「電脳コイル(TVアニメ動画)」

総合得点
83.9
感想・評価
1964
棚に入れた
11130
ランキング
298
★★★★☆ 3.9 (1964)
物語
4.2
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見た目のダサさで敬遠することなかれ

子供向けの雰囲気を持ちながら、子供より上の層が楽しめる作品。
題材が「電脳」、サイバーな世界での事なので、設定が理解できないと、なかなか厳しいと思います。
が、それが理解できれば実に面白い。
娯楽的に面白いのもさることながら、筋道の立ったストーリーを中弛みもせず少しずつ丁寧に回収していく構成が素晴らしい。作品としてのクオリティが高いです。

正直、劣化ジブリのような絵柄も好きじゃないし、ガキ同士で喧嘩をやるような世界感も嫌い。
あにこれで高評価じゃなかったら見なかっただろう作品。
いやぁ、見てよかったです。ありがとー、あにこれ。


冒頭でも書きましたが、設定がかなり特殊です。
電脳メガネという情報端末でのバーチャル空間で起こるアレやコレやを取り巻く事件が話の中心ですが、この設定の使い方が上手い。
現実ではない仮想空間での出来事なので、大人が干渉して来ない子供同士の世界が違和感なく作れています。
そこで、探偵の真似事や戦争みたいな一丁前の事を子供なりに真剣やってるから面白い。
公共設備へのイタズラとか、小金を稼いだり、都市伝説を真剣に信じてたり、グループ作っての喧嘩なんかね、ガキンチョの社会にあたりまえにあった事だよね。
お役所とかの行政が敵なのも子供らしくて微笑ましいw

で、そんな「子供ワールド」なんだけど、凡作でよくありがちな幼稚さが全然ないのが本作の凄いところ。
かと言って、やらた大人びた言動の「設定だけ子供」みたいにもなっていない、考え方や行動原理はちゃんとした子供。
だから、感情移入が凄くしやすい作品です。

ストーリーはそんな電脳世界での都市伝説の謎を追う形で進行していきます。
ネタバレになるので詳細は割愛しますが、各話のエピソードの設定や伏線が最終話に向けて全部繋がっている見事な構成。
いや、ほんと丁寧でよくできてるなぁ、と感心しました。

作画も高質です。
キャラクター自体は線も少ない野暮ったいデザインですが、手抜き無くよく動いているし、細かいところまでちゃんと描かれてあります。
加えて、CGを組み合わせた”電脳的”な描写は本作ならではの味。
ちょっと表現し辛いややこしい設定を、ここまで視覚的に解りやすくしている工夫は流石でした。


パッと見は地味ですが、各話の安定した面白さと全体のストーリーの出来の良さがウリの秀作でした。
是非ごらんあれ。

投稿 : 2011/11/12
閲覧 : 430
サンキュー:

33

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