「劇場版 機動戦士ガンダム00[ダブルオー] -A wakening of the Trailblazer-(アニメ映画)」

総合得点
69.8
感想・評価
548
棚に入れた
2869
ランキング
1652
★★★★☆ 4.0 (548)
物語
3.6
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

世界の考察が楽しくなる作品

機動戦士ガンダムOO TVシリーズの続編であり、ガンダムF91以来19年ぶりの完全新作映画。
当時はアニメの総集編的な映画化が流行っていた時期でもあり、「また総集編かよ」と完全にスルーしていたのですが、完全新作と後から知り急いで視聴。その迫力とストーリーで一気にお気に入り作品の一つにのし上がりました。
また、ガンダム史上初の未確認生命体の登場。これは随分賛否の別れる展開だったようですが、個人的には人類の今後の発展と宇宙への進出という目標において遭遇する一つの可能性として、あってもおかしくないと思います。そう何度もあっても困りますが。

さて、お話は西暦年間。武力による紛争根絶を掲げたソレスタルビーイングの活動により、世界は一つにまとまろうとしていたが、まだまだ世界には紛争の火種がそこかしこに残っていた。今世界が平和に見えるのは、彼らソレスタルビーイングを抑止力とした仮初のものに過ぎない。だが木星圏より飛来した謎の存在によって、事態は急速に変化していく――
――というのが、本編の大雑把なあらすじなわけですが、一度一つにまとまりかけた人類が個々の事情や欲求によってまた分裂していくだろうと言う現実的な未来予測がまずあり、そこに地球外生命体(ELS)という共通の敵が現れることで団結を強化していくという皮肉。
圧倒的な物量を誇る敵に対し、種の存亡を賭けて例え味方が全滅しようとも退く訳にはいかない人類の壮絶な死闘。
その中で一人、ELSとの対話を諦めず、解り合うことを信じ続けた刹那・F・セイエイ……
「赦すこと、信じること、解り合うこと」をテーマとし続けたOOシリーズとして、一つの答えに辿り着いたし、映画単体としてもそのテーマに沿った演出と緊張感に溢れた映像美は素晴らしい物があります。

そして、ガンダムシリーズ全体の世界観としても、大きな転機になる作品でもありますね。
MGターンXのプラモデルの説明書だったかなんだったか………出典は忘れましたがとにかく、「ビルドファイターズを除く全てのガンダムシリーズの歴史は繋がっている」という設定がある(プラモの説明書に乗っている設定を公式として扱うかは意見が別れる所ですが)ので、過去と未来のガンダム世界の歴史において、この作品はどの位置に属するのかというのを考えるのも、なかなか面白いです。
例えば、映画の最後、50年後に人類はELSと同化したという未来が描かれるのだから、これは∀ガンダムより未来の話なのか? とか。
最後に人類の4割がイノベイター(新人類的な者)となったが、∀を一番後に位置づけるなら、イノベイターは全て外宇宙に旅立ったのか? そしてもしかすると外宇宙に旅立ったイノベイターが∀を送り込んだのか?(∀は外宇宙からやってきたと言う説がある) とか。
OOの年号が現在の西暦とリンクしているなら、宇宙世紀より前の時代になるのか? とか。
それぞれのガンダム世界をパラレルワールドとして片付けるのは簡単ですが、強引に世界を組み立てて歴史を考えてみるのも、ガンダム世界の一つの面白さだと私は思います。

投稿 : 2015/09/28
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