「<harmony/>(アニメ映画)」

総合得点
65.0
感想・評価
269
棚に入れた
1410
ランキング
3441
★★★★☆ 3.7 (269)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.6

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

近未来SFと耽美的少女愛

 現在、公開中の作品なので詳細は書きません。

 原作は未読。
 原作者の伊藤 計劃氏の作品はいずれも未読だが、前アニメ作品の「屍者の帝国」(共著だが)が
19世紀を舞台にしたスチームパンク的雰囲気が漂うものだったのに対して、本作は近未来SFと
かなり雰囲気が異なる。
 原作未読ゆえに、現代から作品舞台の時代に至るまでの歴史的変遷から推察して、近未来と
書いてしまったが、都市部の建造物、主人公である霧慧 トァンの搭乗する飛行体などは
近未来と言うより、もっと先の未来といった印象。この辺のデザインはなかなか目を楽しませて
くれる。
 雰囲気、時代設定こそ「屍者の帝国」とは異なるが、いずれも意識と体の問題を扱っており、
この辺が伊藤氏の共通するテーマなのかな、と思ったり。

 ストーリーはトァンを通じて、自ら命を絶った友人の御冷 ミァハを巡る過去と、同時多発
自殺事件が起きる現在が交差するように描かれ、この事件を追っていくトァンの前にこの2つの
関連性が明らかにになっていくという、ミステリータッチのサスペンスもので、この辺の展開は
なかなか魅せてくれる。
 ただトァンの捜査は特に困難もなく、順調に進んでしまうし、全体的空気感も淡々と
しているため、躍動感溢れるサスペンスを期待すると肩すかしを食らうかも。
 このトァンとミァハの関係性はなかなかエロティシズム溢れるもので、百合と言えばそうなの
だが、既出作品では少女が少女まま死を選択するような作品が幾つかあり、そういった作品の
耽美的要素も感じられるので、個人的には少女愛と呼びたいかな。

 ディストピアものの要素もあるが、その管理社会からの解放の先にあるものは。。。
 この結末はかなり怖いが、言葉通りのハッピーエンドではある。かなり皮肉が入ったものでは
あるけど。
 
 映像的印象は「赤」が目に付く。
 これはトァンの監察官としての制服であるマント OR コート?が赤であることも大きく、更に
血の印象。
 この作品とにかく血の描写が多く、それが生々しい感じで、グロ描写が苦手な人は避けた方が
いいかも。

 キャスト的にはトァン役の沢城 みゆき氏の演技が良かった。

投稿 : 2015/11/15
閲覧 : 233
サンキュー:

6

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