「ファイアボール チャーミング(TVアニメ動画)」

総合得点
64.2
感想・評価
103
棚に入れた
528
ランキング
3839
★★★★☆ 3.8 (103)
物語
3.6
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.4
キャラ
4.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

woa さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

冗長だがテンポの良い言葉遊び

2分アニメとあってテンポは良い。

ドロッセルの提示する人間とは何かというテーマに対してゲデヒトニスはドロッセルの父親の残した様々な言葉を教訓として挙げるが、その真意は二人の会話の中で常に誤解され、滑稽な形で現象に裏切られるのである。

例えば機械と人類の争いを終わらせ世界にバランスをもたらすとされるチャーミング人類の乗り物がドロッセルが近づいてこれをよく見ようとすると警告と表示された危険物に変わるのだ。

このような誤解は完璧にはならないように設計されたドロッセルやゲデヒトニスたちの面白い個性を良く表しているが、初めにロゴスありきという世界感においてはチャーミング人類というユーモアが人類に滅亡の危機に追いやられる彼らにとっては救いの象徴だったのだろう。

外の世界に出ることを夢見るドロッセルや、過去の思い出に没入し亡き主人の言葉を延々と引用し続けるゲデヒトニスは、表情こそないものの、言葉と機械的な特性である諸機能(ランプの点滅、モニター部分の回転など)を組み合わせることで、彼らなりの感情や個性を表現しているように思えるのである。

それが単にチャーミング人類の滑稽さを模倣する機能(コピー)に過ぎないとしても、傍から見ると愛らしいやり取りであると感じるとともに、人形や空想の形でしか現れないチャーミング人類のことを考えるとどうもやりきれない気がするのである。

ドロッセルたちにとって人間とは、今自分たちの生活を脅かしつつある「人類」、ドロッセルたち機械への敵意に燃えているであろう「人類」ではなく、彼らの空想の中にのみ存在する、雷雨の中凧揚げをしたり、ナマコを最初に食べたりする、「チャーミング」で個別的な「人」たちのことなのだ。

これが現実逃避であることはドロッセルたちの会話が終始密室を舞台をしていることからも明らかなのだが、彼らの戦争が大局的に手詰まりであることを考えると致し方ないとも思える。

なによりも、「生きている」時間を楽しめることが彼らにとって一番なのだ。

投稿 : 2014/11/24
閲覧 : 417
サンキュー:

1

ファイアボール チャーミングのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ファイアボール チャーミングのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

woaが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ