ガムンダ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
濃密で観応えある
アニメ製作会社を舞台にしたアニメをつくる人々の物語。
24話前後半で2本のTVアニメを製作します。
その中核にアニメを作る事を夢見て高校を卒業したアニメ製作部の5人がそれぞれ夢に向かって進んでいく若者の成長譚が含まれています。
その周りに非常に多くの登場人物の個性や過去や関係性が細かに描かれています。
パロディたっぷり、挫折あり、涙あり、笑いあり、夢ありの濃密なアニメです。
「アニメってこうやって作るんだー」みたいな勉強にもなります。
これは面白いです。物語評価とキャラ評価は「6」入れたいです。
アニメは学生モノが多いですが登場人物が社会人なのが良いです。
社会人の方は自分の仕事を思い浮かべながら観たんじゃないでしょうか。
学生さんにも是非観てもらいたいですね。
プロのお仕事とは何なのか、とか、学生である今、何故何をすべきか、思う所があるんじゃないでしょうか。
そんな作品でした。
主人公宮森を自らの才能に拠って立つアニメーターやら声優やらのポジションにせず、制作進行にした点が素晴らしいと思います。
それらのクリエーター連中に翻弄されながらも、やや冷静に全体像を観られる視点に視聴者も立てるからです。
そしてこの宮森、社会人の方にはわかると思いますが、この子は使えます。
うちの部署に欲しいです。
新人で悩みながら仕事に取り組む役ですが、頭も良いし、性格も良いし、謙虚だし、コミュニケーションスキルも高いです。
天才的な才能だけでは会社は回りません。
宮森みたいな役回りが居てこそそれらが活きて来ます。
宮森のキャラこそがこのドタバタ劇に安定感をもたらしています。
アニメを観始めて初めてこの台詞を捧げたい。「宮森は俺の嫁!」
劇中でもしっかり報われて評価されています。
もしかしたら裏方の製作進行に捧げるアニメなんでしょうか。
宮森の内面を代弁するロロ&ミムジーも良かったですね。
このやり方もセンス良い。
それと5人の物語も良かったですね。5人が5人とも良い子です。
{netabare}最後に「5人のカット無いのかよ!」と心配させといてシッカリ入れてくれて安心しました。そりゃそうですよね。 {/netabare}
そんなこんなで「SHIROBAKO」最高でした。
ただね、これ、同業他社から見たら「ヤリヤガッタな!!」っていう反則ネタだとは思います。
アニメ制作会社がアニメ製作アニメ作るって…
もし他分野をしっかり取材してこのクォリティで仕上げたらそれこそ伝説の大傑作アニメ級だと思いますが。
それと劇中ドリフトしまくるクルマの動きが無駄に良くできてるんですが、戦闘機の動きがダメですね。
「紅の豚」「風たちぬ」で研究しましょう。