません)、本作は封を開けて、見ようかなと思いましたが、モチベーションがあがりません。

 1度、すずさんの生活を見て、不幸、大不幸から戦後日本人のパラダイムシフトを経て、復興へ、という経験をし、映画館をでて何日か余韻を味わうと、なぜかこの映画について再び考える気がしなくなりました。

 世間的には大絶賛なのも分かる気がするんです。映画館をでて数日は世にも貴重なものを見た気になった記憶があります。

 でも、興奮が冷めて、何年かたって、今、映画として考えた場合、私の中ではあまり評価できませんでした。

投稿 : 2021/05/25
閲覧 : 124
サンキュー:

6

ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

右手を失った人に「運が良い人」とあなたは言えますか?

この物語は、戦争という理不尽な状況の中でも、たくましく生きていく人たちを描いています。

主人公のすずは、のんびり屋でおおらかな性格です。
そして絵を描くのが趣味な女の人です。

すずのおっとりした性格や作画の柔らかさもあり、最初はなごやかな雰囲気で物語がすすみます。
でも、この時代は戦争中です。

不覚なことに、映画の途中まで、私はそのことをすっかり忘れていました。
しかし、{netabare}
不発弾の爆発ですずの右手がなくなり、一緒に歩いていた女の子も亡くなったとき
「ああ、この時代は、兵隊でなくとも、空襲でいつ死ぬかも知れないんだ。命の保障など全く無い時代なんだ」
と、改めて気づかされました。

そこから先は、悲惨な内容ばかりです。

右手を失くして大好きな絵を描くことができなくなったすずに、
「右手を失っただけで済んだので運が良かったね」と、おばさんが言うシーンがあります。
もちろん私だったら、すずにそんなことを言えません。
でも、
実際に第二次世界大戦で命を亡くした人が沢山います。
日本人だけで、約300万人です。 
その中には、栄養失調で亡くなった人や満足な治療ができずに亡くなられた方もいます。
戦争さえ無ければ、栄養失調になることもなく、治療もちゃんと受けることができたはずですので、
やはり、それらの人々も戦争の犠牲者だと思います。

だから右手を失ったすずに「運が良かったね」と言ったおばさんは、悪気など全くないのです。 {/netabare}

この物語の最後に、すずが、母親を亡くした子供をひきとるシーンがありましたが、
あのシーンが無ければ、暗く辛い内容ばかりで映画が終わってしまうところでした。
あれで私の心が救われました。

私たちは、自分たちや子供たち、孫たち、その先のまだ見ぬ人たちのためにも、戦争のない平和な世の中を大切にすべきだと思います。

投稿 : 2021/05/23
閲覧 : 538
サンキュー:

86

ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

微笑ましい日常を多く描くことで戦争の悲惨さを表現した名作

原作未読。

【はじめに】
「太平洋戦争を題材にした作品(映画・ドラマも含めて)の中で、これだけふり幅の効いている作品を見たことが無い」
これが私の第一印象でした。
作画や主人公・すずの人柄など、ノスタルジックでほのぼのとした日常の中に、悲惨な戦争がある・・・。

この作品の素晴らしさは、微笑ましい日常を多く描くことで、戦争の悲惨さを表現している所だと思います。
そして、絶望的な状況の中でも、前を向いて健気に生き抜いている人々(特に女性)の姿が、とても印象的でした。

太平洋戦争を題材にした作品の多くは、戦争の悲惨さを過剰に描いたり、(例えば特攻隊のような)兵士を英雄視して描かれる作品が多い中で、かなり異色な作品だったと思います。

『太平洋戦争を題材にした作品は苦手』という方にも安心してお勧めできる、傑作です。

【物語】
物語のほとんどが主人公・すずの目線で描かれている所が面白いと思った。
働き者でおっとり、少し内向的だけど明るい・・・。
そんなすずの目線で描かれていることこそが、この作品の一番の魅力だと思う。

【作画】
キャラデザを含めて、柔らかく、ノスタルジックな印象。
物語の印象とぴったりマッチしていて、とても良いと思った。

印象的だったのは{netabare}大好きな姪・晴美と大事な右手を失うきっかけとなった{/netabare}、あの空襲の場面。
まるで、水彩画を描くかのように表現されている。
幼いころから絵を描くのが得意だった、すずならではの見事な表現だと思う。
そして、「まるで現実の事とは思えない」すずの心情を上手く表していると思う。

【声優】
主人公・すず役ののん(能年玲奈)さんは、すずの役柄とぴったりだったと思う。
素朴な語り口が、この作品の魅力を最大限に引き出している。

【最後に】
書き出したらきりがないほど印象的な名シーンの多い作品だったと思います。
その内、いくつかを書き出しておきます。

~笑った~
{netabare}憲兵に間諜(スパイ)と疑われたくだりは声を出して笑ってしまった。

妊娠の兆候?➝朝食は2人分➝病院へ➝昼食は1人分。妊娠は気のせいだったんですね。(笑){/netabare}

~切なかった~
{netabare}右手を失ったすずのもとを訪ねた、妹・すみが別れ際に言った一言。
「広島に帰っておいでぇや。ひどい空襲も無いし・・・」
この後の歴史を知る者なら、誰もが切ない思いをするに違いない、地味ながら心に響く名セリフ。

玉音放送の後、人目を避け、泣き崩れた義姉・径子とすず。
誰もが勝利を信じ、色々な事を耐えて、我慢してきて、その結果・・・。
こういう所がとてもリアルで良かった。{/netabare}

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 620
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94

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この悶える苦しさは、明日も続くのか

こうの史代さんのマンガを原作にした劇場版アニメ。
昭和18年12月、広島市から呉に嫁いだ「北條すず(旧姓:浦野)」が主役です。
日付からピンときた方はご明察の通り、太平洋戦争末期、原爆投下直前の広島が舞台です。
原爆投下直前の広島が舞台というと、終戦記念日に見せられる、人がドロドロ溶ける安物のホラー映画みたいなアレを思い浮かべる諸氏もいると思いますが、そういう描写はほとんどなく、日本の広島県の呉の、のどかなあるお家で、世界の情勢に揺れ動かされながらただ過ごしていた、ありふれた一家の物語となっています。

「浦野すず」は、ぼんやりしたところがあるが絵が達者で想像力が豊かな少女でした。
戦争が日々激化する中、家族と日常を過ごしてきたすずでしたが、18歳になったある日、呉から縁談の話が来ます。
流されるまま見知らぬ青年「北條周作」と祝言をあげたすずは、北條に入って、呉で新しい生活を始める、という展開です。
すず役の声優は役者ののんさんです。
本職の声優ではないですが声に違和感はなく、とてもあっていたと思います。
また、すず役以外は基本的に声優が演じていて、話題集め目的で徒に芸能人を起用しなかったのも個人的には良かったと思いました。

時代考証がしっかりしていて、その頃の人々の暮らしや想いが、のんびりとしたすずの行動を通して伝わってきます。
以前は普通に買うことができたチョコレートやキャラメルが、贅沢品として入手困難になり、兄も夫も戦争に取られ、配給も乏しくなり生活が困窮していく中で夜中も空襲警報に起こされ、爆弾に怯えながらもなんとか耐えて生きていこうとする人々の力を感じました。
ただ、語られるのは悲しみの連続で、すずは 「こまったのう」 なんてのんきなことを言っているのですが、本当に悲惨だということが感じられました。
描かれているのは、大本営や作戦行動中の兵隊ではない、非戦闘員からみた戦争の姿です。
正直、思想的なものは感じますが、本作で描かれた人間の姿も多くの人を巻き込んだ戦争の物語の一つとして起こりうる内容と思いました。

呉というと、もちろん鎮守府なわけで、そういうわけで戦艦もたくさん出てきます。
周作の姉の娘が戦艦好きという設定で、帰還した艦隊の名前を教えてくれる場面があり、そのあたりは、少年心くすぐられました。
戦争は悲惨だけど、軍艦がかっこいいのは別問題ですね。
特に呉で整備を受け、呉に編入した、重巡洋艦・青葉のシーンが多く、印象的です。
鎮守府内部については描かれませんが、歴史戦争アニメとして見てもおもしろいと思います。

素晴らしい作品でした。
実は、2回観ましたが、不思議と2回めの方が泣けました。
展開を知っていて、また回避できないことも知っているからなのかもしれないです。
同じように、爆弾が落とされる前の、明日を信じて疑わない人々の生活を見せられても、悲しむことしかできないのだろうなと思います。
今を生きる我々は、過去に学び未来を考えないといけないのだろうなと、そういう気持ちにさせてくれる作品でした。

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 95
サンキュー:

13

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haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2021.3.7

2回目2021.3.7

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 54
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ネタバレ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

悲しくて悲しくて、とてもやりきれない

面白いタイトルを捻り出せなかったのは、私自身の語彙不足というのもあるが、それほどまでにこの作品があらゆる一般的な、凡俗的な形容を拒むほどに素晴らしい作品だったからだ。

舞台は太平洋戦争真っ最中の広島県呉市。主人公のすずが、激化する戦争に日常を少しずつ奪われながらも、夫である周作の家で精一杯生きる様子が描かれる。

ほとんどの戦争映画というのは、基本的に二種類に分けられる。一つは「戦争賛美」で、もう一つは「反戦」である。

前者としてよく挙げられるのが『永遠のゼロ』。どのレビューサイトを覗いても「特攻を美化している」とか「平和ボケした戦争賛美映画」といった感想で埋め尽くされている。私は政治的にはニュートラルな立場でいようと努めているが、そんな私からしても実際そういう感じはした。

後者としてよく挙げられるのは『ジョニーは戦場へ行った』や『ランボー』だ。どちらの映画もアプローチは違えど、明確に戦争反対を謳っている。

両者は政治思想的には全く相対するものだが、ある部分において共通している。それは、単なるプロパガンダ映画と化す場合が多いということである。

私が戦争映画というジャンルにあまり手を付けていないのもこれによる部分が大きい。賛美でも反対でも、どっちにせよ、どうしても制作側の「こうなればよかった」「こうなるべきだ」といった強い思想が見え透けてしまい、登場人物たちのセリフが単なる製作者側の意図の代弁にしか聞こえなくなってしまうことが多い。こうなってしまうと途端に萎えてしまう。受け手に直接「どう?これ面白いでしょ?」なんてわざとらしく語りかけてしまう作品は見ていてキツイものがある。

その点において『片隅』は本当にスゴイ作品であった。

この映画の登場人物は、誰一人として代弁を行わない。一人ひとりがみなそれぞれの自我を持っているのだ。事実、この映画には本当にありとあらゆる考えを持った人間が登場する。戦火の高まりに翻弄されながらも自分のペースでゆったり生きる主人公すずをはじめ、普段は寡黙な軍人だが妻であるすずを誰よりも愛している周作、サバサバした性格で、すずのマイペースすぎる正確に手を焼く周作の姉の径子、闇市での買い物中に家路を見失ったすずとひょんなことから仲良くなった遊郭の遊女リンや、すずが船舶をスケッチしていたのを「間諜行為」としてわざわざ家まで咎めに来る憲兵など・・・それぞれがそれぞれの哲学に従って生きているのが窺える。これは、なるべく思想を同ベクトル統一したがるプロパガンダ的戦争映画には決してみられないものである。

とはいえこの映画にも、反戦映画のように「戦争は嫌だねぇ」といったセリフが登場する。しかし、そのセリフの根底にあるのは、紛れもなくその本人自身の気持ちであり、決して製作者の恣意などではない。だから、多少政治的とも取れる発言が登場しても、上記のプロパガンダ的映画を見ている時のような気持ちの悪さは微塵も感じない。

このように、『片隅』の真価は、ざっくり言ってしまえば、登場人物に「言わされてる感」が全くないことにあるのだ。こんな純潔な作品は他に見たことがない。

そして、完璧なまでに純潔だからこそ―「思想」というフィルターを介さないからこそ―本来的な、ありのままの意味での「戦争」の悲惨さがひしひしと伝わってくるのである。

戦争の激化に伴い徐々に奪われていく日常、それに抗い健気に生き続ける人々、それでも終わりの見えない死と隣り合わせの毎日、少しずつ失われていく、大切なもの、ひと。

終盤、私はこみ上げてくる涙を抑えるので精一杯であった。誰かの思惑の上に成り立つ偽りの悲劇などではない、正真正銘に本物の戦争の悲しみがそこにはあった。「悲しくて、悲しくて、とてもやりきれない」と嘆くコトリンゴの挿入歌は私の胸を強く締め付けた。

戦争映画のある意味宿命として存在していたプロパガンダ性を乗り越え、「戦争」の悲惨さを真正面から描き切った『片隅』は、これから先も、老若男女問わず見ることができる戦争映画としてアニメ映画界、いや、映画界に燦然と輝き続けるだろう。

まだ見ていない方、殊に戦争系はちょっと・・・と思っている方にこそ見て欲しい。世紀の大傑作である。

投稿 : 2021/02/07
閲覧 : 168
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15

ネタバレ

うーは さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

少し辛いけど、感動できる

前々から見たいと思ってたのですが、絵が少し昔ぽくて好みではなくなかなか見れずにいました。
ですが、見始めてしまえば絵はむしろ愛らしく、その古さや柔らかさが逆に主人公のおっとりとした印象にとてもマッチしているなという感想に変わっていきました。

内容に関して
時代背景と舞台は、第二次世界大戦の終戦間近の広島及び呉を描いています。
昔の日本らしい風習や、考え方などがとても感じられ、これがたった100年弱前の話とはとても思えないくらい現代とは変わっている部分が多いなと強く思いました。

演出にはこだわりを感じるところが多く、作り手の伝えたいことはこういった部分だったりするのかなと色々想像が捗ります。

もちろん、時代背景と場所からどのような展開になるかと言う部分はある程度推察できますが、たくさんの登場人物や比較的速い展開、そしてふんわりとした作品の雰囲気から思わず戦争中であることを忘れてしまいました。

物語の終盤に近づくにつれ、少しずつ戦争とはなんたるか、と言うものを思い知らされていきます。
その中で、揺れ動いていく主人公の気持ちや考えに心が強く揺さぶられました。

正しさなんて何もわからないし、そんなものはないのかもしれないけれど、ただひたむきに生きる人間の美しさと言うものに触れられる。そんな作品になってる気がします。
評価は5です。

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 57
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7

ルー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメ映画の完成形

こういう言葉はあまり使いたくないが
日本人なら見るべき作品だと思う

戦争については小学生の時に散々習ったと思うし、また広島や長崎での平和学習をきっかけにトラウマになった者も少なからずいるだろう

そして、戦争を題材にしたアニメといえば火垂るの墓やはだしのゲンが有名であるが、それでもまたトラウマを植え付けられ、戦争の悲惨さを学んだ方も多くおられるのではないだろうか

あらかじめ断っておくと、私はそれらの作品や教育について否定するつもりは全くない

しかし、私はそれらによって悪い意味で日本人が戦争に関心がなくなってしまったのではないかと考えている

というのも、この作品をすすめても誰にも見てもらえなかったのだ
その理由は、この作品が戦争を題材にした映画だからである

戦争は悲しくて暗いものである
そして、それを題材にした作品というのは見たくないのが人間の心理だろう

されど、この世界の片隅にという作品は戦争がテーマであるのにも関わらずとても見やすいのである

それは見てもらったら分かるが、導入からしばらくの間は、質の高い日常アニメなのだ

すずさんを取り巻く環境は変わるものの昭和の時代をただ暮らしていく
その暮らしは生活感溢れるもので、誰もが共感できることである

その歴史系日常アニメの世界に、片渕監督とMAPPAの融合によって描かれたぬるぬると動く作画によって、まるでそこにいるかのような感覚を抱くことができる
そして、すずさんの庶民的な声と現実的な行動によって、ますます感情移入することができるのだ

ここまで土台がしっかりとしたアニメは戦争映画以外でもなかなか見当たらないだろう

その世界に戦争が少しずつ段階を踏んで侵食していく

その様子がとてもリアルに感じられて、どこか他人事に感じられた戦争が身近に迫っていくのだ

そこが従来の戦争作品と違うところであろう
これ以上はネタバレし過ぎてしまうので書かないが、絶対に見て損はしないし、見終わって嫌な気持ちになることもない

しかし、戦争について、日々の生活についてより深い気持ちで接することにはなるだろう

この作品を見て、呉や広島に訪れた者は多くいたと思う
私もその一人だ
その訪れた理由、それは昔そこで何があったのか現地に行って肌で確かめてみたかったからだ
つまり、それは戦争を忌避する行動ではなく、積極的に知ろうという行動なのである

火垂るの墓やはだしのゲンのように、暗い気持ちになって、戦争に関するものを忌避するような感覚に至ることはないのだ

無関心であることは時により多くの犠牲を出してしまうものだ
それはルワンダ虐殺で実際にあったことだし、現在でもお隣の国で特定の人種に対して酷い人権侵害が行われてるという事実を日本人の大半は知っているだろうか
直近では、アゼルバイジャンとアルメニアの間で戦争があったが、どれほどの人が関心を持ったであろう

この世界の片隅には戦争の理不尽さ、そしてその理不尽な暴力をどう考えるのかがテーマの一つにある

人はみな暗いものを避けたがるが、時には直視しなければいけない現実もあるのではないだろうか

この作品を見て様々なことを自分の感性で感じてほしい

投稿 : 2020/12/18
閲覧 : 128
サンキュー:

6

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

とても。。とても良かった

 
「君の名は。」「聲の形」と観て来て、正直この作品を観る予定はありませんでした。

でもマスコミや友人の情報を見たり聞いたりするにつけ気になって観てみました。

結果、観て良かった。。本当に。

まったく最近と来たらどんなにアニメ映画に驚かされる事やら。

昭和のノスタルジックあり、恋あり、涙と笑いあり、そしてせつなさ、幸福感あり。。

東日本大震災以降、日常や当たり前の生活の大切さを感じるようになり、この映画の戦禍と3.11の被災経験が若干重なりましたが、
自然の災害とは違い人間の力でこのような状況を、しかも国家というレベルで引き起こしてしまう戦争というものの恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
でもそんな戦禍の中でも元気に楽しく人生をまっとうしようとする主人公や登場人物たちを愛さずにはいられません。

作画もストーリーも声優も、全てが素晴らしかったです。

この作品を世に出して下さった全ての関係者に、本当にありがとう、と伝えたい。
 

投稿 : 2020/11/19
閲覧 : 304
サンキュー:

29

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

よかった。。

公式のあらすじ
{netabare}
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。


(年表があるから、気になったら公式HPものぞいてみてね☆彡
https://konosekai.jp/timeline/)
{/netabare}



感想
{netabare}
--------------------キリトリ線--------------------


絵が好きでいつもちょっとボーってした感じの少女がお嫁に行って
そこで戦争がきびしくなってって。。ってゆうおはなし


前半は
きつい人もいるけど、いい人たちにかこまれて
主人公のすずがほわほわしたまますごす日常系ってゆう感じで

後半は
毎日のように何度も空襲警報があって
ちょっとずつ暗くなってく感じかな?

さいごは
みんな大事な人とか物、体の1部とかなくなったけど
でも、さいごは戦争が終わってよかった☆
ってゆうおはなしだと思った。。



感想だけど
はじめはほのぼの日常系アニメみたいで
キャラデザも2頭身とかじゃないけど顔がちょっと大きめで
やさしい感じでよかった☆


こわい、鬼いさんとかいたみたいだけどよく分からなかったし
だんな(周作)さんのきついお姉さん(径子)も
ツンデレに近い感じでちゃんとすずのこと心配してくれてる
ってゆうのが分かって、お嫁に行っても大事にされてるみたいでよかった☆


にゃんはすずのことうらやましかった。。
ちょっときつい人はいるけどみんないい人で。。

戦争でいつも警報がなったり、攻撃をうけてみんな疲れてったけど
にゃんの小学校とか中学校のころってイジメとかで
いつもビクビクしてたから、ああゆうのってよく分かるけど
みんなで助け合えたらビクビクもそんなにこわくないんじゃないかな?って

にゃんはそのころいつも
学校がなくなったらとか、死ねたらいいのにって考えてたから
すずが右手と径子さんの娘の春美ちゃんを助けれなくって
径子さんから責められたりしておかしくなってったところとかよく分かる。。

爆弾の破片が飛んで家が焼けそうになったとき
そのままにしようかってちょっと思った気もちも
にゃんも小学校のとき、学校がなくなったらって思って
学校にマッチを持ってったことがあるからよく分かる。。

でも、すずにはいいだんなさんがいたから
その人の帰ってくる家はここだって思って家を守ろうって気が変わったから
イヤだなって思っても、大事にしてくれる人がいるってうらやましいな
って思った。。


哲さんが家に来たとき、だんなさんが
「あなたをここには泊められない」からって倉庫の2階に泊めたとき
にゃんは哲さんが夜這いに来るの心配してるのかな?って思ったら
すずを哲さんのへやに行かせた周作さんの気もちがよく分からなかった。。

でも、あとで2人で夫婦ゲンカになったとき
だんなさんは哲さんがすずの初恋の相手だって気がついて
もうすぐ死にに行く哲さんに
奥さんを貸してもいいって思ったのかな?って

それを知ったすずは
そのころはだんなさんのことが哲さんより好きになってたから
おこったみたい。。

その辺からにゃんは見ててなみだがにじんできて
2人のケンカ見ながらちょっと笑っちゃったけど
2人が話せるようになってきたうれし泣きだったのかよく分からなかった^^


でも、晴美ちゃんを守れなかったときから
なみだが止まらなくなっちゃった。。

飛行機から撃たれて逃げるところで周作さんに助けられて
よかった☆って思ったのに広島に帰るって言いだして
だんなさんはよくしてくれるのに帰るって。。
2人の気もちが伝わってきて悲しかった。。


でも、ホントに帰ろうってしたら
径子さんがやさしくしてくれてあやまってくれて。。

「すずさんの居場所はここでもええし
くだらん気がねはなしに、自分で決め。。」って。。
それですずが「やっぱりここに、おらんしてもらえますか?」
って言ったとき、こんどはうれし泣きが止まらなかった

でも、そのとき空がピカって光ったの見て
あ。。きっと広島に原爆が落ちたんだなって
そのまま悲し涙になっちゃった。。


それから終戦ですずが
「最後まで戦うんじゃなかったんか!!」って泣きさけぶところとか
もうなみだ止まらない。。


でも、みんなで電気つけてごはん食べれるようになって
よかった☆って思った。。

死んだ人がいっぱいいて
食べるものもあんまりなくって
みんなボロボロだけどよかった☆って。。


真白いご飯を見てよろこぶみんなを見て
また泣いちゃった。。

にゃんの家ではあんまりおいしくないのに
パパママがわざと健康のためって言って五穀米とか食べてるけど
そっちの方が白いご飯より高い^^

85年くらい前は白いご飯がごちそうだったってすごい不思議。。

塩がないから海の水がごちそうとか
ゴミの入ってる残飯ご飯を食べておいしいとか
にゃんってすごいぜいたくしてるなぁ。。って


すずが実家に帰って妹だけ生きのこったとか
みんなが誰かをさがしてるとか
ずっとじわーっってしたまんま。。


さいごはだんなさんといっしょにあの橋の上で。。

2人がはじめて会ったのってこの橋の上。。
って言ったとき通りすぎたのはすずをさらおうってしたバケモノ?

だんなさんにも見えたみたいで
すずと周作さんがはじめて会ったのって
あの人さらいのバケモノのカゴの中だったんだね。。

今はワニが顔を出してたけど
死んだお兄さんだったのかな?


あと、さいごのほうで哲さんが海のほうを見てたけど
すずは気がつかないで通りすぎてった。。

あの哲さんって英霊かまぼろしで
ほんとは戦争に行って死んじゃってたんじゃないかな?って


それから親をなくした子どもがすずのところに来るおはなしは
見てて悲しいってゆうか苦しかった。。

親が死んだの分かってなくってずっとつきそってて
誰もそれまで気がつかなかったのかな?。。って

でも、自分の子どもがたおれてても顔がくずれてて気がつかないくらいだから
戦争のあとってみんな自分のことでせいいっぱいだったのかな?

でも、自分の子どもが死んじゃった人とかもいたんじゃないのかな?
あの子は晴美ちゃんの代わりに幸せになれたらいいな☆彡



にゃんもいつも1人で帰ったりするときはボーってしてたから
何となくすずに近いのかも?

いない人が見えたりすることがたまにあるし

小学校のときは
ランドセルのうしろにつけて歩いてたはずの給食袋がなくなってて
学校までの道を何度もさがしたけどなくっておこられちゃった。。

でも、次の日、学校に行ったら机の横にぶら下がっててビックリ!?

その日は雨がふって道はドロだらけだったから
誰かがひろって置いといてくれたんだったら汚れてるはずだけど袋はきれいで

でも、たしかにかばんにつけて歩いてたときうしろで袋が
ブラブラゆれてた感覚をおぼえてるからすごくフシギだった。。

だから、すずが人さらいのバケモノとか座敷わらしを見たってゆうの
なんだか分かるな^^


ただ、広島弁がよく分からなかったり、大事なところがぬけてるみたいで
闇市の帰りに親切にしてもらった人(リン)が
おはなしの中にはそのときしか出てないのに
すずがなんども思い出したりしたこととか

すずに子どもができたって思ったのに
いつまでたっても生まれなかったけどどうなったのかな?とか
よく分からないところが多かった。。


でも、感想書くのにウィキペディアを見たら原作の情報がのってて
それを読んだらいろいろ分かってよかった☆

それで、また映画、見直したらちゃんと伏線みたいなのがあったから
たぶん、アニメの完全版ができたら入るんだって思う☆彡
そっちも見てみたいな☆彡



さいごに。。

戦争、イヤだなって思ってる人どうしで争ってたりするのって悲しいよね。。

みんなが戦争反対って思ったら戦争がなくなるといいんだけど
戦争反対の人どうしが戦争を止めるためって言って戦ってたら
けっきょくいっしょだって思う。。


にゃんはほかの国がおそってきたら逃げる。。
逃げれなくなったら殺されるか
もし、戦えって言われたら死ぬまで断食しようかな?って思ってる


でも、守るために戦うってゆう人のこと、まちがってるなんて言わないし
攻撃される前にこっちから攻撃しようってゆう人がいても
まちがってるなんて言わない。。

だって、にゃんはまちがえてばっかりで
正しいって思ったことがまちがってたことなんかいつものことだから
にゃんはほかの人がまちがってるなんて言えない。。

ただ、戦争ってイヤだなって思うから
自分だったらおそわれたら逃げるだけ。。
どこかの国が日本を侵略しても戦わない。。


そしたら早く戦争が終わって、また新しい日常がはじまるだけ。。

そのときはたくさんの人が殺されてて、食べるものがないかも?
日本語だって使えなくなってるかも?

でも、きっとみんな「早く戦争が終わってよかった☆」って言って
新しい日常をはじめるんじゃないかな。。

戦えば戦うだけムダに人が死んで
家とか畑とかもなくなって
ふつうの人がくるしい思いするだけだって思うから。。


このおはなしって
そうゆうこと言いたかったんじゃないのかな?って

{/netabare}

投稿 : 2020/11/12
閲覧 : 373
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78

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

昭和20年、広島・呉。わたしは、ここで生きている。

この作品の原作は未読ですが上映された当時、のんさんが主人公に起用されたことなどで話題になっていたので作品の存在自体は知っていましたが、中々機会が合わず今回ようやく視聴することができました。


18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、
世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。
隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、
衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、
すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、
すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。


公式HPの「ものがたり」を引用させて頂きました。

戦時中のごく一般的でありふれた家庭における生活が描かれています。
決して豊かとは言えないつつましい生活ながらも、その家庭ならではの笑顔が溢れていました。
当時は隣近所との付き合いも深く、「困ったときはお互い様」的な空気が浸透していたのが作品を通して窺えます。
戦況が落ち込んでも変わらない関係性が保てていた古き良き時代だったと思います。

こういう話題はこれまで数多く取り上げられてきましたがが、この作品で個人的に新しい視点だと感じたのは、一般人の戦争に対する思いです。
昼夜を問わず鳴り続けた空襲警報に気力・体力共に奪われ、この呪縛から早く逃れたいと思っていた人は大勢いると思います。

配給物資がだんだん減っていく中、モノが何もない状況でも耐え続けたのは日本に勝ってほしいと願っていたから…
ですが、戦局が絶望的になってきたと国民が気付き始めたのは、やはり本土決戦に移行してからでしょう。
「一億玉砕」や「進め一億火の玉だ」などのスローガンは当時の国民の目にどう映っていたのでしょう…

それでも、必死で戦っていた国民がいることを決して忘れてはいけないと思いました。
特別なことは何もしていません…そもそも一般人に出来ることなんて限られていますから、特別なことは何もする必要はないんです。
規律を守り、慎ましいながらも日々を生き抜いていく…
これだって立派に戦っていると言えると思います。

日本の敗戦を伝える玉音放送の受け止め方は人それぞれで正解も間違いもありません。
だからすずさんの言動に、戦争の日々を過ごしてきた日本人の気概を感じた気がします。

そして戦争は人々から大切なモノを奪い去っていきます。
家族、恋人、仲間、友達、そして居場所…
掌から零れ落ちるのは一瞬です。

上映時間は約130分、アニメーション制作はMAPPAさんで、数々の受賞歴を持つ作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2020/11/08
閲覧 : 112
サンキュー:

29

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

正直点数なんてつけたくない

まず初めに、僕の中でこの作品よりおもしろい作品はないと思います。ていうかこの作品に対しておもしろいとかいう表現は陳腐です。このレビューを見てくださっている方でこの作品を見た事がない、という方はこんなレビューなんぞ見ずに今すぐこの世界の片隅にを見てきてください。
この作品のジャンルは「日常もの」です。たまたま戦争のある時代に生まれたなんでもない普通の女の子の日常を描いた作品です。そもそも僕は戦争を題材にしているというだけで見る気が失せてしまうほど戦争を描いた作品に抵抗があります。この作品も例外ではありませんでした。
見る前までは。
戦争だからといって常に不幸で陰鬱な空気ではありません。彼女たちはふとしたことで笑うし、たわいのない会話もします。この作品は戦争というものを感じさせないのです。しかし、中盤あたりから戦争というものが徐々に、ほんとうに徐々に現実味を帯びてくるのです。そしてすずさんは、小さな女の子と自分の右腕を失くしてしまいます。簡単に。そこからは皆さんも知っているとおりの結末を迎えます。広島と長崎に原爆が投下され、日本は敗戦します。すずさんは大切な家族を亡くしてしまいます。それでも、それでも彼女たちは生きてゆかないといけないのです。
この作品を見終わって、僕は久しぶりに虚無感を感じました。この作品を噛み砕こうと思っても噛み砕けないのです。頭の中で整理できない。飲み込めないのです。
この作品を超えるアニメが今後あるんだろうか、、、

投稿 : 2020/10/31
閲覧 : 190
サンキュー:

18

ネタバレ

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

日常アニメです

すずさんの日常が非常に面白くて、エピソード1つ取っても、人物の人柄が伝わってくるのがよかったです。水原くんの代わりに絵を描いてあげる話(オチが秀逸)、すずさんと周作さんの微妙な距離感、水原くんとの再会、妊娠を勘違いする話、径子さんとのあれこれ。本当に戦時中にあった日常の一コマなのかもしれないと思わせる内容の数々。
当時の日本って意外と裕福だったんだなと思いましたが、生活の工夫など勉強になることも多かったです。
うちのばあちゃんは、芋をふかして飢えをしのいでいたと言っていました。今でも当時の話をよくしてもらっています。

実体験を語れる人が少なくなった今だからこそ、一庶民から見えた戦争という切り口はとても重要なもの。
映像からすずさんの体験が、言葉が、そして気持ちが伝わってきます。史料的な価値の高い創作です。
家を壊されたすずさんの悔しくてたまらない表情が、どうしても忘れられません。起こったことは仕方がないでは済まされない、起こってからでは何もかもが遅い。だから時代が変わっても、平和な日常だけは変わらないでいってほしいと思います。
それにしても、人間関係に翻弄されるのはいつの時代も同じなのかもしれませんね。

投稿 : 2020/09/18
閲覧 : 83
サンキュー:

10

ネタバレ

キウイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

良い作品です。好きは好きです。

この映画のセリフでいちばん記憶に残っているのは天皇陛下の玉音放送を聞いたあとの、主人公のすずさんの「そんなん覚悟の上じゃないんかね?最後のひとりまで戦うんじゃなかったんかね?いまここへまだ五人も居るのに!まだ左手も両足も残っとるのに!! うちはこんなん納得できん!!!」でした。
このセリフを聞いたとき、今までそんなこと考えたこともないくせになんとなく「あ〜あ、、、言っちゃったよ‥」と思いました。

「この世界の片隅に」が上映された2016年は、他に「シン・ゴジラ」と「君の名は」が上映されました。はっきり言って大豊作な年でした。特撮が好きというのもありますが。

ただ「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞で主要賞を総なめにしたときの会場の微妙な空気といったらいたたまれずにテレビのスイッチを切る勢いでして個人的にはそれからというもの民放放送をほとんど見ないまま今日に至っています。
しかし一方では内心「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞総なめはないなぁというような感覚も持っておりました(でもシン・ゴジラ以外に目立つ実写なかったしとも思ったり。ぐるぐると‥)シン・ゴジラは横においといてもこの2016年を最後に何かが終わったような気がします。もしかしたら「戦後」かもしれません。

すずさんの当たり前の日常‥雑草など金がかからない食材を使っての工夫をこらしたレシピや、着物をもんぺにリメイクするなど今で言うところのリメイク倹約主婦ぶりや、新婚の夫とのキスシーンは今とまったく通ずる感覚で、うおー!感情移入するー!じゃなくって、なんだか疲れました。
戦時中を身近に感じたくない。もっとチャラチャラ生きたかったのに2016年を転機に何かが変わりました。もちろん映画のせいではなく映画は時代の雰囲気を掬い上げて作品になっただけなんでしょうけどね。
この作品は個人的には一回観ればもう十分ですが、フランクにフリースタイルに一度は観てみることをオススメします。みんなどう感じるんだろう。

投稿 : 2020/09/17
閲覧 : 143
サンキュー:

22

PeachFly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ひとまずの判定…「もしかしたらもう1回くらい観るかも」

具体的な感想はまた後日…という事で、判定のみupさせていただきます。


<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 2

0:途中で挫折、 
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

投稿 : 2020/09/13
閲覧 : 100
サンキュー:

5

ネタバレ

たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネトウヨ史観

話題作だったので視聴。
メキシコでも大ヒットだったらしい。

第二次世界大戦中の広島市の近くの呉市のお嫁さんすずさんの生活を描いています。ただ内容は、原作者か監督がゼロ戦購入したりするくらいネトウヨらしく、戦争礼賛。
憲兵に、スパイ容疑で捕まった時も笑い事で済ませてたり、ご飯も楽しく豊かにお食事だったり、現実のものとは恐らく少しかけ離れていそう・・・。
フィクションの戦争チックなものとしては、面白かったです・・・。

NHKでも『この世界の片隅に』の特集を組んでましたが、焼夷弾のナパーム材でお風呂沸かしてたとかとんでもメッセージが流されてて、戦後75年ですし、日本は戦争の悲惨さを忘れたいんでしょうね。ほっとなエピソードになってましたし・・・。

フィクションの戦争ちっくなものとしても、笑いあり涙あり面白かったです・・・。

投稿 : 2020/09/05
閲覧 : 146
サンキュー:

10

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この世界の片隅にのストーリー・あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(アニメ映画『この世界の片隅に』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年11月12日
制作会社
MAPPA

声優・キャラクター

のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

スタッフ

原作:こうの史代、 監督:片渕須直、企画:丸山正雄、脚本:片渕須直、監督補・画面構成:浦谷千恵、キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典、音楽:コトリンゴ、プロデューサー:真木太郎、製作統括:GENCO

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