「らき☆すた(TVアニメ動画)」

総合得点
86.6
感想・評価
3595
棚に入れた
17588
ランキング
190
★★★★☆ 3.9 (3595)
物語
3.6
作画
3.7
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

(オタク向け)日常系の金字塔。不朽の名作。良さが分かるならば、オタク中級に足を突っ込んでます(多分)?

オタクコンテンツの大勢力・角川「コンプテーク」の4コマが原作の日常系アニメ全24話です。
オタクな女子高生が、オタクじゃない友達と仲良く会話したり、日常を過ごしていく様を淡々と描いていく…。
ユルい絵柄だけどキャラが可愛い、絶妙な日常あるあるネタ、そして知っていればにやりとできるオタクネタの数々…
不朽の名作です。

{netabare}『物語』
今でこそ結構ある、日常系4コマ原作のユルいノリが続きます。
久々に観返して思ったのは、10年近く前の作品なのに、ネタが色褪せていないです。
一見とりとめのない女子高生の会話から、彼女たち独特の感性を通して、日常の何気ない一幕に意外な発見があったり、(あ~、あるある)と共感したり。
これを4コマ特有の軽妙なテンポで繰り出され、軽くツッコミや意外に丁寧な解説(みゆきさんが担当)も交え、ゆっくりと日常が流れていく…。
特にドラマチックさや特別な事件は皆無なのに、退屈なようでいて、気付くと引き込まれている感じ。
春夏秋冬の季節を感じさせるネタは特に良質です。
…これらはオタクネタと違い普遍性が高く、時を経ても変わらぬであろうセンスの良さを感じる。
本作の舞台は2007年より少し前なので、時代特有のネタ(高校生のつかさが初めて携帯電話買ってもらい、嬉しくて姉に電話しまくる等々)もあるんですが…それでも古さを感じないです。
時代が変わっても、未知のオモチャではしゃぐ気持ち、姉妹仲の微笑ましさは変わらないと思うので。
つかさちゃんの可愛さも不滅なので!

一方で主人公こなたが繰り出すマニアックなネタ(角川作品、特に平野綾さん繋がりで涼宮ハルヒネタ多い)は、知っている人はニヤリ、では知らない人は…
ここでメインツッコミ担当のツンデレ少女・柊かがみ(双子の姉、通称かがみん)が、オタク知識に無縁な一般人視点で絶妙なリアクション。
視聴者はかがみん目線でオタクに戸惑うも良し、こなた目線で戸惑うかがみん(や、絶妙に無知で無垢な妹のつかさ)に萌えるも良し。
ここら辺の雰囲気が楽しい、萌えと両面で。
割合としては日常ネタ中心の中にオタクネタも混ざり、特有のユル可愛い雰囲気でもって、オタク少女が普通のかけがえのない日常を謳歌する様を淡々と眺めている、それだけで…妙に幸せな気分になるのです。
…オタクネタとはいえ、「ハルヒ」「Air」など不朽の名作級多いので、(アニオタならば)知っていて損はない話題も多い。
…ネトゲ関連のネタは、意外に現在でも通用している。
現在隆盛なネトゲネタの原型は既にこの時代にあったか…。

回が進むとキャラが増え、交友関係が広がるたびに、キャラ萌えやネタのバリエーションが増えていく為か、序盤から淡々と続く雰囲気を堪能出来ているならば、後半以降も楽しさが衰えない。
そして終盤に差し掛かる22話、こなたと父のそうじろうが、亡き母(妻)かなたとの思い出を語る話が、非常にハートフル。
父娘にとって故人がどれだけ大切な存在か自然と伝わってくる、しんみりせず普段通り明るく楽しく生きている事が、なによりも尊い幸せを感じさせる。
…22話はじんわりと温かい気持ちで涙腺緩んでくる良回、それも、ここまでに至る、平凡な日常の積み重ねが効いている辺りが、日常系の名作な所以。
何気ない平凡な日々を楽しく過ごすことの素晴らしさ!

最終話の学園祭で全員で「もってけ!セーラーふく」披露するラストも、まさに日常系の理想形でした。


…名作の条件は「繰り返しの視聴に耐えうる」事だと思ってますが、らきすたはそれを満たしています。
日常ネタの普遍性と、オタク少女も交えた萌えと楽しい雰囲気が好きなので。
…「落語」みたいに、会話の内容を覚えてしまっても、聴くたびに面白いのは「特有の雰囲気が良い」から、だとすると…
名作級の日常系アニメもまた、そんな感じなのかも知れません。

「らっきー☆ちゃんねる」は後半の方はおふざけが過ぎた感もありますが、まあご愛敬でしょう。
本作は「ある程度以上オタク知識に親しんでいる」かつ「日常系アニメの楽しみ所を理解している」事が求められるので、該当しない方が観ても退屈な凡作に感じるかも?
なので、らきすた気に入ったならば、アニオタ初級から中級へようこそ♪


『作画』
天下の京都アニメーションなんですが、キャラデザはかなりユルい感じ。
でも、要所で萌えも感情もばっちり。
つかさの「パンを両手で食べるあざとさ」など要所を分かっている流石!
聖地として有名な鷲宮神社など、舞台背景活かした描写も良い感じ。
御当地に行ってみたいと思わせる魅力あり。
埼玉には所用で何度か行ってますが、鷲宮神社には一度も行ったことない、いつかお参りしてみたいです。
…後半以降のEDの実写はいささか悪ノリし過ぎな気もしますが、ま、まあご愛敬(二度目)


『声優』
泉こなたは涼宮ハルヒと並び、平野綾さんの代表役。まさに唯一無二、平野さんあってのこなたです。
ハルヒ声優陣総出演したり、よくわかっている。
かがみんの加藤英美里さんのツンデレツッコミ最高…極悪マスコット・キュウベエの人とは思えん!
全般に出演作少な目な方多いですが、いずれもすばらしい…もったいない。
パトリシアのささきのぞみさんは、レディジュエルペットのサフィーの人、あざといです。
こなた父の平松広和さんの温かみも良かった。
こなた母の島本須美さん、美人薄命な美声にグッとくる。

モブを白石稔さんとくじらさんのみで担当、これは手抜きか!?
いやいや、モブはこれで良いんです。
裏の主役格な小神あきらを熱演した、今野宏美さんのふり幅の激しさもスゴイ。


『音楽』
黎明期のニコニコ動画で一世を風靡した「もってけ!セーラーふく」が超迷曲にして名曲。
意味はサッパリ分からんが、とにかく凄い女子高生感だ!
実は歌詞の意匠も完璧。最終話は感動的です。

EDは持ち回りでカラオケで色んな歌を歌う。選曲の幅が広くて面白い。
後半以降の悪ノリはアレですが。

OP以外で特筆すべきはBGM。「らららコッペパン~らららコッヘパン~♪」と空耳付けれている日常シーン定番のBGMが非常に印象的、ああ、らきすただな~。


『キャラ』
主人公・泉こなたが、いまなおオタクアニメ界のカリスマ的名主人公。
ちっちゃい(140センチ台)貧乳はステータスだ!希少価値だ!名言迷言の宝庫!
かわいい!マンガアニメゲーム諸々に通じつつ、友人との日常会話も自然体で謳歌する…まさに(オタクが夢想する)最強のの女子主人公。

かがみんこと柊かがみちゃん、いまなおツンデレツッコミ枠では最強の萌えキャラです。
お姉ちゃんとして、しっかり者、成績も良い、面倒見が良い…理想的、つかさとの姉妹関係は不純な百合感殆ど感じさせずに、自然な仲良し姉妹の相乗効果で萌え重点!
あぁ^~かがみんかわいいんじゃ^~

柊つかさちゃん、あざとい。とにかくあざとい可愛さに全振りした妹です。
少し気の抜けたセリフも、間も、仕草も表情も、しっかり者のお姉ちゃんに甘える関係も、全てがあざとすぎる。
あざといが…許せる!あぁ^~つかさかわいいんじゃ^~

みゆきさんは歩くみゆきペディア、彼女の丁寧な解説は本作に必要不可欠であった。
スタイル良い美少女、いまなお眼鏡っ子枠では萌えのお手本を示し続けているのだ!

後輩勢も非常に可愛い。小早川ゆたかちゃん、あざとい萌え面でつかさちゃんにヒケを取らぬ逸材であった。
違いは、ゆたかちゃんの方が少ししっかりしていた印象(親友の岩崎さんのフォローに回ること多い為か)。
岩崎みなみちゃん、クール…ではなく、無口不器用系であった。
周囲との関係やリアクション(赤面など)で輝く。かわいい。

パトリシア・マーティンは、「日本オタク文化大好きな外人美少女」枠、後世に範を示したか(前例は他多々あるものの、未だにパトリシアちゃんの印象強い)
きん!ぱつ!と愛でたくなる可愛さ。(金髪ではなく栗色ですが)

フレンドリーな黒井先生も、ユルいオタク系日常の大事なキャラ。
父のそうじろうと並び、こなたとの関係は、オタクの理想形ですな。

こなた父のそうじろうも非常に良き大人キャラでした。
こなたにオタクの英才教育施した張本人、この父娘楽しそうです。
特別人格者なシーンは少ないが、要所で娘を愛している事が分かる。
らきすたが名作なのは、この父の存在も大きいです。

らっきーちゃんねるの白石稔&小神あきらも裏の主役格…
芸能界の裏側?やさぐれっぷりのインパクト大でした。{/netabare}

投稿 : 2016/11/01
閲覧 : 314
サンキュー:

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