2007年度に放送されたアニメ映画一覧 61

あにこれの全ユーザーが2007年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月24日の時点で一番の2007年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

×

絞り込み

年代別アニメ一覧

87.0 1 2007年度アニメランキング1位
秒速5センチメートル(アニメ映画)

2007年3月3日
★★★★☆ 3.9 (3987)
18428人が棚に入れました
東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。

声優・キャラクター
水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綺麗です!芸術作品ですけど!?

私この作品勘違いしてました…短編三部作をショートストーリー3本と…q(T▽Tq)
それに途中気付いて、最初から見直しました(/ω\) ハジカシー
こんな間違えする人はいないと思いますが、主人公の少年・青年・社会人の頃の儚く切ない恋物語です♪
 
正直な感想ですが、あまりにも人に薦め辛い作品だなぁと思っちゃいました(A゚∇゚)ハテッ?
カテゴリー的にはアニメと言うよりも、芸術品っていう『作品』なのです。
観る人の聴覚・視覚を巧みな手法や演出や音響技術で、なんだか懐かしいような、身近でリアルな感覚にさせてくれましたのです♪
演出に所々サブリミナル効果が隠されているのです。鈍感な私には、一箇所しか見つけられませんでした♪
2度目の視聴の時にでも探してみてもらうと良いかも知れませんよ♪
もう一度いいますw芸術作品ですw耳を澄まして、音を感じ、リアルな映像でリアルと錯覚して、山崎まさよしの挿入歌で泣く!?ここが一番の泣き所かなぁw
 
ここまで色々書いてきたのですが…(*_ _)人ゴメンナサイ…物語が肌に合わず好きになれませんでした♪
一番盛り上がったのが青年時代で、その後は誰にも何も残らずに終わった感じです。
切ない系が好きな人には良いかもですね♪
 
ということなので♪何を期待するかで、評価が分かれる作品だと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 62
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なぜこんな終わり方をする・・・

この映画は三話構成の映画です。

貴方がまだこの映画を見ておられないのであれば、
そしてあなたが、映画で感動や愛情や喜びを得ることを期待されているのであれば、
三話目は見ないことを強くお勧めします。
そうすれば、見終わった後、夢を膨らませ、幸せな気分に浸ることができます。

絵はこの上なく美しく、音楽も大変すばらしい。
第二話までであれば、自信をもって多くの人に推薦できます。

第一話では、主人公の男の子や相手役の女の子の心に大いに共感しました。
二人とも純粋で、一生懸命で、相手のことを思いやっており、
とてもすがすがしく感じました。

第二話は、男の子に片思いをしている女の子の話です。
男の子は第一話に出てきた子です。
片思いの女の子がとてもけなげで、ちょっぴり切ないです。
男の子には好きな人がいるので、決して振り向いてはくれません。
男の子は、第一話に出てきた女の子のことをすごく大切にしています。
第二話を見終わった後、これから先の展開が楽しみになってきました。


映画とは、観客に感動や喜び、楽しさ、夢を与えてくれるものだと私は思っています。
疲れたときや落ち込んだ時には、映画から元気を与えてもらえます。
(他の理由で映画を見られる方、ごめんなさい)

自分勝手な主張で申し訳ありませんが、
監督さんには、元気を失くしたり生きる気力を失くすような映画を創っていただかないよう、お願いします。
{netabare}
2019/2/24追記
実は、第三話は、私自身も思い当たることがあるのでつらいです。

都会でコンピューター関係の仕事をするということは(他の仕事も大差ないと思いますが…)
自由な時間があまりなく、仕事以外は寝ているか食べているかが殆どです。
寝ているときも、夢の中でプログラム解析をついついしてしまいます。
そして障害の箇所に気づくと、汗びっしょりで急に目覚めます。

だから私的なことを考える余裕があまりありません。
ついつい身内に冷たくなります。
そして、少しずつ疎遠になる。

そんな現実があるにせよ、
私は空元気でも見せかけでもいいので、笑っていたい。
そうすることで相手の人が安心してくれるのなら、それが良いと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 90

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございます。

桜の花びらの落ちる速度は秒速5センチメートルだそうでございます。桜の花びらがヒラヒラと落ちるがごとく、この作品はワタクシの胸の中をヒラヒラと舞って掻き乱し、そして深い余韻と共に胸の奥底に積もっていきました。とても印象に残る、素敵な作品でございました。

お話は桜花抄(おうかしょう)、コスモナウト、秒速5センチメートルの3話構成となっております。それぞれが小学生時代~中学生時代、高校時代、そして社会人と3つの時代のエピソードを書いたものでございます。各話20~30分程度と短いお話となっておりますが、可能な限り続けて鑑賞されることをお勧めいたします。そうする事で、主人公の遠野貴樹様の胸中をより深く伺い知ることが出来るかと存じます。

ご覧になった皆様が口を揃えておっしゃいますが、ともかく作画が綺麗でございます。綺麗・・・いいえ。そんな一言で表現出来ない、別次元の感覚でございます。作画だけで物語を語ることが出来る。それ程までに素晴らしい出来であるとワタクシは感じました。必見でございます。

小学生時代~中学生時代のエピソードで有る桜花抄。こちらで篠原 明里様役を担当されている近藤 好美様の演技がともかく素晴らしかった。余り有名な方では無い様でございますが、切ない女心をせつせつと語るその口調。言葉に込められた思い・感情。一言一言が胸に刺さる様でございました。

本作は台詞の無い”間”の使い方が絶妙でございました。降りしきる雪の中で見つめ合う2人、夕暮れの道を並んで歩く2人、草原の中で佇む主人公etc・・・。台詞はなく、ただ風の音、虫の声だけが流れる・・・。
ナレーション等はございませんが、作品に感情移入すればする程、その”間”は自然と言葉を発して参ります。”声”では無いけれど、心に直接語りかけて来るかの様でございます。そして受け取る方によって、その言葉の内容は異なる物になるのでございましょう。

最終話の終わり方が説明不足と言う意見も耳にいたします。しかしでございます。ワタクシは言葉の無い、この”間”が全てを語ってくれていると思うのでございます。そしてその事が、あえて観る側で独自の物語を作ることを許してくれていると思うのでございます。それは中学生時代の初恋に重ねるのかも知れません。高校時代の片思い? それとも今愛しているあの人の事でございましょうか?
貴方にとって、この”間”はどんな言葉を語りかけてくれるのでしょうか? どんな物語を紡いでくれるのでしょうか?
本作では手紙、メールと言った手段がとても上手く使われており、印象的でございました。
最後に作中で登場いたします遠野貴樹様、澄田 花苗様のお二人にお手紙を書いてみたいと存じます。


前略 澄田 花苗様
結果的に貴方様の恋は叶いませんでしたが、その恋はとても美しい思い出を残してくれましたね。とても純粋で一途な恋。かけがえのない思い出。羨ましいぐらいに素敵な財産です。貴方様のその魅力に、いつか惹かれる男性が現れます。美しい思い出を持つ貴方は美しい。どうかご自分に自信を持って、明日を前向きに進んで下さい。心より応援いたします。
草々


拝啓 遠野 貴樹様
貴方様のその一途な思い、深く深くワタクシの胸に突き刺さりました。でもね、貴樹様。貴方様がそこまで愛した女性・・・。どんな事が有っても、その手を離すべきでは無かったとワタクシは思うのですよ。距離が何ですか?時間が何ですか?そんな物は本当に障壁ですか? 貴方の愛が本物ならば、どんな障壁であっても乗り越えて欲しかった。
貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございますヨ。ワタクシからのささやかなアドバイスでございます。
敬具

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

81.4 2 2007年度アニメランキング2位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(アニメ映画)

2007年9月1日
★★★★★ 4.1 (1756)
10494人が棚に入れました
かつて地球を襲った大災害・セカンドインパクトにより、人類はその半分が死に至った。幾ばくかの年月が流れ、その大惨事より復興しつつあった人類に、突如として使徒と呼称される謎の生命体が攻撃を仕掛けてきた。
国連の下部組織である特務機関NERV(ネルフ)は、極秘に開発されていた汎用ヒト型兵器人造人間エヴァンゲリオンによって襲来する使徒を迎え撃つ作戦を開始する。NERVの司令官である碇ゲンドウは、14歳の息子「碇シンジ」にエヴァンゲリオン初号機のパイロットになることを強いる。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まさかのリメイク・リテイク?

10年の時を経てまさかの再製作。

新劇場版3(4?)部作の『序』・『破』・『Q』・『?』の1作目です。

『序』はTV版1~6話とほぼ同じ流れで話が進んで行きます。

しかしながらTV版にはなかった宇宙空間での描写。アダム発掘?、まるで予定調和なのかと思うがごとく空けられている第1~4の少年少女の棺?そこから出てくる早々のカオル君の登場。

旧作に詳しい方ほどたまらないサービスですね☆

またラミエル(劇場版では名前出てないけど)との戦闘シーンは圧巻の一言でした。

やはりエヴァは面白い。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

σ(・・*)アタシ的エヴァ補完計画発令!!

■(≧∇≦)ъ ナイスリメイクです!!
かなり作画が綺麗になって細かいところまで描かれている印象ですね♪
出来ることならば、TVアニメ版を未視聴な場合はTVアニメ版を視聴した上でご覧になられることをお薦めしたいですね!!
もちろん、「序」だけでも十分エヴァの魅力は感じられますよ♪
ただ、ストーリー的にはTV版を凝縮して微調整してこの「序」が制作されているのです。
その「微調整」こそが新劇場版の魅力の部分だと思っていますので、新劇場版とTV版の両方を視聴するとより一層エヴァの世界観を満喫できるはずですよ♪
 
 
■「微調整」の魅力って(*゚・゚)ンッ?
まずは、CGを使った細部までこだわって描かれている第3新東京市のギミックの描写なと必見です!
もちろん戦闘シーンの描写にも反映されていますね。
もともと他のロボットアニメとは違ってスピード感あふれる戦闘シーンは無く、戦闘時の緊迫感、恐怖感、息使い、表情など、搭乗者の心理状況をうまく描いている息を飲むような戦闘シーンがエヴァの良さなのですけど、エヴァや使徒の動きがスムーズになった事で、特に第5使徒ラミエルとの戦闘はシーン圧巻でした♪
ラミエルの生体意識がかなりレベルアップされていて、攻守において最適な形に変形するさまは観ている人に恐怖感と絶望感を与えてくれました!
 
それと、もう一つ注目は登場人物の性格や状況が微妙に違ってきています。
シンジもちょっとだけ積極的になっているように感じます。
父ゲンドウに対する気持ちをクローズアップしている発言もありまたね!
ミサトさんの立ち位置もちょこっと変化があるので、そんなところに注目してみてもらっても面白いと思いますよ♪
 
 
■総評
ストーリーに新しい展開が見え隠れするのが「序」の魅力ではないでしょうか?
ただのTV版のダイジェスト版ではなく、まったく新しいエヴァの始まりこそが「序」だと私は思っているのです♪
リリスやカヲルの描写からもそれは感じられますね!
それと、コミカルな部分が大幅カットされていますけど、ミサトさんの( ̄▽ ̄)=3 プハァー がまた見れたのは個人的に嬉しかったです♪
 
新劇場版は「破」までしか公開されていませんけど、「Q」⇒「FINAL?」とどんな結末になるのかとっても気になりますし楽しみでしょうがないです((o(^-^)o))ワクワク♪
σ(・・*)アタシのエヴァ補完計画はここから始まりました♪
 
 
2011.08.21・第一の手記

投稿 : 2024/04/20
♥ : 32

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「帰ってきたウルトラマンって知っていますか?コレは帰ってきたウルトラマンの6話までなんですよ」

当時、公開直前のインタビューでそう発言したのはあの大月Pでした
まず庵野監督が熱烈な『帰ってきたウルトラマン』ファンであることとは別にし、『帰ってきたウルトラマン』という作品に対して少し・・・


『帰ってきた~』という作品の前章となった『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』といったシリーズは子供向け番組とは思えないほど本格的なSFドラマだったんですね
『社会風刺や想定科学などテーマ性をハッキリさせたお話』と『冒険心をくすぐるミステリアスな雰囲気の演出』でどちらかと言えば『大人のおとぎ話』的なイメージが強かったんです
ところが『帰ってきた~』では主人公の心理描写や周辺人物を絡めたドラマ性にスポットを当てた作品に路線変更したんです
主人公の挫折や苦悩を乗り越える様、力を持つことへの慢心や仲間との軋轢、ヒーローとしての隙の無い人物像よりもプライベートでの素顔などが中心に描かれたのです


その面たる様子が顕著なのが第6話までなのです
「初代ウルトラマンで培われた『ヒーローは無敵』というイメージをあっさり破り、いきなりウルトラマンが怪獣に敗北↓
そこからスポ根モノばりに主人公の努力と葛藤の日々、そして仲間との友情によってウルトラマンが復活↓
見事怪獣を撃破する」
ここまでで『帰ってきた~』全体のパターンが、ある程度確立されるんです
ソレ以降はほとんど予定調和の繰り返しで、大袈裟に言うと第6話までで『帰ってきた~』の半分以上は完結した。と言っても良いです


さて、もし『エヴァ序』をご視聴済みの方でこのレビューを読んで頂いてる方がいらっしゃったらもうお解りいただけたかと思います
『帰ってきた~』の第6話まで、とはまんま『エヴァ序』の内容なんですよね


主人公、碇シンジの苦悩と挫折からの葛藤、そして復活、勝利
それこそ、旧シリーズ序盤のエンターティメント性を最大限に盛り上げて解き放った「娯楽作品」としてのリビルドでした


そうそう、新劇場版制作に当たってのキャッチコピーであるこの「リビルド」と言う言葉
リメイクでもリバイバルでもないこの「リビルド」とはすなわち「再構築」の意
古くなった物を直して新品同様にするという意味合いで用いられるのですが、これを新劇場版の代名詞とする理由には
【古くなってしまった作品を現代の技術と価値観で蘇らせる】
という意味を込めたのだとオイラは思っています


あにこれのレビューなんかでもチラホラと年齢層の低めな方からの投稿で「旧シリーズは難解で何処が面白かったのかよくわからない」というものを目にします
いや、もちろん旧シリーズ当時からそういう話題は絶えなかったんですね
オイラも放映当時は小学校低学年で意味サッパリでしたしw


エヴァブームも全盛期からすればだいぶ沈静化してきていて、特にあにこれユーザーのような第1線で戦う優秀なアニヲタの皆様には『過去の偉大な名作だけど正直そんなの聞き飽きた』って方も多々いらっしゃることでしょう
そういったマーケットニーズの変化に対応すべく、『エヴァ序』は【現代の大衆娯楽へリビルドされた】のだとオイラは思いました


そしてこれはオイラが旧シリーズ時代のファンであることを踏まえた上での結論ですが・・・
「『エヴァ序』を旧エヴァと比較することは出来ないです」


一本の娯楽映画として大変優れた作品であると同時に、旧テレビシリーズの持っていたキャラクター一人ひとりのセンシティブな心情の描写が薄っぺらくなり、セリフの一つひとつもオイラには軽々しく聞こえてしまいました
旧シリーズ当時のエヴァという作品が醸し出していたあの心のダークサイドを描かんとする姿勢、それまでのメインストリームを外しながらも人々の心を掴むという他に類を見ない様な特別性
これらが格段に弱くなっていて『素晴らしい出来栄えだがありがちな感じのする一本』という印象です


だから旧エヴァと新劇場版を同じ作品、同じエヴァとして見ることはとてもじゃないですがオイラには【不可能】だと感じました
だから「エヴァとは違う、なんか別のアニメだよ」と自分に言い聞かせながらも今後Q以降の展開に期待をしたい、と今は思っています

投稿 : 2024/04/20
♥ : 22

76.5 3 2007年度アニメランキング3位
空の境界 第一章 俯瞰風景[フカンフウケイ](アニメ映画)

2007年12月1日
★★★★★ 4.1 (1103)
6342人が棚に入れました
落下する少女の夢、俯瞰を断つ直死の眼 連続する少女たちの飛び降り自殺。現場はすべて、かつては街のシンボルタワー、今では廃墟と化した巫条ビル。屋上には浮遊する「霧絵」がいた…。\nそして事件が5件を数えた頃、万物の生の綻びと死線を視る能力「直死の魔眼」を持つ両儀式が謎に挑む。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、藤村歩、田中理恵

ZIN さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

映画館で全てみました。感想も見てくれると嬉しいですw

原作を読み終わり、その後、劇場版を映画館まで観に行きましたww(原作7章・未来福音?及び劇場版7章全て見ました)

話の流れとして医学的な話や、陰陽五行の話などが出てきますしそれを更にややこしく書かれていたり、描かれているので難しいかなと正直思います。

声優の配役は統一されていたと思います。

原作でも1章~7章は時系列ごとに書かれていないし、劇場版でも原作と同じ時系列で描かれているのでややこしいかな?とも思います。

私は原作を先に見ていたので、割とすんなりと作品に入っていきましたが、見ていない方はなかなか難しいかなとも思います。
ちなみに第1章の「俯瞰風景」の俯瞰とは、「近いものは大きく見えるが遠いものは小さく見える」といった意味だったと思います。

内容はというと上手くコメントできないので、非道く簡潔に言いますと
『主人公が敵?(厳密にいうと敵では無いかな)と戦う、が、その敵には色々複雑な事情があり、その敵を誑かす不貞な輩がおり、その輩がその敵達を唆している。そしてその主人公には想いをよせる?人や、一応頼りにしている上司?がいる。
主人公は一言で言うならば、無垢な存在なんだけど、嗜好が変態的(実際に作品の中で自分で言っている)』
といった内容です。

原作は奈須きのこさんですが、TYPE-MOONではありません。原画は武内氏です。

ストーリーを追っていくなら月姫を先でも後でも良いので見ていくと関連する名前や言葉が出てきますよww

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

圧倒的なクオリティの映像と音楽で描くポエム

原作未読。
全8章からなる物語の1章目。約50分。

まずは「空の境界(からのきょうかい)」シリーズに共通することを紹介します。

圧倒的な映像美と、ダイナミックな動き。
映画的なカメラワークが使われ、画面全体に立体感が溢れています。

その中に隠れる、独特な色使い。
蒼に対する橙、赤に対する緑。
色で言うと正反対、補色関係にある光の使い方が特徴。

この表現は「相反する二つのもの」というメッセージを表しています。
これに加えて「生と死」「殺人」という非日常なテーマを扱っている作品です。

そして、バトルシーンもありますが、どれも圧巻。
作画・演出を担当しているのは、Fate/Zeroを作ったufotable。
その会社が、映画用に力の入ったクオリティで描いています。

また、梶浦由記が作曲し、Kalafinaが歌うエンディングテーマはどれも素晴らしく、内容にも深くリンクしています。
まったくハズレがないと言ってもいいほどです。

キャラクターたちも魅力的です。
メインキャラクターは以下。

・両儀式(りょうぎしき)
・黒桐幹也(こくとうみきや)
・黒桐鮮花(こくとうあざか)
・蒼崎橙子(あおざきとうこ)

この名前にも実は意味があるのですが、それは内容を追っていくと分かってきます。


なお、「空の境界」は、時系列が特殊です。

正しい時系列では、
2章→4章→3章→1章→5章→6章→7章→8章

詳しくは、
{netabare}
2章(1995年9月)
4章(1998年6月)
3章(1998年7月)
1章(1998年9月)
5章(1998年11月)
6章(1999年1月)
7章(1999年2月)
8章(1999年3月)
{/netabare}

そのため、1章だけを観ても状況が掴めません。
それに加えて、難解で抽象的なストーリーや台詞。
同じ言葉をさまざまな別の言葉で言い換えていたり、辞書に載っている意味とは違う意味で用いたりしています。
一つ一つ紐解いていく必要がある、「言葉のあやとり」のような会話です。

また、その映像美がある意味「壁」を作っています。
「死」や「殺人」を扱っているため、死体や血しぶきの表現がリアルで、グロテスクです。
苦手な人には辛いかもしれません。

この1章が、このシリーズ全体を観られるかどうかの「境界線」になっていると思います。
その境界線をまたぐことができたなら、終章まで楽しめると思います。


ここからは考察です。

俯瞰風景 → ココ
殺人考察(前) → http://www.anikore.jp/review/450923/
痛覚残留 → http://www.anikore.jp/review/452086/
伽藍の洞 → http://www.anikore.jp/review/452849/
矛盾螺旋 → http://www.anikore.jp/review/456943/
忘却録音 → http://www.anikore.jp/review/466298/
殺人考察(後) → http://www.anikore.jp/review/491929/
空の境界 → http://www.anikore.jp/review/491992/


【1章「俯瞰風景」の考察】
{netabare}
1998年9月の話。

EDテーマは「oblivious」
「~に気付かないで」という意味。


「狭い空間」とは「現実」を表しており、「広い空間」とは「理想」を表しています。

「俯瞰」、つまり、客観的な視点で見たときに、理想と現実の間の距離を感じてしまう。
それが「遠い」という感情を呼び起こし、「逃げ出したい」という気持ちに繋がっていきます。

ビルから投身自殺した少女たち。
橙子「彼女たちは、本当は死ぬつもりはなかった」
「逃走」していた彼女たち。
「浮遊」していたが、暗示をかけられ「境界」を乗り越えて、「飛行」という手段を選んでしまった。

では、「逃走」「浮遊」「飛行」とは何か?

式「地に足が付いていない。飛んでいるのか?浮いているのか?」
橙子「逃走には2種類ある」
幹也「トンボを追いかける蝶々の夢を見た」

この3つのセリフにヒントが隠されています。
「逃走」は2つに分けられます。

1つは「浮遊」
・目的のない逃走
・永久に続けなければいけない勇気

浮遊するように羽ばたく蝶々に例えられています。
目の前の辛い現実から目を背けず、現状に耐え続けること。


もう1つは「飛行」
・目的のある逃走
・一時の勇気

トンボを一生懸命に追いかける蝶々に例えられています。
自分の弱さに耐えきれなくなったとき、人は「飛行」を選ぶ。
つまり「死」という、幹也に言わせれば「極論だけど甘え。けれど、否定できないし、反論もできない」選択肢です。
トンボを追いかけた蝶々がやがて力尽き、地上に墜落してしまうように。

これには、
トンボ=黒桐幹也
蝶々=巫条霧絵
という現実の関係を表す、もう1つの意味も含まれています。

橙子「我々は、背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道によって罪を背負うべきだ」
橙子はそう言いましたが、巫条霧絵は、自らの罪に耐えきれず、また、1度経験した「死」に魅了されたこともあり、ビルからの飛び降り自殺という「飛行」を選びました。

空(そら)に浮かぶ、空(そら)を飛ぶ、その2つの境界線。
それを上から眺めた俯瞰風景を知ってしまったがゆえの行動。

「飛行」という方法に気付かなければ、選ばなかったはずなのに……。


なぜこのようなことになったのかは、後の章で分かってきます。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 56

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ひたぎさんより怖い女、”両儀 式” あんた怖すぎだよ・・・。

(内容について)
本作品は面白い作品ですが、人を選ぶかも知れませんね。

第一章 俯瞰風景
第二章 殺人考察(前)
第三章痛覚残留
第四章 伽藍の洞
第五章 矛盾螺旋
第六章 忘却録音
第七章 殺人考察(後)
「空の境界」は全7作品で構成されます。BD-BOXだと、他に「終章」(後述)と「Remix -Gate of seventh heaven-」、「全七章の軌跡」が収録されています。
本レビューでは、全七作品についてまとめてコメントさせていただきますね。


本作は死をテーマにした作品です。殺人という行為を通して生・死についての意味を表現しているのかな。
作品中、殺人シーンや戦闘シーンでは血しぶきドピュドピュ、手や足があっちゃこっちゃ状態で、そういうのが弱い人は余り見ない方が良いカモです(でもR指定は無いので、一応規制範囲内の描写みたいですね)。


原作は長編小説で、原作をご存じ無い方だと本作品は少しとっつきづらく感じてしまうかも知れません。理由は作品を一章から見ても設定や背景について説明されない為、人によっては置いてきぼり感を感じてしまう可能性があります。でも二章、三章・・・と観つづけていくと、時系列こそ前後してしまう時はありますが、ちゃんと設定・背景について説明があります。なのでそこまで見続けるモチベーションを維持出来るのであれば、この作品の物語としての完成度にきっと驚いてしまう事と思いますよ。


キャラクタの作画についてですが、ちょっと賛否両論あるかも知れません。メインヒロインの両儀 式さんですが、設定上中性的な顔立ちとされている為、好みによっては男性からも女性からも好かれない可能性があります。正直私的にもあんまり好きな顔では無いです。


さて両儀 式さん。ちまたでは化物語主人公の”ひたぎ”さんが危ない女としてあげられていますが、両儀 式さんの危なさはそれ以上!ともかくヤバイ、マズイ、怖ひ・・・。
まぁでもこのお方、とっても強いんです。剣術も達人級ですし、体術も相当なもの。この方が怒ると、目がピカーって光って襲い来る敵をバッタバッタとなぎ倒す。う~んカッコよす。
そんな訳で、本作品の見所はなんと言っても派手な戦闘シーンでしょう。戦闘が始まると、タイミングドンピシャ(あ、当たり前ですね)でメチャクチャカッコ良い音楽が掛かって場を盛り上げます。特にカッコ良いのが四章の病室でのシーン、それと五章の最終決戦シーン。これはも~鳥肌ものですよ、本当に! ここだけでも良いから(オイ)絶対観てね!


前述しました通り、最初は物語の設定や背景が解らずに戸惑うかも知れません。また難解な定義説明シーンがちょっと多いかな。でもそれで観るのを止めてしまうのはもったいない作品ですので、先ずは最初の1回は純粋に戦闘シーンのカッコ良さを満喫して下さい。次にもう1回観れる機会があるなら、今度はじっくりと物語の構成を楽しんで下さい。とても良く出来たお話で有るという事を解っていただけると思います。(作品冒頭からちゃんと伏線が張られている事などに気がつくと、きっと関心しちゃいますよ)


あ、そうそうBD-BOXに収録されている「終章」ですが、全編対話シーンだけで構成されます。観ると物語の終わりを締めくくるに相応しい内容が語られますが、観なければ観ないで支障の無い内容です。なのでストリーミング配信等の手段で観られる方は、無理をしてまで観る内容では無いかと思います。


(BD-BOXの事を少しだけ)
Blu-ray Disc Box版にて鑑賞しました。どうでも良いことですが、これ箱がでかすぎ。本棚に収まらない・・・。あんまり萌えるキャラでは無いので、”ビジュアルブックとかはいらないから小さくしてね”と個人的には思いました。画質は相当綺麗ですね、細かい点まで描写されていて文句なし。サウンドも5.1chサラウンド対応していますので大きな音で聴けば迫力満点です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

69.4 4 2007年度アニメランキング4位
シュレック3(アニメ映画)

2007年6月30日
★★★★★ 4.2 (10)
80人が棚に入れました
おとぎの国を舞台に、緑の怪物シュレックとその仲間たちの冒険をパロディ満載で描く人気ファンタジー・アドベンチャーのシリーズ第3弾。今回は王位継承をめぐり、後継者を探す旅に出るシュレックたちと王位奪取を画策する悪役たちが未来をかけたバトル・ロイヤルを繰り広げる。監督は長編アニメ初メガフォンとなるクリス・ミラー。 “遠い遠い国"で幸せな生活を送っていたシュレックとフィオナ。だがある日、ハロルド国王が病に倒れてしまい、なんとシュレックが後継者に指名される事態に。しかし王様なんてまっぴらごめんのシュレックは、もう一人の正統な後継者“アーサー"の存在を知ると、いつもの仲間と共に彼を探す旅に出る。また、フィオナのオメデタも知らされ気もそぞろなシュレック。やがて、一行はアーサーに対面。しかし、彼は頼りない軟弱な高校生だった。一方、王国では、王位を狙っているチャーミング王子が、おとぎ話の悪役たちをけしかけ、国を制圧しようとしていた。フィオナは他の姫たちと“プリンセス5"を結成し、迎え撃つのだが…。

67.4 5 2007年度アニメランキング5位
ストレンヂア 無皇刃譚(アニメ映画)

2007年9月29日
★★★★☆ 3.9 (280)
1322人が棚に入れました
天下を統べる者を失い、度重なる果てに下克上がまかりとおる戦乱の時代。中国から身寄りを亡くした一人の少年、仔太郎が、僧である祥庵に連れられて海を渡り日本に上陸して来た。仔太郎の体内に"隠された秘密"を求め、明国の謎の武装集団が日本へ上陸して来た事から物語は始まる。祥庵の庇護も失い天涯孤独となった仔太郎は愛犬・飛丸ととある荒寺で自らの名と共に刀を捨てた男、"名無し"と出会う。武装集団の襲撃に居合せたのを切っ掛けに仔太郎の用心棒として雇われた名無し。初めは互いに対し反感を覚えるが、徐々に絆を深めてゆく名無しと仔太郎。 一方、追手の武装集団の頭目・白鷲は赤池城の領主と追撃の連携を取りながら、怪しい儀式の準備を着順と進めていた。

声優・キャラクター
長瀬智也、知念侑李、竹中直人、山寺宏一、石塚運昇、宮野真守、坂本真綾、大塚明夫

なめこん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

スピード感溢れ、引き込まれる!

まず作画がとっても綺麗でした!
個人的に刀や着物が好きなのでこのアニメ映画はツボでした!
るろうに剣心が好きな人は好きかもですw

キャラクターの過去がちらちらと見え隠れするあたりがシリアスさを感じさせました。シリアスの中にも、わんちゃんとこたろうのほんわかした雰囲気があり重くなりすぎないあたりがとっても良かったです♪描写は過激だと思われるかもしれませんが、ストーリー性はそれを勝るものがありますwwこたろうと名無しの絆にも感動…‼

投稿 : 2024/04/20
♥ : 3

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

死闘を繰り広げる2人の漢

舞台となるのは戦乱の世の日本。
大陸(明国)からの武装集団が中国語を使うので字幕になり
そこからくるオリエンタルな雰囲気も、なかなか良かった。

はじめて視聴した時はまったく予備知識もなく、期待もなかったのだが
キレのあるアクションシーンに思わず身を乗り出した。
観終えたあと調べたら、監督は安藤真裕氏。
劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』での人物アクションを
中心としたアニメートを得意とする演出家でもあり、この作品が初監督だったらしい。

物語の細かな設定部分は、あまり多くは語られず、
それが納得できるか否かで評価は分かれそうだが、
アクションシーンの迫力と緻密さ、メインキャストの男っぽさは最大の魅力!

主人公は、ある戦乱をきっかけに刀と自分の名と過去を封印している名無しと、
両親と死に別れ天涯孤独な少年・仔太郎。
2人の反発し合った出会いから、行動を共にして少しずつ信頼し合い、
絆を深めていく様子には、思わず笑みがこぼれる。
そして武装集団の1人、金髪碧眼の羅狼(らろう)もまた、
独自の視点と信念を持って闘っているところを見ると
メインキャストと呼んでいいのでは・・と思う。

唯一、難点を言えば・・武装集団が日本に来ている理由や、仔太郎が
なぜ彼らから付け狙われるのか、そのあたりは物語の中盤以降になって
ようやく明かされるので、衝撃よりは、じれったさのほうが先立ってしまった。

アクションシーンはいささかグロ気味だけれど、作画はとても美しく、
雨の中、雪の中、それぞれの殺陣がお見事。
天候の特徴を生かしつつ、各人の持ち味を存分に出せていたのではないかな。

一番の見せ処は、やはり後半のクライマックス。
迫力はダントツに増し、アニメ映画ならではのアクションに心躍った。
もうね、「アクション」なんて生易しい言葉じゃ物足りないくらい
「死闘」・・・これですよこれこれ!
そしてそのクライマックスには、佐藤直紀氏による
スケールの大きさを感じさせる音楽も相まって、
なんとなくアメリカ映画『ラストオブモヒカン』を思い出した。

余韻の残るラストに、続編を作ろうとしていたような気配を
感じたけれど、単独作品としても納得はできる終わり方だった。

ちなみに「名無し」の声はTOKIOの長瀬智也。
竹中直人演じる僧侶、祥庵も控えめな演技が光っていた。
俳優を声優として起用するのは悪評が立ちやすいが、このお二人は
すごく役にピタリと合っていたし、違和感はまったくなかった。

どういうわけか、知名度の低い作品だが、もう少し評価されてもいいと思う。
寒さとか雪、決闘シーンっていうとこの作品を必ず思い出す、
個人的には大好きな作品の1つだ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 45

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

その勝負、見事なり。

戦国の世を舞台に、異国の者たちと日本の侍との真剣での切り合いを真正面から描き切った作品。

 大筋は。仔太郎という少年が住む場を戦で焼かれ、育て親の和尚さんの言いつけのとおりある安全な寺を目指す。その道中で逢ったひとりの名無しの侍を雇い、行動を共にする。その間に襲い掛かってくる敵と名無しの侍が戦っていくもの。ストーリーに小細工はなく、戦いメインで点々と進んでいくイメージである。道中で少し退屈なシーンはあるけれども戦闘が始まればその倦怠感も一瞬で吹き飛んでしまう。登場人物の内的葛藤も触れているけれど、あまり深くは入り込み過ぎず、戦いに箔をつけるかたちで留まっている。あくまでも戦闘主体のアニメ映画だということがはっきるとわかるような映画である。

 この戦いのシーンはとにかくすごい。相手を切れば激しい出血があるし、刀や矢が体に刺さる描写もはっきりと描かれ、刺された相手はたっぷり血を吐く。腕だって切られれば、ばっさばっさと落ちる。それは過激で残酷でもあるけれど、人が刀でその身を切られれば血が出るのは当然のことだ。この映画では現実をそのままアニメに移し替えている。流血描写、死の瞬間には妥協も誤魔化しもない。過剰演出にまったく利用していないとは言えないし、もしかしたらそう見えるかもしれない。しかし、それをそのまま描かずして一体何が殺し合いだろう(また他に何を描くというのだ)。虚構とはいえ、ここは非現実的に描写するべきところではない。血は流されなければならない。血こそ、その象徴であり、現実でもあるのだ。
 また、とんでもなく強いものでも、大勢との戦いで、たった一振りで何人もぶっとばす少年漫画のような描写は一切なく、ちゃんと一対一を繰り返しながら1人1人に致命傷を与えて殺していく。相手があまりにも多ければちゃんと負けて殺されもする。これはこれで称賛されるべき見事な描き方だ。さらに言えば、超弩級に迫力のある描写で主人公を超人に見せるようなヒロイズムはそこにはない。彼らは1人のかろうじて名のある人間として描かれながらも、身ひとつで死線に飛び込んで行く人々の様は、キャラクター性に重きを置いた「アニメ」よりも迫るものとなった。それは一種の俗的な見せ方による興奮ではない。主人公には多少あったかもしれないが、アニメとして、僕個人の主観からすればだが、大衆から支持をもらい、商業的成功を収めるには明らかにそれは足りていない。かつて異名で呼ばれたほど強かったなどとも言われる侍もない。異国のものは「異国のもの」とだけラベルが貼られている。外国からやってきた彼らが、または本国の侍がどれだけ強いのかは僕らが見て判断する意外ない。だからこそなのだろう。本作で戦う人たちは、いずれもただの人間に過ぎないところにこそ、その魅力があると僕は思う。ずば抜けた技術を持ち、最強と呼ばれるような、棚に祀り上げられる強者が出てこないことは「アニメ」にはあまりない。しかし、この映画ではこれが、人を描く上で人から離れず、地道に人を描写していき、現実に根をおろしたかたちで描かれることで、戦いはより現実感を強くする。そこで人と人が戦っていることが、ことのほか理解できる。そして、流れる血と死の存在感は画面を通してその手にしっかりと伝わってくるのだ。
 本作の戦闘シーンはかっこよさだけを旨とした「アニメ」の戦闘シーンよりも、一段上に位置した見事な映像といっても良いのではないでしょうか。
 
 登場人物たちの心理描写は上でも書いたように、ほどよく描いている。まず仔太郎。仔太郎は小さな子どもだが、雇った侍相手にづけづけと物を言う。これがヒヤッとするくらい言う。でもそれは、自分はただでさえ子どもだし、弱みを見せたらそこにつけこまれることは分かっているから、だから恐くても上から目線で相手に向かっていかなければならなかったような事情もあったのだろうと思う。そしてそれができる彼の度胸はなかなかのものだった。他にも、名無しの侍はある理由から剣を抜かないという誓いから刀を縛っているのだが、仔太郎が攫われ助けに行くシーンでの、葛藤の末の抜刀の瞬間の演出はちょっとすごい。震えました。これはこの映画の中で2番目に好きなシーン。
 では一番はと言うと、ラストの戦闘。もうこれは言うまでもないが、もちろん最後は戦って締め括る。そんでもって、この戦いがとんでもないくらいすごい!仔太郎を攫った異国の者の中でも最強のヤツと対峙することになるのだがその前に、こいつも日本に来てから上のやり方に不満が溜まっていて最後になって元も子もないことをしでかす。それをしたらお前は何しに来たんだと言わんばかりのことを。ストーリーまでも破綻しかねる。しかし、彼にとってはもはやそんなことは問題ではなかった。だれもいなくなったその場所で敵と名無しは刀を取り、向かい合う。”己が求めるは強者との戦いのみ!鍛え上げた肉体と身に付けた技術で相手を凌ぐ快感は何にも代え難く、一挙手一投足における刹那の興奮は体内を巡る血をこの上なく刺激する。肉体と精神、その限界ギリギリまで互いに削り合う一騎打ちは最上の幸福と言えよう!我々はそこにすべてを懸けるのだ。”戦いでのみ生きられる人間の殺し合いには目が離せなかった。最後の刀を構えてからの約4分間は鳥肌が止まらない。何度観たって興奮する。こういう映像はなかなか作れないものである。感動してしまった。
 それに個人的なことを言わせてもらえれば、最後の異国の者のなにもかも台無しにする利己的な行為は、僕は好きだ。そうだよね。アニメはまさにこうでなきゃって思うよ。暴力とその強さがものを言う世界の話の最後では、この展開を僕はもっとも好む。
 
 全体的に見れば落ち度もあるけれど、要所要所に置かれた戦闘シーンはこの映画の大事な見せ場であり、骨であって、それは人の目を惹きつけるに足るものである。残念ながらメッセージ性やテーマは発見できなかった。戦う彼らの姿に投影されていたとも到底思えない。それは単に刺激するものであったからだ。でもそんなものがなくとも成立するのがアニメである。それでいいのもアニメの良いところであり、糾弾されるべきところでもあると思う。ただ面白かった、興奮した。それだけで見るのであれば、この映画はほんとに良い作品だ。すごくすごく楽しめると思う。鳥肌だって何度も立つだろう。そして間違いなくあなたは、最後の一騎打ちを2回は見返すだろうと僕は密かに思っている。だってほんとにすごいんだから!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

66.8 6 2007年度アニメランキング6位
鉄コン筋クリート(アニメ映画)

2006年12月23日
★★★★☆ 3.8 (341)
1698人が棚に入れました
宝町で暮らす親を知らない少年クロとシロ。町で“ネコ”と呼ばれるふたりは、かつあげやかっぱらいで暮らしていた。その町で“子供の城”の建設話が持ち上がる。しかし、それは古めかしい宝町を近代化して支配しようとするヤクザの仕業。昔気質のヤクザのネズミは反対するが、彼のボスは謎の男“蛇”にこの計画を一任していた。残酷な蛇はクロとシロを邪魔者だと判断し、刺客をおくる。ケンカでは誰にも負けない凶暴なクロだったが、刺客の前では手も足も出ない。そして追いつめられたシロは刺されてしまう…。

声優・キャラクター
二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、田中泯、大森南朋、岡田義徳、森三中、本木雅弘

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ故郷はコンクリートの街 野良猫クロとシロのバイオレンスな日々に光を見た

2006年公開の劇場アニメ 111分

原作 松本大洋 監督 マイケル・アリアス 脚本 アンソニー・ワイントラープ
制作 STUDIO4°C

監督のマイケル・アリアスさんは米国人の映画スタッフで、
「アビス」や「トータルリコール」に参加した人のようです。
「もののけ姫」や「アニマトリックス」の制作にも関わるCGのプロフェッショナル。
その後は「ヘブンズドア」や「永遠の0」などの実写、
アニメ「ハーモニー」の監督を務めたようです。

クロ CV二宮和也
シロ CV蒼井優

スラム街のようでいて美しいコンクリート近代建築の美を醸し出す宝街。
そこに暮らす<ネコ>と呼ばれる驚異的な身体能力を持つ二人の少年の物語。

宝街を地上げして街を破壊し開発しようとする「ヤクザ」と、
二人の少年の戦いを描いた近未来バイオレンスアニメ。

さすが、外人の方が監督なだけあって一味違いますが、
深夜アニメの苦闘の時期にこれほどすごい作画の劇場アニメが作られていたことに驚きました。

大したストーリーも無いバトルアニメにも見えますが、
何を考えているのかは視聴者に丸投げした登場キャラの生き生きとした躍動は、
考察次第によっては深みが増してくる懐の広い作品かと感じられます。

テッコンキンクリートという擬音は懐かしの「はじめ人間ギャートルズ」で使用されたものですが、
作者的には関係のないオリジナル登録だそうです。

二人のホームレス少年の信じられないようなアクション、頭脳的攻撃は、
まるで「ノーゲームノーライフ」の空と白のようです。
絶対に影響を受けているでしょう。

CGの世界的プロが監督なだけあって、背景の技術は現代でもそうは観られない、ものすごいものです。
人間が落書きっぽいところも、「けいおん」や「四畳半」や「ノゲノラ」や「虹色ほたる」など、
後の作品への多大な影響が見られます。

ストーリーは深くも浅くもなく観る人の思い入れに任されたものですが、
時代性とその後への影響を考えると、必見の作品と言えると思います。
シロとクロの魂の叫びは作中では描かれることもなく淡々と物語は進みますが、
だからこそ静かに訴えかけてくる不思議な力強さに満ちた名編になったと思います。

観る人の心に触れてくるような魂のアニメーション。
個人的にはとても感動しました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

beatle さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

仕事人、大友大洋原作らしさが出ているスーパー大冒険活劇

背景、作画共に優れていて一部熱狂的なファンが多い大友大洋原作のアニメ劇場版。やはり、本作にも大友の描写がふんだんに描かれていて、見る人に、一歩進んだエンターテイメントを与えてくれる。何気ないワンシーンにもノスタルジー満載の背景。アニメに興味がある人には是非とも見て欲しい。ましてや、漫画が好きな人にも。あまりレビューもされておらず、マイナーとして眠らせておくにはあまりにも惜しい作品。万人にオススメできる偉大な作品。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

一級愚犯少年の闘争

雑多な宝町の少年2人組シロとクロ。血を好み腕っぷしで居場所を守るクロと、ちょっと電波でピュアな…「降りてきた」みたいな言動をするシロ。
古い場末の街の片隅で、警察に睨まれながらチンピラやヤクザと戯れながら生きている。街の外からの開発の手が伸びたとき、積み上げられてきた街の空気や、均衡を保ってきた2人の陰陽バランスが危うくなり…

大きいショッピングモールが進出したために駅前がシャッター通りになっていくのを思い浮かべます。

映画としては珠玉的に質が高いと思います。

個人的なタラっとした視聴後感では、アラ?こんなに原作はセンチメンタルだったかな…という違和感ポケットに入っていたんですが
見直すと
すごーく作品を丁寧に掘り下げて美しく作られたがゆえに、耽美すぎないか…と感じたんだな。あの絵を生かした画面なのに耽美っていうのも妙な言いがかりですが。
メロドラマ調というのかな。
でもやはり作品の細かいところを余さず拾っていて、素晴らしいと思います。

街の不良や警察もいい人がいて、シロをかわいがってくれるところがじんとくるんだ。
ヤクザ鈴木の最後も、大げさにせず淡々としていて、胸にくるよ…。
ドライなようで、根底に暖かなものが潜んでいて。生まれて大人に育ちその後も生きる間に人間が生み出してしまう、どうしようもない部分が吹き溜まっているような街、これをなかったことのように抗菌加工して掃除しないでほしいという愛着。

ショッピングモール的なシンボルタワー開発をやめたところで、街の変化は止められないんだろうけどね。シロとクロが生きられる道を見つけたらならよかったなと思う。



それにしても問題は声優が芸能人多用で。イタチと木村が、目をとじれば浮かんで来る…本当のあなたはチンピラなんかじゃない…そうでしょう、あなたは中身はイケメンさんですね。キャラからズレて喋ってる人が感じられてしまうのが惜しいです…。 {netabare} イタチはネタバレするとクロの暗黒面なので、だから一緒の人が起用されてるんですが、クロはまだ若々しい俳優の声でよしとしても {/netabare} イタチはもっと禍々しい迫力が欲しい。足りない。
頭のネジの足りないシロ役の蒼井優は案外テンポよく合っていると感じました。
台詞がいいんですよ。


ゴチャゴチャした描き込みの細かい街並みや、怪しいヤクザビルの中に入っていくシーンなど、CGで立体感を生かして見せていて面白いです。
飄々としたデッサンの絵柄ながら、闘争シーンに街を跳ぶスピード感や、敵のデカブツがやって来るときの重量感などドキンとしますよ。音も冴えてて。

ラストの街に残された景色の変化が、美しく詩的です。

原作が好き過ぎてうまく捉えられないアニメ作品のひとつでした…
学生時代、劇団黒テント公演の演劇になったときも、観に行きました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 27

66.7 7 2007年度アニメランキング7位
河童のクゥと夏休み(アニメ映画)

2007年7月28日
★★★★☆ 3.8 (211)
970人が棚に入れました
夏休み前のある日、小学生の帰り道に上原康一は大きな石を拾った。持ち帰って水で洗うと、中から何と河童の子供が!!第一声は「クゥ?!!」。康一はこの河童を「クゥ」と名付ける。クゥは康一たちと同じ言葉を話し、何百年もの間、地中に閉じ込められていたことがわかる。最初は驚いた家族もクゥを受け入れ、クゥのことは秘密にしようと決めるが・・・。


声優・キャラクター
冨澤風斗、横川貫大、田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

河童菌~♪河童菌~♪ いじめ・・ダメ、絶対!

『下校途中、川辺で河童の子供を偶然発見した少年「上原 康一」と、その少年に「クゥ」と名付けられた河童の子供とのひと夏の心温まる友情を描いた物語』


映画のトータル時間は約140分と長いですが、とてもほんわかする時間を過ごせました。心温まる話が好きな方にはおすすめですね。観終わった後、じわーーーっときます、じわーーーっとです。分かりますよね?この感覚。また、この作品は2007年のものなので、ほんの少しキャラクターデザインは古く感じるかもしれませんが、内容は全く問題ありませんでした。脚本はしっかりしていました。


物語の流れは、ざっくり分けて3部ぐらいに分かれていると思いました。1部は「思い出作り」、2部は「騒動」、そして3部は言いません。つまらなくなるので・・。出会いがあればその逆もってやつです。分かりますよね大体ね。


監督は「原 恵一」さんです。クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」を手掛けた方です。ですので、さすがに家族間の掛け合いはお見事でした。上原家が野原家のように見えましたよ。


康一とクゥとが夏休みに2人だけ行った旅は良かったです。ちょっぴり不安でちょっぴりドキドキ、そんな雰囲気が感じられました。


2013年に監督の原恵一さんが続編にあたる小説「河童のクゥ 6年目の夏休み」を発売しているので、ぜひ映像化してほしいです。その続編では、康一は高校生になっているそうです......あーーダメだぁぁー、また小説読みたくなってきたぁぁー、脳が震えるぅぅぅ。


この作品の中で、河童伝説のある岩手県の遠野市が出てくるのですが、そこで河童って見る事は出来るのでしょうか?と言うか、河童を見た事ある方はいますか?ちなみに私事で申し訳なのですが、自慢じゃないですが私は河童を見た事がありますよ。私の周りには結構沢山いるんですよエロ河童。でも私はそんな人達が近くにいても、屁のかっぱなんですけどね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 31
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おっさん…(;_;)

以前後半の方だけTVで観て、きっとこれは少年が河童と風変わりな一夏を過ごして、でもやっぱりいつまでも一緒ってわけにはいかないけどハートフルな話なんだろうな、と思っていました。

またTVでやっていたので初めの方から観たところ、だいたいは上記に当てはまるのですが、さらに事細かな人間社会の滑稽さや皮肉な状況を盛り込んだ話でした。

クゥより気持ちを持っていかれたのは、捨て犬「おっさん」。おっさんーー!!おっさん〜〜!!
{netabare}のんきそうでいて、その過去と生涯が辛かった。
学校で殴られるようになって、はけ口として犬を殴るようになってしまった飼い主が、その後どうなったのか。おっさんはきっと気がかりだったでしょうね。
「人間は、変わっちまう」
「ずっと殴られてやりゃぁ、よかったのかな…」って。
以前目にした「虐待されている最中でも親を愛していました」っていう言葉がよぎりました。とても悲しい。 {/netabare}

色々、胸に痛かったです。


妹のありそうな幼児っぽさがうまいですね。知ったかぶったり、河童に対して家庭内の縄張り争い?繰り広げたり、変なところに物隠したり。

主人公の少年の言動…とくに言葉遣いは、すごく「今風な」感じだったり、テレビ出演に浮かれたりと、主人公でありながら社会の一部で翻弄されるように描かれていて、単なる勇気と良心に満ちてはおらず、甘くなかったですね。
でもそんな彼が大手を振って笑って過ごせる世界でもなく、そんなはずじゃなかったのに1人きりで受け止めなければならない状況に追い込まれるところなどリアルでした。もっとも、少しだけ分かち合えた少女の存在や、頼れる家族の繋がりなど、やはりハートフルな部分も生きていました。

原監督は長いことこの作品を映像化したくて、クレしんで結果を出してやっと着手できたものの、原作者の方は完成を見ずに亡くなられたそうで。(wikiうけうり…)
込められた想いが伝わる作品でした。


現在は消失してしまった座敷童の宿、主人公が実際泊まるには人気過ぎて難しかったかな…?「3年先まで予約がいっぱいの宿」だったそうで。今も再建を目指してるんですね。

主人公家族の住んでいた東京の田舎な街並、見覚えがありちょっと懐かしかったです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 30
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

子供心を持って見たつもり B+

私は高校卒業までまで信濃川のすぐ側で育ちました。
幼い頃、祖父から、信濃川には河童がいるから近づいちゃいかん、と何度も何度も言われていました。
私の親の世代までは、川で溺れて死ぬ子どもが年に何人も出たそうで、実際、私の母の兄弟も1人信濃川で亡くなっています。
ですから、河童が出ることを脅し文句として子供を川から遠ざけるというのは、珍しいことでも何ともなくごく普通に行われていたのでした。
そんなことから、私にとって河童は、恐ろしくもありましたがどことなく身近な存在だったのです。

と、いきなり堅い話から始まりましたが、本題に入りましょう。

本作はいかにも子供向けといった作品です。
実際、文部科学省特別選定作品、日本PTA全国協議会特別推薦作品となっていますし、さあどうだ、子供たちに見せてください!という大人たちの意気込みに満ち満ちているのが伝わってきます。

ということで、子供心に帰って視聴してみました。
いえ、今の子供にとって河童なんて遠い存在でしょうから、私のように身近な存在として育った者にこそ、見る資格があるというものです。(屁理屈)

話としては、少年・康一が河童のクゥと出会い、そして別れるまでを描き、お涙頂戴もあるというベタな展開です。
康一は当初幼いところもありますが、クゥとの交流、そして巻き込まれていく事件を通じて、少しずつ成長していきます。
{netabare}途中、他の河童を探して少年とクゥが二人で旅をして、2人の交流が描かれたり、河童がいることがメディアによって世間に明らかにされ、クゥが衆目にさらされたりして、これ以上クゥが人間と暮らしていくことは無理と、クゥ自身が出て行くことを決断します。{/netabare}

また、理不尽な大人たちの好奇な眼差しがどれだけ少年達の心を傷つけるかということや、大きく扱われてはいませんがイジメの問題なども描かれています。
思春期に差しかかった少年の揺れ動く心を良く表現できていたと思います。
そして、迎える最後、分かっていても眼に涙が、って私のことですよ。

最後、もう少しひねりがあった方が良かったようにも思いますが、この種の映画としては最悪のエンディングは避けるべし、と思いますので、この終わり方で良かったのかなって思います。
きっと、本作を見る子供たちにとってもハッピーエンドだったのだろうと。

声優についてはまあこの手の映画では良くあることだと思うので、余り多くは言いませんが、カラス1に阪口大助ってどういう使い方しているんだって思いますよ(笑

本策の監督は原恵一。
最近、カラフルを見たばかりだったので、同一の監督であったことを知って、ちょっと驚きました。
連続で興味深い作品を見せ付けられてしまいました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

65.9 8 2007年度アニメランキング8位
ピアノの森(アニメ映画)

2007年7月21日
★★★★☆ 3.8 (188)
1219人が棚に入れました
町外れの「ピアノの森」で育った少年カイの物語。はじめは楽譜すら読めないカイが周囲を取り巻く人々によりピアニストとしての才能を開花させていく過程を描いている。
主な登場人物 [編集]

声優・キャラクター
上戸彩、神木隆之介、池脇千鶴、福田麻由子、宮迫博之、田中敦子、松本梨香、田中真弓、天野ひろゆき、ウド鈴木、黒沢かずこ、高田純次

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

DVD買いたくなる一作ですd(゜ー゜*)ネッ!

森に捨ててあるピアノをオモチャみたいにして育った天才小学生と幼少からピアノの英才教育を受けて育ったエリート小学生の物語…
まぁのだめみたいな感じかな。。。(あ 禁句を…orz
でもいっぱい感動出来て感涙シーン満載でした_(^^;)ゞ

音楽が良いとやたら感動してしまいます^^;

漫画じゃこの後も続くので是非、漫画も読んでみたいです♪
でもやっぱり音楽ないと寂しいので出来れば劇場版2期を…
プリーズ!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ピアノに選ばれた少年の物語

全編に美しいピアノの音色が響き渡る、とても素敵な作品です。音楽好きの方ならピアノの音色に心奪われ、そしてそうで無い方もこの音色にはきっと癒される事と思います。


原作は漫画です。本作では主人公である海(カイ)君の小学生時代のエピソードを書いたものになります。この作品をご覧になり、もし気に入っていただけたのでしたら、是非とも原作の漫画も読んでいただく事をお勧めいたします。とても面白い作品ですので^^


自由奔放でやんちゃな性格である主人公の”一ノ瀬 海”君。彼は幼い頃より、近くの森にうち捨てられたピアノに触れて育ちます。毎日ピアノに触り、時にはピアノの上で寝泊まりし、彼の生活にピアノは溶け込んで行きます。そして彼は誰に習うわけでなく、いつしか我流でピアノを弾きこなす。天才・・・。彼は天才。そしてピアノに選ばれた人間。

そんな彼に友達が出来ます。東京から転校してきた”雨宮 修平”君。彼はピアニストの家系に育ち、そして自身もピアニストになる事を目指し、日々厳しい練習に明け暮れる毎日。”雨宮 修平”君は森にうち捨てられたピアノを弾く”一ノ瀬 海”君の演奏を聴き、衝撃を受けます。なるべくしてピアニストを目指す自分に持っていない物を持つ”一ノ瀬 海”君の演奏。聴く物を引きつけ、感動させる演奏・・・。2人はこの日から生涯のライバルとなる事を運命づけられます。


本作品では”一ノ瀬 海”君と”雨宮 修平”君がピアノコンクールで競う場面までが描かれます。ピアニストの家系に生まれ、サラブレッドとして育った”雨宮 修平”君。彼はその環境に満足する事無く、日々厳しい練習でピアニストになると言う夢を掴もうとするいわば”秀才”。
そして全てが我流であるが、ピアノに選ばれた天性の才能を持つ”天才”である”一ノ瀬 海”君。コンクールでは、お互いが全力を出し合い、そしてお互いを認め合いながら静かな戦いがきって落とされます。

本作品の最高の見せ場がこのコンクールのシーン。
自分の本当の演奏を見つけられず、コンクール本番中までも悩み続ける”一ノ瀬 海”君。彼は果たして本当の自分の演奏を見つけ出し、そしてそれを演奏する事が出来るのか?答えは彼のピアノの音色が教えてくれます。


主人公の”一ノ瀬 海”君役には上戸彩さん。ライバルの”雨宮 修平”君役には神木隆之介さん。その他にも池脇千鶴さん、福田麻由子さん等々有名人が声優として出演しています。製作はマッドハウスさんが担当。相当力の入った作品です。これで良い作品が作れない訳がない?

肝心のピアノ演奏及びミュージックアドバイザーには世界の巨匠である”ウラディーミル・アシュケナージ”さんが参加。ピアニストとしてはショパンの演奏で有名な彼ですが、彼の演奏はとにかくテクニックが凄い!音色が凄い!そしてその音色は怖いまでに美しい。彼が演奏するメインテーマである”Forest of the Piano”はクラッシックファンの方にはとにかくお勧め。彼の演奏は天才”一ノ瀬 海”を表現するのにぴったりと言えます。

エンディングテーマは女優であり、そしてピアニストでもある松下奈緒さんが歌う”Moonshine ~月あかり~”。なんとも美しく、切なく優しい、本作にピッタリとマッチした神曲です。

画像も綺麗ですね。特に森の中で佇むピアノの描写が素晴らしい。パッケージ絵となっている、森の中で木々の間からの日差しに照らされるピアノ。とても幻想的で癒されます。


素敵なピアノの音色に包まれ、そして観る物を引きつけるストーリーを持つ本作。疲れた心を癒す清涼剤になってくれる事と思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

森に響くピアノの調べ

はじめは楽譜すら読めなかった少年だったが、彼にはある才能があった・・・
原作ではピアニストとして才能を開花させていく姿を描いているが
この劇場版では小学生編の一部が描かれている。

とにかく、森の中でピアノを演奏するシーンが美しい。
作品サムネからの印象だとファンタジーを思い浮かべそうだが
中身はいたって真面目でとても現実的な内容。
ピアノを習っているお子さんたちにも、ぜひ観ていただきたいと思った。

ピアノに選ばれた才能を持つ天才少年・一ノ瀬海(いちのせ かい)と、
ピアニストの家系に育って厳しいレッスンを重ねる少年・雨宮 修平
(あまみや しゅうへい)のピアノに向ける情熱の温度差や友情。
ピアノを教える先生たちや彼らの母親たちのそれぞれの想い。

また、今の自分が一番感情移入できるのはカイの才能を見出したかつてのピアニスト
阿字野 壮介(あじの そうすけ)の心の変化。

またカイと母親・一ノ瀬怜子(いちのせ れいこ)の、
深い信頼で結ばれた親子関係も穏やかで、すごくいい。
厳しい教育の元で芸術家になる人ももちろん多いけれど
こういうのびのびした育て方で開花していくのも才能あればこそ。
そして大事なのは、その才能にいち早く気づき芽を摘まずに伸ばすこと。

音楽とは、芸術とはって、観ながらいろいろ考えてみたが
結果的に誰かを深く感動させることができていたら、
それはもう成功していると言っていいんじゃないか?と。

この作品、観る人によっては退屈かもしれないが
自分にとっては、初心を思い起こさせてくれるからというのもあり
観終えてしばらくするとまた観たくなるので、もう何度観たかわからない。
大きな感動をするというのとは違い、話の流れもそれほど
起伏はないものの、ご都合主義になっておらず現実的な部分が
しっかり描かれているのでホッとできる。

できれば、カイの成長期~ピアニストになるまでを描いた作品も
観てみたいものだが・・・なかなか映像化されないようでとても残念だ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34

65.8 9 2007年度アニメランキング9位
ジョジョの奇妙な冒険 ファントム ブラッド(アニメ映画)

2007年2月17日
★★★★☆ 3.9 (104)
714人が棚に入れました
舞台は19世紀イギリス、名門ジョースター家の跡取であるジョナサン・ジョースター(通称ジョジョ)と、養子であるディオ・ブランドーの2人を主人公に繰り広げられるサスペンス活劇。ジョジョとディオの対立は、やがて「石仮面」と「波紋」の対立へと移行していく。

声優・キャラクター
小西克幸、緑川光、水樹奈々、小山力也、奈良徹、園部好德、坂口芳貞、堀之紀、三浦祥朗、江川央生、阪口大助、萩森侚子、井戸田潤、小沢一敬

65.3 10 2007年度アニメランキング10位
Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!(アニメ映画)

2007年11月10日
★★★★☆ 4.0 (36)
190人が棚に入れました
西洋風テーマパークに出かけたプリキュアの5人。ドレスを着てお姫様気分を味わっていたが、イケメン王子に扮したココとナッツが現れて大興奮となる。ところが、ドリームコレットを狙って世界支配を企む悪者シャドウに操られた、鏡の国に住むミギリンとヒダリンによってココとナッツが鏡の国にさらわれてしまう。2人を救うためにプリキュアたちは鏡の国に足を踏み入れる。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

プリキュアというシリーズと田中宏紀というアニメタが作り上げた伝説的傑作!「そんなのまだ習ってないよっ!」

もしあなたがプリキュアというシリーズをよく知ってらっしゃるのなら、この映画を観ない理由は無いと思われます


もしあなたがプリキュアというシリーズをよく知らない、或いはこの映画を知らずに嫌悪感を抱いてらっしゃるのなら、早合点せずに是非一度この映画を観ていただきたいです!


鏡をテーマにした遊園地に遊びに来たプリキュア5の面々に、ココとナッツに変装したモンスターが襲い掛かることで物語りは始まる
モンスターの正体は鏡の国の妖精であるミギリンとヒダリンがシャドウというワルモノによって姿を変えられたものでした


誘拐されたココとナッツを救うために鏡の国のシャドウと決着を着けんとするプリキュア達
しかしその前に立ちはだかる、シャドウによって生み出されたプリキュアのコピー、【ダークプリキュア】との対決が最大の見所です


後のテレビシリーズを手掛け、『テコ入れ』を成功させた東映の名プロデューサー、梅澤淳稔が初めて登板
監督には後の『ハートキャッチプリキュア』『ハピネスチャージプリキュア』の監督でもある長峯達也を起用しています


本編前の注意事項説明のミニアニメの段階で「行き過ぎたハイテンション」「ギャグ顔」「コメディタッチの流血」など既にハトプリのノリが形成されているのがよくわかりますwww


なによりもプリキュア対プリキュアという『王道の構図』を初めて本格的に扱った作品であるのが特徴ですね
この映画に手応えを感じたスタッフはその後のシリーズにもこの構図を持ってきています


この『王道への挑戦』がプリキュアにとって如何に難しいことだったのかは、MaxHeart2をご覧になった方ならわかると思います
MaxHeart2という映画では互いに敵の幻覚で錯乱したプリキュアが生身で殴りあうという対決あり、これが余りにも痛々しかったため試写会で泣き出す女児もいたとか・・・
結果的には反省点を残す問題作となったからです


今作もやはり、あまりにも悲しすぎるダークプリキュアの出生と彼女達との対峙
結局ダークプリキュアとは自分自身なので・・・単純にワルモノ扱いしないのが泣けてきます;
しかしその扱いを今作は間違えませんでした
その証拠に幾多の『愛すべき悪役達』を見慣れてきた歴戦のプリヲタの間でも、今作のダークプリキュア(特にダークドリーム)は人気キャラクターとして評価されております


ちなみに今作で初めて観客参加型の演出である『ミラクルライトを使ってプリキュアへの応援を観客に呼び掛ける描写』が用いられ、それがやたら露骨な感はありますが、なんせ初めてやったことなので観客へのわかりやすさを優先する意味では許容範囲ではないかと思います
(観客とはもちろん女児のことですよ)


それと一番凄ぇのが戦闘シーンのほとんどを現代のアニメの最前線で活躍する超一流の天才若手アニメーター、田中宏紀が手掛けていることです
田中パートへの修正も少ないので、田中さんの絵柄を大切にしている点でもかなり貴重です
数多くの作品で素晴らしい作画を披露してきた田中さんですが、オイラ個人としては彼を語る上でもこの映画は絶対に外すことの出来ない一作だと思ってます

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Man In The Mirror

「Yes!プリキュア5」は、プリキュアシリーズの継続を決定づけたターニングポイントになる作品だと思いますが、
まさかミラクルライトの元祖も生み出していたとは・・・。

ストーリーも、ヒーローものだったら一番盛り上がるやつですし、本当によくできています。

鏡の国が舞台ということでザ・たっちも出演しているのですが、これもなかなか良い。


朴璐美さんが今作の敵を演じていますが、
「Yes!プリキュア5GoGo!」でシロップを演じるのに近くないか?と思わないでもないです(笑)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

皆口さんと釘宮さん使ってるのに勿体ねぇ!

 声優界の国宝級であるお二人、皆口さんと釘宮さん使ってるのに勿体ねぇ!の」一言。70分しかないからいかに無駄を切って本質であり重要な部分を残すかが重要なのに、脚本の練り不足かな。


 お笑い芸人は論外として、シャドウや序盤の戦闘やパークの部分もほとんど不要だろう。ダークプリキュアとの出会いと戦闘だけに集中して、それぞれの成長をしっかり描けてれば十分面白かった。肝心のそこが薄いから物足りぬ。あと、画質というか色彩の美しさもなんか微妙…。作画も良いところと悪いところのムラが目立った。

 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

65.1 11 2007年度アニメランキング11位
レミーのおいしいレストラン(アニメ映画)

2007年7月28日
★★★★☆ 3.8 (39)
262人が棚に入れました
「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」のディズニー/ピクサーが贈るコメディ・アニメ。グルメの都パリを舞台に、シェフを夢見るドブネズミと料理の苦手な見習いシェフが巻き起こす奇跡をハートウォーミングに描く。監督は「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード。 天才的な料理の才能を持ち、いつか一流レストランのシェフになるという叶わぬ夢を持つドブネズミのレミー。ある日、彼は嵐で家族とはぐれてしまい、パリのとある一軒のレストランに辿り着く。なんとそこは、レミーが尊敬する今は亡き名シェフ、グストーの店だった。一方その厨房内では、見習いシェフのリングイニがスープを台無しにする失態を演じてしまう。すると、レミーはこっそりとそのスープを作り直し、最高の味に仕上げるのだった。それを目撃していたリングイニは、自分に料理の才能がないことからレミーの力を借りることを提案。こうして彼らは秘かにコンビを組み、パリ一番のシェフを目指すことになるのだが…。

声優・キャラクター
ルー・ロマーノ、パットン・オズワルト、イアン・ホルム、ブライアン・デネヒー、ピーター・ソーン、ピーター・オトゥール、ブラッド・ギャレット、ジャニーン・ガラファロ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

誰にでも料理はできる。だが、勇気ある者だけが一流になれるのだ。

2007年公開の
ピクサーによる長編アニメーション映画8作目。

監督は『Mr.インクレディブル』と同じブラッド・バード。

当初は別の人が監督をしていたのですが、
その人が降板になったのを引き継いだそうです。

主人公であるレミーを本物のネズミに近いデザインにしたのは、
ブラッド・バード監督。

元のデザインは知りませんが、
このデザインでよかったと私は思います。

リアルに近い姿だからこそ、
この作品にドラマを感じられます。

110分ほどの作品です。


● ストーリー
すぐれた味覚と嗅覚を持つネズミのレミー。

食べられれば何でもいいと考える他のネズミたちとは違って、
彼は食べることにこだわりを持っていた。

ある日、住んでいた家のおばあさんに見つかり、
住処を逃げ出すことになったレミーの一族。

仲間から一匹はぐれてしまったレミーがたどり着いたのは、
憧れていた天才シェフ・グストーがかつて経営していたレストランだった。

料理の才能のない雑用係の少年・リングイニと手を組み、
レストランで料理を作るレミー。

その料理は大好評で、
リングイニはたちまち有名なシェフになった。


ストーリーには特別なところも、
起承転結がはっきりしているところも目立ちません。

しかし私は設定に夢があって好き♪

ネズミがレストランで料理なんて、
現実的に考えると衛生的に大問題だけどw

そんな問題点も、
作品の中でうまく利用しています。


≪ ラストまでの道のり ≫

この作品を観始めてすぐに

「レミー自身がレストランで料理をし、
 それを知っているお客さんが笑顔でレミーの料理を食べる。」

そんなラストシーンが思い浮かびました。

しかし、先にも述べたように、
ネズミが料理というのは衛生的に大問題なわけで、

それを多くの人間に受け入れてもらうというのは、
なかなか至難の業。

だからこそ、レミーがどのように人に受け入れられていくのか、
それがこの作品の見せどころだろうなと思いながら見ていました。

周りのキャラの特性を上手に使って、
自然な流れを作れていたように感じました。


● キャラクター
料理が大好きなレミー。

匂いだけでどんな味付けが必要かがわかる、
天才シェフです。

何よりもレミーは、
料理をしている時が一番楽しそう♪

レミーの姿を思い出せば、
これから料理をするのが楽しくなること間違いなしです^^


私が好きなキャラは、
評論家のイーゴです。

グストーの料理を批判した、
いわば最強の敵と言える立ち位置のキャラ。

しかし、料理に対する真摯な姿には、
本当に料理を愛しているんだなと思わされました。

評論家なんて人の努力に対して好き放題言うだけで
あまりいい印象を持たれにくい存在だと思うのですが、

イーゴには好印象を持てました。

この人、後半は名言しか言ってない。笑


● 音楽
パリが舞台の作品ということもあってか、
全体的にパリな雰囲気のおしゃれなBGMが多いです♪

【 「ごちそう」/ カミーユ 】

私はこの曲が一番好きです♪

朝に聞くと、優雅な一日を始められそう^^


外国版OSTのジャケットが
ドラえもんにしか見えなくて戸惑ったのは私だけじゃないはずw


● まとめ
作画はしっかりしているし、躍動感もある。

ネズミも人間も、
リアルすぎないところがちょうどよかったです。

この内容で実写化は…なんか違うもの。笑


ストーリーの展開は面白いとは言えないけれど、
イーゴが来店するところからの流れが私はとても好きです♪

雰囲気が合う人には、
とても好きな作品となるんじゃないかな^^

私はとりあえずフランス料理が食べたくなりましたw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

まさに絶品

まさに絶品な一作!。


冒頭の夜のパリのシーンだけで魅せられてしまった。ネズミが主役だけあって、宮崎駿的なアニメーションの動きの楽しさを表現するのには十分。料理の素晴らしさも凄いが、パリの街並みや、水の表現も見事。人物のデザインも、性格がすぐに現れているようで上手い。なにより素晴らしいのは設定とテーマと組合せの上手さ。才能は誰にでも宿っている、それを生かすかどうかは自分を信じる勇気次第。想像上のシェフがレミーを励まして消えていくシーンには、「インサイドヘッド」のボロ泣き場面を思わせる感動があってグッド!。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ディズニー&ピクサーで、ネズミが料理を作るお話。

ピクサーとディズニーの全編フルCGの長編アニメーション映画です。

フランス・パリの有名レストランで、人間の新人シェフ・リングイニと料理の才能があるネズミ・レミーがコンビを組んでリングイニがいるレストラン「グストー」を有名にするため頑張っていくお話です。

ピクサーのCGはやはり凄いと思わされました。
キッチンを走り回ったり、街中を走り回ったりするレミーのアクションが描きこみのすごいCGで描かれていました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

64.5 12 2007年度アニメランキング12位
劇場版 灼眼のシャナ(アニメ映画)

2007年4月21日
★★★★☆ 3.7 (293)
1954人が棚に入れました
平凡な高校生・坂井悠二の日常は、ある日突然消滅した。異界から渡り来た、人の“存在”を灯りに変えて喰らう化け物“紅世の徒(ぐぜのともがら)”が悠二を襲う。逃げることも忘れ呆然と立ちすくむ彼を救ったのは、紅蓮の髪と瞳をもつ謎の少女だった。そして──その少女は、悠二にこう告げた。
「おまえはもう【存在】していないのよ」と。「存在亡き者(トーチ)」であった悠二と、彼に“シャナ”と名付けられた少女は、悠二の中に宿る宝具を監視するため御崎市に留まることに。そして二人は、彼をトーチに変えた元凶、この街に潜む紅世の王“狩人”フリアグネと対峙する……。

声優・キャラクター
釘宮理恵、日野聡、江原正士、川澄綾子、櫻井智、生天目仁美、岩田光央、諏訪部順一、こやまきみこ、野島裕史

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

コンパクトシャナ!劇場版を観れば「灼眼のシャナ」を理解できます。

「灼眼のシャナ」を齧るにはもってこいの劇場版。
シャナの何たるかがわかります。

紅世のともがら、フレームフェーズ、封絶、自在法、トーチ、ミステス、メロンパン、うるさいうるさいうるさい。
これくらいわかれば、灼眼のシャナの60%は理解できます。

内容はといえば、1期序盤の総集編的な作品。
と思ったら大間違い、TV版とストーリーが微妙に変わります。
おいしいとこどりのうまい編成。
ラストもお見事。
結構、見ごたえがあります。

フリオイグレシ・・・じゃなかった、フリアグネとのシビアな戦い。
シャナと悠二の心の距離が徐々に縮まります。
マージョリーさんも大活躍。
一方のカルメルさんは・・・、観てのお楽しみです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 29

niko。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

劇場版 灼眼のシャナ

灼眼のシャナの劇場版ということで視聴です。

1期の狩人・フリアグネまでの戦いを再編成したものです。
簡単にまとめると釘宮病S型の劇場版です。

個人的にこの作品のテーマを5つ挙げるならば
「ツンデレ」「くぎゅう」「学園」「恋愛」「劇場版」

シャナの劇場版ということで気になり見てみましたが
1期とは違う少し違うストーリーを楽しめました。
1期よりこっちの方が良いんではないかと思う点もありました。
しかし詰め込みすぎでテンポがかなり早く感じたり、
若干話が飛ぶ様に感じることもありました。
世界観がちょっと難しく、用語も多いので
シャナの作品を初めて見る人にとっては
理解するのがかなり困難になるかと思います。
なので個人的に初見離れを防ぐ為に何か工夫が欲しかったです。

シャナの可愛さは相変わらずです。可愛過ぎです。
でも何だか本来の可愛さと何かが違うような感じがしました。
気のせいでしょうか。多分、わかる人にはわかると思います。
まぁ、可愛いから何でも良いんですけどね。

「灼眼のシャナ」という作品を初めて見る方は
用語が理解し難かったり、若干話が飛ぶ部分がありますが
シャナの作品の大筋を捉えるには良い作品かなと思います。
また1期などを見たよって方はちょっと違うお話を楽しんでみてはどうでしょうか。

・主なキャスト
 シャナ:釘宮 理恵
 坂井 悠二:日野 聡
 アラストール:江原 正士
 吉田 一美:川澄 綾子
 マージョリー・ドー:生天目 仁美
 マルコシアス:岩田 光央
 フリアグネ:諏訪部 順一
 マリアンヌ:こやま きみこ

・主題歌
 「天壌を翔る者たち」I've special unit Love Planet Five
             (KOTOKO、川田まみ、島みやえい子、MELL、詩月カオリ)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

“ミステス”坂井悠二と『炎髪灼眼の討ち手』シャナのはじまりの物語。

2007年4月21日公開。

DVDについているディレクターズカット版のほうを見ました。
アニメ版のほうをみたのがかなり前なので、すごくなつかしく感じましたね。やはりこれが灼眼のシャナ!っていうのをすごく感じさせられるものとなっていました。

内容としては、1期1話~6話までのフリアグネとの戦いにオリジナル部分をたくさん取り入れて作ったかんじの映画でした。
作画にもとても力が入っていてよかったと思います。
{netabare}特に最後のほうのシャナ&マージョリーVSフリアグネとの戦いのところはかなりストーリーも圧巻でつい見とれてしまうものでした。{/netabare}

基本的にはアニメ版を見てれば、話にはついていけると思うのですが、シャナ好きな人にはぜひ見てもらいたい作品だと思いました。
ただ、音楽はアニメ版のほうがいいのでは…?と個人的にそう感じましたね。でも良曲です!

読んでいただき、ありがとうです(●^o^●)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14

64.3 13 2007年度アニメランキング13位
ハッピー フィート(アニメ映画)

2007年3月17日
★★★★☆ 3.9 (11)
48人が棚に入れました
南極に暮らす皇帝ペンギンたちの世界を歌と踊りで綴るファンタジー・ミュージカル・アニメーション。誰もが自分だけの“心の歌"を持っているペンギンたちの中にあって、音痴なうえにペンギンらしくないステップでダンスを踊る青年ペンギンが、周囲のイジメや無理解を乗り越え自分の生き方を貫き通す姿を、数々のヒット・ナンバーと共に描く。主人公の声にイライジャ・ウッド。その他、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン、ロビン・ウィリアムズ、ブリタニー・マーフィら豪華スターが声優を務め、みごとな歌声を披露。監督は「マッドマックス」「ベイブ/都会へ行く」のジョージ・ミラー。2006年度のアカデミー賞では、ディズニーの「カーズ」を抑えてみごと長編アニメ賞を受賞。 そこは皇帝ペンギンの国、エンペラー帝国。彼らにとって何より大事なことは、自分だけの“心の歌"を見つけること。歌でハートを伝えられなければ、大人になった時に最愛の人に巡り逢うことは出来ないのだった。ところが、ノーマ・ジーンとメンフィスの間に生まれたマンブルは筋金入りの音痴。しかも、ハートを伝えようとすると、歌の代わりに誰にもマネの出来ない華麗でハッピーなステップを踏んでしまうのだ。ほどなくペンギン失格の烙印を押され、仲間はずれにされてしまったマンブル。そんな彼は、ひょんなことからアデリー・ペンギンのノリノリ5人組“アミーゴス"と出会い、自慢のステップを褒められ自信を取り戻すのだったが…。

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

「ビーチ・ボーイズはかつて、ビートルズと同じくらい優れたバンドだったんだ。」

あるとき、You Tubeでビーチ・ボーイズの「Papa Oom Mow Mow」を検索してみたら、色々とカバーされている中に、
この『ハッピーフィート』でもカバーされているのを見つけました。へー!と思い、そこでは聴かずに実際にどういうふうに
使われているのか気になって観てみました。同じ理由で『死ぬまでにしたい10のこと』も観たこともあります。内容は
あんまし良くなかったけどw 作中で主人公が「God Only Knows」を口ずさむんです。まあどうでもいいかw

主人公はマンブルというペンギン。歌を歌えることが最も高いステータスである皇帝ペンギンの中で、彼はまったく
歌が歌えませんでした。周りから変な目で見られるし、父親にも受け入れてもらえない。足でリズムをとるのが好きな
彼がタップを踊ってみるけれどそれもまったく評価されず、さらにそれは彼をますます孤独にしていきました。
大人になっても彼の居場所はどこにもありませでした。
しかしマンブルは、ひたすら自らが刻むそのタップのリズムを信じ、「自分の居場所」を探し続ける、そんなお話。

ミュージカル映画のようにたくさんの懐メロ、と言っては失礼な名曲を、ペンギンたちが歌います。
ビーチ・ボーイズ、クイーン、スティービー・ワンダー、フランク・シナトラ、プリンス、エルヴィス・プレスリー、などなど。
とは言っても僕は’93年生まれなので聞いたことはあるかなあ、くらいでほとんど知りません。
唯一、ビーチ・ボーイズは最近あるきっかけから聴くようになりました。これがほんとに良いんです!大好きです!!!
結局「Papa Oom Mow Mow」は『2』の方で、この作品では聴けなかったのですが(ドジだなあw)、
代わりにというのもおかしいんだけど「In My Room」という別の曲を聴くことができました。いやあ、嬉しかったw

映画の内容はというと、どんどんと孤独になっていく主人公をかなりのところまで追い詰めていくのは良いのだけれど、
最終的にどうなったの?っていうところを丸投げです。とりあえず歌って、踊ろうぜ!な感じで幕を引きます。
おいおい、そんなでいいのかと言いたくなるのだけれども、『2』があるのを見ると、結構好評だったようですね。
なよなよとした細部より、かわいいペンギンが歌って踊っている方が観ている人たちにとっては重要なようです。
まあそう言われてしまったら、そうなのかと相槌を打つ以外何もできませんが。
『2』の方はもっと酷いです。たいしてやることがないなら作るな!と言いたくなるような話。『1』でぶん投げたところも
つながっているためによくわかりません。ただこっちでは子ペンギンたちがかわいい。良いところと言えばそれくらい。

あんまりお勧めはできないけれど、暇つぶしくらいにはなるかなあといったところです。
ビーチ・ボーイズはほんとにおすすめなんだけど。興味があれば「Pet Sounds」というアルバムを聴いてみて下さい。
1966年の7月にこのアルバムが出されてから今に至るまで、とてもとても多くの人に聴かれ続けています。
世界が変わりますよ。いや、ほんとに。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

子供向け?うそだ~。 あと、題材に相まってデザインが怖いw

コウテイペンギンの世界は
歌で求婚する。

“心の歌”を歌えなければ落ちこぼれ。

そこに生まれた『歌えないペンギン』

それが“マンブル”。
本作の主人公である、

綿毛のペンギン。

ペンギンは卵から孵る時
くちばしで殻を破り出てくるが、
彼は足から出てきた。

歌は歌えない・・

でも、生まれた時から
踊ることが大好きだった

南極の過酷な環境で
生きる一羽のペンギンの物語。


《ネタバレ無し感想》

ホントのコウテイペンギンは
心の歌で求婚するなんてこと無いです。

ストーリーとしては明るく楽しいミュージカル調なものを扱っていますが、本質は陰鬱な題材である本作。
アメリカのヒエラルキーやスクールカーストを表すスラングでナード・ギーク・ジョックなどの分類があります。
映画や小説ではたびたびこの題材が扱われ、これらの単語も学生が主役の映画でよく聞くことがありますね。
実力社会であり、髪の色、目の色、肌の色、生まれ、身体的特徴、身体能力、学力、精神的な弱さなど・・。
差別の蔓延する国アメリカでは、子供の時からランクが決定づけられ、迫害の対象になることが根強い問題です。

本作の主人公は生まれた時に幼なじみの女の子“グローリア”にマンブル(モゴモゴ君)と名前を付けられます。
彼女からすると子供の素直な表現をしたにすぎないのですが、常に差別的な空気を纏うこの作品では、
モゴモゴ君という、ある種差別にも聞こえる単語が“しこり”として、観ていた私の中で残ってしまいました。
他にも人間社会におけるアンチテーゼのような場面が多々あり、それに関して多少なりとも論争があるようです。

本来の意図は、差別を受け、認められない境遇からの脱却。閉鎖的な世界をぶち壊すための伏線に過ぎません。

それでも…暗い題材だなぁと思ってしまう。

大人が自分たちや社会が抱える問題に対して重ねあわせ、娯楽作への思考を複雑にしているだけなのかもしれない。
“感動”は薄れてくるんだと歳を重ねる度に思う…なんて聞いた事があります。ですがそれは感動へのバイパスを
通してしまい、感動へ辿りつけない、もしくは辿り着く前に疲れてしまっている。たまにそう思うことがあります。
物事を楽しもうとする事は、養われていくと同時に最適化され、否定的な先入観を生んでしまうのでしょうか。

観ている自分自身が、そんな考えしかできないのか?と少し落ち込んで来てしまうような気さえしますね。
(どう考えても作り手側が問題提起し、作品の中であからさまな表現を使ってくるのでこっちは悪くないけど)

楽しむ力について考えてしまう大人。(私)
でも、ハッピーフィートには一応の解決方法が。

“吹き替え版”だと軽減されます。

お堅い翻訳をやめ、手越祐也の声を聞くのです
手越くん、いい声してるのね(笑)


ちなみに、関係なくラストはひどくない?w

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

63.6 14 2007年度アニメランキング14位
キノの旅 病気の国 ForYou(アニメ映画)

2007年4月21日
★★★★☆ 3.7 (124)
579人が棚に入れました
人間・キノと言葉を話す二輪車・エルメスが、様々な国を旅しながら遭遇する出来事を味わい深く描き、2003年にはアニメ化もされた人気作品だ。本作は劇場版として2007年に制作されたアニメ。
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

鳥を見ると、人は旅に出たくなるんだって

当時「電撃文庫ムービーフェスティバル」の三本立ての一つとして公開されていた作品。
「灼眼のシャナ」「いぬかみっ!」「キノの旅」というようわからんラインラップでした。おまけに製作会社もそれぞれ違います(キノはシャフト)。その中で私はキノ目当てで見て
「やべえ…大型スクリーンでキノ見ちゃってるよやべえ…」とかなんとか高揚感を味わっていました。「キノの旅」の後にギャグテイストの「いぬかみっ!」をやるもんですから、気持ちの素早い切り替えを要しました。




そんな昔話はさておき…
劇場版作品といっても上映時間は約30分。中村隆太郎監督も引継で、声優ももちろんそのままです。劇場版との謳い文句ですが、テレビ版と何ら変わりはありません。
旅人キノと喋るバイクことエルメスのコンビがいろんな国を旅しており、今回は超清潔で近未来的な摩天楼に囲まれた国に行きます。そんな国にある事情とは…。
テレビ版の続きが見たかった方には安心と信頼のクオリティで提供してくれる上、素敵なキノさんを堪能出来ます。作画はかなり変わっていますが、内容や雰囲気自体は相変わらず「キノの旅」です。シナリオ脚本は村井さだゆきさんに変わり小中千昭さんになっています。
監督:中村隆太郎、脚本:小中千昭…一癖も二癖も有るマイナーアニメ「serial experiments lain」のコンビです。このお二方が手掛ける「キノの旅」もとても質のいい作品となっていました。


作画は綺麗になっているものの、ボーンと響く不気味な音楽や、不安を煽る数秒の演出も相変わらず健在しています。
不気味とは程遠いですが、入国審査の際今や深夜アニメ鉄板お約束的存在の不必要なエロシーンがなくて本当に良かった。「キノの旅」にエロはナンセンスですし。スタッフ、有能…ッ!(消毒過程はSF映画「アンドロメダ…」に少し似てるなあと)後半は製作陣が本領発揮したのか、不気味な画面に早変わりします。前半と後半の雰囲気の違いも面白いです。


また、この作品は会話の「間」がとても良い。
原作の少々説明調な台詞を上手いこと改変させていました。キノと少女イナーシャが会話するシーンが比較的長いものの、原作より取っ付きやすい会話になっています。
会話の中穏やかな表情でイナーシャと話し、いつになく優しいキノが見れたことが印象的でした。キノ役前田愛(女優)さんの配役は度々物議を醸しますが作中の台詞で
「農業、したい?」「いつ、知り合ったの?」「早く治る薬が出来ると良いね」
等、イナーシャに語り掛ける声がとても優しそうでした。もう前田愛さん以外マッチしそうにありません。エルメスの声は…やはり私には合わなかったようです。
普段は冷静で他人に基本不干渉なキノが、積極的に行動します。キノの行動理由や心情がわかりやすいエピソードなので劇場作品に選ばれたのかもしれません。
{netabare} 彫刻で創った鳥の配達を承諾したキノに、何気にイナーシャが「わあっ」と言いながらキノの腕にしがみついて、はっとなって直ぐに離れるシーン。何気ない数秒のシーンが丁寧で良いです。キノって意外と好かれることも多いですね(笑)。キノの達観した価値観は確かに憧れるもんがあります。{/netabare}


前半のほのぼのとした中で見せた伏線が後半に繋がっていき、最後はハッピーエンドとは言い難い形で物語は締められます。視聴者に問い掛けるようなラストが「キノの旅」の作品の醍醐味でしょう。見た後ポカーンと放心してしまいました。戦闘シーンがちょっとしかなかったのはちょっぴり残念でしたが、若干数分の戦闘は緊張感が漂いました。BGMに頼らずとも魅せてくれる演出は流石です。
{netabare} ローグはもう既にイナーシャの近くにいるんですよ、地下の病室の標本として…みたくな台詞が強烈でしたね。酷い国だなあ…とは毎度ながら思いますが、幸福は誰かの犠牲の上で成り立っている、そんな皮肉めいたメッセージが感じられました。{/netabare}



タイトルは原作にはなく作中に出て来る台詞です。この台詞はテレビ版でもちょくちょく出るのですがちゃんと劇場版にまで生かしている展開に感動致しました。アニメオリジナルでこういうのを良い例っていうんですねえ…。
画面上派手なものはなく、静かに落ち着いた作品なので退屈に感じてしまう方もいそうです。それでも最後まで見たら何かしら印象に残ることがあるのではないでしょうか。手短い時間の中、沢山の要素をギュッと詰め込んである良作です。

私はこの「キノの旅」の退廃的な雰囲気が好きでたまらんのです。テレビ版のレビューでも書いた通り中村隆太郎監督が逝去されているので難しいのでしょうけど、アニメの方も年に数回でいいからOVA等で製作してくれないかなあと願望を抱いております。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

病気の国

■病気の国


「キノの旅」の映画。「灼眼のシャナ」と「いぬかみっ!」と一緒に上映されました。
ラインナップの作風がちょっと違う気がしますね。灼眼のシャナがダークチックな作風なので、ギリギリ合っていると思います。

作風は「キノの旅」のレビューでも書いたと思いますが、もう一度書きますね。
この作品の面白さというのは、世界観とテーマ性の溢れる残酷な描写です。
ディズトピアに含まれるのでしょうか。

一種の極論を仮想世界に描いています。それによって現実世界を揶揄する。
寓話的な手法なのでしょうか。そういった作風なのです。

主人公のキノは現実主義者な上に、傍観者です。そのため、テーマを受け取る私たちは、自分たちで演出を感じ取って、何が伝えたかったのかを考えなければいけません。

物語はバットエンドのものもあり、ハリウッド脚本術から引用すれば、エンターテイメントの基本に沿っていないのですが、そもそもエンターテイメント性を求めた作品ではありません。大衆受けを望んでいるわけでもないですから。
ハッピーエンドになれて飽きた方にはおすすめかもしれません。

前作とは制作会社が変わっています。化物語やニセコイなどでお馴染みのシャフト。しかし、絵本チックな事には変わりありません。
幻想的な世界観は健在で、メッセージ性も含まれています。





http://matome.naver.jp/odai/2136397406926476301
NAVERのURLを貼るのはどうかと思いますが....。
猟奇的なものが含まれているので、閲覧は注意してくださいね。
(NAVERより引用)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E4%BA%BA%E4%BD%93%E5%AE%9F%E9%A8%93
(アメリカ合衆国における人体実験より引用)

人体実験は昔から行われていた事があったそうです。

★人体実験の例(wikiより引用)

こういう事があったということだけ知ってもらえればいいので、ザッと読み流してくれれば有難いです。

ヨーロッパ
エドワード・ジェンナーによる種痘の実験
マックス・フォン・ペッテンコーファーのコレラ菌自飲実験
ナチス・ドイツの人体実験
ヨーゼフ・メンゲレによる、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所での一連の実験

アメリカ
ミルグラム実験
アメリカ軍が実施した核戦争を想定した兵士の被爆演習(1946年から1962年までの計11の作戦で1030発の核爆弾が使用され、数十万もの兵士が被曝した)
アトミック・ソルジャー
スタンフォード監獄実験
タスキーギ梅毒実験(w:Tuskegee syphilis experiment、1932年から1972年にかけてアラバマのタスキーギで貧困層の黒人性病患者約400人が生体実験の対象として未治療のまま放置[3]。1997年にクリントン大統領が謝罪。)
グアテマラ人体実験(1946年から1948年にかけてグアテマラにおける、アメリカ政府(公衆衛生局、国立衛生研究所)によるペニシリンの薬効確認のための梅毒集団接種[4])
MKウルトラ計画(LSDを使った洗脳実験)

日本
華岡青洲による全身麻酔の実験
九州大学生体解剖事件
新潟大学におけるツツガムシ病原菌の人体接種問題
731部隊(石井四郎が主導し、十数年にわたって多くの国籍にわたる1000~3000人とされる捕虜に、ペスト菌や炭疽菌、性病を感染させたり、冷凍、空爆、生体解剖、水だけで生きられる期間などを実地検証した日本の特殊部隊。データはアメリカにわたり幹部は戦犯にならなかった)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E4%BD%93%E5%AE%9F%E9%A8%93
(引用元)



現在は動物実験でウィルスや薬品のテストが行われています。その有り難みを知るためのお話と考えても良いかもしれませんね。

今の社会において、普通なら国がこんなことするはずはありませんよね。裏社会関係でこういう話を聞いた話があります。しかし、表立ってそんなことは考えられないですよね。(もしかしたら、私の知識が足りないだけかもしれないけど)

どちらかというと、昔の発展途上国や中世などでありそうです。中世については詳しくないので語ることが出来ないです。「人体実験が過去にあった。それで問題になった」ということだけ触れらればそれで良いです。


曲解すると、ネット恋愛のお話と解釈が出来そうです。キノの行動は作者の現実主義者的な考えを反映している行為ですよね。
「真実を伝えなければ良いのに伝える」ということをしていますからね。

この作品は不幸を見せることによって、その行為は正しかったのか、間違っていたのかを考えさせるようなシーンを作り出す、それに優れています。
「正しい、間違っている」というのは社会によって変わる上に、環境によって変化しますから、とても難しいです。

それを踏まえた上で、キノの傍観者的な振る舞いはよく出来ていますよね。視聴者に結論を委ねるといった意味合いで、「それ」を投げ出します。

私は、人体実験の面の悪い面を描いたと解釈しています。しかし、何も感じなかった人もいるかもしれません。その上、最後に女の子は助かっていますから、「犠牲はあるけれど、助かる」と解釈してもおかしくないのです。

他人の不幸などを気にしない方なのであれば、一人の犠牲で住民が救われる方を選ぶでしょうね。一人を殺して。
「平和を選ぶのか、それとも一つ家族を選ぶのか」
もちろん、今の社会では権利は保障されているのでそういったことは起きないと思いますが....。あくまで例え話。

それなので、テーマを解釈するのは視聴者なのです。

どの作品にも、テーマは視聴者が受け取るものだということは変わりありません。
ただ、この「キノの旅」は特にそれが強いのです。キノが自分から主張しません。
視聴者が感じ取らなければいけないのですね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

しんみりするストーリーでした。

非常に悲しいお話だと思いました。

ネダバレ {netabare}幸い、キノはあの人を殺してはいなかったようです。負傷くらいはさせたかもしれませんが・・・
ただアニメだと拳銃打ち合う所で終わるので殺しているように感じますし、少女への手紙もキノが書いたのではという解釈も成り立ちます。エルメスの「珍しいね」発言もキノがそういうおせっかいな親切をしたのが「珍しかった」とも解釈できます。
でも、多分、殺してはいないと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 3

63.6 14 2007年度アニメランキング14位
秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 総統は二度死ぬ(アニメ映画)

2007年3月17日
★★★★☆ 3.7 (32)
220人が棚に入れました
テレビ朝日の深夜に放映され、ヘタウマ&チープなアニメ映像とナンセンスな物語がカルト的な人気を呼んだ「THE FROGMAN SHOW」の「秘密結社 鷹の爪」が、Flashアニメのままスクリーンに登場。

63.5 16 2007年度アニメランキング16位
ワンピース映画 エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち(アニメ映画)

2007年3月3日
★★★★☆ 3.7 (148)
784人が棚に入れました
グランドラインをアラバスタ王国に向かって突き進む、ゴーイング・メリー号。そこには、アラバスタ王国の王女・ビビもいた。――砂漠の国といわれるアラバスタは、悪の秘密結社の暗躍により崩壊の危機に直面。ビビは組織の正体を暴くため2年前に国を出て、やがて諸悪の根源が国の英雄・クロコダイルだと知る。そして今、ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパーという心強い仲間を得たビビは、父親でもある国王・コブラと国の人々を救うため、いざアラバスタへ――!!
その頃、アラバスタでは、クロコダイルの陰謀により、国王軍と反乱軍との全面戦争が始まろうとしていた。

声優・キャラクター
田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、渡辺美佐、大友龍三郎、山口由里子、草尾毅、野島健児、植村喜八郎、園部啓一、矢尾一樹、稲田徹、橘U子、高塚正也、金月真美、けーすけ、中友子、野田順子、竹本英史、塚田正昭、青野武、川嶋あい、家弓家正、矢口真里、南海キャンディーズ、田村淳

63.1 17 2007年度アニメランキング17位
劇場版 NARUTO-ナルト-疾風伝(アニメ映画)

2007年8月4日
★★★★☆ 3.7 (73)
453人が棚に入れました
かつて世界を破滅寸前まで追い込めた魔物がいた。復活した魔物に狙われた鬼の国の巫女・紫苑(しおん)の護衛を任されるナルト。紫苑には二つの特殊な能力があった。一つは、復活した魔物を封印する力。もう一つは、人の死を予言する力。今まで一度も死の予言を外したことがないという紫苑がナルトに死の予言を告げる。ナルトは世界の危機を救うべく「死」の予言に挑む。ナルト・サクラ・ネジ・リーのフォーマンセルで鬼の国に向かう。

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ナルト死す?

最近はナルトの印象が大分違いますね、疾風伝の初期はこんか感じだったっけ、そういえば。

今回はメインはナルト、サクラ、ネジ、リーのフォーマンセル。敵もボスの黄泉に四天王的な配下4人。

バトルは正直簿妙だったかも、あまり苦戦することなく勝ってしまったし。それに作画がTVレベル。劇場版だからそれなりを期待していたのですが…

ラストの終り方は序盤のシーンも盛り込み、かつ意外性もあったのでそれなりに良かったと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

62.7 18 2007年度アニメランキング18位
KIDDY GRADE -IGNITION 覚醒編(アニメ映画)

2007年4月7日
★★★★☆ 3.7 (10)
73人が棚に入れました
1年以上前の記憶を無くした16歳の主人公の少女・エクレールは、GOTT(銀河通商関税機構:Galactic Organization of Trade and Tariffs)に所属する受付嬢兼ESメンバー(Encounter of Shadow-work Member)である。パワー(Power)という特殊な能力を持ち、電子機器を自由に操れるパペット(Puppet)という能力を持ったパートナーの少女・リュミエールと共に銀河市民の固有財産と権利を守るべく、GOTT局長エクリプスの命令の元、特殊任務を行っていた。エクレールは次第に記憶を取り戻すが、それは銀河全体を巻き込む大事件へと繋がっていく・・・。

アスクール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ええぇ知らないでしょう・・・そうでしょう。

これビックリすることにレビューどころか評価している人すら一人もいなかった愕然です・・^^;

まあいいんですが・・・ていうかこういうふうに書いても知らないから意味がないのかなあ・・・。

まあでも一応キディシリーズを知っている人もごくわずかいると思うので。

この劇場版はアニメの内容を抜粋した内容です。なのでアニメを見ていれば見る必要もありません。でも好きな作品なんで見ました。
でも逆を言えばこれを見れば内容はほぼ理解できると思います。でも設定がこっている上内容を細かく把握するのは結構厳しいです。でもそれはアニメの方も同じなので^^;

内容は80分程度なので時間がある人やもう見るアニメがないかたなどこういう古い作品を見るのはどうでしょう(?)


これの最後の方とかそそる展開じゃありません(?)アニメ見ましたが結構次が気になるようにできていて良かったです。

このレビューを見て興味をもつ方がいらっしゃることを祈ります。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

62.6 19 2007年度アニメランキング19位
真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章(アニメ映画)

2007年4月28日
★★★★☆ 3.8 (21)
109人が棚に入れました
「真救世主伝説 北斗の拳」シリーズ5部作の第3弾となる劇場版。自らを“拳王”と称し覇業を押し進めるラオウとケンシロウの宿命の対決が描かれる。

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ラオウの信念を垣間見られる作品

原作の北斗の拳は、長期連載の宿命である後付け設定が多く、矛盾が多発しています。
それをうまく調整しようという試みが感じられる作品です。

なぜラオウが力で覇権を取ろうとしたのか、最後に抱えていた想いはなんだったのか、うまく表現されています。

大げさな描写や(これは原作自体がそうですが)、作画の崩れがちょっと気になりますが、真救世主伝説のシリーズの中ではなかなかいい出来ですね。

余談ですが、ケンシロウに一蹴されるザコの中にこっそりレイザーラモンHGがいて吹いてしましましたw
序盤の序盤、しかも一瞬なので、見るつもりならお見逃し無く!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

我が生涯に一片の悔い無し!!

2007年4月28日 全国”追悼”ロードショーとして劇場公開。
「北斗の拳」原作。全5作からなる一連のアニメシリーズ。

原作のケンシロウとラオウの最終決戦を描く「ラオウ編」を
アレンジした作品。赤鯱の声優に角田信朗が起用された。

公開10日前の4月18日、高野山東京別院にてラオウ昇魂式が
行われた(葬儀委員長:谷村新司、弔辞:宇梶剛士)。

第一部 映画 真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章
第二部 OVA 真救世主伝説 北斗の拳 ユリア伝
第三部 映画 真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章
第四部 OVA 真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝
第五部 映画 真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝

主題歌:B'z「ロンリースターズ」

名シーンのダイジェスト風に急ぎ足で進行する。
善人面の鬼のフドウ♪

ユリアの声優は見込みなし。角田信朗でさえ頑張ったのに。

少し説明台詞が邪魔なシーンとか目立つ感じで残念・・
この映画視る人はいいシーンで余計な説明要らないかと。



ケンシロウ:阿部寛※少年期は下野紘。
ラオウ  :宇梶剛士
ユリア  :石田ゆり子
トキ   :堀内賢雄
リュウケン:大塚周夫
バット  :浪川大輔
リン   :坂本真綾

フドウ  :郷里大輔
シュレン :檜山修之
リハク  :宝亀克寿

バルガ  :てらそままさき
赤鯱   :角田信朗

ギラク:竹田雅則
ソウガ亡き後に拳王軍の総参謀としてバルガと共に仕えた。
性格は姑息で軟弱者、かつ可也のナルシスト(髪型はカツラ)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

61.9 20 2007年度アニメランキング20位
劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(アニメ映画)

2007年7月14日
★★★★☆ 3.6 (98)
612人が棚に入れました
ヒカリのポケモンコンテスト挑戦のため、断崖の町・アラモスタウンを訪れたサトシたち。しかし町では、100年前の天才建築家・ゴーディにより設計された庭園が何者かに荒らされる事件が起きるなど、町全体で異変が続いていた。
 犯人として疑われるポケモン・ダークライ。その頃、町の象徴である「時空の塔」で町の異変を調査していたトニオは、ゴーディの日記に記された予言を読み、「神」と呼ばれしポケモン・ディアルガとパルキアにまつわる悪夢が町に近づいていることに気づく。

声優・キャラクター
松本梨香、大谷育江、豊口めぐみ、うえだゆうじ、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、石坂浩二、山本耕史、加藤ローサ、ロバート、中川翔子、山寺宏一、石塚運昇、秋山竜次、馬場裕之、山本博

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

子供の付き添いで見に行っただけなのでうろ覚え

冒頭、ディアルガとパルキアが空だかなんだかよく分からん空間で、かめはめ波的なよく分からんものをぶつけ合ったりして戦うシーンがすごく長くて、もしかしてこのまま映画が終わるんちゃうかと不安になったのは覚えています。

そして、ダークライという上半身は人間のような顔と手があるのに脚はないというよく分からんポケモンが出てきます。今までのポケモンとはひと味違うデザインに、映画スタッフ達は困惑したことでしょう。

・通常より3倍速く描ける原画担当
「脚が付いてない」
・デザイン担当
「あんなの飾りです! 偉い人にはそれが分からんのですよ!」

・・・みたいな会話が繰り広げられたに違いない。


ところで、レビューを書くにあたり調べてみると、本作は映画館でWi-Fi経由でポケモン(本作ではダークライ)をゲットできるようになった初めての作品だったようです。

そういえば実際、映画が終わって明るくなってから配信されたんですが、
映画館でも初めての試みだったせいか、DSがWi-Fiに上手く繋がらずダウンロードできなくて、子供達が騒然となり、泣きそうになる子もいました。映画館のスタッフもよく分からないから解決できず。
うちの子供もダウンロードできなかったので、私が設定しなおしてダウンロードできたんですが、子供が興奮して「ダークライきた〜!」と叫んだら、子供達がわ〜っと集まってきて、みんなに設定法を教えるはめになりました。
最終的には子供達全員がゲットできて、映画本編以上の一体感と感動を味わったとさ。 チャンチャン♪

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ポケモン映画10作目記念作品

面白かったです。
この作品の近々のポケモン映画は、どこか退屈だなあと思わせるところがあったのですが、この作品では不要な要素などなく面白みがギュッと詰まった作品になっていました。

トニオとアリスの声は引っかかっていましたが、
何より石坂浩二さん演じるダークライのかっこいいこと。

かっこいいと言えば、この作品で私が気に入っているのは、
{netabare}ディアルガとパルキアの闘いでディアルガの攻撃の逸れた弾が避難している人の近くに落ちた時、仏頂面のグレッグルの毒突きがそれを跳ね返し、仏頂面を崩さないまま、ケッと言ったシーン。
グレッグルTUEEEEEE
何このポケモン、超かっこいい・・・!!
この映画でグレッグルの登場回数なんて2回ほどしかないのですが、一番美味しいところをこのポケモンがもっていったなと思いました。

あと、終盤のサトシの台詞『パルキアの バカヤロー !!』『おまえたちのせいでみんなみんな・・・街を元に戻せよ!』
闘いが一段落して良かったねってところでいきなりふっかけるサトシ君。
そんな攻撃的な発言でパルキアがまた怒ってしまったらどうするんでしょうか、普段言わないセリフだなと思ったので驚きました。

その後、ディアルガパルキアの闘いによって起きた空間のひずみで失われた町が元に戻り、ダークライを失って完全にお通夜モードのサトシたちからのダークライ復活は胸熱でした。{/netabare}

神話になぞらえたストーリーにぴったり合った時空の塔の音色と、まさに神曲なサラ・ブライトマンの主題歌が雰囲気を盛り上げ10作目記念作品にふさわしい神秘性と華やかさを兼ね備えた作品となっていました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

タイトルなし

次のポケモンコンテストに参加するため、アラモスタウンへやってきたサトシたちは、町でアリスというかれんな女性とであった。 アリスに町のランドマークである「時空の塔」や水と緑がゆたかな美しい庭園に案内され、すっかり観光気分のサトシたちだったが、そこで一行は、何者かによって庭園があらされているのを発見する。そこへやってきたのは、この町の有力者アルベルト男爵。庭園をあらしたのは、幻のポケモン・ダークライのしわざにちがいないと自信ありげに語るアルベルト。やがて不気味な影の中から、サトシたちの前にダークライがこつぜんとそのすがたをあらわしたのだった。

ダイパの劇場版1作目。3部作の1作目みたいな作品でもある。
アリスが可愛い。

{netabare}ダークライは不気味と見せかけて実は良い奴。{/netabare}
最高です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

61.6 21 2007年度アニメランキング21位
EXMACHINA-APPLESEED SAGA[エクスマキナ・アップルシード サガ](アニメ映画)

2007年10月20日
★★★★☆ 3.7 (67)
301人が棚に入れました
『APPLESEED アップルシード』の続編として製作された士郎正宗原作、荒牧伸志監督による3DライブアニメをBD化。サイボーグと人間の遺伝子で作られた“バイオロイド”と人間が共存する2138年を舞台に特殊部隊の活躍を描く。プロデュースはジョン・ウー。

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

前作よりおとなしくなった印象

【萌え】★☆☆☆☆ 【シリアス】★★★★☆
【ヒューマンドラマ】★★★☆☆ 【アカデミック】★☆☆☆☆
【ギャグ】★☆☆☆☆ 【演出】★★☆☆☆

 映画「アップルシード」の続編です。前作のキャラクターが何の説明もなく出てくるので前作視聴推奨。


 ぬるぬる動くアクションシーンは今作でも健在です。前作よりキャラクターが少し気持ち悪くなくなった気もしますがどうでしょう。音楽担当も相変わらず豪華。YMO・コーネリアス・rei harakami・m-floなどなど……よくもまあこんなに集めたもんだ。ブンブンがリストラされたことは個人的に残念ですが。
 ということで、この2つは前作同様よろし。

 で・す・が、
 物語がとってもわかりやすくなってしましました(悪い意味で)。「ハリウッド映画あるある」を地で行っている感じです。そのため展開が先に読めてしまいます。うむ。これは、

 (´・ω・`)「TSU ☆ MA ☆ RA ☆ NA ☆ I」

 と私は感じたのですが、どうやら(`・ω・´)「おもろかった~」と感じた方もいるようで。前作より物語のレベルが落ちた気がするのですが、それでもストライクゾーンに入る人は楽しめるかな?
 分かりやすいハリウッド映画を期待して観ましょう!物語は期待しない方がいいぞ!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

JJunuJJ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

前作『APPLESEED』を見てから鑑賞しましょう。

色々な説明が省略されているため、前作『APPLESEED』をみていないと色々難しいと思います。

この作品の売りである、フル3Dライブアニメは健在です。
前作よりも人物の出来はましになってるかな。

前作よりストーリーは分かりやすくなっています。
その分、奥が浅いというか......
3Dキャラのクサい演技とセリフもちょっとイマイチです。
声優さんが悪いのではなくて、脚本が.....。

個人的に、この『APPLESEED』という作品は、映像化するのに適していないと思います。
原作、難しいんですよね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

coldikaros さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

前作は凄い好きだった

前作の設定とか敵の思想とかがとても好きで、続編があると今になって気付き見ました。
結果としては、とんでもなくガッカリでした^^;
内容は、まぁ人間の神経ごと乗っ取れるマシンによるテロを潰す話です。ヒロインの恋人の機械人間の人間だったころの姿の複製体も出てきて、恋愛沙汰っぽさも若干出てます。
はっきり言ってしまって、全部ストレート過ぎます。何のワクワクもありませんし、展開が読めすぎる上に、予想を超えてくるほどの状態を描ききれていないと思います。
展開がまるっきり読めていても、演出等で予想を超えてくる盛り上がりを見せた場合にはよかったと思えると思うんですが、これは全然そうじゃなかった。
バトルシーンはCG技術の進化を見せるのはいいんですが、本当にワクワクしなかったです^^;
前作の思想と感情のぶつかりみたいな熱い展開が今回も必要だったんじゃないかなと薄っすらと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

61.5 22 2007年度アニメランキング22位
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(アニメ映画)

2007年4月21日
★★★★☆ 3.6 (104)
477人が棚に入れました
ある日の朝、庭を掘り返した飼い犬のシロが、古い文箱を発見。中には下手くそな文字で「おひめさまはちょーびじんだぞ」と書いてある。それは書いた覚えのないしんのすけ(矢島晶子)の手紙だった。その日の夢に出てきたおねいさんが「おひめさま」なんだと思った瞬間、しんのすけは戦国時代にいた。そこで春日家の家臣・井尻又兵衛(屋良有作)とおシリ合いになる。

声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、真柴摩利、林玉緒、一龍斎貞友、佐藤智恵、戸田恵子、来宮良子、此島愛子、玄田哲章、小桜エツコ、京本政樹

メア さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

シロ×しんちゃんの感動作

この作品の1番の(個人的な)見所はしんちゃんがシロを救うため1人、逃げ回り逃げ回り、力尽きてまでもシロを救おうとしていたところあたりでした。
いつものシロの扱いを考えると更に感動が深まって・・・。
その後のシロの行動も泣かせてくれます。
正直最後よりも中盤が1番感動できた作品でした。
(最後のヒロシはかっこよかったですが)



 ※下からはこの話を軽くまとめました
  
  =ネタバレです。

   ネタバレが見たくない人は見ないでください。

    なんとなく思い出したい人は読んで見て下さい。



ケツだけ星人が自分たちの宇宙船を守るために使った、地球を爆発させてしまうほどの円盤型爆弾が1つ、そのまま地球へと来てしまい、しんちゃんの尻に向かっていったことに危険を感じたシロがしんちゃんをかばって代わりにくっつかれてしまう。

その後、その事態を察したウンツィ(Unidentified Nature Team Inspection)とひなげし歌劇団が爆弾(シロごと)確保しようとする。

結局シロを犠牲にして世界を救うといった形で収めようとしたウンツィは野原家に事情を話し、ヒロシたちは戸惑ってしまうが、しんちゃんは断固拒絶。逃げ出すも力尽き、結局シロはしんちゃんを助けるため1人(1匹)ウンツィの元に行くことに。

その後シロを救いにウンツィに乗り込んだしんちゃんは、ロケットに乗り込み(ひなげし歌劇団も入り混じったが)偶然爆弾の解除コードを言い当て、ひなげし歌劇団の服をパラシュートにして脱出。爆弾は宇宙で爆発。


投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

AKIRA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

感動を狙いすぎてあざとい印象

多分これを見るが小学生の頃だったらお涙頂戴の感動作なんだろうけど…

しんのすけとシロの愛情がメインで恐らくメインテーマは「家族愛」なんだろうけどオトナ帝国のようにギャグとシリアスの絶妙なバランス加減が感じられません。

たとえばシロの回想シーン。しんのすけの主人としての良さより、シロに対してのぞんざいな扱いの比重が大きいため、思い回想シーンから感じられるはずの両者の絆も、弱く感じられてしまいました。

全体的にテンポが悪く無駄なシーンが多いなと感じた作品でした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 3

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

タイトルなし

シロとしんのすけの絆はすごく良かったと思います。

くたくたになりながらもシロを助けようとしたしんのすけが

とてもかっこよかったです。

自ら敵に捕まりに行ったシロにちょっとうるっとしました。

ラストの空から降ってくるしんのすけ達を

ひろしが受け止めるシーンも過剰ながらも良かったと思います。

メイク取れた後のおこまのギャップがかなりツボでした。

ひなげし歌劇団達に「あんた、誰?」て言われたのもw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

61.3 23 2007年度アニメランキング23位
ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~(アニメ映画)

2007年3月10日
★★★★☆ 3.6 (66)
351人が棚に入れました
「地球を悪魔族から守るため、魔法使いたちが立ち上がる!!」
のび太が「もしもボックス」でつくった魔法世界。だが、夢いっぱいで楽しいはずの魔法世界は、魔界星の悪魔族に狙われていた。
つぎつぎとおこる怪事件。ドラえもんたちは、悪魔族と戦うことを決意する!!
ネタバレ

ちっち さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

魔界大冒険しないリメイク失敗作

原作見てる評価なのですが、非常に余計な設定やらエピソード満載で、とても大事な部分がカットされた残念作品です。
どの部分が悪いかは後述しますが、ほんとに違和感しかない作品で、唯一、作画はいいですね。ジャイアンがかっこよすぎるんですが(笑)
まぁ、敵の小物感が半端なく、魔界大冒険というより、USJ探索でいいんじゃと思えるほど、肝心の魔界の恐ろしさがかなりカットされてます。あと追加された、宇宙の場面とか、、いる?? 魔界で冒険だよね?
皆さんが良いと思ってる箇所は原作にもある箇所で、幼稚園児にはいいかもですが、小学生以上は原作を見てほしい作品です。{netabare} 改悪の箇所ですが、最初の宇宙設定、いる? 石像の伏線、原作を変える必要ないよね? 魔界、大冒険してないよね? メデューサ、そもそも母親設定とかいる? 声が久本? 魔王、小物か? 魔界って、怖いところだよね? アトラクション? 戦いで凍ったり、いろいろ飛び交ってるけど、もう死んでるよね? 突っ込みどころが満載 {/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もしもボックスの罪REMAKE

シリーズ27作目。新製作陣になってから2作目。
{netabare}
前作からの焼き直しシリーズで、今回は魔界大冒険のリメイク。このリメイクするかどうかってどうやって決めてるんだろうね。
全体的なプロットは旧作と同じなのだが、脚本はよりドラマチックに、演出や作画もとんでもなく進化している。

特に美夜子のお母さんエピソードを盛り込んだのは効果的に思えた。
マカイ星での美夜子さんとの別れのシーンも感動した。

でも旧作と同様で、元々がのび太の道楽で作られたパラレルワールドで、自分で作って自分で救うという、自らの尻拭いストーリーなのがいまいち燃えないところではある。
もしもボックスを使う行為は美夜子たちからしたら本当に迷惑で、罪深いものだったなという感想が残った。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0

61.3 23 2007年度アニメランキング23位
カフカ 田舎医者(アニメ映画)

2007年11月30日
★★★★☆ 3.6 (44)
222人が棚に入れました
繰り返される現実に、絶望を抱えて生きる。”田舎医者”はわたしたちの日常にいる― 日本人初、オタワ国際アニメーション映画祭グランプリ受賞作品。『頭山』の山村浩二が挑むカフカの世界。 (ストーリー)田舎医者は困り果てていた。すぐにでも患者のところに行かねばならない。そんな時、ふと目の前に突如あらわれた馬子。馬に乗ると一瞬にして遠く離れた患者宅に到着した。何か困ったことがおこると、神様は私に救いの手を差し伸べてくれる―。暑く湿った部屋。すすり泣く家族。わき腹に薔薇色の傷を咲かせた少年。だが、どうしようもない出来事ばかりを前にして私は何もできない。私は医者だ。私は無能だ。自分を救うために自分をだまし、こうして私はまた絶望の朝を迎える・・・。


声優・キャラクター
茂山千作、茂山七五三、茂山茂、茂山逸平、茂山童司、金原ひとみ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これは芸術的領域!

繰り返される現実に絶望を抱えて生きる・・
そんな田舎の医者のお話です。
話の内容は、ごくありふれた・・いや違うな、
医者という職業のせいで、どうしようもなく堂々巡りしてしまう日常、
と言ったほうが近いかもしれません。
その見せ方が素晴らしい!

オタワ国際アニメーション映画祭にて、
日本人初のグランプリを受賞した作品です。

たとえば、大きな声で叫んだときは突然顔が大きくなったり、
また、傘も差さずに雪の中を必死に歩く姿の場合だと、
足がビニョ~~~ンっと伸びては歩み、
雪に入り込んだもう片方の足を持ち上げるべく、またビニョ~ン
ってな感じで、アニメーションならではの独特の映像がとても面白く、
モノクロっぽい映像は絵のタッチこそ違うけれど、
雰囲気的にはエドワード・ゴーリーのような
大人向けの絵本を見ている感覚で楽しめました。

背後に流れる現代音楽も、個人的にはかなり好みでしたし、
声の演技を狂言師の方々が担当することで、
物語とキャラデザインの不気味さや、物語全体に漂う緊張感、
雪の中の静寂感などが、より引き立っているように感じて、
外国文学にこういった古来からの日本文化を融合させると
こんなにも新鮮で、意外にマッチするものなんだなと、
あらためて気づかされた思いです。

観る人によっては難解だったり退屈だったりするかもしれず、
感想もだいぶ違ってきそうですが、
おそらく・・・チェコで有名な人形映画監督 
クエイ兄弟の作品がお好きな方や
キルケゴールやニーチェなどの思想哲学分野がお好きな方なら
かなりの比率でこの作品を気に入っていただけるような気がします。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 29

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

高尚すぎて、難解でした。

フランツ・カフカの短編小説『田舎医者』を原作とする山村浩二作のアニメーション映画。20分ほどです。


そもそもカフカを読んだことないです^^。
「田舎医者は、手に入れられないもの(=絶対的な才能)を求めながら、手に入らないことを絶望的に感じ、少年を諭すように自分自身を騙し続ける」hpより


とありますけど、時代背景も1917年と戦前だし、高尚すぎて作品を理解するのは、私には無理です^^。
作画が演劇的で、ちょっとある意味ホラーっぽい?、アートっぽい。
作家の金原ひとみさんがローザ役とありますが、少し登場しただけで、ほとんどが狂言師・茂山一家の狂言節?といえばいいのでしょうか、独特です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

↑「あらすじ」通りの内容すぎてビックリした

中学生の頃に読んだが、その頃はあまりよく判らなかった。
ロシアの文豪「カフカ」なので、何か感じられそうなのだが、オッサンになった今、アニメを観ても良く判らないのは、人として浅いのだろうか?
ただ、作画は凝っており、「こりゃ、大変だな」と思うが、残念ながら内容が今ひとつ。
だだ、20分少々なので原作とあわせて観ると「○休みの宿題:読書感想文」にはいいかもしれない。
(コクゴのセンセイはこういったビッグネームに弱いからアニコレの他のベタボメレヴューを参考にするといい。)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

61.0 25 2007年度アニメランキング25位
KIDDY GRADE -MAELSTROM 氾濫篇(アニメ映画)

2007年6月23日
★★★★☆ 3.7 (10)
60人が棚に入れました
2002~2003年に放映された人気TVアニメーションシリーズ「キディ・グレイド」の劇場版第2弾。『KIDDY GRADE-IGNITION- 覚醒編』に続き、今回も新作カットをプラス。遠い未来を舞台に、「ESメンバー」という特殊能力を持つ少女たちが激しいスパイ・アクションを披露していく。監督は『機動戦艦ナデシコ』などのキャラクターデザインを手がけた後藤圭二、アニメ制作をGONZOが手がける。
123
ページの先頭へ