「コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG(TVアニメ動画)」

総合得点
64.6
感想・評価
127
棚に入れた
762
ランキング
2327
★★★★☆ 3.6 (127)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.6
ネタバレ

いこ〜る

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

外れずと言えども近からず

レトロフューチャーな冒険活劇の見た目でスタートし、予想外に複雑なシナリオに戸惑いながらも、面白さに惹かれて見続けた本作もついに完結しました。
正直この2クール目は、1クール目の快活さが無くて、ちょっとどうかなと思った事もありましたが、終わってみれば大満足の出来栄え。いやいや、作画はだいぶ怪しい時もありましたが、物語はテーマを貫き抜き通し、ブレずに決着したのは素晴らしいと思います。

{netabare}
1期のレビューで私は
「一つの物語に一人のヒーローならば、その正義は絶対だったのかも知れません。でも、幾つもの物語が絡み合う現実世界において、彼らは唯一のヒーローではもはやなく、相容れない正義を掲げ合う、相容れない存在であったのです。
おそらくこの辺りが、本作の物語構造の肝かなぁと思います。そうでなければ、こんなに何人も超人を出す意味がありませんからね。」
と、書きました。

その予想は、最終話に於いて「超人には必ず対になる悪がいる」と、繰り返されていましたので、大外れではなかったなと思います。

でも本作は、似てるようで全然違うアプローチをした物語。
外れずと言えども近からず、でした。

私は、超人同士が己の正義を戦わせる話だと思って見ており、それはつまり「勝つのは誰か?」と言う、ありがちな物語に帰着してしまう考え方でした。
では本作に勝利者はいたでしょうか?

物語の最終局面で、妖怪と人間は対立しました。妖怪の正義と、人間の正義は相入れず争えばどちらかが滅びる事になりかねませんでした。双方が己の正義を戦わせては、解決できないことが多いのです。それは19話で、猫耳侍こと影胡摩の疑問と重なります「敵を最後の一人まで殺しても平和は訪れない」と。

ではどうすればいいのでしょう。

本作はそれに非常に興味深い答えを出しました。
正義は正義と戦うのではない。正義はそれと対になる悪と戦うのだ。という答えです。

これ、難しいですよね?どういう事なのか。

ヒントの一つは「デビラとデビロ」回にあるのではないでしょうか。あの時、地母神的存在である彼女らは、人間と戦う事も出来たはずです。しかし彼女らは対立ではなく新天地を目指し、その地に豊穣をもたらす者として旅立ちました。ここですでに、対立構造へのアンチテーゼはなされていたように思うのです。

さらに最終話、大鉄君は「負けたら正義でなくなる」と恐怖しましたが、それ本当は違いますよね。見てる私は「いやいやそんな事ないやろ」と、ニセ関西弁でツッコミ入れたくらいですから、皆んなそう思ったはずです。と言うか、そう言う視聴印象を持つように作られていました(よね)。

正義同士が戦うから負けた方が正義でいられなくなるのです。
正義が(超人が)戦うべきは、それと対になった悪。

言い換えれば、それは非戦の定義です。

それぞれの立場や思想に引き裂かれ、相対していた超人課のメンバーが、最後に爾郎vs里見に集約された戦いで、一斉に爾郎側に立って加勢したのが象徴的でした。この時爾郎は遂に自らを超人であると宣言し、超人を守る超人となります。対して里見は超人を守らない(消し去ろうとする)存在です。

そう、正義には必ず対になる悪がいる、【爾郎=正義超人】VS【里見=悪】の構図が固まり、超人と悪と言うシンプルな定義がクッキリと表れた、その瞬間でした。

正義には必ず対になる悪がいる
対になる悪を正しく捉えよ!
そうでないと正義と正義が戦う事になる。

そう言う解決だったのだと思います。

そして…
爾郎の肉体的存在は消え
笑美たち妖怪は別の世界に去り
ウルは「男って馬鹿よね」と笑美の元へ(これ最高!)
里見はその別世界へのエネルギーにされ
あとの多くの者は残りました。

少し大人になった様に見える風郎太と輝子が、爾郎の気配を感じて視線を上げます。
続くような、これで本当に終わりのような、余韻のあるいいラストでした。

以下、各回ごとの一言評価です。

平均点:4.00
☆☆☆__14話:1期の大らかさが影を潜め、社会性が強くなりシビアさが増したか?
☆☆☆☆_15話:それぞれの正義が交錯しだし話が動き始めた。妖怪と魔族のコンビがいい
☆☆☆__16話:國とは民と土であると言う話だったなら、凄い脚本書いたな!中島かずき
☆☆☆☆☆17話:地母神登場。破壊ではなく慈しみ!と言う、対立への反証が素晴らしい
☆☆☆__18話:なんだか絵も話も微妙に劣化してる様な…せっかくアースちゃん出たのに
☆☆☆☆_19話:この活劇テイストが真骨頂。輝子は人になるのか?キーワードもチラホラ
☆☆☆☆_20話:新世界と旧世界の支配権闘争。新世界をこう書くとは攻めたな!虚淵脚本
☆☆☆☆_21話:面白い!ばら撒かれた謎のピースが繋がり始め、最終局面へ向かって加速
☆☆☆☆_22話:まだ9話、でもここまで来た。どこまで行くのか?どこへ行くのか?期待
☆☆☆☆☆23話:急転直下!全てのピースが繋がり物語が加速する。それは正義なのか!?
☆☆☆☆☆24話:一人の超人に1つの正義。この幾多の超人たちをどう収めるかを見事決着

前半は評価がバラつきましたが、後半はバッチリでした。ゲスト脚本家の中では17話「デビラとデビロ」回の辻氏が抜きん出て凄かったです。

エンドカードはUFOの大群と爾郎他超人課のメンバーという絵柄。
もし次作があれば、宇宙人の正義と戦うのでしょうか?{/netabare}

投稿 : 2016/06/22
閲覧 : 128
サンキュー:

20

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