「大正野球娘。(TVアニメ動画)」

総合得点
66.4
感想・評価
456
棚に入れた
1985
ランキング
2812
★★★★☆ 3.7 (456)
物語
3.7
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.8

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

野球版ガルパン+大正ロマン。けいおんの影に隠れた抜群の良作

大正時代のお嬢様たちが野球で頑張ったり仲良くなったりを描いた、野球版のガールズパンツァー+大正ロマンな感じのアニメ。
2009年、「けいおん」の後番組として放映された深夜アニメだが、NHK教育で流されても異和感無いレベルの良作。
遺憾ながら今一つ人気が無いのだが、間違い無く良作だと断言出来ます。
※NHKアニメには「プリンセスナイン」という女子野球アニメありますが、萌え的にはこちらが上かと。


{netabare}『物語』
舞台は、大正14年(1925年)。大正時代の女学生たちが、野球で男子に挑戦していく一貫した目的意識がある。
非常に萌えどころがある一方、時代背景やキャラクターは相当に骨太で、大正ロマンの雰囲気や魅力、大正時代特有の時代背景を活かしたストーリー展開に引き込まれる。
可愛さや和気藹藹とした楽しさのような女子部活物+一貫した目標に向けてひたむきに頑張る本格派を合わせた、後のガールズパンツァーの路線の先駆け的な作風に思える。
全般的に本格派のスポコンよりは、女学生たちの日常や仲の良さ微笑ましさ重視の雰囲気で、萌え的にもバッチリ楽しめる。
一方で野球への情熱や努力は割と真面目、手痛い敗北に涙したりとシリアスも若干あり。

物語は小笠原晶子(あきこ)お嬢様が婚約者の男尊女卑発言にキレて、対抗すべく「野球で勝負よ!」とチーム結成を親友の鈴川小梅(主人公)に持ちかけ、一気に前代未聞な女学生野球チームを結成、右も左も分からない状態から彼女達なりに努力して強くなっていく感じ。
2話にして9人が揃い、3話目で初試合に漕ぎ着ける、テンポの良さ。
大正女学生たちの、進取の気風と好奇心という時代の風に乗るようなノリの良さも加わり、展開がスムーズなのが良かった。
物語の当初は大正時代の男尊女卑への反発があるが、それをあまり引きずらないので気楽に視聴出来た。

大正14年という時代が、ポイントか。
大正デモクラシーと言われる、自由闊達な精神を謳歌する一方、古来の常識や価値観も根強くある。
悲しいけれど、その前途は決して明るい時代ではない。
直後、戦争に継ぐ戦争の、暗黒の昭和が来る。
つまり、境界線上にある、青春時代なのでしょう。
晶子は試合の結果に関わらず、もうすぐ卒業して婚約者と結婚、家庭に入る事が決定している。
他の娘たちもそれぞれ、野球が出来るのは今この時しか無い。
今しかない。野球に打ち込めるのも、友達と仲良く遊べるのも、今しかない。
今しか出来ない事だから、一生懸命がんばる。
そんな大正野球娘たちは皆可愛く、皆輝いていた。

良い感じに萌えやスポコンを展開しつつ、最後まで綺麗に完結。
終始楽しく視聴出来、終了後には寂寥感すら感じる程、良いアニメでした。
決して派手な波乱があるワケではなく、野球アニメとして見ると本格派には届かないかも。
安定感バツグンの萌え+燃えありの日常系という感覚で、大好きです。


『作画』
キャラ作画は派手さこそ無いが綺麗で可愛く、好ましい。
素直で健全な可愛さを感じる良作画。
大正ロマンの描写も秀逸。
また野球のシーンも(細かいツッコミ所はあるかもだが)結構本格的。
個人的好みからすると、4.5点あげたいところだった。

『声優』
伊藤かな恵さんの小梅は非常に可愛く、個人的に伊藤かな恵さんのベストキャラだと思う(知名度的にあまり挙がらないだろうけど)。
声優陣は豪華かつ良い味出しており、晶子役の中原麻衣さん、宗谷雪役の能登麻美子さんの「おじゃんでございます♪」、石垣環(たまちゃん)役の 広橋涼さんのツンデレ等々、いずれも可愛さ抜群。

『音楽』
伊藤かな恵さん、中原麻衣さん、植田佳奈さん、能登麻美子さんの4人が歌うOP「浪漫ちっくストライク。」が元気一杯かつ大正娘らしい清純さややる気を併せ持つ可愛い歌で非常に好き。
健全さと可愛さを両立した異色の女子野球ソングは一見の価値あり!
伊藤かな恵さん歌うED「ユメ・ミル・ココロ」も大正らしい可愛らしい良曲で好感持てる。
この歌も含む小梅のイメージもあり、伊藤かな恵さんの代表キャラだと思った。
作中歌の東京節(大正時代に実際に流行った流行歌)も伊藤かな恵さんが元気一杯に歌っており、こちらも素晴らしい♪

『キャラ』
大正時代のお嬢様特有の奥ゆかしさ、気品を感じさせるキャラクターが多くて非常に萌える。
多くのアニメや漫画やラノベにありがちな「お嬢様っぽい」キャラではなく、しっかりとお嬢様らしく描かれている貴重な作品だと思う。
(氷菓のえるたそ等、本物のお嬢様は僅かしか居ない気が)
大正時代の男尊女卑にも負けない負けん気や好奇心、時代のモダンさを体現した活力があり、単に可愛い、萌えるだけではない魅力があった。
個々のキャラも個性的で、リーダー格お嬢様の晶子、庶民的な小梅、大和撫子だが割と黒い?宗谷さん、ムスってしてるけどちっちゃくて可愛いタマちゃん等々。
女学生らしい軽めの百合あったり、どの娘たちもそれぞれに可愛かった。
萌えアニメとして見ても、たまには大正女学生も良いものです!{/netabare}

投稿 : 2014/09/04
閲覧 : 357
サンキュー:

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