「聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテ(TVアニメ動画)」

総合得点
56.7
感想・評価
191
棚に入れた
1048
ランキング
7042
★★★☆☆ 3.0 (191)
物語
2.8
作画
2.9
声優
3.2
音楽
3.0
キャラ
3.0

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

最弱無勝のキリト君…安っぽいけれど独特の雰囲気が魅力、レヴィアタン彷彿とするダークホースかも。

ソーシャルゲーム原作の冒険ファンタジー全13話です。
全般的に安っぽいけれど、他に類を見ない程の最弱主人公と彼を支える仲間たちの旅に、独特のノリと愉快さあり。
本人たちはいたってシリアスのつもりでも、終始笑わせてくれましたw
…グリーのソシャゲ、冒険ファンタジー、キャラとノリが独特など「絶対防衛レヴィアタン」を彷彿とさせる味わい深いアニメでした♪

真面目に観るよりも、半ば以上ギャグアニメと割り切ると…2016春最大のダークホース(全く期待してなかった割には面白い)だったかも。
多分、レヴィアタンを愛せるク○アニメ愛好家ならば…拾い物ですよこれは。

{netabare}『物語』
ジャンルはハイファンタジー。毎話冒頭で「ここはクアナーン大陸(ニコ動では「くなーん大陸」と空耳が)」
「○○王国」「聖なんちゃら王国」「××王国」の3つの大国が云々…
と世界情勢が解説される…なんか「ケイオスドラゴン赤竜戦役」っぽい(本作も龍がテーマだし)
…しかし。三王国(全部王国かよ。普通、王国や帝国や皇国とか分けない?と思ったw)の世界情勢とか、本筋のヒイロ(主人公)の物語にはあんまり関係が無いのであった…
いや~~~、なんだか冒頭からして面白いですw
奇しくもケイオスドラゴンも駄アニメだったし。

ケイオスドラゴンが大真面目な鬱もあるシリアスなのに対し、聖戦ケルベロスは終始お気楽な雰囲気。
いや、ヒイロは辛い過去と宿命背負っているし、皆真面目に旅してるんですけどね…
冒険ファンタジーとしては、非常にユニークなパーティーが本作特有の雰囲気出してます。
(本作の場合キャラ大事なので先に記述)
口だけ番長な黒衣の最弱剣士ヒイロ(超よわい)の清々しいまでの負けっぷりや、そんなヒイロを「坊ちゃん」と呼び仕える凄腕大男ギルー(超頼れる)、関西弁で金にガメついが妙に愛嬌のあるツッコミ役パルパ、機転の利く少年トミッティ、そして笑顔を忘れた少女もとい謎の美少女サラート。
これに時々豊満な情報屋の美女エリンも加わり、賑やかに旅を続ける。
本編はシリアスだし、決して日常系ではないはずなんですが…
彼らの雰囲気が非常~に面白いです。
…近年のアニメには珍しく、主人公の他にヒロイン1人(サブヒロイン?1人)に有能なオッサンと関西弁の亜人とショタというパーティー編成、売れ筋から外れてるかもですが、そこが良いんです。
敵も362歳ケモミミロリっ娘のシャリシャルーが非常に良い味出しており、敵サイドも見ていて面白いです。

さて本筋は両親をグランゾートもといダガンゾートという龍に殺されたヒイロの敵討ちの旅なんですが、その方面での真面目なストーリー期待しているとダメっぽいです。
世界観は中々良く練られてそうでいて、そうでも無かったり。
見所は、ヒイロの最弱っぷり。
最弱の魔物スライム相手に訓練し、大苦戦。前期の「灰と幻想のグリムガル」のハルヒロ君もゴブリンに苦戦してましたが、ヒイロはそんなレベルではない。
単に弱いだけでなく、弱いクセに無駄に自信家で、先走ってはピンチになるダメダメっぷり。
普通ならば嫌われそうですが…真っ直ぐで一途な性格と、フォローしてくれるギルーのお陰か、弱さにイライラはあまり感じず。
むしろシリアスなギャグに。
支えてくれるパーティーに味があるのが秘訣でしょうか。

最大の笑い所は6話。弱いくせにいつも通りタンカを切るヒイロであったが…
「あれ?…しまった!剣がない!」
おいおいおいwww
彼は大真面目なんですよねぇ。

敵ボスのナンブーコの野望、情報屋エリンの思惑、ナンブーコ様一筋にがんばるシャリシャルー様の健気さ等、主人公サイドよりも敵サイドで話が動いていく感じ。
ヒロイン・サラートの秘密、ヒイロの秘めた力の覚醒(普通なら覚醒して俺強いやるところ、覚醒しても負けるのがヒイロクオリティー)も判明、実は序盤から結構伏線は練られており、よく纏まったストーリーでした。
…ただ、ヒイロが主体的に世界救ったワケでも無いので、微妙~に盛り上がらないのは残念。
まあ、そこは期待する作風じゃない。
無感情系ヒロインのサラートが感情芽生えてヒイロに好意芽生える展開は萌えるのですが、道中でもう少しヒイロとの絡み欲しかったです。

あと、終盤に課金パワーで危機脱する展開は同時期の「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」と重なりましたw
もっと以前にも「イクシオンサーガDT」でもこのネタあった。ソシャゲ系の定番なのかな?

総じて、真面目な冒険ファンタジーとしてはダメかもですが、キャラクターが独特の味あり、終始楽しく笑えました。
あまりラブコメの波動を感じなかったのは本作の良さでもあり、物足りない面もありました。


『作画』
キャラデザは結構好みです。サラートもエリンもシャリシャルー様も十分以上に可愛い。
ヒイロのお母さんはかなり美人でした。
世界観描写も中々。戦闘はイマイチ。
特に非の打ちどころは少ないないんですが、やや安っぽい印象も。

『声優』
松岡禎丞さんで黒衣の剣士、SAOのキリト君…より、よわい!
自信過剰な典型的なラノベ主人公めいた感じ、流石は松岡さん。
サラートのM・A・Oさんは無感情系普通に可愛いです。
エリンの内田真礼さんのクセ者っぽさも絶妙でした。
シャリシャルーの伊瀬茉莉也さんの小悪魔だけど健気な好演も光る。
ギルーの楠大典さん、パルパの上田燿司さんはいぶし銀のベテラン。
少年時代ギルーの本城雄太郎さんも良い感じのショタ演技、エレメントハンターのレンですな。
トミッティの小笠原亜里沙さんのショタもハマってました。ウルフズレインのチェザのイメージでしたが、久々に聴けて嬉しいです。


MVPはナンブーコ様の咲野俊介さん。
脇役多数のいぶし銀ですが、大物感溢れる大悪党の貫禄タップリでした。
大ベテラン、小室正幸さんの毎度のアバンや狂人っぷりもお見事。


『音楽』
内田真礼さん歌うOP「Resonant Heart」三森すずこさん歌うED「Xenotopia」中々良いです。
4点か迷うところ。私は分かり易く主題とシンクロする歌詞が好きなので。


『キャラ』
本作の醍醐味はひたすらキャラにあり。
既に大方書いてしまいましたが、とことん最弱だけど愛嬌あり憎めないヒイロ良かったです。
…ダイの大冒険のクロコダインさんよりもやられシーン多い主人公ェ。

サラートは「笑顔を忘れた少女」…どう見ても笑顔だったレヴィアタンよりも笑顔忘れてる…でも無垢なところがカワイイ。
無感情系で物語のカギになるオイシイ立ち位置でしたが、真面目な展開にはあまり絡めず残念。

屈強なオッサンでヒイロに忠誠誓うギルーが頼れ過ぎる。もう全部ギルーひとりでいいんじゃないかな?
ヒイロがどんなに弱くて足引っ張っても何とかしてくれる。
家事も料理もバツグン、彼のような嫁がほしいですねぇ(錯乱)
少年時代がカワイイ、彼の方がもう一人の主人公っぽい。

ルパン三世の不二子ちゃんポジなエリンは本作唯一の豊満であった。

パルパも非常に良い味出していたツッコミ役、親代わりにヒイロを気に掛けるシーンなど地味に良かった。
ショタなトミッテは意外と活躍しなかった気が…でもサラッと危機回避してたり、いるだけで楽しい。


敵側のシャリシャルー様がかわいいです。
悪党ではあるんですが、一途に上司のナンブーコ様ラブ、健気ですねぇ。
またモブの部下たちもシャリシャルー様ラブ、良い奴らだった…
362歳合法ロリ。どうでもよいがダイの大冒険の魔軍司令ハドラー357歳より5つお姉ちゃんですな。

狂人博士バッハロッパもインパクト強し。悪い人ではないのだが、善悪の価値観がおかしい。
愛娘サラートラブで行動が読めない…面白い人でしたw

ラスボスのナンブーコ様もカリスマあり。
死の商人だが、その野望の大きさも邪悪さも、巨悪に相応しい。
シャリシャルーちゃんがベタ惚れするのも少し分かる。

邪悪なハズのダガンゾートさん、結果的には良い人もとい龍といいますか。
心臓借りパク…w{/netabare}

投稿 : 2016/07/22
閲覧 : 387
サンキュー:

23

聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

どらむろが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ