1987年度に放送されたアニメ映画一覧 45

あにこれの全ユーザーが1987年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番の1987年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

72.0 1 1987年度アニメランキング1位
王立宇宙軍オネアミスの翼(アニメ映画)

1987年3月14日
★★★★☆ 3.9 (273)
1123人が棚に入れました
所属が10人に満たず「失敗ばかり」「なにもしない軍隊」と揶揄され、世間に落第軍隊として見下されているオネアミス王立宇宙軍の士官・シロツグ=ラーダットは、欲望の場所でしかない歓楽街で献身的に布教活動を行う少女・リイクニ=ノンデライコとの出会いをきっかけにそれまでのその日暮らしの自堕落な生活を捨て、宇宙戦艦という名目の人類初の有人人工衛星打ち上げ計画に参加し宇宙を目指すことになる。

声優・キャラクター
森本レオ、弥生みつき、内田稔、飯塚昭三、村田彩、曽我部和恭、平野正人、鈴置洋孝、伊沢弘、戸谷公司、安原義人、徳光和夫
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

スペースモンキーズ

山賀博之監督作品、作画庵野秀明。
精鋭クリエイターたちが若さと勢いで、
精巧に作り上げたGAINAXの傑作SF。
音楽総指揮は、坂本龍一。

架空の国オネアミス王国が舞台、
役立たずの王立宇宙軍士官シロツグが、
人類初の宇宙飛行計画に志願し挑む様を描く。

物語は公表されているもので全て、
特別何もなく退屈さを感じるほどだ。
しかし理数系の夢、宇宙飛行士の夢、
アマチュア集団の夢、クリエイターの夢を乗せて、
{netabare}大きな花火が、夜空と真空を彩る、
ラスト10分に全てが集約され報われるのである。{/netabare}

猿から人類への歴史は火の歴史である。
そして火によって災いは数多く生まれるが、
我々は火によって生かされてもいるのだ。
歴史を間抜けな猿が始めたことだとしても、
人類の進む先が暗闇ならば灯を消してはいけない。

打ち上げられた猿には、
神様も見逃した小さな矜持がある。
そうだ、その猿は夢を持っていたのである。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 60

edoya さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

私的 最高傑作

何度も見返しているが、リリースから二十年以上経った今でもノスタルジーではなく、全く古いと思わない。

完璧に作り込まれたオリジナルの世界観。
棒状の通貨、敵国の言語などにその徹底したコダワリが見て取れる。
そこで繰り広げられる王立宇宙軍の、庶民と政治の間での葛藤。
ヒロイン、リイクニ・ノンデライコへの主人公の届かぬ思い。
のんびりした中盤の流れを一気に蹴散らす怒涛の終盤。

画の繊細さは今でも充分素晴らしい。
森本レオの抜けた声も前半こそグータラなシロツグ・ラーダットにハマっている。

そしてオリエンタルで時に詞的に、時に荘厳に響く坂本龍一の楽曲。
そのメインテーマはガムランを思わせる導入部のリズムだけで鳥肌が立つ。
更にはサエキケンゾウが作曲した戦闘シーンの楽曲は、中近東音階を駆使した名曲。

これらを当時、原作の実績なしに、一から、アニメーションで作ったと言うのだから、空いた口が塞がらない。

個人的な思い入れがあることは否定しないけれど、この作品は私の傑作アニメーションランキング不動の一位であり続けている。
早く二位に退いて頂きたいのだが、残念ながらその輝きは未だ衰えてくれない。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの限界に挑戦してみた

<2022/10/17 追記>
続報です。
4Kリマスター版での劇場公開は10/28(金)からだそうですよ

<2022/5/21 追記>
今年の秋に4Kリマスター版で劇場公開されるそう。
10月かな。
映画館で見たら迫力凄いだろな
観に行きたくなってきた。

<2019/12/7 初投稿>
当時、新進気鋭の若手クリエイターたちが
GAINAXに集まって、
自分たちの作りたいものを、
自分たちのやりたいように作ったオリジナルアニメ映画
らしいです。

興行的には大失敗で、この失敗が後の「トップをねらえ!」や「新世紀エヴァンゲリオン」の誕生に繋がっていったのだとか。
1987年作品。

私はこの頃〜2002年ごろまでアニメ見る習慣なくて。
でも何故か本作は1990年代後半にレンタルで借りて観たんですよね。
なんで手に取ったのかよく覚えてないけど。

たぶん、
「異常なくらい細部に拘った丁寧な絵」
「とことん練り込まれた個性的なアナザーワールド」
をパッケージから感じ取ったのかも。

この2点は本作が他と一線を画すものです。
細部に拘った絵は、もうそうとしか言いようがない。
一枚一枚が時間をかけて作成されたイラスト画のよう。

そして、世界観。
テクノロジーは現実世界で言えばおそらく1900年代の半ばぐらい。
でも、文化・風俗は現実の世界とは全く異なります。
衣服や建物のデザインが全く違う。
食器や硬貨など日常触れるあらゆるもの少しずつ現実と変えている。
どの国をモチーフにしたとかそういったことが一切感じられません。

例えば硬貨。
この世界の硬貨は「金属の棒」です。
ちょうど麻雀の点棒サイズくらいの棒。
自販機で切符を買う際はこの「某」を穴に突っ込んでいきます。
超違和感 笑。

着る服も、軍人の礼服とかどこかで見たような気もするけどどこも思いつかない個性。
お洒落かどうかは置いておいて、
アニメのデザイナーってファッションデザイナーの才能も必要なの?
と思った記憶があります。

そうした細かいところにこだわり抜いた本作。

ストーリーは、現実とは異なるとある世界の、
新設されたばかりの「宇宙軍」所属の為、階級だけ高い、
やりたいことが見つけられない冴えない若い軍人「シロツグ」が主人公のお話です。

これである意味全て説明が終わってしまう。
そのシンプルさが素敵、という考え方もあります。

ただ一つ難点が。

キャラクターの心情描写です。
可能な限り表情や仕草で表現しようとしている。
まるで実写のように。

本作は純文学のように登場人物の心情がさりげなく、そして赤裸々に綴られていきます。

これ、実写映画だったら、実写でこの映像・演出だったら。
名作の部類だったと思うんです。

でもこれはアニメ。
つまるところ、表情や仕草だけで実写と同じ手順で感情を表すのは無理あると思うんですよ。
一コマの絵で伝えられる情報量が違いすぎるのでは、と。

アニメは実写に比べて「映像」としての情報量が少ない。
裏を返せばそれがアニメの強みのはずなのですが。
その強みを捨てて、ひたすら実写映画のような表現に寄せていく。
しかも純文学。
観てる側としてはまぁ伝わらないことこの上ない。

でもでも。
これはそういう「挑戦」なのかも、とも。

「アニメは実写を超えられるのか?」
という疑問を持った若きクリエイター共の挑戦なのかもしれませんね。

で玉砕。

そして「トップをねらえ!」「新世紀エヴァンゲリオン」へ

こういう挑戦は素敵だと思います。
「素敵がたくさん」by 灯里

本作はそういう風に観る作品なんだと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

70.5 2 1987年度アニメランキング2位
風が吹くとき(アニメ映画)

1987年7月25日
★★★★☆ 3.7 (22)
104人が棚に入れました
「スノーマン」のレイモンド・ブリッグスが、核戦争の恐ろしさを描いて話題になった絵本をアニメーション化した反核映画の1本。イギリスの片田舎に住む老夫婦は今や子供も独立し、年金生活を静かに送っていた。しかし世界情勢は深刻化する一方で、明日にも戦争が勃発しそうな状態だった。そのことを知った夫は政府が出した核戦争に対するパンフレットに従って核シェルターを準備し始めるが……。核の恐怖を衝撃的映像を使わずに描いた「テスタメント」と似た作りになっているが、こちらの登場人物は2人だけ。なおかつ放射能汚染に関してはまったく無知なため、核攻撃後に2人だけで日常生活を普通に送ろうとするが、次第に体がボロボロになって行く姿は見ている側が辛くなってしまうほど悲しい描写が続く。2人の会話に深い愛情が感じられる事も、より一層の悲惨さを生み出している。ラストの“紙袋"の描写は、涙なしには観られない衝撃作である。日本では大島渚監修により、森繁久哉、加藤治子の吹き替えによる日本語版が公開された。

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

2番目ゲットだぜ(っ´ω`c)(微調整)

比較的重い物語なんでせめてタイトルだけはと。

シス子さんに影響されて視聴。

イギリスの老夫婦。
核の恐怖。
ハートフルボッコストーリー。
割りと短めなお話。

話の流れとしてはイギリスの田舎で平和に暮らす老夫婦だがそこに核が・・・という感じ。

最近書いたはだしのゲンとテーマは同じやけど表現方法は対照的。
ゲンほど派手目の演出は特にないが、絵柄が絵柄だけに正直余計恐ろしい。冗談抜きに怖い。
風が吹くときで検索すると老夫婦の絵がすぐ見つかると思うが、このほのぼのした絵柄で中盤から後半に掛けて核のせいで段々目に見えて衰弱していく様子を描写していくんだから堪ったもんじゃない。

国が配布したらしい核対策パンフレット(実在したらしいから驚愕もの)とかいう内容無茶苦茶なもんを信じ込んで、その通りに実行してこれなら安心と思い込んでしまう夫婦を滑稽だと誰が笑えるだろうか。

只、ひたすら泣けてくる。
前半あれだけ平和でほのぼのしたやり取りをしてた夫婦が、なんでこんなことにならんといかんのか。
中盤以降、お互い励ましあいながらも衰弱していく描写は見てられねーと思いつつも目が離せない。

この夫婦を自分の両親に少しでも重ねて見てしまうとえらいことになる。

ラストシーンは特に印象に残っていて見たのは随分前だが今でも脳裏に焼きついてる。
余りに理不尽すぎて見た後、気分がどん底に落ちてなんもやる気がせんかった。

この作品のココでの人気の無さ(単純に知られてないだけかもだが)を見るにもっと多くの人に見て欲しいと思う反面上記のような事情から絶対お勧めとはさすがに言い難い。

ある程度大人な人で、この作品見て気分が沈まない人は多分いないんじゃなかろうか。
自分も、核の怖さが身に染みて分かるいい作品なのは認めるけど二度見たいとは思わない。

それでもはだしのゲン同様、この手の話だからと敬遠せずに、1度だけ見てみるくらいはいいかもしれない。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 22

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

今も何処かで

風が吹くとき

2010年の暮れ、深夜に放映していたのを観ていた。

のどかな田舎のお家の、おじいさんとおばあさんの、いつもの暮らしに、ニュースが響く。

あら大変、何だか現実味がありませんねえ、どうしましょう、お前それはあれだ、こうだろう。そうだろう。
なんだかんだいつもみたいな夫婦の会話が続いていって、いつもの家事や野良仕事を手伝うかのように、小さなお家の中で夫婦は工夫しあって、だけど。


翌年の春、震災で福島が今に続く状況に見舞われましたね。

原発事故が起こるまで、原発に関して無意識で無関心だった自分と、今も何処かで閉ざされているおじいさんとおばあさんの小さなお家とが、重ねて思い返される作品です。

私の住んでいる所は、ダムの水力で電気がまかなわれています。
いろいろあるんだろうけど、なんかうまいことエネルギーシフトしてくれないかなーと、呑気にアニメを観ながら期待するばかりです。
すみません。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

何でもは知らない・・・知らないことも知らない・・・

原作は既読で視聴しました

たまたまアニメ作品を観てしまったということもあり
感想を書くことにしました

核戦争をテーマにした作品です

今の時代にはあまり現実味がない内容ですが
原作が出た当時は話題になっていたようです

原作は絵本のような感じで
登場人物がほのぼのとした滑稽なタッチで描かれていますが
アニメでは実写映像や3Dみたいな映像効果も入っていて
演出はそこそこ凝っています

主題歌はデビッド・ボウイ氏が歌っていて
ロック調の曲にちょっと違和感を感じるかも知れません


内容は
イギリスの片田舎で平和に暮らしている老夫婦が
核戦争の脅威に晒されるというお話


核戦争が勃発する可能性が高まる中
政府の出した核戦争の対策用パンフレットに従い
老夫婦は保存食を用意し核シェルターを作ります

シェルターといっても
家の扉を取り外し壁に立てかけただけのもので
誰が見ても核の爆風にはとても耐えられそうにありません

そして
とうとう核戦争が起きてしまい
熱線と爆風が老夫婦の住む家を襲いますが
運よくシェルターに逃げ込んだ夫婦は助かります

電話やラジオ放送は途絶え
何も情報が入ってこない状況の中
老夫婦はシェルターに避難したまま救援を待ち続けます

日を追うごとに
放射線に蝕まれ
体に異変が現れてきますが
それでも
老夫婦は救援がくるのを信じ続けます・・・


作品の内容は
核戦争をテーマにしたお話というのは前述したとおりですが
見方によっては私達の身近にも起き得るようなテーマが見えてきます

最近では
身近な問題になっている
放射性物質の危険性はもちろんですが

誤った情報を与えられる危険や
政府の危機管理の甘さなど

でも
なによりも怖いのは
そのことについて
なにも知らないという危険

老夫婦はなにも知らなかった
核の恐ろしさも
放射性物質の危険性も
そして
政府の指示が本当に正しいのかということも

情報の正確性を
それを知る術も知らないし
それを知る必要があることも知らなかったのです

危機的状況で
自分が何も知らないという状況を知らないことが
いかに恐ろしいことなのか


お話の終盤では
{netabare}食料が腐りだし
飲み水が底をついてしまうのですが
お茶を飲むために
溜めておいた雨水を
なんの迷いもなく
沸かして飲んでしまいます

水が放射性物質で汚れていても
沸かせば大丈夫という誤った知識しかないのです

とてもショッキングなシーンのはずなのに
老夫婦の
放射能に対するあまりの認識の低さと
まるでアフタヌーンティーを楽しむような疑いのない行動に
悲しいとかかわいそうという感情より
残酷なシーンを見せられているみたいで{/netabare}
訳も分からず涙が溢れてきてしまいました


冷戦という言葉が過去の物になった今の時代には
あまりそぐわない内容と感じる人もいるかもしれませんが
逆に
今だからこそ
見ておくべき作品かもしれませんね


余談で

この感想文では
放射能の類を
あえて放射能・放射線・放射性物質という言葉に
分けて記述しています

厳密には
・放射能とは単位時間に崩壊する放射性物質の数のことであり(wikiより)
・放射線とは放射性物質から出てくる電磁波(X線やガンマ線など)
・放射性物質とはその放射線を出す物質(プルトニウムやウランなど)を指し
全て別の意味のものです

東日本大震災での原発事故以来
日本人の放射能に対する認識はかなり高くなっているはずなのですが
これらの言葉の意味が混同されているようで
そのため
・放射能が空気を汚染していてその空気自体が放射線を発しているとか
・放射線が事故の地点から直接飛んできていて危険区域全てが汚染されているとか
・人体などが放射線に晒されただけで放射性物質に汚染されてしまう
など
誤った認識をもたれている方もいまだに多いみたいです

私も原発事故が起こるまではそんなに意識して考えたことはなかったし
なにより
このような誤った認識のために
風評被害に遭われた方々が大勢いることをあらためて知り
深く反省しています

やはり
知らないことは積極的に知ろうという意識を持つことが大切なんですね

投稿 : 2024/04/20
♥ : 29

68.9 3 1987年度アニメランキング3位
スノーマン(アニメ映画)

1987年7月25日
★★★★☆ 3.8 (19)
95人が棚に入れました
イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグスの原作を映像化したファンタジー・アニメーション。雪の降ったある日のこと。少年が1日がかりで作ったスノーマン(雪だるま)が真夜中に突然動きだし、少年と遊び始める。胴長短足のゆかいなスノーマンと少年の行動が幼い頃の思い出を思い起こしてくれたり、中盤に流れる主題歌の物悲しい歌声やラスト・シーンなど、子供よりは大人向けに作られたような作品で、クリスマス・イブに恋人同士で見るにはうってつけの1本。同原作者の「風が吹くとき」の主題歌を担当したデヴィッド・ボウイが本作を大変気に入り、案内役として登場するバージョンもある。

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高の…

数年前にNHKで視聴。

同名タイトルの絵本のアニメ化作品
1982年製作。
日本では1986年にOVAとして発売された。


本作の魅力を書いてみる。


まず
アニメーション。
原作の絵本をそのままアニメ化したようなアニメーションは、チラチラして少々見づらいものの、
作画クオリティ、色使い、光の表現、
全てが丁寧で繊細で優しい。
作品にあった最高のアニメーションだった。

作品中ほぼずっと出てくる雪や、
ほんの少しだけ出るオーロラ等の描き方は特に目を引いた。

何よりも、これが1982年制作というところが一番の衝撃である。
この凄さは是非ご覧になって確かめていただきたい。



本作にはセリフがない。
その代わりに、常に音楽が流れている。
音楽は作品全体を色付けするとともに、作品中の効果音の役割も同時に果たしている。
どの曲も「音楽」としても「効果音」としても素晴らしかった。
セリフがないというのも、またいいものだとも思った。

そして忘れてはいけない
スノーマンと少年が空を飛ぶシーンで流れる
「ウォーキング・イン・ジ・エアー」

完璧だ 。もう完璧にマッチしている。
最高の演出だった。



シナリオ
単純なシナリオだが、上記のアニメーションや音楽も相まって、
凄まじい感動をもつものになっている。

夢のように見えて、夢ではない。
主人公の少年にとって、そしておそらく視聴者にとっても、最高の思い出。

夜に出会い、夜が明けて朝になり別れを描く。

この単純だが素晴らしいシナリオは、
たった26分で完全に完結する。

この続編など作らず、引き伸ばさない、
26分間に全力投球した当時のクリエーターの情熱。

作品と同じぐらい、この情熱も評価されるべきものだと思う。

(ちなみに最近30周年記念として続編が作られたようだけど、そちらも良かった。
まぁ30年も経てば新作のひとつも… ね?)


誇張抜きで、全ての人に一度は見てほしい名作です。
是非ご覧ください。
できれば冬にね。

下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

クレしん映画のせいで長い間、雪だるまは怖いってイメージが抜けなかった子供時代

1982年公開 翌1983年にアカデミー賞 短編アニメ賞にノミネート

イギリスの児童文学作家レイモンド・ブリッグズ原作の絵本
それを元にした26分間の短編アニメーション作品。

一面の雪景色になった冬のある日、少年は雪だるまを作る。
その夜、突然その雪だるまは命を得たように動きだし、少年と共に夢の様な冒険に出かける。

キャラクターに台詞が一切無く、SE(効果音)も無い。
動画にBGMの味付けだけされたサイレント映画ってやつです。

サイレント映画ってチャップリン作品だったり
初期のディズニー作品のオズワルドとか蒸気船ウィリーのようなコメディ系のイメージが強くて
『事情はよく分からんけど何かワチャワチャしてて楽しい』
みたいな作品を主にやるジャンルなのかなーと勝手に思ってたんですけど。
スノーマンでは冒頭から灰色な切ない雰囲気で始まり、色鉛筆で描かれたようなムラのある着色は
明るい場面であってもどこか悲しさが漂ってます。
んで、激しいアクションシーンとかは無くて少年とスノーマンの無邪気なやり取りが中心なってくるんですが
細かに配慮された動作にキャラの心情に合わせて絶妙に変化してくるBGMが
声の無いはずの少年とスノーマンとの間にちゃんと会話がされているんだなってのがわかって
どんな会話をしているんだろうと想像を巡らせるのが楽しかったりします。


シナリオは単純だし刺激の多い映像作品が手軽にたくさん見られる現在では
やっぱ退屈でつまんねーってなるかもしれないけど
上質な雰囲気を感じながらボケーっと見るもよし、少年に感情移入して夢の追体験をするもよし、
少年とスノーマンの出会いと別れに自分自身の成長と消失を重ねて涙するもよし
シンプルな作品でありながら結構いろんな楽しみ方あるよってことでオススメです。

2012年に続編である「スノーマンとスノードッグ」っていう
同じく20数分の短編が製作されてます。
デジタル処理によって独特の味わい深い映像は失われてしまったけど
作り方や雰囲気は前作そのままに、現代風にアレンジされていて
両作に微妙に繋がりが見えるので合わせて見ると面白いですよ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひと晩の奇跡

幼い頃絵本で読みました。その後、視聴しました。
大人になってしまってからみるよりも、
まっさらな子どもの心でみたほうが絶対に良いです。
私は、雪だるま…スノーマンは本当にいるのだと信じていました。

少年の作ったスノーマン。
部屋の窓ガラス越しのから眺めたときのスノーマンの後姿、
哀愁があってなんとも言えず好きでした。
大人になった今でも、あの後姿は焼きついています。

空を一緒に飛ぶ場面、印象的です。
一面 雪、雪、雪、まるで世界の行き止まりのその向こうまで雪なのです。

終わりがくることなんてないような、雪のようにひそやかな、、
たったひと晩のふたりきりの冒険。
{netabare}
最後スノーマンは溶けてしまう。。{/netabare}
切ない。けれど少年にとっては大切なひと晩でしたね。

少女の頃、私のためだけのとびきりな物語なんだ そう思い込んでました。

挿入歌
Walking in the Air
雪だるまと少年が空を飛ぶ場面で流れます。幻想的…!
この場面だけでも是非みてほしいです。
素敵です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 19

67.3 4 1987年度アニメランキング4位
ダーティペア(劇場版)(アニメ映画)

1987年3月1日
★★★★☆ 3.8 (18)
103人が棚に入れました
希少鉱物「ヴィゾリウム」採掘プラントが何者かに襲われ、ウルダスとエディア両国の緊張が高まる。
派遣されたダーティペアは大泥棒のカースンの横槍にもめげずワッツマン教授を突き止める。

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ご存知!ない方が大勢になってしまいましたが・・・

高千穂遙の「クラッシャー・ジョウ」と並んで大人気だった・・・スペースコミカルアクションの劇場版。
30分のTV版もよいけれど長目(82分)の劇場版はやっぱり面白い。
TV版・OVAと並んで「計測不能」とはモッタイナイ。
とはいえレンタルでのDVDがないのではショウガナイ。(オンライン通販ならばありますが・・・)
このシリーズを大雑把に言うと、トラブルコンサルタントのダーティペア(ユリとケイ)が事件を解決し、惑星の1個や2個は吹っ飛ばす話。
劇場版での事件は↑の「あらすじ」を参照のこと。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

67.2 5 1987年度アニメランキング5位
紫式部 源氏物語 [1987年](アニメ映画)

1987年7月1日
★★★★☆ 3.7 (10)
48人が棚に入れました
美貌と才知に恵まれた光源氏は父・桐壷帝の計らいにより、臣下に身を置いていた。源氏は持って生まれた美貌のため、数多くの女性から慕われていた。愛しくも複雑な過去を持つ夕顔、六歳年上で一人娘のいる六条御息所、正妻の葵の上。しかし、光源氏がもっとも心を痛めていたのは、桐壷帝の妻であり義母の藤壷への想いだった。秋に光源氏は藤壷の姪で祖母に育てられていた少女の紫を引き取った。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

古典の世界、たまに浸ってみるのも良いかも

25年近くも前のアニメ映画だが、紫式部原作の「源氏物語」という
古典文学を扱った内容ながら、光源氏がピアスをしていたりとちょっと新しい雰囲気。
時代考証どうこう、と言うより、現代に置き換えてわかりやすく
見せようとした意気込みが、演出のあちこちに見受けられる。
そこが好みの分かれるところかもしれないけれど
個人的にはまったく違和感を感じなかった。
むしろ、去年放送していた『超訳 百人一首 うた恋い。』のほうが
ぶっ飛んだ演出入れていたし、あの作品はあの作品の良さがあって大好きなのだが
こちらはかなり抑え、幅広い世代に観て貰いたいっていう真面目さは伝わってきた。

物語は、原作の「源氏物語」全五十四帖のうち、
夕顔との出会いから須磨までが描かれている。
源氏と関わる女性達のそれぞれの美しさや性格や、したたかさなどはもちろんだが
作中、光源氏についての人々の噂で様々な光源氏像が一人歩きしている一方、
彼自身の真意を知る者は少なく、素直なままの想いはなかなか周囲に受け入られずに
実際は孤独・・そんな姿も見どころのひとつではないだろうか。
そういった、表に出しているやや軽めのノリとは違う別の秘めた恋心にも
個人的にはけっこう感情移入できた。

監督は「銀河鉄道の夜」の杉井ギサブロー氏。
音楽は細野晴臣氏。この音楽がまた幽玄の世界を醸し出すような素敵さがあった。
声の出演は、光源氏を若かりし頃の風間杜夫が務めるなど、俳優も起用されていたが
野沢那智、大塚周夫、納谷悟朗などベテラン声優が脇を固めていた。

作画などはどうしても古い作品なので、今風にとはいかないが
決して色褪せないものを感じることができたのは嬉しい。
個人的には、源氏物語を題材にした作品の多くが、この須磨までの内容なので、
その後を描いたものが観てみたいなと思うのだが、なかなか難しいのだろうかね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 24

橙色夜想曲 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

いつまでも残して欲しい逸品

質・量ともに中古文学のみならず、日本文学史上に燦然と輝く、最高作品のアニメ化です。

眩暈すら覚えそうになるこの大きな仕事を前にして、
スタッフは相当思慮を重ね構想を練ったのでしょう。

源氏物語を実写化したものには、物語のテーマである「あはれ」を離れ、
宮廷における性描写にばかり焦点を当てた、興味本位で低俗なのものもありますが、
本作は決してそうではありません。

物語は桐壺~須磨までの序盤に絞り、
亡き母、桐壺の幻影を追い求めるように、数々の女性と愛を重ねる光源氏の青春を、
桜の舞い散る美しい映像と、細野晴臣のシンセサイザーによる心に染み入るような音楽に乗せ、
儚くも幻想的に描きます。

ストーリーの進行はかなり駆け足な印象ですが、無理もありません。
国文学科における中古文学の講義ですら、
須磨・明石のみを1年かけて学ぶような世界です。
桐壺~須磨となると一本の映画に収めるには厳しい分量ですが、
源氏物語全体の流れの中では、良い切りどころだったと思います。

源氏と交錯し愛を紡ぐヒロインは、葵・夕顔・藤壺・六条御息所・朧月夜。
どの女性も、身震いするほど美しく、素敵です。
最大のヒロイン、紫の上の成長した姿が描かれる続編が生まれなかったことが、
とても惜しまれます。

原画は、現代の竹久夢二と称される林静一。
ピアスをした源氏が話題になりましたが、決して原作のイメージを破壊するようなものではなく、
程好い現代アレンジが魅力的です。
素敵な原画集も、発行されました。

源氏物語のビジュアルな入門編には、
大和和紀による漫画界の大傑作「あさきゆめみし」がありますが、
本作もまた、源氏の世界へ誘われるきっかけとして、
いつまでも残して欲しい逸品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

67.0 6 1987年度アニメランキング6位
火の鳥 鳳凰編(アニメ映画)

1986年12月20日
★★★★☆ 3.6 (43)
202人が棚に入れました
 原作は手塚治虫の同名漫画。監督をりんたろうが務めた。キャラクターのデザインが漫画のデザインとかなり違う印象に仕上がっていて、ファンの間で物議をかもした作品。鳳凰を探し求めて歩く天才彫物師・茜丸は、山中で盗賊の我王に出会い、右腕を斬られてしまう。茜丸は必死に修業に励んで彫物師として復帰し、大仏建立の責任者となる。一方、我王は美しい妻を手に入れるが、猜疑心から彼女を斬り殺してしまう。ある日、茜丸は天皇に献上する彫物を彫ることになった。だが、献上物を彫る人物はもうひとりいた。その人物は、なんとあの我王だった…!

声優・キャラクター
堀勝之祐、池田昌子、古川登志夫、小山茉美、一龍斎春水

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

人間の二面性を2人の主人公を通して描いた(のだと思う) B

原作未読(他の編を少し読んだことがあるような気もします)

手塚治虫が生涯をかけて描き続けた「火の鳥」からの一編。

主人公は2人で対比的に描かれています。一人は天才彫物師・茜丸、もう一人は残忍な盗賊の我王。ある時、二人の人生は不意に交わりを持ちます。そのいきさつについては、あらすじにこれでもかとばかりに詳しく描かれていますので、そちらを参照してください。

単純に対極にある2人の人生を対比的に描いただけなのかというと、それだけでもないように思います。誰にでもある人間の二面性とでも言いましょうか、善なる心と悪なる心とでも言いましょうか、そうしたものを描いているのではないか、と。ただ、その善、悪というのが単純なものではなく、反対のものをも内在するものとして描かれているように思います。善は善にして善だけではなく、悪は悪にして悪だけではない。

最終局面で二人の人生は思わぬ展開を見せます。その時に現れるのが、タイトルにもある火の鳥です。火の鳥は、物語には直接関与してはいないように見えて、実は彼らの運命の全てを握っているのではないかと感じました。二人の結末もまた対極的に描かれています(単に幸福か否か対比ではなく)が、そのどちらが望ましいものなのかは、一概には言えません。あやふやと言えばあやふやな終わり方をするのですが、逆に、ハッキリと結論を出さないのが、この作品の醍醐味なのではないかと思います。

最後の桜の花びらが散るシーンは美しく。かつ、残酷に見えました。

何だか、自分の能力以上のことを書き出してしまったので、破綻しないうちに(いや、もう破綻しているという話も・・・)纏めに入りたいと思います。

手塚治虫=鉄腕アトムくらいしかイメージがないと、本作品を視聴すると非情に面食らうと思います。扱っているテーマが深遠で、明確な答えを提示していないため、視聴後にすっきりする作品ではありません。しかし、手塚治虫氏が生涯をかけて追い続けた「何か」の断片には触れることができるのではないかと思います。興味がある方はぜひご視聴下さい。

抽象的なレビューで申し訳ありませんが、なかなか具体的な言語化が難しい作品でした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

永遠という名の刹那

この作品、以前までトラウマでした。
子供ながらに観ていて凄く悲しかった。

小学生の時、父が録画して観ていたのがこの火の鳥。
ブラック・ジャックのような深みのあるものから、ボーボボのようなハジけた物も好んで観ていた父はアニメ好きだったのかもしれない。
キッズステーションで再放送したので録画して改めて視聴。

火の鳥 鳳凰編は奈良時代が舞台。あらすじはあにこれのをご覧ください・・・って、(あらすじがかなりネタバレな気がする!!)
60分ほどなので、漫画版より内容が変わったり、だいぶ必要なシーンが削られています。足りない心理描写など気になる場合、観終わった後に漫画版を見返すか、Wikiを見ると良いかもです。
また、今月下旬にヤマト編と宇宙編も放送するので観てみたいと思います。

<感想 ネタバレあり>{netabare}
片目と片腕の無く、生まれながらに苦しみ続け、沢山の人の命を奪った我王
もう一人の主人公の茜丸の健康な体に嫉妬し、腕をきってしまう。(そのことが後々響く)
その後、美しいミステリアスな女性の速魚と出会い、愛を知るも疑ってしまった。
彼女を失い正体を知った時、激しい後悔に襲われることになる

茜丸は仏師として大切な仕事道具の腕をきられることによって追い込まれていき、東大寺大仏建立で権力の庇護を得て慢心に陥ってしまい、権力に溺れていくのがまたリアル。

東大寺の鬼瓦製作の勝負でもう一度この二人が再会するが、
我王の作品の出来と才能を認めた茜丸が嫉妬し、我王の過去を晒し、もう片腕まで頂くような人間に変わってるのがまた恐ろしい。
このシーンはとても残酷で思わず目を背けたくなった。
この物語の奥底には因果応報をどこか感じる。

ラストシーンで我王がてんとう虫を見て涙を流すシーンが切ない。
エンディングが陳腐かなと初見時は思ったけれども、改めて聴くと本当に良い曲。果てしない永遠と無常観を感じる。
本来美しいと感じるはずの桜がどうしてこんなに残酷で悲しいのだろうか。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 39

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

クソゲーの代名詞のアニメ

おととしくらいになぜか友人と徹夜でクリアした。
バカすぎる・・。

このゲームもあって当作品へのインパクトが相当強い。(BGMがたしかアニメ版と同じなんです)
原作は小学校に置いてあって、はるかむかしにコンプ。未来編が好きだった。

本作は茜丸と我王、二人の人物の数奇な物語。
物語の構成が非常におもしろく、起承転結わかりやすい。
テーマも王道ですが、観ておいて、読んでおいて損はない。
毎度おいしいところで登場してくる主役、火の鳥さん本作ではかなりの鬼やで。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

66.4 7 1987年度アニメランキング7位
迷宮物語 [Manie-Manie](アニメ映画)

1987年9月25日
★★★★☆ 3.7 (67)
295人が棚に入れました
りんたろう監督「ラビリンス・ラビリントス」、川尻善昭監督「走る男」、大友克洋監督「工事中止命令」のオムニバス。

. さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

不思議な呪文はLabyrinth Labyrinthos・・・。なのでございます。

今回は趣向を変えて、いつもとは違う口調でレビューを書いてみますよ~! よっしいくぞ~!

1987年の作品。「ラビリンス*ラビリントス」、「走る男」、「工事中止命令」の3本からなるオムニバスアニメ。3本それぞれで監督が違います。だからそれぞれのお話に監督の持ち味が出ているし、画風、作風も全然違います。なんでこんな古い作品を知っているのかな? 昔観たのかな? でもこの年に(年齢的に)観れる訳無いし、とっても不思議・・・。お話の一つ、ラビリンスラビリントスって言葉だけが頭に残っているの。もしかすると誰かに観せられたのかも・・・。

昔ね、子供の頃に童話を良く読んでいました(あっ結構当たり前だよね:笑)。子供の頃から想像の世界や幻想的な事、不思議な事が大好きな女の子でした。いっつも空想に耽り、童話の世界が現実と繋がっているんじゃないかって真剣に考えてた・・・。だからね、例えば自分のお部屋のタンスを開けると、そこには別の世界の入り口があるかも知れない・・・。な~んて毎日ドキドキしている様な子でした。(あ、これ童話の1シーンなのですけど、なんて童話だか解りますか?^^)  そんな子が大人になっても、やっぱりファンタジーが好きなんですよね。さすがに童話の世界と現実が繋がっていない事には気がついてしまったのだけど(苦笑い)、それでも夢は観ていたい物です^^ 

さて、迷宮物語。色々な意味でファンタジーです。面白いか面白く無いかって言うと正直”面白く無い”です。あくまでも非現実的な世界を楽しむ。そう言う作品だと思い切り割り切る必要がありそうです。

☆迷宮物語 : Labyrinth Labyrinthos (りんたろう監督作品)
ファンタスティックな演出。非現実的な世界を楽しむ為のお話。ストーリーは・・・・無いなコレ。絵は流石に綺麗。う~ん、いかにもりんたろうって感じ。当時としてはものすごい先端を行く映像だったのではないかな~。チチローネは猫の名前。少女の名前はサチ。少女と猫が古くさ~い、迷宮の様な昭和初期時代?大正時代?の町並みの中に迷い込み、そこで体験する不思議な 光景をファンタジックに書いています。
感想⇒なんだか不思議な世界。現実じゃ無い世界が観れるのって良いな。ラスト?良くわかんないねコレ・・・。あ、でもとってもファンタジーだから満足。

☆走る男 : Running Man (川尻善昭監督作品)
走ると言ってもランニングではなく、レースのお話。主人公のおっさんの顔が無駄に怖い。も~ほとんど人間じゃないですね。ほぼモンスターレベル。絵・綺麗だね。無駄にチカチカ・・・。80年代のバブリーな作画なのかしら。
感想⇒やり過ぎは良くないね。何事も程々にって強く思ったとか思わなかったとか・・・。

☆工事中止命令 : The Order to Stop Construction (大友克洋監督作品)
唯一ストーリーらしいストーリーがある・・・・・様な無い様な作品。どっかのジャングルの奥地で巨額の投資の元で進められるなんかの工事。ある日その工事に中止命令が・・・。登場するメカとかが大友さんって感じ。ちょっとしたパニック物って感じかな。
感想⇒うん。大友さんだね。すごく大友さんだね。


「Labyrinth Labyrinthos」
不思議な言葉、不思議な響き。そう、それはきっと不思議な呪文・・・。
ちょっと日常に疲れてしまった時に唱えましょう。きっと貴方を幻想の世界へと誘ってくれるから。

「Labyrinth Labyrinthos」
ようこそ、不思議な迷宮へ・・・。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

実験系の映像美

いま、見ようと思うと手に入れにくいので、どうにかならんか。

すげー、映像きれいよ、これ。
しかも、なんか、あざとい映像美の作り方っていうのが世の中にはあるけど…具体的に誰とはいわないけど、アニメじゃなくて、最悪のあざといおつかれさま映像美とかってクリスチャン・ラッセンのイルカの絵とかね。
ああいう、あざとい方法論じゃなくて、実験系の仕方をごりごりとやって、映像美をつくっているわけで、これはさ、もうそこだけでいいわー、とかおもうので
こういう映像美にたいする欲望って、最近のアニメ作品だとあんまり見ないんだけれど、これってどうなってるんだろう。
80年代当時のほうが、こういうタイプの美術的というか、ある種の現代アート系の野心ってきちんと存在していた気がするよね。最近だと、湯浅監督とかのマインド・ゲームとか、ほそぼそと生き残ってるけど、すっげーほそぼそとしてる感じ

あたまわるいコメントすると、
「現代の作家は、現代アート的な野心がない。なげかわしい」
とか、いう言い方もできるとはおもうけど、80年代がむしろ、ニューアカブームだとかあって、現代アートとか、「よくわかんないけど、こむずかしくて高尚っぽいもの」に対するお金の動き方とか、社会的価値が捏造されてただけとも言えるわけで、アレはアレでどうだったのよ、みたいな。まあ、ニューアカ的なものとか、いまは本当に滅びたしなあ。そこには金が出なくなった。
(いまのオタクが、「村上隆ふぁっく!」とか言っているのは、それはそれでよしあしだけどね。)

 まあ、現代アートとかに対する有象無象のルサンチマンとかそういうのは、全部さておいても、これはこれで良かったとは思うのですよ、やっぱり。
 別に、こういうタイプの文化が偉ぶってる必要はないけど、ほそぼそとでもいいから、もっとコンスタントに続いてほしいなーとは思うんだけど。こういうのって、やっぱビジネス的に採算がつかなくなりやすいので、そこは残念。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

迷宮に迷い込むのがお好き。

「ラビリンス*ラビリントス」、「走る男」、「工事中止命令」の全3話、オムニバス形式の映画。

一番目を引くのはりんたろう監督の「ラビリンス*ラビリントス」であったように思う。現実と虚構を描いた作品ということだが、ほぼ夢の中でわけわからん映像がぐにょぐにょしてた印象しかない。可愛らしい(?)少女が不思議な世界に迷いこみ、板のような薄っぺらい人間がドミノのようにパタパタと倒れていったり、街灯が踊り出したりと摩訶不思議な世界にのめり込める。とにかく不気味なのだけど非常に美しい、こういうのは凄く好きなのだけど、内容的には意味不明なので誰かに勧めるというのはなかなか難しいものがあるかもしれない。インパクトで言えば凄いものがある。「走る男」については尚更意味が分からない。男が白目むいて「う゛ぉーっ」と叫びながら燃え尽きるまでレースをしている。なんだこれ・・・という(笑)迫力が凄まじく怖い。

締めとして大友監督の「工事中止命令」。これが最も筋道だった展開で大友監督らしいブラックコメディであった。工事中止の命令を聞かないロボットの暴走が止まらない。犠牲を問わずひたすらに工事完遂に突き進むロボットの狂気がじわじわとエスカレートしていく。暴走を止めるべく奮闘する社員が哀れで面白い。内容自体は一見しょーもないものにも思えるのだけど、意図したかどうかは知らないが社会風刺とも取れる内容。3作の中でも最も見やすい部類で単純に面白いと思う。

総評
3作とも時代を感じますが個性があって非常に面白いと思います。私のお気に入りは「ラビリンス*ラビリントス」でいつまでも見ていたいような不気味さが大好きでした。これだけでも見る価値はあるんは無いだろうか・・・?他は私にとってはオマケです(笑)これより後年の大友監修のオムニバス映画「MEMORIES」の方が面白いとは思いますので、そちらも機会があれば見てみてください。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

65.2 8 1987年度アニメランキング8位
プロジェクトA子2 大徳寺財閥の陰謀(アニメ映画)

1987年5月17日
★★★★☆ 3.6 (13)
51人が棚に入れました
『プロジェクトA子2 大徳寺財閥の陰謀 』 は、1987年5月16日に公開されたOVA映画。怪力元気娘の摩神英子(A子)、彼女を慕う天然ボケの寿詩子(C子)、英子のライバル大徳寺美子(B子)の3人が繰り広げるハチャメチャ学園SF第2弾。前作でキャラクターデザインだったもりやまゆうじが監督を務める。今回は、A子のライバルB子をクローズアップ。無邪気で可愛いC子を自分のものにしたいと思うB子だったが、それにはC子の慕うA子が邪魔。だが、怪力のA子にB子は歯が立たない。そこで、B子が考え出した作戦とは…。

声優・キャラクター
伊藤美紀、篠原恵美、富沢美智恵

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

暗躍するB子の親父 その陰謀とは? 魔神英子再び立つ

1987年制作のOVA プロジェクトA子第2弾

原作 西島克彦 白坂一美 森山ゆうじ 監督 森山ゆうじ
制作 A.P.P.P

魔神英子 CV伊藤美紀 通称A子 父親はスーパーマン 母親はワンダーウーマンらしい?
大徳寺美子 CV篠原恵美 通称B子 グラビトン学園の生徒会長
寿詩子 CV富沢美智恵 通称C子 前作では異星人の姫君として描かれる

亜弓先生 CV向殿あさみ クラス担任教師 ほぼクリーミーマミ
キャプテン CV池田秀一 キャプテンハーロック風異星人 実は女性
D CV玄田哲章 キャプテンの手下の諜報員 女性
大徳寺輝 CV大塚芳忠 B子の父親 大徳寺財閥の当主

以上が主な登場人物で、ほとんどが変態なので分かりやすい。
主人公3人娘は百合というよりレズの部類に入るようです。

今回は原作者の西島さんが抜けて森山ゆうじ監督による続編。
前作に比べるとやや低予算作品のようです。

C子を連れ戻すべく地球に襲来した巨大宇宙船は大破し飛行不能となり、
キャプテンたちは生活のために宇宙船を開放し、修理する金を稼ごうとするが。
B子に輪を掛けた変態の親父が宇宙船を我が物にしようと陰謀をめぐらす。
メカオタクのB子が作った巨大ロボ「クインマルガリータ」がA子に迫る。

という感じのありがち第2弾なんですが、
A子はドラゴンボールや北斗の拳の主人公をモデルにした無敵キャラで、
現代では「ワンパンマン」にもつながる。

昭和末期のオタ受けを狙ったアニメシリーズと言うことで、マニアも多いんですが、
あにこれのレビュアーは若い人が多いようで、ほとんど知られていないようです。  

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13

64.8 9 1987年度アニメランキング9位
タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON'T PASS ME BY-(アニメ映画)

1987年4月11日
★★★★☆ 3.6 (27)
192人が棚に入れました
世代を超えて読み継がれるあだち充の大人気青春野球マンガ『タッチ』。その劇場アニメ化の第三弾。 高校3年に進級した達也と南。甲子園に行けるラストチャンスの中、二人は野球部でそれぞれ自分の立場をこなす。だがそこに現れた臨時・新任の野球部監督=柏葉英二郎。彼は狂気のようなシゴキで、達也ほか明青野球部を潰すかのようだった。その真意は、兄で優秀な野球選手・英一郎の陰で、理不尽な辛酸を嘗めさせられた自らの野球人生に対する復讐だった。その標的にされた達也たちの運命は? TVシリーズとは別個に、すでに終焉した原作コミック終盤の展開を再構成した内容。物語の実質的な主役は達也ではなく、柏葉英二郎に傾斜している。そこが中盤までの『タッチ』らしくない半面、和也の悲劇を乗り越えた達也と柏葉兄弟を対比。「もう一組の兄と弟」のドラマが異様な迫力を見せた作品になっている。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、日髙のり子、林家正蔵
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

練習の仕方に時代を感じた

明青高校三年生の達也は最後のチャンスを悔いないものにするため、日々の猛練習に励んでいた。南も新体操部を退部し、野球部のマネージャー活動を再開して充実した毎日を送っていた。そんな時、野球部の西尾監督が入院することになり、代理監督として柏葉英二郎がやってきた。彼は狂気のようなシゴキで部員たちを苦しめ、明青野球部を潰すかのようだった。その真意は、兄で優秀な野球選手・英一郎の陰で、理不尽な思いをさせられた自らの野球人生に対する復讐だった。その標的にされた達也たちの運命は。そして、甲子園への予選大会が始まるのだった。というあらすじ。

バーベル担いで延々とうさぎ跳びさせたり、ノックで打球を捕球態勢に入ってないのにしまくったりと倒れるまで練習させるという根性論とか完全に今では虐待だし、無意味な練習と言われるものをやっているのは当時を凄く感じさせるものであった。

英二郎少し可哀想だった。

それにしても、酷い仕打ちに合っていたのに監督のいうことをすんなり聞く部員たちは素直にもほどがある。

試合以外ではドラマチックさをそんなに感じることはなかった。{netabare}真っ向勝負でファールを打たれまくるのは{/netabare}熱かった。

{netabare}私を甲子園に連れて行ってを達成できてめでたしな話。最後はキスしてる。{/netabare}原作をふんわりとしか知らないので、どこを取捨選択しているかは知らないけど、テーマを絞っているので、見やすいとは思った。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

63.9 10 1987年度アニメランキング10位
ドラゴンボール 神龍の伝説(アニメ映画)

1986年12月20日
★★★★☆ 3.5 (45)
249人が棚に入れました
少女パンジの住むグルメス国では、世界最高の宝石「リッチストーン」を掘り出すために、軍隊が村の家や田畑を破壊し続けていた。苦しむ村人達だが、強力な軍隊の力の前では、暴挙を止めさせる事は出来ない。パンジは村を抜け出し、武術の神「武天老師」に助けを求めるため旅を始めるのだった。

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

本作に登場するグルメス一味、パンジなどのゲストキャラクターのラフデザインは原作者の鳥山明により描き起こされた

七つのドラゴンボールを集めると、神龍が現れてどんな願いでもひとつだけ叶えてくれるという伝説がある。ブルマは素敵な恋人とめぐり合う願いをかけて旅に出る。一方、四星球(ドラゴンボール)を持つ孫悟空は、贅沢の限りを尽くすグルメス王の手下、パスタとボンゴに四星球を奪われてしまう。悟空とブルマは共にドラゴンボールを探す旅にでかけるが、道中、荒廃したグルメス王国を憂う少女パンジと出会う。悟空にブルマ、ウーロンそしてパンジの四人はグルメス王国に乗り込む!果たして、神龍へ願いをかけるのはだれなのか!?

本作品は原作漫画やアニメ『ドラゴンボール』本編の初期エピソードを軸に、登場する敵キャラクターや舞台を新規に作成したパラレルワールド的な内容となっており、『ドラゴンボール大全集』にも「四星球を求めてグルメス軍と対決していることなど、TV版とは全く違う完全な別世界での出来事と考えるのが妥当だろう」と解説されている。この傾向は2作目、3作目および17作目の劇場版『ドラゴンボール』全てに当てはまる。

劇場版第1作である本作と、後の2、3作目は、亀仙人と孫悟空らの修行シーンをアタッチメントとしてストーリーが直接連続しており、一つの物語として楽しめるようになっている。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

宝石なんか無くても幸せはつくれることをうたった物語

この物語はドラゴンボールの初期の映画です。もちろん悟空は幼い顔をした子供です。
主人公は悟空のように思えますが、実は真の主人公はパンジという少女のようです。

パンジの村では、リッチストーンという世界最高の宝石がたくさん採掘されます。
宝石が採掘できたら村は発展して多くの人が幸せになると思うのですが、実はそうではありません。
軍隊がやってきて、村の家や畑を破壊しつくします。村人を困らせていました。

パンジは村を救うために武天老師に助けを求めようと決心し、村を出ます。
そして悟空やブルマと出会うのです。

もちろんこの映画では、悟空やブルマ、ヤムチャなどが活躍します。

でも最後はパンジの勇気で村人が幸せになります。
ドラゴンボールが幸せをもたらしてくれました。
ドラゴンボールがどんな願いをかなえてくれたのかは秘密です。劇場版を見てくださいね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

63.6 11 1987年度アニメランキング11位
ドラゴンボール 魔神城のねむり姫(アニメ映画)

1987年7月18日
★★★★☆ 3.5 (49)
270人が棚に入れました
亀仙人に弟子入りして稽古をつけて貰おうと、はるばるカメハウスまでやって来た悟空。同じ日、坊主頭の少年クリリンも弟子入りを目的にカメハウスまでやってくる。亀仙人は双方に弟子入りするための条件として、西の果てにある魔神城で数千年間眠り続けているという美女「ねむり姫」を連れてくることを提示する。早速自分が弟子入りを果たそうと、競い合いながら魔神城へ向かう 2人。その後久々に悟空に会いに来たブルマたちは、「スケベなお使い」を隠したい亀仙人から、悟空の行き先は遊園地だと伝えられる。一行は事実を知らないまま、遊園地があると聞かされた魔神城の方角へ悟空を追っていくのであった。

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ドラゴンボール大全集』にも「ねむり姫を探すのが修行である点などTV版とシンクロしない構成」と書かれている

悟空は修業すべく亀仙人のもとへ駆けつけるが、そこには多林寺出身の拳法の使い手、クリリンもいた。亀仙人は「魔界城に閉じ込められているねむり姫を連れて帰った者を弟子にする」と、悟空とクリリンに条件を出す。闘志むき出しに魔界城へ向かう悟空とクリリン。一方、夏休みをむかえたブルマ、ヤムチャ、ウーロン、それにプーアルたち一行も悟空たちの後を追い魔界城へ向う。折りしも、魔界城では魔王ルシフェルのもとへ妖怪たちが集まり、数千年に一度満月の夜に目覚めるというねむり姫を囲んで儀式がとりおこなわれようとしていた!

1987年7月18日に公開された『ドラゴンボール』の劇場版第2作目。

前作同様本編のパラレルワールド的な内容となっており、『ドラゴンボール大全集』にも「ねむり姫を探すのが修行である点などTV版とシンクロしない構成」と書かれている。作風や敵のキャラクターの設定には前作よりも強いオリジナル要素が見受けられ、特に本編とは違ったヨーロッパファンタジーの様相を呈した不気味な雰囲気が特徴的である。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

美しい眠り姫

これは悟空が若い頃の映画です。
クリリンが初登場します。

クリリンは最初の頃は意地悪な奴でした。
そのため、クリリンは筋斗雲(きんとうん)に乗ることができません。
筋斗雲には心が清らかな者しか乗ることができないようです。
そこが笑えます。

また、この物語は伝説の眠り姫を助ける物語です。
どうやら亀仙人は、眠り姫を助けるよりも、悟空たちに眠り姫を自分の傍へ連れてこさせて、あんなことやこんなことをして楽しみたいようです。
亀仙人の下心(本人にとっては素直な心)には困ったものです。

「眠り姫はとても美しかった」と、言っておきます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

63.0 12 1987年度アニメランキング12位
ドラえもん のび太と竜の騎士(アニメ映画)

1987年3月14日
★★★★☆ 3.4 (71)
347人が棚に入れました
のび太は0点のテストをママから隠すため、ドラえもんに頼み“どこでもホール"で地下室を作った。そして、しずか、ジャイアン、スネ夫を呼ぶと、思いきり好きなことができるのでみんな大喜び。ところが、恐竜の姿を追っていったスネ夫が地底の奥深く迷いこんでしまった。ドラえもんたちはスネ夫を探しに出かけるが、恐竜に追いかけられたあげく、人食い人種のナンジャ族につかってしまった。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

わりと本格的なSF要素が光る、「映画ドラえもん」の名作の一角

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
映画ドラえもん7作目。ストーリー的にはややシリアスで、深みがある。やっぱりドラえもんは、子供に夢を与える大冒険をしないとね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤は、スネ夫がメインになる珍しい展開。中盤は人類と地底人の文化や考え方の違いなど、種族間対立、もっと言えば戦争を描いていました。後半になるとSF要素が強くなり、結末は綺麗に閉じていましたね。

一番の見所は、攻城戦ならぬ、防衛戦かな。単純に胸熱でした。

「話せば分かる」。そんなことを感じた映画でした。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

龍の涙

シリーズ8作目。
{netabare}
ひょんなことから地下の大空洞を見つけるのび太たち。そこは恐竜が絶滅することなく残り、独自の進化を遂げた地底人(恐竜人)が治める世界が広がっていた。

地底人ともめたりしながらも、最後には協力して災害から過去の恐竜たちを救うという展開。結局それが現在の地底人となったわけで、すべてのび太たちのおかげだったという真相。ここでも鶏が先か卵が先かの議論が生まれるわけだが。


恐竜がなぜ絶滅することになったのか、その不思議について迫っていくワクワクはある。ただ彗星衝突による天変地異という誰もが聞いたことのある理由だったのが少し拍子抜けした。せっかくだからもっと驚きの理由があってもおもしろかったと思う。

序盤はスネオだけが恐竜を目撃するというミステリー展開で引き込まれたが、どうしても今回はちゃんとした敵役がいないので、後半は尻すぼみで、締まらない印象を受けた。


冒頭、恐竜がいまだ地球にいることを信じるのび太をスネオらがバカにするというシーンから物語は始まるが、みんな1作目のときのピースケのこと忘れちゃったのかと寂しい気持ちになった。ピースケこそ現代に残った恐竜だったではないか。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

62.5 13 1987年度アニメランキング13位
ルパン三世 風魔一族の陰謀(アニメ映画)

1987年12月18日
★★★★☆ 3.3 (75)
372人が棚に入れました
飛騨の山奥にある神社で、石川五ェ門と墨縄家の跡取り娘である紫との結婚式が行われていた。いにしえの習わしに従い、墨縄家の壺が五ェ門に手渡されようとしたその時、覆面装束の一団が壺を奪おうと現れた。ルパン達の活躍で何とか壺を取り返したのもつかの間、花嫁の紫がさらわれてしまう。その壺には墨縄一族の先祖が残した財宝のありかが記されていた。 そして、それらを狙う風魔一族は、四百年もの間その財宝を狙っていた。それを知ったルパンたちは、墨縄家の隠し金庫から壺を盗み出して紫との交換へ向かう。一方、風魔はルパンが死亡したと思いこんで警察官を引退し、山寺の住職となった銭形警部を呼び寄せた。

大和撫子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

声優陣総入れ替え

ギャラの関係で声優陣を総入れ替えし批判を受けてしまった作品。
変更した声優陣は「うる星やつらの諸星あたる役の古川登志夫」や「Dr.スランプのアラレちゃん役の小山茉美」など、みんな有名な声優さん達なのだが、やっぱり違和感があり過ぎます。
ルパンアニメのレギュラー陣の声はいつものメンバー以外には考えられません。
とはいえ、一度は開始5分ぐらいで見るのをやめてしまいましたが、再度見てみると慣れなのか次第に見れるようになってきました。
肝心のストーリーははっきりいって劇場版にしてはスケールが低い内容。
音楽も一新されています。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ルパンベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
五右衛門が許嫁と結婚する。しかしその許嫁の家系が代々守ってきた財宝を狙う謎の集団(と、ルパン)が現れる。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛★★★☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★☆☆☆☆

【ジャンル】
ルパン三世、劇場版4作目(1987)、五右衛門中心

【こういう人におすすめ】
「とりあえずルパン三世観てみるわ」って人。ルパン作品をどんどん観ていくのであれば、この作品を早めにみておくことをオススメする。

【あにこれ評価(おおよそ)】
61.6点。

【個人的評価】
色々と「他のと違う」というのは感じていたが、単純にトップクラスに好きだった作品。特に作画が好きだった。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 ルパンベスト10のためのレビュー。↓以下同文。
{netabare}
 まだ私が無垢な魂をぶら下げて山野を駆け巡っていた頃、風邪をひくと隣町の小児科に行き、ついでに隣町のレンタル屋で「ビデオ」を借りてきて、布団の中でそれを見ながら、私の液性免疫が急性上気道炎を撃退するのを待つ、という風習が我が家にはあった。
 その「ビデオ」(現在で言うDVDの立ち位置)はほとんどがアニメ映画であり、そのため私は、私が受精卵としてすら存在していなかったときの古いアニメ映画をほとんど知っている。
 ジブリコンプリートなどは我が家にとっては序の口で、ルパン映画、劇場版クレヨンしんちゃん、劇場版ドラえもんなどはほぼ制覇したと思われる。 その中でクレヨンしんちゃんとドラえもんはあまり覚えていないが、ルパン三世は当時の汚れ始めた私の魂にジャストフィットしたらしく、各作品を非常に鮮明に覚えている。

 で、今回ルパンベスト10を作ろうと思い立って、ついでに短めにレビュー書きます。最低でも10個書かなあかん(笑)
 あ、ルパン三世のテレビアニメ1期もたぶん「ビデオ」で観てるんですが、さすがに作画が古すぎて心に留まらなかったようで覚えてないです。だから「ルパンは本来こういうものなのだ!」みたいなのは無理っす。原作も知らないし、というかモンキー・D・パンチさんが何者かもいまいちわかってないし、栗田貫一さんの声に何の違和感も感じてません(笑)
 そういう若輩者の素直な感想です。
{/netabare}

 声優陣を総入れ替えして「ルパン三世のテーマ」を使わなかった作品。当時はかなり波紋を生んだ。

 というのをwikiで知って、いまびっくりした。
 ルパンの声が違うのはもちろんわかっていたが、作画の躍動感、ストーリー展開、ダンジョンを攻略する感じとか、とっつぁんの立ち位置とかかなり好きだった作品。
 幼い私にはこの「他と違う感じ」が新鮮で良かった。「セラヴィと言わないで」というテーマ曲も印象に残っている。好きな作品。まだルパンを知らない人は、ルパンに対する固定観念が出来上がる前に見てほしい作品。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

声優総入れ替えで波紋を起こした作品?

1987年12月公開された劇場版シリーズ第Ⅲ作。73分。
もともとはシリーズ初のOVA作品として企画されていた。

レギュラーの声だけ入れ替えたら人気再燃しそうな作品。
映像は結構面白い。風魔ということで和風テイストでも
あるせいか、作画や色彩も見やすい気がする。
キャラのデザインも見慣れてるデザインに近い。

ルパンと銭形の声は殺意が覚醒めるレベルで残念。

山田康雄のコミカルな演技を是としないスタッフの意図で
変更がなされたとの情報もあるらしいけど古川登志夫さん
の演技はそれ以上に軽く滑稽・・というより妙に軽薄・・

うる星やつら(諸星あたる)のイメージが既に大ヒットして
いてイメージ的に山田以上に三枚目な演技が定着していた
はずなので・・単純にギャランティの問題のみに感じた。
イメージ一新なら徹底して渋いルパンを演じて欲しかった。

しかもケチったギャラ以上に売上が減るのでは本末転倒と、
至極当然の結果を叩き出した作品のような気もする。

風魔一族の壺の争奪バトル描写や温泉宿内のカーチェイス
等映像面は本当に良く出来ていると思う。




ルパン三世:古川登志夫
石川五ェ門:塩沢兼人
次元大介:銀河万丈
峰不二子:小山茉美
銭形警部:加藤精三

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

58.4 14 1987年度アニメランキング14位
デジタル・デビル物語 女神転生(アニメ映画)

1987年3月27日
★★★★☆ 3.1 (18)
60人が棚に入れました
西谷史の同名小説を原作にしたSF伝奇ロマン。OVAとして制作された後、劇場公開されている。ナムコの人気ゲーム「女神転生」シリーズの原点となった作品。白鷺弓子の転校した十聖高校には、コンピューターに関して天才的な頭脳を持つ中島朱実という少年がいた。彼はコンピューターで悪魔ロキを呼び出し、学校を支配しているのだった。悪魔の生け贄に女教師を献上した後、朱実は弓子に狙いを定めた。だが、弓子が生け贄にされようとしたその時、突如としてロキが実体化し、生徒たちを飲み込みはじめた。すでにロキは朱実のコントロールから離れ、自由に動き回るチャンスを窺っていたのだ…。

おなべ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作のダイジェスト?

「女神転生」シリーズの原点とも言える西谷史の「デジタル・デビル・ストーリー」の映像化作品。原作は未読です。

私は略してメガテンのゲームは一切合切やったことがないですが、いつかはプレイしたいので、その前に映像作品なんかないか探して見つけたのがこれです。ペルソナ、デビルサバイバー2等、外伝はテレビアニメ化もしているのに、本家はあまり映像作品がないみたいですね。


前置きはこれくらいにしておき…。
このアニメが製作されたのは1987年。作中ではパソコンがキーアイテムとして出てくる一方、今では日常茶飯のインターネットがまた浸透していない時代設定なので、やはり多少ズレを感じてしまう所もあります。

作画も演出も今のアニメとはだいぶ違います。言っちゃえば古くさい作画で癖が強く、好き嫌い別れそうですが、アニメーション自体はOVAとあってか、よく動くし、人物も肉付きがあってしっかりしてます。直接的ではありませんが、中々のグロシーンもバッチシ描写。影のハイライトも強いし、画面は暗めだし、どうも昔のOVAはホラー色が強い気がしますね(大好物ですが)。
キャラデザは北爪宏幸さん、作画監督は恩田尚之さん。両者とも「機動戦士ガンダムZ」の制作者で、作風が若干ガンダムっぽいです。



さて、本編の話になりますが、収録時間は僅か47分。
短時間でまとめた構造になっています。何故悪魔がパソコンの中にいるのかさえもろくに解説しないまま、どんどん物語は進んでいくので、原作未読の身からすると、何でそうなるか、ようわからんままエンディングをあっという間に迎えます。
作中にあった伏線も全部回収されないし、題名通りの「女神が転生する」要素も薄い。原作をダイジェストにした感じで、物足りないです。

しかし、短時間ながらもヒロインの弓子さんが中々魅力的。北爪さんのストレート+ロングヘアーという美少女ぷりのキャラデザは勿論、台詞が面白く、序盤はまさに視聴者目線でものを言ってくれます。
「あーあ、嫌な学校に転校してきちゃったな。特に中島って奴」
いやー、本当そうだよね。こんな学校来たくないわ。よく言ってくれた。

テレビシリーズでやってくれたら、もっと面白くなれそうだったので、惜しい作品です。弓子さんの勇姿をもっと見たかったですね。


最後に、作中すげえ気になったことは、音楽がやたらテンション高い。作風は重々しいのに、何でそんなに景気よく軽快なんだよ、これから悪魔倒しにいくよ!って言うような山にピクニックするノリじゃないだろうと悶々していました。
メガテンファンの方はBGMにどう思われるのか、特に気になる所です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
聖闘士星矢 邪神エリス(アニメ映画)

1987年7月18日
★★★★☆ 3.8 (8)
39人が棚に入れました
同タイトルの人気TVアニメから派生した、劇場用作品の第1弾。「東映まんがまつり」におけるプログラムの一環として上映された。 争いの女神エリスが、聖闘士のひとりであるキグナス氷河と面識のあった孤児・絵梨衣の肉体に憑依して地上に復活した。彼女はアテナ・城戸沙織を拉致し、その小宇宙(コスモ)を利用しての完全復活を目論む。そうはさせじと立ち向かうペガサス星矢たち青銅聖闘士の行く手を阻むのは、エリスの魔力で蘇生した亡霊聖闘士(ゴーストセイント)の精鋭たち。ここに戦いの幕が開く! 「邪神エリス」の副題は後年の映像ソフト化の際に付けられたもの。後の映画版で恒例のパターン(弟・瞬のピンチに颯爽と駆けつけるフェニックス一輝、射手座の黄金聖闘衣をまとい敵のボスを射る星矢)は本作で早くも確立された。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
湘南爆走族 III 10オンスの絆(アニメ映画)

1987年10月24日
★★★★☆ 3.8 (7)
33人が棚に入れました
バイクを走らせたら関東一! 湘南爆走族の5人が繰り広げる騒動を描いた青春コメディー。吉田聡の同名のコミックをOVA化、後に劇場公開された。同年8月には江口洋介主演の実写映画も公開されている。湘南爆走族の永遠のライバル“地獄の軍団"の総長・権田。彼はある日、植村先生が学校を退職するというニュースを聞く。植村先生はワルの権田に拳闘部入部を進め、まっすぐにぶつかってきてくれた唯一の先生だ。その日から、権田は必死になってボクシングの練習を始めた。恩師に最後の華を飾らせるため…。“湘爆"メンバーも、そんな彼を陰ながら応援する。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

権田の本気!Rockだぜ!

原作は吉田の代表作暴走族漫画。略称は『湘爆』
少年KINGに1982年から1988年迄連載された作品。

1987年実写劇場版は江口洋助/織田裕二/清水美砂
のデビュー作でその他杉浦幸/杉本彩/翔/竹内力
「噂の刑事トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)
等も出演している。
OVシリーズ一期には声優として浜崎あゆみもいる。
本作はアニメOVA第3作目。アニメはOVA12作迄有る。

湘南海岸を舞台に、「暴走族」と「湘南爆走族」との
抗争や登場人物やグループを中心に友情や恋愛等
を描いた作品で、ギャグやコメディの割合が多い。

不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点ともいえる作品。
後々の同ジャンルの作品に多大な影響を与えている。


3作目漢!権田二毛作。荒くれ者の権田にも心の底で
尊敬できる恩師が居た・・退職する恩師に1度でいい
から何かをしたい・・実は権田ってボクシング部?
顧問であり恩師の退職に手向けの花を・・不器用な
権田にできる事・・青春・・相変わらずの泥臭さ♪

序盤は事故って足を骨折した権田を看病する葵ちゃん
のラブな時間を邪魔する湘爆の面々のギャグ展開からw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

湘南爆走族OVA第3弾

暴走族マンガの原点ともいえる『湘南爆走族』のOVA第1弾。
原作マンガは中高生の頃リアルタイムで読んでいたなぁ・・・。(あぁ、年齢がバレてしまう・・・)

湘南爆走族2代目リーダー兼波打際高校第25代目手芸部部長(!!)の江口洋助をはじめとする5人組・湘南爆走族のメンバーと仲間たち、ライバルの暴走族などとの友情や恋愛を描いた作品。
暴走族マンガらしくケンカのシーンも少しはあるけど、原作は、ほぼコメディ。


本作の主人公は地獄の軍団の総長・権田二毛作。ありがちだけど、感動のストーリーです。
湘南爆走族の面々との熱く愉快な友情が面白い。
彼女同士が友人なのも面白い。

原作に忠実な本作に感謝!!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
みんなあげちゃう(アニメ映画)

1987年3月1日
★★★★☆ 3.9 (2)
29人が棚に入れました
弓月光原作のコミックを映像化した、セクシーシーンも多く盛り込まれたラブコメディ。貧乏浪人生・地下中六郎のアパートに、ある日突然訪ねてきたのは「処女いりませんか?」と宣言する謎の女の子、間宮悠乃。ほどなく仲良く同居することになった二人だったが、実は彼女の正体は日本屈指の大財閥の娘で……六郎を悠乃の恋人として迎えるか否かで揺れる間宮家。ついには私設軍隊を動員しての悠乃奪還作戦まで勃発し……。果たしてこの純愛の行方はいずこに!?

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
キン肉マン 正義超人VS戦士超人(アニメ映画)

1986年12月20日
★★★★☆ 4.0 (2)
26人が棚に入れました
80年代に一大ブームを巻き起こしたマンガ原作のアニメが映画化された作品。本作で、劇場化された作品の数は七本を数える。1987年、正月の東映まんがまつりにて上映された。 鉄火面にさらわれたミートを救出するには、インモラ島にある宝を持ってこなければならない。だが、宝は残虐な戦士超人によって守られていた。 そこで、キン肉マンはテリーマンたち正義超人に助けを求めるが、みなに断られてしまう。やむなく、ひとりインモラ島へ向かうキン肉マン。そして、戦士超人に戦いを挑むも、やはり多勢に無勢。窮地に陥ってしまう。そのとき、現れたのは――。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
ゲゲゲの鬼太郎 激突!!異次元妖怪の大反乱(アニメ映画)

1986年12月20日
★★★★☆ 3.6 (4)
25人が棚に入れました
1986年冬に公開された『ゲゲゲの鬼太郎』劇場版アニメーション第4弾。週刊少年マガジンに連載された「朧車」を原作に武上純希脚本、芝田浩樹監督でアニメーション化。水木しげるとその妻、武良布枝がゲスト出演している。季節外れの冬にやってきた台風を不審に思った鬼太郎の心配が見事に的中。1000年に一度の妖気が集まってできる怪気象と呼ばれる台風が東京に上陸した。その時、テレビに妖怪皇帝が現れ、日本を自らの支配のもと妖怪天国にすると宣言する。鬼太郎は怪気象に潜む謎の妖怪皇帝率いる妖怪集団に立ち向かうため、仲間と共に立ち上がった!

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
アメリカ物語(アニメ映画)

1987年8月1日
★★★★☆ 3.7 (5)
21人が棚に入れました
1885年、ロシアから猫のいない自由な国を夢見て、ネズミの一家が移民してきた。その旅の途中、嵐にあって末っ子ネズミのファイベルが迷子になってしまう。家族を求めて彷徨うファイベルの冒険の物語。子供も大人も楽しめる心暖まる作品。クオリティも高い。ディズニーになりたかった男、スピルバーグの初のアニメーションで、長編アニメ史上最大の興行成績をあげた。リンダ・ロンシュタットとジェームズ・イングラムの歌う“Somewhere Out There"はアカデミー主題歌賞にノミネート。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
ゴキブリたちの黄昏(アニメ映画)

1987年11月21日
★★★★★ 4.2 (3)
17人が棚に入れました
人間に忌み嫌われながらも逞しく生きるゴキブリたちの姿を、実写とアニメーションを合成しながら描く。脚本・監督はこれが第一回作品となる吉田博昭、撮影は三隅研次がそれぞれ担当。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
マップス 伝説のさまよえる星人たち(アニメ映画)

1987年7月21日
★★★★★ 5.0 (2)
16人が棚に入れました
学研の「コミックNORA」に連載された長谷川裕一のSF冒険漫画をアニメ化。アニメの実制作は「赤ずきんチャチャ」などのスタジオぎゃろっぷが手がけている。高校生・十鬼島ゲンはガールフレンドの君塚星見と巨大宇宙船リプミラ号に連れ去られる。ゲンは“さまよえる星人"の秘宝“風まく光"のありかを示した地図を持つ“マップマン"だという。宇宙船の電子頭脳体である女宇宙海賊リプミラと宇宙への冒険に出発するゲンたちだが、その行く手には…。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
Bugってハニー メガロム少女舞4622(アニメ映画)

1987年7月21日
★★★★☆ 4.0 (2)
16人が棚に入れました
巨大鉛筆型コンピュータ「ハニコム」によって平和が保たれたトイコンワールド。そこで暮らす住人はメモリーを持つコンピュータ人間で、主人公リオはそのメモリーの修理の仕事をしていた。ある日、リオの恋人メガロム少女マイのメモリーが、ダイキュラーに奪われてしまう。メモリーを奪ったダイキュラーの目的は、マイをコントロールして高橋原人を倒すことだった……。ハドソン発売のファミコンソフト『高橋名人の冒険島』の世界観をベースに、オリジナルの登場人物や独自の展開を加え、キッズアニメとして制作されたメディアミックス作品『Bugってハニー』。1986年~1987年まで全51話のTVシリーズとして放送されたのち、本作『メガロム少女舞4622』が劇場版として公開された。

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
PUSH おす(アニメ映画)

1987年8月21日
★★★★☆ 3.6 (6)
15人が棚に入れました
手塚治虫が原案、構成、演出、作画を手がけた、約4分の短編アニメ。荒野をボロボロの軍用ジープで走る、むさい風体の男。彼は道中で出会う数種類の自動販売機のボタンを押し、ドリンク、洋服、体のクリーニング、そして車やペットの購入……と何でも下取りさせての購入、あるいは完全新規に買っていく。やがて多くの販売機が並ぶショップに入った男は、そこで神様に対面。あるものを買い直したい、と言うが……。アニメ分野での手塚の晩年の代表作『森の伝説』の完成が延期されたため、国際アニメーション・フェスティバルに出品するため急遽、制作された掌編。何でも自動販売機で買える便利な世界を舞台に、ダイレクトな文明風刺テーマを織り込んでいる。

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

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手塚治虫の短編アニメーション集のひとつ

[あらすじ]
荒廃した世界に車を走らせる男性…、ぼろぼろの服ボロボロの靴ぼさぼさの頭。そんな荒野にポツンとある販売機、ボタンを押せば何でも出てくる。空の水筒を入れれば満タンの冷えた水筒が。汚れた服を入れれば、きれいな背広に。次は髪をとかして、次は車を新品の空飛ぶ車に。死んだ動物を入れればロボットに。。。そして、その先に、男がたどり着いた真実とは・・・・?

・・・

・・

[感想]
このアニメーションはストレートなメッセージ性がこの頃の作家らしくていいですね。急激に成長していく文明に、みんな少なからず危機感を感じていた。この世界はボタンひとつで何でも解決するし、何もかもを台無しにできる。コンセプトもデザインもメッセージ性も時代を感じるけれど決して古くはならない。忘れることのできない日本のアニメーションの一つ。


ここまで読んでくれて、

『ありがとうございました』

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

虚言癖 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ボタン一つで、何もかもできる便利な世界だが……

ショートアニメーション。

荒廃した世界を一人の男が車に乗って疾走する。

様々なものがボタン一つで手に入る様子で男は満足げ。

やがて辿り着く先で、求めるモノは……。

メッセージ性は単純明快で分かりやすい分、心にくるものがある。
ボタン一つで様々なものが手に入る様を羨ましく思った反面
後半のたった一つのセリフが重々しくのしかかって来る。

シンプルイズベスト。
主張を簡潔に、わかりやすくそれでいて見やすく描いた。

実に素晴らしい作品でした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

計測不能 15 1987年度アニメランキング15位
村正(アニメ映画)

1987年8月21日
★★★★☆ 3.7 (5)
15人が棚に入れました
手塚治虫が原案・構成・演出を、切り絵作家の百鬼丸がキャラクターデザインを担当。第2回広島国際アニーメーションフェスティバルに出品された、実験的色合いの強い短編アニメ。わら人形に突き刺さっていた妖剣・村正。それを抜いてしまった武士は、切れ味を試したいという誘惑に逆らえず、わら人形を見るたびに斬りつけずにはいられなくなってしまう。だが、わら人形だったはずのものは、斬ると同時に人間の姿に変わってゆき…。

虚言癖 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

始まりと終わりがつながる物語

拾った刀に魅力、誘惑に取りつかれ人を切りたくて
仕方なくなってしまった男の様を描く本作。

結末は示唆されていた通りに描かれ、
大きな感動も、感激もないがそれでも
男の葛藤を描く様は緊張感にあふれ、はらはらとさせられる。

冗長といえば冗長かもしれない。
コンパクトにまとめようと思えばできる作品だが
私的にはちょうどよい尺であった。

物語性はどこか教訓めいたものを感じる。
受け取る側によって解釈は少し変わってくるかもしれない。

昨今のショートアニメーションとしては毛色が違うため
興味を持つ層は限られるかもしれないが、
このような作品もあると知っておくのもいいかもしれない。

私はそう感じた。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0
12
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