「バーチャファイター(TVアニメ動画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
9
棚に入れた
79
ランキング
7662
★★★★☆ 3.3 (9)
物語
3.2
作画
3.1
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.3

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

格闘ゲーム原作のアニメ。安定感あるシナリオと、必殺技シーンが魅力

セガの大ヒット格闘ゲーム原作のアニメ。全35話。
陰謀に巻き込まれた格闘家の主人公たちが、各地を旅しながら悪の組織と戦っていくロードムービーです。
シナリオは中々良く、原作ゲームの必殺技もカッコイイので見所あり。

キャラ作画や第二部(25~35話)のアクションシーンが雑なのと、キャラの出番に差があるのは残念。
そこに目をつむれば、十二分に楽しめる格闘アニメでした。

{netabare}『物語』
24話までの第一部と25~35話までの二部構成ですが、一部の方がクオリティー高いです。
格闘物にありがちなトーナメント戦ではなく、陰謀に巻き込まれながら各地を旅する形式で、一貫した安定感のあるストーリー。
また各話の脚本も、特に序盤~中盤にかけてはかなり面白いです。
第二部はイマイチなんですが、まあ最低限の筋は通ってました。
…敵はかなり卑劣なのだが、基本的に「格闘技で襲い掛かる」というお約束あるのが良い。
銃火器使われたら一たまりも無いのですが、そこは敵さんもそんな無粋なマネはしないんですなw
ただし、一部終盤や第二部ではこのお約束破れているのが興醒めです。
また、二部は一部にあった「千葉繁さんの必殺技解説」が削除されているのも残念。
故に、格闘アニメとしてのお約束が活きていた序盤~中盤辺りが、一番面白い。

序盤、アメリカのとあるチャイナタウンが、悪の武道家組織「虎燕館」に武力で支配されていて、修行中の格闘家・結城晶が、狙われてるパイ・チェン(ヒロイン。彼女自身も格闘家、虎燕館総帥の娘だが非道な組織に反発、政略結婚を拒んで戦う)を助けて大暴れ。
西部劇か香港映画めいた王道展開が熱いです。

中華料理店のおっちゃんの人情、晶の格闘家としての信念(武道は他人を傷付けたり力を誇示するもんじゃない!)、晶やパイの性格等が丁寧に描写されていて良かった。
弱虫ないじめられっ子の少年に、晶が「真の強さ」を伝授する話で、本作全編のテーマであろう「格闘技に対する信念、真の強さとは?」的な想いが分かりやすく伝わった。

大企業の御曹司だが自由に生き、レーサーを目指す青年ジャッキー・ブライアント、その妹のサラとも出逢い、4人で力を合わせて悪党をブッ潰す展開は爽快感あり!

ここで真の悪党な女性マッドサイエンティスト・エヴァの陰謀で、サラがサラわれてしまう!(ついギャグをw)
ここからが本番スタート、さらわれたサラを求めて、晶とパイとジャッキーの旅がスタート。
…個別エピソードでは、引退間際なロートル保安官と共闘して心通わす話が良かったです。
敵幹部の中にも、晶たちの友情に触れて改心する奴が居たり、全般に「友情や絆」が強調されたストーリーは良い感じ。
旅の過程でパイの晶への淡い想いや、影丸のサラへの想い、他主要キャラ達の見せ場もちゃんとあり。
パイとラウの父娘の確執から和解のエピソードは少し胸打たれたです。
バトル面では、晶対ウルフ戦がベストバウトでした。

エヴァの真の悪事、究極の格闘マシン「デュラル」計画始動してからが、かなり緊迫感ありました。
一部最終局面は、敵も雑魚が銃火器持ち出してくるので些か興醒めな感。

第二部は新たなる敵・鬼丸一味との死闘。
二部は敵の戦い方が忍者、格闘関係なしのなりふり構わぬ死闘なので、格闘アニメの醍醐味あまり無い気がする。
ラストはラスボスは倒すも、新たなるデュラル計画始動して、原作ゲーム開幕の序章!的な締めでした。
…アニメ作品単品としては中途半端ですが、原作ゲームへの導入として見ると、妥当なラストだったのかな。

総じて
一貫した安定感のあるプロットで各話も面白い、格闘家のロードムービーでした。
ニューヨーク地下カジノでの戦いまでが一つのピーク、サラ取り戻すまでが第二のピークでした。
残念な部分もありますが、格闘アニメとしては中々面白かったです。
(前半4.0点、後半2.5点な感じ)


『作画』
キャラ作画が今の基準から見ると今一歩。
女子は可愛い面もあるが、現代基準だと萌え的には厳しい。
…第一部の格闘戦はそこそこ動いていた上に、静止画使った必殺技解説シーン(男塾原作漫画の解説みたいなノリ)が面白いので悪くは無い。
ヌルヌルとは動かないが、演出が良いので実際の作画以上にカッコ良く見える。
が、第二部がアクション雑過ぎてダメです。
第一部に限れば3.5点評価です。

『声優』
結城晶の三木眞一郎さん、ラウ・チェンの千葉繁さんは原作ゲーム通り。
三木眞一郎さんは「第二の関俊彦さん」目指した熱演でした。
千葉さんは粗筋ナレーションや必殺技解説でも大活躍!(北斗の拳ぽいノリ)

ジャッキーの松本保典さんはサザエさんのノリスケおじさんのイメージありますが、スレイヤーズのガウリィ等の二枚目半なイケメンでもあり、ジャッキーのイメージばっちりです。
パイの松井菜桜子さんも非常に良かった。今のアニメには居ないタイプのお転婆娘、今の声優さんでは中々真似出来無さそうです。
サラの岡本麻弥さんも良い妹キャラ、洗脳時の喘ぎがエロい…

影丸の梁田清之さん、ウルフの石塚運昇さん、ジェフリーの大友龍三郎さん等の渋いイケボも堪らない♪
エヴァの田中敦子さんの、妖艶にして狂った女狂科学者っぷりも圧巻。
この他もかなり豪華声優陣、作画の動きの足りない部分を大分補完してくれた気がします。
ラファール私兵部隊隊長モレノの秋元羊介さんも良かった。正に燻銀の武人!

『音楽』
前期OP「WILD VISION」が一番好きです。第一部のテーマ(さらわれたヒロイン求めて旅する)がちゃんと表現されているし、聴き取りやすくカッコイイので。
こういうアニソンはカラオケで歌いたくなる♪
後期OP「愛がたりないぜ」の方が素直にバーチャファイターのノリを再現している良主題歌で熱いのですが、些かダサい…。
まあ、好みの問題ですな。
EDはヒロインの恋心歌ったラブソング、この当時よくあるパターンかと。
一見テーマ無縁だが、実はパイの晶への想いを素直に語っているので悪くは無い。
BGMも白熱の格闘戦を十分盛り上げており、音楽面では力作と言えるのでは。

『キャラ』
大飯食らいで呑気お気楽だが、やる時はやる格闘家の結城晶がカッコ良かった。
「人は我を侵さず。我も又、人を傷付けず。これぞ我が武道の心得なり! だが、外道は、その限りに非ず!」
「躾けのなってねえ外道には10年早いんだよォ!」
の決めセリフは三木眞一郎さんのイケボも相まって非常に熱い♪
普段のお気楽とのギャップが良し、序盤の弱虫少年に見せた包容力もステキです。

パイは今時のヒロインには中々居ないタイプの騒々しいお転婆娘、多分最近の視聴者からの受けは良くないかも?
でも、少しずつ晶とラブコメの波動を感じたり、自分の生きる道見つけたり、可愛いヒロインでした。

ジャッキーは二枚目半な熱血イケメン、脳筋にしてシスコンだが憎めないイイ男でした。
サラはサラわれちゃう…もとい、心優しい妹系。
この他影丸は大活躍するも、原作キャラの出番は少なめなのが残念。

原作には居ないオリキャラの敵達が中々。
小悪党だが中々強いヤン・ウェイミン、晶との友情に揺れるジミー、ヨーロッパ支局の姉妹等々。
リュウ・カオルンは意外と道化でしだか…。
…ラファール家の軍人モレノもカッコ良かった。
単なる悪党ではない、誇り高き武人としてリオンを守った戦士。
(声が)東方不敗師匠なだけに、迫力凄かったです。
ラスボスのエヴァが憎たらしい女で終始良い感じの敵役でした。

第二部の鬼丸一派は、今一つ。
鬼丸は意地を見せたが哀しき道化、我王は面白味はあるが狂言回しっぽい。
女だてらにウルフと互角に渡り合った仁王さんステキでした。

この他、中華飯店店主や老保安官、見習いダンサーの女の子らのゲストキャラにも魅力あり。
キャラ層の厚さが全編に渡り、ロードムービーの魅力を見せてくれました。{/netabare}

投稿 : 2015/06/16
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サンキュー:

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