「銀河英雄伝説外伝/千億の星、千億の光(OVA)」

総合得点
69.0
感想・評価
17
棚に入れた
132
ランキング
1870
★★★★☆ 3.8 (17)
物語
3.9
作画
3.6
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
4.1

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

男たちの野望が・・・銀河を駆ける

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
⇒(8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

この物語では、2度に渡って帝国軍と自由惑星同盟とが激突します。
ヴァンフリート星域での会戦と、第6次イゼルローン攻防戦です。
物語は、主にラインハルト側帝国軍の視点で描かれており、所々で自由惑星同盟が登場する・・・という形で描かれています。
勿論、ヤンも登場します^^

でも、この物語がこれまでと大きく異なるのは、ラインハルトとキルヒアイスばかりではなく、ラインハルトをライバル視する帝国軍周辺の存在にも、きちんと焦点が当てられて描かれている事です。
その存在はリューネブルグ准将・・・ラインハルトの物語の中に大きく彼が食い込んできた事によって、物語の幅は広がったと思います。

物語は、ラインハルトが先の戦闘の功績が評価され准将に昇格したところから始まります。
准将にもなると200隻もの艦隊の長になる訳ですが、果てしない野望を抱くラインハルトにとっては中途半端な通過点にしか過ぎません。

そしてラインハルトは実感する事になります・・・階級が上がるにつれ自身の保身の事ばかり考える古狸の集団になっていき、やっている事はまるで化かし合い・・・
そんな老骨ばかりの所に18歳の若者が紛れ込んだら・・・思考、文化、育ってきた環境が著しく異なることから、対話にすらならないでしょう・・・
同年代という横の広がりの中でも分かり合うのが難しい世の中です・・・年齢という縦の広がりが加わったら、より難易度が上がるのは明白です。

それに加えラインハルトは誰よりも聡明であると共に、野心でギラギラしているんです。
保守とは対極に位置する彼は、より交わり辛い存在であった事でしょう・・・

ですが、ラインハルトの快進撃に待ったをかける存在が出現します。
それがリューネブルグ准将でした。年齢は35歳とラインハルトより17歳年上ですが、階級が一緒な彼は、ヴァンフリート星域の海戦で近傍の惑星に降下する指令を司令官から艦隊が受けた際、ラインハルトを自分の配下において降下する作戦が提案・受理され、ラインハルトの武勲をも我が物にしようと企んだんです。

これまで何度か邪魔されたり、時には命を狙われたりもしたラインハルトですが、自分の挙げた武勲を取り上げようとする輩との出会いは初めてでした。
ラインハルトは相当怒っていましたけれど・・・^^;

これは・・・私ならどうだろう・・・
仕事の一環で色んな開発に従事してきましたが、利益や権利は基本的に会社に帰属する事が分かってるので、あまり何も感じないかもしれません・・・^^;

でも、リューネブルグ准将はこれだけでは済みませんでした。
事あるごとにラインハルトを陥れようと画策するんです・・・
その画策は・・・正直あまり好きにはなれませんでいた。
自分より権力の大きいモノの力を借りて突き落とそうとしたり、ロクに実態を知りもしないのに相手を侮辱したり・・・
正直こういう事をする人とは仲良くなれないと思います。

今の私の身の回りにはリューネブルグ准将の様な人はいませんが、俯瞰してみたらきっとどこかにはいるんでしょうね・・・

物語が進むにつれ、色々な事が明らかになっていくのですが、印象的だったのはラインハルトが少将に、キルヒアイスが少佐に昇進した事と・・・同じく少将に昇進したリューネブルグは決して幸運な人生を歩んでこなかった・・・という事です。

そして色んな問題が拗れたまま、物語は第6次イゼルローン攻防戦に突入していきます。
この攻防戦も激しい戦いになりました。
それでも、これまでの攻防戦と明らかに違ったのは、ラインハルトとヤンが「相手の中に切れるヤツがいる」という事をお互い認識した、という事です。

ラインハルトは少将、ヤンは大佐なので艦隊全てに与える影響力はありません。
ですが、戦局を見て相手の出方を予測しながら次の一手を講じる・・・2人の才能が徐々に認められてきた証なんだと思います。

一方、リューネブルグ少将の件も落着するのですが・・・想定外の悲しい結末だったと思います。
でも、人の情って凄い・・・例えどんなに関係が拗れても・・・例え敵味方に別れてしまってもその尊厳を大切にし、ちゃんと相手を偲ぶ事ができるんです。
辛く悲しいことが連続しましたが、最後に救われた気持ちになりました。

OVA全12話の物語でした。これからラインハルトとヤンの攻防は静かに幕を開けていくのだと思うと楽しみで仕方ありません。
戦争をしているのですから、全く血を流さない訳にはいきません・・・
けれど、戦争で悲しむ人を一人でも減らして欲しい・・・そう思います。
引き続き、「第三次ティアマト会戦」を視聴します。

投稿 : 2016/05/05
閲覧 : 466
サンキュー:

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