「機動武闘伝Gガンダム[ジー](TVアニメ動画)」

総合得点
71.6
感想・評価
386
棚に入れた
2053
ランキング
1265
★★★★☆ 3.8 (386)
物語
3.7
作画
3.6
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見よ! 東方は赤く燃えているぅ!!

歴代のガンダムシリーズに比べて、ロボットによる格闘がメインの見所であることが本作の魅力だと私は思います。宇宙世紀系はとくに、バトルよりも会話の方がメインになりがちですので、意外とロボットモノらしい楽しみって少ないんですよね。
ガンダム作品において必殺技と呼べるものがあるというのも珍しいですよね。
とくに、侍を意識したシャイニングガンダムはビジュアルも技もたいへん優れていたと思います。友人に言われて初めて気づいたんですけど、スーパーモードの時って頭部が武士みたいになってるんですね。


本作を視聴する前は、師匠との名乗りや、ノーベルガンダムとかファイティングスーツといったビジュアル面から、どうしてもシュールよりのイメージがありましたが、見事に裏切られました。もちろん、良い意味で、です。
実は、中身のストーリーとドラマはかなりの骨太。ドモンの人間的な成長には、熱くさせられました。
作中で幾度か出てきた、拳を使わなければ想いを伝えられない武闘家の不器用さ。それはある意味、伝える努力を放棄した者の言い訳にも聞こえますよね。
そして、これまた作中でレインが言っていたように、それでは同じ武闘家相手にしか伝わりません。
一年間の長い道のりを経て、ドモンの旅は終わりを迎える。その時、傍らに居て欲しいと願う人は、武闘家ではありません。では、ドモンが用いるべきは拳ではなく、言葉でなければなりません。師匠の時はそれで良かったとしても、レインにそれは通用しないのです。
だからこそ、デビルガンダムに取り込まれたレインを石破天驚拳で物理的に解放するのではなく、熱烈な想いを込めた言葉で解放してみせたのではないでしょうか?
熱血系作品特有のノリとは少し異なるこの終盤の展開によって、僕の中で本作の存在は大きなものとなりました。


悪い点というか、小さなひっかかりなのですが、チボデーとジョルジュがあまり好きになれませんでした。
チボデーは、ドモンとの初戦においてあっさり敗北を喫したので、全然強いイメージが湧かないままシャッフルのメンバーに選ばれていて、驚きを禁じえませんでした。だって、グローブみたいな装備した上で片腕壊されてましたし…いつからドモンのライバルポジションにいたのか、不思議でなりません。
決勝リーグにおいても、個人エピソードでは「四人のママが~」の流れには正直、ドン引きです。シャアじゃないんだから…。

ジョルジュはジョルジュで、自分の技を真似てくる相手になす術なく敗北した時にはガッカリ。ギアナで精神面を鍛えたのではなかったのですか?
なんだかんだで噛ませ犬ポジションだったのが残念です。噛ませ犬で言えば、アルゴもそうでしたが。

シャッフルメンバーだと、やはりサイ・サイシーぐらいでしたね、キャラクターとして優れていたのは。
その実力もさることながら、ガンダムファイトに挑む理由の強さが、影響したのではないかと思います。
チボデーの理由も、ジョルジュの理由も、ガンダムファイトに優勝しなければならない理由としては、ちょっと弱いんですよね。
ジョルジュの場合、例えばファイトに優勝できなければ没落してしまう、とかなら分かりますけど…。
アルゴにしても、そもそも海賊なんだから罰を受けて当然というか、今までの罪をファイトの成績でチャラにしてもらおうってのが、納得いかないというか…無実の罪で捕まっているのならともかく。

おそらく、こうした理由の強さ弱さが、決勝リーグでのバトルの盛り上がりの違いを生んでしまったんでしょうね。


悪い点はありましたが、ドモン、師匠、シュバルツ、サイ・サイシー、この四人だけでも全話視聴できるだけの魅力は十分にあります。
ガンダムシリーズの中ではかなりの異色作ですが、食わず嫌いせずに是非とも観て欲しい作品です。
僕も実際に観てみるまでは敬遠していましたが、観てみると結構ドモンって熱血バカとは程遠い繊細な青年なんですよ。

投稿 : 2016/10/16
閲覧 : 282
サンキュー:

10

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