「食戟のソーマ 弐の皿(TVアニメ動画)」

総合得点
76.7
感想・評価
658
棚に入れた
3832
ランキング
670
★★★★☆ 3.8 (658)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

駆け足だったけど、最初から最後まで熱かった!

1期で予選だけを描いた「秋の選抜」を中心とした2期
食事の際のエロシーン(?)ばかりが話題になるこの作品ですが、私は少年漫画としても非常によくできていると思っています

ネタバレ全開で行きますが、主人公の幸平創真はこの「秋の選抜」で決勝まで進むものの、予選でも敗れた葉山の前に再び敗北してしまいます
ですのでこの2期の構成は「秋の選抜」で終わると後味が悪くなってしまうため、その後のスタジエールでの成長までを描く必要があり、全体的に非常に駆け足な構成となっていました
しかし要点は押さえており、むしろ勝負の連続、熱い展開の連続になるような、プラスの効果が働いていたように思います

秋の選抜では、初戦のアリス戦は「VSエリート」、準決勝の美作戦は王道の勧善懲悪&敵討ち、決勝は逆境からの挽回と、それぞれが違った見せ方となっていて良かったですね
秋の選抜から登場した、謂わばポッと出のキャラである葉山に2連敗を喫したことは賛否が分かれるところでしょうが、「自分だけにしか作れないスペシャリテ」という課題を創真に突きつけるためにはピッタリなキャラだったと思います
決勝後の黒木場を含めた3人の絡みも少年漫画らしく微笑ましかったですしね
エロシーンの存在上、女性キャラの存在感が強い本作ですが、決勝に残った3人が全員男というのは少年漫画としての「熱さ」を意識した上手さだったと感じます

その後のスタジエールでは、まずは秘書子との和解(?)、秘書子とエリナの仲直りが描かれ箸休め

続く2店舗目では、創真が因縁の相手である四宮シェフと再会
大衆食堂出身の創真と対極にある四宮から様々な要素を吸収し、また自身を見直すことで「秋の選抜」で課題となった「スペシャリテ」に近づくラストを迎えました
このスタジエールでは創真の人を引きつけるひたむきさが強調され、また創真(と田所)との出会いで変わった四宮や、かつて創真に魅せられた大人たちが登場
最後は創真の指導にみんなで朝まで付きあって、しまいには創真と四宮が師弟関係まで結ぶという、とにかく熱い展開が詰められていました


…もう本当に終始熱く、最初から最後まで非常に楽しめました
キリよく終わったので3期があるかは微妙ですが、期待して待っています


以下、この作品の「勝負」への長い考察


この作品の軸は料理対決ですが、この勝敗には非常に説得力があるんですよね
そもそも料理漫画では、料理の味や香りについて読者は想像しかできないため、単純な味の差での勝敗というのはやや説得力に欠けます
アニメでは絵の色味や動き、音で漫画以上の表現が可能とはいえ、やはり限界があります

ですのでこの作品では、勝敗の要因を納得できるような理由付けが非常に巧みにされているように思います
例えば「選抜」初戦の創真vsアリスの「弁当」、黒木場vs田所の「ラーメン」、葉山vs秘書子の「ハンバーガー」では、勝った3人がガツンとインパクトのある料理、負けた3人が繊細で優しく美しい料理を作っていました
でもこの3品、特に弁当以外の2品は、そんな上品な食べ物じゃないですよねw
ガツンとインパクトがあった方が美味しいに決まってる、と読者が感覚で納得できるよう作られていたんじゃないかと私は思います

また決勝のサンマ対決はこの逆の形が取られていました
日本人ならほとんどの人はサンマを食べたことがあるでしょうが、多くの人が「サンマは塩焼きが一番美味しいに決まってる!」と感覚的に思っているのではないでしょうか
大衆食堂出身で庶民の味方(?)な創真ならそう考えてもおかしくありません
ですので単純な塩焼き対決にならないよう、まずは創真と他2人の目利きの差を描き、単純な塩焼きを出しただけでは勝ち目が無いことを強調したんじゃないかと思います

投稿 : 2016/09/27
閲覧 : 193
サンキュー:

7

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