「ローリング☆ガールズ(TVアニメ動画)」

総合得点
63.0
感想・評価
541
棚に入れた
2368
ランキング
4483
★★★★☆ 3.5 (541)
物語
3.2
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.7
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

奔放な世界観の、少女達の青春ロードムービー。荒削りな力作、捨て難い魅力あり

都道府県ごとに独立国となって、猛者(モサ)と呼ばれる超人が自治している摩訶不思議な世界観の中、4人の少女たちが繰り広げる青春ロードムービーです。
ご当地色豊か、かつ何でもアリな世界観と、ザ・ブルーハーツ(80年代のロックバンド)の楽曲が醸す独特のノリと勢いが魅力でしょうか。
ガールミーツガールの青春や友情、親子の絆がメインのストーリーは中々良いです。

…序盤は方向性が迷走している事、全編通してみても、とっ散らかった印象が拭えないのが難。
遺憾ながら厳しい評価多い模様ですが、捨てがたい魅力もあります。
4話までイマテチと感じた方も、出来れば5話以降まで様子見して欲しい…
(遅すぎますねぇ…)

{netabare}『物語』
本作のジャンルとしては、ファンタジーだと思います。
こういう破天荒な世界観は、アニメーションならでは。
本作はオリジナルアニメであり、アニメが持つファンタジーとしての魅力を存分に感じます。
…しかし自由奔放過ぎて、序盤から中々世界観や背景が掴みどころが無い。
ここら辺は(細けぇ事はいいんだよ!)と割り切って、ノリと勢いで観ていくのが吉かも。
ただし、日常系アニメのように完全に流し見ても、いけない。
カオスさに困惑必至ですが、最低限ここは押さえておきたいのが2点あります。
まずは、本作の基本世界観(都道府県ごと独立していて、モサという超人が自治、モサはめっちゃ強い、モサが強いのは不思議な石のお陰?)等々。
もう一つは、メイン主人公の望未(のぞみ)が旅に出た理由やモチベーション(自分は弱いモブだけど、憧れのモサである抹茶グリーンに守られてばかりじゃダメ。がんばれ~!)
序盤からよく見ると、これらはちゃんと伝わります。
本作のバックボーンとして重要です。
…重要なのですが。
初見では、これらがイマイチ分かり辛いというか、視聴者が戸惑ってしまい、中々物語に入り辛い印象。
気合い入れてがんばって視聴するタイプではない、けれどある程度気合い入れて観ないと中盤以降が入り込み辛い。
折角、中盤以降は各章の優れたストーリーなのに、勿体ないです。

さて、少女四人組が愛知・三重に来る5話以降、各地の個別ストーリーが盛り上がってきます。
主要四人組はあくまで「モブ」であり、各地ごとに主役が居る構成です。
ここから、ご当地色活かした独特の世界観からの、親子の絆や少女たちの友情が展開され、各話かなり良い話でした。
三重県民がバイク吹かしながら喋るシーンは笑えますw
…全体的に、親世代から娘世代へ受け継がれる想い、がテーマだと思ったです。
京都編ではバンド同士の対決とロックなドタバタ劇からの、互いの絆深まる熱い展開が良かった。
なんでもアリな奔放な世界観がきちんと活かされている点でも、優れたファンタジーアニメです。
京都編がピークで広島・岡山編も悪くは無いのですが、京都編程ではなかった。

…個別ストーリーの陰でモブに徹してきた4人組も、地味ながら少しずつ成長したり、友情結んでいく。
全編の謎や伏線も進行、千綾の正体や籾山の目的も明かされていく。
これらもちゃんと通して観れば、序盤からしっかり伏線張られている事が分かるのですが。
如何せん、序盤で困惑した視聴者は伏線覚えてない(下手すると4話までに切られてる)のと、各話ストーリーの主役は4人組では無い為、4人組に中々感情移入し辛い感じです。
それでもラストまでちゃんと観れば、望未の成長や千綾と旅の仲間達との友情がしっかり伝わる、良い青春ガールミーツガールではありました。


総じて
真価が分かる為には、ある程度気合い入れて視聴する事が求められるアニメかと。
その割には、雰囲気とノリが重要(その通りではあるが)なタイプで序盤から視聴者を煙に巻きがちな為か、真価が分かり辛い作品となってしまっている。
※シャベール大佐さんのレビューから引用
「よく噛めば味が出る作品と言えば聞こえはいいですが、よく噛まないと味がない作品とも言えるかもしれません。」
…極めて的確な評価だと思い、引用させてもらいました。

…最後に。私的には、結構好きな作品でした。
オリジナルアニメとして、捨て難い魅力がありました。
もうちょっと全体構成を工夫すれば、かなりの良作足りえたポテンシャルを感じます。
(実感としては物語評価4.0、京都編に限れば4.5あげたいくらい好意的)


『作画』
色使いが綺麗、独特の荒唐無稽ファンタジーな背景やアクションに魅力あり。
キャラ作画も十分に可愛い(特にチーちゃんはかなり美少女)。
全般的にキャラ作画崩れがちなのが難でした。
…とはいえ、肝心な場面では力を感じるし、細かい事を気にしなければ可愛さ的にも満足。
あと、胸が大き過ぎない控えめな感じも好み♪
(作画安定していればもっと高評価だった)

『声優』
主役4人娘を新人、ゲストヒロインをベテランで固める布陣。
のぞみの小澤亜李さんは「月刊少女野崎くん」の千代ちゃんに続き、つかみ所の無い立ち位置の難しいヒロインを好演されました。
千綾の花守ゆみりさんは初主演の模様、独特の可愛らしさが光った。
終盤の熱演はかなり良かったです。

ゲスト陣が男女共に錚々たるベテラン達で、声優陣は非常に豪華です。
かないみかさん、水谷優子さん 勝生真沙子さん、田中敦子さん、横山智佐さん等々。
作中キャラの世代と声優の世代連動している感じ、ここら辺の意図も面白いです。

『音楽』
「ザ・ブルーハーツ」の名曲「人にやさしく」等を、4人娘(の声優さん)が可愛らしくカバー。
がーんばれっ♪ いいですねぇ~♪
決して上手く無いけれど、可愛いから大丈夫だ!
ちゃんと作品の雰囲気に合っているので、主題歌としてもBGМとしても合格ラインです。
…ブルーハーツの曲は世代的に、そこそこ好きです。
特にロックバンドに思い入れは無いので、カバーに対する拘りは無し。

『キャラ』
主要4人娘が中々スポット当たらない構成なので、かなり後まで視聴しないと印象薄いのが難。
それでも最終的には4人とも愛着が湧くくらい、可愛かったです。
のぞみは全編通して地味な主人公だけど、最初からちゃんと見て行くと、頑張っている事や成長している事が分かります。
チーちゃんが非常に可愛かった♪
他二人も個性的であったが、やはり最後まで見ないと印象が薄い。

実質、各話ゲストが主人公、それぞれ印象的なキャラ多かったです。
ダンディかっこいい!
京都の舞妓ヒロインもかわいい。

抹茶グリーン、籾山、所沢国大統領、特に籾山が意外なカッコよさありました。
印象的なキャラクターの層は厚いです。
しかし、よく見ないと、それぞれの印象が散りがちかも知れない…。{/netabare}

投稿 : 2015/06/10
閲覧 : 347
サンキュー:

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