「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(アニメ映画)」

総合得点
72.2
感想・評価
535
棚に入れた
3096
ランキング
1152
★★★★★ 4.1 (535)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.2

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sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

THE IDOLM@STER ONE FOR ALL(, ALL FOR ONE) 【70点】

アイドル育成シミュレーションゲーム原作、12(13?)人のアイドルたちとプロデューサーの、サクセスストーリー風群像劇・劇場版。
たぶん全国のプロデューサーにとっては、少しの寂しさと最上級の喜びをくれる映画だったのではないでしょうか。
だってこれ、アイドルたちがPの手を離れる物語だもの。

TV版では、765プロメンバーがそれぞれ輝き始める様子を描いた中盤までを布石に、終盤で各人の活躍と「765プロのみんな」としてのまとまりの乖離、そしてその回復の物語が展開されました。
私感としてはTV版は765プロのホームドラマなのです。
誰一人として欠けてしまっては765プロじゃない、個性を違えるメンバーがそれでもみんな一緒にいてこその私たちなんだ。
その「信念」に春香が気づき、Pが気づき、みんなが気づいて、それを実現させる。
それこそ「『みんな』で叶える物語」なわけで(あ、これ違うアニメだ……)。

それを受けた本作では、リーダーに指名された春香がその信念を貫けるかが問われます。
いつまで「みんな」を続けるのか、どこまで「みんな」を広げるのか、そもそも「みんな」は正しいのか。
視聴者それぞれ思うところはあるでしょう。
事実、「私の今いる場所は今までの全部でできてる」「出会って今一緒にいるっていうことは私にとってそれくらい大事なことなの」と語る春香の決断は理想論にも感じられるけれど。
TV版でPと歩んできた道のりとその中での選択を再確認し、迷いつつも自分たちの進んできた道を信じる。
その決意には、確固たる重みがありました。

そして彼女たちは、Pに導かれずとも、むしろPに頼れる最後のチャンスだと知りながら、自分たちだけで決断を下している。
それどころか自分たちがPと得たものを後輩にも広げてゆく。
そこに立ち現れるのは、アイドルたちの自立した姿です。
お疲れ、プロデューサー。
あなたがここまで連れてきアイドルたちは、今その輝きの向こう側へと向かいはじめました。
多くのPが目を赤くしつつ、胸を張って劇場を後にしたことを信じます。

各キャラの人格をしっかり感じさせる描写も健在。
ここはやっぱ伊織がテンパりつつ照れるよなとか、ここは響が絶対泣くよなとか。
画面の中心にいても端に映り込んでも、キャラの言動が完全にそのキャラのものになってるのが初見でわかるくらい、相変わらず丁寧。
決断に際し「ほかにもっと良い方法があるのかも」と認めて震える春香や、志保を悪者にしない伊織のセリフのバランス感覚、流石という他ない。
また、ED最後の一枚絵はTV版24話を踏襲しててやっぱりたるき亭前なんだよなぁってなったり、自立してもみんなP好き過ぎでいてくれるんだなwってなったり、幸せでした。


ただ個人的には手放しで褒めることもできない。
ところどころ展開・時間配分が雑で2時間の長尺を生かし切れてない感が(菓子食べ過ぎってオイ)。
加えて、クライマックスのライブステージがいまいち好みじゃなかった。
3DCGと手描き部分がはっきりわかるし、俯瞰や全身ショットの多用とアップの少なさでメリハリが……(カメラワークは凄いんだけど)
バックダンサーも跳ねてるだけじゃん、練習での苦悩は何だったのか。
期待が大きかった分、輝きの向こう側を説得力を持って感じることができませんでした。
あとあれだ、貴音の出番が少ない(´・ω・`)
彼女の出る幕がないほど春香(と伊織)が頑張ったということではあるんだけどね。


と言うことで、Pさんたちにとっては、目に入れても痛くないほど可愛がって育ててきたアイドルたちがあなたから巣立っていく映画です。
娘を嫁にやる予行演習にどうぞ←違う


【個人的指標】 70点

投稿 : 2016/03/04
閲覧 : 338
サンキュー:

12

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