剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
プラスティックでプラトニックな恋愛
[文量→中盛り・内容→感想系]
【総括】
近未来、アンドロイドの少女との恋愛を描いたアニオリ作品。
プラスティックメモリーズというタイトルは「無機質、すなわちデジタルな想い出」をイメージしているそうです。よって、「無機質で純粋な恋愛」というレビュータイトルにしました。
だって、良くも悪くも塩ラーメンのような作品ですから(笑) 透明感、無機質さ、アッサリ、灰汁の無さ。誉められる点もここですし、批判されるとしてもここでしょうね。
ちなみに、同じ恋愛アニメを描いても、岡田麿里さんは(私は好きですが)濃厚ドロドロダブルスープなんで、それと逆のような恋愛アニメですかね(笑)
当然事前知識も必要なく、1クールで綺麗にまとめています。作画のクオリティも高い。ふとした拍子に観るアニメ(旧作)としてはかなり優秀だと思います。
レビューでは、この作品の設定として良かったところを。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「ギフティア」の寿命を81,920時間(約9年4ヶ月)と設定したのは、なかなか絶妙だったと思う。愛着(愛情)が芽生えつつも、別れによるダメージとしては、ギリギリ(後追いを考えたりせず)に許容できるというか、次(前)に進めるというか。
これが、5年だと少し物足りない(愛が深まらず、工業製品と割りきってしまい)、20年とかだとダメージが大きすぎ、立ち直れない。
勿論、「修理しながら永遠に」という望みもあるのだろうけど、実際の社会にアンドロイドが組み込まれたら、日進月歩の技術革新の引き換えに、部品はどんどん作られなくなり、今の旧車のようになるんだろうな。やはり、10年くらいで買い換えていくことの方が、経済的に、社会全体的にはうまく回っていきそうだ。
また、記憶を「忘れられない」から「消去」というのも、乱暴ではあるが一応のスジは通っていたかな。とはいえ、それでも記憶(メモリー)のバックアップや移行、サルベージなんかは、可能だとは思うし、間違いなくニーズもあるはずだから、ちょっと(SF的には)ムリある設定だとは思うけど(それは言いっこなしで)。
あと、主人公のツカサが寿命を迎える寸前のギフティアを回収する部署「ターミナルサービス課」に配属されるのも良かった。
初めは仕事として、様々なギフティアと人間との別れを眺めるが、それが自分事としてふりかかってくる。客観から主観へ、マクロからミクロへ。その視点変更に伴う心情の変化と下した決断が、後半の見処。
これは、最初から主人公の元に恋人となるギフティアが来るような展開では描けなかったこと。
終盤、(それこそ岡田さんみたいな)もうひと盛り上がりがあってから、あの観覧車のシーンに繋がれば、個人的には更に評価したんだけど、綺麗なものを綺麗なまはまで終わらせる展開にも理解は示せるので、この辺は完全に好みの問題でしょうね。
あと単純に、アイラが可愛いです。これは、好みの問題じゃなく、可愛いです(笑)
{/netabare}