「寄生獣 セイの格率(TVアニメ動画)」

総合得点
79.3
感想・評価
1601
棚に入れた
7709
ランキング
497
★★★★☆ 3.8 (1601)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原作者の言いたいことはわかるし、押し付けになってないのはいいね。

原作は20年以上前の作品とのことで作風は古めですね。
主人公の新一も、どことなく臆病で眼鏡をかけていて気が弱そうな高校生と
どこにでもいそうな感じ、パッとみての印象は地味ですね。
作画もキャラデザインも普通かな極端に悪くは無いけど
お世辞にも良いとは言えないくらい地味ですね。
昔の作品だけど設定は現代にしているためか
スマートフォンが意味も無く出てきたりパソコンで検索したりのシーンがいきなりみられたり
この作品は現代に設定していますよ的な展開も多いかな

ストーリーはどういう方向性で進むのかは最初はわからないけど
謎の生物に寄生された新一が同じく寄生された人間と戦う展開が序盤から繰り広げられますね。
序盤から寄生された人間は脳自体も乗っ取られているので
凶暴的、寄生獣は今までどこで暮らしていたのかと考えてしまうくらい
暴れまくって人間を襲いますね。
パニックシーンや襲ってグロシーンなどよくあるバケモノと戦うパニック映画みたいです。
そして新一は寄生されそうになった時、脳に上がってこないように
抵抗したため奇跡的に脳を寄生されずに
右腕にだけ寄生されただけで助かったという主人公だけ特殊というケースで
よくある主人公だけ特別設定です。

最初はあくまでも自分が生きるためだけの行動をしているミギーと
普通の高校生であり普通の倫理観の持ち主である新一との衝突するケースと主にやっていました。
ミギーは自分が生きるための損得で行動しているが
生物としては当たり前の行動をしているのである程度の行動原理の説得力は
あったと思います。
新一も自分の保身だけに気を使い他の事はどうでもいいという考えの持ち主のミギーに
不信感を抱くのもよくわかるので、新一とミギーの考えはどちらも一定の説得力はありました。
序盤はこの価値観の違うコンビが襲ってくる寄生獣と協力して戦うのが主な流れだったです。

険悪になりながらも協力して戦うのは
一般的には抵抗があるかも知れませんが変に馴れ合うよりは
個人的には面白かったですね。
何だかんだ言っても一心同体なので新一が不信感を抱いても
一緒に戦わざるえないし、協力もしないと生きていけないわけで
仕方なく協力していくうちにお互いを助けたり、お互いを思う気持ちが芽生えていくので
そういった積み重ねに生まれる友情劇は凄く良かったと思います。

人間に寄生した寄生獣側は正直色んなタイプがいましたね。
単に凶暴な者から人間側に適応した者まで様々な生き様は個性的で良かったと思います。
寄生獣側もお腹にいる赤ん坊を根拠に我々はバケモノか人間と
語りかけてくるシーンはこの物語のテーマ性を感じたので
哲学的であったり人間とは何だと深い部分までやる原作者のメッセージ性は伝わりました。

出オチだけにならず物語が進むと
新一の体に変化が起きたりミギーにも弱点が出来るので
戦いや展開にも変化がみられ
新要素のおかげで戦い方に幅が広がったりシーンも多かったし感慨深いシーンも多かった。
新一の体が変化して段々人間ぽくなくなる感じもリアルさがあったし
新一の心理の変化もかなり上手いと思いました。
そしてその変化に気付く里美の心理描写は丁寧なので
最初よりも新一の体の変化が起きてからの方が良かったです。
序盤眼鏡で冴えない高校生だったのはこの時の布石と考えれば中々の仕掛けだった。

ただ気になる点はありますね。
寄生獣側は人間を襲う理由は食料だと言ってたけど
別にそんな感じはしなかったですね。駄目になった体を交換したり、正体がバレたから殺したり
保身のために殺してたり、ただ殺しているにしか見えないケースが多かった。
いくら人間と考え方が違うとはいえバレたら即殺害て
寄生獣側にとっても得にみえないんですよね。
警察にやっかいになったりで逆に人間として生きるのに不利ですよね。
そしていくら原作がインターネットが無い時代の話でもあれだけ無残に惨殺するバケモノが
うろついてたら、もっとパニックになるんじゃないのとか
平然と普通に生活している国民には違和感はあるかな
学校で武装した警察官5、6人殺害する高校生て普通じゃないよなど
謎が多くて多分まともに学校は再開されないなど展開の無理さはあるかな
このアニメのメッセージ性、言いたいことはわかるけど細かい部分の雑さは気になる。

新一と寄生獣の戦いについては、新一はミギーとのコンビで
寄生獣を打ち破る展開はミギーが色々アドバイスして戦うので
色々考えて戦っている描写が感じられて面白いと思えましたね。
1対1でなくてコンビで戦い工夫して強敵を挑むのはとても良かった。
後半は寄生獣側も1人ではなく複数いたりするので
集団戦の様な戦いは見ごたえはありました。
ただ戦闘の作画は正直高い質はなくて普通で
触手はよく動いてるなと関心はしますが、構図、演出にワンパターンな所が多く
体が激しく動く戦闘はあまりなかったので
触手以外の動きがみられたらもっと面白いなと思える質だったと思います。
戦闘の駆け引き、会話はかなりいいので面白いとは思いますが
作画的に期待してた人はあまりにも普通なので現代の高いクオリティーを
期待してた人には拍子抜けかも知れません。
あと最初のころは戦闘中のBGMがあまり合ってなかった気はします。
後半は合ってた事が多かったですが最初のころの合ってなさは
気になる人は気になるでしょう。

後半は寄生獣側も組織的に出てきたり、人間側も警察などの大掛かりな組織が
動いて様々な価値観違うグループのそれぞれの動きは見ものでした。
このアニメ主要人物もかなり死人が出るので次は誰がやられるのかと
ビクビクしながら視聴しないといけない怖さがありました。
個人的にはグロだの死人が出るのは好きではないのですが
読めないストーリーなので続きは気になる出来はあると思います。
でも流石にあっさり死人が出まくるのは、なんだかなあ
多分これだけ無差別に人殺しをしまくれば
やはり一般人にもバレるだろうなとは感じますね。(ただの事件ではなく寄生獣のこともバレるでしょう)
役所での戦闘を隠蔽するのは無理でしょう。
寄生獣側はあんまり隠密行動はしないので、その無茶振りは最後まで気になりました。
役所での戦いの後、謎の夢オチみたいな展開で意味がわからないこともありました。
あの展開から新一が自分の家のベッドで寝ている状況になるのか理解に苦しむ。
やはり細かい展開は雑かな

それでも最後の方はかなり良かったと思います。
終わりに近づくにつれバトルものにはなるんだけど
単なるバトルものにはならずメッセージ性も段々強まりました。
20年前の原作だけに環境問題への問いかけもあるんだけど
押し付けにはなっていなくて原作者が伝えたいことには共感することは出来ました。
結局、環境問題や地球に優しくしましょうなんて人間側の基準の都合でしかないし
それを20年前の段階で言いきるのは中々だと思います。
最後の方のバトルも単なる戦いではなく原作者が伝えたいことは、よくわかるし
バトル自体にもメッセージ性が感じられたのは、かなり良かったです。
それでいて、これも押し付けにはなっていなくて
個人がそれぞれ考えればいいレベルに収まっているし
他にもミギーと新一の友情も上手く入れてるので中々のまとめ方だった。

声優さんについてはミギー役の平野さんは演技力はかなりありました。
場面場面でキャラの気持ちは伝わってきました。
他の声優さんもかなり上手かったです。演技で気になる所はありませんでした。

個人的には役所での戦闘はやりすぎだとは思いましたが
他のストーリーはかなりの出来はありました。
メッセージ性も伝わりましたし中身は満足です。
あとは作画や演出面が並や音楽面で序盤戦闘でのBGMが合ってないことでしょうね。
最近はストーリー以外も高いクオリティー望む声が多いので
並かそれ未満のクオリティーでは満足出来ない人もいるでしょう。

投稿 : 2015/07/30
閲覧 : 282
サンキュー:

6

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