「新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に(アニメ映画)」

総合得点
83.7
感想・評価
1438
棚に入れた
8379
ランキング
306
★★★★☆ 4.0 (1438)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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woa さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

LCLの海から人がその形を取り戻す時

個人的にはあらゆるアニメの頂点を極めた作品。すべてのアニメの原点。

誰しも他人とこの作品について話してもATフィールドのせいで、一向に解釈が一致しない。結果エヴァを理解できるのは自分だけだという人が後を絶たないが、本当に理解できているつもりだとしたらその人はエヴァ好きかもしれないが、作品自体の意図をまったく分かっていないということなのだ。

レムを通じて思い知るのは、エヴァのような作品に解釈という恣意的な行為を適用するのはそもそも不可能だということである。

SF文学、映画、神話、ユダヤ神秘主義。こういう設定レベルの浅い部分でしか語れない人間は自分の言葉でエヴァを理解できない故にそのような注釈にもならない横やりでエヴァを語っているつもりになっているに過ぎないのだ。要するに自分の理解可能な言説に浸って安心し最後はLCL化したゼーレみたいなものなのである。

ただ、かといって単純な哲学の位相でエヴァを語った気になるのも罪悪だが・・・。

では理解不能だが革新的なエヴァを有効に「機能」させるにはどうすればいいか?(碇シンジはエヴァの構造や意図について理解していただろうか。彼は単に「機能」させただけである)

自分の考えでは、エヴァ(碇ユイ)の意図を最も生産的にとらえるには、エヴァそのものから離脱するという二律背反しかないと思う。

早い話、理論と実践を同時に行う不可能事しかエヴァから抜け出す方法はないのだ。

とすれば、エヴァ信者は碇シンジがエヴァから脱し綾波レイと決別したように、まずアスカ・ラングレーを探し出すことからしなければならない。

エヴァという「夢」を終わらせて、「現実」を始めるべき時がLCLの海が「人の形」を取り戻す瞬間なのである。

人の形を取り戻してもまた同じ進化のループを繰り返すだけなのかもしれないが、生命にとって重要なのは、エヴァの人間関係がそうだったように、変化し続けることなのだろう。

投稿 : 2014/11/27
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