「ARIA The ORIGINATION[アリアジオリジネーション](TVアニメ動画)」

総合得点
85.0
感想・評価
1141
棚に入れた
6207
ランキング
253
★★★★★ 4.3 (1141)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.4
キャラ
4.4

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アバンからシームレスでOPに突入する演出はかなり好き

1期と2期は見た記憶はあるのですがあまり覚えてないのと映像が手に入らないので
DVDを持っている3期からレビューします。
1期と2期は機会があったらその時にレビューしたいと思います。

本作はテラフォーミングされた火星を舞台にした物語の3期にあたります。
テラフォーミングにしたことにより水が豊かな惑星になり
地球のヴェネツィアを移転させた世界でゴンドラ漕ぎの職業ウンディーネについている女性達の物語です。
序盤はゴンドラ漕ぎの仕事での出来事やみんなでご飯を食べたり
日常的なシーンが多くて和む感じがします。
テンポも遅くて緩やかに進行するアニメなんですが不思議と退屈とは思わず
世界観にドップリと浸かれるように感じられました。
なんでかなと思ったのですが、やはり美術的な要素が大きいと思いました。
作画が2008年の作品にしては丁寧で鮮やかな感じがいいですね。
2話の裏庭の花やフジの花の作画なんかは凄く綺麗で登場人物がみとれているのに
作画が残念というケースにならなくて説得力があったり
水の作画の塗りや空の塗りや壁の塗りがきめ細かく鮮やかに塗られているので
丁寧なのが良くて作画レベルが高いのは評価出来ます。
音楽も独創的でいい雰囲気の曲が流れるのでいい感じになれます。
私はOPは滅多に褒めないんですけど
アバンからシームレスでOPに突入する演出はかなり好きでした。
こういう演出なら毎回OP見たくなるのでとっても素敵です。

頻繁にアリア社長の天真爛漫な姿が映されるケースが多いので
日常的な雰囲気が溢れるアニメなのですが
そんなふんわりとした世界観の中まじめにウンディーネの仕事をこなしたり
仕事についての考え方、アリアカンパニーの先代達のことが語られたり
この世界の人達の生きる姿が見れるので素直にいいなと思えました。
やっぱり綺麗な世界観の中、まじめに生きる姿は素晴らしい。

ストーリーも日常系に見えたけど意外にもしっかりしていました。
灯里がまじめにARIAカンパニーの業務をこなしたり
自分の仕事が上手くいかないかと心配したりまだ半人前の社会人らしくて
そういった感じが好きですね。
やっぱり社会で生きていく上で誰しもが感じる不安の見せ方は上手いのはいいです。
またその灯里が相手をする客との会話も丁寧で自然な感じが良くて
結構ためになる話も多いので凄く良かった。
2話でお婆さんの客が灯里の一生懸命さを褒めていたけど
感謝の気持ちを忘れない所は人として尊敬は出来ると思いました。

灯里は本来はゴンドラでの観光案内業をやっているのだが
ある時トラゲットという渡し船の業務に付く事になるのだけど
そこでは観光案内業が1人で出来て1人前とされる「プリマ」になれない
灯里と同じく半人前の「シングル」の人達が「プリマ」についての思いが語られるのだけど
夢や憧れは若者らしくていいのだけど、「プリマ」への昇格試験は難しく
このまま「シングル」のままでもいいかなという
現実的な考えもありさまざまな人生観を語る姿はかなり良かったですね。
昇進試験の合格基準も試験官によって変わってくるみたいなので
そういった愚痴も語られたり現実的な話でした。
そこで出会った人達に灯里は持ち上げられたりするのだけど
同じ夢を持つ同士で励ましあう姿も美しく個人的には中々良い回でした。

中盤では今は「プリマ」だが自分だけ「プリマ」に中々なれずに仲間の2人に遅れを
とった昔話なんかは聞いていて良い話だなと思いました。
自分だけなれない悔しさは演出や音楽の質もいいので
その気持ちは伝わってきました。

「プリマ」を飛び級で昇格した子が出てきたりするのだけど
唐突の昇格でビックリしましたが
演出はやっぱりかなりいいし昇格するだけの説得力のある
話の作りを1話しっかりとやっていたのでサプライズ昇格がかえって良くみえて
感動の波はよりいっそう高まりました。
こういった人生の転機を上手くアニメーションとして
表現出来たことに関しては正直凄いなと思えました。

最後はやや駆け足に見えましたがアリシアが先代から継いだように
アシリアもまた後輩に後を任せるという見事な世代交代は凄く良かった。
それと同時にみんな成長して大人として生きていく過程も
上手く描けていて、特に大人になるということは
1人で自立して生きていくことであり
そういった過程では当然訪れるみんな前みたいに会えなくなる寂しさ
なんかは凄く伝わってきました。
時代が変化する寂しさ、世代交代をキッチリと描き遂げた作品なんで
終わってみれば素直に感動出来ました。

作画については上にも書きましたが2008年ごろの作品なんですよね。
今見ると絵はチョット古めかなと感じます。
割合最近だと思っていたので時代の流れの早さに驚きました。
キャラの作画は当時としては綺麗で安定していたと思います。
引き絵がたまに微妙なのは当時らしいですが大きくは崩れないので安心して見れました。
水辺の感じや風景も全体的に綺麗なのも上で書きましたが
11話以降の後半の方が水の反射の感じが凄く良かったり背景も
綺麗に見えたしキャラの作画も後半の方が安定していたと思うので
後半に向けてクオリティーがアップするのは好感が持てますね。
作画はとても良かったと思います。

声優さんについては今聞くと全体的古めな感じに聞こえる演技ですね。
灯里役の葉月さんは最後の方は感動的な場面だったので
中々演技力が問われる場面でしたがかなり上手いと聞こえる演技でした。
キャラの気持ちは伝わってきました。
藍華役の斎藤さんも泣いている時の感情表現が上手くて
感情移入しやすかったです。
アリシア役の大原さんもしっかりとしたお姉さん役が出来てて
とても良かったです。

日常系に見えたけどストーリーはかなりしっかりとしていました。
劇中の音楽のよさや作画的な演出も良くて
ストーリー良さに負けないくらいアニメーションとしてのクオリティーも高かった。

投稿 : 2015/05/18
閲覧 : 330
サンキュー:

7

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