「ラブライブ!The School Idol Movie(アニメ映画)」

総合得点
73.6
感想・評価
691
棚に入れた
3543
ランキング
975
★★★★★ 4.1 (691)
物語
3.8
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

【僕らの5年間 君との5年間 スタッフの5年間 キャストの5年間 監督の5年間 ライバーの5年間 それと僕の5年間】

ハリウッド制作のサマームービーの初日かよ!
ってぐらいありえない混み方をしていたので最初はあまり気乗りしなかったのですが、率直に言ってこれはかなり面白かったのでオススメです!
話が、話が、と口を酸っぱくしている人もいるようですがオイラとしてはむしろシリーズを完結に導いてみせた物語を評価したい


『ラブライブ!』シリーズの劇場版
ご存知の通りテレビシリーズ第2期の終了で物語自体には一区切りが付いており、今作が第2期のその後のお話というカタチになっているのは第2期制作途中に「劇場版も作れ!」ということになった為だとか


音乃木坂学園廃校の危機やラブライブ本大会を経て解散に至ったスクールアイドル【μ's】の9人
そして迎えた3年生卒業式の日ですが、ラブライブ大会本部より次回大会の為のエキシビジョンを依頼されてしまう
9人揃ってのμ'sだからという理由で断るつもりのメンバーだったのですが・・・


海未がオイオイ泣いたり、ことりが枕を持ち出したり、かよちんが白米を恋しがり、真姫ちゃんが毒を吐く、とまあ基本的にライバーがニヤリとしてしまう掛け合いが続きこれだけでもかなり面白い


奇しくもこの劇場版の公開をもって『ラブライブ!』という企画自体がスタートしてちょうど5年
アニメ化はもちろん、そもそも読者参加型の企画であるが故に真っ白な状態から始まって徐々に成長していったキャラクター達
彼女達を育てていったスタッフ、キャスト、そしてライバーひとりひとりの5年間の集大成が今作なんだと実感します


みどころの一つは劇中度々挿入されるミュージカルパート、それも手描き作画
だから衣装、背景、モブを使った細かい演出が普段のライブとはまた一味違ってgood!です


それと穂乃果が出会う、高山みなみ演じる謎の女性シンガーのパフォーマンス
偶然なんでしょうが凄いですね、なにがって天道三姉妹(http://www.anikore.jp/anime/160/)が共演している映画なんて久しぶりに観ましたよ(笑)


そしてやっぱり外せないのがライブパート
そもそも京極尚彦監督という方は映画監督を目指していた人で、その後はPV監督を目指していたものの紆余曲折あってアニメ業界入り、そしてかつての夢を両方叶えてくれたのが『ラブライブ!』だったわけです
「叶え!みんなの夢!」とは重みを感じる一言ですね
で、オイラに言わせてみればこの劇場版は『ラブライブ!』5年の集大成でありつつも京極尚彦という男の集大成なんです


振り返れば2010年、μ'sの1stシングルのPVで同一画面の中に3DCGと2D作画のキャラが同時に存在し、それをカット毎にすり替えていくという演出を最初にやったのが『ラブライブ!』でした
時は経ち、技術の向上と共にこの手法をライブシーンの演出に用いるアニメも昨今では珍しく無い
でもその道を切り開いたのが『ラブライブ!』であり、京極さんなわけです


それと公式公開されているのでネタバレでも何でも無いですが「Angelic Angel」という劇中歌のライブシーン
背景がタイムズスクエアとセントラルパークで前後しながら切り替わったり、μ'sが持っている扇子が振り付けに合わせて光の軌跡を描いています
この2つは『ラブライブ!』と並行して京極さんが進めていた『プリティーリズム』シリーズのライブパートで彼が編み出した演出なんですね
京極さんは『プリティーリズム』の2期中盤まで“全ての”ライブパートの演出をしていたんです
彼が積み上げていたものが今まさに劇場の大スクリーンで・・・そう思うとオイラ思わず嬉し涙が;


「SUNY DAY SONG」の背景の街並みの再現度の高さや大量のモブ
「僕たちはひとつの光」におけるやっと本領発揮か?という異次元めいた空中ステージ
それらの劇場版らしいリッチな仕掛けもとても楽しい時間を貰えました


強いてもっとこれが観たかったとリクエストするなら、室田雄平というアニメタを発掘し彼と共に成長していった『ラブライブ!』作画班の(良い意味での)暴走が無かったのが個人的には残念
最初期の頃は誰もが思いましたよね、誰だよ室田って、と
特にテレビシリーズ第2期では業界内での人気も沸騰し「俺にも描かせろ」と集まった大量のスタッフが想い想いに描いた結果があの2期なワケで、オイラとしては諸手を挙げて絶賛していたのですが劇場版は流石無難に仕上げてきたなという感じ
作画監督と名の付く役職の人間が室田さんを除いても26人いるのは笑う他ないですね
まあ若手としては考え難いほど場数を経験した室田さんなりの答えがコレということなんでしょう
夜景をバックにしたパートと空港でのグルグルには感動しましたがw


それと3DCGってのはやっぱり日進月歩のなので、なんかもうモデリングが古いというかあんまし変わってないのが気になってしまうタチなのです
その点は同じサンライズ制作の『アイカツ!』や京極さんの意思を継いだ『プリパラ』が今や最前線を走っており、クソヲタのけみかけはどうしてもその2作品との対比になってしまう悲しい性なのです


なんにせよ5年前「なんか変なの始まった(゜д゜)」と高を括っていた『ラブライブ!』が社会現象と呼ばれるまでになりました
その後すぐ『アニマス』が始まったり『スタプラ』始まったりアイドル戦国時代が幕開けした記憶があります
5年前のPVとか今観ても駄目出ししか思い浮かばないのですが(爆)5年前に帰って「これは当たる」と自分を叱りつけてやりたいですね

投稿 : 2015/07/12
閲覧 : 518
サンキュー:

26

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