「YAWARA!(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
162
棚に入れた
836
ランキング
1710
★★★★☆ 3.8 (162)
物語
3.9
作画
3.5
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

DOLLmimoza さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

猪熊柔=皆口裕子さんの声 萌え

浦沢直樹氏(初版全29巻)の漫画を原作とした1989年-1992年放送の
アニメである。
全124話。柔道の英才教育を3才から稽古を祖父・滋悟郎から受けていた
天才柔道少女:猪熊柔の葛藤しながらも柔道と恋愛に頑張る姿を
描いた話である。


当時行われていたバルセロナオリンピックの時期に合わせての
放送だったようで【バルセロナオリンピックまであと○○日】と
猪熊滋悟郎のアイキャッチが入っていた。現在市販されている
DVD&ブルーレイには収録されていない。
もはやバルセロナオリンピックは遠い過去なので、
必要ないと判断されたのだろう。

なおアニメでは総集編54.55話、滋悟郎の番外編19.37.90話の計5本で
時間稼ぎをしていたにも関わらず、原作に追いついてしまったようである。
最終回である124話では原作25巻のP39までと、アニオリである
バルセロナオリンピックに飛行機で出発~試合に向かう柔をつなげエンド。
中途半端なところで無理やり終わりとなってしまっている。
当時を知らないのであくまでも仮説だが、制作費や諸事情で
打ち切りになったのではないかと思う。

のちにアニメ化されなかった部分の原作25~29巻を大幅改ざん、
バルセロナオリンピックは過去のものとなってしまったため、
当時のリアルタイム的であるアトランタオリンピックに変更し、
25巻は7割くらいカット、細かなエピソードや柔vsテレシコワ戦はカット。
原作で邦子がバルセロナで誘拐され、松田が助けに行く話→
アトランタで邦子が車を奪って事故を起こし水没。
それを松田が助ける内容に変更。
92分では5冊分の原作をうまく収めるには、かなり端折らなければ
ならなかったのは、残念である。
原作で好評だった松田と柔の恋愛のクライマックスも
おおよそではあるが、ほぼ再現され、「Special ずっと君のことが…。」
で1996年アニメ化し、TV放送された。


●本編1-124話全体のまとめ感想。

当時、「ミラクルガール」がOP曲だったのは知っていたが、ほとんど
見ていなかった。原作はビッグコミックスピリッツで最終話のみ
偶然読んだだけ。2015年1月、BSアニマックスで放送されたのはちょうど
よい機会だったのかもしれない。1話から見始めてやはりハマッたのである。

「ねるとん紅鯨団」というとんねるずの昔の番組で
ナレーションをしていたのが、皆口裕子さんだった。
とっても可愛らしい声で人気があった声優さんだ。
この人が猪熊柔役をしていたのは元々知っていたのだが
萌えるために今年になって今頃全話視聴したというわけだ。

主に原作に沿ったキャラクターデザインは原作にとても近い絵だと思う。
浦沢先生のYAWARA!時代の絵柄はどちらかというと江口寿史風に感じる。
ストーリーは私が見た限り、約6割ほど原作に沿ってはいるが、
それ以外はアニメオリジナルで尺を埋め、内容を膨らませている。
改変にあたっては良かったシーンも若干あるが、大体が改悪で
特に松田耕作のエピソードで柔からの評価を落とすような
余計なアニオリが目立っていた。

原作自体、柔は滋悟郎爺さんからの英才教育を小さい時から受けており、
柔道が元々とても強い設定である。柔本人としては柔道なんかやめて
もっと青春を謳歌したいと考えている。最初、柔道を題材にしてるから
スポ根アニメと思ったが、実際そうではなく、何回も猪熊柔は柔道やめたい、
やっぱりやろう、やめる、復活を繰り返している。ジョディのケガが原因で
もうやめると言ったことも、自分の父とのことでやめてしまった
こともあった。
柔道は天才的で不敗なのに、メンタル面は強くない。
(それで一度だけ試合放棄で不戦敗があった。
113話「不敗神話が終わる時」)

ちなみに練習風景等は描かれているが、猛特訓して必殺技wwを編み出すとか
そういうシーンはない。あくまでも柔道は天才的でメンタル(松田絡み)で
試合の決着が早い遅いの違いがあるぐらい。柔道と恋をうまく絡ませたストーリーなのだ。
この辺が実にバランス良い。柔道を通じて仲間たちとのふれあい、
ライバルたちとの戦い。柔との試合で「楽しかった」と思わせてくれ
充実感を得てお互い感謝したり。本阿弥さやか、ジョディ、テレシコワ、
マルソーたちなど試合などでの出会い、駆け引きも面白かった。
元バレリーナの親友富士子さんもいい人で魅力あるキャラだったな。
滋悟郎爺さんと父・虎滋郎はやはり似たもの親子で、柔道の達人で
ありながらもやたらと食い物に目がないw

猪熊柔を見つけ出した日刊エブリーの記者:松田耕作
(松田優作が由来では?)が取材で猪熊柔と接し、記事を書いていく過程で
恋愛のフラグが立ったり消えたりする。
まあ風祭というイケメンで女ったらしのライバルも登場するし、
松田耕作を好きになる同僚・邦子も出てくるので、
なおさら誤解や勘違いでまとまるものもまとまらずである。
風祭や邦子が登場すると恋愛の妨害おじゃまキャラなので、
見ている方はイライラする事は確かだ。
途中までは、嫉妬や失望で柔も風祭に行ったり、松田に行ったり
フラフラしてなかなか進展せず、かなり焦れたものだ。

ひとつ不満が。98話「ファーストキス」で風祭が柔にキスしてしまう
シーンが。松田が最初の相手であって欲しかったのに。原作通りなので
作者はどういうつもりだったのか…。

●好きな話
31話「受験日のプレゼント」
柔が三つ葉女子短大を受験した時。前日の試合で手を痛めた柔。
滋悟郎爺さんは短大に行かせたくないから効かない薬をわざと塗ってやり、
試験中は手が痛くて捗らなかった。松田は柔に「手を出せ」と言って
ハンカチで縛ってやり、なんとか文字が書けるようにしてやる。
後日そのおかげで柔は合格できた。

89話「不敗神話」
ベオグラードの会場入りした松田は、柔のそばに行くが会場内の声援で
こちらの声が聞こえない。だがタクシー運転手のバカでかい声に
柔は気が付きその隣に松田が来ていることを知る。
それまで松田がいないせいで絶不調だったが、
その瞬間、柔は背負い投げを決める。
松田は乗せてきてくれたおじさんが、君のファンなんだと外に連れ出すと
柔は松田が来てくれたことで松田の前で感極まって泣いてしまう。

117話「最高のプレゼント」
クリスマス・イブの日、松田は喫茶店で待っていると店のマッチを
渡しておいたが、邦子のことと松田が日刊エブリーをやめてしまうと
いうことで、柔は行かないつもりでいた。
風祭の方へ出掛けるつもりだったが、松田の書いた記事の
スクラップブックが気になり読み続けた。

記事から声援が聞こえた。
松田さんは私の事をずっと見ていてくれた…。
柔は風祭の方を断って、松田の待つ喫茶店へ行く。

もう喫茶店は閉店しており諦めてバスに乗ると、
柔を見つけた松田がバスを追いかけてきた。

窓を開け「松田さん記者やめないでください!」
「やめるわけないだろ!」
「あたし柔道やりますから!!」
松田はプレゼントの紙袋を柔に投げ渡す。

そしてやはりダントツ好きなのが
●「Specialずっと君のことが…。」-ラスト近く-

アトランタオリンピック優勝金メダルの柔。お互い好きなのに
松田はアメリカに仕事で行く事になり、アパートを引き払う。
柔は富士子の後押しもあって、松田のアパートを訪ねるがもぬけの空。
国民栄誉賞授与式の時、身を引いた邦子が「耕作はアメリカに
行っちゃうのよ当分帰ってこないんだから!」
「松田さんが行っちゃう…」

鴨田の運転で成田空港に向かっていた松田は途中で柔を思い出す…。
「戻ってくれないか。」
首相官邸に向かい柔の前に出るが、取り押さえられそうになる。
松田と柔で手をつないで鴨田の車まで走っていっしょに来てしまう。
成田まで見送り。
「柔さーん、俺絶対取材行くからさぁ4年後またオリンピック行くよな?」
「はい!」
「絶対だぞ!」
「絶対に!」

「松田さん…」…涙 泣いている柔。

タッタッタッタッタッ…
-エスカレーター逆走の音-

「俺…」

「俺…君が好きだ!」
「あたしも!…ずっと好きだった!」

空港で抱き合うふたり。

BGM Today is anotherday ZARD
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このラストは泣けた…。名作です。

柔道だけ取り上げたアニメだったら私はこの作品を見なかった。
恋愛が絡んでいたから人気も出たし、今でも語り継がれている
作品だと思う。
しかし原作の最終回が完全ではないが、アニメで見る事ができたから
まだ恩の字であろう。

投稿 : 2015/05/22
閲覧 : 545
サンキュー:

4

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