「映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~(アニメ映画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
7
棚に入れた
36
ランキング
7710
★★★★☆ 4.0 (7)
物語
3.9
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.1
キャラ
4.1

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けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

温故知新!イギリスの名門、アードマンの最新作にして意欲作!ストップモーションへの愛とブリティッシュジョークが詰まった長篇映画!

イギリスのアードマン・アニメーションズの最新作で長篇がまともに日本公開されるのはかなり久しぶり
奇しくも未年だからか(笑)というわけでなく、世界で一番『ひつじのショーン』が人気な国が、何を隠そう日本だかららしいです
『ひつじのショーン』シリーズは『ウォレスとグルミット 危機一髪!』に登場した羊、ショーンを主人公に彼の住む牧場を舞台にした作品です
2007年からテレビシリーズが始まり、遂に単独映画となったのが今作


『ウォレスとグルミット』シリーズと決定的に違う点はほとんど単語らしい単語を発しない為、一種のサイレントアニメのような仕上がりになっているところです
万国共通に愛されるキャラとなったショーンを形作るのは、主に粘土を用いたストップモーションアニメーション
もちろん制作は『ウォレスとグルミット』でお馴染みイギリス名門、アードマン・アニメーションズです


牧場主のもと、仲間の羊達や牧羊犬のビッツァーと平凡な毎日を過ごしていたショーン
牧場主やビッツァーの目を盗んでは人間臭い仕草やら二足歩行やらをしていたが、退屈な日々にはマンネリを感じていた
そこでショーンと羊達はビッッツァーを騙し、牧場主を眠らせ、牧場を解放することにした
ほんの悪戯心のつもりで起こしたことだが、牧場主が熟睡したままのトレーラーハウスが運悪く暴走
そのまま牧場を飛び出し大都会に向かってしまった
ビッツァーは牧場主を救い出そうと単独で追い掛け、ショーンもその後を追う
一方の牧場主は頭を打った勢いで記憶喪失になってしまう
さらには動物駆除を生業とする危険な男、トランパーにも目を付けられてしまった
果たしてショーンやビッツァーは無事に牧場主を連れて帰ることが出来るのか!?


昔ながらのストップモーションに拘るアードマン・スタジオは伝統的な手法に最低限のVFXを加えることを心情としています
具体的には水とか電気とかエフェクトの類だけはストップモーションですと手間が掛かり過ぎるのでCGを合成して作ってます


これ、妥協に思えるかもしれませんが粘土にCGが浮かないよう、より自然な映像に仕上げる為にかなり苦労されてるのが伺えます
ティム・バートンが『フランケンウィニー』を長篇アニメにした時“CGだらけ”でとてもガッカリしたのが思い出されますが、アードマン・スタジオは【ストップモーションアニメであることに意味がある】と思っているのでその辺り決して期待を裏切りません
濃密なのにあっという間の90分、素晴らしいですね


内容は老若男女楽しめることを前提にシナリオを書いているらしいので、未就学児連れの家族から、けみかけのようなブリティッシュジョークスキーまで、誰でも笑ってしまうこと間違い無し
しかもセリフらしいセリフなんて無いのに、ですよ?
中盤を過ぎる頃には劇場中の観客が人目を気にせず腹抱えて笑っている
これこそホンモノですよ


長篇映画らしく、大都会というスケール感のある舞台に次々起こるトラブルの連続が描き立てるスペクタクル
そしてセリフの変わりに場面を盛り上げる様々な音楽もgood!
ロックンロール、カントリー、フュージョン、オーケストラ、ボーカル曲、そしてアカペラ
これだけでもかなり楽しくなる、流石は世界の音楽の最先端イギリスです
アッシュのティム・ウィーラーが手掛けた主題歌は何度も劇中で流れるうち、思わず口ずさみたくなります


「なんだ粘土か、子供向けだな」
そう食って掛かる方にはこの映画の良さは一生分からないんでしょうけど、最初に書いたようにアードマンの長篇が日本公開されることはもはやレアなので、機会があれば是非チェックしていただきたい1本ですb

投稿 : 2015/09/06
閲覧 : 583
サンキュー:

7

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