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「この世界の片隅に(アニメ映画)」

総合得点
82.8
感想・評価
690
棚に入れた
3059
ランキング
346
★★★★★ 4.2 (690)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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この世界の片隅にの感想・評価はどうでしたか?

フェイルン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

完全版は「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

詳しくは「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のレビューを参照。

投稿 : 2024/02/04
閲覧 : 25
サンキュー:

1

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「この世界の片隅に」に垣間見る日本人の美しさ<更新>

2022/07/03 初投稿

どんな世界の片隅にも自分の居場所はあるんだよ、というテーマをもとに戦時中の日常を描いた作品。

戦時中というテーマをできるだけ重く堅苦しくないように演出している印象を受けた。
丸い輪郭で描かれたキャラクターと、淡い色彩で描かれた作画、登場人物の苦しい中での健気に明るく振る舞う姿。

間の抜けた純粋な女性を主軸に据えた物語は朝ドラのような雰囲気をもたらしていました。
そのような印象を持たせながら、苦しい戦時中を描く。

縁談がもちこまれたり、義姉との関係や夫との生活を、ある時は明るく、ある時はリアルに描かれていました。
どうしようもない現実に打ちのめされながらも生きる軌跡。
まるでドキュメンタリーのような、本当にあったノンフィクションな映像を魅せられている感覚でした。

以下 更新

改めて本作を考えてみると、世界唯一の被爆国である日本ができるだけ戦争を勧善懲悪のような視線で描かずに、戦争の悲惨さを表現することは作者の心理としても、フィクションのスペクタクルを期待する物語としても容易いことではないと鑑みます。どのような意図で作られたのか…

調べてみると「原爆作家」と見られることに抵抗を感じた作者は、「原爆以外の死、戦争全体にもう1回向き合わなければバランスが取れない」との思いにより、次作として激しい空襲を受けた広島県の軍都・呉を舞台に戦争の全体像を描いた本作品に着手する[2]。単行本下巻のあとがきでは、作者自身が「『誰もかれも』の『死』の数で悲劇の重さを量らねばならぬ『戦災もの』を、どうもうまく理解出来ていない」ことを背景として、作品を描く中で、「そこ(戦時中)にだって幾つも転がっていた筈の『誰か』の『生』の悲しみやきらめきを知ろうとしました」と記している[3]。」とwikipedia引用。

戦時下の日本の文化や行動様式について書かれた書籍「菊と刀」がある。

「文化の伝統があるところには、戦時の慣習がある」
「精神が物質を制する戦いに勝利する」

これらは戦争に勝つための檄であり大義名分でもあるが、精神が物質を制するという言葉で奮起できるのも日本人の価値観であるとも思われる。
精神というのは何を指しているのか…本書では恥や恩や美という道徳観で形成されていると語られてた。
これらは日本人なら馴染み深いのでわざわざ自分が言わずとも感じている共通文化だと鑑みますが、そのような側面はあると考えさせられた。

本作にも共通点が垣間見られた。
戦争や震災時などの危機の中で日本人の道徳観からくる規律性や、心遣いは諸外国から観ても類を見ないと言う。
それが本作全てに通じるとは言えないが、戦争時における慎ましくも懸命に生きる姿は、ある種の美しさも覚えた作品でした。

投稿 : 2023/10/09
閲覧 : 415
サンキュー:

33

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴史と創作表現。

【概要】

アニメーション制作:MAPPA
2016年11月12日に公開された129分間の劇場アニメ。
原作は、『漫画アクション』に連載されていた漫画作品。原作者は、こうの史代。
監督は片渕須直。

【あらすじ】

広島市江波(えば)地区で生まれ育った浦野すずは、絵を描くのが上手なぼんやりした少女。
戦時中の1943年(昭和18年)12月。すずに、知らない男性との縁談が舞い込む。

相手は、すずの4つ歳上で大日本帝国海軍の一大拠点である呉鎮守府に勤める書記官の北條周作。
周作は生真面目な好青年であり、『ええ話じゃったけ』と父母の判断にて、
すずの預かり知らぬところで縁談が成立してしまう。

翌1944年(昭和19年)2月に呉の北條家にて、身内だけのささやかな祝言が行われる。
それは、すずが18歳の出来事であった。そそっかしく失敗しながらも北條家の嫁として、
そして、呉の上長ノ木町(かみながのきちょう)のひとりとして、すずは受け入れられていく。

これは、ひとりの女性の目線からの戦時中の日常の物語であり、すず本人は憶えていないが、
幼少期の広島市内での周作との出会いのエピソードから映画は始まる。

【感想】

終戦から78年が経ち戦時中に大人であった世代は既に殆どが鬼籍に入ってしまった昨今、
当時を実体験で語れる人間が数少なくなっていますね。

『この世界の片隅に』では序盤に、幼少期のすずさんが広島市を訪れて、
今では平和公園になっている当時広島市の最大の繁華街だった中島本町を描写。
クリスマスセールの賑わい、往来の人々を描くことで、
明るく平和だった戦前の日本の印象づけ。

物語の中で戦時下に時代が移るのですが、人間の本質は昭和も平成も令和も簡単には変わらない。
政治的な目線をなるべく入れずに、明るく穏やかに生きようとした普通の人々の日常が、
意図的にだらだらと描かれています。

従来、日本人が抱いている戦争や軍隊に対する負のイメージは、
戦後教育によって培われてたものでありまして、
特に、史観に白紙な状態の子供への戦時に対する歴史認識の刷り込みには、
学校の図書室に必ずある『はだしのゲン』の作者の中沢啓治の漫画の影響が大きいかと。

(週刊少年ジャンプ)→(左派系オピニオン雑誌)→(日本共産党機関誌)→(日教組機関紙)

と、掲載誌を転々としており、どこの学校の図書室にも開架してあった事情は、
幼い子供が知らぬことばかり。中沢啓治の漫画から受けるイメージとしては、

日本中に洗脳されたガチガチの軍国主義のイデオロギーが蔓延していて、
憲兵が常に民衆に目を光らせていて隣組同士で監視された息苦しい社会。
平和主義者は『非国民め!』と暴行を受けて家族が村八分に遭う。
そして、共産党員がジャスティス。

・軍部と資本家が結託して勝手に引き起こした戦争で、庶民は巻き添え。
・大本営発表に騙されて戦争に浮かれてる庶民も共犯者。
・軍隊はただの人殺しであり、侵略して『三光作戦』で悪逆非道を尽くしたと、
 今では作り話が定説となっている中国側のプロパガンダを垂れ流し。
・天皇批判。

あれは、もうちっと分別がついた年齢に達してカウンターになる書籍と並行して読まないと、
何も知らない子供を洗脳する絵巻ですよね。

↓↓↓

「あの貧相な つらをした、じいさんの 天皇 今上裕仁を 神様として ありがたがり 
デタラメの 皇国史観を 信じきった女も大バカ なんよ…」

「首をおもしろ半分に切り落としたり、銃剣術の的にしたり、妊婦の腹を切りさいて、
中の赤ん坊を引っ張り出したり、
女性の●●の中に一升ビンがどれだけ入るかたたきこんで骨盤をくだいて殺したり」

「わしゃ日本が三光作戦という 殺しつくし 奪いつくし 焼きつくすで ありとあらゆる
残酷なことを同じアジア人にやっていた事実を知ったときはヘドが出たわい」

「その数千万人の人間の命を平気でとることを許した天皇をわしゃ許さんわい」
「いまだに戦争責任をとらずに ふんぞりかえっとる天皇を わしゃ許さんわいっ」

「君が代なんかだれが歌うもんかクソクラエじゃ」「君が代なんかっ 国歌じゃないわいっ」

「日本の植民地にされたわしら朝鮮人はむりやりに日本につれてこられて、
はたらかされたり戦場へ兵士としてかりだされています・・・
戦争のためにどんなに朝鮮人がいためつけられ苦しんでいるか」

「天皇は戦争を起こし日本中の街やこの広島や長崎をピカで焼け野原にし、
わしのとうちゃんや数えきれない人を殺し、いまも苦しめている戦争の責任者じゃないか」
「天皇はおわびに米でもわしにもってきやがれバーカ」

↑↑↑

思えば、エキセントリックで偏った政治的主張を盛り込みまくった『はだしのゲン』を、
そのまま鵜呑みにして左派の大人になってしまった層が中高年に根強いですね。

思想に染まりきって自衛隊を人殺しの暴力装置と批判し、
自衛隊員が国民の目の前で温かい食事を摂ることにすら我慢できないクレーマーと化し、
更には皇室解体を声高に叫ぶ市民運動家の苗床のひとつに平和運動がなっています。

“反戦平和主義”も純然たる願いや市民感情というよりも、
先鋭化した市民運動家の居場所づくりになってる側面が強いかと。

その反動があるのでしょうか、
ネットの普及で玉石混交の多角的な情報が入手しやすくなり、
その中から選別した記事を読んで目が覚めた!と“ネット右翼”に転向する者もいます。

「軍国主義者」と「国民」との対立を日本人の心理に根付かせたのは、

「War Guilt Information Program」(通称:WGIP)

と呼ばれるGHQの占領政策であり、
アメリカの日本の都市群に対する無差別爆撃や原子爆弾への投下に対する、
“国民の怒りの矛先”をアメリカから逸らす狙い。日本が誤った戦争を起こした報復で、
日本が苦しんだのも負けたのも“愚かな軍部”に騙されて日本が暴走したせいだという、
“自虐史観”にどっぷり浸かっている、
日本人はそこから脱却するべきだと右派論客が主張していますね。

対立する思想による論争が活発になった今を見るに左派史観が常識だと信じられていた昭和から、
大きく時代が変わったなと思うところがあります。

創作は創作であり、史実をベースにフィクションで昔を語る場合は論調は筆者の匙加減次第であり、
一定の思想を込めるということはフィルター越しの物語であります。

歴史を語るにしても、後の時代からは何とでも言える!ということがあり、
例えば大河ドラマなんか現代基準の愛とか平和主義思想と言った価値観を、
戦国時代に持ち込んで押し付ける話が少なくはありませんね。

戦国時代であれ先の戦争であれ、情緒面はともかくとしても、
歴史ものに後世に発達した思想に基づいたプロパガンダを持ち込むのは、
嘘くささと説教くささの添加物であり、
思考誘導装置としての作り話であることを理解しなくてはならないと思います。

一方でこのアニメでは、穏やかに過ごしていたい市井の人々が、
時代に流されながらも目の前の生活を守って生きようとしている話に終始。
善悪の観念やイデオロギー主張のわざとらしさを徹底的に抜いて、
戦時下で起こった様々な出来事を淡々と現象として描いていくことで、
ドキュメンタリータッチになっています。
ドラマとして、主人公のすずさんの葛藤や悲しみの要素が存在するのを忘れてはいけませんが。

殊更に軍国主義を主張しない普通の人々の日常に空襲や原子爆弾という史実を組み込むことによって、
かえって視聴者がより戦争の恐ろしさと日常が奪われていくことの無常さを、
考えさせられる内容になっています。その上で、あるがままの現実を何とか受け入れて、
明日へ明日へと命をつないでいこうとする、地に足をつけて生きていく人間の逞しさに、
ホロリと来るものがあります。

イデオロギーたっぷりの話よりも登場人物にスムーズに感情移入が出来たり、
戦争について一人一人の自由な考えが持てる内容になっているところに、
昭和的な戦争への史観とは異なる切り口で映画が作られた時代の変化を考えさせられました。

例外的に、原作3巻の昭和20年の8月15日。すずさんの言い回しが市民団体の主張みたいで、
違和感があったのですが、片淵監督の解釈で中身が大差なくても言い回しを変えたこと。
あくまでも、すずさんがノンポリの市井の人であることを徹底した上で、
社会構造の理不尽な部分への怒りを吐き出させたのは個人的には良い判断だと思いました。
原作と言い回しが違うことに不満を覚えるネット評論も存在しますけどね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/08/12
閲覧 : 670
サンキュー:

77

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

それでも人は生きる。本当みたいな嘘から、嘘みたいな本当へ。

明るい作品である。戦時中の話と聞けば、とにかく暗い悲劇を連想せざるをえない。しかし、本作は実に明るく楽しい。世界の片隅のちっぽけな場所、人々の物語なのだが、実に丁寧に巧みに描かれているからそれらが愛おしくてたまらなくなる。


 勿論、戦時中だから辛い展開もある。しかし、本作ではそれでも生きていくという希望に繋がっていき、ラストには小さな救いへと結実する。劇的に盛り上げるよりしっとりと薄味でここまで見事な味わいに仕上げる技量は半端ではない。


山田令二先生の解説が一番膝をうった!

投稿 : 2023/06/02
閲覧 : 669
サンキュー:

39

ネタバレ

藤真 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

あくまでファンタジー

・主人公の女性が苦手

・終始方言で会話するため、字幕が無いと何を喋っているのかわからない。意味がわかったとしても内容に集中できない。これは大きなマイナス点。

・旦那の計らいで、幼馴染みの男と二人きりで一晩を過ごすシーンがあるのだが、制作者は夫婦や男女というものを舐めていると思う。

投稿 : 2023/02/21
閲覧 : 160
サンキュー:

3

青星アーツ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

悲しすぎない戦時中の暮らしの話

声優の方も良かったですが、一番魅力があったのは
主人公のすず、そして周作だったと思います。
戦争物にしては珍しいような気がしますが、
あまり深刻な話ではありませんでした。そこが新しく、
そして当時の人の様子を身近に感じることができるのも
シリアスより笑いのあり、純粋な恋愛のある平和な
世界として描かれている部分が多いからだと思います。
思わずドキドキしてしまうようなこともあるくらい
人間模様も様々で面白いと思います。
見てみるのもいいと思える作品でした。

投稿 : 2023/01/20
閲覧 : 201
サンキュー:

6

もっちょん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争アニメとして評価できる作品

絵柄が可愛いが、背景描写の書き込みが細かく、ちゃんとしっかりロケハンされていることが伺える。時代が経って当時の状況を知る者がいなくなっている中、アニメとしてリアルに残せるるの価値がある。

戦争アニメでありがちなのは、戦闘機に爆撃されて逃げ惑う非日常の描写を描きたがるものだか、この作品は戦時下の日常を焦点が当たっていたように感じる。こういう表現が返ってよりリアルな印象を与えていたと思う。

投稿 : 2023/01/08
閲覧 : 105
サンキュー:

9

ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

普通の女性から見た戦時下の日本

原作漫画は読んでいない。

すずの声を担当した女優ののんの演技が、ぼーっとしているという、すずのキャラにぴったりですごく良かった。

絵柄は、キャラクターが等身低めに描かれていてかわいらしい。また、ちょっとした動きや表情もかわいらしく描かれていた。

劇伴は、物語の舞台が戦時下の日本であることを反映してか、音楽がかかる場面そのものが少なくて控えめだったと思うが、作品の雰囲気に合っていてよかったと思う。

物語は、戦時下の日本が舞台ではあるものの、戦争の悲惨さを伝えることが主眼という感じはしなかった。
戦時下の日本で生活する人たちを、1人の若い女性を主人公に据えて描いたという感じ。

{netabare}ちょっとよくわからなかったのが、玉音放送で日本の敗北を知ったあとにすずが気持ちをぶつけるシーン。

日本の敗北を聞いたあと、晴美の名を呼びながら泣いていた径子は、負けてしまったことで晴美が報われないという気持ちになり泣いていたのかなと思うのだが、すずも同じような気持ちを持ったのだろうか。

また、そのあとに「海の向こうから来た米や大豆で出来ているから暴力に屈しないといけないのか」と言うシーンがあったが、これに関しては全く意味がわからなかった。
どうやら原作からの改変もあったらしく、ウィキペディアを見たらけっこう詳しく書いてあったので少しは理解した。{/netabare}

投稿 : 2022/09/18
閲覧 : 122
サンキュー:

6

ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思ったより戦争について考えてしまう作品

世界観:7
ストーリー:7
リアリティ:10
キャラクター:7
情感:6
合計:37

第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。
(映画.comより抜粋)

今年、社会現象にまでなったアニメ映画「君の名は。」よりも良いと評判のあがった作品なので、劇場で見ておこうと足を運びました。

全体としては、評判が良いのも頷けると思いました。戦争を題材にした作品は多くありますが、直接に反戦をアピールするものではなく、淡々と平凡な幸せが崩されていくところが描かれています(原爆の落ちた広島の市街地ではなく、呉を舞台にしたことも適切な距離感を生んだように思います)。

日本では、戦争を否定すると左翼、戦争を肯定すると右翼、みたいなレッテル貼りをされる風潮があるように思いますが、これはとても歪んでいるし、策略にはめられた考え方ではないかと思います。

先の戦争も日本の軍部が主導したかのように言われてきましたが、真相には、共産主義の策略や、米国の挑発や、帝国主義というその時代ゆえの理由がありました。その時代を懸命に生きた私たちの祖父母・曽祖父母たちを否定することなどできませんし、命を張ってくれたことに感謝しなければなりません。それを認めた上で、同じ過ちを繰り返さないように、未来につなげていく必要があります。

物語では、{netabare}義姉の娘が死んで、主人公(すず)だけが生き残ってしまうという話がありました。義姉はすずを恨みますが、終盤ではすずを許します。義姉の心の動きについての直接的な描写はなかったように思いますが(見落としているかも)、そのうちに、義姉が下関に移動するための外出中に起きたものであり、それに付き合わせたために、すず(が楽しみとしていた絵描きをするため)の右腕を奪ってしまったという申し訳なさに気付いたのだと思います。

この話に登場しない多くの一般市民が、同じように悲劇に巻き込まれて十字架を背負う、そんな状態だったのだろうと想像されます。しかし、これも戦争さえなかったら起こらなかったのですから、終戦の玉音放送を聴いた後のすずの慟哭が胸を打ちますし、戦争の罪の深さが理解できるのです。

そして、戦争の渦中にあっても小さな幸せや笑いを絶やさずに力強く生きていく姿に、何度も癒されましたし、実際にその時代を生きている人々をリアルに感じるとともに、平和な時代に生き、白いご飯をたらふく食べられ、科学技術の発展の恩恵(冬場の洗濯のシーン!)を受けられる自身や家族の幸せも感じました。{/netabare}

押し付けがましくないゆえか、思ったより戦争について考えてしまいました。
誰にでもおすすめできる作品だと思います(全世界の方々に見てもらいたい)。

(2016.12 劇場にて鑑賞)

(2022.8 追記)
全体調整にて、キャラクター評価点を7点に、情感を6点に修正しました。

投稿 : 2022/08/23
閲覧 : 415
サンキュー:

51

うぐいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

呉市から見た空襲と原爆と日常

戦時中、広島に住んでいる主人公の女性が呉市にお嫁に行き、戦争が終わるまでを描いたお話。

戦争の話ではなく、戦時中の日常を描いている。
おっとりした主人公の性格もあり和む場面も多い中、中盤から後半にかけての戦争の残酷さと同居するように描かれるところはゾッとする。

同時にみんなが同じじゃなく、それぞれの被害の形があり、どちらの方が辛いとかそういう事ではなくみんなそれぞれの辛さがあり、それは本人にしか分からないのであろうと思う。

原爆物の戦争の話だと卑屈なものが多く感じるが、率直な伝え方がとても良かった。

平和は尊いものだと改めて知る。

投稿 : 2022/07/17
閲覧 : 164
サンキュー:

5

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ありがとう。この世界の片隅に私を見つけてくれて。

 2回目の視聴を終えましたが、、、かなり良かったです。最初のレビューを全部消して書き直します。

 1回目のときあまり面白く思わなかったのは、やはり前半ですかね。前半はゆったりしてたし、アニメというよりはドラマっぽかったので、前半で眠くなってそのままずるずる引きずったのだと思います。あと個人的に声優さんの声が眠気を誘いやすい、ゆったりしてたのもあるのかもしれません。

 しかし、再視聴してみて思ったのは、戦争によって温かい日常が無慈悲に奪われてしまうということ。これまでの日常は積み上げるのに時間がかかりますが、壊れるのは一瞬であり、これまで積み上げてきたもの、愛する人たちを一瞬で全てが崩れてしまうというのは、見てて辛かったです。僕も作中で空襲の警報がなり初めてから、緊張しっぱなしでした。

 主人公であるすずとその家族たちは、食事もままならず、防空壕に逃げたり、またのんの兄や義理の姉の夫と娘を失う一方、そんな中でも笑いあったり食事を囲むなどする姿に希望が持てました。

 非常に良かったのですが、ただ見ててわからない所が。最初と最後に出てきたあの熊みたいな男はなんだったのか、天井から出てきた子どもはなんなのか、場面の背景がよくわからない所があったので、解説などをみて補おうと思います。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/05/10
閲覧 : 435
サンキュー:

39

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

よかった。。

公式のあらすじ
{netabare}
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。


(年表があるから、気になったら公式HPものぞいてみてね☆彡
https://konosekai.jp/timeline/)
{/netabare}



感想
{netabare}
--------------------キリトリ線--------------------


絵が好きでいつもちょっとボーってした感じの少女がお嫁に行って
そこで戦争がきびしくなってって。。ってゆうおはなし


前半は
きつい人もいるけど、いい人たちにかこまれて
主人公のすずがほわほわしたまますごす日常系ってゆう感じで

後半は
毎日のように何度も空襲警報があって
ちょっとずつ暗くなってく感じかな?

さいごは
みんな大事な人とか物、体の1部とかなくなったけど
でも、さいごは戦争が終わってよかった☆
ってゆうおはなしだと思った。。



感想だけど
はじめはほのぼの日常系アニメみたいで
キャラデザも2頭身とかじゃないけど顔がちょっと大きめで
やさしい感じでよかった☆


こわい、鬼いさんとかいたみたいだけどよく分からなかったし
だんな(周作)さんのきついお姉さん(径子)も
ツンデレに近い感じでちゃんとすずのこと心配してくれてる
ってゆうのが分かって、お嫁に行っても大事にされてるみたいでよかった☆


にゃんはすずのことうらやましかった。。
ちょっときつい人はいるけどみんないい人で。。

戦争でいつも警報がなったり、攻撃をうけてみんな疲れてったけど
にゃんの小学校とか中学校のころってイジメとかで
いつもビクビクしてたから、ああゆうのってよく分かるけど
みんなで助け合えたらビクビクもそんなにこわくないんじゃないかな?って

にゃんはそのころいつも
学校がなくなったらとか、死ねたらいいのにって考えてたから
すずが右手と径子さんの娘の春美ちゃんを助けれなくって
径子さんから責められたりしておかしくなってったところとかよく分かる。。

爆弾の破片が飛んで家が焼けそうになったとき
そのままにしようかってちょっと思った気もちも
にゃんも小学校のとき、学校がなくなったらって思って
学校にマッチを持ってったことがあるからよく分かる。。

でも、すずにはいいだんなさんがいたから
その人の帰ってくる家はここだって思って家を守ろうって気が変わったから
イヤだなって思っても、大事にしてくれる人がいるってうらやましいな
って思った。。


哲さんが家に来たとき、だんなさんが
「あなたをここには泊められない」からって倉庫の2階に泊めたとき
にゃんは哲さんが夜這いに来るの心配してるのかな?って思ったら
すずを哲さんのへやに行かせた周作さんの気もちがよく分からなかった。。

でも、あとで2人で夫婦ゲンカになったとき
だんなさんは哲さんがすずの初恋の相手だって気がついて
もうすぐ死にに行く哲さんに
奥さんを貸してもいいって思ったのかな?って

それを知ったすずは
そのころはだんなさんのことが哲さんより好きになってたから
おこったみたい。。

その辺からにゃんは見ててなみだがにじんできて
2人のケンカ見ながらちょっと笑っちゃったけど
2人が話せるようになってきたうれし泣きだったのかよく分からなかった^^


でも、晴美ちゃんを守れなかったときから
なみだが止まらなくなっちゃった。。

飛行機から撃たれて逃げるところで周作さんに助けられて
よかった☆って思ったのに広島に帰るって言いだして
だんなさんはよくしてくれるのに帰るって。。
2人の気もちが伝わってきて悲しかった。。


でも、ホントに帰ろうってしたら
径子さんがやさしくしてくれてあやまってくれて。。

「すずさんの居場所はここでもええし
くだらん気がねはなしに、自分で決め。。」って。。
それですずが「やっぱりここに、おらんしてもらえますか?」
って言ったとき、こんどはうれし泣きが止まらなかった

でも、そのとき空がピカって光ったの見て
あ。。きっと広島に原爆が落ちたんだなって
そのまま悲し涙になっちゃった。。


それから終戦ですずが
「最後まで戦うんじゃなかったんか!!」って泣きさけぶところとか
もうなみだ止まらない。。


でも、みんなで電気つけてごはん食べれるようになって
よかった☆って思った。。

死んだ人がいっぱいいて
食べるものもあんまりなくって
みんなボロボロだけどよかった☆って。。


真白いご飯を見てよろこぶみんなを見て
また泣いちゃった。。

にゃんの家ではあんまりおいしくないのに
パパママがわざと健康のためって言って五穀米とか食べてるけど
そっちの方が白いご飯より高い^^

85年くらい前は白いご飯がごちそうだったってすごい不思議。。

塩がないから海の水がごちそうとか
ゴミの入ってる残飯ご飯を食べておいしいとか
にゃんってすごいぜいたくしてるなぁ。。って


すずが実家に帰って妹だけ生きのこったとか
みんなが誰かをさがしてるとか
ずっとじわーっってしたまんま。。


さいごはだんなさんといっしょにあの橋の上で。。

2人がはじめて会ったのってこの橋の上。。
って言ったとき通りすぎたのはすずをさらおうってしたバケモノ?

だんなさんにも見えたみたいで
すずと周作さんがはじめて会ったのって
あの人さらいのバケモノのカゴの中だったんだね。。

今はワニが顔を出してたけど
死んだお兄さんだったのかな?


あと、さいごのほうで哲さんが海のほうを見てたけど
すずは気がつかないで通りすぎてった。。

あの哲さんって英霊かまぼろしで
ほんとは戦争に行って死んじゃってたんじゃないかな?って


それから親をなくした子どもがすずのところに来るおはなしは
見てて悲しいってゆうか苦しかった。。

親が死んだの分かってなくってずっとつきそってて
誰もそれまで気がつかなかったのかな?。。って

でも、自分の子どもがたおれてても顔がくずれてて気がつかないくらいだから
戦争のあとってみんな自分のことでせいいっぱいだったのかな?

でも、自分の子どもが死んじゃった人とかもいたんじゃないのかな?
あの子は晴美ちゃんの代わりに幸せになれたらいいな☆彡



にゃんもいつも1人で帰ったりするときはボーってしてたから
何となくすずに近いのかも?

いない人が見えたりすることがたまにあるし

小学校のときは
ランドセルのうしろにつけて歩いてたはずの給食袋がなくなってて
学校までの道を何度もさがしたけどなくっておこられちゃった。。

でも、次の日、学校に行ったら机の横にぶら下がっててビックリ!?

その日は雨がふって道はドロだらけだったから
誰かがひろって置いといてくれたんだったら汚れてるはずだけど袋はきれいで

でも、たしかにかばんにつけて歩いてたときうしろで袋が
ブラブラゆれてた感覚をおぼえてるからすごくフシギだった。。

だから、すずが人さらいのバケモノとか座敷わらしを見たってゆうの
なんだか分かるな^^


ただ、広島弁がよく分からなかったり、大事なところがぬけてるみたいで
闇市の帰りに親切にしてもらった人(リン)が
おはなしの中にはそのときしか出てないのに
すずがなんども思い出したりしたこととか

すずに子どもができたって思ったのに
いつまでたっても生まれなかったけどどうなったのかな?とか
よく分からないところが多かった。。


でも、感想書くのにウィキペディアを見たら原作の情報がのってて
それを読んだらいろいろ分かってよかった☆

それで、また映画、見直したらちゃんと伏線みたいなのがあったから
たぶん、アニメの完全版ができたら入るんだって思う☆彡
そっちも見てみたいな☆彡



さいごに。。

戦争、イヤだなって思ってる人どうしで争ってたりするのって悲しいよね。。

みんなが戦争反対って思ったら戦争がなくなるといいんだけど
戦争反対の人どうしが戦争を止めるためって言って戦ってたら
けっきょくいっしょだって思う。。


にゃんはほかの国がおそってきたら逃げる。。
逃げれなくなったら殺されるか
もし、戦えって言われたら死ぬまで断食しようかな?って思ってる


でも、守るために戦うってゆう人のこと、まちがってるなんて言わないし
攻撃される前にこっちから攻撃しようってゆう人がいても
まちがってるなんて言わない。。

だって、にゃんはまちがえてばっかりで
正しいって思ったことがまちがってたことなんかいつものことだから
にゃんはほかの人がまちがってるなんて言えない。。

ただ、戦争ってイヤだなって思うから
自分だったらおそわれたら逃げるだけ。。
どこかの国が日本を侵略しても戦わない。。


そしたら早く戦争が終わって、また新しい日常がはじまるだけ。。

そのときはたくさんの人が殺されてて、食べるものがないかも?
日本語だって使えなくなってるかも?

でも、きっとみんな「早く戦争が終わってよかった☆」って言って
新しい日常をはじめるんじゃないかな。。

戦えば戦うだけムダに人が死んで
家とか畑とかもなくなって
ふつうの人がくるしい思いするだけだって思うから。。


このおはなしって
そうゆうこと言いたかったんじゃないのかな?って

{/netabare}

投稿 : 2022/03/01
閲覧 : 565
サンキュー:

83

ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

彼らも私たちも同じこの世界の片隅にいる一人

今、世界は未曽有の危機にさらされています。
私は差し迫った脅威を目の当たりにして、数年前に映画館で見たこのアニメを思い出しました。
本当はこの映画、なかなか簡単に言葉にできるような映画じゃなくて、感想を書くのはためらわれたのですが、今いちばん見るべき映画だと私は思ったので紹介させてください。
視聴したのは数年前なので当時の記憶を思い出しながら書いてますので細かいところが曖昧ですが、多少の間違いはご容赦ください。
間違いがありましたら教えていただけると嬉しいです。

先にこの映画を簡単に評価すると、昭和初期の田舎に生きる一人の女性の半生を物語にしているところがかなり良くできていて、苦労することが多いけど必死に生きるすずを見て応援したくなったし、どんなつらいことや困難なことが起きても未来を見据えて生きる強さが感じられてとてもいい話でした。これだけでもかなり見ごたえがある映画でした。

特に好きなキャラクターはケイコさん。
たしかすずの夫のお姉さんだったと思うけど、最初すずにつらく当たっていて嫁姑問題じゃないけど、嫌な感じのきついお姉さんでした。
{netabare}
それが戦争で娘を失って、一緒に連れて歩いていたすずのせいで死んだって当たり散らして怒りぶつけて
すずは悪くないんだけど、ケイコさんが怒る気持ちもわかるし、可愛そうだけど仕方ないのかなって思っていたら

ケイコさんはそんな安っぽい人じゃなくて、はるかに器の大きい人で
次第にすずを責めるのをやめて逆に手を地雷か何かで失ったすずのことを気遣って、たしか代わりに家事やってあげてたんですよね。

それで、すずがどういう理由か忘れたけど責任感じて?家を出ていこうとしたときに
「すずがここにいるのが嫌じゃないならすずの家はここだよ」っていうような言葉をかけてくれて、その言葉の暖かさに思わず泣いてしまいました。
あんなに冷たくきつい言葉言ってたのに、すずの頑張りがケイコさんに認められていたんですよね。
大切な家族の一員として認められたんですよ。
それが嬉しくて、泣いてしまいました。

{/netabare}

そんな何気ない女性の半生に突然襲い掛かってきた戦争の悲惨さ。
詳細は忘れましたが、戦争の音が凄かったんですよね。
空襲とか、警報とか、爆発とかのけたたましい音があまりにもそれまでのすずの日常とかけ離れていて一気に不穏な空気になって不安と恐怖に襲われました。
ただ見ているだけでもこんなに怖いのに、実際に体験した人達はどれだけ恐ろしい想いをしたのでしょうか?
これは私の言葉よりも、実際に映画を見てもらったほうがいいと思います。

「この世界の片隅に」というタイトルのセンスが凄い。
これ以上ないってくらい的確でメッセージ性の強いタイトルだと思う。

{netabare}
一人の女性の半生をしっかり描いたうえで、唐突に彼女の人生に土足で踏み込んできた「戦争」という暴力のインパクトの大きさ。
日常という現実と、戦争という非日常の対比
柔らかいタッチの絵と、それに似つかわしくない圧倒的な暴力の対比
あえて可愛らしい絵で描いたところが効果的だったと思うし、話の構成が見事でした。

私は当時、どんなアニメなのか知らずに見に行ったんです。
すごい映画だから見たほうがいいって学校の先生に紹介されたのがきっかけでした。
私は先生の勧め通り、特に下調べもせずに映画館に行きました。

まず、とても優しい感じの柔らかいタッチの絵で当時の田舎の女の子の人生を描いていて、主人公のすずは幼少期を過ごし、仕事をして、結婚して、嫁ぎ先での人間関係に苦労して、昭和初期の田舎の女性の一生を描いた作品なのかな?と思って、歴史が好きなので当時の暮らしは興味深くて、楽しく見ていました。
そうすると、軍艦とか徴兵とかなんか不穏な空気が漂ってきて、あれ?これ戦時中なの?って思って、戸惑っているうちにすずが広島に向かおうとしている話になって、その時はじめて事の重大さに気づきました。
そして、広島という地名の意味も。

たしか、最初は爆心地から結構離れたところから物語が始まったような気がするんですよね。だから気づくのが遅かったのもあると思うんですが
でもなんでもっと早く気づかなかったんでしょうか?
私は平和ボケした頭だったので、こんな誰でも知っているエピソードなのに深刻な事態になるまで全然気づかなかった。

気づいたときに血の気が引きました。
ダメだよ、広島に行っちゃダメ!って叫びたかった。
でも知らなかったからこそ、すずの視点で見ていかに戦争が唐突で無遠慮で無機質で、日常生活を破壊する暴力でしかないかってことがよくわかりました。

そしてそれまで戦争とは無縁の田舎暮らしをしていたすず達を襲う容赦のない攻撃、そして原爆のあまりに過剰すぎる破壊力。
すず達はたしか戦争で日本が大変なことになっているなんて知らなかったんですよね。それまで戦争なんて単語出てこなかった気がするので。

だからこそある日、急に襲い掛かってきた戦火になすすべもなく生活を破壊されることの理不尽さ、戸惑い、怒り、悲しみが伝わってくる。
そんな理不尽にさらされても精一杯生きようとするすず達を見て、ストレートに戦争の惨さを伝える映画よりも戦争の残酷さや理不尽さがより際立って見えました。
衝撃を受けました。
私は自分の気持ちをどう受け止めていいのか、どう表現したらいいのかわからなかった。

上映が終了した時、私も一緒に見ていた友達も、一言もしゃべりませんでした。
ふつうは見終わったら感想を語り合うけど、そんな気持ちになれなかった。
うまく言葉にできなかった。
かわいそう、かなしい、許せない、戦争怖い
そういった言葉が次々浮かんでくるけど、どれも陳腐な気がして。
そんな言葉では足りないって思った。
そんな安っぽい言葉で片付けちゃいけないって思った。
たぶん、友達も同じ気持ちだったと思う。
ただ、戦争は絶対起こしてはいけない。
それだけは疑う余地がなかった。

戦争は軍人同士で行うもの、軍人にとって敵国の軍事基地や発電所など重要な拠点を攻撃するのは当然のことで、民間人が死んでも犠牲はつきものだと思っているかもしれないけど、その「犠牲」になる人達一人一人に人生があって、必死に生きてるんですよ。
今、起きているロシアによるウクライナ侵攻だって同じことです。
ロシアにもウクライナにも都合があるんだと思いますが、その都合によってそれまで戦争とは無縁だった人々が、突然襲われて突然生活を破壊されて、命を奪われています。
こんなことが許されていいのでしょうか?

これはウクライナの人だけじゃなくて、私たち日本人も他人ごとではないですよね。
もしかしたら、こうやって感想を書いている時にもいきなり爆撃を受けて、すでに戦争が起きていることにも気づかないうちに一瞬で命が奪われることもあるかもしれません。

この映画を戦争をしている人達に見せたい。
あなたが、ただの80億分の1だと思っている人達の一人一人にそれまで生きてきた歴史があって、一人一人がその物語の主人公なのです。
主人公は、一度死んだらそこで物語が終わりなのです。
その人生を奪う権利が、一体誰にあると言うのでしょうか?

他国の民間人の一人一人など気にも留めていないかもしれませんが、80億人の一人一人が今日もこの世界の片隅で、一生懸命生きています。
戦争は悲劇と憎しみしか生みません。
人類はまだ100年もたたないうちにそれを忘れてしまったのでしょうか?

{/netabare}

投稿 : 2022/03/01
閲覧 : 301
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37

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

印象度:93

こうの史代による原作漫画は未読です。

戦時の廣島、呉の情景を、
細部にわたって再現した力作です。

悲劇に襲われても、立ち止まって悲しむ暇もないまま、
生きるために前に進むしかない状況が伝わってきました。

軍艦にやたら詳しかったハルミさん・・・TT



一般市民の生活の目を通して戦争を描いた作品としては、
「火垂るの墓」がありますが、
空襲等の市民が実際に被る体験を除き敵を一切描かない
という点では似てるなと思いました。

本作は、若い主婦が主人公なので、
より一貫して生活に密着しています。
若い主婦視点の当時の情景の細部にわたる再現は
相当に骨の折れる作業であっただろうと思いました。

投稿 : 2022/02/08
閲覧 : 198
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9

ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

“記憶”を“記録する”ということ

別に“とあるスピンオフされた会社”のCMではない。

戦争の記憶を映像化(記録)する難しさである。

すずさんの記憶は曖昧だ。
そして何より、彼女が思い描く風景が上書きする現実は、実に楽し気なものに見える。
苦痛や不条理といった現実と、彼女の実感の狭間には、人間の特権である妄想というオブラートが挟まれ、その境目は曖昧なものとなる。
曖昧こそが前を向く推進剤となり、それこそが、人の心のリアルな姿なのであろう。
連続し、揺らぎ続ける世界。
“すずさん”の実感に嘘はないと思う。
幼馴染みと描いた海を跳ねる兎波に重なるのは、時が過ぎ、爆撃を受ける呉の軍港である。
高射砲の榴弾が炸裂し、絵筆で散らしたように空を染めるさまを美しいと感じるのである。
しかし現実は、彼女の心である“この世界の片隅”から、“鬼の遠眼鏡”を通して観察し続けることを許してくれない。
それは着実に彼女の心を侵食してゆくのである。
その過程がとてもリアルだ。
山向こうから湧き上がる“かなとこ雲”。
防空壕での一瞬の暗闇。
目隠しされた軍港脇の一本道の閉塞感。
収束焼夷弾が降り注ぎ、
そして、山向こうに再び…。

ひたすら一人称視点で語られる世界が見事であった。

ただ一つの違和感を除けば、である。
あの日、八月十五日を境にして、“すずさん”の目線は消えてしまうのだ。
そして、観察者を観測する記録者(制作者)の目線が取って代わることになる。
本来は勤めて寡黙であるべき存在のはずのそれが、唐突に、“すずさん”の口を借りて語り始めるのである。
それは、観るものそれぞれが感じ取るべきものが声高に叫ばれる危うさであり、必然的に作為が、もっと言うなら嘘が生まれ、ただのプロパガンダに成り果ててしまうかもしれない際どさである。

戦争を“真正面から”扱う難しさを感じるのである。

投稿 : 2022/02/04
閲覧 : 277
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22

セシウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

控え目な雰囲気の戦時中作品

 原作マンガは未読です。
 大正の末に生まれた少女が戦争中を軍人(文官だけど)の妻としてたくましく生き抜く姿を描いた作品です。主人公は画才があるだけのごく普通の女性で、他の登場人物も極端なキャラはいません。普通の人々の生活を淡々と描いた日常系という雰囲気です。ただし戦争中ですからそれらしい描写はありますし戦況の悪化にともなって重いシーンも増えてきます。しかし主人公はエンディングまでしっかりと自分を見失うことはなく、周囲と支えあいながら生きる人間の強さを表現しています。

 キャラは出戻りの主人公の義姉が良かったです。性格が合おうが合うまいが協力しあうしかないという状況で主人公との関係が進展していく様子が心に残りました。声優はみんな素晴らしかったです。特に主人公の声優さんは、おっとりとした天然キャラを完璧に演じられていたと思います。

 作画は広島や呉の街や海山の描写が綺麗で良かったです。キャラクターは等身が低すぎに感じました。特に主人公は大人になっても幼女のように見えてしまいました。音楽はあまり出しゃばらない感じの曲ですが、作品の雰囲気に合っていたと思います。防空壕の中の音などはリアルで緊迫感を感じました。

 強烈な印象を残す作品ではありませんが、視て損はない作品だと思います。ゆったりしたテンポでアニメ映画としては長めの作品ですが後半は時間を忘れます。グロテスクなシーンが少しだけありますがお子さんと一緒に見ても良い作品だと思います。
 

投稿 : 2022/01/04
閲覧 : 148
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6

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

女性の"強さ"と"弱さ"は表裏一体であることを描いてみせた傑作

最初は、なごやかな雰囲気で、ギャグもあり、クスっと笑える場面もあった。
それが、気づくともう逃れられない悲惨な状況に巻き込まれている。
この物語の中で、いつからこうなった、いつから・・・。
それが、戦争。

徐々に、徐々にその足音が近づいてきて、幸せを蝕んでいく。
この物語もここまでが普通の日常、ここからが辛い日常、そんな線引きはない。
気づいたころにはそうなっている。

ああしておけばよかった、こうしておけばよかった。
主人公もそんな後悔の念に苛まれる。
しかし、それが戦争。


私は、歴史は知っているが、戦争は知らない。
教科書には、広島に原爆が落とされたことは書いてある。
しかし、一人ひとりの"悲惨さ"までは書いていない。

それは、ひとりの人間なんて、本当に歴史や世界の片隅の存在でしかないから。
そして、"悲惨さ"とは、物事の一種のとらえ方の感情であり、史実ではないから。

しかし、"悲惨さ"は、みんなの心の中にある紛れもない真実である。
そして、この作品には、それが描かれている。

この作品は、直接、戦闘をしない立場の人間に焦点をあてている。
同じコンセプトの作品に「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」がある。
この作品は、子供視点から戦争を描いた傑作である。
そして、本作は、女性視点から戦争を描いた傑作である。

前者は架空、後者は史実にもとづいている違いはあるが、その本質は同じだ。
戦争は、それを知らない現代人にとっては、どこか他人事であり、ファンタジーだ。
しかし、それだと再び歴史を繰り返してしまう。
この2つの作品は、そのことに対して一石を投じ、自分ごとのように感じさせる。
それは、直接戦闘に関係ない人間が気づくと巻き込まれていると言う怖さからだ。

戦争によって、破壊されつくされた普通の生活。
前者は、同じ過ちを繰り返さないこと、その望みを子供の未来に託した。
後者は、未来への一歩一歩が女性の力強さに支えられていることが描かれていた。


この物語では、主人公の描写に圧倒される場面が大きく2つあった。
1つは、主人公が、空襲の中、広島に飛んでいく鳥を見たとき。
そして、もう一つは、玉音放送を聴いた後。
この二つの場面の主人公の気持ちの描き方はすごいとしか言いようがない。
いままで積み上げてきたもの、ため込んできたものを一気に放出させる。
それは、これほどまでに鬼気迫るものがあるのかと。

女性は、我慢強い分、自分の気持ちを押し殺しため込んでしまう。
しかし、一度、気持ちがあふれ出したときには、一気に、崩れてしまう。
この作品は、女性の"強さ"と"弱さ"は、表裏一体であることを描いてみせる。
こんな作品は、他に観たことが無い。


じわじわと蝕まれていく幸せに、じわじわと泣けてくる・・・。
しかし、最後は、未来に希望が持てる内容であったのが、とても救いだった。

投稿 : 2021/12/31
閲覧 : 330
サンキュー:

37

御宅 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメーション作品の最高傑作

日本アニメアカデミー賞で、新神誠監督「君の名は。」と京アニ山田尚子監督「聲の形」を抑えて受賞された作品。この映画は本当に素晴らしいです。全ての部分を繊細に描いています。また主人公スズを演じるのんさんの演技が素晴らしい。まさに彼女しかいないというものでした。心の中に"暖かさ"を生み出してくれました。何が凄いって、この映画笑えるんですよ。そして笑えてることの大切さに気づくんですね。もう最高なんですよ。1つ1つの台詞も最高。もう脚本が最高です。100回は観た。

投稿 : 2021/12/18
閲覧 : 233
サンキュー:

6

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

完全版を制作する意味はあるのか?

個人的には2016年のアニメの中では「君の名は」なんかより遥かに面白かった。(無論、「聲の形」もそうだが)

原作漫画は残念ながら未読。何度も繰り返し見たくなるアニメかといえば首をかしげるが、
いわゆる宮崎駿や湯浅政明などの天才的な技術があるアニメというよりは、細かなところまで目の行き届いている「職人」のアニメである。

実際に片渕監督は、舞台となる広島の呉の街に何度も赴き取材し、当時の街並みや人物をくまなく再現したとのことで、その努力の結果が画面の現実的な説得力になっているのだと思った。

あと、なんといっても主人公すず役の「のん」の演技が凄まじい。完全に憑依しているとしか思えないほど、あるいは本人がそのまま本人役として演じているような気に思えてしまうほどぴったりだ。一番の驚きである。

話の内容に関しては、第二次世界大戦末期の日本ということなので当然、戦争の悲惨さが描かれているのだが、実はその世界のほんの片隅に存在する普通の人たちを描いているという。。まさに究極の「日常系アニメ」である。

なんでもキネマ旬報では2016年ベスト映画一位を獲得したとのことで、「となりのトトロ」以来、28年ぶりのアニメ作品だそうだ。

※余談ですが

ニュースで劇場版より30分長い完全版製作決定との触れ込みでしたが、果たしてそれは意味があることなのでしょうか?確かに原作を省いたところは結構あるので人気もあって製作されてもおかしくはないですが、この内容以上のものは得られないとの直感です。

と、いうよりもその予算を若手育成にまわさないと本当にアニメ業界潰れるんじゃないでしょうか?

投稿 : 2021/11/14
閲覧 : 625
サンキュー:

35

オパマ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

娯楽作品ではない。

ハラハラドキドキを求めるべき作品ではない。

我々の祖父母、曾祖父母の世代が大戦中の厳しい時代をどう感じ、どう生活していたかを垣間見るドキュメント作品。

私は祖母から戦時中の話を聞かされて育ったため真新しい発見などは感じなかったが、若い世代の人たちが本作を観てどう感じるのかが気になる。

わずか数世代前の現実に起こった出来事。絵空事や物語の中だけの事と受け止めず、身近な出来事として受け止めたい。

「もっと器用に生きて行けばいいのに」「何故そんな発言や考え方になるんだよ」といった感覚は抱いて欲しくない。
あの時代はネットはおろかテレビすら無く、限られた情報やコミュニティの中で判断し、時代に合わせなければ生きて行けなかったはずだから。

同時代を生きた諸先輩方と、若い世代の人に観てもらいたい。

娯楽性は無いが、価値ある作品。

投稿 : 2021/10/26
閲覧 : 281
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23

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通なのに心に訴えかけるものがありました。

戦争時中を描くこの手の映画は、戦争が如何に悲惨かを訴えるというイメージがありましたが、この作品にはそういう感じは全く受けませんでした。なんというか、普通といったらいいのか……。すごく良い意味で。

普通に生活して、普通の日常が続いていく中で、戦争という出来事が起こっている。なんだかそれは妙に現実的に見えて、心に訴えかけるものがありました。

戦争と本当に戦っていたのは、すずさん(主人公)みたいな人達だったんじゃないかなぁと私は観ていて感じました。いや、戦っていたわけではないのですが……。言葉にするのは難しいのですが、言い換えると、戦争そのものに屈せずに、戦いそのものに屈せずに、しっかりと人としての生き方を守っていたのは、すずさんみたいな人達なのかもしれないと感じました。

例えば、争う気持ちが怒りの炎みたいなものだったとして。戦いの火の手に触発されて、こちらも炎みたいに熱くなったら、火と炎があわさって、それこそ大変で……。だから周囲から「何やってんの!」とトロいように思われようが、愚か者のように思われようが、普通の生活を何事無しに過ごしていくことが、平和を守っていくことに、平和そのもに繋がるのかなぁなんてことを考えました。

言葉にするのは難しいですが、言葉にできないからこその映画やアニメなんだとも思います。是非ご覧ください。

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 258
サンキュー:

23

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

天才のん

この役にのんを当てた片渕須直監督は天才としかいいようがありません。
エキサイティングでワクワクドキドキ興奮するエンタメではありませんが、女性は本質的に男より強い、というのがわかる面白いお話でした。一般人にとって遠い話だった戦争が徐々に近づいてくる緊迫感は子どもたちにもぜひ見てほしい映画です。

投稿 : 2021/10/12
閲覧 : 265
サンキュー:

10

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

現代人には到底理解出来ない苦悩

この世界の片隅にの紹介:2016年日本映画。広島出身こうの史代の漫画「この世界の片隅に」を映画化したアニメ。舞台は戦時中の広島。のんびりとした性格の主人公すずは、呉に嫁ぎ、ささやかな幸せを感じながら生活していた。ところが、時代と共にどんどん戦争は激化していき、すずのささやかな幸せが崩れていってしまう。すずはどのように生きていくのか、家族愛とはなんなのか、「この世界の片隅に」は戦争の中で見つけていく希望の物語。(あらすじ)

amazon primeで視聴しました。
自分の世代は、「はだしのゲン」を見て育ったので、
「この世界の片隅に」は、かなり見やすく良い作品だったなと感じました。
「はだしのゲン」は良い作品というより、戦争の悲惨さを伝える為に作られた作品に感じた為です。

話は変わりますが、
現代社会でも、上司と部下の人間関係で揉め、
「だから今の若者は」そう言われています。
そして、会社を辞めていく人も多いです。

そうなってしまうのも自分には当たり前に感じてしまうのです。
この戦争真っ只中を生きてきた人や、その戦後を生きてきた人たちと、今を生きる現代人では、そもそも考え方や幸せの基準も違います。
今は平和が普通で、幸せがありふれているのが当たり前なのですから。

こうやって作品を見て、学んだり、理解することはできても、実際に体験することだけはできません。

それが故に、この戦争の時代に生きてきた人達の強さを思い知った作品でした。

投稿 : 2021/08/20
閲覧 : 166

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争の帰結するもの。

世界の片隅。それは、わたしが住むこの街のこと。

浦野すずは、ランドセルを背負った "あの童女"。

北條すずは、スーパーで買い物する "あの婦人"。

戦時下の女は、同調圧力に抗うことなど知る由もない。



戦争は、男たちの職業であり、道具であり、手段である。

が、母を、姉妹を、娘を、守れず、遠つ国で落命していった。

遺骨は、「大日本帝国」の捨て石と朽ち落ちていく。

遺影は、寡黙にして「太平洋戦争」の語ることはしない。



~     ~     ~


当時、15歳の少年兵でも、今年で91歳です。

終戦80年を数える頃には、ご存命ではないかもしれません。

あにこれを楽しむ方は「戦争を知らない子供たち」。

すっかり大人になって、ご自身なりの評価をなさっていらっしゃるでしょう。



お亡くなりになった軍人さんは230万人にのぼります。

日本の国外で亡くなった民間人は30万人以上だそう。

空襲などで亡くなられた国内民間人は50万人にもなります。

そして、日本傷痍軍人会は当初35万人もの戦傷軍人がいました。



しかし、民間人の戦傷病者数は、実はよく分かっていません。

そもそも統計が取れているのか、残っているのかさえ分かりません。



そして、軍人さんには恩給の支給がありますが、

当時のすずさんのような民間人には、適用されません。

例えば、片手親指の欠損は、恩給だと240万円/年(階級にもよるのだそうです)。

現行の障害年金ですと、片腕の欠損は、約78万円/年です。

片手の親指の欠損でしたら・・・0円です。

(数字にはうといので、誤りがありましたら教えてくださいね。)



制度設計にはいろんな物差しがあるので、一概に平等公平とはいきません。

だけれど、すずさんは、ただ日常を過ごしているだけなのに、

機銃掃射で殺されそうになり、投下爆弾で右腕を失ってしまいます。



ひたすら勝つことだけを教えられ、信じ込んだすずさん。

負けようなどとは露とも思わないし、考えてもいけなかった。

絵筆を右手に取ることが永遠にできなくなってしまっても、呉港に浮かぶやまとの必勝を、なお、夢に見ていたのです。

青空市で、あの "ごった煮" を口にするその瞬間までは。



~     ~     ~



今年も終戦記念日を迎えました。

テレビでよく見たあの日の場面から76年になります。

原爆ドームが映しだされると、広島の方はどんな思いをして暮らしていらっしゃったかと思いを馳せます。

戦争の惨禍と、身に起きた不幸と、"過ちは繰返しませぬから" を、どう受け止めてきたのだろうかと訊いてみたくなるのです。



本作に感化されて「昭和天皇実録」を図書館で借りるようになりました。

25歳で即位されたのち44歳に至る戦時下のご苦労をしのび、

戦後は日本の象徴として尽力なさった姿がそこに読み取れます。



すずさんにも、天皇にも、等しく「日常」がありました。

それをよく知ることは、同時代に生きる者にできることなのです。

いつか、東京九段の "しょうけい館" にも行ってみたく思います。



それぞれの足跡を、それぞれに辿ってみたい。

あの暗い時代を、もう一度見つめ直すことで、明るい未来を、両の腕であたためてみたくなったのです。

投稿 : 2021/08/16
閲覧 : 263
サンキュー:

19

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言葉もない。

観たいと思いつつ、躊躇していた本作。
終戦記念日でもあることだし、意を決して視聴しました。

久々に言葉にするのが憚られる作品に出会いました。

作画や音楽やら演出がどうこう言うのも憚られる。
(勿論全て素晴らしい)
その上で描かれる物語は、面白いとか悲しいとか良いとか悪いとかを超越している。

・・・・本当、みんなが笑って暮らせる世の中だといい。

投稿 : 2021/08/15
閲覧 : 201
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6

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ただただ過酷すぎた時代としか言えない

やっとアマプラで視聴、受賞で話題になった頃は見ていず、DVD録画したものも長いこと見ずにいました。高畑監督の「火垂るの墓」と同系列の作品ということで、きっと胸にずっしりと来ると思っていたので、今まで敬遠していました。見てよかったとは思います。しかし見て楽しい作品ではなかったので、できれば忘れたいと言ったら怒られるでしょうか。それぐらい、メルヘンタッチな作画と相反して、非常に重い作品でした。

物語は広島に住む海苔加工業者の家に育ったすずが、乞われて嫁いだ先の呉市での嫁ぎ先の生活が描かれていきます。いわば見合い結婚みたいな話です。すずは絵を描くことが得意ですが、それで身を立てることはできません。あくまで一家庭の主婦として、嫁ぎ先で日々尽くしていきます。しかし嫁いだ主人の姉の娘を不注意で不発弾で亡くしてしまい、自身も絵を描く右手を失ってしまいます。それで実家に帰ろうかとしていたら、広島も原爆でやられてしまいます。それまでも呉市は悲惨な空爆で犠牲になっていました。焼け跡で玉音放送を聞き、激しく涙するすず。しかし終戦後、亡くした姪のような原爆犠牲孤児の少女を拾い、連れ帰り育てることにします。

あらすじを今書きましたが、かなりの忍耐を強いられる作品です。表面上はしかし、すずの声優ののんさんののんびりとした演技のナレーションが入るので、淡々と話を追っていくことになります。戦争の理不尽さ、当時の耐久性活の悲惨さが克明に描かれ、現代に生きる人間は圧倒されることになります。もちろん贅沢な現代生活について、罪悪感を感じるようになるのは、「火垂るの墓」と同様です。もちろんそういった描写に私も郷愁は感じることはありました。出てくる病院の建物やロケーションなどは、私が一番最初に入学した古い小学校の横の、旧日本陸軍の火薬庫だったという施設のものとよく似ていました。私などは、それを知っている世代だという事で、この作品をまだ実感を持って理解できる世代の一人だということです。

義援金を集めてまで製作された本作は、何も言うことのできないほど立派な意志によるものです。このような作品が作られたことは非常に素晴らしいことですが、なるたけ早く、過去の遺産であるような世の中にしていかなければいけないと思いました。戦争の根絶は無理であっても、このような社会態勢への後退は、決してあってはいけない事です。末筆になりましたが、自然描写や当時の事物や背景の描き方は、本当に素晴らしかったと思います。これだけの資料を集め、当時の記憶をよみがえらせることは、並大抵の苦労ではなかったと思います。

投稿 : 2021/06/11
閲覧 : 219
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10

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦時下でも蝉は鳴く

浦野家の長女として生まれ育ったすず。
明るくて純真な心を持つ少女。
特技は絵を描くこと。
昭和19年2月、すず18歳。
少女に縁談の話が訪れる。
相手は呉に住む北條家の長男周作。
海軍の軍港として栄える呉の街での生活が始まる。

こうの史代原作、片渕須直監督作品。
当時の街並みを再現した素朴で美しい情景。
戦時下の日常を生きる人々を描く傑作アニメ。

そこにあるのは規則正しいささやかな暮らし。
戦争という非日常の中にあっても、
すずは工夫をして食事を作り、洗濯し、
衣服を直し、日々をたくましく優しく生きている。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、
物資の配給は減り、空襲の回数は増えていく。
そして昭和20年、運命の夏を迎える。
広島に新型爆弾が投下された。

{netabare}焼け野原と化した広島の街並み。
敗戦の玉音放送を聴き胸が詰まるすず。
張りつめていたこれまでが飛び去っていく。
泣き崩れるすずの胸中に想いを馳せる。
みんなが笑って暮らせますように。
この映画を不滅のものとした名場面がここに。{/netabare}

戦争ものは総じて苦手なのですが、
ここには前向きなメッセージがあります。
すずが暮らした70年前の広島でも、
夏にはスイカを食べ、蝉は鳴くのですね。
そんな当たり前に過ごす日々に感謝をして、
懸命に生きた彼女にまた会いたいと思います。

投稿 : 2021/05/30
閲覧 : 1118
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99

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

映画館を出て何日かは最高の映画だと思っていたのですが。

 戦争という歴史的な事実の中で、市井の人である、すずさんを中心に日々の生活を明るく営みます。いろんな人間模様もあります。いろんな事件を通じて、命の軽さ、大きな悲しみ、そして、未来につながる出会いもありました。そういう大衆にとっての本当の戦争の現実をしっかりと描き切った、名作だと思います。

 作画、音楽、ストーリー、演出、声優、どれをとっても最高だと思います。いや、思っていました。実は1回しか見ていません。なぜか。面白くないからです。

「君の名は」「聲の形」とほぼ同時に劇場公開されて、3本とも劇場でみました。3作とも円盤も購入しました。「君の名は」と「聲の形」は多分、10回ずつくらい見ていると思いますが(大げさかもしれません)、本作は封を開けて、見ようかなと思いましたが、モチベーションがあがりません。

 1度、すずさんの生活を見て、不幸、大不幸から戦後日本人のパラダイムシフトを経て、復興へ、という経験をし、映画館をでて何日か余韻を味わうと、なぜかこの映画について再び考える気がしなくなりました。

 世間的には大絶賛なのも分かる気がするんです。映画館をでて数日は世にも貴重なものを見た気になった記憶があります。

 でも、興奮が冷めて、何年かたって、今、映画として考えた場合、私の中ではあまり評価できませんでした。

投稿 : 2021/05/25
閲覧 : 278
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9

ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

右手を失った人に「運が良い人」とあなたは言えますか?

この物語は、戦争という理不尽な状況の中でも、たくましく生きていく人たちを描いています。

主人公のすずは、のんびり屋でおおらかな性格です。
そして絵を描くのが趣味な女の人です。

すずのおっとりした性格や作画の柔らかさもあり、最初はなごやかな雰囲気で物語がすすみます。
でも、この時代は戦争中です。

不覚なことに、映画の途中まで、私はそのことをすっかり忘れていました。
しかし、{netabare}
不発弾の爆発ですずの右手がなくなり、一緒に歩いていた女の子も亡くなったとき
「ああ、この時代は、兵隊でなくとも、空襲でいつ死ぬかも知れないんだ。命の保障など全く無い時代なんだ」
と、改めて気づかされました。

そこから先は、悲惨な内容ばかりです。

右手を失くして大好きな絵を描くことができなくなったすずに、
「右手を失っただけで済んだので運が良かったね」と、おばさんが言うシーンがあります。
もちろん私だったら、すずにそんなことを言えません。
でも、
実際に第二次世界大戦で命を亡くした人が沢山います。
日本人だけで、約300万人です。 
その中には、栄養失調で亡くなった人や満足な治療ができずに亡くなられた方もいます。
戦争さえ無ければ、栄養失調になることもなく、治療もちゃんと受けることができたはずですので、
やはり、それらの人々も戦争の犠牲者だと思います。

だから右手を失ったすずに「運が良かったね」と言ったおばさんは、悪気など全くないのです。 {/netabare}

この物語の最後に、すずが、母親を亡くした子供をひきとるシーンがありましたが、
あのシーンが無ければ、暗く辛い内容ばかりで映画が終わってしまうところでした。
あれで私の心が救われました。

私たちは、自分たちや子供たち、孫たち、その先のまだ見ぬ人たちのためにも、戦争のない平和な世の中を大切にすべきだと思います。

投稿 : 2021/05/23
閲覧 : 818
サンキュー:

90

ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

微笑ましい日常を多く描くことで戦争の悲惨さを表現した名作

原作未読。

【はじめに】
「太平洋戦争を題材にした作品(映画・ドラマも含めて)の中で、これだけふり幅の効いている作品を見たことが無い」
これが私の第一印象でした。
作画や主人公・すずの人柄など、ノスタルジックでほのぼのとした日常の中に、悲惨な戦争がある・・・。

この作品の素晴らしさは、微笑ましい日常を多く描くことで、戦争の悲惨さを表現している所だと思います。
そして、絶望的な状況の中でも、前を向いて健気に生き抜いている人々(特に女性)の姿が、とても印象的でした。

太平洋戦争を題材にした作品の多くは、戦争の悲惨さを過剰に描いたり、(例えば特攻隊のような)兵士を英雄視して描かれる作品が多い中で、かなり異色な作品だったと思います。

『太平洋戦争を題材にした作品は苦手』という方にも安心してお勧めできる、傑作です。

【物語】
物語のほとんどが主人公・すずの目線で描かれている所が面白いと思った。
働き者でおっとり、少し内向的だけど明るい・・・。
そんなすずの目線で描かれていることこそが、この作品の一番の魅力だと思う。

【作画】
キャラデザを含めて、柔らかく、ノスタルジックな印象。
物語の印象とぴったりマッチしていて、とても良いと思った。

印象的だったのは{netabare}大好きな姪・晴美と大事な右手を失うきっかけとなった{/netabare}、あの空襲の場面。
まるで、水彩画を描くかのように表現されている。
幼いころから絵を描くのが得意だった、すずならではの見事な表現だと思う。
そして、「まるで現実の事とは思えない」すずの心情を上手く表していると思う。

【声優】
主人公・すず役ののん(能年玲奈)さんは、すずの役柄とぴったりだったと思う。
素朴な語り口が、この作品の魅力を最大限に引き出している。

【最後に】
書き出したらきりがないほど印象的な名シーンの多い作品だったと思います。
その内、いくつかを書き出しておきます。

~笑った~
{netabare}憲兵に間諜(スパイ)と疑われたくだりは声を出して笑ってしまった。

妊娠の兆候?➝朝食は2人分➝病院へ➝昼食は1人分。妊娠は気のせいだったんですね。(笑){/netabare}

~切なかった~
{netabare}右手を失ったすずのもとを訪ねた、妹・すみが別れ際に言った一言。
「広島に帰っておいでぇや。ひどい空襲も無いし・・・」
この後の歴史を知る者なら、誰もが切ない思いをするに違いない、地味ながら心に響く名セリフ。

玉音放送の後、人目を避け、泣き崩れた義姉・径子とすず。
誰もが勝利を信じ、色々な事を耐えて、我慢してきて、その結果・・・。
こういう所がとてもリアルで良かった。{/netabare}

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 883
サンキュー:

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この世界の片隅にのストーリー・あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(アニメ映画『この世界の片隅に』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年11月12日
制作会社
MAPPA

声優・キャラクター

のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

スタッフ

原作:こうの史代、 監督:片渕須直、企画:丸山正雄、脚本:片渕須直、監督補・画面構成:浦谷千恵、キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典、音楽:コトリンゴ、プロデューサー:真木太郎、製作統括:GENCO

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