蒼い星 さんの感想・評価

2.9
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

萌えと農業。

アニメーション制作：SILVER LINK.
2014年1月 - 2014年3月に放映された全12話のTVアニメ。

原作は、白鳥士郎によるラノベです。
岐阜県にある農業高校をモデルにした舞台に、
萌えと農業問題を組み合わせたコメディ。

主人公は、アイドルオタクの農業高校生・畑耕作。
入れあげてた超人気アイドル・草壁ゆかの電撃引退に傷心するも、
なんと、そのアイドルが耕作のいるクラスに転入してきたのが第1話です。
このアニメでは男女が同じ寮に住んで一緒にご飯を食べたりしてて、
4人だけの寮生の畑耕作、木下林檎（芸名・草壁ゆか）、中沢農、過真鳥継がメインキャラですね。
（本当はもう一人いるみたいですが！）

原作小説は読んだこともなくこれからも読むことはないでしょう。
放送中に漫画版で読んで面白かったのでアニメ版にも期待したのですが、
映像で見てみると安易なパロディと安易な下ネタがあまりにもくだらなさ過ぎて、3話目で切ったのですよねえ。
水着の元アイドル・林檎とブルマのムッチリ系女子・農の泥レスとか、
大股開きで回転しながら空を飛ぶビキニパンツのメガネ君・継とかもうねｗｗ

作品の雰囲気としては某掲示板でおなじみの、
「やる夫は○○をするようです」「やる夫で学ぶ○○」スレッドに似ていますかも。
農業に関する蘊蓄を語ったり問題提起をしたり、
水銀灯のパロキャラとか矢島金太郎のパロキャラとか登場人物を見ると益々既視感があります。

なんとなしに、この作品って作者がネット上で出回ってるギャグネタをかき集めて、

『キレちまったよ・・・屋上へ行こうぜ』
『や・ら・な・い・か！』
『なんだってー！！』

などといった台詞をキャラに言わせたいだけじゃないか？
ネット民向けにネット民の内輪でウケたギャグをぎゅうぎゅう詰めにして陳列しているだけで、
プロの小説家が作った作品としては些かピントがずれているのではないか？
パロキャラとか抜きにしてもネタから逆算してツンデレとか変態とか記号としてキャラを作っているに過ぎないような？

そういった思いが私にこの作品を一度断念させた次第なのです。

とはいえ序盤の3話だけで全部決めちゃうのもあれですし、
あにこれでは好意的なレビューが多いですので、
再評価のために見てみました。

うん？やっぱり3話目までは寒かったものの、4話目「君が見せた笑顔」
から良い雰囲気の話があったり、笑えたりする話が所々にあって良かった感じ。
真面目に農業の問題をアピールする場面では考えさせられる部分が多くて参考になりました。

でもねえ、露骨なパロディキャラが滑ってたりね！（校長とか！校長とか！校長とか！）
パロに頼らないギャグが、やったら精神攻撃がきつかったりして見るに耐えかねないのがあったり！
（8話目のアラフォー教師が心の底からマジ気持ち悪かったですｗ）
悪ふざけやパロも使い方次第で大いにプラスになるのですが、
このアニメの場合は私の好みに合わなくて、
『のうりん』というアニメに褒める部分がたくさんあっても、
個人的感想では収支でマイナスな平凡な作品という結論に至りました。
好きな人には良い作品なのでしょうけどねｗ


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。


追記
終盤近くのエピソードにて、農村について耕作が林檎にいろいろと真面目に教える場面。
実は、会話の内容が『おもひでぽろぽろ』のタエ子とトシオの丸パクリ。
参考資料が偶々同じだったというレベルではなく完全に一致という事実に後日気付きましたので、
物語の評価を3.0→2.0に下方修正しました。
この作品で一番心を打った名場面だと思っていただけあって非常に残念ですね。
やっぱり『のうりん』の本質はパッチワーク。
既存作品からの借り物の台詞と記号の寄せ集めであって、
プロの仕事としては疑問符がつかざるをえない代物でしか無いと思いました。