「たまこラブストーリー(アニメ映画)」

総合得点
83.0
感想・評価
1239
棚に入れた
6582
ランキング
332
★★★★★ 4.1 (1239)
物語
4.1
作画
4.3
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

眩しすぎる恋物語。

いずれ書き直すレビューですが、
先んじて言いたいことがあります。

この作品を観て解る通り、
思春期の女性の繊細な部分を表情や動きで表現することの一点では、
京都アニメーションは日本一、いや?世界一でしょう。

もち蔵への恋心を自覚した、たまこの一挙手一投足。
本当に可愛くてたまらない。

その表現は、数多くの女性スタッフが京アニの主力として活躍していることで、
山田尚子監督が主導で女性の感性が作品作りに反映されているということ。

それは、けいおん!が女性ファンからの共感を得てきた理由と概ね同じであり、
例え最高の技術を持っているスタジオジブリであっても、宮崎駿監督の目指す方向性との違いで表現出来ない部分。
つまりはジブリが持っていない京アニ独自の持ち味であるということです。

得意とする表現分野で京都アニメーションが持っている繊細で緻密なコダワリは唯一無二の存在でありましょう。
それは、京アニが長い期間かけて木上益治さんらが育て上げた人材が一丸となって作り上げたもの。
所属しているスタッフのひとりひとりが高い意識・向上心・技術力を備えたプロフェッショナルであり、
彼ら彼女らが今まで作ってきた作品の多くがファンからも見てもかけがけのない大切な宝物であること。
疑う余地が無く、高い敬意を払わずにはありません。
(過去作には好みでないものが幾らか存在していたにせよです!)

作画以外にも演出や脚本へのこだわりが高く、
たまこの精神構造の掘り下げ、変化することを恐れたたまこの戸惑いと成長が非常に丁寧。
大好きな母の死にずっと囚われ続けていた、たまこの心の変化。そのきっかけを与えたもち蔵。
TVシリーズ中から大好きな親友への愛情が強すぎた、みどりの心の整理と成長の物語。
たんなるふたりの恋物語でもなく、人の心が描かれた邦画として、
その緻密さは、もっと評価されていい完成度が高いアニメ映画だと思いました。

この作品の特徴として凝った言い回しは無く、とにかくシンプル。
何でも台詞で伝える直接的な表現を避けて、気持ちを目と表情で伝える。

伝わる思いと伝わらない思い。

せいいっぱいの勇気を振り絞って漸く『好きだ!』と相手に伝える。
敢えて拙い言い回しにしていることで、いっぱいいっぱいの気持ちが受け手に伝わってくる。
恋愛を扱ったジャンルとしては最高の作品候補であると言っていいでしょうね。
(個人的には観た範囲では一番好きな作品です。)

===================

ずっとずっと一緒だった、たまこともち蔵
いつまでも変わらないと思っていた
幼馴染の二人の関係に新たな季節が訪れます。

恥ずかしくなるぐらい初々しい純愛物語。
観ていてこっちまで顔が熱くなってしまいました。

あれだけ天然で朴念仁だった、たまこちゃんが
恋心を自覚しての反応が従来よりもずっとずっと可愛かったです。
今まで不遇だったもち蔵くんもついにやったね!男だねえ…。

人には人それぞれの想いがあって皆、繋がって生きている。

ちっちゃかったあんこちゃんも、お姉ちゃんと呼ばれる年頃になっていく
豆大さんと吾平さん、いつも喧嘩ばかりしてるけどあれで本当は仲いいんだね
おじいちゃん、いつもたまこたちのことを優しく見守ってくれていたね
道子おばさんがいてくれて、たまこは随分精神的に助かったと思います
みどりちゃん、心に余裕ができて良い意味で変わったね
かんなちゃん、相変わらず愉快だね
史織ちゃん、たまこの友達でいてくれてありがとう
ひなこお母さんの想いは家族の中でいつまでも生き続けているんだね

言いたいことはいっぱいあるけれど、
ここでどれだけ説明するよりも、
とにかく一度観てください!ハッピーな気持ちになれます。
そうとしか言いようのない物語でした。

二人だけでなく、この世界に住まう全ての人たちがいつまでも幸せでありますように!

投稿 : 2020/04/08
閲覧 : 1309
サンキュー:

143

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